特許拒絶査定不服審判
2020-012203
遊技機
- 審判番号
- 2020-012203
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-126071外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年09月01日
- 審決日
- 2021年07月13日
- 公報発行日
- 2021年09月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- P18 .561-WYA(A63F) / P18 .572-WYA(A63F) / P18 .575-WYA(A63F) / P18 .161-WYA(A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第3項特許法17条の2第5項2号特許法29条の2
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第29条の2
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2017-126071号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 1月17日出願公開、特開2019- 5452号、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成29年6月28日に出願された特許出願であって、令和1年5月15日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月19日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月18日付けで最後の拒絶の理由が通知され、令和2年2月21日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年5月25日付けで、同年2月21日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、同年9月1日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原審における補正の却下の決定の当否について
審判請求人は、審判請求書の【請求の趣旨】において、
「原査定を取り消す。本願は特許をすべきものである、との審決を求める。」
とし、【請求の理由】【本願発明が特許されるべき理由】「(2)補正の却下の決定に対する意見」において、
「令和2年2月21日付け手続補正書による補正により追加された補正事項が明細書に明示されていることは明らかである。よって、この補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかであり、当該補正に対する令和2年5月25日付けの補正の却下の決定は妥当ではない。」
と述べていることから、令和2年5月25日付けの補正の却下の決定の当否について検討する。
[補正の却下の決定の当否の結論]
令和2年5月25日付け補正の却下の決定を取り消す。
[理由]
1 補正の内容
(1)本件補正後の特許請求の範囲
令和2年2月21日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1は次のとおり補正された(下線部は補正箇所であり、当審で付した。)。
「【請求項1】
遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、
当該入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段と、
前記付与判定において前記特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
遊技が実行されることにより所定事象が発生した場合にそれに対応する遊技の履歴情報を履歴記憶手段に記憶させる履歴記憶実行手段と、
前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報を利用して所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を導出する情報導出手段と、
前記情報導出手段により導出された前記態様情報に対応する表示が行われるように情報表示手段を表示制御する第1表示制御手段と、
遊技者の有利度に対応する複数の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段と、
動作電力の供給が開始された場合に前記使用対象となる設定値を変更することが可能な変更可能状況を発生させる手段と、
前記変更可能状況において前記態様情報に対応する表示は行われないようにしながら、現状選択されている前記設定値に対応する情報の表示が行われるように前記情報表示手段を表示制御する第2表示制御手段と、
を備え、
前記第1表示制御手段は、動作電力の供給が開始された場合において前記変更可能状況となる場合、前記情報表示手段にて前記現状選択されている前記設定値に対応する表示が開始される前に前記態様情報に対応する表示が開始されないようにし、前記現状選択されている前記設定値に対応する表示が終了された後に前記態様情報に対応する表示が開始されるようにする手段を備え、
前記付与判定手段は、前記付与判定のモードとして、前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となるように高確率モードと低確率モードとを有しており、
前記設定値に応じて前記低確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率が変動する構成であって、前記設定値に応じて前記高確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率が変動する構成であり、
前記低確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も高い前記設定値である場合が最も高くなる構成であり、
前記高確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も低い前記設定値である場合が最も低くなる構成であり、
前記有利度が最も高い前記設定値である場合における前記低確率モードの前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も低い前記設定値である場合における前記高確率モードの前記付与対応結果となる確率よりも低い構成であり、
前記設定値毎に区別することなく前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶される構成であって、前記履歴記憶手段に記憶された前記履歴情報は前記設定手段により前記使用対象となる設定値が設定されたとしても消去されない構成であることを特徴とする遊技機。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和1年7月19日にされた手続補正により補正された
特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、
当該入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段と、
前記付与判定において前記特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
遊技が実行されることにより所定事象が発生した場合にそれに対応する遊技の履歴情報を履歴記憶手段に記憶させる履歴記憶実行手段と、
前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報を利用して所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を導出する情報導出手段と、
前記情報導出手段により導出された前記態様情報に対応する表示が行われるように情報表示手段を表示制御する第1表示制御手段と、
遊技者の有利度に対応する複数段階の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段と、
動作電力の供給が開始された場合に前記使用対象となる設定値を変更することが可能な変更可能状況を発生させる手段と、
前記変更可能状況において前記態様情報に対応する表示は行われないようにしながら、現状選択されている前記設定値に対応する情報の表示が行われるように前記情報表示手段を表示制御する第2表示制御手段と、
を備え、
前記第1表示制御手段は、動作電力の供給が開始された場合において前記変更可能状況となる場合、前記情報表示手段にて前記現状選択されている前記設定値に対応する表示が開始される前に前記態様情報に対応する表示が開始されないようにし、前記現状選択されている前記設定値に対応する表示が終了された後に前記態様情報に対応する表示が開始されるようにする手段を備え、
前記付与判定手段は、前記付与判定のモードとして、前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となるように高確率モードと低確率モードとを有しており、
前記設定値に応じて前記低確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率が変動する構成であって、前記設定値に応じて前記高確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率が変動する構成であり、
前記低確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も高い前記設定値である場合が最も高くなる構成であり、
前記高確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も低い前記設定値である場合が最も低くなる構成であり、
前記有利度が最も高い前記設定値である場合における前記低確率モードの前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も低い前記設定値である場合における前記高確率モードの前記付与対応結果となる確率よりも低い構成であることを特徴とする遊技機。」
2 令和2年5月25日付け補正の却下の決定の理由
令和2年5月25日付け補正の却下の決定の理由は、本件補正が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第第17条の2第3項の規定に違反するものであり、同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである、というものである。
そして、その具体的な理由を、
「この補正事項の根拠として、出願人は同日付け意見書にて、出願当初明細書等の段落[0282]~[0298]、[0323]を指摘している。
