特許拒絶査定不服審判
2024-000775
フィットネス支援方法および電子装置
- 審判番号
- 2024-000775
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-513339
- 請求日
- 2024年01月17日
- 審決日
- 2024年08月26日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】華為技術有限公司
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 【請求人代理人】野村 進
- 審判長/審判官
- 審判長 伏本 正典
- 審判官 梶尾 誠哉
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- P18 .121-Z (G16H) / P18 .575-Z (G16H)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-513339「フィットネス支援方法および電子装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 3月 4日国際公開、WO2021/036568、令和 4年11月 4日国内公表、特表2022-546453〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2020年(令和2年)7月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2019年(令和元年)8月30日、中国)を国際出願日とする出願であって、令和4年3月9日に手続補正がされ、令和5年4月5日付けの拒絶理由の通知に対し、同年7月6日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、同年9月13日付けで拒絶査定がされ、これに対して令和6年1月17日に審判請求がされると同時に手続補正がされたものである。
第2 令和6年1月17日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年1月17日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1) 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1についての補正を含むものであり、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである(以下、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明を「本件補正発明」という。なお、下線部は、本件補正により補正された箇所を示す。)。
「フィットネスを支援するための方法であって、
電子機器によって、ユーザ動作を取得するステップと、
前記ユーザ動作における第1の身体部位および第2の身体部位を決定するために、前記ユーザ動作におけるユーザの関節点を認識するステップであって、前記ユーザの関節点が、前記ユーザ動作における対応する標準関節点の全てを含むかどうかを判定する、ステップと、
前記電子機器によって、入力情報を取得するステップと、
前記電子機器によって、前記入力情報に対応する第1の予め設定された条件を決定するステップと、
前記電子機器によって、前記ユーザ動作から、前記ユーザ動作における前記第1の身体部位の移動軌跡が前記第1の予め設定された条件を満たす候補動作を決定するステップと、
前記電子機器によって、前記候補動作における前記第2の身体部位の動作変化の大きさ、前記第2の身体部位の動作開始位置、前記第2の身体部位の動作終了位置、および前記第2の身体部位の移動軌跡のうち少なくとも1つを決定するステップと、
前記電子機器によって、前記動作変化の大きさ、前記動作開始位置、前記動作終了位置、および前記移動軌跡のうち少なくとも1つに基づいて、ガイダンス情報を出力することを決定するステップと、
を含み、
前記第1の予め設定された条件が、前記第1の身体部位の移動軌跡の形状および周期性の少なくとも1つを含む、方法。」
(2) 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明
本件補正前の令和5年7月6日の手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「フィットネスを支援するための方法であって、
電子機器によって、ユーザ動作を取得するステップと、
前記電子機器によって、入力情報を取得するステップと、
前記電子機器によって、前記入力情報に対応する第1の予め設定された条件を決定するステップと、
前記電子機器によって、前記ユーザ動作から、前記ユーザ動作における第1の身体部位の移動軌跡が前記第1の予め設定された条件を満たす候補動作を決定するステップと、
前記電子機器によって、前記候補動作における第2の身体部位の動作変化の大きさ、前記第2の身体部位の動作開始位置、前記第2の身体部位の動作終了位置、および前記第2の身体部位の移動軌跡のうち少なくとも1つを決定するステップと、
