特許拒絶査定不服審判
2024-001990
コナジラミ類の防除方法
- 審判番号
- 2024-001990
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-522228
- 請求日
- 2024年02月05日
- 審決日
- 2025年06月10日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社アクアソリューション
- 【請求人代理人】伊東 秀明
- 【請求人代理人】三橋 史生
- 審判長/審判官
- 審判長 殿川 雅也
- 審判官 立澤 正樹
- 審判官 道祖土 新吾
- 分類
- P18 .121-WZ (A01G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-522228「コナジラミ類の防除方法」拒絶査定不服審判事件〔令和元年12月5日国際公開、WO2019/230753〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2019年(令和元年)5月29日を国際出願日とする日本語特許出願であって(優先権主張 平成30年5月30日)、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和5年 6月16日付け:拒絶理由通知書
同年 7月10日 :意見書、手続補正書の提出
同年10月 3日付け:拒絶理由通知書
同年10月26日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 1月10日付け:拒絶査定
(同月23日 :原査定の謄本の送達)
同年 2月 5日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和7年 2月28日付け:拒絶理由通知書
同年 3月26日 :意見書、手続補正書の提出
なお、当審において令和7年2月28日付け拒絶理由通知書で通知した拒絶理由を、以下「当審拒絶理由」という。また、平成30年5月30日を、以下「優先日」という。
第2 本願発明の認定
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和7年3月26日に提出された手続補正書により補正された請求項1に記載された次に示す事項により特定されるとおりのものである(なお、下線は補正箇所を示す。)。
「 【請求項1】
加圧溶解方式にて水中にナノバブルを発生させてナノバブル水を生成し、
植物体に農薬を散布せずに、前記ナノバブル水を、それ単独で、前記植物体が植えられた土壌に散水して、前記ナノバブル水を前記植物体に施用することで、前記植物体の葉におけるコナジラミ類を防除し、
前記ナノバブル水に含まれる気泡が、酸素を含む、コナジラミ類の防除方法。
ここで、気泡が酸素を含む態様は、空気中の酸素よりも高い濃度で含む態様をいう。」
第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由は、以下の拒絶理由を含むものである。
(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない
記
<主たる引用文献>
引用文献1.特開2010-94117号公報
<周知技術を示す文献>
引用文献2.「ファインバブル活用事例集」、九州経済産業局、2018年1月、https://k-rip.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2018/03/finebubble_ver4.pdf
第4 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定
1 引用文献1に記載された事項
当審拒絶理由において引用された、本願の優先日前に発行された文献である引用文献1(特開2010-94117号公報)には、以下の事項が記載されている(下線は当審において付した。以下同じ。)。
(1)「【0001】
本発明は、無農薬農作物栽培方法、特にマイクロバブル利用の農作物栽培方法と、この方法に利用する土壌改善剤に関する。
【技術的背景】
【0002】
近時、通常の水中で極めて微細な気泡を発生させ、此の微細気泡の持つ水中での特異な物理化学的特性を種々な産業に利用せんとする数多い研究が盛んに行われている。
【0003】
この種水中の気泡に於いては、図1に示す如く、直径約50ミクロン以上の気泡即ち左側の気泡(MB)は、拡大しながら水中を上昇し、水面ではじけて消滅する性質があり、50ミクロン以下の左側のそれは、水中での滞留時間が長く、ゆっくりと浮遊する為、その溶存酸素濃度が増大し、更にその負に帯電した表面には,正に帯電した水中の浮遊塵等微細物質を吸着して浮上する。