しかしながら、上記指摘箇所には、設定値毎に区別した上で履歴情報が履歴記憶手段(履歴用メモリ117)に記憶されることが開示されているにとどまり、その余の記載からも、上記補正事項のように、前記設定値毎に区別することなく前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶されることについての明示的な記載はなく、また、これが自明な事項ともいえない。
より詳細に説示するならば、出願当初明細書等(特に、段落[0320]~[0323]、[0382]、[0383]参照)には、「パチンコ機10の設定状態が新たに設定されたことを示す情報と、当該設定が行われた日時に対応するRTC情報と、当該設定が行われた場合の設定値の情報と、の組合せが履歴情報として記憶された状態となる」こと、「パチンコ機10の設定状態の新たな設定が行われた場合にはそれに対応する履歴情報が履歴用メモリ117に記憶される。これにより、パチンコ機10の設定状態の新たな設定が行われる前の履歴情報と行われた後の履歴情報とを区別することが可能となる」こと、「パチンコ機10の設定状態の新たな設定が行われることで履歴用メモリ117にそれに対応する履歴情報が記憶される場合、その設定値に対応する情報が当該履歴情報に含まれる」ことがそれぞれ記載されているから、履歴情報は設定値に対応する情報と対応付けられて記憶される(設定値毎に区別した上で履歴情報が履歴記憶手段に記憶される)ものと解され、上記補正事項のように、前記設定値毎に区別することなく前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶されることは記載も示唆もない。
したがって、この補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでない。」
としている。
3 本件補正の適否
(1)補正の目的
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「履歴記憶手段」に記憶される「履歴情報」について、「前記設定値毎に区別することなく」「記憶される構成であって」、「前記設定手段により前記使用対象となる設定値が設定されたとしても消去されない構成であること」を限定するものである。
本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
(2)新規事項の追加の有無
ア 出願当初の明細書等に記載の事項
願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)には、以下のとおり記載されている(下線は当審で付した。)。
(ア)「【0252】
次に、管理用IC66の履歴用メモリ117について説明する。図21は履歴用メモリ117の構成を説明するための説明図である。
【0253】
履歴用メモリ117には、履歴情報を順次記憶するための履歴用エリア124が設けられている。履歴用エリア124には、複数のポインタ情報が連番で設定されているとともに、各ポインタ情報に1対1で対応させて履歴情報格納エリア125が設定されている。履歴情報格納エリア125には、RTC情報と対応関係情報との組合せを格納可能となっている。この場合、各履歴情報格納エリア125は2バイトのデータ容量となっており、RTC情報を格納するためのエリアとして1バイトのデータ容量が割り当てられており、対応関係情報を格納するためのエリアとして1バイトのデータ容量が割り当てられている。第1~第14バッファ122a~122n(本パチンコ機10の場合は実際には第1~第11バッファ122a~122k)に入力されている信号に応じて対応関係情報を格納する必要が生じた場合には、まず現状の書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125のRTC情報を格納するためのエリアに、現状のRTC115において計測されている日時情報を格納する。その後、今回の情報格納契機となったバッファ122a~122nに対応する対応関係情報を対応関係用メモリ116における当該バッファ122a~122nに対応する対応関係エリア123a~123nから読み出し、その読み出した対応関係情報を現状の書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
【0254】
履歴情報格納エリア125に格納される対応関係情報について具体的には、第1~第7バッファ122a~122gは既に説明したとおり入球検知センサ42a~48aの検知結果に対応する信号が入力されるため、対応関係用メモリ116における第1~第7対応関係エリア123a~123gには入球検知センサ42a~48aの種類に対応する情報が格納されている。より詳細には、入球検知センサ42a~48aのそれぞれに対応する入球部の種類に対応する情報が、第1~第7対応関係エリア123a~123gに格納されている。本パチンコ機10では既に説明したとおり第1~第3入賞口検知センサ42a~44aはいずれも一般入賞口31に入球した遊技球を検知するものであるため、これら第1~第3入賞口検知センサ42a~44aに対応する第1~第3対応関係エリア123a~123cにはいずれも一般入賞口31であることを示す情報が格納されている。また、第4対応関係エリア123dには特電入賞装置32であることを示す情報が格納されており、第5対応関係エリア123eには第1作動口33であることを示す情報が格納されており、第6対応関係エリア123fには第2作動口34であることを示す情報が格納されており、第7対応関係エリア123gにはアウト口24aであることを示す情報が格納されている。今回の情報格納契機となったバッファ122a~122nが第1~第7バッファ122a~122gのいずれかである場合には、そのバッファ122a~122gに対応する入球部の種類の情報が第1~第7対応関係エリア123a~123gのいずれかから読み出され、その読み出された入球部の種類の情報が履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアにそのまま格納される。
【0255】
一方、第8バッファ122hは開閉実行モード中であるか否かを示す信号が入力され、第9バッファ122iは高頻度サポートモード中であるか否かを示す信号が入力され、第10バッファ122jは前扉枠14が開放中であるか否かを示す信号が入力され、第11バッファ122kは遊技回が開始されたか否かを示す信号が入力される。したがって、第8対応関係エリア123hには開閉実行モードであることを示す情報が格納され、第9対応関係エリア123iには高頻度サポートモードであることを示す情報が格納され、第10対応関係エリア123jには前扉枠14であることを示す情報が格納され、第11対応関係エリア123kには遊技回であることを示す情報が格納される。
【0256】
主側CPU63は既に説明したとおり開閉実行モードではない状況ではLOWレベルの第8信号を継続して出力し、開閉実行モードである状況ではHIレベルの第8信号を継続して出力するため、管理側CPU112は第8信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合に開閉実行モードが開始されたと特定し、第8信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合に開閉実行モードが終了したと特定することが可能となる。そして、第8信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合、及びHIレベルからLOWレベルに変化した場合のいずれにおいても、管理側CPU112は履歴情報格納エリア125への対応関係情報の格納契機が発生したと特定する。つまり、第8信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合には、第8対応関係エリア123hから読み出した開閉実行モードであることを示す情報だけではなく開始情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。また、第8信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合には、第8対応関係エリア123hから読み出した開閉実行モードであることを示す情報だけではなく終了情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
【0257】
主側CPU63は既に説明したとおり高頻度サポートモードではない状況ではLOWレベルの第9信号を継続して出力し、高頻度サポートモードである状況ではHIレベルの第9信号を継続して出力するため、管理側CPU112は第9信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合に高頻度サポートモードが開始されたと特定し、第9信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合に高頻度サポートモードが終了したと特定することが可能となる。そして、第9信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合、及びHIレベルからLOWレベルに変化した場合のいずれにおいても、管理側CPU112は履歴情報格納エリア125への対応関係情報の格納契機が発生したと特定する。つまり、第9信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合には、第9対応関係エリア123iから読み出した高頻度サポートモードであることを示す情報だけではなく開始情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。また、第9信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合には、第9対応関係エリア123iから読み出した高頻度サポートモードであることを示す情報だけではなく終了情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
【0258】
主側CPU63は既に説明したとおり前扉枠14が閉鎖状態である状況ではLOWレベルの第10信号を継続して出力し、前扉枠14が開放状態である状況ではHIレベルの第10信号を継続して出力するため、管理側CPU112は第10信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合に前扉枠14が開放されたと特定し、第10信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合にが前扉枠14が閉鎖されたと特定することが可能となる。そして、第10信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合、及びHIレベルからLOWレベルに変化した場合のいずれにおいても、管理側CPU112は履歴情報格納エリア125への対応関係情報の格納契機が発生したと特定する。つまり、第10信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合には、第10対応関係エリア123jから読み出した前扉枠14であることを示す情報だけではなく開放開始情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。また、第10信号がHIレベルからLOWレベルに変化した場合には、第10対応関係エリア123jから読み出した前扉枠14であることを示す情報だけではなく開放終了情報も一緒に、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。
