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特許異議申立

2023-701244

エンコーダ、サーボモータ、サーボシステム

審判番号
2023-701244
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-066627
登録番号
7284923
請求日
2023年11月27日
審決日
2025年02月19日
公報発行日
2025年07月25日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】株式会社安川電機
  • 【権利者代理人】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
  • 【異議申立人】笹川 拓
審判長/審判官
  • 審判長 濱野 隆
  • 審判官 濱本 禎広
  • 審判官 喜々津 徳胤
分類
P1651.121-ZAA(G01D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第126条、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7284923号発明「エンコーダ、サーボモータ、サーボシステム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7284923号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~16〕について訂正することを認める。 特許第7284923号の請求項1~5、7~16に係る特許を取り消す。 特許第7284923号の請求項6に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7284923号(以下「本件特許」という。)の請求項1~16に係る特許についての出願は、令和3年4月9日の出願であって、令和5年5月24日にその特許権の設定登録がされ、同年6月1日に特許掲載公報が発行された。 本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和5年11月27日 : 特許異議申立人笹川拓による請求項1~16に係る特許に対する特許異議の申立て 令和6年 3月 1日付け: 取消理由通知書 同年 4月26日 : 意見書及び訂正請求書の提出(特許権者) 同年 5月22日付け: 手続補正指令書 同年 6月 5日 : 手続補正書(方式)の提出(特許権者) 同年 7月11日 : 意見書の提出(特許異議申立人) 同年 8月22日付け: 取消理由通知書(決定の予告) 同年10月28日 : 意見書及び訂正請求書の提出(特許権者) 同年12月 9日 : 意見書の提出(特許異議申立人) 以下、令和6年10月28日付け訂正請求書を「本件訂正請求書」といい、本件訂正請求書による訂正を「本件訂正」という。 なお、本件訂正により、同年6月5日付け手続補正書により補正された、同年4月26日付け訂正請求書による訂正は、取り下げられたものとみなされる(特許法120条の5第7項)。 第2 本件訂正について 1 本件訂正の請求の趣旨 本件訂正の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~16について訂正することを求める、というものである。 2 本件訂正の内容 特許権者は、次の(1)に示す本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1~16を、次の(2)に示す本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1~16に訂正することを請求する。下線は訂正箇所を示す。 (1) 本件訂正前 「【請求項1】 回転するディスクの1回転以内の角度位置を表す角度位置情報を検出する角度位置情報検出部と、 前記ディスクの回転数を表す多回転情報を検出する多回転情報検出部と、 エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池と、 前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が接続された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する接続部と、 前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する処理モジュールと、 を有し、 前記処理モジュールは、 前記多回転情報検出部により検出された前記多回転情報に基づいて、所定の演算処理を実行する、 エンコーダ。 【請求項2】 前記処理モジュールは、 前記多回転情報検出部からの前記多回転情報の取得後で、且つ、前記所定の演算処理の開始前に、前記電池から前記多回転情報検出部への電力の供給を停止する、 請求項1に記載のエンコーダ。 【請求項3】 データの読み書きが可能で、且つ、非通電時にも記録内容を保持可能な不揮発性メモリをさらに有し、 前記処理モジュールは、 前記所定の演算処理の結果を、前記不揮発性メモリに記録する、 請求項1または2に記載のエンコーダ。 【請求項4】 回転するディスクの1回転以内の角度位置を表す角度位置情報を検出する角度位置情報検出部と、 前記ディスクの回転数を表す多回転情報を検出する多回転情報検出部と、 エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池と、 前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が接続された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する接続部と、 前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する処理モジュールと、 を有し、 前記処理モジュールは、 前記外部電力が供給されない状態から供給される状態に復帰した場合に、前記電池に関する異常を検出する処理を実行する、 エンコーダ。 【請求項5】 回転するディスクの1回転以内の角度位置を表す角度位置情報を検出する角度位置情報検出部と、 前記ディスクの回転数を表す多回転情報を検出する多回転情報検出部と、 エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池と、 前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が接続された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する接続部と、 前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する処理モジュールと、 を有し、 前記処理モジュールは、 前記基板に搭載され、 前記外部電力が供給される場合の、前記角度位置情報及び前記多回転情報の少なくとも一方に基づいた、前記ディスクの第1位置データの生成と、 前記外部電力が供給されない場合の、前記電池から供給される電力を用いて前記多回転情報検出部により検出される前記多回転情報に基づいた、前記ディスクの第2位置データの生成と、 を実行する、 エンコーダ。 【請求項6】 前記接続部は、前記はんだにより、前記電池の接続端子を前記基板に対して直接接続する、請求項1~5のいずれか1項に記載のエンコーダ。 【請求項7】 前記電池は、 充電を行うことにより繰り返し使用することが可能な二次電池である、 請求項1~6のいずれか1項に記載のエンコーダ。 【請求項8】 前記電池は、 固体電解質を有する全固体電池である、 請求項7に記載のエンコーダ。 【請求項9】 前記外部電力が供給される場合に前記全固体電池を充電し、前記外部電力が供給されない場合に前記全固体電池への充電を停止する充電モジュールをさらに有する、 請求項8に記載のエンコーダ。 【請求項10】 前記充電モジュールと前記全固体電池との間に電気的に接続され、電流の向きを前記充電モジュールから前記全固体電池への向きに規制する整流素子をさらに有する、 請求項9に記載のエンコーダ。 【請求項11】 前記処理モジュールは、 前記外部電力が供給される場合に、前記角度位置情報及び前記多回転情報の少なくとも一方に基づいて前記ディスクの位置データを生成し、 前記充電モジュールと前記処理モジュールは、 前記外部電力の電力供給ラインに対して電気的に並列に接続されている、 請求項9または10に記載のエンコーダ。 【請求項12】 前記電池は、 前記外部電力の供給が停止した場合に、前記処理モジュールを介して前記多回転情報検出部に対して電力を供給する、 請求項1~11のいずれか1項に記載のエンコーダ。 【請求項13】 前記処理モジュールは、 前記外部電力の供給が停止した場合に、前記電池からの電力によりスリープする、 請求項1~12のいずれか1項に記載のエンコーダ。 【請求項14】 前記ディスクの回転によって電気信号を発生する電気信号発生部をさらに有し、 前記処理モジュールは、 前記電気信号を受けて、スリープから復帰し、 前記多回転情報検出部への電力の供給を開始する、 請求項13に記載のエンコーダ。 【請求項15】 回転子が固定子に対して回転するモータと、 前記回転子の位置、速度、加速度の少なくとも1つを検出する、請求項1~14のいずれか1項に記載のエンコーダと、 を有する、サーボモータ。 【請求項16】 回転子が固定子に対して回転するモータと、 前記回転子の位置、速度、加速度の少なくとも1つを検出する、請求項1~14のいずれか1項に記載のエンコーダと、 前記エンコーダの検出結果に基づいて前記モータを制御する制御装置と、 を有する、サーボシステム。」 (2) 本件訂正後 「【請求項1】 回転するディスクの1回転以内の角度位置を表す角度位置情報を検出する角度位置情報検出部と、 前記ディスクの回転数を表す多回転情報を検出する多回転情報検出部と、 エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池と、 前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が実装された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する接続部と、 前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する処理モジュールと、 を有し、 前記処理モジュールは、 前記多回転情報検出部により検出された前記多回転情報に基づいて、所定の演算処理を実行し、 前記電池は、 前記外部電力の供給が停止した場合に、前記処理モジュールを介して前記多回転情報検出部に対して電力を供給し、 前記接続部は、前記はんだにより、前記電池の接続端子を、前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板に対して直接接続する、 エンコーダ。 【請求項2】 前記処理モジュールは、 前記多回転情報検出部からの前記多回転情報の取得後で、且つ、前記所定の演算処理の開始前に、前記電池から前記多回転情報検出部への電力の供給を停止する、 請求項1に記載のエンコーダ。 【請求項3】 データの読み書きが可能で、且つ、非通電時にも記録内容を保持可能な不揮発性メモリをさらに有し、 前記処理モジュールは、 前記所定の演算処理の結果を、前記不揮発性メモリに記録する、 請求項1または2に記載のエンコーダ。 【請求項4】 回転するディスクの1回転以内の角度位置を表す角度位置情報を検出する角度位置情報検出部と、 前記ディスクの回転数を表す多回転情報を検出する多回転情報検出部と、 エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池と、 前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が実装された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する接続部と、 前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する処理モジュールと、 を有し、 前記電池は、 充電を行うことにより繰り返し使用することが可能な二次電池であり、 前記処理モジュールは、 前記外部電力が供給されない状態から供給される状態に復帰した場合に、前記外部電力の供給停止時に前記電池の電圧に基づいて前記電池に関する異常検出処理を実行して記録した情報を参照して、前記電池に関する異常を検出する処理を実行し、 前記接続部は、前記はんだにより、前記電池の接続端子を、前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板に対して直接接続する、 エンコーダ。 【請求項5】 回転するディスクの1回転以内の角度位置を表す角度位置情報を検出する角度位置情報検出部と、 前記ディスクの回転数を表す多回転情報を検出する多回転情報検出部と、 エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池と、 前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が実装された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する接続部と、 前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する処理モジュールと、 を有し、 前記多回転情報検出部は、 マグネットの磁束の向きを検出して前記多回転情報を出力する磁気検出部であり、 前記処理モジュールは、 前記基板に搭載され、 前記外部電力が供給される場合の、前記角度位置情報及び前記多回転情報の少なくとも一方に基づいた、前記ディスクの第1位置データの生成を実行する第1処理部と、 前記外部電力が供給されない場合の、前記電池から供給される電力を用いて前記磁気検出部により検出される前記多回転情報に基づいた、前記ディスクの第2位置データの生成を実行する第2処理部と、 を有し、 前記電池は、 前記外部電力の供給が停止した場合に、前記第2処理部を備えた前記処理モジュールを介して前記磁気検出部に対して電力を供給し、 前記接続部は、前記はんだにより、前記電池の接続端子を、前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板に対して直接接続する、 エンコーダ。 【請求項6】(削除) 【請求項7】 前記電池は、 充電を行うことにより繰り返し使用することが可能な二次電池である、 請求項1~5のいずれか1項に記載のエンコーダ。 【請求項8】 前記電池は、 固体電解質を有する全固体電池である、 請求項7に記載のエンコーダ。 【請求項9】 前記外部電力が供給される場合に前記全固体電池を充電し、前記外部電力が供給されない場合に前記全固体電池への充電を停止する充電モジュールをさらに有する、 請求項8に記載のエンコーダ。 【請求項10】 前記充電モジュールと前記全固体電池との間に電気的に接続され、電流の向きを前記充電モジュールから前記全固体電池への向きに規制する整流素子をさらに有する、 請求項9に記載のエンコーダ。 【請求項11】 前記処理モジュールは、 前記外部電力が供給される場合に、前記角度位置情報及び前記多回転情報の少なくとも一方に基づいて前記ディスクの位置データを生成し、 前記充電モジュールと前記処理モジュールは、 前記外部電力の電力供給ラインに対して電気的に並列に接続されている、 請求項9または10に記載のエンコーダ。 【請求項12】 前記電池は、 前記外部電力の供給が停止した場合に、前記処理モジュールを介して前記多回転情報検出部に対して電力を供給する、 請求項4に記載のエンコーダ。 【請求項13】 前記処理モジュールは、 前記外部電力の供給が停止した場合に、前記電池からの電力によりスリープモードに切り替わってスリープし、前記スリープモードでは前記多回転情報検出部への電力供給を停止する、 請求項1~5,7~12のいずれか1項に記載のエンコーダ。 【請求項14】 前記ディスクの回転によって電気信号を発生する電気信号発生部をさらに有し、 前記処理モジュールは、 前記電気信号を受けて、スリープから復帰し、 前記多回転情報検出部への電力の供給を開始する、 請求項13に記載のエンコーダ。 【請求項15】 回転子が固定子に対して回転するモータと、 前記回転子の位置、速度、加速度の少なくとも1つを検出する、請求項1~5,7~14のいずれか1項に記載のエンコーダと、 を有する、サーボモータ。 【請求項16】 回転子が固定子に対して回転するモータと、 前記回転子の位置、速度、加速度の少なくとも1つを検出する、請求項1~5,7~14のいずれか1項に記載のエンコーダと、 前記エンコーダの検出結果に基づいて前記モータを制御する制御装置と、 を有する、サーボシステム。」 3 訂正事項 本件訂正の内容を訂正される記載のある請求項ごとに整理すると、本件訂正は、以下の(1)~(9)に示すとおり、一群の請求項〔1~16〕についての訂正事項である訂正事項1~訂正事項9からなる。 なお、一群の請求項の認定については、後記(10)において示したとおりである。 (1) 訂正事項1 ア 訂正事項1-1 特許請求の範囲の請求項1に「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が接続された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する接続部と、」と記載されているのを、「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が実装された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する接続部と、」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2~3、7~11、13~16も同様に訂正する)。 イ 訂正事項1-2 特許請求の範囲の請求項1に「前記処理モジュールは、前記多回転情報検出部により検出された前記多回転情報に基づいて、所定の演算処理を実行する、」と記載されているのを、「前記処理モジュールは、前記多回転情報検出部により検出された前記多回転情報に基づいて、所定の演算処理を実行し、前記電池は、前記外部電力の供給が停止した場合に、前記処理モジュールを介して前記多回転情報検出部に対して電力を供給し、前記接続部は、前記はんだにより、前記電池の接続端子を、前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板に対して直接接続する、」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2~3、7~11、13~16も同様に訂正する)。 (2) 訂正事項2 ア 訂正事項2-1 特許請求の範囲の請求項4に「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が接続された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する接続部と、」と記載されているのを、「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が実装された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する接続部と、」に訂正する(請求項4の記載を引用する請求項7~16も同様に訂正する)。 イ 訂正事項2-2 特許請求の範囲の請求項4に「前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する処理モジュールと、を有し、」と記載されているのを、「前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する処理モジュールと、を有し、前記電池は、充電を行うことにより繰り返し使用することが可能な二次電池であり、」に訂正する(請求項4の記載を引用する請求項7~16も同様に訂正する)。 