【0004】
又、此のマイクロバブル(MMB)は、図示の如く,自己加圧系で、縮小しながら上昇し、約20ミクロン以下のバブル(MNB)を経て水中で消滅するが、此の消滅時に数千度で数千気圧の雰囲気の所謂圧壊現象を発生する
・・・(中略)・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明に於いては、上記したマイクロバブル特にマイクロナノバブルの諸特性を巧みに利用して、植物の露地栽培、施設栽培に於ける耕作地の土壌を改善すると共に、作物えの此のバブル水の散水に依る殺菌効果をも併用して、無農薬にも関わらず、収量、味、色、寸法等に於いて優れた衛生的農作物栽培方法を提供する事を課題とする。
【課題を解決する為の手段】
【0010】
本来植物は、図2,3及び4に示す如く、主として幹及び枝部(3)、葉部(2)及び根部(4)より構成され、夫々の部分は、表皮(12)(22)・・・基本組織(16)(26)・・・、無数の維管束(13)(23)・・・・等より成り立っている
【0011】
更に又、上記維管束(13)(23)・・・は、木部(15)(25)・・・及び師部(14)(24)・・より構成され、前者は土中等から水分や無機成分の、後者は、葉で作られた同化産物の導通路と成り、共に植物の成長中枢とも云える組織を構成している。
【0012】
一方、前記表皮組織は、植物の保護と物質の出入りの調節を行い、表皮組織と孔辺細胞(気孔)(17)、毛状突起(18)等から構成され、更に他の基本組織(16)(26)は、形態的、機構的には、様々な組織の寄せ集めであり、葉に於けるそれは、光合成に働く組織であり,又根部のそれは、芋に見られる様に澱粉を貯蔵する組織と成り得る場合もある部分である。
【0013】
此の様な下方から上方え、又上方から下方えの水分、養分又は同化物質を運搬する導管状の維管束及び基本組織(13)(23)及び(16)(26)のあるものは、図2乃至図4に示す如く、根部(4)(4‘)や葉部(1)に散布機(11)から噴霧されるイオン化したナノバブル水(21)(21)・・を受け入れる事が出来、その結果例えば土中深く浸透したバブル水(9)(10)・・・は、根部(4)(4’)から幹部(3)の維管束を経て矢印(f)、(f)の如く葉部(1)のそれえと運ばれ、充分な溶存酸素を栄養分と共に組織全体に配分して、その成長を向上させる。
【0014】
一方、葉部の気孔(17)又は維管束(13)から浸透したナノバブルイオン水(21)は、太陽エネルギーと共に二酸化炭素の同化作用を充分補助すると同時に、矢印(f‘)(f’)方向から、夫々の維管束師部(14)(14)を経て、幹部或いは根部の基本組織内に、同化、形成された澱粉,糖分を搬送し、貯蔵する。
【15】
此の様な植物成長課程での触媒作用に加えて前記ナノバブル水は、その収縮、消滅時の二千度及び二千気圧にも達する雰囲気の発生作用に依り、図2の(5)(6)(7)に示す如く、葉上、土上、土中でのナノバブルの破裂現象で、一種の熱波、衝撃波殺菌並びに殺虫佐用を起すと同時に、土壌の耕作作用も行って、土壌の酸素、空気の溶存、含有率を高めると同時に、スポンジ状の肥沃な土壌層に変化させ、農作物の成長能並びに成長環境を改善する。
【0016】
此の様なマイクロバブル特にマイクロナノバブル水の特性は、植物の露地栽培にも有利に利用される。
即ち、露地栽培での土壌は、作物の生長に必要な養分を貯え、それを徐々に供給する役目をしているので、多量の養分を貯え得る上記スポンジ状の土壌は良質な土壌とされている。
【0017】
一般に、此の様な肥沃な土壌は、数種類の添加物(肥料又は土壌改善剤)を一種又は数種類加えて上記スポンジ状のふわふわした柔軟で通気性の高い物えと改質されているが、此の様な作業は手間が掛かり、経費も嵩むので、長年、その省力化、経費削減化が課題とされていた。
【0018】
この種の土造りは、上記マイクロバブル又はマイクロナノバブルの破裂消滅時の土壌耕作作用を利用する事に依り、適宜掘り起こされ、掻き混ぜられて、酸素、空気の侵入し得る無数の空隙を形成し、此の空隙内に多量の酸素や必要栄養分を貯え、又一方では、前記維管束えと導通し易い高い塩基置換容量のふわふわとした肥沃土壌えと改善する事が出来る。
従って、適当なナノバブル水を適宜散布し、上記の如き土造りに依り、作物組織自体を活性化し、それと同時に葉面、幹表面に寄生、又は付着する害虫、有害菌等を殺虫、殺菌して、内外から農作物の成長を助け、味、色、量、寸法の著しく改善された作物を収穫する事を可能とする。
以下、本発明の上記土壌改善剤と、此れを利用する無農薬農作物栽培方法の典型的な実施例を説明する。」
(2)「【実施例】
【0019】
(1)-マイクロナノバブル水(天照水:商品名)の生成
青森県産赤黄土を水で抽出したミネラル含有水1ccを、10,000ccのマイクロナノバブル水に混合して調製する。