前記電子機器によって、前記動作変化の大きさ、前記動作開始位置、前記動作終了位置、および前記移動軌跡のうち少なくとも1つに基づいて、ガイダンス情報を出力することを決定するステップと、
を含み、
前記第1の予め設定された条件が、前記第1の身体部位の移動軌跡の形状および周期性の少なくとも1つを含む、方法。」
2 補正の適否
上記1のとおり、補正前の請求項1に記載された発明に係る本件補正は、「前記ユーザ動作における第1の身体部位および第2の身体部位を決定するために、前記ユーザ動作におけるユーザの関節点を認識するステップであって、前記ユーザの関節点が、前記ユーザ動作における対応する標準関節点の全てを含むかどうかを判定する、ステップ」との構成を付加して発明を限定し、それにともない、当該ステップの後に初出する「第1の身体部位」及び「第2の身体部位」を、それぞれ、「前記第1の身体部位」及び「前記第2の身体部位」と変更するものである。
そして、当該付加して限定した事項は、出願当初明細書の【0198】~【0199】に記載された事項であって、新規事項を追加するものではなく、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載された発明(本件補正発明)の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、補正前の請求項1に記載された発明に係る本件補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正発明が同条6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2) 引用文献1の記載及び引用発明
ア 引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された文献であって、本願の優先権主張日前に公開された特開2015-27437号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(下線は当審において加筆した。以下同じ。)。
「【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る動作情報処理装置100の構成の一例を示す図である。第1の実施形態に係る動作情報処理装置100は、例えば、医療機関や自宅、職場等において行われるリハビリテーションを支援する装置である。・・・」
「【0055】
次に、動作情報処理装置100の制御部140の詳細について説明する。図4に示すように、動作情報処理装置100においては、例えば、制御部140が取得部141と、判定部142と、表示制御部143とを備える。
【0056】
取得部141は、緩やかな動作を実行する対象者の動作情報を取得する。具体的には、取得部141は、動作情報収集部10によって収集され、動作情報記憶部131によって記憶された動作情報を取得する。例えば、取得部141は、動作情報記憶部131によってフレームごとに記憶されたカラー画像情報、距離画像情報、音声認識結果及び骨格情報などを取得する。一例を挙げると、取得部141は、対象者のスクワット訓練における一連の動作にかかる全てのカラー画像情報、距離画像情報及び骨格情報を取得する。
・・・
【0058】
判定部142は、緩やかな動作における所定の条件に基づいて、取得部141によって取得された動作情報で示される対象者の動作が所定の条件に含まれる条件を満たすか否かを判定する。具体的には、判定部142は、取得部141によって取得されたフレームごとの対象者の骨格情報が設定情報記憶部132によって記憶された設定情報の条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部142は、スクワット訓練を実施する際の所定の条件に基づいて、取得部141によって取得された骨格情報で示される対象者によって実施されたスクワットが設定情報記憶部132に記憶される所定の条件に含まれる条件を満たすか否かを判定する。
【0059】
一例を挙げると、判定部142は、スクワット訓練を実施する際の所定の条件として、スクワットの一連の動作における足首の位置からの膝の飛び出し具合、踵の上がり具合、後方への腕の飛び出し具合、及び、上半身の前傾具合のうち、少なくとも一つを用いる。・・・
【0060】
例えば、判定部142は、図8Aに示すように、スクワット前とスクワット中とにおける臀部、膝及び足首の座標情報を用いて膝の飛び出し具合(奥行距離)を判定する。すなわち、判定部142は、図8Aに示すように、右膝に対応する関節「2n」と右足首に対応する関節「2o」、或いは、左膝に対応する関節「2r」と左足首に対応する関節「2s」との奥行距離「d1」が所定の閾値を超えたか否かを判定することで、膝の飛び出し具合を判定する。ここで、図8Aにおいては、対象者は動作情報収集部10と正対した状態でスクワット訓練を実施していることから、奥行距離「d1」が「2n(x14,y14,z14)」と「2o(x15,y15,z15)」との距離の場合、「d1=|z14-z15|」となる。また、奥行距離「d1」が「2r(x18,y18,z18)」と「2s(x19,y19,z19)」との距離の場合、「d1=|z18-z19|」となる。すなわち、対象者が動作情報収集部10に対して正対している場合には、足首の位置からの膝の飛び出し具合は2点のz軸座標の差により算出することができる。