ウ 訂正事項2-3 特許請求の範囲の請求項4に「前記処理モジュールは、前記外部電力が供給されない状態から供給される状態に復帰した場合に、前記電池に関する異常を検出する処理を実行する、」と記載されているのを、「前記処理モジュールは、前記外部電力が供給されない状態から供給される状態に復帰した場合に、前記外部電力の供給停止時に前記電池の電圧に基づいて前記電池に関する異常検出処理を実行して記録した情報を参照して、前記電池に関する異常を検出する処理を実行し、前記接続部は、前記はんだにより、前記電池の接続端子を、前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板に対して直接接続する、」に訂正する(請求項4の記載を引用する請求項7~16も同様に訂正する)。 (3) 訂正事項3 ア 訂正事項3-1 特許請求の範囲の請求項5に「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が接続された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する接続部と、」と記載されているのを、「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が実装された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する接続部と、」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項7~11、13~16も同様に訂正する)。 イ 訂正事項3-2 特許請求の範囲の請求項5に「前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する処理モジュールと、を有し、」と記載されているのを、「前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する処理モジュールと、を有し、前記多回転情報検出部は、マグネットの磁束の向きを検出して前記多回転情報を出力する磁気検出部であり、」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項7~11、13~16も同様に訂正する)。 ウ 訂正事項3-3 特許請求の範囲の請求項5に「前記外部電力が供給される場合の、前記角度位置情報及び前記多回転情報の少なくとも一方に基づいた、前記ディスクの第1位置データの生成と、」と記載されているのを、「前記外部電力が供給される場合の、前記角度位置情報及び前記多回転情報の少なくとも一方に基づいた、前記ディスクの第1位置データの生成を実行する第1処理部と、」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項7~11、13~16も同様に訂正する)。 エ 訂正事項3-4 特許請求の範囲の請求項5に「前記外部電力が供給されない場合の、前記電池から供給される電力を用いて前記多回転情報検出部により検出される前記多回転情報に基づいた、前記ディスクの第2位置データの生成と、を実行する、」と記載されているのを、「前記外部電力が供給されない場合の、前記電池から供給される電力を用いて前記磁気検出部により検出される前記多回転情報に基づいた、前記ディスクの第2位置データの生成を実行する第2処理部と、を有し、前記電池は、前記外部電力の供給が停止した場合に、前記第2処理部を備えた前記処理モジュールを介して前記磁気検出部に対して電力を供給し、前記接続部は、前記はんだにより、前記電池の接続端子を、前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板に対して直接接続する、」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項7~11、13~16も同様に訂正する)。 (4) 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項6を削除する。 (5) 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項7に「請求項1~6のいずれか1項に記載のエンコーダ。」と記載されているのを、「請求項1~5のいずれか1項に記載のエンコーダ。」に訂正する(請求項7の記載を引用する請求項8~11、13~16も同様に訂正する)。 (6) 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項12に「請求項1~11のいずれか1項に記載のエンコーダ。」と記載されているのを、「請求項4に記載のエンコーダ。」に訂正する(請求項12の記載を引用する請求項13~16も同様に訂正する)。 (7) 訂正事項7 ア 訂正事項7-1 特許請求の範囲の請求項13に「前記処理モジュールは、前記外部電力の供給が停止した場合に、前記電池からの電力によりスリープする、」と記載されているのを、「前記処理モジュールは、前記外部電力の供給が停止した場合に、前記電池からの電力によりスリープモードに切り替わってスリープし、前記スリープモードでは前記多回転情報検出部への電力供給を停止する、」に訂正する(請求項13の記載を引用する請求項14~16も同様に訂正する)。 イ 訂正事項7-2 特許請求の範囲の請求項13に「請求項1~12のいずれか1項に記載のエンコーダ。」と記載されているのを、「請求項1~5,7~12のいずれか1項に記載のエンコーダ。」に訂正する(請求項13の記載を引用する請求項14~16も同様に訂正する)。 (8) 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項15に「前記回転子の位置、速度、加速度の少なくとも1つを検出する、請求項1~14のいずれか1項に記載のエンコーダと、」と記載されているのを、「前記回転子の位置、速度、加速度の少なくとも1つを検出する、請求項1~5,7~14のいずれか1項に記載のエンコーダと、」に訂正する。 (9) 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項16に「前記回転子の位置、速度、加速度の少なくとも1つを検出する、請求項1~14のいずれか1項に記載のエンコーダと、」と記載されているのを、「前記回転子の位置、速度、加速度の少なくとも1つを検出する、請求項1~5,7~14のいずれか1項に記載のエンコーダと、」に訂正する。 (10) 一群の請求項について ア 本件訂正前の請求項1~3、6~16は、請求項2~3、6~16がそれぞれ訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるから、一群の請求項である。 イ 本件訂正前の請求項4、6~16は、請求項6~16がそれぞれ訂正事項2によって記載が訂正される請求項4に連動して訂正されるから、一群の請求項である。 ウ 本件訂正前の請求項5~16は、請求項6~16がそれぞれ訂正事項3によって記載が訂正される請求項5に連動して訂正されるから、一群の請求項である。 エ 上記ア~ウの三つの一群の請求項は、請求項6~16を含む点において共通するものであるから、本件訂正前の請求項1~16が一つの一群の請求項となる。 オ したがって、請求項1~16は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 第3 本件訂正の適否についての当審の判断 1 訂正の目的について (1) 訂正事項1 ア 訂正事項1-1 訂正事項1-1は、本件訂正前の請求項1の「接続部」により「電池の接続端子」と接続される対象である「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が接続された基板」を「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が実装された基板」に限定するものであるから、訂正事項1-1の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 イ 訂正事項1-2 (ア) 訂正事項1-2は、本件訂正前の請求項1の「エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池」について、「前記外部電力の供給が停止した場合に、前記処理モジュールを介して前記多回転情報検出部に対して電力を供給する」ものであるとして、多回転情報検出部に対する電力の供給が「前記処理モジュールを介して」行われることを含み、「電池」による電力供給経路の構成を限定するものである。 (イ) また、訂正事項1-2は、本件訂正前の請求項1の「接続部」により「電池の接続端子」と接続される対象を、「前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板」に限定するとともに、「接続部」による「電池の接続端子」と「基板」の「はんだを介し[た]」接続態様を、「直接接続」として、両者を間接的に接続する態様を含まないものに限定するものである。 (ウ) 前記(ア)及び(イ)を踏まえると、訂正事項1-2の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 (2) 訂正事項2 ア 訂正事項2-1 訂正事項2-1は、本件訂正前の請求項4の「接続部」により「電池の接続端子」と接続される対象である「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が接続された基板」を「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が実装された基板」に限定するものであるから、訂正事項2-1の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 イ 訂正事項2-2 訂正事項2-2は、本件訂正前の請求項4の「エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池」について、「充電を行うことにより繰り返し使用することが可能な二次電池」であるとして、「電池」の種類・属性を限定するものであるから、訂正事項2-2の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 ウ 訂正事項2-3 (ア) 訂正事項2-3は、本件訂正前の請求項4の「前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する処理モジュール」について、「前記外部電力が供給されない状態から供給される状態に復帰した場合に」「実行」される「前記電池に関する異常を検出する処理」が「前記外部電力の供給停止時に前記電池の電圧に基づいて前記電池に関する異常検出処理を実行して記録した情報を参照して」「実行」されるものとして、「処理モジュール」が行う異常検出処理の内容を限定するものである。 (イ) また、訂正事項2-3は、本件訂正前の請求項4の「接続部」により「電池の接続端子」と接続される対象を、「前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板」に限定するとともに、「接続部」による「電池の接続端子」と「基板」の「はんだを介し[た]」接続態様を、「直接接続」として、両者を間接的に接続する態様を含まないものに限定するものである。 (ウ) 前記(ア)及び(イ)を踏まえると、訂正事項2-3の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 (3) 訂正事項3 ア 訂正事項3-1 訂正事項3-1は、本件訂正前の請求項5の「接続部」により「電池の接続端子」と接続される対象である「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が接続された基板」を「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が実装された基板」に限定するものであるから、訂正事項3-1の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 イ 訂正事項3-2 訂正事項3-2は、本件訂正前の請求項5の「前記ディスクの回転数を表す多回転情報を検出する多回転情報検出部」について、「マグネットの磁束の向きを検出して前記多回転情報を出力する磁気検出部」であるとして、「多回転情報検出部」を、「マグネットの磁束の向きを検出[する]」「磁気検出部」に限定するものであるから、訂正事項3-2の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 ウ 訂正事項3-3 訂正事項3-3は、本件訂正前の請求項5の「前記外部電力が供給される場合の、前記角度位置情報及び前記多回転情報の少なくとも一方に基づいた、前記ディスクの第1位置データの生成」「を実行する」「処理モジュール」について、「前記ディスクの第1位置データの生成を実行する第1処理部」を「処理モジュール」が有するものとし、「前記ディスクの第1位置データの生成を実行する」主体を、「処理モジュール」から「処理モジュール」が有する「第1処理部」に限定するものであるから、訂正事項3-3の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 エ 訂正事項3-4 (ア) 訂正事項3-4は、本件訂正前の請求項5の「前記外部電力が供給されない場合の、前記電池から供給される電力を用いて前記多回転情報検出部により検出される前記多回転情報に基づいた、前記ディスクの第2位置データの生成」「を実行する」「処理モジュール」について、前記イの訂正事項3-2の訂正に伴い、「前記多回転情報検出部により検出される前記多回転情報」を「前記磁気検出部により検出される前記多回転情報」に限定するとともに、「前記ディスクの第2位置データの生成を実行する第2処理部」を「処理モジュール」が有するものとし、「前記ディスクの第2位置データの生成を実行する」主体を、「処理モジュール」から「処理モジュール」が有する「第2処理部」に限定するものであるから、訂正事項3-4の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 (イ) また、訂正事項3-4は、本件訂正前の請求項5の「エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池」について、「前記外部電力の供給が停止した場合に、前記第2処理部を備えた前記処理モジュールを介して前記磁気検出部に対して電力を供給[する]」ものであるとして、前記イの訂正事項3-2の訂正に伴い、「電力を供給[する]」「多回転情報検出部」を「磁気検出部」に限定し、前記(ア)の訂正に伴い、「前記処理モジュール」を「前記第2処理部を備えた前記処理モジュール」に限定するとともに、磁気検出部に対する電力の供給が「前記第2処理部を備えた前記処理モジュールを介して」行われるものとして、「電池」による電力供給経路の構成を限定するものである。 (ウ) さらに、訂正事項3-4は、本件訂正前の請求項5の「接続部」により「電池の接続端子」と接続される対象を、「前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板」に限定するとともに、「接続部」による「電池の接続端子」と「基板」の「はんだを介し[た]」接続態様を、「直接接続」として、両者を間接的に接続する態様を含まないものに限定するものである。 (エ) 前記(ア)~(ウ)を踏まえると、訂正事項3-4の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 (4) 訂正事項4 訂正事項4は、本件訂正前の請求項6を削除するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 (5) 訂正事項5 訂正事項5は、本件訂正前の請求項7において、「請求項1~6のいずれか1項に記載のエンコーダ。」とあるのを、「請求項1~5のいずれか1項に記載のエンコーダ。」に訂正することにより、多数項を引用している請求項において、引用請求項数を削減するものであるから、訂正事項5の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 (6) 訂正事項6 訂正事項6は、本件訂正前の請求項12において、「請求項1~11のいずれか1項に記載のエンコーダ。」とあるのを、「請求項4に記載のエンコーダ。」に訂正することにより、多数項を引用している請求項において、引用請求項数を削減するものであるから、訂正事項6の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 (7) 訂正事項7 ア 訂正事項7-1 訂正事項7-1は、本件訂正前の請求項13の「前記外部電力の供給が停止した場合に、前記電池からの電力によりスリープする」「前記処理モジュール」について、「前記処理モジュール」の「スリープ」が、「スリープモードに切り替わって」行われるものに限定するとともに、「前記処理モジュール」を、「前記スリープモードでは前記多回転情報検出部への電力供給を停止する」ものに限定するものであるから、訂正事項7-1の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 イ 訂正事項7-2 訂正事項7-2は、本件訂正前の請求項13において、「請求項1~12のいずれか1項に記載のエンコーダ。」とあるのを、「請求項1~5,7~12のいずれか1項に記載のエンコーダ。」に訂正することにより、多数項を引用している請求項において、引用請求項数を削減するものであるから、訂正事項7-2の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 (8) 訂正事項8 訂正事項8は、本件訂正前の請求項15において、「前記回転子の位置、速度、加速度の少なくとも1つを検出する、請求項1~14のいずれか1項に記載のエンコーダ」とあるのを、「前記回転子の位置、速度、加速度の少なくとも1つを検出する、請求項1~5,7~14のいずれか1項に記載のエンコーダ」に訂正することにより、多数項を引用している請求項において、引用請求項数を削減するものであるから、訂正事項8の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 (9) 訂正事項9 訂正事項9は、本件訂正前の請求項16において、「前記回転子の位置、速度、加速度の少なくとも1つを検出する、請求項1~14のいずれか1項に記載のエンコーダ」とあるのを、「前記回転子の位置、速度、加速度の少なくとも1つを検出する、請求項1~5,7~14のいずれか1項に記載のエンコーダ」に訂正することにより、多数項を引用している請求項において、引用請求項数を削減するものであるから、訂正事項9の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 2 新規事項の追加の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 前記訂正事項1~9の訂正は、特許法120条の5第2項ただし書き2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものに該当しないから、これらの訂正における新規事項の追加の有無を判断する際の基準となる明細書等は、特許権の設定の登録がされた時点での願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面である。 (1) 訂正事項1 ア 訂正事項1-1 訂正事項1-1において、「接続部」が、「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が実装された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する」ものであると訂正することは、願書に添付した明細書の段落【0023】及び【0025】の記載に基づくものであるから、訂正事項1-1の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてされたものであると認められる。 したがって、訂正事項1-1の訂正は、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項1-1の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 イ 訂正事項1-2 (ア) 訂正事項1-2において、「エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池」について、「前記外部電力の供給が停止した場合に、前記処理モジュールを介して前記多回転情報検出部に対して電力を供給[する]」ものであると訂正することは、願書に添付した特許請求の範囲の【請求項12】の記載に基づくものである。 (イ) また、訂正事項1-2において、「前記接続部は、前記はんだにより、前記電池の接続端子を、前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板に対して直接接続する」ものであると訂正することは、願書に添付した明細書の段落【0025】及び【0030】の記載、並びに、願書に添付した特許請求の範囲の【請求項6】の記載に基づくものである。 (ウ) したがって、訂正事項1-2の訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項1-2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 (2) 訂正事項2 ア 訂正事項2-1 訂正事項2-1において、「接続部」が、「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が実装された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する」ものであると訂正することは、願書に添付した明細書の段落【0023】及び【0025】の記載に基づくものである。 したがって、訂正事項2-1の訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項2-1の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 イ 訂正事項2-2 訂正事項2-2において、「エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池」について、「充電を行うことにより繰り返し使用することが可能な二次電池」であると訂正することは、願書に添付した特許請求の範囲の【請求項7】の記載に基づくものである。 したがって、訂正事項2-2の訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項2-2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 ウ 訂正事項2-3 (ア) 訂正事項2-3において、「前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する処理モジュール」について、「前記外部電力が供給されない状態から供給される状態に復帰した場合に」「実行」される「前記電池に関する異常を検出する処理」が「前記外部電力の供給停止時に前記電池の電圧に基づいて前記電池に関する異常検出処理を実行して記録した情報を参照して」「実行」されると訂正することは、次に摘記した、願書に添付した明細書の段落【0118】~【0120】の記載に基づくものである。 「【0118】 ステップS143では、処理モジュール31は、全固体電池29に関する異常を検出する処理を実行する。全固体電池29の異常の検出手法は特に限定されるものではない。例えば、全固体電池29の電圧を検出し、電圧値が所定の範囲内であれば正常と判定し、電圧値が所定の範囲内でなければ異常と判定してもよい。処理モジュール31は、異常検出処理の結果を記録部47に記録する。処理モジュール31は、ステップS143の処理を、例えば前述の図7に示すタイムチャートの時間t5の間にカウント演算処理と共に実行してもよい。 【0119】 ステップS145及びステップS150は前述の図10と同様である。但し、ステップS150においてエンコーダ7に外部電力が供給されるようになった場合には(ステップS150:YES)、ステップS155に移る。 【0120】 ステップS155では、処理モジュール31は、全固体電池29に関する異常を検出する処理を実行する。例えば上記ステップS143と同様に、全固体電池29の電圧を検出し、電圧値が所定の範囲内であれば正常と判定し、電圧値が所定の範囲内でなければ異常と判定してもよい。例えば処理モジュール31は、外部電力の供給停止時に上記ステップS143において記録部47に記録された情報を参照し、異常を検出したことを表す情報(例えばアラームコード等)がない場合に正常と判定し、異常を検出したことを表す情報がある場合に異常と判定してもよい。処理モジュール31は、異常検出処理の結果を例えば制御装置5等に出力してもよい。その後、本フローチャートを終了する。」 (イ) また、訂正事項2-3において、「前記接続部は、前記はんだにより、前記電池の接続端子を、前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板に対して直接接続する」ものであると訂正することは、願書に添付した明細書の段落【0025】及び【0030】の記載、並びに、願書に添付した特許請求の範囲の【請求項6】の記載に基づくものである。 (ウ) したがって、訂正事項2-3の訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項2-3の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 (3) 訂正事項3 ア 訂正事項3-1 訂正事項3-1において、「接続部」が、「前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が実装された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する」ものであると訂正することは、願書に添付した明細書の段落【0023】及び【0025】の記載に基づくものである。 したがって、訂正事項3-1の訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項3-1の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 イ 訂正事項3-2 訂正事項3-2において、「多回転情報検出部」について、「マグネットの磁束の向きを検出して前記多回転情報を出力する磁気検出部であり、」と訂正することは、願書に添付した明細書の段落【0025】及び【0026】の記載に基づくものである。 したがって、訂正事項3-2の訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項3-2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 ウ 訂正事項3-3 訂正事項3-3において、「前記外部電力が供給される場合の、前記角度位置情報及び前記多回転情報の少なくとも一方に基づいた、前記ディスクの第1位置データの生成を実行する第1処理部と、」と訂正することは、願書に添付した明細書の段落【0033】~【0046】の記載に基づくものである。 したがって、訂正事項3-3の訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項3-3の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 エ 訂正事項3-4 (ア) 訂正事項3-4において、「前記外部電力が供給されない場合の、前記電池から供給される電力を用いて前記磁気検出部により検出される前記多回転情報に基づいた、前記ディスクの第2位置データの生成を実行する第2処理部と、を有し、」と訂正することは、願書に添付した明細書の段落【0033】~【0046】の記載に基づくものである。 (イ) また、訂正事項3-4において、「前記電池は、前記外部電力の供給が停止した場合に、前記第2処理部を備えた前記処理モジュールを介して前記磁気検出部に対して電力を供給し、」と訂正することは、願書に添付した明細書の段落【0033】~【0046】の記載、及び、願書に添付した特許請求の範囲の【請求項12】の記載に基づくものである。 (ウ) さらに、訂正事項3-4において、「前記接続部は、前記はんだにより、前記電池の接続端子を、前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板に対して直接接続する」ものであると訂正することは、願書に添付した明細書の段落【0025】及び【0030】の記載、並びに、願書に添付した特許請求の範囲の【請求項6】の記載に基づくものである。 (エ) したがって、訂正事項3-4の訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項3-4の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 (4) 訂正事項4 訂正事項4の訂正は、本件訂正前の請求項6を削除するものであるから、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項4の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 (5) 訂正事項5 訂正事項5の訂正は、多数項を引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項5の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 (6) 訂正事項6 訂正事項6の訂正は、多数項を引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項6の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 (7) 訂正事項7 ア 訂正事項7-1 訂正事項7-1において、「前記処理モジュールは、前記外部電力の供給が停止した場合に、前記電池からの電力によりスリープモードに切り替わってスリープし、前記スリープモードでは前記多回転情報検出部への電力供給を停止する、」と訂正することは、願書に添付した明細書の段落【0042】の記載に基づくものである。 したがって、訂正事項7-1の訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項7-1の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 イ 訂正事項7-2 訂正事項7-2の訂正は、多数項を引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項7-2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 (8) 訂正事項8 訂正事項8の訂正は、多数項を引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項8の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 (9) 訂正事項9 訂正事項9の訂正は、多数項を引用している請求項の引用請求項数を削減するものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 また、訂正事項9の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 3 特許出願の際に独立して特許を受けることができることについて 本件特許異議の申立てにおいては、本件訂正前の請求項1~16について特許異議申立てがされているので、本件訂正後における請求項1~5、7~16に記載されている事項により特定される発明について、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する特許法126条7項に規定する独立特許要件は課されない。 4 本件訂正の適否についての当審の判断のまとめ 前記1~3において検討した訂正要件についての当審の判断をまとめると、本件訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合するから、本件訂正は適法なものである。 よって、前記結論のとおり、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~16〕について訂正することを認める。 第4 取消理由(決定の予告)の概要 本件特許について、当審において令和6年8月22日付けで、特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の概要は、次のとおりである。 (進歩性の欠如)本件特許の請求項1~16に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において発行された下記文献に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~16に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。 記 (各文献一覧) 甲1号証 :特開2018-48902号公報 甲3号証 :国際公開第2019/156117号 甲4号証 :特開2003-168857号公報 甲6号証 :特許第6787345号公報 甲7号証 :特開2018-54488号公報 甲8号証 :特開2020-186679号公報 甲9号証 :特開2020-204625号公報 甲11号証 :特開2000-354335号公報 甲12号証 :日経XTECH 2008年9月13日 https://xtech.nikkei.com/dm/article/NEWS/20080913/157959/ 甲13号証 :Energy-HarvestingMultiturnCounter/Encoder「iC-PMX」iCHausGmbH 技術資料 2014、2017年Copyright https://pdf1.alldatasheet.jp/datasheet-pdf/download/970974/ICHAUS/IC-PMX.html 甲14号証 :多摩川精機株式会社のアブソリュートエンコーダ「SmartInc」の製品カタログ 2014年10月 1000部 初版印刷 https://www.imajteknik.net/uploads/type-single-turn-machine-tools.pdf 文献1 :特公平6-47239号公報 文献2 :国際公開第2008/105217号 なお、文献1及び文献2は、職権調査により発見したものである。 第5 当審の判断 1 本件訂正発明 前記第3で説示したとおり、本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1~5、7~16に係る発明(以下、請求項の番号に従って「本件訂正発明1」などという。)は、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1~5、7~16に記載された事項により特定されるとおりのものと認める(前記第2の2(2)を参照)。 なお、後記3(1)アの対比分析の議論のために、本件訂正発明1を便宜上次のように構成Xと構成A~Hに分説する。 <本件訂正発明1の分説> (構成A)回転するディスクの1回転以内の角度位置を表す角度位置情報を検出する角度位置情報検出部と、 (構成B)前記ディスクの回転数を表す多回転情報を検出する多回転情報検出部と、 (構成C)エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池と、 (構成D)前記角度位置情報検出部及び前記多回転情報検出部の少なくとも一方が実装された基板に対して、前記電池の接続端子を、該接続端子に接触したはんだを介して接続する接続部と、 (構成E)前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する処理モジュールと、 を有し、 (構成F)前記処理モジュールは、 前記多回転情報検出部により検出された前記多回転情報に基づいて、所定の演算処理を実行し、 (構成G)前記電池は、 前記外部電力の供給が停止した場合に、前記処理モジュールを介して前記多回転情報検出部に対して電力を供給し、 (構成H)前記接続部は、前記はんだにより、前記電池の接続端子を、前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板に対して直接接続する、 (構成X)エンコーダ。 2 各文献に記載された事項及び甲1発明等の認定 (1) 甲1号証に記載された事項と甲1発明の認定 ア 甲1号証に記載された事項 前記甲1号証(特開2018-48902号公報)には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。 (ア) 【0010】~【0014】、【図1】 「【0010】 [第1実施形態] 第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るエンコーダ装置ECを示す図である。このエンコーダ装置ECは、移動部の位置情報(移動位置情報)を検出する。エンコーダ装置ECは、例えばロータリーエンコーダである。移動部は、例えばモータM(動力供給部)の回転軸SFであり、移動部の移動は、例えば所定の軸まわりの回転である。また、移動部の位置情報は、例えば、回転軸SFの回転位置情報である。」 「【図1】 [図:0001424555000001.jpg] 」 「【0011】 回転軸SFは、例えばモータMのシャフト(回転子)であるが、モータMのシャフトに変速機などの動力伝達部を介して接続されるとともに負荷に接続される作用軸(出力軸)であってもよい。エンコーダ装置ECが検出した回転位置情報は、モータ制御部MCに供給される。モータ制御部MCは、エンコーダ装置ECから供給された回転位置情報を使って、モータMの回転を制御する。モータ制御部MCは、回転軸SFの回転を制御する。なお、エンコーダ装置ECは、例えばリニアエンコーダでもよく、リニアモータ、平面モータなどの動力駆動部の移動部(移動軸)の位置情報(移動位置情報)を検出してもよい。 【0012】 エンコーダ装置ECは、位置検出モジュール1(位置検出ユニット)と、バッテリーモジュール2(バッテリーユニット)と、接続部3とを備える。位置検出モジュール1は、検出部4(測定部、センサ部)および処理基板部5を備える。検出部4は、例えばセンサによって、回転軸SFを検出する。処理基板部5は、検出部4の検出結果を処理し、回転軸SFの回転位置情報を算出する。バッテリーモジュール2は、バッテリー6を備え、バッテリー6から検出部4や処理基板部5へ電力を供給する。 【0013】 バッテリーモジュール2と位置検出モジュール1とは、例えば、互いに独立したモジュール(ユニット)であり、互いに固定されてエンコーダ装置ECへ組み立てられる。例えば、バッテリーモジュール2と位置検出モジュール1とは、互いに独立したモジュールとして製造され、モータMまで搬送された後、回転軸SFに取り付けられる際に互いに固定される。 【0014】 接続部3は、エンコーダ装置ECが回転軸SFに取り付けられる際に、位置検出モジュール1とバッテリーモジュール2とが互いに固定されることによって、位置検出モジュール1の第1端子7とバッテリーモジュール2の第2端子8とを電気的に接続する。