【0020】
[図:0001425286000001.jpg]
上記天照水を50倍に薄めた希釈液5m3を栽培地100m2に均一に散布し、2-3日間隔で繰り返し3回散水して実験栽培地(A)(B)(C)(D)のC.E.C.改善作業を行う
[図:0001425286000002.jpg]
【0021】
(3)此の様に天照水散布でC.E.C.を改善された4地点の耕作地と、地下水を同一条件で3回散布した4地点の耕作地とで栽培した作物の結果は、以下の通りであった。
【0022】
例1・・・・・A栽培地:作物=ゴボウ
場所: 青森県上北郡おいらせ町瓢45-9
栽培面積 1町8反
栽培方法 葉面;マイクロナノバルブ水散布-10日間隔
(天照水20-50倍希釈液)
官株:(天照水母液)-1月当り1-2回散布
栽培結果 (1)土壌が柔らかく、根っこの活着が良い。
(2)収穫物の肌質がよく、長さが長い。
「天照水散布品:長さ-106cm、首筋直径-3cm
井戸水散布品:長さ-100cm、首筋直径-2.5cm」
(3)せん虫の発生が少ない。[病害虫に強い。]
(4)育成速度が速い
(5)初期からの散布が効果的である。
【0023】
例2.....B栽培地:作物=ニンニク
場所: 青森県五戸町大字倉石又重字北向
栽培面積 300坪
栽培方法 集面散布10日間隔(天照水20-50倍希釈液)
官株 1月当り1-2回(天照水母液)
栽培結果 (1)散布後丈夫になり、光合成が活発化した。
(2)生育状態がよく、球根の発育状態が良い。
(3)定期的に散布する化学農薬等の結果よりも相当優れた効果
を有していた。
(4)実が大きく、甘く、色も良好で、一株当り30-32%の
増量となり、従来より約30%の収穫増であった。
天照水散布作物寸法: 平面直径-9cm、高さ-7cm
井戸水散布作物寸法::平面直径-7cm、高さ-4.5cm
【0024】
例3.....C栽培地:作物=キューリ
場所: 青森県五戸町大字倉石又重字北向
栽培面積 300坪
栽培方法 葉面散布10日間隔(天照水20-50倍希釈液)
官株1月当り1-2回(天照水母液)
栽培結果 (1)菌が発生した状況下で、母液20-50倍希釈液に依り処
理し、完治する事が出来た。
(2)土壌が柔らかく成り、根っこの活着が良い。
(3)光合成作用が円骨に成る。
(4)奇形的な実が殆ど無く味が良い。
(5)実と形と色とが最上級である。
(6)収穫した実に花が付いているほど新鮮である。
(7)栽培期間中、病害虫の影響が無く、商品性が高い。
(8)収穫作物の寸法が大きい。
天照水散布作物寸法: 長さ25cm、 平均直径:3cm
井戸水散布作物寸法: 長さ20cm、 平均直径:2.5cm
【0025】
例4.....D栽培地:作物=ピーマン
場所: 青森県五戸町大字倉石又重字北向
栽培面積 300坪
栽培方法 葉面散布:5-7日間隔(天照水20-50希釈液)
官株散布:1月当り1-2回天照水母液(1L/300坪)
(実が着果して多量の栄養分を必要とする時:月2回)
試験結果 (1)土壌のEC濃度が、作物の栽培に適合する数値に改良でき
て、初期の根っこ活着相当良好になる。
(2)菌で発生する病害がなく、既存の化学農薬等による効果よ
り相当卓越している。
(3)奇形が少なく、実が甘く、色が鮮やかである。
使用したのと使用しないのとでは、大きさ、重量において
、従来品より30-40%の差異が生じ、市場指定のフィ
ルムに収まりきれず、新規サイズの認証を求める必要があ
る。
(4)収穫じゃ30-35%増収であった。
天照水散布ピーマン: 高さ、11.0cm、 直径、10cm
井戸水散布ピーマン: 高さ、9.5cm、 直径、8.5cm
【0026】
斯くの如く、マイクロナノバブル水と微量の特殊ミネラルとの混合水の散布に依って、土壌は改善され、作物自身の成長は活性化されて、収量を増大させることが証証された。
勿論、此の天照水は、単独での散水のみならず、必要な肥料、栄養分その他を混合又は懸垂して使用する事も出来、他の土壌改善剤、堆肥等と併用使用しても何ら差し支えない事も実証されている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】 水中の気泡寸法とその特性との関係を示す説明図である。
【図2】 マイクロバブル水を、土壌並びに植物根部に散布した場合の此れ等両者への物理化学的影響を示す説明図である。
【図3】 植物葉部の構図と、散布されたマイクロバブル水の作用とを示す説明図である。
【図4】 植物根部の構造と土壌内に浸透したマイクロバブル水の作用とを示す説明図である。」
(3)【図1】「
[図:0001425286000003.jpg]
」
(4)【図2】「
[図:0001425286000004.jpg]
」
2 記載から認定できる事項
