特許拒絶査定不服審判
2024-000202
遊技機
- 審判番号
- 2024-000202
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-123660外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年01月09日
- 審決日
- 2024年10月29日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .161-WZF(A63F) / P18 .561-WZF(A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第3項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-123660「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和4年9月26日出願公開、特開2022-140649〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1.手続の経緯
本願は、平成30年9月19日に出願した特願2018-174342の一部を令和3年9月29日に新たな特許出願(特願2021-158593)とし、その一部を令和4年8月3日に新たな特許出願としたものであって、令和5年4月17日付けで拒絶理由が通知され、同年6月23日に意見書及び手続補正書が提出され、同年7月6日付けで最後の拒絶理由が通知され、同年9月22日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年10月4日付けでこの手続補正書による補正は却下されるとともに、同日付け(謄本送達日:同月10日)で拒絶をすべき旨の査定がなされ、これに対し、令和6年1月9日に拒絶査定不服審判が請求され、当審において同年6月25日付けで拒絶理由を通知したものである。
2.令和5年10月4日付け補正の却下の決定について
[結論]
令和5年10月4日付け補正の却下の決定を取り消す。
[理由]
(1)審査段階でした上記補正の却下の決定において補正を却下すべきとした理由は次のとおりである。
「(令和5年9月22日提出の手続補正書による)補正により、請求項1に「前記所定状況において遊技者に付与された遊技価値の合計数に応じて変動する価値数情報を記憶する所定記憶手段と、当該所定記憶手段に記憶されている前記価値数情報が所定数に対応する情報となっているか否かを判定するための所定判定処理を実行する所定判定手段と、前記所定判定処理において、前記所定記憶手段に記憶されている前記価値数情報が前記所定数に対応する情報となっていると判定されたことに基づいて前記所定状況を終了させる手段」が追加された。
一方、発明の詳細な説明には、「合計獲得数カウンタ74dは、第1区間SC1を間に挟むことなく第2区間SC2が継続された場合における当該第2区間SC2の開始時からの遊技媒体の制限付き合計純増枚数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。なお、遊技媒体の制限付き合計純増枚数とは、既に説明したとおり、「第2区間SC2が継続している状況で実行されたゲームにより付与された遊技媒体の合計数(遊技媒体の付与が発生していない状況では「0」)」から「第2区間SC2が継続されている状況でゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数(ゲームが実行されていない状況では「0」)」を減算した値を所定差枚数とした場合において、当該所定差枚数の最小値を所定基準値として、当該所定基準値からの上記所定差枚数の増加分の枚数のことである。第2区間SC2において合計獲得数カウンタ74dの値が上限純増枚数(具体的には2400枚)に対応する値に到達した場合には、疑似ボーナス状態ST5又はART状態ST6の途中であっても、当該到達したゲームにて第2区間SC2が終了されて、第1区間SC1であって通常遊技状態ST1となる状況に移行する。」([0353])と記載されている。
請求項1の「前記所定状況において遊技者に付与された遊技価値の合計数に応じて変動する価値数情報」は、「「第2区間SC2が継続している状況で実行されたゲームにより付与された遊技媒体の合計数(遊技媒体の付与が発生していない状況では「0」)」から「第2区間SC2が継続されている状況でゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数(ゲームが実行されていない状況では「0」)」を減算した値を所定差枚数とした場合において、当該所定差枚数の最小値を所定基準値として、当該所定基準値からの上記所定差枚数の増加分の枚数」を上位概念化したものと認められるが、本願の原出願日時点における有利区間の終了条件に係る遊技規則等の技術常識を踏まえれば、遊技価値の純増枚数に関する有利区間の終了条件に対応して記録される遊技価値獲得数を、「前記所定状況において遊技者に付与された遊技価値の合計数に応じて変動する価値数情報」のように上位概念化ないし一般化できないことは明らかである。
したがって、この補正は、本願当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでない。」
(2)合議体の判断
しかしながら、本願の願書に最初に添付した特許請求の範囲、明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)の【0812】に「本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はATゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい」と記載されていることを考慮すると、当初明細書等の【0353】の「「第2区間SC2が継続している状況で実行されたゲームにより付与された遊技媒体の合計数(遊技媒体の付与が発生していない状況では「0」)」から「第2区間SC2が継続されている状況でゲームを実行するために消化された遊技媒体の合計数(ゲームが実行されていない状況では「0」)」を減算した値を所定差枚数とした場合において、当該所定差枚数の最小値を所定基準値として、当該所定基準値からの上記所定差枚数の増加分の枚数」を価値数情報とするタイプの遊技性に限定されず、所定状況において遊技者に付与された遊技価値の合計数に応じて変動する価値数情報に基づき制御される他の遊技性を備えたスロットマシンにも、上記補正前の請求項1に係る発明を適用可能であることは明らかである。
そうすると、「前記所定状況において遊技者に付与された遊技価値の合計数に応じて変動する価値数情報を記憶する所定記憶手段と、当該所定記憶手段に記憶されている前記価値数情報が所定数に対応する情報となっているか否かを判定するための所定判定処理を実行する所定判定手段と、前記所定判定処理において、前記所定記憶手段に記憶されている前記価値数情報が前記所定数に対応する情報となっていると判定されたことに基づいて前記所定状況を終了させる手段」という構成を追加した上記補正は、上記補正前の請求項1に係る発明に、発明特定事項として、当初明細書等の記載から自明な事項を付加するものであり、新たな技術的事項を導入するものではない。
したがって、上記補正は、特許法第17条の2第3項の規定する要件を満たすから、当該規定に違反することを理由として却下すべきものではない。
3.本願発明について
本願の請求項1に係る発明は、令和5年9月22日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
これに対して、当審において令和6年6月25日付けで拒絶理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人からは何らの応答もない。
そして、上記の拒絶理由は妥当なものと認められるので、本願は、この拒絶理由によって拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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