例えば、接続部3は、バッテリーモジュール2と位置検出モジュール1とが回転軸SFに取り付けられる際に、第1端子7と第2端子8との間に取り付けられる。また、エンコーダ装置ECが回転軸SFに取り付けられる前において、バッテリーモジュール2のバッテリー6は、第1端子7と第2端子8との電気的な接続が切断された状態(非固定状態)であるため、処理基板部5へ電力を供給することができず、例えば待機電力による電力の消耗が抑制される。したがって、例えば、接続部3は、位置検出モジュール1とバッテリーモジュール2とが互いに固定された固定状態(例、エンコーダ装置ECが回転軸SFに取り付けられた状態)において第1端子7と第2端子8とを電気的に接続し、位置検出モジュール1とバッテリーモジュール2とが互いに固定されていない非固定状態において第1端子7と第2端子8とを電気的に接続しない。」 (イ) 【0015】~【0018】 「【0015】 以下、エンコーダ装置ECの各部について説明する。位置検出モジュール1は、回転軸SFの回転位置情報を検出する。本実施形態におけるエンコーダ装置ECは、多回転アブソリュートエンコーダであり、回転軸SFの回転の数を示す多回転情報、および1回転未満の角度位置(回転角)を示す角度位置情報を含む回転位置情報を検出する。位置検出モジュール1は、回転軸SFの多回転情報を検出する多回転情報検出部1A、及び回転軸SFの角度位置を検出する角度検出部1Bを備える。 【0016】 位置検出モジュール1の少なくとも一部(例、角度検出部1B)は、例えば、通常状態において、第1電源9から供給される電力によって回転軸SFの回転位置情報を検出する。第1電源9は、例えば、エンコーダ装置ECが搭載される装置(例、駆動装置、ステージ装置、ロボット装置)の主電源であり、通常状態において回転軸SFの駆動に消費される電力を供給する。例えば、モータ制御部MCは、エンコーダ装置ECの検出結果に基づいて、第1電源9からの電力を調整してモータMに供給することで、回転軸SFの回転を制御する。 【0017】 位置検出モジュール1は、第1電源9の電力が投入されている状態(第1電源9がオンになっている状態、通常状態)で、第1電源9から電力の供給を受けて動作する。また、第1電源9が位置検出モジュール1に投入されている状態において、角度検出部1B(又はその回路)は動作できる。例えば、第1電源9が位置検出モジュール1に投入された通常状態になった場合に、角度検出部1Bは角度位置情報の検出(例、演算)を開始し、同様に多回転情報検出部1Aも多回転情報の検出(例、センサによる検出、検出結果の処理、演算)を開始する。 【0018】 また、位置検出モジュール1の少なくとも一部(例、多回転情報検出部1A)は、例えば、第1電源9からの電力の供給が遮断された状態(例、第1電源9が投入されていない状態、第1電源9がオフになっている状態、バックアップ状態)において、第1電源9とは異なる第2電源(例、バッテリー6)から供給される電力によって動作する。例えば、位置検出モジュール1に対して第1電源9からの電力の供給が断たれた状態において、電力供給部10は、位置検出モジュール1の少なくとも一部(例、多回転情報検出部1A)に対して検出信号をもとに断続的(間欠的、選択的)に電力を供給し、位置検出モジュール1は、電力供給部10から電力が供給された際に回転軸SFの回転位置情報の少なくとも一部(例、多回転情報)を検出する。」 (ウ) 【0020】~【0022】 「【0020】 多回転情報検出部1Aは、例えば、磁気式の検出部であり、磁気によって多回転情報を検出する。多回転情報検出部1Aは、例えば、磁石11、磁気センサ12、処理部13、及び記憶部14を備える。位置検出モジュール1は、例えば、検出部4が磁気センサ12を含み、処理基板部5が処理部13を含むように構成される。処理基板部5は、記憶部14を含んでもよいし、記憶部14を含まなくてもよい。例えば、記憶部14は、処理基板部5以外の部分に設けられてもよい。 【0021】 磁石11は、回転軸SFに固定された円板15(第1の回転体、第1の移動体)に設けられる。円板15は回転軸SFとともに回転するため、磁石11は回転軸SFと連動して回転(移動)する。磁石11は回転軸SFの外部に固定され、磁石11および磁気センサ12は、回転軸SFの回転によって互いの相対位置が変化する。磁石11が形成する磁気センサ12上の磁界の強さおよび向きは、回転軸SFの回転によって変化する。 【0022】 磁気センサ12は、磁石11が形成する磁界を検出し、処理部13は、磁石が形成する磁界を磁気センサ12が検出した結果に基づいて、回転軸SFの位置情報(例、多回転情報)を検出(算出)する。処理部13は、例えば、多回転情報を処理する多回転処理部である。記憶部14は、処理部13からの位置情報(例、多回転情報)の記憶指示(データの書き込み指令)に基づいて、処理部13が検出して処理した位置情報を記憶する。なお、磁石11は磁気センサ12又は信号発生部16に対して相対的な移動が可能であればよく、磁石11ではなく磁気センサ12が円板15に設けられる構成でもよい。」 (エ) 【0023】~【0025】 「【0023】 角度検出部1Bは、光学式または磁気式のエンコーダであり、スケールS(第2の回転体、第2の移動体)の一回転内の位置情報(角度位置情報、絶対又は相対位置情報)を検出する。例えば、角度検出部1Bは、光学式のエンコーダである場合、スケールSのパターンニング情報を受光素子で読み取ることにより、回転軸SFの1回転以内の角度位置情報を検出する。スケールSのパターンニング情報は、例えばスケールS上のスリット(透過パターン)又は反射パターン等による明暗のパターンである。角度検出部1Bは、多回転情報検出部1Aの検出対象と同じ回転軸SFの角度位置情報を検出する。 【0024】 角度検出部1Bは、スケールS、発光素子21、受光センサ22、及び処理部23を備える。位置検出モジュール1において、例えば、検出部4は受光センサ22を含み、処理基板部5は処理部23を含む。処理部23は、例えば、スケールSの一回転内の位置情報を処理する角度位置処理部である。 【0025】 スケールSは、回転軸SFに固定されて設けられている。スケールSは、インクリメンタルパターンINC及びアブソリュートパターンABSを含む。なお、スケールSは、円板15に設けられてもよいし、円板15と一体化された部材であってもよい。この場合、例えば、インクリメンタルパターンINC及びアブソリュートパターンABSの一方または双方は、円板15において磁石11と同じ側の面又は反対側の面に設けられていてもよい。また、インクリメンタルパターンINC及びアブソリュートパターンABSの一方または双方は、磁石11の位置に対して内側と外側との少なくとも一方に設けられていてもよい。」 (オ) 【0028】~【0030】 「【0028】 本実施形態において、エンコーダ装置ECは、信号処理部25を備える。信号処理部25は、処理部13から出力される信号、及び処理部23から出力される信号を処理する。信号処理部25は、合成部26および通信部27を備える。信号処理部25は、例えば、その少なくとも一部が処理基板部5に設けられる。信号処理部25の少なくとも一部は、処理基板部5と別の部分に設けられてもよい。 【0029】 合成部26は、処理部23が検出した第2分解能の角度位置情報を取得する。また、合成部26は、多回転情報検出部1Aの記憶部14から回転軸SFの多回転情報を取得する。合成部26は、処理部23からの角度位置情報、及び多回転情報検出部1Aからの多回転情報を合成し、回転軸SFの回転位置情報を算出する。例えば、処理部23の検出結果がθ[rad]であり、多回転情報検出部1Aの検出結果がn回転である場合に、合成部26は、回転位置情報として(2π×n+θ)[rad]を算出する。回転位置情報は、多回転情報と、1回転未満の角度位置情報とを組にした情報でもよい。 【0030】 そして、合成部26は、算出した回転位置情報を通信部27に送信する。通信部27(外部通信部、外部接続インターフェース)は、有線または無線によって、モータ制御部MCの通信部MC1と通信可能に接続されている。通信部27は、デジタル形式の回転位置情報を、モータ制御部MCの通信部MC1に供給する。モータ制御部MCは、角度検出部1Bの通信部27からの回転位置情報を適宜復号する。モータ制御部MCは、回転位置情報を使ってモータMへ供給される電力(駆動電力)を制御することにより、モータMの回転を制御する。」 (カ) 【0031】~【0035】 「【0031】 本実施形態において、エンコーダ装置ECは、電力供給部10(後の図3にも示す)を備える。電力供給部10は、第1電源9からの電力の供給が遮断された状態(例、第1電源9が投入されていない状態、第1電源9がオフになっている状態、バックアップ状態)において、電力を供給する。電力供給部10は、接続部3、信号発生部16、切替部28、及びバッテリー6(電池)を備える。 【0032】 信号発生部16は、移動部(例、回転軸SF)の移動(例、回転)に伴う磁界の変化によって電気信号(検出信号)が発生する。この電気信号は、例えば、電力(電流、電圧)が時間変化する波形を含む。信号発生部16には、例えば、回転軸SFの回転に伴って変化する磁界によって、電気信号として検出信号が発生する。例えば、信号発生部16には、多回転情報検出部1Aが回転軸SFの多回転情報の検出に用いる磁石11が形成する磁界の変化によって、検出信号が発生する。信号発生部16は、回転軸SFの回転によって、磁石11との相対的な角度位置が変化するように、配置される。信号発生部16には、例えば、信号発生部16と磁石11との相対位置が所定の位置になった際に、パルス状の電気信号が発生する。 【0033】 バッテリー6は、信号発生部16で発生する検出信号に応じて、位置検出モジュール1で消費される電力の少なくとも一部を供給する。バッテリー6は、例えばボタン型電池、乾電池などの一次電池であるが、リチウムイオン二次電池などの二次電池でもよい。本実施形態のバッテリー6は、例えばボタン型電池であり、第2保持部52(後に図3に示す)に保持される。第2保持部52には、例えば、バッテリー6を収容可能な電池ケース、及びバッテリー6と接続される電極、配線などが設けられる。 【0034】 切替部28は、信号発生部16で発生した検出信号を制御信号に用いてバッテリー6から位置検出モジュール1への電力の供給の有無を切り替える。例えば、切替部28は、信号発生部16で発生する電気信号のレベルが閾値以上になることでバッテリー6から位置検出モジュール1への電力の供給を開始させる。例えば、切替部28は、信号発生部16で閾値以上の検出信号が発生することでバッテリー6から位置検出モジュール1への電力の供給を開始させる。 【0035】 また、切替部28は、信号発生部16で発生する電気信号のレベルが閾値未満になることでバッテリー6から位置検出モジュール1への電力の供給を停止させる。例えば、切替部28は、信号発生部16で発生する検出信号が閾値未満になることでバッテリー6から位置検出モジュール1への電力の供給を停止させる。例えば、第1電源9からの電力の供給が遮断された状態(バックアップ状態)において、信号発生部16にパルス状の電気信号が発生する場合、切替部28は、この電気信号のレベル(電位)がローレベルからハイレベルに立ち上がった際に、バッテリー6から位置検出モジュール1への電力の供給を開始させ、この電気信号のレベル(電位)がローレベルへ変化してから所定の時間経過後に、バッテリー6から位置検出モジュール1への電力の供給を停止させる。」 (キ) 【0053】~【0059】、【図3】 「【0053】 図3は、本実施形態に係る位置検出モジュール、バッテリーモジュール、及び接続部を示す図である。図3において、X方向およびY方向は、回転軸SFに垂直な方向であり、Z方向は、回転軸SFに平行な方向である。回転軸SFの回転方向(移動方向)は、XY平面に平行であり、Z方向は、回転軸SFの回転方向に対する交差方向である。X方向、Y方向、及びZ方向のそれぞれについて、適宜、矢印の先と同じ側を+側(例、+Z側)と称し、矢印の先と反対側を-側(例、-Z側)と称する。+Z側は、例えば回転軸SFの先端側(図1のモータMと反対側)であり、-Z側は、例えば回転軸SFの基端側(モータMと同じ側)である。」 「【図3】 [図:0001424555000002.jpg] 」 「【0054】 本実施形態において、位置検出モジュール1は、図1の検出部4及び処理基板部5を保持する第1保持部50を備える。第1保持部50は、例えば、外形が円柱状(円板状)であり、内部に空間を有する部材である。第1保持部50は、例えば、図1のモータMにおける固定子側の部材(例、本体部、筐体)と固定される。回転軸SFは、その先端側(+Z側)が第1保持部50の内部に挿入される。回転軸SFは、第1保持部50に対して回転可能である。なお、第1保持部50は、円柱状以外の形状でもよく、例えば、XY平面での形状が矩形の柱状あるいは板状でもよいし、その他の形状でもよい。 【0055】 第1保持部50は、例えば、スケールSおよび図1の円板15を、その内部に収容する。スケールSおよび円板15は、第1保持部50と接触しないように回転軸SFに取り付けられ、第1保持部50は、スケールSおよび円板15を囲む(例、覆う)ように配置される。例えば、スケールSは、フランジ状の部材であり、その軸AXがベアリング等を介して第1保持部50に支持される(後に図7等にも示す)。スケールSの軸AXは、図1の回転軸SFと固定される。また、第1保持部50は、図1に示した磁気センサ12、発光素子21、及び受光センサ22を収容する。磁気センサ12、発光素子21,及び受光センサ22は、例えば、第1保持部50の内壁に固定される。 【0056】 処理基板部5は、第1保持部50に固定され、第1保持部50に保持される。処理基板部5は、例えば円板状であり、その回転軸SFの基端側(-Z側)の面5aが第1保持部50と固定される。処理基板部5は、例えばプリント基板であり、その表面に配線が形成されている。また、処理基板部5には、例えば、図1の処理部13、処理部23、切替部28、記憶部14、及び信号処理部25の少なくとも一部を構成する電子部品が実装される。上記の配線および電子部品は、処理基板部5の-Z側の面5aに配置されてもよいし、+Z側の面5bに配置されてもよく、-Z側の面5aと+Z側の面5bとに配置されてもよい。 【0057】 信号発生部16は、例えば、処理基板部5の+Z側の面5bに配置される。信号発生部16は、例えば、面5bに実装(支持、マウント)され、面5bに形成された配線と電気的に接続される。なお、信号発生部16は、処理基板部5の-Z側の面5aに配置(例、実装)されてもよく、例えば、第1保持部50に収容されていてもよい。また、信号発生部16は、第1保持部50に支持、保持、あるいは固定されてもよい。 【0058】 処理基板部5の+Z側の面5bには、外部接続用のコネクタ51が設けられる。コネクタ51は、図1の通信部27と電気的に接続される。通信部27は、例えば、コネクタ51に接続されるケーブル等を介して、処理基板部5の処理結果(例、回転位置情報)を外部の装置(例、図1のモータ制御部MC1)へ送信する。 【0059】 また、処理基板部5は、図1の第1端子7として、第1端子7aおよび第1端子7bを備える。処理基板部5は、第1端子7aおよび第1端子7bを介して、その外部から電力の供給を受ける。第1端子7aおよび第1端子7bは、例えば、処理基板部5の+Z側の面5aに配置される。第1端子7aは、例えば、処理基板部5において基準電位になる接地線GL(後に図4に示す)と導通する負極端子である。第1端子7bは、例えば、基準電位に対する所定電位が印加される正極端子である。」 (ク) 【0082】~【0085】、【0090】~【0095】、【図5】 「【0082】 次に、実施形態に係るエンコーダ装置ECの回路構成について説明する。図5は、本実施形態に係る電力供給部10および多回転情報検出部1Aの回路構成を示す図である。電力供給部10は、第1信号発生部16a、整流スタック61、第2信号発生部16b、整流スタック62、及びバッテリー6を備える。また、電力供給部10は、図1の切替部28としてレギュレータ63を備える。」 「【図5】 [図:0001424555000003.jpg] 」 「【0083】 整流スタック61は、第1信号発生部16aから流れる電流を整流する整流器である。整流スタック61の第1入力端子61aは、第1信号発生部16aの端子43aと接続されている。整流スタック61の第2入力端子61bは、第1信号発生部16aの端子43bと接続されている。整流スタック61の接地端子61gは、シグナルグランドSGと同電位が供給される接地線GLに接続されている。多回転情報検出部1Aの動作時に、接地線GLの電位は、回路60の基準電位になる。整流スタック61の出力端子61cは、レギュレータ63の制御端子63cに接続されている。 【0084】 整流スタック62は、第2信号発生部16bから流れる電流を整流する整流器である。整流スタック62の第1入力端子62aは、第2信号発生部16bの端子47aと接続されている。整流スタック62の第2入力端子62bは、第2信号発生部16bの端子47bと接続されている。整流スタック62の接地端子62gは、接地線GLに接続されている。整流スタック62の出力端子62cは、レギュレータ63の制御端子63cに接続されている。 【0085】 レギュレータ63は、該レギュレータのオン状態及びオフ状態に応じて、バッテリー6から位置検出モジュール1へ供給される電力を調整する。レギュレータ63は、バッテリー6と位置検出モジュール1との間の電力の供給経路に設けられる第1スイッチング素子64を含む。レギュレータ63は、信号発生部16で発生する電気信号(検出信号)を制御信号(例、イネーブル信号)に用いて第1スイッチング素子64の動作を制御する。」 「【0090】 また、多回転情報検出部1Aは、第1磁気センサ12aおよび第2磁気センサ12bを含む。例えば、多回転情報検出部1Aは、図1に示した処理部13として、アナログコンパレータ65、アナログコンパレータ66、及び計数部67を含む。第1磁気センサ12aおよび第2磁気センサ12bは、それぞれ、回転軸SFを検出するセンサである。第1磁気センサ12aおよび第2磁気センサ12bは、回転軸SFに取り付けられた磁石11が形成する磁界を検出することで、回転軸SFを検出する。第1磁気センサ12aおよび第2磁気センサ12bは、それぞれ、バッテリー6から供給される電力を用いて、磁石11が形成する磁界を検出する。 【0091】 第1磁気センサ12aの電源端子55pは、電源線PLに接続されている。第1磁気センサ12aの接地端子55gは、接地線GLに接続されている。第1磁気センサ12aの出力端子55cは、アナログコンパレータ65の入力端子65aに接続されている。出力端子55cは、例えば、図2(C)に示した第2出力端子48bの電位と基準電位との差に相当する電圧を出力する。 ・・・(中略)・・・。 【0095】 記憶部14は、処理部13が検出した回転位置情報の少なくとも一部(例、多回転情報)を、バッテリー6から供給される電力を用いて記憶する(書き込み動作を行う)。記憶部14は、処理部13が検出した回転位置情報として、計数部67による計数の結果(多回転情報)を記憶する。記憶部14の電源端子14pは、電源線PLに接続されている。記憶部14の接地端子14gは、接地線GLに接続されている。記憶部14は、例えば不揮発性メモリを含み、電力が供給されている間に書き込まれた情報を、電力が供給されない状態においても保持可能である。」 イ 甲1号証から読み取れる認定事項 甲1号証の【図1】から、第1電源9が、エンコーダ装置ECが備える位置検出モジュール1(位置検出ユニット)、バッテリーモジュール2(バッテリーユニット)及び接続部3のいずれにも含まれていないことが読み取れる。 ウ 甲1発明の認定 前記アの記載事項及び前記イの認定事項を総合すると、甲1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。 <甲1発明> 「移動部の位置情報(移動位置情報)を検出するエンコーダ装置ECであって、移動部は、モータM(動力供給部)の回転軸SFであり、移動部の移動は、所定の軸まわりの回転であり、移動部の位置情報は、回転軸SFの回転位置情報であり、(【0010】) エンコーダ装置ECは、位置検出モジュール1(位置検出ユニット)と、バッテリーモジュール2(バッテリーユニット)と、接続部3とを備え、(【0012】) 位置検出モジュール1は、検出部4(測定部、センサ部)および処理基板部5を備え、検出部4は、例えばセンサによって、回転軸SFを検出し、処理基板部5は、検出部4の検出結果を処理し、回転軸SFの回転位置情報を算出し、(【0012】) バッテリーモジュール2は、バッテリー6を備え、バッテリー6から検出部4や処理基板部5へ電力を供給し、(【0012】) 接続部3は、エンコーダ装置ECが回転軸SFに取り付けられる際に、位置検出モジュール1とバッテリーモジュール2とが互いに固定されることによって、位置検出モジュール1の第1端子7とバッテリーモジュール2の第2端子8とを電気的に接続し、(【0014】) 位置検出モジュール1は、回転軸SFの多回転情報を検出する多回転情報検出部1A、及び回転軸SFの角度位置を検出する角度検出部1Bを備え、(【0015】) 位置検出モジュール1は、エンコーダ装置ECが搭載される装置(例、駆動装置、ステージ装置、ロボット装置)の主電源である第1電源9の電力が投入されている状態で、第1電源9から電力の供給を受けて動作し、(【0016】、【0017】) 多回転情報検出部1Aは、第1電源9からの電力の供給が遮断された状態において、第1電源9とは異なる第2電源(バッテリー6)から供給される電力によって動作し、(【0018】) 第1電源9は、エンコーダ装置ECが備える位置検出モジュール1(位置検出ユニット)、バッテリーモジュール2(バッテリーユニット)及び接続部3のいずれにも含まれておらず、(前記イの認定事項) 多回転情報検出部1Aは、磁石11、磁気センサ12、処理部13、及び記憶部14を備え、位置検出モジュール1は、検出部4が磁気センサ12を含み、処理基板部5が処理部13を含むように構成され、(【0020】) 磁石11は、回転軸SFに固定された円板15に設けられ、円板15は回転軸SFとともに回転するため、磁石11は回転軸SFと連動して回転(移動)し、(【0021】) 磁気センサ12は、磁石11が形成する磁界を検出し、処理部13は、磁石が形成する磁界を磁気センサ12が検出した結果に基づいて、回転軸SFの位置情報(例、多回転情報)を検出(算出)し、(【0022】) 磁石11は磁気センサ12又は信号発生部16に対して相対的な移動が可能であればよく、磁石11ではなく磁気センサ12が円板15に設けられる構成でもよく、(【0022】) 記憶部14は、処理部13が検出した多回転情報を、バッテリー6から供給される電力を用いて記憶し、記憶部14は、不揮発性メモリを含み、電力が供給されている間に書き込まれた情報を、電力が供給されない状態においても保持可能であり、(【0095】) 角度検出部1Bは、スケールS、発光素子21、受光センサ22、及び処理部23を備え、位置検出モジュール1において、検出部4は受光センサ22を含み、処理基板部5は処理部23を含み、処理部23は、スケールSの一回転内の位置情報を処理する角度位置処理部であり、(【0024】) スケールSは、円板15と一体化された部材であり、(【0025】) エンコーダ装置ECは、信号処理部25を備え、信号処理部25は、処理部13から出力される信号、及び処理部23から出力される信号を処理し、信号処理部25は、合成部26および通信部27を備え、(【0028】) 合成部26は、処理部23からの角度位置情報、及び多回転情報検出部1Aからの多回転情報を合成し、回転軸SFの回転位置情報を算出し、(【0029】) 通信部27は、デジタル形式の回転位置情報を、モータ制御部MCの通信部MC1に供給し、モータ制御部MCは、回転位置情報を使ってモータMへ供給される電力(駆動電力)を制御することにより、モータMの回転を制御し、(【0030】) エンコーダ装置ECは、電力供給部10を備え、電力供給部10は、第1電源9からの電力の供給が遮断された状態において、電力を供給し、電力供給部10は、接続部3、信号発生部16、切替部28、及びバッテリー6(電池)を備え、(【0031】) 電力供給部10は、切替部28としてレギュレータ63を備え、(【0082】) レギュレータ63は、バッテリー6と位置検出モジュール1との間の電力の供給経路に設けられる第1スイッチング素子64を含み、(【0085】) 信号発生部16は、移動部(例、回転軸SF)の移動(例、回転)に伴う磁界の変化によって電気信号(検出信号)が発生し、(【0032】) バッテリー6は、信号発生部16で発生する検出信号に応じて、位置検出モジュール1で消費される電力の少なくとも一部を供給し、バッテリー6は、リチウムイオン二次電池であり、(【0033】) 切替部28は、信号発生部16で発生した検出信号を制御信号に用いてバッテリー6から位置検出モジュール1への電力の供給の有無を切り替え、信号発生部16で閾値以上の検出信号が発生することでバッテリー6から位置検出モジュール1への電力の供給を開始させ、(【0034】) また、切替部28は、信号発生部16で発生する電気信号のレベルが閾値未満になることでバッテリー6から位置検出モジュール1への電力の供給を停止させ、(【0035】) 位置検出モジュール1は、検出部4及び処理基板部5を保持する第1保持部50を備え、第1保持部50は、外形が円柱状(円板状)であり、内部に空間を有する部材であり、(【0054】) 磁気センサ12、発光素子21,及び受光センサ22は、例えば、第1保持部50の内壁に固定され、(【0055】) 処理基板部5は、プリント基板であり、その表面に配線が形成されており、処理基板部5には、処理部13、処理部23、切替部28、記憶部14、及び信号処理部25の少なくとも一部を構成する電子部品が実装され、(【0056】) 処理基板部5は、第1端子7として、第1端子7aおよび第1端子7bを備え、処理基板部5は、第1端子7aおよび第1端子7bを介して、その外部から電力の供給を受け、第1端子7aおよび第1端子7bは、処理基板部5の+Z側の面5aに配置され、第1端子7aは、処理基板部5において基準電位になる接地線GLと導通する負極端子であり、第1端子7bは、基準電位に対する所定電位が印加される正極端子であり、(【0059】) 多回転情報検出部1Aは、第1磁気センサ12aおよび第2磁気センサ12bを含み、第1磁気センサ12aおよび第2磁気センサ12bは、それぞれ、バッテリー6から供給される電力を用いて、磁石11が形成する磁界を検出し、(【0090】) 第1磁気センサ12aの電源端子55pは、電源線PLに接続され、第1磁気センサ12aの接地端子55gは、接地線GLに接続されている、(【0091】) エンコーダ装置EC。」 (2) 甲3、4及び15号証に記載された事項と周知技術Aの認定 ア 甲3号証に記載された事項 前記甲3号証(国際公開第2019/156117号)には、以下の事項が記載されている。 「[0020] (電子部品実装基板) 電子部品実装基板20は、平板状のプリント回路基板(以下単に「基板」という。)21と、基板21の一方の面に設けられた矩形の薄板状の電池22とを備える。基板21は、図2A、2Bに示すように、基板本体211と、基板本体211の一方の面に設けられたパッド(第1、第2の基板端子)212A、212Bと、基板本体211の一方の面を覆うように設けられたレジスト層(保護層)213と、レジスト層213の表面のうち、パッド212A、212Bの間に設けられた絶縁物23とを有する。電池22は、パッド212A、212Bにそれぞれ接続された正極端子(第1の端子)22A、負極端子(第2の端子)22Bを有し、絶縁物23上に設けられている。 [0021] 基板本体211の一方の面には、パッド212A、212Bの他に、はんだ24A、24B、プラス端子25A、マイナス端子25B、保護IC(Integrated Circuit:集積回路)26、および充放電FET27が設けられている。」 「[図2A] [図:0001424555000004.jpg] 」 「[図2B] [図:0001424555000005.jpg] 」 イ 甲4号証に記載された事項 前記甲4号証(特開2003-168857号公報)には、以下の事項が記載されている。 「【0017】図1は表面実装型電池の回路基板への実装状態を示す断面図である。この電池は1次電池、2次電池のどちらでもよい。図1でボタン型の表面実装型電池13の各極には表面実装のため端子電極8が形成され、この端子電極8ははんだ14により回路基板16の基板電極15に接合される。表面実装型電気2重層コンデンサもほとんど同様の構造をしており上記で表面実装型電池について述べたことは表面実装型電気2重層コンデンサについてもあてはまる。アルミニウム電解コンデンサの回路基板への実装も同様である。」 「【図1】 [図:0001424555000006.jpg] 」 ウ 甲15号証に記載された事項 (ア) 甲15号証に記載された事項 特許異議申立人が、令和6年12月9日に意見書に添付して提出した甲15号証(TDK Front Line 2019年5月13日 https://www.tdk.com/ja/tech-mag/front_line/002#section3)には、以下の事項が記載されている。 「2019.05.13 TDK Front Line Vol.2 世界に先駆けて製品化、SMDタイプの全固体電池」 「従来のリチウムイオン電池にかわる充放電可能な次世代の二次電池として、全固体電池の研究開発が世界的に進められています。電解液のかわりに不燃性の固体電解質を使用するため、液漏れや発火といった問題がなく、安全性や信頼性にすぐれ、長寿命なのが特長です。 TDKは2017年、積層電子部品の製造などで蓄積したセラミック材料技術、積層技術、焼成技術などをベースとして、SMDタイプの全固体リチウムイオン二次電池“CeraChargeTM (セラチャージ)”を世界に先駆けて製品化しました。電源の小型化が要求されるウェアラブルデバイスやBluetoothビーコンをはじめ、エナジーハーベスティング(環境発電)技術と組み合わせることで、外部の電源に依存することなく、バッテリ交換も不要なIoTデバイスを実現することができます。」 「1 電解液のかわりに固体電解質を用いた革新的な二次電池 2 チップ部品とともに基板に実装できる充放電可能なオールセラミック電池 3 世界初の固体SMD電池“CeraChargeTM”を実現したTDKの技術 4 IoTデバイスなど、多様なアプリケーションに期待 5 容量・電圧ともにアップさせた次世代製品も開発中」 (イ) 甲15号証から読み取れる事項 SMD(Surface Mount Device)とは、表面実装用の部品のことであり、表面実装とは、電子部品をプリント基板に実装する方法であり、基本的には、はんだ付けにより行われることは技術常識である(必要であれば、 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%A8%E9%9D%A2%E5%AE%9F%E8%A3%85を参照。)。 したがって、甲15号証から、次の事項が読み取れる。 「SMDタイプの全固体リチウムイオン二次電池を、プリント基板にはんだ付けにより直接接続すること。」 エ 周知技術Aの認定 前記甲3号証、甲4号証及び甲15号証に例示されているように、次の事項は当業者にとって周知技術であると認められる(以下「周知技術A」という。)。 <周知技術A> 「電池の接続端子と基板の電極を、はんだを介して直接接続すること。」 (3) 甲6号証に記載された事項と甲6技術事項の認定 ア 甲6号証に記載された事項 前記甲6号証(特許第6787345号公報)には、以下の事項が記載されている。 「【0012】 [第1実施形態] 第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るエンコーダ装置ECを示す図である。このエンコーダ装置ECは、モータM(動力供給部)の回転軸SF(移動部)の回転位置情報を検出する。回転軸SFは、例えばモータMのシャフト(回転子)であるが、モータMのシャフトに変速機などの動力伝達部を介して接続されるとともに負荷に接続される作用軸(出力軸)であってもよい。エンコーダ装置ECが検出した回転位置情報は、モータ制御部MCに供給される。モータ制御部MCは、エンコーダ装置ECから供給された回転位置情報を使って、モータMの回転を制御する。モータ制御部MCは、回転軸SFの回転を制御する。 【0013】 エンコーダ装置ECは、位置検出系1および電力供給系2を備える。位置検出系1は、回転軸SFの回転位置情報を検出する。エンコーダ装置ECは、いわゆる多回転アブソリュートエンコーダであり、回転軸SFの回転の数を示す多回転情報、および1回転未満の角度位置(回転角)を示す角度位置情報を含む回転位置情報を検出する。エンコーダ装置ECは、回転軸SFの多回転情報を検出する多回転情報検出部3、及び回転軸SFの角度位置を検出する角度検出部4を備える。」 「【0022】 多回転情報検出部3は、角度検出部4の検出対象と同じ回転軸SFの多回転情報を光学的に検出する。多回転情報検出部3は、発光素子11(発光部)、スケールS、受光センサ12(光検出部)、検出部21、及び記憶部22を備える。なお、発光素子11、スケールS、受光センサ12の少なくとも一部は、多回転情報検出部3と角度検出部4とで共用であってもよい。検出部21は、受光センサ12の検出結果を使って、回転軸SFの多回転情報を検出する。また、例えば、検出部21は、回転軸SFが所定の向きに回転してスケールS上の所定の位置が受光センサ12による検出位置を通過した場合、回転の数を1だけ加算する(インクリメントする)。また、例えば、検出部13は、回転軸SFが所定の向きの逆向きに回転してスケールS上の所定の位置が受光センサ12による検出位置を通過した場合、回転の数を1だけ減算する(デクリメントする)。記憶部22は、検出部21が検出した多回転情報を記憶する。」 「【0025】 電力供給系2は、電気信号発生ユニット31、バッテリー32(電池)、切替部33、及び発光調整部34を備える。電気信号発生ユニット31は、回転軸SFの回転によって電気信号が発生する。この電気信号は、例えば、電力(電流、電圧)が時間変化する波形を含む。電気信号発生ユニット31には、例えば、回転軸SFの回転に応じて変化する磁界によって、電気信号として電力が発生する。例えば、回転軸SFには円板36が設けられ、円板36には磁石37が設けられる。回転軸SFの回転によって、磁石37と電気信号発生ユニット31との相対位置(相対的な角度位置)が変化し、磁石37によって電気信号発生ユニット31の位置に形成される磁界が変化する。」 「【0056】 図6は、本実施形態に係る発光部および受光素子の動作タイミングを示す図である。図6では、信号の遅延などを無視してタイミングを概念的に示した。時刻t1において、イネーブル信号のレベルがLからHへ立ち上がり、レギュレータ52の出力電力がLからHに切り替わる。また、時刻t1において、発光調整部34は、レギュレータ52からの出力電力がLからHに切り替わったのを受けて、出力電力がLからHへ切り替わる。時刻t1において、発光調整部34は、発光素子11へ電力の供給を開始し、発光素子11は、消灯状態(図中「OFF」で表す)から点灯状態(図中「ON」)へ切り替わる。また、時刻t1において、発光調整部34は、受光センサ12へ電力の供給を開始し、受光センサ12(図中「受光素子」で表す)は、検出動作を行わない状態(図中「OFF」で表す)から、検出動作を行う状態(図中「ON」)へ切り替わる。受光センサ12は、検出動作を行う状態において所定のサンプリング周波数で光を検出し、検出結果を検出部21(図1参照)へ出力する。 【0057】 発光調整部34の出力電力は、時刻t1から所定の時間が経過した時刻t2において、HからLへ切り替わる。時刻t2において、発光調整部34は、発光素子11へ電力の供給を停止し、発光素子11は、点灯状態(「ON」)から消灯状態(「OFF」)へ切り替わる。また、時刻t2において、発光調整部34は、受光センサ12へ電力の供給を停止し、受光センサ12は、検出動作を行う状態(「ON」)から、検出動作を行わない状態(「OFF」)へ切り替わる。また、検出部21は、受光センサ12から出力された検出結果を用いて、時刻t2あるいはそれ以降に、多回転情報の検出動作を行う。検出部21は、時刻t2よりも後の時刻t3において、多回転情報の検出結果を記憶部22に出力する。記憶部22は、時刻t3あるいはそれ以降に、検出部21から出力された多回転情報の書込動作を行う。イネーブル信号は、時刻t3よりも後の時刻t4においてレベルがHからLへ立下り、レギュレータ52の出力がHからLへ立ち下がる。記憶部22は、時刻t4よりも前に多回転情報の書込みを完了させる。 【0058】 このように、発光調整部34は、例えば、多回転情報検出部3(例、検出部21)が動作する期間の少なくとも一部において発光素子11からの光の照射を停止させる。この場合、発光素子11を消灯状態にした分(発光時間を短縮した分)だけ消費電力を抑えることができ、バッテリー32の消耗を抑えることができる。また、発光調整部34は、例えば、記憶部22が多回転情報を書き込む期間の少なくとも一部において発光素子11からの光の照射を停止させる。この場合、受光センサ12が検出動作を行わない分だけ消費電力を抑えることができ、バッテリー32の消耗を抑えることができる。したがって、エンコーダ装置ECは、バッテリー32のメンテナンス(例、交換)がない、あるいはメンテナンスの頻度が低い。また、発光調整部34は、例えば、多回転情報検出部3(例、検出部21)が動作する期間の少なくとも一部において発光素子11からの光の照射量(発光強度)を下げてもよい。この場合、多回転情報検出部3(例、検出部21)が動作する期間において、発光量が大きい場合と小さい場合とが切り替えられる。この場合、発光素子11の発光量を抑えた期間は消費電力を抑えることができ、バッテリー32の消耗を抑えることができる。また、発光調整部34は、例えば、記憶部22が多回転情報を書き込む期間の少なくとも一部において発光素子11からの光の照射量(発光強度)を下げてもよい。この場合、受光センサ12が検出動作を行わない分だけ消費電力を抑えることができ、バッテリー32の消耗を抑えることができる。したがって、エンコーダ装置ECは、バッテリー32のメンテナンス(例、交換)がない、あるいはメンテナンスの頻度が低い。」 「【図6】 [図:0001424555000007.jpg] 」 イ 甲6技術事項の認定 前記アの記載事項を総合すると、甲6号証には、次の技術事項(以下「甲6技術事項」という。)が記載されているものと認められる。 <甲6技術事項> 「モータM(動力供給部)の回転軸SF(移動部)の回転位置情報を検出するエンコーダ装置ECにおいて、(【0012】) エンコーダ装置ECは、位置検出系1および電力供給系2を備え、(【0013】) エンコーダ装置ECは、回転軸SFの多回転情報を、光学的に検出する多回転情報検出部3を備え、(【0013】、【0022】) 多回転情報検出部3は、発光素子11(発光部)、スケールS、受光センサ12(光検出部)、検出部21、及び記憶部22を備え、(【0022】) 検出部21は、受光センサ12の検出結果を使って、回転軸SFの多回転情報を検出し、(【0022】) 電力供給系2は、発光調整部34を備え、(【0025】) 時刻t1において、発光調整部34は、受光センサ12へ電力の供給を開始し、受光センサ12は、検出動作を行わない状態(「OFF」)から、検出動作を行う状態(「ON」)へ切り替わり、(【0056】) 時刻t2において、発光調整部34は、受光センサ12へ電力の供給を停止し、受光センサ12は、検出動作を行う状態(「ON」)から、検出動作を行わない状態(「OFF」)へ切り替わり、検出部21は、受光センサ12から出力された検出結果を用いて、時刻t2あるいはそれ以降に、多回転情報の検出動作を行い、(【0057】) 受光センサ12が検出動作を行わない分だけ消費電力を抑えることができ、バッテリー32の消耗を抑えることができること。