(1)「マイクロナノバブル水」、「ナノバブル水」について
引用文献1の【0009】に記載される「マイクロナノバブル水」や【15】及び【0018】に記載される「ナノバブル水」は、【0004】の「約20ミクロン以下のバブル(MNB)」との記載や【図1】の記載からみて、少なくとも0.1μm(100nm)程度の粒子径の気泡を含むものと認められる。
(2)「ナノバブル水」の「散布」について
【0013】の「図2乃至図4に示す如く、根部(4)(4‘)や葉部(1)に散布機(11)から噴霧されるイオン化したナノバブル水(21)(21)・・を受け入れる事が出来、その結果例えば土中深く浸透したバブル水(9)(10)・・・は、根部(4)(4’)から幹部(3)の維管束を経て矢印(f)、(f)の如く葉部(1)のそれえと運ばれ、充分な溶存酸素を栄養分と共に組織全体に配分して、その成長を向上させる。」との記載から、「ナノバブル水」は根部、葉部に噴霧されると同時に、土中深く浸透することが理解でき、かつ【0027】における【図2】の説明では「マイクロバブル水を、土壌並びに植物根部に散布した場合の此れ等両者への物理化学的影響を示す説明図である。」とされていることから、引用文献1の「ナノバブル水」は、植物体が植えられた土壌に散布されることが理解できる。
3 引用発明
上記1、2より、引用文献1には、下記の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。なお、引用文献1において同一の意味で用いられている「マイクロナノバブル水」及び「ナノバブル水」の用語は、「ナノバブル水」と表現を統一した。
[引用発明]
「熱波、衝撃波殺菌並びに殺虫佐用を起すと同時に、土壌の耕作作用も行って、土壌の酸素、空気の溶存、含有率を高めると同時に、スポンジ状の肥沃な土壌層に変化させ、農作物の成長能並びに成長環境を改善するナノバブル水を、(【15】)
作物組織自体を活性化し、それと同時に葉面、幹表面に寄生、又は付着する害虫、有害菌等を殺虫、殺菌して、内外から農作物の成長を助け、味、色,量、寸法の著しく改善された作物を収穫する事を可能とするために、植物体が植えられた土壌に散布するものであり、(【0018】、2(2))
前記ナノバブル水は、少なくとも100nm程度の粒子径の気泡を含み、(2(1))
ナノバブル水と微量の特殊ミネラルとの混合水を散布に依って、土壌は改善され、作物自身の成長は活性化されて、収量を増大させる、(【0026】)
無農薬農作物栽培方法。(【0001】)」
第5 引用文献2に記載された事項、周知技術1及び周知技術2の認定
1 引用文献2に記載された事項
当審拒絶理由において引用された、本願の優先日前に発行された文献である引用文献2(「ファインバブル活用事例集」、九州経済産業局、2018年1月、https://k-rip.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2018/03/finebubble_ver4.pdf)には、以下の事項が記載されている。
(1)「「ファインバブル」は、気泡のサイズによりマイクロサイズの「マイクロバブル(Micro-Bubble:MB)」とナノサイズの「ウルトラファインバブル(Ultrafine-Bubble:UFB)」(以前は「ナノバブル」と呼ばれていた)の2種類に分類されています。これらは、単に気泡が小さいだけでなく、普段目にする数mmの気泡(ミリバブル)とは異なる様々な特徴を持っています(表1)。」(1頁 「1 ファインバブルとは」より)
(2)「
[図:0001425286000005.jpg]
」(1頁 表1)
(3)「 ファインバブルの見た目に関する特徴について前頁で説明しましたが、それ以外にもファインバブルには様々な物理的な特徴があります。それらの特徴を上手く組み合わせることで様々な効果を得ることができます(表2参照)。活用方法次第では、従来使用していた薬品や化学物質が不要になる可能性もあり、環境配慮面の効果も期待できます。
・気体溶解効果
ファインバブルを活用すれば、液体中に気体を多量かつ効率的に溶かすことができます。これは、気体溶解量に大きく影響を及ぼす単位体積あたりの液体との接触面積が大きいことに加えて、気泡内部が高圧で気体を溶解しやすいというファインバブルの特徴を十分に活かした効果です。
・気体封入効果
活用の幅が大きく広がりつつあるのが、UFBが液中に長く留まることを活かした「気体封入効果」です。気泡の中に目的に応じた気体を封入することで、ファインバブルに更なる機能を付加することができます。
例えば、オゾンは強力な洗浄殺菌能力と有機物分解能力を持っており排水処理などに活用されていますが、これをUFBに封入すれば含有濃度が高まり、処理効率を大幅に向上させることが可能となります。医療分野での活用や香りの封入など新しい使い方も続々と開発されていますが、本効果は従来から知られている効果の増強や持続性の向上を高める可能性があります(図2)。
