商標拒絶査定不服審判
2024-004942
アリスアラッキーコムレード、アリス、アラッキーコムレード、ラッキーコムレード
- 審判番号
- 2024-004942
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-030165
- 請求日
- 2024年03月22日
- 審決日
- 2024年09月12日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ALYCE株式会社
- 【請求人代理人】大池 聞平
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .261-Z (W03) / T18 .262-Z (W03) / T18 .263-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 30165拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年3月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 8月28日付け:拒絶理由通知書
令和5年10月 4日 :意見書の提出
令和5年12月19日付け:拒絶査定
令和6年 3月22日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第3類「化粧品,化粧水,ティッシュに浸み込ませた化粧水,化粧用クリーム,クレンジングクリーム,ハンドクリーム,化粧用ローション,頭髪用化粧品,ヘアーリンス,ヘアーコンディショナー,ヘアートリートメント,ヘアークリーム,香水類,ベビーオイル(医療用のものを除く。),ベビーパウダー(医療用のものを除く。),入浴剤(医療用のものを除く。),バスソルト,ペット用シャンプー,ペット用化粧品,せっけん類,シャンプー,せっけん,水せっけん,洗濯せっけん,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,ペット用消臭剤,歯磨き,香料,薫料,芳香剤」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5023515号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成18年6月27日登録出願、第3類「化粧品,歯磨き,香料類,つけまつ毛」を指定商品として、同19年2月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上段にひときわ大きく太字で「ALYCE」の欧文字(「A」及び「Y」の欧文字はややデザイン化されている。以下同じ。)を、下段に小さく細字で「A Lucky Comrade」の欧文字を配置し、全体を橙色で表してなるところ、両文字部分は、上下二段に重なり合うことなく配置され、文字の大きさも顕著に相違することから、視覚上、明確に分離して看取されるものである。
また、上段の「ALYCE」の文字部分のうち、「A」及び「Y」の欧文字はややデザイン化されているとはいえ、一般に、商品又は役務に標章等を使用する際に、様々なデザイン化が行われている現状にあっては、当該文字のデザイン化が殊更特殊なものであるとはいえず、「ALYCE」の欧文字を表したものと容易に把握できるものである。
そして、「ALYCE」の文字は、「アリス」と発音する「女子の名」を表すものとして、辞書に載録が認められるものであり(出典:株式会社小学館「ランダムハウス英和大辞典 第2版」)、下段の「A Lucky Comrade」の文字は、「Lucky」が「運のいい、幸運に恵まれた」を、「Comrade」が「仲間、同士」を、それぞれ表す英単語であることから(以上、前掲書)、当該下段の文字部分からは、「幸運に恵まれた仲間」程の観念を生じるものであるところ、両者は、一体で一つの意味合いを生ずるなど、観念上のつながりがあるとはいえない。
そうすると、「ALYCE」と「A Lucky Comrade」の文字部分の間には、特段の観念上のつながりはなく、いずれも本願の指定商品との関係において、自他商品識別標識としての機能を果たし得るものであるから、本願商標の構成中、ひときわ大きく太字で表してなり、外観上、強く看者の注意を引くものといえる「ALYCE」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その要部である「ALYCE」の文字部分(以下「本願商標の要部」という。)に相応して、「アリス」の称呼を生じ、「ALYCE(アリス)」という「女子の名」程の観念を生じるものである。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、「アリス」の片仮名と「ALICE」の欧文字を上下二段に表してなるところ、上段の「アリス」の文字は、下段の「ALICE」の読みを表したものと理解するのが自然である。
そして、「ALICE」の文字は、「アリス」と発音する「女子の名」を表すものとして、辞書に載録が認められるものであり、引用商標は、その構成文字に相応して「アリス」の称呼を生じ、「ALICE(アリス)」という「女子の名」程の観念を生じるものである。
ウ 本願商標の要部と引用商標との類否について
本願商標の要部と引用商標を比較するに、外観において、「ALYCE」の文字部分と引用商標の「ALICE」の文字部分は、語頭及び語尾を含む5文字中4文字を共通にし、相違するのは3文字目の「Y」と「I」の文字にすぎず、これらは視覚上、比較的埋没しやすい中間部分に位置するものであることから、外観上、近似した印象を与えるものである。