・・・
【0063】
また、判定部142は、対象者が緩やかな動作を実行しているか否かをさらに判定し、当該対象者が緩やかな動作を実行していると判定した場合に、取得部141によって取得された動作情報で示される対象者の動作が所定の条件に含まれる条件を満たすか否かを判定する。例えば、判定部142は、まず、対象者がスクワット訓練を実施しているか否かを判定し、スクワット訓練を実施していると判定した場合に、実施されているスクワット訓練が正しい姿勢で実施されているか否かを判定する。
【0064】
図8Bは、第1の実施形態に係る判定部142によるスクワット訓練の実施の判定の一例を説明するための図である。例えば、判定部142は、図8Bに示すように、対象者の頭部の関節に対応する「2a」のy座標「y1」或いは、両肩の中央部の関節に対応する「2b」のy座標「y2」が高さ方向(鉛直方向)の所定の閾値「a」よりも低くなった場合に、対象者がスクワット訓練を実施していると判定する。そして、判定部142は、図8Aに示すようなスクワット訓練の評価を実施する。なお、図8Bに示す例はあくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、対象者がスクワット訓練を実施しているか否かの判定は、図8Bの例に限られない。例えば、両足の足首の位置の移動が停止して、一定の時間が経過した場合などによって判定する場合であってもよい。すなわち、対象者が移動動作を停止して、スクワット訓練を実施する準備が完了したか否かを判定することで、スクワット訓練が実施されているか否かを判定する場合であってもよい。なお、上述した判定に用いられる情報は、設定情報として設定情報記憶部132によって記憶される。
【0065】
なお、判定部142は、取得部141によって取得された緩やかな動作を実行する対象者の動作情報を用いて、関節間の距離の他にも種々の情報を算出することができる。具体的には、判定部142は、関節の角度や、速度、加速度などを算出することができる。そして、判定部142は、算出した種々の情報を用いて緩やかな動作(例えば、スクワット訓練など)が正しいか否かを判定する。また、判定部142による判定は、対象者がスクワット訓練を実施しているリアルタイムの状態で実施させる場合だけではなく、例えば、過去の動作情報を読み出して、判定させることも可能である。
【0066】
かかる場合には、例えば、対象者本人や、医師或いは理学療法士などの操作者が入力部120を介して判定の指示要求を入力する。このとき、操作者は、対象者の氏名や氏名番号、実施日などを入力することで、取得部141に所望の動作情報を取得させる。取得部141は、入力部120を介して受付けた対象者の該当する動作情報を動作情報記憶部131から取得する。なお、スクワット訓練とともにリアルタイムで処理が実行される場合には、操作者からの操作を受け付けずに、自動で動作情報を取得するように設定することも可能である。
【0067】
図4に戻って、表示制御部143は、判定部142による判定結果を通知するように制御する。具体的には、表示制御部143は、判定部142によって、対象者によって実施されたスクワットが所定の条件に含まれる条件を満たしていないと判定された場合に、警告を通知するように制御する。また、表示制御部143は、スクワット訓練を含む緩やかな動作の評価に係る種々の情報を出力部110にて表示するように制御する。」
「【0070】
ここで、図10~図11を用いて、スクワット訓練の評価の一連の処理の一例を説明する。例えば、対象者がスクワット訓練を実施する際に、動作情報処理装置100の入力部120を介してスクワット訓練評価支援機能のアプリケーションを起動させると、図10の(A)に示すスクワット訓練評価支援機能ウィンドウを出力部110に表示させる。ここで、動作情報処理装置100は、アプリケーションの起動とともに、動作情報収集部10のカメラ上下角度を「0度」に設定する。これにより、補正することなしで、奥行方向(深度)の座標を利用することが可能である。なお、動作情報収集部10のカメラの上下角度を「0度」に設定しない場合には、現在のカメラの角度に基づいて、奥行方向の座標が補正される。」
「【0078】
また、図11に示す例では、カラー画像上に警告表示を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、警告音を発したり、警告の文字を表示したりする場合であってもよい。かかる場合には、制御部140が警告音を出力部110から出力するように制御したり、表示制御部143が警告の文字を表示するように制御したりする。
【0079】