【0259】
主側CPU63は既に説明したとおり遊技回の開始タイミングとなるまではLOWレベルの第11信号を継続して出力し、遊技回の開始タイミングとなった場合に特定期間に亘ってHIレベルの第11信号を出力する。したがって、管理側CPU112は第11信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合に遊技回が開始されたと特定する。つまり、第11信号がLOWレベルからHIレベルに変化した場合には、第11対応関係エリア123kから読み出した遊技回であることを示す情報を、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアに格納する。」
(イ)「【0261】
履歴用メモリ117には履歴用エリア124とは別にポインタ用エリア126が設けられている。ポインタ用エリア126には、履歴用メモリ117において現状の書き込み対象となっているポインタ情報を管理側CPU112にて特定するための情報が格納されている。具体的には、パチンコ機10の出荷段階ではポインタ用エリア126には「0」のポインタ情報を書き込み対象に指定する情報が設定されている。そして、1個の履歴情報が履歴情報格納エリア125に新たに格納される度に、書き込み対象となるポインタ情報の値が1加算されるようにポインタ用エリア126の情報が更新される。最後の順番のポインタ情報が書き込み対象となり当該最後の順番のポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に履歴情報が格納された場合には、「0」のポインタ情報が書き込み対象となるようにポインタ用エリア126の情報が更新される。これにより、格納可能な履歴情報の個数を超えて履歴情報の格納契機が発生した場合には、古い履歴情報が格納されている履歴情報格納エリア125から順に新しい履歴情報に上書きされていくこととなる。」
(ウ)「【0316】
図29は管理側CPU112にて実行される設定更新認識用処理を示すフローチャートである。なお、設定更新認識用処理は、管理処理(図23)のステップS902にて実行される。
【0317】
入力ポート121の第15バッファ122oに入力されている設定値更新信号がLOWレベルからHIレベルに切り換わったか否かを判定する(ステップS1301)。ステップS1301にて肯定判定をした場合、管理側RAM114に設けられた設定値把握カウンタの値を「1」に設定する(ステップS1302)。設定値把握カウンタはパチンコ機10の設定値を管理側CPU112にて特定するためのカウンタであり、例えば設定値把握カウンタの値が「1」であれば「設定1」であることを意味し、設定値把握カウンタの値が「6」であれば「設定6」であることを意味する。
【0318】
その後、入力ポート121の第15バッファ122oに入力されている設定値更新信号が再度LOWレベルからHIレベルに切り換わったか否かを判定する(ステップS1303)。ステップS1303にて肯定判定をした場合、管理側RAM114の設定値把握カウンタの値を1加算する(ステップS1304)。これにより、管理側CPU112において特定しているパチンコ機10の設定値が1段階上昇することとなる。
【0319】
ステップS1303にて否定判定をした場合、又はステップS1304の処理を実行した場合、入力ポート121の第1~第8バッファ122a~122hに入力されている第1~第8信号の入力状態に基づいて、主側CPU63から設定値識別終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1305)。ステップS1305にて否定判定をした場合、ステップS1303の処理に戻る。
【0320】
ステップS1305にて肯定判定をした場合、RTC115から年月日情報及び時刻情報であるRTC情報を読み出す(ステップS1306)。そして、履歴用メモリ117への書き込み処理を実行する(ステップS1307)。当該書き込み処理では、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126を参照することで現状の書き込み対象となっている履歴用エリア124のポインタ情報を特定し、その書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴用エリア124の履歴情報格納エリア125に、ステップS1306にて読み出したRTC情報を書き込む。また、設定値であることを識別するための情報及び設定値把握カウンタの値の情報の両方を上記書き込み対象となっているポインタ情報に対応する履歴情報格納エリア125に書き込む。これにより、パチンコ機10の設定状態が新たに設定されたことを示す情報と、当該設定が行われた日時に対応するRTC情報と、当該設定が行われた場合の設定値の情報と、の組合せが履歴情報として記憶された状態となる。
【0321】
その後、対象ポインタの更新処理を実行する(ステップS1308)。当該更新処理では、履歴用メモリ117のポインタ用エリア126に格納されている数値情報を読み出し1加算する。その1加算後におけるポインタ情報が履歴用エリア124におけるポインタ情報の最大値を超えたか否かを判定する。最大値を超えていない場合には1加算後におけるポインタ情報を新たな書き込み対象のポインタ情報としてポインタ用エリア126に上書きする。最大値を超えている場合には書き込み対象のポインタ情報が最初のポインタ情報となるようにポインタ用エリア126を「0」クリアする。
【0322】
上記のように設定更新認識用処理が実行されることにより、パチンコ機10の設定状態が新たに設定された場合には、当該設定が行われたこと、当該設定が行われた日時、及び当該設定が行われた場合の設定値の組合せが履歴情報として履歴用エリア124に格納される。これにより、読み取り用端子68dに接続した外部装置を利用して履歴用メモリ117に格納された情報を読み出して解析することにより、パチンコ機10の設定状態が新たに設定された日時及び当該設定が行われた場合の設定値の内容を把握することが可能となる。
【0323】
ここで、パチンコ機10の設定状態が新たに設定されたとしても履歴用メモリ117に記憶されている情報はそのまま維持される。これにより、パチンコ機10の設定状態が新たに設定されたとしても履歴用メモリ117の履歴情報が消去されないようにすることが可能となるとともに後述する各種パラメータはパチンコ機10の設定状態の変更タイミングの前後を跨いで存在する履歴情報を利用して算出される。この場合に、上記のとおりパチンコ機10の設定状態が新たに設定された日時は履歴用メモリ117に記憶されるため、読み取り用端子68dに外部装置を接続して履歴用メモリ117に格納された情報を読み取ることで、パチンコ機10の設定状態が新たに設定されたタイミング以後であって当該設定状態が維持されている期間における各種パラメータを演算することが可能となる。」
(エ)「【図21】
」
(オ)「【図29】
」
イ 本件補正についての検討
本件補正は、請求項1において、
「前記設定値毎に区別することなく前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶される構成であって、前記履歴記憶手段に記憶された前記履歴情報は前記設定手段により前記使用対象となる設定値が設定されたとしても消去されない構成であること」(以下、「本件補正事項」という。)
を限定するものである。
(ア)本件補正事項の「前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶される」との事項については、【0253】に、「RTC情報と対応関係情報との組合せ」が「履歴用メモリ117」に「格納」されることとして記載されている。
(イ)本件補正事項の「前記設定値毎に区別することなく」との事項については、当初明細書等に、以下の(a)~(d)を満たすものが記載されていれば、「前記設定値毎に区別することなく前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶される構成」が記載されているといえる。
(a)いずれの履歴情報も、同じ履歴記憶手段に記憶される(設定値によって、異なる履歴記憶手段に記憶されない。)。
(b)いずれの履歴情報についても、同じ方法により履歴記憶手段に記憶される(設定値によって、異なる方法で記憶されたり、履歴記憶手段の異なる領域に記憶されたりしない。)。
(c)個々の履歴情報が、設定値とともに記憶されない。
(d)上記(a)~(c)以外に、「前記設定値毎に区別して前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶される」ことを示唆する事項が記載されていない。
上記(a)については、いずれの「RTC情報と対応関係情報との組合せ」も、同じ「履歴用メモリ117」に格納されることから、上記(a)を満たすものが当初明細書等に記載されている。
上記(b)については、【0253】、【0261】から、いずれの「RTC情報と対応関係情報との組合せ」も、連番で設定されている各ポインタ情報に1対1で対応させて設定されている履歴情報格納エリア125に格納されることから、上記(b)を満たすものが当初明細書等に記載されている。
上記(c)について検討する。
【0253】によれば、「履歴用メモリ117」に設けられた「履歴情報を順次記憶するための履歴用エリア124」に設定された「複数のポインタ情報が連番で設定されているとともに、各ポインタ情報に1対1で対応させて履歴情報格納エリア125」には、「RTC情報と対応関係情報との組合せを格納可能」となっており、
【0254】、【0256】~【0259】、【0320】によれば、履歴情報格納エリア125の対応関係情報を格納するためのエリアには、各ポインタに対して、以下のいずれかが格納されることが理解される。
・入球部の種類の情報(【0254】)
・開閉実行モードであることを示す情報と開始情報又は終了情報(【0256】)
・高頻度サポートモードであることを示す情報と開始情報又は終了情報(【0257】)
・前扉枠14であることを示す情報と開放開始情報又は開放終了情報(【0258】)
・遊技回であることを示す情報(【0259】)
・設定値であることを識別するための情報及び設定値把握カウンタの値の情報(【0320】)
そうすると、「履歴用メモリ117」に設けられた「履歴情報を順次記憶するための履歴用エリア124」に設定された「履歴情報格納エリア125」には、連番で設定されている各ポインタ情報に1対1で対応させて「RTC情報と対応関係情報との組合せ」のみが格納されるところ、【0253】によれば、「RTC情報」は「日時情報」であり、「対応関係情報」は、【0320】に記載の「設定値であることを識別するための情報及び設定値把握カウンタの値の情報」であるという特別な場合を除いて、設定値の情報を含んでいない。したがって、「履歴用メモリ117」の各ポインタ情報に1対1で対応させて格納される「RTC情報と対応関係情報との組合せ」は、設定値の情報とともに格納されていないから、上記(c)を満たすものが当初明細書等に記載されている。