(【0058】)」 (4) 文献3に記載された事項と文献3技術事項の認定 ア 文献3に記載された事項 特許異議申立人が、令和6年12月9日に意見書に添付して提出した甲16号証(特許第7243712号公報)のパテントファミリーであり、本願出願前に発行された文献である国際公開第2019/188084号(以下「文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。 (ア) [0030] 「[0030] 次に、エンコーダ装置ECで消費される電力を供給する構成について説明する。エンコーダ装置ECは、電力供給部31を備える。位置検出部1は、電源部PWと電力供給部31とのそれぞれから電力の供給を受けることができる。例えば、位置検出部1は、電源部PWが駆動装置MTRの本体部MBに電力を供給する状態において、電源部PWから電力の供給を受ける。また、位置検出部1は、電源部PWが駆動装置MTRの本体部MBに電力の供給を停止した状態において、電力供給部31から電力の供給を受ける。以下の説明において、適宜、電源部PWから位置検出部1に電力が供給される状態を通常状態と称し、電力供給部31から位置検出部1に電力が供給される状態をバックアップ状態と称する。通常状態とバックアップ状態とは、例えば、重複しないように切り替えられる(択一的に切り替えられる)。」 (イ) [0037] 「[0037] 次に、電力供給部31の各部について説明する。電力供給部31は、信号発生部33と、整流部34と、切替部35と、バッテリー36とを備える。信号発生部33は、回転体SFの移動に基づき検出信号が発生する。信号発生部33は、移動部(例、回転体SF)の移動(例、回転)に伴う磁界の変化によって電気信号(検出信号)が発生する。この電気信号は、電力(電流、電圧)が時間変化する波形を含む。信号発生部33には、例えば、回転体SFの回転に伴って変化する磁界によって、電気信号として検出信号が発生する。例えば、信号発生部33には、多回転検出部1Bが回転体SFの多回転情報の検出に用いる磁石21が形成する磁界の変化によって、検出信号が発生する。信号発生部33は、上記の位置検出部1とは異なる部材であって、回転体SFの回転によって、磁石21との相対的な角度位置が変化するように、配置される。信号発生部33には、例えば、信号発生部33と磁石21との相対位置が所定の位置になった際に、パルス状の電気信号が発生する。」 (ウ) [0068]~[0070]、[図1] 「[0068] エンコーダ装置ECは、電力供給部31がバックアップ状態において安定して動作することで、バックアップ状態から通常状態に切り替わった際に回転体SFの回転位置情報(例、回転体SFの初期位置)を高精度に検出可能である。実施形態に係るエンコーダ装置ECは、電力供給部31の電力を用いて電力供給部31の状態を検出可能である。電力供給部31の状態を検出することは、例えば電力供給部31をバックアップ状態において安定して動作させることに寄与する。エンコーダ装置ECは、電力供給部31の消費電力を低減しつつ電力供給部31の状態(例、温度や湿度などの環境状態、電圧や電気などの電気的パラメータ、又は温度や電圧のようなバッテリーの自己放電に関する状態に基づく、消耗状態又は劣化状態を示す指標)を検出することで、例えば電力供給部31の消耗を抑制することができる。 [0069] 次に、上記した電力供給部31の状態を検出する構成について説明する。エンコーダ装置ECは、切替部51と、状態検出部52(監視部)と、寿命算出部53とを備える。状態検出部52は、検出信号に基づいて電力供給部31から供給される電力によって、電力供給部31の状態を検出する。このように、状態検出部52は、バッテリー36から供給される電力を用いて、バッテリー36の状態を検出する。状態検出部52は、例えば、バッテリー36の状態を表す指標値を検出する。 [0070] 状態検出部52は、電力供給部31の状態を検出した検出結果(例、温度、湿度、気圧、正常又は異常、電圧、内部抵抗(出力インピーダンス)など)を、記憶部24に記憶させる。状態検出部52は、電力供給部31の状態を検出することで、電力供給部31の状態を監視する(観察する)。また、状態検出部52は、通常状態又はバックアップ状態において、電力供給部31の状態(状況)確認のために、エンコーダ装置ECが起動時(例、電源部PWがオンになった時)に記憶部24から最新(前回)の検出結果を取得するように構成される。」 「[図1] [図:0001424555000008.jpg] 」 (エ) [0083] 「[0083] 図1の説明に戻り、切替部51は、信号発生部33で発生する検出信号に基づいて、電力供給部31から状態検出部52への電力の供給の有無を切り替える。例えば、切替部51は、バックアップ状態における電力供給部31から状態検出部52への電力の供給の有無を、信号発生部33で発生する検出信号に基づいて切り替える。」 イ 文献3技術事項の認定 前記アの記載事項を総合すると、文献3には、次の技術事項(以下「文献3技術事項」という。)が記載されているものと認められる。 <文献3技術事項> 「エンコーダ装置ECは、電力供給部31を備え、位置検出部1は、電源部PWが駆動装置MTRの本体部MBに電力を供給する状態において、電源部PWから電力の供給を受け、電源部PWが駆動装置MTRの本体部MBに電力の供給を停止した状態において、電力供給部31から電力の供給を受け、電源部PWから位置検出部1に電力が供給される状態を通常状態と称し、電力供給部31から位置検出部1に電力が供給される状態をバックアップ状態と称し、([0030]) 電力供給部31は、信号発生部33と、整流部34と、切替部35と、バッテリー36とを備え、信号発生部33は、回転体SFの移動に基づき検出信号が発生し、([0037]) エンコーダ装置ECは、電力供給部31の電力を用いて電力供給部31の状態を検出可能であり、電力供給部31の状態を検出することは、例えば電力供給部31をバックアップ状態において安定して動作させることに寄与し、エンコーダ装置ECは、電力供給部31の消費電力を低減しつつ電力供給部31の状態(例、電圧や電気などの電気的パラメータに基づく、消耗状態又は劣化状態を示す指標)を検出することで、例えば電力供給部31の消耗を抑制することができ、([0068]) エンコーダ装置ECは、切替部51と、状態検出部52(監視部)と、寿命算出部53とを備え、状態検出部52は、検出信号に基づいて電力供給部31から供給される電力によって、電力供給部31の状態を検出し、このように、状態検出部52は、バッテリー36から供給される電力を用いて、バッテリー36の状態を検出し、状態検出部52は、例えば、バッテリー36の状態を表す指標値を検出し、([0069]) 状態検出部52は、電力供給部31の状態を検出した検出結果(例、電圧)を、記憶部24に記憶させ、状態検出部52は、電力供給部31の状態を検出することで、電力供給部31の状態を監視(観察)し、状態検出部52は、通常状態又はバックアップ状態において、電力供給部31の状態(状況)確認のために、エンコーダ装置ECが起動時(例、電源部PWがオンになった時)に記憶部24から最新(前回)の検出結果を取得するように構成され、([0070]) 切替部51は、バックアップ状態における電力供給部31から状態検出部52への電力の供給の有無を、信号発生部33で発生する検出信号に基づいて切り替える、([0083]) エンコーダ装置EC。」 (5) 甲8、15号証に記載された事項と技術常識Aの認定 ア 甲8号証に記載された事項 前記甲8号証(特開2020-186679号公報)には、以下の事項が記載されている。 「【0025】 バッテリ18は、たとえば、リチウムイオン二次電池あるいはニッケル水素二次電池等を含む。リチウムイオン二次電池は、リチウムを電荷担体とする二次電池であり、電解質が液体の一般的なリチウムイオン二次電池のほか、固体の電解質を用いたいわゆる全固体電池も含み得る。なお、バッテリ18は、少なくとも再充電可能に構成された蓄電装置であればよく、たとえば、二次電池に代えて電気二重層キャパシタ等を用いてもよい。」 イ 甲15号証に記載された事項 前記甲15号証(TDK Front Line 2019年5月13日 https://www.tdk.com/ja/tech-mag/front_line/002#section3)に記載された事項は、前記(2)ウにおいて示したとおりである。 ウ 技術常識Aの認定 前記甲8、15号証に例示されているように、次の事項は当業者にとって技術常識であると認められる(以下「技術常識A」という。)。 <技術常識A> 「二次電池には、リチウムイオン二次電池や、固体の電解質を用いたいわゆる全固体電池が含まれること。」 (6) 甲9号証に記載された事項と周知技術Bの認定 ア 甲9号証に記載された事項 前記甲9号証(特開2020-204625号公報)には、以下の事項が記載されている。 「【0063】 図7は、本実施形態に係るエンコーダ装置ECを示す図である。二次電池37は、モータ制御部MCの電源部MC2と電気的に接続されている。モータ制御部MCの電源部MC2が電力を供給可能な期間(例、主電源のオン状態)の少なくとも一部において、電源部MC2から二次電池37へ電力が供給され、この電力によって二次電池37が充電される。モータ制御部MCの電源部MC2が電力を供給不能な期間(例、主電源のオフ状態)において、電源部MC2から二次電池37への電力の供給は絶たれる。」 「【図7】 [図:0001424555000009.jpg] 」 イ 周知技術Bの認定 前記甲9号証に例示されているように、次の事項は当業者にとって周知技術であると認められる(以下「周知技術B」という。)。 <周知技術B> 「外部電源と電気的に接続されたエンコーダ装置の二次電池において、外部電源が電力を供給可能な期間において、外部電源から二次電池へ電力が供給されることによって二次電池が充電され、外部電源が電力を供給不能な期間において、外部電源から二次電池への電力の供給は絶たれるようにすること。」 (7) 甲11号証に記載された事項と周知技術Cの認定 ア 甲11号証に記載された事項 前記甲11号証(特開2000-354335号公報)には、以下の事項が記載されている。 「【0007】図1において、整流素子1は、充電回路における逆流防止用のダイオードであり、整流素子2は、放電回路における逆流防止用のダイオードである。電池11は、N個を直列接続(N直)してシリーズ化し、整流素子1を通して充電電源回路に、また、整流素子2を通して電子機器の負荷に給電する、例えばDC/DCコンバータにそれぞれ接続し、一方、充放電制御用FET回路3に接続して充放電制御用FET回路3により充放電を制御するように構成したものである。電池電圧監視回路12は、各電池11に並列に接続して電圧を監視(モニタ)するものであり、電池電圧が充電時に過充電電圧(例えば4.3±0.05V)を上回ったか、放電時に過放電電圧(例えば2.5±0.063V)を下回ったかを検出してそれぞれ判定信号をUV、LVの端子より出力する。」 「【図1】 [図:0001424555000010.jpg] 」 イ 甲11号証から読み取れる事項 甲11号証の【0007】、【図1】から、整流素子1が、充電電源回路と電池11の間に設けられて、充電電源回路から電池11への向きにのみ電流が流れるようにしていることが読み取れる。 ウ 周知技術Cの認定 前記甲11号証に例示されているように、次の事項は当業者にとって周知技術であると認められる(以下「周知技術C」という。)。 <周知技術C> 「整流素子を充電電源回路と電池の間に設け、充電電源回路から電池への向きにのみ電流が流れるようにして逆流を防止すること。」 (8) 文献2に記載された事項と周知技術Eの認定 ア 文献2に記載された事項 前記文献2(国際公開第2008/105217号)には、以下の事項が記載されている。 「[0001] 本発明は、ロボット、NC工作機械等に用いられるサーボモータの回転位置を検出する絶対値エンコーダに関し、特に電源遮断時の多回転量が検出でき、絶対位置を保持できる絶対値エンコーダ装置および多回転検出方法に関する。」 「[0061] また、マイコンをスリープモードで動作させる等により、バッテリ電源の省電力化が実現できる。例えば、主電源供給時は高速回転における多回転量を検出する必要がありM1信号のエッジを検出し多回転量を算出しているが、バッテリ電源時は多回転量算出部の消費電力を抑えるためこの回路に用いられているマイコンをスリープモードで動作させ、一定周期でM1信号およびM0信号の状態を検出することによって多回転量を算出することが一般的に行なわれている。この場合、回路条件の違いやマイコンの動作モード切替処理による検出信号のタイムラグが発生するが所定の範囲内であれば多回転量カウントミスをなくすことができる。」 イ 周知技術Eの認定 前記文献2に例示されているように、次の事項は当業者にとって周知技術であると認められる(以下「周知技術E」という。)。 <周知技術E> 「エンコーダ装置において、バッテリ電源から電力が供給されている時に、多回転量算出部の消費電力を抑えるため、回路に用いられているマイコンをスリープモードで動作させること。」 (9) 甲12~14号証に記載された事項と周知技術Fの認定 ア 甲12号証に記載された事項 特許異議申立人が、令和6年7月11日に意見書に添付して提出した甲12号証(日経XTECH 2008年9月13日 https://xtech.nikkei.com/dm/article/NEWS/20080913/157959/)には、以下の事項が記載されている。 「米Actel Corp.は,山洋電気のサーボ・モーター用アブソリュート・エンコーダ(絶対位置検出器)の新製品「RA035」に,Actelのアナログ混載FPGA「Fusion」が採用されたと発表した。」 「Fusionを搭載したRA035は、山洋の従来のエンコーダ(RA062)に比べて、大きさや重さ、消費電力が小さい(山洋のRA035関連資料)。RA062では複数のチップからなる回路を、Fusionで1チップ化できたからである。山洋によれば、RA062のデジタルのASIC、CPU、通信用ICなどがFusionの1チップに格納できた。」 イ 甲13号証に記載された事項 特許異議申立人が、令和6年7月11日に意見書に添付して提出した甲13号証(Energy-HarvestingMultiturnCounter/Encoder「iC-PMX」iCHausGmbH 技術資料 2014、2017年Copyright https://pdf1.alldatasheet.jp/datasheet-pdf/download/970974/ICHAUS/IC-PMX.html)には、「iC-PMX」という名称の多回転カウンタ/エンコーダの技術資料について、以下の事項が記載されている。 「 [図:0001424555000011.jpg] 」 「 [図:0001424555000012.jpg] 」 「 [図:0001424555000013.jpg] 」 上記ブロック図から、「iC-PMX」では、一つのICチップにALU(演算装置)、Hallセンサ(磁気センサ)、レギュレータ(電圧制御部)等が搭載されていることが読み取れる。 ウ 甲14号証に記載された事項 特許異議申立人が、令和6年7月11日に意見書に添付して提出した甲14号証(多摩川精機株式会社のアブソリュートエンコーダ「SmartInc」の製品カタログ 2014年10月 1000部 初版印刷 https://www.imajteknik.net/uploads/type-single-turn-machine-tools.pdf)には、以下の事項が記載されている。 「 [図:0001424555000014.jpg] 」 上記カタログから、「アナログ/デジタル回路搭載 ONE-chip ICの採用」との記載が読み取れる。 エ 周知技術Fの認定 前記甲12~14号証に例示されているように、次の事項は当業者にとって周知技術であると認められる(以下「周知技術F」という。)。 <周知技術F> 「エンコーダにおいて、複数の機能を実行するために、各機能に対応した回路をワンチップで構成すること。」 3 当審の判断(進歩性の欠如) (1) 本件訂正発明1について ア 対比分析 本件訂正発明1と甲1発明を対比する。 (ア) 構成Xについて a 甲1発明の「エンコーダ装置EC」は、本件訂正発明1の「エンコーダ」に相当する。 b したがって、本件訂正発明1と甲1発明は、「エンコーダ」の発明である点において一致する。 (イ) 構成Aについて a 甲1発明の「角度検出部1B」は、「回転軸SFの角度位置を検出する」ために、「円板15と一体化された部材」である「スケールSの一回転内の位置情報を処理する角度位置処理部」(「処理部23」)を含むものであるところ、この「円板15」、「円板15と一体化された部材」である「スケールSの一回転内の位置情報」は、それぞれ本件訂正発明1の「回転するディスク」、「回転するディスクの1回転以内の角度位置を表す角度位置情報」に相当する。 b 前記aを踏まえると、甲1発明の「角度検出部1B」は、本件訂正発明1の「回転するディスクの1回転以内の角度位置を表す角度位置情報を検出する角度位置情報検出部」に相当する。 c したがって、本件訂正発明1と甲1発明は、「回転するディスクの1回転以内の角度位置を表す角度位置情報を検出する角度位置情報検出部」を有している点において一致する。 (ウ) 構成Bについて a 甲1発明の「多回転情報検出部1A」においては、「多回転情報検出部1A」が備える「磁気センサ12」が、「回転軸SFとともに回転する」「円板15」に設けられた「磁石11が形成する磁界を検出し」、「多回転情報検出部1A」が備える「処理部13」が、「磁気センサ12が検出した結果に基づいて、回転軸SFの位置情報(例、多回転情報)を検出(算出)」するものであるところ、この「回転軸SFとともに回転する円板15」、「回転軸SFの多回転情報」は、それぞれ本件訂正発明1の「ディスク」、「ディスクの回転数を表す多回転情報」に相当する。 b 前記aを踏まえると、甲1発明の「磁気センサ12」は、本件訂正発明1の「前記ディスクの回転数を表す多回転情報を検出する多回転情報検出部」に相当する。 c したがって、本件訂正発明1と甲1発明は、「前記ディスクの回転数を表す多回転情報を検出する多回転情報検出部」を有している点において一致する。 (エ) 構成Cについて a 甲1発明においては、「磁気センサ12」を備える「多回転情報検出部1Aは、第1電源9からの電力の供給が遮断された状態において、第1電源9とは異なる第2電源(バッテリー6)から供給される電力によって動作」するものであるところ、この「第1電源9」は、「エンコーダ装置ECが備える位置検出モジュール1(位置検出ユニット)、バッテリーモジュール2(バッテリーユニット)及び接続部3のいずれにも含まれておらず」、すなわち、エンコーダ装置ECの外部にある電源であるから、甲1発明の「第1電源9からの電力」は本件訂正発明1の「外部電力」に相当する。 そして、甲1発明の「第1電源9からの電力の供給が遮断された状態」は、本件訂正発明1の「エンコーダに外部電力が供給されない場合」に相当する。 b 前記aの「磁気センサ12」を備える「多回転情報検出部1A」に「電力」の「供給」をする「第2電源(バッテリー6)」は、本件訂正発明1の「前記多回転情報検出部に電力を供給する電池」に相当する。 c したがって、前記a及びbから、本件訂正発明1と甲1発明は、「エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池」を有している点において一致する。 (オ) 構成Dについて a 甲1発明の「プリント基板」である「処理基板部5」は、「その表面に配線が形成されており」、「第1端子7として、第1端子7aおよび第1端子7bを備え」、「第1端子7aおよび第1端子7bを介して、その外部から電力の供給を受け[る]」ものであるところ、「第1端子7aは、処理基板部5において基準電位になる接地線GLと導通する負極端子」であるから、「接地線GL」は、「プリント基板」の「表面」に形成された「配線」であり、「第1端子7a」を「介して」「基準電位」(接地電位)となるように「電力の供給を受け」ているものであると理解される。 