なお、図9~図11に示す表示例は、あくまでも一例であり、表示制御部143は、表示情報としてその他種々の情報を表示させることが可能である。例えば、表示制御部143は、スクワットの動作の総数を表示するように制御することも可能である。一例を挙げると、表示制御部143は、図11に示す条件を満たさなかった回数「1回」と併記させるように、「条件を満たさなかった回数/スクワット総数」となるように表示させることも可能である。かかる場合には、判定部142がスクワットの動作を実施していると判定した場合に、表示制御部143は、スクワット総数の数をアップさせる。
【0080】
また、図9~図11においては、対象者によって実施されたスクワットの動作が条件を満たさなかった場合に、警告を通知して、警告回数をカウントする場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、対象者によって実施されたスクワットの動作が条件を満たした場合に、正常である旨の情報を通知して、正常回数をカウントする場合であってもよい。かかる場合には、例えば、表示制御部143は、判定部142によって、対象者によって実施されたスクワットが所定の条件に含まれる条件を満たしていると判定された場合に正常(例えば、画面上に丸を表示)を通知して、画面に表示させた正常回数の数をアップする。」
「【0095】
また、第1の実施形態によれば、判定部142は、スクワットを実施する際の所定の条件として、スクワットの一連の動作における足首の位置からの膝の飛び出し具合を用いる。従って、第1の実施形態に係る動作情報処理装置100は、スクワットの一連の動作で重要な動作に基づいて評価することができ、より正しい姿勢をとるように促すことを可能にする。
【0096】
また、第1の実施形態によれば、判定部142は、対象者がスクワットの動作を実行しているか否かをさらに判定し、当該対象者がスクワットの動作を実行していると判定した場合に、取得部141によって取得された動作情報で示される対象者の動作が所定の条件に含まれる条件を満たすか否かを判定する。従って、第1の実施形態に係る動作情報処理装置100は、評価対象の動作に関係ない動作に対して判定処理が行われることを抑止して、より明瞭な判定結果を提供することを可能にする。」
「【0128】
上述した第1及び第2の実施形態では、リハビリの機能訓練としてスクワット訓練を行う場合を例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、スポーツ選手などがトレーニングとしてスクワットを実施する場合にも適用することが可能である。かかる場合には、例えば、上述した動作情報処理装置100は、トレーニングジムなどに配置され、スクワットを実施する対象者が動作情報処理装置100を用いて、スクワットトレーニングを実施する。」
(ア) 上記【0009】によれば、動作情報処理装置100は、医療機関や自宅、職場等において行われるリハビリテーションを支援する装置であり、上記【0128】によれば、動作情報処理装置100は、トレーニングジムなどに配置され、スクワットを実施する対象者がスクワットトレーニングを実施するために適用される装置である。
そして、引用文献1には、これらの動作情報処理装置100における具体的な処理方法も開示されているから、動作情報処理装置100を用いた方法の発明が記載されている。
(イ) 上記【0055】によれば、動作情報処理装置100は、制御部140が取得部141と、判定部142と、表示制御部143とを備えている。
また、上記【0070】によれば、動作情報処理装置100は、入力部120及び出力部110も備えており、対象者がスクワット訓練を実施する際に、動作情報処理装置100の入力部120を介してスクワット訓練評価支援機能のアプリケーションを起動させると、スクワット訓練評価支援機能ウィンドウを出力部110に表示させる。
(ウ) 上記【0056】によれば、取得部141は、対象者の動作情報である、フレームごとに記憶された、対象者のスクワット訓練における一連の動作にかかる全てのカラー画像情報、距離画像情報及び骨格情報を取得する。
(エ) 上記【0063】によれば、判定部142は、まず、対象者がスクワット訓練を実施しているか否かを判定し、スクワット訓練を実施していると判定した場合に、実施されているスクワット訓練が正しい姿勢で実施されているか否かを判定する。
また、上記【0064】によれば、判定部142は、対象者の頭部の関節に対応する「2a」のy座標「y1」或いは、両肩の中央部の関節に対応する「2b」のy座標「y2」が高さ方向(鉛直方向)の所定の閾値「a」よりも低くなった場合に、対象者がスクワット訓練を実施していると判定する。
(オ) 上記【0058】によれば、判定部142は、スクワット訓練を実施する際の所定の条件に基づいて、取得部141によって取得された骨格情報で示される対象者によって実施されたスクワットが所定の条件に含まれる条件を満たすか否かを判定する。
また、上記【0059】及び【0060】によれば、判定部142は、スクワット訓練を実施する際の所定の条件として、スクワットの一連の動作における足首の位置からの膝の飛び出し具合を用いることにより、スクワット前とスクワット中とにおける臀部、膝及び足首の座標情報を用いて膝の飛び出し具合(奥行距離)を判定、すなわち、右膝に対応する関節「2n」と右足首に対応する関節「2o」、或いは、左膝に対応する関節「2r」と左足首に対応する関節「2s」との奥行距離「d1」が所定の閾値を超えたか否かを判定することで、膝の飛び出し具合を判定する。
