商標拒絶査定不服審判
2024-006368
テイエルシイ、トータルライフケア、トータル、ライフケア
- 審判番号
- 2024-006368
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-011707
- 請求日
- 2024年04月15日
- 審決日
- 2024年11月14日
- 公報発行日
- 2025年01月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社トータルライフケア
- 【請求人代理人】大谷 元
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .261-WY (W354144) / T18 .262-WY (W354144) / T18 .263-WY (W354144)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-11707拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年2月7日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 8月14日付け:拒絶理由通知書
令和5年10月30日:手続補正書、意見書の提出
令和5年12月22日付け:拒絶査定
令和6年 4月15日:審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類、第41類及び第44類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、登録出願されたものであり、その後、上記1の手続補正書により、第35類「農業経営に関する指導・診断及び助言,農業経営に関する情報の提供,農業作業者の紹介,農業分野の事業に関する助言,農業施策の動向に関する調査」、第41類「理学療法に関する指導,理学療法に関する知識の教授,理学療法に関する就職・転職に関する知識の教授,理学療法に関する人材教育のためのセミナーの企画・運営・開催,理学療法に関する人材育成に関する講習会の企画・運営及び開催,理学療法に関するオンラインによる電子雑誌の提供,図書及び記録の供覧,理学療法に関するセミナー・教育研修・講座・人材開発のテキストの制作,理学療法に関するビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),理学療法に関するイベント・興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),理学療法に関する教育及びこれに関する情報の提供,理学療法に関する教育及びこれに関するイベントの企画・運営又は開催,理学療法に関する教室の手配及び運営並びにこれらに関する情報の提供,資格の認定・付与,資格の認定・付与のためのセミナー・研修・講習会・講演会の企画・運営又は開催,マニュアルの制作,コーチング(教育及び訓練)」及び第44類「医療情報の提供,健康診断,フットケアを主とするリフレクソロジー,介護施設の紹介,介護施設の提供,介護施設の提供に関する情報の提供,養護及び介護」に補正されたものである。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下の商標をまとめて「引用商標」という。)は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3051849号の2商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「TLC」の欧文字を横書きしてなる商標
登録出願日:平成4年9月30日
設定登録日:平成7年6月30日
指定役務 :第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,美術品の展示,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,興行場の座席の手配」
(2)登録第3060341号の2商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「TLC」の欧文字を横書きしてなる商標
登録出願日:平成4年9月30日
設定登録日:平成7年7月31日
指定役務 :第35類「経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,財務書類の作成又は監査若しくは証明,輸出入に関する事務の代理又は代行」
(3)登録第4115839号の2商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:「TLC」の欧文字を横書きしてなる商標
登録出願日:平成4年9月30日
設定登録日:平成10年2月20日
指定役務 :第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び処分,産業廃棄物の収集及び処分,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業,園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,デザインの考案,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,あん摩,マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,栄養の指導,保育所における乳幼児の保育,老人の養護」
(4)登録第5500387号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成22年2月8日
設定登録日:平成24年6月15日
指定商品及び指定役務:第9類、第38類及び第41類に属する別掲3のとおりの商品及び役務
(5)登録第5954014号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:「TLC」(標準文字)
登録出願日:平成28年10月5日
設定登録日:平成29年6月9日
指定役務 :第44類「医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤」
4 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、灰色の太線による円輪郭内に、4つの緑色のハート状図形を四つ葉のクローバーを模すように上下左右の各位置に放射状に配置した図形(左部・下部・右部のハート状図形にはそれぞれ白抜きで表された「T」、「L」及び「C」の文字が配されている)を表し、その下方に、「TOTAL LIFE CARE」の文字を灰色で横書きしてなる。