また、本願商標の要部と引用商標は、称呼において、「アリス」の称呼を共通にするものである。
さらに、本願商標の要部と引用商標は、欧文字のつづりは異なるものの、いずれも「アリス」という「女子の名」程の観念を生じるから、観念が近似するものといえる。
そうすると、本願商標と引用商標は、本願商標の要部と引用商標との比較において、外観上、近似した印象を与え、称呼を共通にし、観念が近似するものである。
してみれば、両商標は、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品と引用商標の指定商品とを比較するに、本願の指定商品中の「化粧品,化粧水,ティッシュに浸み込ませた化粧水,化粧用クリーム,クレンジングクリーム,ハンドクリーム,化粧用ローション,頭髪用化粧品,ヘアーリンス,ヘアーコンディショナー,ヘアートリートメント,ヘアークリーム,香水類,ベビーオイル(医療用のものを除く。),ベビーパウダー(医療用のものを除く。),入浴剤(医療用のものを除く。),バスソルト,ペット用シャンプー,ペット用化粧品,歯磨き,香料,薫料,芳香剤」は、引用商標の指定商品中の「化粧品,歯磨き,香料類」と同一又は類似の商品である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は、引用商標と類似の商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、上段の文字部分が、下段の文字部分に比べて大きなフォントで表されているものの、全ての文字が欧文字かつ橙色で統一され、両文字部分は上下に比較的近く配され、左右の端の位置も大きく離れておらず、外観上、まとまりよく表されていると述べ、本願商標全体から生じる「アリスアラッキーコムレード」の称呼は、格別冗長とはいえず、本願商標からは、それ以外に、「アリス」、「アラッキーコムレード」及び「ラッキーコムレードアリス」の称呼をも生じ、これら複数生じる称呼は、引用商標の「アリス」の称呼とは音数や音構成が大きく異なるため、容易に聴別することができる旨主張する。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願商標においては、上段にひときわ大きく太字で表してなり、外観上、強く看者の注意を引くものといえる「ALYCE」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきであって、本願商標の要部である「ALYCE」の文字部分と引用商標とは、「アリス」の称呼を共通にするものである。
イ 英語における欧文字「ALYCE」の語の発音については、「アリス」と発音することが多いものの、「アリース」の称呼も生じる場合があり、「アリース」の称呼が生じないということはできない上、仮に、本願商標の欧文字「ALYCE」から「女子の名であるアリス」程の観念が生じるとしても、「ALYCEとつづる女子の名であるアリス」との観念が生じるのに対し、引用商標は、「ALICEとつづる女子の名であるアリス」との観念が生じ、取引者、需要者は、同じ「アリス」と呼ぶ名前ではあるものの、1文字違いの異なる名前であると容易に認識できることから、両者は、観念上も相紛れるおそれはない旨主張する。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、「ALYCE」の文字は、「アリス」と発音する「女子の名」を表すものとして、辞書に載録が認められるものであるから、「アリス」の称呼のみが生じるものであり、本願商標の要部と引用商標は、欧文字のつづりは異なるものの、いずれも「アリス」という「女子の名」程の観念を生じるから、観念が近似するものというのが相当である。
そして、本願商標の要部と引用商標とは、語頭及び語尾を含む5文字中4文字を共通にし、相違するのは3文字目の「Y」と「I」の文字にすぎず、これらは視覚上、埋没しやすい中間部分に位置するものであることから、外観上、近似した印象を与えるものであるほか、両者は「アリス」の称呼を共通にし、「アリス」という「女子の名」程の観念を生じることで、観念が近似するものであるから、本願商標と引用商標は、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
ウ 本願商標における「ALYCE」の文字部分について、引用商標と相違する3字目の「Y」の文字は、先頭の「A」の文字とともに、デザイン化された態様であり、特に「Y」の文字は、5文字の中で相対的に目立つ態様にデザイン化されており、5文字という短い文字構成で、かつ、文字間の隙間が比較的大きいことから、「Y」の文字は、中央部分にあることで視覚上埋没しているとはいえず、本願商標に接する需要者は、視覚を通じて、引用商標と相違する「Y」の文字を容易に認識することができる旨主張する。
しかしながら、本願商標の要部のうち、「A」及び「Y」の文字はややデザイン化されているとはいえ、一般に、商品又は役務に標章等を使用する際に、様々なデザイン化が行われている現状にあっては、当該文字のデザイン化が殊更特殊なものであるとはいえず、「ALYCE」の文字を表したものと容易に把握できる上、本願商標の要部と引用商標とは、語頭及び語尾を含む5文字中4文字を共通にし、相違する3文字目の「Y」と「I」は、埋没しやすい中間部分に位置するものであることから、外観上、近似した印象を与えるものであるといわざるを得ない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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