上記(d)について検討する。
当初明細書等には、以下の事項が記載されている。
「パチンコ機10の設定状態が新たに設定されたことを示す情報と、当該設定が行われた日時に対応するRTC情報と、当該設定が行われた場合の設定値の情報と、の組合せが履歴情報として記憶された状態となる」(【0320】)
「パチンコ機10の設定状態の新たな設定が行われた場合にはそれに対応する履歴情報が履歴用メモリ117に記憶される。これにより、パチンコ機10の設定状態の新たな設定が行われる前の履歴情報と行われた後の履歴情報とを区別することが可能となる」(【0322】)
「パチンコ機10の設定状態の新たな設定が行われることで履歴用メモリ117にそれに対応する履歴情報が記憶される場合、その設定値に対応する情報が当該履歴情報に含まれる」(【0383】)
これらの記載は、RTC情報と設定が行われた場合の設定値の情報との組合せが履歴情報として記憶されることがあることを示すものにとどまり、【0322】に記載のように、「パチンコ機10の設定状態の新たな設定が行われる前の履歴情報と行われた後の履歴情報とを区別することが可能となる」のは、各履歴情報と設定状態の新たな設定が行われたことを示す履歴情報との前後関係を確認して初めて可能となるのであって、各履歴情報(RTC情報と対応関係情報との組合せ)に設定値の情報が含まれていないことは、上記(c)の検討でみたとおりであるから、「前記設定値毎に区別して前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶される構成」を示唆するものではない。
また、このほかに当初明細書等に「前記設定値毎に区別して前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶される構成」を示唆する記載はない。
したがって、当初明細書等の記載は、上記(d)を満たすものである。
以上の(a)~(d)の検討から、当初明細書等には、「前記設定値毎に区別することなく前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶される構成」が記載されていると認められる。
(ウ)本件補正事項の「前記履歴記憶手段に記憶された前記履歴情報は前記設定手段により前記使用対象となる設定値が設定されたとしても消去されない構成である」との事項については、【0323】に記載されている。
以上によれば、本件補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
(3)独立特許要件
本件補正後の請求項1及び請求項2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」及び「本願発明2」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかを検討する。
ア 本願発明
本願発明1は、上記「1 補正の内容」「(1)本件補正後の特許請求の範囲」においても示した次のとおりのものである(A~Rは、当審で分説して付与した。)。
「【請求項1】
A 遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、
B 当該入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
C 前記特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段と、
D 前記付与判定において前記特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
E 遊技が実行されることにより所定事象が発生した場合にそれに対応する遊技の履歴情報を履歴記憶手段に記憶させる履歴記憶実行手段と、
F 前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報を利用して所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を導出する情報導出手段と、
G 前記情報導出手段により導出された前記態様情報に対応する表示が行われるように情報表示手段を表示制御する第1表示制御手段と、
H 遊技者の有利度に対応する複数の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段と、
I 動作電力の供給が開始された場合に前記使用対象となる設定値を変更することが可能な変更可能状況を発生させる手段と、
J 前記変更可能状況において前記態様情報に対応する表示は行われないようにしながら、現状選択されている前記設定値に対応する情報の表示が行われるように前記情報表示手段を表示制御する第2表示制御手段と、
を備え、
K 前記第1表示制御手段は、動作電力の供給が開始された場合において前記変更可能状況となる場合、前記情報表示手段にて前記現状選択されている前記設定値に対応する表示が開始される前に前記態様情報に対応する表示が開始されないようにし、前記現状選択されている前記設定値に対応する表示が終了された後に前記態様情報に対応する表示が開始されるようにする手段を備え、
L 前記付与判定手段は、前記付与判定のモードとして、前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となるように高確率モードと低確率モードとを有しており、
M 前記設定値に応じて前記低確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率が変動する構成であって、前記設定値に応じて前記高確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率が変動する構成であり、
N 前記低確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も高い前記設定値である場合が最も高くなる構成であり、
O 前記高確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も低い前記設定値である場合が最も低くなる構成であり、
P 前記有利度が最も高い前記設定値である場合における前記低確率モードの前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も低い前記設定値である場合における前記高確率モードの前記付与対応結果となる確率よりも低い構成であり、
Q 前記設定値毎に区別することなく前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶される構成であって、前記履歴記憶手段に記憶された前記履歴情報は前記設定手段により前記使用対象となる設定値が設定されたとしても消去されない構成である
R ことを特徴とする遊技機。」
また、本願発明2は、本件補正において、請求項2が補正の対象に含まれていなかったことから、本件補正前の令和1年7月19日に提出された手続補正書に請求項2として記載された次のとおりのものである。
「【請求項2】
遊技価値を利用して遊技が行われることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。」
イ 先願の当初明細書等に記載された事項
これに対して、令和1年12月18日付けで通知された拒絶の理由に引用され、本願の出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行又は出願公開がされた下記の特許出願(以下、「先願」という。)の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面には、「ぱちんこ遊技機」に関し、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ)。
先願.特願2017-121781号(特開2019-5008号)
(ア)「【0013】
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の前面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機は、主に遊技機枠と遊技盤D35で構成される。以下、これらを順に説明する。」
(イ)「【0019】
次に、第1主遊技始動口A10は、第1主遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、第1主遊技始動口A10は、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを備える。ここで、第1主遊技始動口入球検出装置A11sは、第1主遊技始動口A10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1主遊技始動口入球情報を生成する。
【0020】
次に、第2主遊技始動口B10は、第2主遊技に対応する始動入賞口として設置されている。具体的構成としては、第2主遊技始動口B10は、第2主遊技始動口入球検出装置B11sと、第2主遊技始動口電動役物B11dと、を備える。ここで、第2主遊技始動口入球検出装置B11sは、第2主遊技始動口B10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2主遊技始動口入球情報を生成する。次に、第2主遊技始動口電動役物B11dは、第2主遊技始動口B10に遊技球が入賞し難い閉鎖状態と当該閉鎖状態よりも遊技球が入賞し易い開放状態に可変する。」
(ウ)「【0065】