そして、本願商標の構成中の「TOTAL LIFE CARE」の文字部分についてみると、「TOTAL」の文字は「全部の,総計の;全体[総体,総合]的な」等の意味を、「LIFE」の文字は「生活」等の意味を、「CARE」の文字は「気づかい、面倒、世話」等の意味をそれぞれ有する語であって(いずれも「プログレッシブ英和中辞典(第5版)」株式会社小学館)、「TOTAL LIFE CARE」の文字それ自体は一般的な辞書類に掲載されている語ではないものの、各語とも広く知られた平易な英語であることからすると、「TOTAL LIFE CARE」の構成文字全体として、「トータルライフケア」との称呼が生じ、各語の意味から「総体的な生活の世話」程の観念が生じ得る。
一方、本願商標の構成中の図形部分は、上記のとおり、ハート状図形内にそれぞれ「T」、「L」及び「C」の文字が配されているところ、当該文字は、下段の文字部分である「TOTAL LIFE CARE」の各頭文字の「T」、「L」及び「C」を連想させること、また、複数の英単語から構成される名称等について、各語の頭文字を並べたものを略称として用いることも多いことに鑑みると、「T」、「L」及び「C」の文字と下段の文字部分「TOTAL LIFE CARE」とが比較的近接して上下に配置されている形態も相まって、「T」、「L」及び「C」の文字は、下段の文字部分の略称を表したものという印象を与える。
そうすると、当該図形部分からは、「ティーエルシー」の称呼を生じ、「TOTAL LIFE CARE」の略称と理解、認識されるとみるのが相当である。
以上によれば、本願商標を構成する図形部分及び下段の文字部分は、重なり合うことなく配置され、視覚上、分離して看取、把握されるとはいえるものの、図形中に配された「T」、「L」及び「C」の文字と「TOTAL LIFE CARE」の文字とに観念上のつながりもあることからすると、本願商標からは、「ティーエルシー」、「トータルライフケア」又は「ティーエルシートータルライフケア」との称呼が生じ、「総体的な生活の世話」程の観念が生じ得る。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1ないし3
引用商標1ないし3は、「TLC」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は一般的な辞書類に掲載されている語ではなく、引用商標1ないし3の指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いから、造語として看取されるものである。
したがって、引用商標1ないし3からは、「ティーエルシー」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
(イ)引用商標4
引用商標4は、別掲2のとおり、陰影を施した赤色で塗られた3つの角丸長方形図形内に、左から順に、「T」、「L」及び「C」の白抜きの文字を配し、その下段に「A Discovery Company」の文字(「Discovery」は「D」の部分が図案化されている)を配してなるところ、「T」、「L」及び「C」の文字部分は、下段の文字と比較して顕著に大きく表され、看者に強い印象を与えるものであるから、これらは、視覚上分離して看取されるものといえる。
そして、上段の「T」、「L」及び「C」をつなげた「TLC」の文字は、一般的な辞書類に掲載されている語ではなく、他方、下段の「A」の文字は「1つの」(前掲書)等の、「Discovery」の文字は「発見」(前掲書)等の、「Company」の文字は「仲間、会社」(前掲書)等の意味をそれぞれ有する語であるが、これらを結合した「A Discovery Company」の文字は、特定の意味合いを理解させるものではないから、上段及び下段の各文字に観念的なつながりがあるともいえない。
してみれば、引用商標4は、その構成中、独立して自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得る、顕著に大きく表された「T」、「L」及び「C」の文字のみを分離抽出し、これが引用商標4の要部として認識され、この部分のみを本願商標と比較することが許されるというべきである。
したがって、引用商標4からは、要部と認められる「T」、「L」及び「C」の文字に相応して、「ティーエルシー」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
(ウ)引用商標5
引用商標5は、「TLC」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は一般的な辞書類に掲載されている語ではなく、引用商標5の指定役務との関係で直ちに特定の意味合いを想起させるともいい難いから、造語として看取されるものである。
したがって、引用商標5からは、「ティーエルシー」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
ウ 本願商標と引用商標との比較
本願商標と引用商標は、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成からなるところ、外観においては、両商標は、図形の有無の差異や構成文字の差異により、明確に区別できる。
また、称呼については、本願商標及び引用商標から生じ得る複数の称呼のうちの一つである「ティーエルシー」の称呼を共通にする場合があるが、その他の称呼は、構成音が相違し、構成音数も異なるなど、明らかに聴別できる。
そして、観念については、本願商標は「総体的な生活の世話」程の観念を生じ得るのに対し、引用商標は特定の観念を生じないから、両者は観念において相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、本願商標より複数生じ得る称呼の一つである「ティーエルシー」の称呼を共通にする場合があるとしても、その他の称呼において明瞭に聴別できるものであって、外観において明確に区別でき、観念において相紛れるおそれはないから、両者の外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、非類似の商標というべきである。
(2)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、その指定役務について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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