・生理活性効果
「生理活性」は農業や医療・健康分野などで注目されている効果です。UFBは植物の根などから吸収されやすいため、酸素等を植物に供給するための効果的な手段となります。植物の成長が促進された事例も数多く報告されており、特に生育コントロールなどを厳格に行う植物工場やビニールハウス等での活用が期待されます。」(3~4頁 「2 ファインバブルの効果」より)
(4)「
[図:0001425286000006.jpg]
」(3頁 表2)
(5)「
[図:0001425286000007.jpg]
」(3頁 図2)
(6)「 非常に微細な気泡を発生させるために、様々な方式が考案されており(表3)、メーカー各社からMB・UFBの発生装置が販売されています。
UFBの発生方式については、UFBを直接発生させる方式もありますが、気体を高速でせん断する「高速旋回液流式」と加減圧を活用する「加圧溶解式」が主流です。両方式ともMBとUFBを同時に発生させ、その後MBの自然脱泡を待ち、残存するものをUFBとするものです)。
発生装置を選定するにあたっては、装置自体のコストはもちろんですが、気泡径のピーク・分布、気泡密度・濃度、発生量、生成時間※、消費エネルギーなどを総合的に判断する必要があります。」(4頁 「3 ファインバブルの発生方式と発生装置」より)
(7)「
[図:0001425286000008.jpg]
」(4頁 表3)
(8)「 農業分野におけるファインバブル活用は他分野より進んでいます。既に、野菜、果物(いちご)、花き(バラ等)、水稲などに対してUFBもしくは酸素UFBと養液等を組み合わせて供給し、農作物の成長促進に繋がった多くの事例があります。
通常の水で育てたものと実績比較をすると、養液土耕方式によるいちご高設栽培(酸素UFB水供給)で総収穫量が24%増加・糖度0.9度増加※1、ミニトマト(4種)の水耕栽培(UFB水供給)で収穫量約20%増加・糖度約2度増加※2、植物工場におけるレタス水耕栽培(酸素UFB水供給)で重量が約2.5倍に向上(播種後50日)※3といった結果が報告されています。
その他にも、UFB活用に伴う追加的な効果として、根部の成長促進、根腐れが発生しない、バクテリア繁殖抑制効果なども報告されており、植物工場やハウス等で環境制御を行っている場合や高付加価値な商品作物の生産には特に大きなメリットが期待できます。■情報提供元:ワイビーエム株式会社(※1)、株式会社Ligaric(※2)、IDEC株式会社(※3)」(6頁「<<事例丸2(合議体注:「丸2」は丸囲み数字を示す。)>> 農業 UFBによる農作物の促進生長」より)
(9)「
[図:0001425286000009.jpg]
」(6頁に掲載された写真及びグラフ)
2 周知技術1及び周知技術2
引用文献2に記載された「ウルトラファインバブル(UFB)」は、上記1(1)及び(2)に記載されるとおり、以前は「ナノバブル」と呼ばれ、「数十nm~1μm」程度の気泡を有するものであるから、本願発明の「ナノバブル」に相当するものと認められる。また、上記1(8)及び(9)に記載された「UFB水」は、本願発明の「ナノバブル水」に相当するものと認められる。
そして、次の(1)及び(2)に示す技術事項は、本願の優先日前に当業者に周知の技術であったものと認められる。
(1)周知技術1
上記1(6)及び(7)に記載の「加圧溶解式」は本願発明の「加圧溶解方式」に相当するものと認められるところ、次の技術事項は当業者にとって周知の技術であったものと認められる(以下「周知技術1」という。)。
[周知技術1]
「ナノバブル水の生成に、加圧溶解方式を用いること」
(2)周知技術2
上記1(3)、(5)及び(8)には、農作物の成長促進のためにナノバブル水に酸素そのものを封入することが記載されているところ、次の技術事項は当業者にとって周知の技術であったものと認められる(以下「周知技術2」という。)。
[周知技術2]
「農作物の成長促進のために、酸素そのものが封入されたナノバブル水を用いること」
第6 対比、判断
1 本願発明との対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「ナノバブル水」は、少なくとも100nm程度の粒子径の気泡を含むところ、本願発明の「ナノバブル水」に相当する。
一方で、本願発明の「ナノバブル水」は「加圧溶解方式」で生成されることが特定されているが、引用発明の「ナノバブル水」の生成方法は特定されていない。
(2)引用発明は「無農薬農作物栽培方法」であって、農薬を散布せずナノバブル水を散水することで作物栽培するものである。したがって、本願発明と引用発明とは「植物体に農薬を散布せず」という点で一致する。