次に、ステップ2000で、主制御基板MのCPUMCは、後述の入球検出処理を実行する。次に、ステップ1100で、主制御基板MのCPUMCは、後述の補助遊技内容決定乱数取得処理を実行する。次に、ステップ1200で、主制御基板MのCPUMCは、後述の電動役物駆動判定処理を実行する。次に、ステップ1300で、主制御基板MのCPUMCは、後述の主遊技内容決定乱数取得処理を実行する。次に、ステップ1400で、主制御基板MのCPUMCは、後述の主遊技図柄表示処理を実行する。次に、ステップ1600で、主制御基板MのCPUMCは、後述の特別遊技制御処理を実行する。次に、ステップ1601で、主制御基板MのCPUMCは、大入賞口有効期間設定処理を実行する。次に、ステップ1550で、主制御基板MのCPUMCは、後述の特別遊技作動条件判定処理を実行する。次に、ステップ1550‐1で、主制御基板MのCPUMCは、異常検知処理を実行する。次に、ステップ1550‐2で、主制御基板MのCPUMCは、入球通過時間異常検出処理を実行する。次に、ステップ1550‐3で、主制御基板MのCPUMCは、遊技状態表示処理を実行する。次に、ステップ1550‐4で、主制御基板MのCPUMCは、ハンドル状態信号検査処理を実行する。次に、ステップ1550‐5で、主制御基板MのCPUMCは、アウト口監視処理を実行する。次に、ステップ1550‐6で、主制御基板MのCPUMCは、LED出力処理を実行する。次に、ステップ1900で、主制御基板MのCPUMCは、後述の不正検知情報管理処理を実行する。次に、ステップ1950で、主制御基板MのCPUMCは、後述のエラー管理処理を実行する。次に、ステップ1550‐7で、主制御基板MのCPUMCは、後述の発射制御信号出力処理を実行する。次に、ステップ1550‐8で、主制御基板MのCPUMCは、試験信号出力処理を実行する。次に、ステップ1550‐9で、主制御基板MのCPUMCは、ソレノイド出力処理を実行する。次に、ステップ1999で、主制御基板MのCPUMCは、制御コマンド送信処理(前述の各処理でセットされたコマンドをサブメイン制御部側に送信する)を実行する。次に、ステップ3500で、主制御基板MのCPUMCは、後述の外部信号出力処理を実行する。次に、ステップ1550‐10で、主制御基板MのCPUMCは、入球状態制御処理を実行する。次に、ステップ1550‐11で、主制御基板MのCPUMCは、タイマ割り込みの発生を許可するよう設定し、本割り込み処理の実行直前に実行されていた処理に復帰する。」
(エ)「【0083】
また、入球状態制御処理では、入球状態表示装置J10に表示するためのベース値の演算、当該演算結果の記憶、演算結果の表示制御等を実行する。このとき、後述する設定変更手段を設けた場合においては、設定値ごとに通常時賞球数カウンタ値、通常時アウト個数カウンタ値、総アウト個数カウンタ値、直前区間の最終ベース値等を記憶し、入球状態表示装置にて表示するよう構成することも可能である。より具体的には、電源投入時に、現在の設定に対応する遊技機の性能(例えば、大当り当選確率や各入賞口の賞球数)を読み出し、さらに、現在の設定に対応する記憶領域(例えば、通常時賞球数カウンタ値、通常時アウト個数カウンタ値、総アウト個数カウンタ値、直前区間の最終ベース値等を記憶する記憶領域)をセットする。そして、それぞれの記憶領域に記憶された値をもとに入状状態情報(審決注:「入球状態情報」の誤記と認められる。)の生成及び表示を行う。このように構成することで、設定毎の入球状態情報(例えば、ベース値)を適切に生成及び表示することが可能となる。また、入球状態表示装置に表示する入球状態情報について、専用の入球状態表示切替ボタンを操作することにより、又は、設定変更ボタンを操作することにより表示内容が切り替わるよう構成する(例えば、現在の設定が1の場合、入球状態表示切替ボタンが1回操作されると、設定2の入球状態情報が表示され、さらにもう1回操作されると、設定3の入球状態情報が表示される)ことで、設定毎の最新情報を確認可能としてもよい。ここで、設定変更ボタンを用いる場合、設定変更ボタンを操作することで設定が変更されてしまうことがないように、上述した設定キーを用いる構成(例えば、電源オン且つ設定キーを左に回している状態で、設定変更ボタンを操作することで、表示内容が切り替わる構成)が好ましい。尚、入球状態表示切替ボタンや設定変更ボタンにより、入球状態情報の表示を切り替えた場合、所定時間経過すると現在の設定の表示に戻すよう構成してもよい。」
(オ)「【0127】
次に、図23は、図7におけるステップ1300のサブルーチンに係る、主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1302で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口A10の第1主遊技始動口入球検出装置A11sから第1主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1302でYesの場合、ステップ1303で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口A10に入球した旨に関するコマンドである第1主遊技始動口入球コマンドをサブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)し、ステップ1304の処理に移行する。次に、ステップ1304で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技(特に第1主遊技側)に関する保留球が上限(例えば4個)内であるか否かを判定する。ステップ1304でYesの場合、ステップ1306で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技内容決定乱数を取得する。なお、本実施例では、第1主遊技内容決定乱数として、当否を決定するための当否抽選乱数、当り時の図柄を決定するための図柄抽選乱数、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定するための変動態様抽選乱数の3つの乱数を取得している。ちなみに、これら3つの乱数は夫々更新周期・乱数範囲の異なる乱数生成手段から生成され、本タイミングで一連的に取得するようになっている。次に、ステップ1308で、主制御基板MのCPUMCは、当該取得した乱数を主制御基板MのRAM領域に一時記憶(保留)する。次に、ステップ1310で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技乱数が取得された旨の情報(保留発生コマンド)を、サブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)する。」
(カ)「【0129】
次に、ステップ1312で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口入球検出装置B11sから第2主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1312でYesの場合、ステップ1314で、主制御基板MのCPUMCは、主遊技(特に第2主遊技側)に関する保留球が上限(例えば4個)内であるか否かを判定する。ステップ1314でYesの場合、ステップ1316で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技内容決定乱数を取得する。なお、本実施形態では、第2主遊技内容決定乱数として、第1主遊技側と同様に当否抽選乱数、図柄抽選乱数、変動態様抽選乱数の3つの乱数を取得している。ちなみに、第1主遊技側の各乱数の取得範囲と第2主遊技側の各乱数の取得範囲(例えば第1主遊技用の当否抽選乱数と第2主遊技用の当否抽選乱数の取得範囲)を同じに設定している。次に、ステップ1318で、主制御基板MのCPUMCは、当該取得した乱数をRAM領域に一時記憶(保留)する。次に、ステップ1320で、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技乱数が取得された旨の情報(保留発生コマンド)を、サブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)し、次の処理(ステップ1400の処理)に移行する。尚、ステップ1302及びステップ1304でNoの場合にはステップ1312に移行し、ステップ1312及びステップ1314でNoの場合には次の処理(ステップ1400の処理)に移行する。」
(キ)「【0133】
ステップ1403でYesの場合、ステップ1405及びステップ1406で、主制御基板MのCPUMCは、主制御基板MのRAM領域に一時記憶されている、今回の図柄変動に係る第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)を読み出すと共に、主制御基板MのRAM領域から削除し、当該一時記憶されている残りの保留情報をシフトする(保留消化処理)。次に、ステップ1410-1で、主制御基板MのCPUMCは、各遊技状態に対応する主遊技テーブル1を参照し、第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、当選抽選乱数)に基づき、主遊技図柄当否抽選を実行する。
【0134】
ここで、図26(主遊技テーブル1)は、第1主遊技用当否抽選テーブル(第2主遊技用当否抽選テーブル)の一例である。本例に示されるように、本実施形態においては、確率変動遊技状態時における大当り当選確率は、非確率変動遊技状態時における大当り当選確率よりも高確率となるよう構成されている。尚、当選確率はあくまでも一例であり、これには何ら限定されない。
【0135】
次に、ステップ1410-2で、主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技図柄決定用抽選テーブル(第2主遊技図柄決定用抽選テーブル)を参照し、主遊技図柄当否抽選結果及び第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、図柄抽選乱数)に基づいて主遊技図柄に関する停止図柄を決定し、これらをRAM領域に一時記憶する。」
(ク)「【0142】
次に、ステップ1430で、主制御基板MのCPUMCは、主制御基板MのRAM領域を参照し、当該主遊技図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定する。ステップ1430でYesの場合、ステップ1440で、主制御基板MのCPUMCは、条件装置作動フラグをオンにし、ステップ1500に移行する。他方、ステップ1430でNoの場合には、ステップ1500に移行する。」
(ケ)「【0145】
次に、図28は、図7におけるステップ1600のサブルーチンに係る、特別遊技制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1602で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技移行許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1602でYesの場合、ステップ1604及びステップ1606で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技移行許可フラグをオフにすると共に特別遊技実行フラグをオンにする。次に、ステップ1607で、主制御基板MのCPUMCは、ラウンド数カウンタ(不図示)に初期値(本例では、1)をセットする。次に、ステップ1608で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技を開始する旨の情報(特別遊技開始表示指示コマンド)を、サブメイン制御部側に送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理にて、サブメイン制御部SM側に送信される)し、ステップ1612に移行する。
【0146】
他方、ステップ1602でNoの場合、ステップ1610で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ステップ1610でYesの場合には、ステップ1612に移行する。尚、ステップ1610でNoの場合には、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技の許可が下りていないと判定し、次の処理(ステップ1997の処理)に移行する。