b 甲1発明においては、「磁気センサ12」は、「プリント基板」である「処理基板部5」ではなく、例えば、「検出部4及び処理基板部5を保持する」「第1保持部50の内壁に固定され[ている]」ものの、「第1磁気センサ12aの接地端子55gは、接地線GLに接続されている」から、「第1磁気センサ12a」は、「プリント基板」の「表面」に形成された「配線」である「接地線GL」を介して、「処理基板部5」に接続されていることになる。 c そうすると、甲1発明の「第1磁気センサ12a」が接続された「処理基板部5」と本件訂正発明1の「前記多回転情報検出部」が「実装された」「基板」は、「多回転情報検出部」が「接続された」「基板」である点において共通する。 d また、甲1発明の「接続部3」は、「位置検出モジュール1の第1端子7とバッテリーモジュール2の第2端子8とを電気的に接続」するものであるところ、「処理基板部5」は、「第1端子7として、第1端子7aおよび第1端子7bを備え[ている]」ものであるから、甲1発明の「接続部3」は、「第1端子7」を備える「処理基板部5」に対して、「バッテリーモジュール2の第2端子8」を接続するものである。 e そして、甲1発明の「バッテリーモジュール2」が備える「バッテリー6」、「バッテリーモジュール2の第2端子8」は、それぞれ本件訂正発明1の「電池」、「電池の接続端子」に相当する。 f 前記a~eを踏まえると、甲1発明の「接続部3」と本件訂正発明1の「前記多回転情報検出部」が「実装された基板に対して、前記電池の接続端子を」、「接続する接続部」は、前記多回転情報検出部が接続された基板に対して、前記電池の接続端子を、接続する接続部である点において共通する。 g したがって、本件訂正発明1と甲1発明は、「前記多回転情報検出部が接続された基板に対して、前記電池の接続端子を、接続する接続部」を有している点において共通する。 h 一方、本件訂正発明1と甲1発明は、構成Dに関して、次に示す点において相違する。なお、構成Hにおいて、「前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装された前記基板」と規定されているから、構成Dの「基板」は、「少なくとも前記多回転情報検出部が実装された基板」であるとして認定した。 本件訂正発明1においては、 「接続」の対象となる「基板」が、「少なくとも前記多回転情報検出部が実装された基板」であり、 「接続部」において、「該接続端子に接触したはんだを介して接続」しているのに対して、 甲1発明においては、 接続部3が、バッテリーモジュール2の第2端子8をはんだを介して直接接続するものでなく、 磁気センサ12(本件訂正発明1の「多回転情報検出部」に相当。)は、例えば、検出部4及び処理基板部5を保持する第1保持部50の内壁に固定されており、前記第2端子8の接続対象である処理基板部5に実装されていない点。 (カ) 構成E、Fについて a 甲1発明の「プリント基板」である「処理基板部5」には、「切替部28」及び「処理部13」を「構成する電子部品が実装され」ているところ、この「プリント基板」に「実装」された「切替部28」及び「処理部13」を「構成する電子部品」は、本件訂正発明1の「前記基板」に「実装された」「モジュール」に相当する。 b そして、甲1発明の「位置検出モジュール1」が「回転軸SFの多回転情報を検出する多回転情報検出部1A」を備えており、「多回転情報検出部1A」が「磁気センサ12」を備えていることを踏まえると、甲1発明の「切替部28」が、「信号発生部16で発生した検出信号を制御信号に用いてバッテリー6から位置検出モジュール1への電力の供給の有無を切り替え」ていることは、本件訂正発明1の「前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する」ことに相当する。 そうすると、本件訂正発明1の「処理モジュール」と、甲1発明の「切替部28」を「構成する電子部品」とは、「前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御するモジュール」(以下「切替制御モジュール」という。)である点において共通する。 c また、甲1発明の「磁気センサ12」を備える「多回転情報検出部1A」が本件訂正発明1の「多回転情報検出部」に相当することを踏まえると、甲1発明の「処理基板部5」の「処理部13」が、「磁石が形成する磁界を磁気センサ12が検出した結果に基づいて、回転軸SFの位置情報(例、多回転情報)を検出(算出)」することは、本件訂正発明1の「前記多回転情報検出部により検出された前記多回転情報に基づいて、所定の演算処理を実行する」ことに相当する。 そうすると、本件訂正発明1の「処理モジュール」と、甲1発明の「処理部13」を「構成する電子部品」とは、「前記多回転情報検出部により検出された前記多回転情報に基づいて、所定の演算処理を実行するモジュール」(以下「演算処理実行モジュール」という。)である点において共通する。 d したがって、前記a~cの検討事項を踏まえると、本件訂正発明1と甲1発明は、「前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する切替制御モジュール」を有し、「前記多回転情報検出部により検出された前記多回転情報に基づいて、所定の演算処理を実行する演算処理実行モジュール」を有し、「前記基板は前記切替制御モジュール及び前記演算処理実行モジュールが実装された」ものであるという点において共通する。 (キ) 構成Gについて a 前記(エ)における検討内容を踏まえると、甲1発明において、「磁気センサ12」を備える「多回転情報検出部1A」が、「第1電源9からの電力の供給が遮断された状態において、第1電源9とは異なる第2電源(バッテリー6)から供給される電力によって動作[する]」ことは、本件訂正発明1の「前記電池は、前記外部電力の供給が停止した場合に」、「前記多回転情報検出部に対して電力を供給する」ことに相当する。 b また、甲1発明においては、「切替部28は」、「バッテリー6から」「多回転情報検出部1A」を備える「位置検出モジュール1への電力の供給の有無を切り替え[ている]」ところ、前記「切替部28」は、「バッテリー6と位置検出モジュール1との間の電力の供給経路に設けられる第1スイッチング素子64を含[む]」「レギュレータ63」であるから、バッテリー6から多回転情報検出部1Aへの電力の供給は、第1スイッチング素子64を含むレギュレータ63である切替部28(前記(カ)の共通点に係る「切替制御モジュール」に相当。)を介して、行われていることになる。 c したがって、本件訂正発明1と甲1発明は、「前記電池は、前記外部電力の供給が停止した場合に、前記切替制御モジュールを介して前記多回転情報検出部に対して電力を供給[する]」点において一致する。 (ク) 構成Hについて a 甲1発明の「プリント基板」である「処理基板部5」には、「切替部28」及び「処理部13」を「構成する電子部品が実装され[ている]」から、前記(オ)及び(カ)における検討内容を踏まえると、本件訂正発明1と甲1発明は、「前記接続部は、前記電池の接続端子を、前記多回転情報検出部が接続され、前記切替制御モジュール及び前記演算処理実行モジュールが実装された前記基板に対して接続する」点において共通する。 b 一方、本件訂正発明1と甲1発明は、構成Hに関して、次に示す点において相違する。なお、前記(オ)及び(カ)において認定した構成D~Fに関する相違点を前提としている。 本件訂正発明1においては、 「接続」の対象となる「基板」には「前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装」されており、 「接続部」において、「前記はんだにより」「直接接続する」のに対して、 甲1発明においては、 接続部3が、バッテリーモジュール2の第2端子8をはんだを介して直接接続するものでなく、 前記第2端子8の接続対象である処理基板部5が、切替部28(切替制御モジュール)及び「処理部13」(演算処理実行モジュール)は実装しているものの、磁気センサ12(本件訂正発明1の「多回転情報検出部」に相当。)は、例えば、検出部4及び処理基板部5を保持する第1保持部50の内壁に固定されており、処理基板部5に実装されていない点。 イ 一致点及び相違点 前記アの対比分析の検討結果を総合すると、本件訂正発明1と甲1発明の一致点及び相違点は、それぞれ次に示すとおりである。 (ア) 一致点 回転するディスクの1回転以内の角度位置を表す角度位置情報を検出する角度位置情報検出部と、 前記ディスクの回転数を表す多回転情報を検出する多回転情報検出部と、 エンコーダに外部電力が供給されない場合に、前記多回転情報検出部に電力を供給する電池と、 前記多回転情報検出部が接続された基板に対して、前記電池の接続端子を、接続する接続部と、 前記多回転情報検出部に対して、前記電池からの電力の供給又は停止の切り替えを制御する切替制御モジュールと、 前記多回転情報検出部により検出された前記多回転情報に基づいて、所定の演算処理を実行する演算処理実行モジュールと、 を有し、 前記電池は、 前記外部電力の供給が停止した場合に、前記切替制御モジュールを介して前記多回転情報検出部に対して電力を供給し、 前記接続部は、前記電池の接続端子を、前記多回転情報検出部が接続され、前記切替制御モジュール及び前記演算処理実行モジュールが実装された前記基板に対して接続する エンコーダ、である点。 (イ) 相違点1 本件訂正発明1においては、 「前記基板」に「実装された」「前記切替制御モジュール及び前記演算処理実行モジュール」が、一つのモジュールとして構成された「処理モジュール」であり、 「前記電池」が「前記外部電力の供給が停止した場合に、前記多回転情報検出部に対して電力を供給する」のが、「前記処理モジュールを介して」おり、 「接続」の対象となる「基板」には「前記多回転情報検出部と前記処理モジュールとが実装」されており、 「接続部」における「基板」と「電池の接続端子」の「接続」が、「接続端子に接触したはんだを介して」「前記はんだにより」「直接接続する」ものであるのに対して、 甲1発明においては、 「処理基板部5」に実装された「切替部28」(切替制御モジュール)及び「処理部13」(演算処理実行モジュール)を「構成する電子部品」が1つのモジュールとして構成されておらず、 「第1電源9からの電力の供給が遮断された状態において」、「切替部28」を「構成する電子部品」(切替制御モジュール)を介して「多回転情報検出部1A」に対して「バッテリー6」から電力の供給が行われるものであり、 接続部3が、バッテリーモジュール2の第2端子8をはんだを介して直接接続するものでなく、 前記第2端子8の接続対象である処理基板部5が、切替部28(切替制御モジュール)及び「処理部13」(演算処理実行モジュール)は実装しているものの、磁気センサ12(本件訂正発明1の「多回転情報検出部」に相当。)は、例えば、検出部4及び処理基板部5を保持する第1保持部50の内壁に固定されており、処理基板部5に実装されていない点。 ウ 相違点1についての判断 前記相違点1について検討する。 (ア) はんだにより直接接続することについて 前記2(2)エにおいて周知技術Aとして示したとおり、次の事項は本件特許の出願前に周知である。 「電池の接続端子と基板の電極を、はんだを介して直接接続すること。」 したがって、甲1発明において、位置検出モジュール1の第1端子7とバッテリーモジュール2の第2端子8とを電気的に接続する接続部3の構成(導電部材56a、56b等)に換えて、前記周知技術Aに倣って、はんだを介して直接接続する構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ) 基板に多回転情報検出部も実装することについて 甲1発明においては、「磁石11は磁気センサ12又は信号発生部16に対して相対的な移動が可能であればよく、磁石11ではなく磁気センサ12が円板15に設けられる構成でもよ[い]」とされているところ、「磁気センサ12」を、「第1保持部50の内壁」でなく、「第1保持部50」に保持されている「処理基板部5」に実装したとしても、「磁気センサ12」が「第1保持部50」から見て固定されていることは変わらず、「磁石11」が「磁気センサ12」に対して相対的に移動可能であることを踏まえると、甲1発明の「磁気センサ12」を、「処理基板部5」に実装するようにすることは、当業者にとって適宜なし得た設計変更にすぎず格別のものではない。 (ウ) 一つの処理モジュールとすることについて 前記2(9)エにおいて周知技術Fとして示したとおり、次の事項は本件特許の出願前に周知である。 「エンコーダにおいて、複数の機能を実行するために、各機能に対応した回路をワンチップで構成すること。」 甲1発明の「プリント基板」である「処理基板部5」には、「磁石が形成する磁界を磁気センサ12が検出した結果に基づいて、回転軸SFの位置情報(例、多回転情報)を検出(算出)[する]」「処理部13」を「構成する電子部品」が、「切替部28」を「構成する電子部品」とともに実装されているところ、前記周知技術Fに倣って、甲1発明において、「処理基板部5」に実装された「切替部28」(切替制御モジュール)及び「処理部13」(演算処理実行モジュール)を「構成する電子部品」を、ワンチップで構成して、一つのモジュールとすることは、当業者にとって自明な設計変更にすぎない。 そして、「切替部28」及び「処理部13」をワンチップ化すると、第1電源9からの電力の供給が遮断された状態において、ワンチップ化されたモジュールを介して、多回転情報検出部1Aに対してバッテリー6から電力の供給が行われるようになることは、当然の帰結である。 なお、ワンチップ化された「切替部28」及び「処理部13」を「処理モジュール」として位置づけることは、「処理部13」の方に着目した称呼の問題にすぎない。 エ 総合検討 前記ウにおいてそれぞれ検討した結果を総合しても、甲1発明において前記相違点1に係る本件訂正発明1の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 そして、本件訂正発明1の奏する作用効果としては、当業者が予測困難であり、格別顕著なものは、認めることができない。 したがって、本件訂正発明1は、甲1発明、周知技術A及び周知技術Fに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 オ 特許権者の主張に対する検討 (ア) 特許権者は、令和6年10月28日付け意見書において、概略次の主張をしている。 甲3号証及び甲4号証に基づく「周知技術A」(電池の接続端子と基板の電極を、はんだを介して直接接続すること。)は、「電子部品実装基板」又は「回路基板の実装構造」の技術分野における周知技術である。そのような「周知技術A」を、全く異なるエンコーダの技術分野である甲1発明に適用することは、当業者が容易に想到し得るものではない。 (イ) 前記(ア)の主張について検討する。 甲1発明の「処理基板部5は」、「処理部13、処理部23、切替部28、記憶部14、及び信号処理部25の少なくとも一部を構成する電子部品が実装され[ている]」「プリント基板であ[る]」ことを踏まえると、電子部品実装基板である「処理基板部5」の電極部を他の部材に電気的に接続するための手段についてどのような選択肢があるかを検討するのは当然であり、「バッテリー6」を「処理基板部5」に電気的に接続する際に、「電子部品実装基板」又は「回路基板の実装構造」の技術分野における周知技術である前記周知技術Aを適用することに、格別の困難性があるものではない。 (ウ) したがって、特許権者の前記主張は採用できない。 (2) 本件訂正発明2について 本件訂正発明2と甲1発明を対比すると、両者は前記相違点1に加えて以下の相違点2において相違し、その他の点において一致する。 ア 相違点2 本件訂正発明2においては、 「前記処理モジュールは、前記多回転情報検出部からの前記多回転情報の取得後で、且つ、前記所定の演算処理の開始前に、前記電池から前記多回転情報検出部への電力の供給を停止する」のに対して、 甲1発明においては、 そのような構成を有していない点。 イ 相違点2についての判断 前記相違点2について検討する。 (ア) 前記2(3)イにおいて甲6技術事項として示したとおり、甲6号証には次の事項が記載されている。 「モータM(動力供給部)の回転軸SF(移動部)の回転位置情報を検出するエンコーダ装置ECにおいて、 エンコーダ装置ECは、位置検出系1および電力供給系2を備え、 エンコーダ装置ECは、回転軸SFの多回転情報を、光学的に検出する多回転情報検出部3を備え、 多回転情報検出部3は、発光素子11(発光部)、スケールS、受光センサ12(光検出部)、検出部21、及び記憶部22を備え、 検出部21は、受光センサ12の検出結果を使って、回転軸SFの多回転情報を検出し、 電力供給系2は、発光調整部34を備え、 時刻t1において、発光調整部34は、受光センサ12へ電力の供給を開始し、受光センサ12は、検出動作を行わない状態(「OFF」)から、検出動作を行う状態(「ON」)へ切り替わり、 時刻t2において、発光調整部34は、受光センサ12へ電力の供給を停止し、受光センサ12は、検出動作を行う状態(「ON」)から、検出動作を行わない状態(「OFF」)へ切り替わり、検出部21は、受光センサ12から出力された検出結果を用いて、時刻t2あるいはそれ以降に、多回転情報の検出動作を行い、 受光センサ12が検出動作を行わない分だけ消費電力を抑えることができ、バッテリー32の消耗を抑えることができること。」 (イ)a ここで、甲6技術事項の「受光センサ12」、「受光センサ12から出力された検出結果」は、それぞれ前記相違点2に係る構成の「多回転情報検出部」及び「多回転情報検出部からの前記多回転情報」に相当する。 b また、甲6技術事項の「検出部21」の「多回転情報の検出動作」は、前記相違点2に係る構成の「所定の演算処理」に相当する。 c そうすると、甲6技術事項において、時刻t2よりも前には、受光センサ12は検出動作を行う状態(「ON」)にあり、多回転情報を取得していることになり、時刻t2よりも後に、検出部21は受光センサ12から出力された検出結果を用いて、所定の演算処理を開始することになる。 d よって、前記a~cを踏まえると、時刻t2は、多回転情報の取得後で、且つ、所定の演算処理の開始前の時点を表すことになるから、甲6技術事項における、時刻t2において、受光センサ12へ電力の供給を停止して、受光センサ12は、検出動作を行う状態(「ON」)から、検出動作を行わない状態(「OFF」)へ切り替わることは、前記相違点2に係る構成の「前記多回転情報検出部からの前記多回転情報の取得後で、且つ、前記所定の演算処理の開始前に、前記電池から前記多回転情報検出部への電力の供給を停止する」ことに相当する。 (ウ) そして、甲1発明及び甲6技術事項は、いずれも多回転情報の検出動作を行うエンコーダに関するものであり、甲6技術事項に示された、消費電力を抑えてバッテリーの消耗を抑えるという課題は、甲1発明においても存在することは明らかであるから、前記課題を解決するために、甲1発明において前記相違点1に係る構成を得る際に、ワンチップ化された「切替部28」及び「処理部13」に、甲6技術事項を適用し、本件訂正発明2の前記相違点2に係る構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件訂正発明2は、甲1発明、周知技術A、周知技術F及び甲6技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3) 本件訂正発明3について 甲1発明の「記憶部14」は、「不揮発性メモリ」を含むものであり、電力が供給されている間に書き込まれた処理部13が検出した多回転情報を、電力が供給されない状態においても保持可能であるものである。 したがって、本件訂正発明3は、甲1発明、周知技術A及び周知技術Fに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4) 本件訂正発明4について 本件訂正発明1についての前記対比分析を踏まえて本件訂正発明4と甲1発明を対比する。 甲1発明の「バッテリー6」は、リチウムイオン二次電池であり、本件訂正発明4の「充電を行うことにより繰り返し使用することが可能な二次電池」に相当することも踏まえると、両者は前記相違点1に加えて以下の相違点3において相違し、その他の点において一致する。 