(3)本願発明の「ナノバブル水を、それ単独で」、「植物体に施用」との発明特定事項について検討するに、請求人が意見書で補正の根拠として主張する本願明細書の【0021】には以下のような記載がある。
「 【0021】
本発明において、上記ナノバブル水の植物体への施用態様は、植物体の栽培方法により異なるため特に限定されないが、例えば、土耕栽培において上記ナノバブル水を散水する態様、土耕栽培において上記ナノバブル水によって希釈された農薬を散布する態様、養液栽培(水耕、噴霧耕、固形培地耕)または養液土耕栽培(灌水同時施肥栽培)において上記ナノバブル水によって希釈された培養液を培地に供給する態様、および、養液土耕栽培において上記ナノバブル水をそれ単独で散水(灌水)する態様などが挙げられる。
これらのうち、操作が簡便であり、コナジラミ類の防除効果がより向上する理由から、上記ナノバブル水を用いた散水、および、上記ナノバブル水を用いて希釈した培養液の培地への供給のうち、少なくとも一方を実施する態様が好ましい。
なお、施用の一態様である「散水」の方法は特に限定されず、栽培方法が土耕栽培である場合には、例えば、植物体の全体に水を散布する方法、植物体の一部(例えば、茎または葉など)に水を散布する方法、植物体が植えられた土壌に水を散布する方法などが挙げられる。また、栽培方法が養液土耕栽培である場合は、上述したように、灌水による散水であってもよい。」
上記の記載からみて、「ナノバブル水を、それ単独で」「植物体に施用」するとは、ナノバブル水を農薬や培養液で希釈しない状態で「植物体に施用」することを示しているものと認められる。そして、「植物体に施用」するとは、少なくとも「植物体が植えられた土壌に水を散水する」ことを含む概念である。
ここで、引用発明の「ナノバブル水」は「植物体が植えられた土壌に散布」されるという「植物への施用」が行われるものといえるから、引用発明の「無農薬農作物栽培方法」は、本願発明の「ナノバブル水を」「植物体が植えられた土壌に散水して、前記ナノバブル水を前記植物に施用し」との要件を満たすものといえる。
一方、「植物体への施用」の方法として、本願発明は「ナノバブル水を、それ単独で」施用するのに対し、引用発明は「マイクロナノバブル水と微量の特殊ミネラルとの混合水」を散布するものである点で相違する。
(4)引用発明の「ナノバブル水」は「土壌の酸素、空気の溶存、含有率を高める」のであるから、本願発明の「ナノバブル水」と引用発明の「ナノバブル水」とは、「酸素を含む」点で一致する。一方で、本願発明の「ナノバブル水」の酸素は「空気中の酸素よりも高い濃度」であるのに対し、引用発明の酸素の濃度は特定されていない。
(5)引用発明の「無農薬農作物栽培方法」は「害虫」を「殺虫」することが記載されているが、殺虫できる害虫の種類は特定されていない。
してみると、本願発明は「植物体の葉におけるコナジラミ類を防除」する「コナジラミ類の防除方法」であるのに対し、引用発明は「害虫」を「駆除」できる「無農薬農作物栽培方法」ではあるものの、「植物体の葉におけるコナジラミ類を防除」する「コナジラミ類の防除方法」に用いることは特定されていない。
2 一致点及び相違点
上記1の対比分析結果をまとめると、本願発明と引用発明は(1)に示す一致点において一致し、(2)に示す相違点1~4において相違する。
(1)一致点
「植物体に農薬を散布せずに、ナノバブル水を植物体が植えられた土壌に散水して、前記ナノバブル水を前記植物体に施用し、前記ナノバブル水に含まれる気泡が、酸素を含む、方法。」
である点。
(2)相違点
[相違点1]
本願発明の「ナノバブル水」は「加圧溶解方式」で生成されるのに対し、引用発明の「ナノバブル水」の生成方法は特定されていない点。
[相違点2]
ナノバブル水を植物に施用するにあたり、本願発明は、「ナノバブル水を、それ単独で」施用するのに対し、引用発明は「ナノバブル水と微量の特殊ミネラルとの混合水」を散布する点。
[相違点3]
本願発明の「ナノバブル水」の「酸素」は「空気中の酸素よりも高い濃度」であるのに対し、引用発明の酸素濃度は特定されていない点。
[相違点4]
本願発明の方法は「植物体の葉におけるコナジラミ類を防除」する「コナジラミ類の防除方法」であるのに対し、引用発明は「害虫」を「駆除」できる「無農薬農作物栽培方法」ではあるものの、「植物体の葉におけるコナジラミ類を防除」する「コナジラミ類の防除方法」ではない点。
(3)判断
ア 相違点に対する判断
(ア)相違点1について
上記第5の2(1)で示したように、「ナノバブル水の生成に、加圧溶解方式を用いること」(周知技術1)は当業者にとって周知の技術である。
してみれば、引用発明においても当該周知技術1を適用し、相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できたものと認められる。