【0147】
次に、ステップ1612で、主制御基板MのCPUMCは、ラウンド継続フラグがオフであるか否か、換言すれば、各ラウンドの開始直前であるか否かを判定する。ステップ1612でYesの場合、即ち、各ラウンドの開始直前である場合、まず、ステップ1614で、セットした開放パターン(例えば、開放し続ける開放パターン、開放と閉鎖を複数回行うパターン)をセットする。次に、ステップ1616で、主制御基板MのCPUMCは、入賞球カウンタMP33cのカウンタ値をゼロクリアする。次に、ステップ1618で、主制御基板MのCPUMCは、ラウンド継続フラグをオンにする。次に、ステップ1620で、主制御基板MのCPUMCは、第1大入賞口C10の第1大入賞口電動役物C11d(又は第2大入賞口電動役物C21d)を駆動して第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)を開放し、特別遊技用タイマMP34t(特に開放時間タイマ)に所定時間(例えば30秒)をセットしてスタートし、ステップ1622に移行する。他方、ステップ1612でNoの場合、即ち、大入賞口が開放中である場合、ステップ1614~1620の処理を行うことなく、ステップ1622に移行する。」
(コ)「【0156】
次に、図30は、図7におけるステップ1550のサブルーチンに係る、特別遊技作動条件判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1552で、主制御基板MのCPUMCは、条件装置作動フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1552でYesの場合、ステップ1554で、主制御基板MのCPUMCは、特定遊技フラグ(主遊技確変フラグ・主遊技時短フラグ・補助遊技時短フラグ)をオフにする。次に、ステップ1558で、主制御基板MのCPUMCは、時短回数カウンタMP52cの値をクリアする。次に、ステップ1560で、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技移行許可フラグをオンにする。次に、ステップ1562で、主制御基板MのCPUMCは、条件装置作動フラグをオフにし、次の処理(ステップ1600の処理)に移行する。尚、ステップ1552でNoの場合も、次の処理(ステップ1600の処理)に移行する。」
(サ)「【0620】
はじめに、第6実施形態に係るぱちんこ遊技機は、主遊技図柄の当否当選確率等を異ならせるための設定値を複数備えるために、設定変更手段として、設定変更用のキースイッチ及び設定変更ボタンを設けている。」
(シ)「【0623】
まず、図124は、第6実施形態に係る、主制御基板Mが行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。遊技機の電源投入後、ステップ1001(第6)で、主制御基板Mは、設定キーの操作がなかったか否かを判定する。ステップ1001(第6)でYESの場合、ステップ1002の処理に移行する。ステップ1001(第6)でNOの場合(設定キーの操作が有った場合)、主制御基板Mは、ステップ1003(第6)の処理(後述する、設定変更処理)を実行し、ステップ1004の処理に移行する。」
(ス)「【0635】
≪設定値表示装置≫
次に、設定値表示装置について説明する。設定変更する際に、設定しようとする設定値を表示するための設定値表示装置を主制御基板Mに備えている。設定値表示装置は、7セグメント表示器であり、「1」~「6」の表示により、設定1~6の6段階を判別可能となっている。尚、本実施形態では、設定値表示装置を、入球状態表示装置J10、RAMクリアボタン等とは別個に備える例を説明したが、これに限らず、入球状態表示装置J10を利用して設定値の表示を行うようにしてもよい。この場合、入球状態表示装置J10には、設定値とベース値との両方が表示されることになるが、設定変更モードの間は設定値を表示するようにし、それ以外の場合には、ベース値を表示するのが望ましい。また、設定変更モードの間もベース値を表示し続けるようにすることも可能であり、その際は、設定値とベース値の表示を、時間、または、いずれかの入力装置の操作によって切り替えることが考えられる。さらに、入球状態表示装置J10の表示態様を変更することで、4桁の7セグにて、設定値とベース値の両方を同時に表示してもよい。
【0636】
≪変更対象≫
第6実施形態においては、特別図柄の当否抽選の当選確率を変更可能に構成されている。例えば、設定1~6の6段階が設けられており、設定1から設定6の順で高確率及び低確率夫々の大当りの当選確率が徐々に高くなるように(遊技者に有利となるように)構成されており、また、設定毎の高確率時の当選確率は低確率の当選確率の2倍となっている。具体的には、低確率時の当選確率は、設定1:1/320(205/65536)、設定2:1/318(206/65536)、設定3:1/317(207/65536)、設定4:1/315(208/65536)、設定5:1/314(209/65536)、設定6:1/312(210/65536)のように設けられ、高確率時の当選確率は、設定1:1/160(410/65536)、設定2:1/159(412/65536)、設定3:1/158(414/65536)、設定4:1/58(416/65536)、設定5:1/157(418/65536)、設定6:1/156(420/65536)となるように設けられている。尚、特別図柄の当否抽選の当選確率には、小当りの当選確率も含まれ、小当りの当選確率は、設定値及び遊技状態(低確率時、高確率時)に関わらず一定(例えば、1/99)に設定されている。なお、高確率時の当選確率は、低確率時の10倍以内になるように、即ち、設定1:1/30.7、設定2:1/30.3、設定3:1/29.9、設定4:1/29.5、設定5:1/28.0、設定6:1/27.0に設けていてもよい。
【0637】
次に、設定値の記憶領域について説明する。
≪設定値の記憶領域≫
第6実施形態におけるRAM領域は、設定値の記憶領域(特定領域)とその他の遊技データ記憶領域(例えば、主遊技側乱数、ラウンド数等)とが構成されており、設定値の記憶領域は、RAM領域の先頭アドレスから記憶するよう構成されている。尚、設定キーによる設定変更及びRAM領域に異常があった場合には、設定値の記憶領域を含め、全てのRAM領域がクリア(初期化)されるが、RAMクリアボタンの操作によるRAMクリアでは、設定値の記憶領域はクリアされず、その他の遊技データ記憶領域のデータのみがクリア(初期化)される。」
(審決注:【0636】の「設定4:1/58(416/65536)」は、「設定4:1/158(416/65536)」と記載されるべきところの誤記と認められる。
(セ)「【図7】
」
(ソ)「【図28】
」
(タ)「【図30】
」
ウ 先願発明
上記(ア)~(タ)によれば、先願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面には、次の発明(以下、「先願発明」という。)が記載されていると認められる(a~rは、本願発明1のA~Rに対応させて当審にて付与した。)。
「a 第1主遊技始動口A10は、第1主遊技に対応する始動入賞口として設置され、第1主遊技始動口A10への遊技球の入球を検出するセンサである第1主遊技始動口入球検出装置A11sを備え(【0019】)、第2主遊技始動口B10は、第2主遊技に対応する始動入賞口として設置され、第2主遊技始動口B10への遊技球の入球を検出するセンサである第2主遊技始動口入球検出装置B11sを備え(【0020】)、
b 主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技始動口A10の第1主遊技始動口入球検出装置A11sから第1主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定し、Yesの場合、第1主遊技始動口A10に入球した旨に関するコマンドである第1主遊技始動口入球コマンドをサブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセットし、主遊技(特に第1主遊技側)に関する保留球が上限(例えば4個)内であるか否かを判定し、Yesの場合、第1主遊技内容決定乱数を取得し、第1主遊技内容決定乱数として、当否を決定するための当否抽選乱数、当り時の図柄を決定するための図柄抽選乱数、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定するための変動態様抽選乱数の3つの乱数を取得し(【0127】)、主制御基板MのCPUMCは、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口入球検出装置B11sから第2主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定し、Yesの場合、主遊技(特に第2主遊技側)に関する保留球が上限(例えば4個)内であるか否かを判定し、Yesの場合、第2主遊技内容決定乱数を取得し、第2主遊技内容決定乱数として、第1主遊技側と同様に当否抽選乱数、図柄抽選乱数、変動態様抽選乱数の3つの乱数を取得し(【0129】)、
c 主制御基板MのCPUMCは、各遊技状態に対応する主遊技テーブル1を参照し、第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、当選抽選乱数)に基づき、主遊技図柄当否抽選を実行し(【0133】)、
d 主制御基板MのCPUMCは、第1主遊技図柄決定用抽選テーブル(第2主遊技図柄決定用抽選テーブル)を参照し、主遊技図柄当否抽選結果及び第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、図柄抽選乱数)に基づいて主遊技図柄に関する停止図柄を決定し、これらをRAM領域に一時記憶し(【0135】)、主制御基板MのCPUMCは、主制御基板MのRAM領域を参照し、当該主遊技図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定し、Yesの場合、条件装置作動フラグをオンにし(【0142】)、主制御基板MのCPUMCは、条件装置作動フラグがオンであるか否かを判定し、Yesの場合、特別遊技移行許可フラグをオンにし、条件装置作動フラグをオフにし(【0156】)、主制御基板MのCPUMCは、特別遊技移行許可フラグがオンであるか否かを判定し、Yesの場合、特別遊技移行許可フラグをオフにすると共に特別遊技実行フラグをオンにし(【0145】)、主制御基板MのCPUMCは、第1大入賞口C10の第1大入賞口電動役物C11d(又は第2大入賞口電動役物C21d)を駆動して第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)を開放し、特別遊技用タイマMP34t(特に開放時間タイマ)に所定時間(例えば30秒)をセットしてスタートし(【0147】)、