(カ) 上記【0067】、【0078】及び【0080】によれば、表示制御部143は、判定部142によって、対象者によって実施されたスクワットが所定の条件に含まれる条件を満たしていないと判定された場合に、警告の文字を表示し、対象者によって実施されたスクワットが所定の条件に含まれる条件を満たしていると判定された場合に正常(例えば、画面上に丸を表示)を通知する。
イ 引用発明
上記アによれば、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
医療機関や自宅、職場等において行われるリハビリテーションを支援する装置であり、また、トレーニングジムなどに配置され、スクワットを実施する対象者がスクワットトレーニングを実施するために適用される装置である動作情報処理装置100を用いた方法であって、
動作情報処理装置100は、取得部141、判定部142及び表示制御部143を備える制御部140、入力部120及び出力部110を備え、
対象者がスクワット訓練を実施する際に、動作情報処理装置100の入力部120を介してスクワット訓練評価支援機能のアプリケーションを起動させると、スクワット訓練評価支援機能ウィンドウを出力部110に表示させ、
取得部141は、対象者の動作情報である、フレームごとに記憶された、対象者のスクワット訓練における一連の動作にかかる全てのカラー画像情報、距離画像情報及び骨格情報を取得し、
判定部142は、まず、対象者がスクワット訓練を実施しているか否かを判定し、スクワット訓練を実施していると判定した場合に、実施されているスクワット訓練が正しい姿勢で実施されているか否かを判定するものであって、対象者の頭部の関節に対応する「2a」のy座標「y1」或いは、両肩の中央部の関節に対応する「2b」のy座標「y2」が高さ方向(鉛直方向)の所定の閾値「a」よりも低くなった場合に、対象者がスクワット訓練を実施していると判定し、
判定部142は、スクワット訓練を実施する際の所定の条件に基づいて、取得部141によって取得された骨格情報で示される対象者によって実施されたスクワットが所定の条件に含まれる条件を満たすか否かを判定するものであって、スクワット訓練を実施する際の所定の条件として、スクワットの一連の動作における足首の位置からの膝の飛び出し具合を用いることにより、スクワット前とスクワット中とにおける臀部、膝及び足首の座標情報を用いて膝の飛び出し具合(奥行距離)を判定、すなわち、右膝に対応する関節「2n」と右足首に対応する関節「2o」、或いは、左膝に対応する関節「2r」と左足首に対応する関節「2s」との奥行距離「d1」が所定の閾値を超えたか否かを判定することで、膝の飛び出し具合を判定し、
表示制御部143は、判定部142によって、対象者によって実施されたスクワットが所定の条件に含まれる条件を満たしていないと判定された場合に、警告の文字を表示し、対象者によって実施されたスクワットが所定の条件に含まれる条件を満たしていると判定された場合に正常(例えば、画面上に丸を表示)を通知する、
方法。
(3) 対比
本件補正発明と、引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「動作情報処理装置100」は、「医療機関や自宅、職場等において行われるリハビリテーションを支援する装置であり、また、トレーニングジムなどに配置され、スクワットを実施する対象者がスクワットトレーニングを実施するために適用される装置」であるから、リハビリテーションを支援する装置というだけではなく、スクワットトレーニング、すなわち、フィットネスも支援する装置であるといえる。
そうすると、引用発明の「動作情報処理装置100を用いた方法」は、本件補正発明と同様、「フィットネスを支援するための方法」であるといえる。
イ 引用発明の「動作情報処理装置100」は、「取得部141、判定部142及び表示制御部143を備える制御部140、入力部120及び出力部110」を備えており、電子的な機器であるということができるから、本件補正発明と同様、「電子機器」であるといえる。
また、引用発明の「取得部141」は、「対象者の動作情報である、フレームごとに記憶された、対象者のスクワット訓練における一連の動作にかかる全てのカラー画像情報、距離画像情報及び骨格情報を取得」しているから、対象者(ユーザ)の動作を取得している。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の「電子機器によって、ユーザ動作を取得するステップ」を含んでいるといえる。
ウ 引用発明は、「対象者の頭部の関節に対応する「2a」のy座標「y1」或いは、両肩の中央部の関節に対応する「2b」のy座標「y2」が高さ方向(鉛直方向)の所定の閾値「a」よりも低くなった場合に、対象者がスクワット訓練を実施していると判定」しているところ、「頭部」や「両肩の中央部」は「身体部位」であって、これらを総称して「第1の身体部位」ということができる。