(イ)相違点2について
引用発明におけるナノバブル水は、【15】にも記載されるように「熱波、衝撃波殺菌並びに殺虫佐用を起すと同時に、土壌の耕作作用も行って、土壌の酸素、空気の溶存、含有率を高めると同時に、スポンジ状の肥沃な土壌層に変化させ、農作物の成長能並びに成長環境を改善する」ものであるから、引用発明におけるナノバブル水それ単独で、一定の技術効果を奏するものであることは、当業者に明らかであるといえる。
ここで、微量の特殊ミネラルを混合する技術的意義は、「特殊ミネラル」という用語の定義も含め、引用文献1の開示から必ずしも明確とはいえないものの、引用文献1の【0026】における「斯くの如く、マイクロナノバブル水と微量の特殊ミネラルとの混合水の散布に依って、土壌は改善され、作物自身の成長は活性化されて、収量を増大させることが証証された。」(当審注:「証証された」は「証明された」の誤記であると思われる。)との記載や、植物体の成長には一般にリンやカリウムなどのミネラル成分が必要とされることが技術常識であることから、植物体の成長に必要なミネラル成分を供給するためのものと考えることが自然である。そうすると、例えばミネラルがすでに土壌に十分ある場合や、別工程でミネラルを植物に施用する場合等には、当業者は、特殊ミネラルを用いずにナノバブル水単独で植物に施用すれば良いことを、普通に想起し得るものといえる。
さらにいえば、そもそも引用発明においてはナノバブル水それ単独でも一定の技術効果を奏することが明らかなのであるから、引用発明において、ナノバブル水をそれ単独で植物に施用することは、当業者が適宜なし得たことにすぎないものと認められる。
してみれば、引用発明において微量の特殊ミネラルの混合を行わないこととして、相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できたものと認められる。
(ウ)相違点3について
引用発明は「土壌の酸素、空気の溶存、含有率を高める」ものであるから、ナノバブル水の酸素濃度も高めることが自然であるといえる。さらに、引用発明は「農作物の成長能並びに成長環境を改善」するものであるところ、「農作物の成長促進のために、酸素そのものが封入されたナノバブル水を用いること」(周知技術2)が周知技術なのであるから、引用発明においても、土壌の酸素含有率を高めるために、当該周知技術2を採用して、相違点3に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できたものと認められる。
(エ)相違点4について
a 引用発明の「無農薬農作物栽培方法」において殺虫できる「害虫」の種類は特定されていないものの、「コナジラミ類」は「農作物」の「害虫」として極めて一般的なものであり、引用発明に当たった当業者は、殺虫できる「害虫」として当然に「コナジラミ類」を想起できるものといえる。そして、引用発明は、農作物の害虫一般に効くものであり、引用文献の記載からみて、コナジラミ類を含む特定の農作物の害虫を排除する特段の事由も見いだせない。
そうすると、引用発明の方法を、よく知られた害虫であるコナジラミの防除方法に適用することは、当業者が容易になし得る程度の事項と認められる。
b ここで、本願発明の「植物体の葉におけるコナジラミ類を防除」するとの点は、本願明細書の【0006】の「本発明者は、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、植物体にナノバブル水を施用することにより、化学薬剤を使用しなくても、コナジラミ類の防除効果が高くなることを見出し、本発明を完成させた」等の記載から明らかなように、「ナノバブル水」を植物体に施用した際の技術効果を請求項に記載したものといえる。そうすると、引用発明もまた本願発明と同様に植物体にナノバブル水を施用するものであるから、本願発明と同様に、「植物体の葉におけるコナジラミ類を防除」するとの技術効果を奏することは明らかである。換言すれば、「植物体の葉におけるコナジラミ類を防除」するとの点は、引用発明を「コナジラミの防除方法」に適用すれば、当然に満たされる要件であるといえる。
c 上記a、bで検討したことから、引用発明の「無農薬農作物栽培方法」を、「植物体の葉におけるコナジラミ類を防除」するとの効果を奏する「コナジラミの防除方法」として用いることとして、相違点4に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できたものと認められる。
イ 請求人の意見書による主張
請求人は、令和7年3月26日に提出の意見書において、概略下記(ア)a、(イ)aの主張をしている。しかし、下記(ア)b、(イ)bに示すように、いずれも採用できないものである。
(ア)請求人の主張1
a 請求人の主張の内容(植物体の葉におけるコナジラミの防除)