efg 主制御基板MのCPUMCは、入球状態制御処理を実行し(【0065】)、入球状態制御処理では、入球状態表示装置J10に表示するためのベース値の演算、当該演算結果の記憶、演算結果の表示制御等を実行し、電源投入時に、現在の設定に対応する遊技機の性能(例えば、大当り当選確率や各入賞口の賞球数)を読み出し、さらに、現在の設定に対応する記憶領域(例えば、通常時賞球数カウンタ値、通常時アウト個数カウンタ値、総アウト個数カウンタ値、直前区間の最終ベース値等を記憶する記憶領域)をセットし、それぞれの記憶領域に記憶された値をもとに入球状態情報の生成及び表示を行い、このように構成することで、設定毎の入球状態情報(例えば、ベース値)を適切に生成及び表示することが可能であり(【0083】)、
hijk-q1 主遊技図柄の当否当選確率等を異ならせるための設定値を複数備えるために、設定変更手段として、設定変更用のキースイッチ及び設定変更ボタンを設け(【0620】)、遊技機の電源投入後、主制御基板Mは、設定キーの操作がなかったか否かを判定し、NOの場合(設定キーの操作が有った場合)、主制御基板Mは、設定変更処理を実行し(【0623】)、入球状態表示装置J10を利用して設定値の表示を行い、入球状態表示装置J10には、設定値とベース値との両方が表示されることになるが、設定変更モードの間は設定値を表示するようにし、それ以外の場合には、ベース値を表示し(【0635】)、
lmnop 第1主遊技用当否抽選テーブル(第2主遊技用当否抽選テーブル)は、確率変動遊技状態時における大当り当選確率は、非確率変動遊技状態時における大当り当選確率よりも高確率となるよう構成され(【0134】)、低確率時の当選確率は、設定1:1/320(205/65536)、設定2:1/318(206/65536)、設定3:1/317(207/65536)、設定4:1/315(208/65536)、設定5:1/314(209/65536)、設定6:1/312(210/65536)のように設けられ、高確率時の当選確率は、設定1:1/160(410/65536)、設定2:1/159(412/65536)、設定3:1/158(414/65536)、設定4:1/158(416/65536)、設定5:1/157(418/65536)、設定6:1/156(420/65536)となるように設けられており(【0636】)、
q2 設定キーによる設定変更があった場合には、設定値の記憶領域を含め、全てのRAM領域がクリア(初期化)される(【0637】)、
r ぱちんこ遊技機(【0013】)。」
エ 対比・判断
(ア)本願発明1について
本願発明1と先願発明とを、分説に従い対比する(対比の見出しの(a)~(r)は、本願発明1の分説構成と対応させて付した。)。
(a)先願発明の「第1主遊技に対応する始動入賞口として設置され、第1主遊技始動口A10への遊技球の入球を検出するセンサである第1主遊技始動口入球検出装置A11sを備え」る「第1主遊技始動口A10」及び「第2主遊技に対応する始動入賞口として設置され、第2主遊技始動口B10への遊技球の入球を検出するセンサである第2主遊技始動口入球検出装置B11sを備え」る「第2主遊技始動口B10」は、本願発明1の「遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段」に相当する。
したがって、先願発明は、本願発明1の構成Aを備える。
(b)先願発明の「第1主遊技内容決定乱数」及び「第2主遊技内容決定乱数」は、本願発明1の「特別情報」に相当する。
先願発明の「主制御基板MのCPUMC」は、「第1主遊技始動口A10の第1主遊技始動口入球検出装置A11sから第1主遊技始動口入球情報を受信した」こと、又は「第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口入球検出装置B11sから第2主遊技始動口入球情報を受信した」ことに基づいて「第1主遊技内容決定乱数」又は「第2主遊技内容決定乱数」を「取得」するものであるから、本願発明1の「当該入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段」に相当する。
したがって、先願発明は、本願発明1の構成Bを備える。
(c)先願発明の「主遊技テーブル1」及び「主遊技図柄当否抽選」は、それぞれ本願発明1の「付与情報」及び「付与判定」に対応する。
先願発明の「主制御基板MのCPUMC」は、「主遊技テーブル1を参照し、第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、当選抽選乱数)に基づき、主遊技図柄当否抽選を実行」するものであるから、本願発明1の「前記特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段」に相当する。
したがって、先願発明は、本願発明1の構成Cを備える。
(d)先願発明の「第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)を開放」することは、本願発明1の「遊技者に特典を付与する」ことに相当する。
先願発明の「主制御基板MのCPUMC」は、「主遊技図柄当否抽選結果及び第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、図柄抽選乱数)に基づいて主遊技図柄に関する停止図柄を決定し」、「当該主遊技図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定し、Yesの場合」、「第1大入賞口C10の第1大入賞口電動役物C11d(又は第2大入賞口電動役物C21d)を駆動して第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)を開放」するものであるから、本願発明1の「前記付与判定において前記特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段」に相当する。
したがって、先願発明は、本願発明1の構成Dを備えている。
(e)先願発明の「通常時賞球数カウンタ値、通常時アウト個数カウンタ値、総アウト個数カウンタ値、直前区間の最終ベース値等」は、本願発明1の「遊技が実行されることにより所定事象が発生した場合にそれに対応する遊技の履歴情報」に相当する。
先願発明の「主制御基板MのCPUMC」は、「現在の設定に対応する記憶領域(例えば、通常時賞球数カウンタ値、通常時アウト個数カウンタ値、総アウト個数カウンタ値、直前区間の最終ベース値等を記憶する記憶領域)をセット」するものであるから、本願発明1の構成Eの「遊技が実行されることにより所定事象が発生した場合にそれに対応する遊技の履歴情報を履歴記憶手段に記憶させる履歴記憶実行手段」に相当する。
したがって、先願発明は、本願発明1の構成Eを備える。
(f)先願発明の「設定毎の入球状態情報(例えば、ベース値)」は、本願発明1の「所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報」に相当する。
先願発明の「主制御基板MのCPUMC」は、「現在の設定に対応する記憶領域(例えば、通常時賞球数カウンタ値、通常時アウト個数カウンタ値、総アウト個数カウンタ値、直前区間の最終ベース値等を記憶する記憶領域)」「に記憶された値をもとに入球状態情報の生成」を行うものであるから、本願発明1の「前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報を利用して所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を導出する情報導出手段」に相当する。
したがって、先願発明は、本願発明1の構成Fを備える。
(g)先願発明の「入球状態表示装置J10」は、本願発明1の「情報表示手段」に相当する。
先願発明の「主制御基板MのCPUMC」は、「入球状態表示装置J10に表示するためのベース値の演算、当該演算結果の記憶、演算結果の表示制御等を実行」する「入球状態制御処理を実行」するものであるから、本願発明1の「前記情報導出手段により導出された前記態様情報に対応する表示が行われるように情報表示手段を表示制御する第1表示制御手段」に相当する。
したがって、先願発明は、本願発明1の構成Gを備える。
(h)先願発明の「主遊技図柄の当否当選確率等を異ならせるための」「複数」の「設定値」及び「設定」は、本願発明1の「遊技者の有利度に対応する複数の設定値」に相当する。
先願発明の「主制御基板M」は、「遊技機の電源投入後」、「設定キーの操作がなかったか否かを判定し、NOの場合(設定キーの操作が有った場合)、主制御基板Mは、設定変更処理を実行」するものであるから、本願発明1の「遊技者の有利度に対応する複数の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段」に相当する。
したがって、先願発明は、本願発明1の構成Hを備える。
(i)先願発明の「遊技機の電源投入」及び「設定変更処理を実行」できる状況は、本願発明1の「動作電力の供給」の「開始」及び「設定値を変更することが可能な変更可能状況」に相当する。
先願発明の「設定キー」は、「遊技機の電源投入後」、その「操作が有った場合」、「主制御基板Mは、設定変更処理を実行」するものであるから、本願発明1の「動作電力の供給が開始された場合に前記使用対象となる設定値を変更することが可能な変更可能状況を発生させる手段」に相当する。
したがって、先願発明は、本願発明1の構成Iを備える。
(j)先願発明において、「入球状態表示装置J10には、設定値とベース値との両方が表示されることになるが、設定変更モードの間は設定値を表示するようにし、それ以外の場合には、ベース値を表示」することは、本願発明1の「前記変更可能状況において前記態様情報に対応する表示は行われないようにしながら、現状選択されている前記設定値に対応する情報の表示が行われるように前記情報表示手段を表示制御する」ことに相当する。
先願発明の「入球状態表示装置J10には、設定値とベース値との両方が表示されることになるが、設定変更モードの間は設定値を表示するようにし、それ以外の場合には、ベース値を表示」することは、「設定変更処理を実行」する「主制御基板M」によって行われると認められることから、先願発明の「主制御基板M」は、本願発明1の「前記変更可能状況において前記態様情報に対応する表示は行われないようにしながら、現状選択されている前記設定値に対応する情報の表示が行われるように前記情報表示手段を表示制御する第2表示制御手段」に相当する。
したがって、先願発明は、本願発明1の構成Jを備える。
(k)先願発明において、「設定値を表示する」「設定変更モード」は、「遊技機の電源投入後」、「設定キーの操作が有った場合」に開始されるものであり、「ベース値」の「表示」は、「それ以外の場合に」開始されるものであるから、「設定値を表示する」「設定変更モード」が開始される前に、「ベース値」の「表示」は開始されず、「設定値を表示する」「設定変更モード」が終了された後に、「ベース値」の「表示」が開始されると認められる。
このことは、本願発明1の