ア 相違点3 本件訂正発明4においては、 「前記処理モジュールは、前記外部電力が供給されない状態から供給される状態に復帰した場合に、前記外部電力の供給停止時に前記電池の電圧に基づいて前記電池に関する異常検出処理を実行して記録した情報を参照して、前記電池に関する異常を検出する処理を実行[する]」のに対して、 甲1発明においては、 「切替部28」を「構成する電子部品」が、電池に関する異常を検出する処理を実行していない点。 イ 相違点3についての判断 前記相違点3について検討する。 (ア) 前記2(4)イにおいて文献3技術事項として示したとおり、前記文献3には次の事項が記載されている。 「エンコーダ装置ECは、電力供給部31を備え、位置検出部1は、電源部PWが駆動装置MTRの本体部MBに電力を供給する状態において、電源部PWから電力の供給を受け、電源部PWが駆動装置MTRの本体部MBに電力の供給を停止した状態において、電力供給部31から電力の供給を受け、電源部PWから位置検出部1に電力が供給される状態を通常状態と称し、電力供給部31から位置検出部1に電力が供給される状態をバックアップ状態と称し、 電力供給部31は、信号発生部33と、整流部34と、切替部35と、バッテリー36とを備え、信号発生部33は、回転体SFの移動に基づき検出信号が発生し、 エンコーダ装置ECは、電力供給部31の電力を用いて電力供給部31の状態を検出可能であり、電力供給部31の状態を検出することは、例えば電力供給部31をバックアップ状態において安定して動作させることに寄与し、エンコーダ装置ECは、電力供給部31の消費電力を低減しつつ電力供給部31の状態(例、電圧や電気などの電気的パラメータに基づく、消耗状態又は劣化状態を示す指標)を検出することで、例えば電力供給部31の消耗を抑制することができ、 エンコーダ装置ECは、切替部51と、状態検出部52(監視部)と、寿命算出部53とを備え、状態検出部52は、検出信号に基づいて電力供給部31から供給される電力によって、電力供給部31の状態を検出し、このように、状態検出部52は、バッテリー36から供給される電力を用いて、バッテリー36の状態を検出し、状態検出部52は、例えば、バッテリー36の状態を表す指標値を検出し、 状態検出部52は、電力供給部31の状態を検出した検出結果(例、電圧)を、記憶部24に記憶させ、状態検出部52は、電力供給部31の状態を検出することで、電力供給部31の状態を監視(観察)し、状態検出部52は、通常状態又はバックアップ状態において、電力供給部31の状態(状況)確認のために、エンコーダ装置ECが起動時(例、電源部PWがオンになった時)に記憶部24から最新(前回)の検出結果を取得するように構成され、 切替部51は、バックアップ状態における電力供給部31から状態検出部52への電力の供給の有無を、信号発生部33で発生する検出信号に基づいて切り替える、 エンコーダ装置EC。」 (イ) 甲1発明及び文献3技術事項は、いずれも主電源からの電力の供給が遮断された状態において、バッテリーから電力が供給されるエンコーダ装置であり、甲1発明においても、「バッテリーモジュール2」の状態を検出しようとする課題は内在するといえるから、前記課題を解決するために、甲1発明において前記相違点1に係る構成を得る際に、ワンチップ化された「切替部28」及び「処理部13」に、文献3技術事項に係るバッテリーの状態検出技術を適用することは、当業者が容易に想到し得たことである。 (ウ) そして、文献3技術事項は、「状態検出部52は、検出信号に基づいて電力供給部31から供給される電力によって、電力供給部31の状態を検出し」、「電力供給部31の状態を検出した検出結果(例、電圧)を、記憶部24に記憶させ」、「状態検出部52は」、「電力供給部31の状態(状況)確認のために、エンコーダ装置ECが起動時(例、電源部PWがオンになった時)に記憶部24から最新(前回)の検出結果を取得[し]」、「電力供給部31の状態(例、電圧や電気などの電気的パラメータに基づく、消耗状態又は劣化状態を示す指標)を検出する」ものであるから、甲1発明において文献3技術事項に係るバッテリーの状態検出技術を適用すると、前記相違点3に係る本件訂正発明4の「前記外部電力が供給されない状態から供給される状態に復帰した場合に、前記外部電力の供給停止時に前記電池の電圧に基づいて前記電池に関する異常検出処理を実行して記録した情報を参照して、前記電池に関する異常を検出する処理を実行[する]」という構成が導かれることになる。 ウ 特許権者の主張に対する検討 (ア) 特許権者は、令和6年10月28日付け意見書において、概略次の主張をしている。 甲1発明に甲7号証に基づく「周知技術G」を適用したとしても、本件訂正発明4の「前記処理モジュールは、前記外部電力が供給されない状態から供給される状態に復帰した場合に、前記外部電力の供給停止時に前記電池の電圧に基づいて前記電池に関する異常検出処理を実行して記録した情報を参照して、前記電池に関する異常を検出する処理を実行」する構成は得られない。 (イ) しかしながら、前記イにおいて検討したとおり、甲1発明において、特許権者が主張する前記(ア)の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (ウ) したがって、特許権者の前記主張は採用できない。 エ まとめ 本件訂正発明4と甲1発明のその他の相違点に係る判断については、前記(1)における説示内容を参照。 したがって、本件訂正発明4は、甲1発明、周知技術A、周知技術F及び文献3技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (5) 本件訂正発明5について ア 第1処理部、第2処理部について (ア) 甲1発明は、「回転軸SFの多回転情報を検出する多回転情報検出部1A、及び回転軸SFの角度位置を検出する角度検出部1Bを備え」、「主電源である第1電源9の電力が投入されている状態で、第1電源9から電力の供給を受けて動作[する]」「位置検出モジュール1」と、「第1電源9からの電力の供給が遮断された状態において、第1電源9とは異なる第2電源(バッテリー6)から供給される電力によって動作[する]」「多回転情報検出部1A」を備えている。 (イ) ここで、甲1発明の「第1電源9から電力の供給を受けて動作[する]」「位置検出モジュール1」の「角度検出部1B」及び「多回転情報検出部1A」が算出する「回転軸SFの回転位置情報」は、本件訂正発明5の「前記外部電力が供給される場合の、前記角度位置情報及び前記多回転情報の少なくとも一方に基づいた、前記ディスクの第1位置データ」に相当し、甲1発明の「位置検出モジュール1」の「角度検出部1B」の「処理部23」及び「位置検出モジュール1」の「多回転情報検出部1A」の「処理部13」は、本件訂正発明5の「前記ディスクの第1位置データの生成を実行する第1処理部」に相当する。 (ウ) また、甲1発明では、第1電源9からの電力の供給が遮断された状態において、多回転情報検出部1Aからの多回転情報しか得られないから、当該多回転情報に基づいて回転軸SFの回転位置情報を算出することになることは明らかである。 (エ) そうすると、甲1発明の「第1電源9からの電力の供給が遮断された状態において、第1電源9とは異なる第2電源(バッテリー6)から供給される電力によって動作[する]」「多回転情報検出部1A」が算出する「回転軸SFの位置情報(例、多回転情報)」は、本件訂正発明5の「前記外部電力が供給されない場合の、前記電池から供給される電力を用いて前記多回転情報検出部により検出される前記多回転情報に基づいた、前記ディスクの第2位置データ」に相当し、甲1発明の「多回転情報検出部1A」の「処理部13」は、本件訂正発明5の「前記ディスクの第2位置データの生成を実行する第2処理部」に相当する。 (オ) そして、甲1発明において前記相違点1に係る構成を得る際に、「切替部28」及び「処理部13」に加えて「処理部23」もワンチップ化して一つのモジュールとすることは、当業者にとって適宜なし得た設計事項にすぎず、これにより、本件訂正発明5の「第1処理部」と「第2処理部」を有する「処理モジュール」に係る構成が導かれることになる。 イ 磁気検出部について 前記(1)ア(ウ)において示したとおり、甲1発明の「磁気センサ12」は、本件訂正発明1の「前記ディスクの回転数を表す多回転情報を検出する多回転情報検出部」に相当し、かつ、「磁石11が形成する磁界を検出し[ている]」から、本件訂正発明5の「マグネットの磁束の向きを検出して前記多回転情報を出力する磁気検出部」に相当する。 ウ 特許権者の主張に対する検討 (ア) 特許権者は、令和6年10月28日付け意見書において、概略次の主張をしている。 甲1発明では、バッテリー6は、「切替部28」を介して「磁気センサ12a、12b」と「処理部13」に対して電力を供給する構成であるため、本件訂正発明5のように、バッテリー6の電力を「切替部28」及び「処理部13」を介して「磁気センサ12a,12b」に供給する構成ではない。したがって、甲1発明に基づいて、本件訂正発明5の「前記電池は、前記外部電力の供給が停止した場合に、前記第2処理部を備えた前記処理モジュールを介して前記磁気検出部に対して電力を供給」する構成は得られない。 (イ) しかしながら、前記アにおいて検討したとおり、甲1発明において前記相違点1に係る構成を得る際に、「切替部28」及び「処理部13」に加えて「処理部23」をワンチップ化して一つのモジュールとすることにより、本件訂正発明5の「第1処理部」と「第2処理部」を有する「処理モジュール」に係る構成が導かれるから、甲1発明において、特許権者が主張する前記(ア)の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (ウ) したがって、特許権者の前記主張は採用できない。 エ まとめ 本件訂正発明5と甲1発明のその他の相違点に係る判断については、前記(1)における説示内容を参照。 したがって、本件訂正発明5は、甲1発明、周知技術A及び周知技術Fに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (6) 本件訂正発明7について 甲1発明の「バッテリー6」は、リチウムイオン二次電池である。 したがって、本件訂正発明7は、甲1発明、周知技術A及び周知技術Fに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (7) 本件訂正発明8について 前記2(5)ウにおいて技術常識Aとして示したとおり、「二次電池には、リチウムイオン二次電池や、固体の電解質を用いたいわゆる全固体電池が含まれること」は技術常識であるから、甲1発明の「バッテリー6」として、リチウムイオン二次電池の代わりに、固体の電解質を用いた全固体電池を採用することに格別の困難性があるものではない。 したがって、本件訂正発明8は、甲1発明、周知技術A及び周知技術Fに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (8) 本件訂正発明9について ア 前記2(6)イにおいて周知技術Bとして示したとおり、次の事項は周知である。 「外部電源と電気的に接続されたエンコーダ装置の二次電池において、外部電源が電力を供給可能な期間において、外部電源から二次電池へ電力が供給されることによって二次電池が充電され、外部電源が電力を供給不能な期間において、外部電源から二次電池への電力の供給は絶たれるようにすること。」 イ 甲1発明は、リチウムイオン二次電池であるバッテリー6を備えているところ、前記周知技術Bに倣って、「エンコーダ装置ECが搭載される装置(例、駆動装置、ステージ装置、ロボット装置)の主電源である第1電源9」(外部電源)の電力が投入されているときにバッテリー6を充電し、第1電源9からの電力の供給が遮断されているときにバッテリー6の充電を行わない充電モジュールを設けるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 したがって、本件訂正発明9は、甲1発明、周知技術A、周知技術B及び周知技術Fに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (9) 本件訂正発明10について 前記2(7)ウにおいて周知技術Cとして示したとおり、「整流素子を充電電源回路と電池の間に設け、充電電源回路から電池への向きにのみ電流が流れるようにして逆流を防止すること」は周知である。 したがって、本件訂正発明10は、甲1発明、周知技術A、周知技術B、周知技術C及び周知技術Fに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (10) 本件訂正発明11について 前記本件訂正発明5についての検討を参照されたい。 また、甲1発明において、充電モジュールをどのように接続するかは当業者が適宜なし得る設計事項にすぎず、充電モジュールと、「切替部28」及び「処理部13」を、電力供給ラインに対して並列に接続することについても格別なものとはいえない。 したがって、本件訂正発明11は、甲1発明、周知技術A、周知技術B及び周知技術Fに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (11) 本件訂正発明12について 甲1発明は、第1電源9からの電力の供給が遮断された状態において、第1電源9とは異なる第2電源(バッテリー6)から供給される電力によって、多回転情報検出部1Aが動作するものであり、切替部28により前記電力の供給の有無を切り替えているものである。 なお、前記(1)の相違点1についての判断及び前記(4)の相違点3についての判断を参照。 したがって、本件訂正発明12は、甲1発明、周知技術A、周知技術F及び文献3技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (12) 本件訂正発明13について ア スリープモードについて (ア) 前記2(8)イにおいて周知技術Eとして示したとおり、次の事項は本件特許の出願前に周知である。 「エンコーダ装置において、バッテリ電源から電力が供給されている時に、多回転量算出部の消費電力を抑えるため、回路に用いられているマイコンをスリープモードで動作させること。」 (イ) 甲1発明において前記相違点1に係る構成を得る際に、ワンチップ化された「切替部28」及び「処理部13」において、消費電力を抑えるという自明の課題を解決するために、前記周知技術Eを適用して、バッテリー6から電力が供給されている時に、スリープモードで動作するようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (ウ) そして、ワンチップ化された「切替部28」及び「処理部13」がスリープモードになる場合は、「切替部28」により、バッテリー6から電力の供給の有無を切り替える対象は、「位置検出モジュール1」の「多回転情報検出部1A」から、「処理部13」を除いた「磁気センサ12」になるところ、前記(1)ア(ウ)に示したとおり、甲1発明の「磁気センサ12」は、本件訂正発明13の「多回転情報検出部」に相当するから、甲1発明において前記相違点1に係る構成を得る際に、ワンチップ化された「切替部28」及び「処理部13」がスリープモード動作時に行う処理として、本件訂正発明13の「前記処理モジュールは、前記外部電力の供給が停止した場合に、前記電池からの電力によりスリープモードに切り替わってスリープし、前記スリープモードでは前記多回転情報検出部への電力供給を停止する」処理に相当するものが導かれることは明らかである。 イ 特許権者の主張に対する検討 (ア) 特許権者は、令和6年10月28日付け意見書において、概略次の主張をしている。 甲1発明に文献2に基づく「周知技術E」(エンコーダ装置において、バッテリー電源から電力が供給されている時に、多回転量算出部の消費電力を抑えるため、回路に用いられているマイコンをスリープモードで動作させること。)を適用した場合、スリープモード時にセンサ部にバッテリー電源が供給される構成が得られることとなり、本件訂正発明13の「前記処理モジュールは、前記外部電力の供給が停止した場合に、前記電池からの電力によりスリープモードに切り替わってスリープし、前記スリープモードでは前記多回転情報検出部への電力供給を停止する」構成は得られない。 (イ) しかしながら、前記アにおいて検討したとおり、甲1発明において、ワンチップ化された「切替部28」及び「処理部13」をスリープモードで動作するように構成しても、「切替部28」により「磁気センサ12」に電力供給がされないように構成できるから、特許権者が主張する前記(ア)の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (ウ) したがって、特許権者の前記主張は採用できない。 ウ まとめ 本件訂正発明13と甲1発明のその他の相違点に係る判断については、前記(1)における説示内容を参照。 したがって、本件訂正発明13は、甲1発明、周知技術A、周知技術E及び周知技術Fに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (13) 本件訂正発明14について 甲1発明においては、信号発生部16で閾値以上の検出信号が発生することでバッテリー6から位置検出モジュール1への電力の供給を開始させるものであるところ、この「信号発生部16」は本件訂正発明14の「電気信号発生部」に相当する。 そして、前記(12)で示したように、甲1発明において、ワンチップ化された「切替部28」及び「処理部13」をスリープモードで動作させるようにしたときは、信号発生部16で閾値以上の検出信号が発生した場合にスリープモードから復帰することになることは明らかである。 したがって、本件訂正発明14は、甲1発明、周知技術A、周知技術E及び周知技術Fに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (14) 本件訂正発明15について 甲1発明は、エンコーダ装置ECによりモータM(動力供給部)の回転軸SFの回転位置情報を検出し、前記回転位置情報を使ってモータMへ供給される電力(駆動電力)をモータ制御部MCにより制御することにより、モータMの回転を制御するものであり、この「エンコーダ装置EC」及び「モータM」が、本件訂正発明15の「サーボモータ」に相当する。 したがって、本件訂正発明15は、甲1発明、周知技術A及び周知技術Fに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (15) 本件訂正発明16について 甲1発明の「エンコーダ装置EC」と、「モータM」及び「モータ制御部MC」からなるシステムが、本件訂正発明16の「サーボシステム」に相当する。 したがって、本件訂正発明16は、甲1発明、周知技術A、周知技術E及び周知技術Fに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (16) 小括 前記(1)~(15)の検討結果をまとめると、本件訂正発明1~5、7~16は、甲1発明、甲6技術事項、文献3技術事項、周知技術A~C、E、F及び技術常識Aに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおり、本件訂正発明1~5、7~16は、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件訂正発明1~5、7~16に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであり、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。 また、請求項6は、前記第2の2(2)のとおり、本件訂正により削除されたことにより、申立てに係る特許が存在しないものとなったため、請求項6に係る特許についての特許異議の申立てについては、特許法120条の8第1項で準用する同法135条の規定により却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-701244

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