引用文献1の【15】によれば、引用発明はナノバブル水の気泡破裂による熱波や衝撃波というメカニズムで殺虫することとされている。そうすると、土壌へ散布されたナノバブル水の気泡破裂により生じる熱波や衝撃波が、土壌よりも上方に位置する植物体の葉まで到達して葉におけるコナジラミ類を殺虫することは、当業者が到底想定できない。引用発明において、植物体におけるコナジラミ類を防除できるのは、土壌へのナノバブル水の散水ではなく、植物体の葉へのナノバブル水の散水に因るものと考えられる。
b 請求人の主張1に対する検討
(a)本願発明が奏する効果
上記ア(エ)で検討したように、「植物体の葉におけるコナジラミ類を防除」するとの事項は、本願発明において「ナノバブル水を植物体が植えられた土壌に散水して、前記ナノバブル水を前記植物体に施用すること」で生じる技術効果なのであるから、本願発明と同様に、ナノバブル水を土壌に散水する引用発明を「コナジラミの防除方法」として実施すれば、引用発明も、本願発明と同様に「植物体の葉におけるコナジラミ類を防除」できることは明らかである。
(b)本願請求項1の記載との関係
請求人の上記aの主張は、本願発明が植物体の葉への散水を行わないことを前提としたものとも解される。しかし、本願発明は「植物体が植えられた土壌に散水」するものではあるものの、植物体の葉への散水を行わないことは特定されていない。そうすると、本願発明が植物体の葉への散水を行わないことを前提とした主張は、請求項の記載に基づかないものであって、採用することができない。
なお請求人は、令和7年3月26日に提出の意見書において、補正前請求項1の「前記ナノバブル水を前記植物に施用し」を「前記ナノバブル水を前記植物体に施用することで、前記植物体の葉におけるコナジラミ類を防除し」と限定する補正について、本願明細書の【0030】~【0034】で開示される「試験2」を補正の根拠としているが、【0030】では、散水の方法については単に「ビニールハウス栽培にてキャベツを栽培し、毎日の散水に、水1mL当たりの気泡数が2×108個/mLに調整されたナノバブル水を用いた」などと記載されるのみで、植物体の葉への散水を行わないことは記載されていない。この点からみても、本願発明が植物体の葉への散水を行わないことを前提とした本願発明と引用発明との作用効果の違いに関する主張を採用することができない。
(c)引用発明において植物体の葉への散水を行わないこと
仮に、本願発明が植物体の葉への散水を行わないものだとしても、引用文献の【0027】における【図2】の説明では「マイクロバブル水を、土壌並びに植物根部に散布した場合の此れ等両者への物理化学的影響を示す説明図である」と記載されるとおり、土壌及び植物体の根の部分のみに散水することが開示されていることからみて、植物体の葉への散水を省き、土壌や植物体の根の部分のみに散水を行うこともまた、当業者が容易に想到できた散水の一態様にすぎないものと認められる。
(d)請求人の主張1についてのまとめ
上記(a)~(c)において検討したとおり、上記請求人の主張1は採用することができない。
(イ)請求人の主張2
a 請求人の主張の内容
引用発明はナノバブル水に赤黄土抽出液を混合した母液を希釈して散布した液体を散布するものであり、ナノバブル水単独での施用ではない。引用文献1の実施例もまた上記の母液(天照水)を施用したものであり、その効果は上記の母液、すなわちナノバブル水と赤黄土抽出液との混合液によるものと考えられ、ナノバブル水単独の施用による効果とは全く異なる。
b 請求人の主張2に対する検討
請求人が主張するように、引用発明は、ナノバブル水単独で施用するのでなく、赤黄土抽出液を混合した母液を希釈したもの、すなわち「ナノバブル水と微量の特殊ミネラルとの混合水」を施用しているものと認められる。しかし、引用発明のナノバブル水はそれ単独で「殺菌」、「殺虫」、「耕作」などの一定の技術効果を奏するものであり、出願人のいうように、必ずしも赤黄土抽出液との混合液、すなわちミネラルとの混合液でなければ技術効果を奏さないものではないから、引用発明においてナノバブル水を微量の特殊ミネラルと混合することなく散布して良いことは、上記ア(イ)で検討したとおりである。
したがって、上記請求人の主張2は採用することができない。
ウ 本願発明の奏する効果について
本願発明の奏する作用効果として、引用発明、周知技術1及び周知技術2から当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることができない。
エ まとめ
上記ア~ウで検討したとおり、本願発明は、引用発明、周知技術1及び周知技術2に基づいて、当業者が容易に想到できたものである。
第7 むすび
以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-001990