また、引用発明は、「右膝に対応する関節「2n」と右足首に対応する関節「2o」、或いは、左膝に対応する関節「2r」と左足首に対応する関節「2s」との奥行距離「d1」が所定の閾値を超えたか否かを判定」しているところ、「右膝」、「右足首」、「左膝」及び「左足首」も「身体部位」であって、これらを総称して「第2の身体部位」ということができる。
そして、引用発明は、所定の閾値との比較のために、対象者(ユーザ)の「頭部の関節」及び「両肩の中央部の関節」の高さ、「右膝に対応する関節」と「右足首に対応する関節」の奥行距離、「左膝に対応する関節」と「左足首に対応する関節」の奥行距離を算出しているから、その前提として、「ユーザ動作におけるユーザの関節点を認識」しているといえ、これらの関節点を認識するのは、本件補正発明と同様、「ユーザ動作における第1の身体部位および第2の身体部位を決定するため」であるといえる。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の「前記ユーザ動作における第1の身体部位および第2の身体部位を決定するために、前記ユーザ動作におけるユーザの関節点を認識するステップ」を含んでいるといえる。
エ 引用発明は、「対象者がスクワット訓練を実施する際に、動作情報処理装置100の入力部120を介してスクワット訓練評価支援機能のアプリケーションを起動」させているから、「動作情報処理装置100」(電子機器)において、「スクワット訓練」に関する「評価支援機能」を実行させるために、訓練の種別が「スクワット訓練」であるとの情報を入力部120から取得しているといえる。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の「前記電子機器によって、入力情報を取得するステップ」を含んでいるといえる。
オ 引用発明は、「動作情報処理装置100」(電子機器)が、「まず、対象者がスクワット訓練を実施しているか否かを判定」するものであるところ、その判定のために、「スクワット訓練」であるとの種別の情報(入力情報)に対応させて、「対象者の頭部」や「両肩の中央部の関節」の高さが「所定の閾値「a」」よりも低いということが条件として設定されているものである。
そして、この条件は、「スクワット訓練評価支援機能のアプリケーション」などに予め設定されたものであって、「第1の予め設定された条件」ということができる。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の「前記電子機器によって、前記入力情報に対応する第1の予め設定された条件を決定するステップ」を含んでいるといえる。
カ 引用発明は、「まず、対象者がスクワット訓練を実施しているか否かを判定し、スクワット訓練を実施していると判定した場合に、実施されているスクワット訓練が正しい姿勢で実施されているか否かを判定するもの」であるから、「対象者の動作情報である、フレームごとに記憶された、対象者のスクワット訓練における一連の動作にかかる全てのカラー画像情報、距離画像情報及び骨格情報」(ユーザ動作)のうち、「実施されているスクワット訓練が正しい姿勢で実施されているか否かを判定する」ために候補となる動作情報は、「スクワット訓練を実施していると判定した場合」の動作情報であって、「対象者の頭部」や「両肩の中央部の関節」の高さ(第1の身体部位の高さ)が「所定の閾値「a」」よりも低いという条件を満たす動作情報である。
そうすると、引用発明では、「まず、対象者がスクワット訓練を実施しているか否かを判定」するにあたって、「対象者の動作情報である、フレームごとに記憶された、対象者のスクワット訓練における一連の動作にかかる全てのカラー画像情報、距離画像情報及び骨格情報」(ユーザ動作)から、「第1の身体部位に関する情報」である「対象者の頭部」や「両肩の中央部の関節」の高さ(第1の身体部位の高さ)が、「所定の閾値「a」」よりも低いという条件(第1の予め設定された条件)を満たす動作情報(候補動作)を決定しているということができる。
したがって、引用発明は、本件補正発明の「前記電子機器によって、前記ユーザ動作から、前記ユーザ動作における前記第1の身体部位の移動軌跡が前記第1の予め設定された条件を満たす候補動作を決定するステップ」と、「前記電子機器によって、前記ユーザ動作から、前記ユーザ動作における前記第1の身体部位に関する情報が前記第1の予め設定された条件を満たす候補動作を決定するステップ」を含んでいる点で共通する。
キ 引用発明では、上記カのとおり、「まず、対象者がスクワット訓練を実施しているか否かを判定」することによって、本件補正発明と同様、候補動作を決定している。
また、引用発明は、上記ウのとおり、「右膝に対応する関節「2n」と右足首に対応する関節「2o」、或いは、左膝に対応する関節「2r」と左足首に対応する関節「2s」との奥行距離「d1」が所定の閾値を超えたか否かを判定」しているところ、「右膝」、「右足首」、「左膝」及び「左足首」は「第2の身体部位」ということができるものである。
そして、引用発明の上記「奥行距離「d1」」は、「スクワットの一連の動作」において変化するものであるから、動作変化の大きさといえる。
そうすると、引用発明では、「膝の飛び出し具合を判定」するにあたって、「第2の身体部位の動作変化の大きさ」を決定しているということができる。