「動作電力の供給が開始された場合において前記変更可能状況となる場合、前記情報表示手段にて前記現状選択されている前記設定値に対応する表示が開始される前に前記態様情報に対応する表示が開始されないようにし、前記現状選択されている前記設定値に対応する表示が終了された後に前記態様情報に対応する表示が開始されるようにする」
ことに相当する。
そして、先願発明の「主制御基板MのCPUMC」がこのような制御を行う手段を備えることは自明である。
したがって、先願発明は本願発明1の構成Kを備える。
(l)先願発明の「確率変動遊技状態時」及び「非確率変動遊技状態時」は、それぞれ本願発明1の「高確率モード」及び「低確率モード」に相当する。
先願発明の「主制御基板MのCPUMC」は、「当否を決定するための当否抽選乱数」を含む「第1主遊技内容決定乱数」及び「第2主遊技内容決定乱数」を「取得」し(先願発明の構成b)、「第1主遊技用当否抽選テーブル(第2主遊技用当否抽選テーブル)は、確率変動遊技状態時における大当り当選確率は、非確率変動遊技状態時における大当り当選確率よりも高確率となるよう構成され」(先願発明の構成lmnop)ていることは、本願発明1の「前記付与判定手段は、前記付与判定のモードとして、前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となるように高確率モードと低確率モードとを有して」いることに相当する。
したがって、先願発明は、本願発明1の構成Lを備える。
(mnop)先願発明において、
「低確率時の当選確率は、設定1:1/320(205/65536)、設定2:1/318(206/65536)、設定3:1/317(207/65536)、設定4:1/315(208/65536)、設定5:1/314(209/65536)、設定6:1/312(210/65536)のように設けられ、高確率時の当選確率は、設定1:1/160(410/65536)、設定2:1/159(412/65536)、設定3:1/158(414/65536)、設定4:1/158(416/65536)、設定5:1/157(418/65536)、設定6:1/156(420/65536)となるように設けられて」
いることは、本願発明1の
構成L「前記付与判定手段は、前記付与判定のモードとして、前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となるように高確率モードと低確率モードとを有しており」、
構成M「前記設定値に応じて前記低確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率が変動する構成であって、前記設定値に応じて前記高確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率が変動する構成であり」、
構成N「前記低確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も高い前記設定値である場合が最も高くなる構成であり」、
構成O「前記高確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も低い前記設定値である場合が最も低くなる構成であり」、
構成P「前記有利度が最も高い前記設定値である場合における前記低確率モードの前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も低い前記設定値である場合における前記高確率モードの前記付与対応結果となる確率よりも低い構成であ」
ることに相当する。
したがって、先願発明は、本願発明1の構成M、構成N、構成O及び構成Pを備える。
(r)先願発明の「ぱちんこ遊技機」は、本願発明1の「遊技機」に相当する。
したがって、先願発明は、本願発明1の構成Rを備える。
そうすると、本願発明1と先願発明の一致点及び相違点は以下のとおりである。
(一致点)
「A 遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段と、
B 当該入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
C 前記特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段と、
D 前記付与判定において前記特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
E 遊技が実行されることにより所定事象が発生した場合にそれに対応する遊技の履歴情報を履歴記憶手段に記憶させる履歴記憶実行手段と、
F 前記履歴記憶手段に記憶されている前記履歴情報を利用して所定の期間における遊技の結果に対応する態様情報を導出する情報導出手段と、
G 前記情報導出手段により導出された前記態様情報に対応する表示が行われるように情報表示手段を表示制御する第1表示制御手段と、
H 遊技者の有利度に対応する複数の設定値の中から使用対象となる設定値を設定する設定手段と、
I 動作電力の供給が開始された場合に前記使用対象となる設定値を変更することが可能な変更可能状況を発生させる手段と、
J 前記変更可能状況において前記態様情報に対応する表示は行われないようにしながら、現状選択されている前記設定値に対応する情報の表示が行われるように前記情報表示手段を表示制御する第2表示制御手段と、
を備え、
K 前記第1表示制御手段は、動作電力の供給が開始された場合において前記変更可能状況となる場合、前記情報表示手段にて前記現状選択されている前記設定値に対応する表示が開始される前に前記態様情報に対応する表示が開始されないようにし、前記現状選択されている前記設定値に対応する表示が終了された後に前記態様情報に対応する表示が開始されるようにする手段を備え、
L 前記付与判定手段は、前記付与判定のモードとして、前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となるように高確率モードと低確率モードとを有しており、
M 前記設定値に応じて前記低確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率が変動する構成であって、前記設定値に応じて前記高確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率が変動する構成であり、
N 前記低確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も高い前記設定値である場合が最も高くなる構成であり、
O 前記高確率モードにおいて前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も低い前記設定値である場合が最も低くなる構成であり、
P 前記有利度が最も高い前記設定値である場合における前記低確率モードの前記付与対応結果となる確率は、前記有利度が最も低い前記設定値である場合における前記高確率モードの前記付与対応結果となる確率よりも低い構成である
R 遊技機。」
(相違点)
構成Qについて、本願発明1は、
「前記設定値毎に区別することなく前記履歴情報が前記履歴記憶手段に記憶される構成であって、前記履歴記憶手段に記憶された前記履歴情報は前記設定手段により前記使用対象となる設定値が設定されたとしても消去されない構成である」
のに対して、先願発明は、
「現在の設定に対応する記憶領域(例えば、通常時賞球数カウンタ値、通常時アウト個数カウンタ値、総アウト個数カウンタ値、直前区間の最終ベース値等を記憶する記憶領域)をセット」するものであり、「設定キーによる設定変更があった場合には、設定値の記憶領域を含め、全てのRAM領域がクリア(初期化)される」点。
上記相違点について検討すると、上記相違点に係る本願発明1の構成は、周知の技術とはいえず、また、当該構成により、本願発明1は、例えば遊技ホールにおいて毎日のように使用対象となる設定値が新たに設定されたとしても、それらの営業日における合計の履歴情報を収集することが可能となり、長い期間に亘って遊技機が使用された状態における履歴情報の収集が可能となる、という作用効果(令和2年2月21日提出の意見書参照)を奏することからみて、当該構成を設計上の微差ということもできない。
したがって、本願発明1と先願発明は同一ではない。
(イ)本願発明2について
本願発明2は、本願発明1が備える構成に加えて、さらに、本願発明2において特定される構成を備えるものであり、上記相違点に係る本願発明1が備える構成と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じく、本願発明2と先願発明は同一ではない。
(4)むすび
上記(1)で検討したように、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当し、上記(2)で検討したように、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たし、上記(3)で検討したように、本願発明1及び本願発明2は、先願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一ではなく、特許出願の際独立して特許を受けることができたものである。
そして、他に本件補正を却下すべき理由はない。
したがって、原審における令和2年5月25日付け補正の却下の決定を取り消す。
第3 本願発明についての判断
1 本願発明
以上のとおり、令和2年5月25日付け補正の却下の決定が取り消された結果、本願の請求項1及び請求項2に係る発明は、令和2年2月21日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載された事項により特定されるとおりのものである。
2 原査定の拒絶理由
1.(拡大先願)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行又は出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。
●理由1(拡大先願)について
・請求項 1、2
・引用文献等 1
<引用文献等一覧>
1.特願2017-121781号(特開2019-5008号)
3 原査定の拒絶の理由についての判断
原査定の拒絶の理由1における引用文献等1(先願1)は、上記「第2 原審における補正の却下の決定の当否について」「3 本件補正の適否」「(3)独立特許要件」で検討した先願である。
そして、上記「第2 原審における補正の却下の決定の当否について」「3 本件補正の適否」「(3)独立特許要件」で検討したとおり、本願の請求項1及び請求項2にかかる発明は、先願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一ではない。
したがって、本願の請求項1及び請求項2に係る発明について、原査定の拒絶の理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり、審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-012203