したがって、引用発明は、本件補正発明の「前記電子機器によって、前記候補動作における第前記第2の身体部位の動作変化の大きさ、前記第2の身体部位の動作開始位置、前記第2の身体部位の動作終了位置、および前記第2の身体部位の移動軌跡のうち少なくとも1つを決定するステップ」のうち、「前記電子機器によって、前記候補動作における第前記第2の身体部位の動作変化の大きさを決定するステップ」を含んでいるといえる。
ク 引用発明は、「警告の文字を表示し、対象者によって実施されたスクワットが所定の条件に含まれる条件を満たしていると判定された場合に正常(例えば、画面上に丸を表示)を通知する」ものであるから、「動作情報処理装置100」(電子機器)は、何らかの「情報」を出力することを決定しているといえる。
そして、引用発明では、「対象者によって実施されたスクワットが所定の条件に含まれる条件を満たしていないと判定された場合に」、「警告の文字」や「画面上に丸」などの「情報」を出力している。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の「前記電子機器によって、前記動作変化の大きさ、前記動作開始位置、前記動作終了位置、および前記移動軌跡のうち少なくとも1つに基づいて、ガイダンス情報を出力することを決定するステップ」と、「前記電子機器によって、前記動作変化の大きさに基づいて、情報を出力することを決定するステップ」を含んでいる点で共通する。
以上によれば、本件補正発明と引用発明とは、次の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
フィットネスを支援するための方法であって、
電子機器によって、ユーザ動作を取得するステップと、
前記ユーザ動作における第1の身体部位および第2の身体部位を決定するために、前記ユーザ動作におけるユーザの関節点を認識するステップと、
前記電子機器によって、入力情報を取得するステップと、
前記電子機器によって、前記入力情報に対応する第1の予め設定された条件を決定するステップと、
前記電子機器によって、前記ユーザ動作から、前記ユーザ動作における前記第1の身体部位に関する情報が前記第1の予め設定された条件を満たす候補動作を決定するステップと、
前記電子機器によって、前記候補動作における前記第2の身体部位の動作変化の大きさを決定するステップと、
前記電子機器によって、前記動作変化の大きさに基づいて、情報を出力することを決定するステップと、
を含む、方法。
[相違点]
[相違点1]
「前記ユーザ動作における第1の身体部位および第2の身体部位を決定するために、前記ユーザ動作におけるユーザの関節点を認識するステップ」について、本件補正発明は、さらに「前記ユーザの関節点が、前記ユーザ動作における対応する標準関節点の全てを含むかどうかを判定する」のに対し、引用発明は、そのような判定をするものではない点。
[相違点2]
「前記電子機器によって、前記ユーザ動作から、前記ユーザ動作における前記第1の身体部位に関する情報が前記第1の予め設定された条件を満たす候補動作を決定するステップ」について、本件補正発明は、「前記第1の身体部位に関する情報」が、「前記第1の身体部位の移動軌跡」であるのに対し、引用発明は、「前記第1の身体部位の高さ」であり、それにともない、本件補正発明は、「前記第1の予め設定された条件が、前記第1の身体部位の移動軌跡の形状および周期性の少なくとも1つを含む」のに対し、引用発明は、そのような特定がされていない点。
[相違点3]
「情報を出力することを決定するステップ」における「情報」について、本件補正発明は、「ガイダンス情報」であるのに対し、引用発明は、「警告の文字」や「画面上に丸を表示」したものである点。
(4)判断
上記相違点について、それぞれ判断する。
ア [相違点1]について
(ア) 本件補正発明における「標準関節点」とは、「ユーザ動作におけるユーザの関節点」と比較される関節点であり、「標準関節点の全て」とは、比較に必要な全ての関節点であると解される。
しかるところ、これらの比較を行う際に、「ユーザ動作におけるユーザの関節点」が不足していれば、比較を正確に行うことに支障があることは普通に想定されるから、比較を行う前に、「ユーザ動作におけるユーザの関節点」が「標準関節点の全て」を含むかどうかを判定するように構成すること、すなわち、「前記ユーザの関節点が、前記ユーザ動作における対応する標準関節点の全てを含むかどうかを判定する」ように構成することは、当業者であれば容易に想到し得るものである。
(イ) これに対し、請求人は、審判請求書の7頁中段及び令和6年6月17日付け上申書の1頁下段において、引用文献1に記載された発明は、カメラによるユーザの身体(関節点)の認識を含んでいるが、一部の身体部位が画面を越えること(標準関節点の全てを含むかどうかを判定すること)は開示されていないから、本件補正発明と引用発明とは相違点を有しており、本件補正発明は、当該相違点に基づいて有利な効果を奏する旨主張する。
しかしながら、上記(ア)のとおり、引用発明において、「標準関節点の全てを含むかどうかを判定する」ように構成することは、当業者であれば容易に想到し得るものである(当該構成によって、一部の身体部位が画面を越えているか越えていないかを判定することができる。)。
そして、当該構成による効果も、より比較を正確に行うことができるという、当業者であれば容易に予測できる程度のものであって、格別の効果ではない。
したがって、請求人の主張は採用できない。
イ [相違点2]について
上記(3)カのとおり、引用発明では、「まず、対象者がスクワット訓練を実施しているか否かを判定」するにあたって、「対象者の頭部」や「両肩の中央部の関節」の高さ(第1の身体部位の高さ)が、「所定の閾値「a」」よりも低いという条件(第1の予め設定された条件)を満たす動作情報(候補動作)を決定しているところ、スクワット訓練とは、正しい姿勢をキープする動作だけではなく、膝を曲げたり伸ばしたりすることを繰り返す動作も想定することができる(なお、上記(2)アで摘記したように、引用文献1の【0079】には、「表示制御部143は、スクワットの動作の総数を表示するように制御することも可能である。一例を挙げると、表示制御部143は、図11に示す条件を満たさなかった回数「1回」と併記させるように、「条件を満たさなかった回数/スクワット総数」となるように表示させることも可能である。かかる場合には、判定部142がスクワットの動作を実施していると判定した場合に、表示制御部143は、スクワット総数の数をアップさせる。」と記載されているように、スクワット総数はカウントされるものであることが理解できるから、引用文献1では、スクワット訓練として、膝を曲げたり伸ばしたりすることを繰り返す動作も示唆されている。)。
そして、膝を曲げたり伸ばしたりすることを繰り返す動作のスクワット訓練を行う場合、「対象者の頭部」や「両肩の中央部の関節」などの第1の身体部位が、概ね上下方向の移動軌跡を描き、その移動軌跡が周期性を有するものであることは、スクワット訓練を行う者にとって周知の事項である。
そうすると、引用発明において、「まず、対象者がスクワット訓練を実施しているか否かを判定」するにあたって、「前記第1の身体部位に関する情報」として、「対象者の頭部」や「両肩の中央部の関節」などの第1の身体部位の移動軌跡を採用するように構成することに格別の困難性はなく、それにともない、「第1の予め設定された条件」を「前記第1の身体部位の移動軌跡の周期性を含む」ように構成することも当業者であれば容易に想到し得るものである。
ウ [相違点3]について
引用発明において、「警告の文字」や「画面上に丸を表示」したものは、スクワット訓練を行う者からみれば、スクワット訓練がうまく行われていないことや、逆にうまく行われていることを認識することができる情報であるといえ、このような情報は、「ガイダンス情報」といい得るから、相違点3は実質的な相違点ではない。
なお、仮に相違点3が実質的な相違点であるといえたとしても、上記(2)アで摘記したように、引用文献1の【0095】には「・・・動作情報処理装置100は、スクワットの一連の動作で重要な動作に基づいて評価することができ、より正しい姿勢をとるように促すことを可能にする。」と記載されているから、引用発明において、「警告の文字」として、より正しい姿勢をとるように促すために、例えば、「膝を曲げすぎない!」などの指示(ガイダンス)を含むように構成することは、当業者であれば容易に想到し得るものである。
(5) 小括
以上によれば、本件補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
3 補正の却下の決定のむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明の認定
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に記載された発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2の1(2)に記載したとおりのものである。
2 原査定における拒絶の理由
本願発明についての原査定の拒絶の理由は、概略、本願発明は、本願の出願日(優先権主張日)前に日本国内において頒布された上記引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
3 引用文献の記載、引用発明等
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載及び引用発明は、上記第2の2(2)のとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、本件補正発明から、概ね、上記第2の2において示した「前記ユーザ動作における第1の身体部位および第2の身体部位を決定するために、前記ユーザ動作におけるユーザの関節点を認識するステップであって、前記ユーザの関節点が、前記ユーザ動作における対応する標準関節点の全てを含むかどうかを判定する、ステップ」との構成を削除したものに相当する。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2の2のとおり、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-000775