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特許異議申立

2023-700818

プリーツスクリーン

審判番号
2023-700818
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-073269
登録番号
7227688
請求日
2023年08月08日
審決日
2023年11月24日
公報発行日
2023年12月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】立川ブラインド工業株式会社
  • 【権利者代理人】英 貢
  • 【異議申立人】株式会社 ニチベイ
  • 【異議申立人代理人】田村 誠治
  • 【異議申立人】MOLZA 株式会社
  • 【異議申立人代理人】田村 誠治
審判長/審判官
  • 審判長 住田 秀弘
  • 審判官 土屋 真理子
  • 審判官 佐藤 史彬
分類
P1651.113-Y (E06B) / P1651.121-Y (E06B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7227688号発明「プリーツスクリーン」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7227688号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件特許第7227688号(以下「本件特許」という。)の請求項1~7に係る特許についての出願は、平成29年3月31日に出願され、令和5年2月14日にその特許権の設定登録がされ、同月22日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1~7に係る発明の特許に対し、同年8月8日差出で特許異議申立人株式会社ニチベイ及びMOLZA株式会社(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。 第2 本件特許発明 特許第7227688号の請求項1~7の特許に係る発明(以下それぞれをその請求項番号により「本件発明1」等といい、全体を「本件発明」と総称する。)は、その特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 遮蔽材を上下方向に折り曲げて開閉することにより採光量を調節可能とするプリーツスクリーンであって、 前記遮蔽材として利用するプリーツ加工された生地は、不織布のみの素材からなり、 前記不織布のみからなる素材に凹部を形成するエンボス加工が施され、 前記不織布のみからなる素材にエンボス加工を施して形成される凹部、及び前記凹部以外の領域となる凸部は、プリーツ加工による折り曲げられた生地の頂部を境に光の当たり具合で陰影をもたらすよう構成されていることを特徴とするプリーツスクリーン。 【請求項2】 直線、曲線、及び曲面のうちいずれか1つ以上を持つパターンで前記不織布からなる素材に対し前記エンボス加工を施していることを特徴とする、請求項1に記載のプリーツスクリーン。 【請求項3】 前記エンボス加工を施して形成される凹部は、前記凹部以外の領域となる凸部より平坦度が大きくなるよう構成され、且つ前記凹部の領域と前記凸部の領域が異なる密度で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプリーツスクリーン。 【請求項4】 前記エンボス加工を施して形成される凹部は、前記凹部以外の領域となる凸部より、外光に対する透過率が高くなるか、又は内光に対する反射率が低くなるよう構成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のプリーツスクリーン。 【請求項5】 前記エンボス加工を施して形成される或る凹部の最小厚みが、該凹部に隣接する凸部の最頂部を基準した最大厚みに対し30%以上、70%未満とされていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のプリーツスクリーン。 【請求項6】 前記エンボス加工を施して形成される凹部以外の領域となる凸部に対し前記凹部の割合は、前記プリーツスクリーン用の生地全体に対し40%以下とされていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のプリーツスクリーン。 【請求項7】 前記遮蔽材として、それぞれ異なる複数種類の素材又はエンボス加工が施された複数枚の生地を備え、 当該複数枚の生地の各々が前記エンボス加工により透光量又は反射光量について選択的に構成された異なる柄を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のプリーツスクリーン。」 第3 特許異議申立理由の概要及び証拠 1 特許異議申立理由の概要 申立人は、特許異議申立書(以下「申立書」という。)において、概ね以下の申立理由を主張するとともに、申立書に添付して、以下の2に示す各甲号証(以下、各甲号証をそれぞれ「甲1」等ということがある。)を証拠として提出している。 (1)特許法29条1項3号及び2項 本件発明1~7は、甲第1号証に記載された発明であり、又は甲第1号証に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 2 申立書に添付して提出された証拠 甲1 :MOLZA株式会社製品カタログ及び同カタログ中の生地のサンプル 甲2 :イプロス都市まちづくり、MOLZA株式会社 MOLZA「インテリアシリーズ」 <URL:http://kensetsu_ipros.jp/catalog/detail/339532> 甲3 :株式会社プリントパック、2015年04月01日付けMOLZA株式会社製品カタログの請求書 甲4 :オーダーシート MOLZA 甲5 :名古屋のオーダーカーテンショップ店長の「WA・話・輪」日記、ニッチメーカー プリーツスクリーン・モルザ <URL:http://silk-blog.com?p=8575> 甲6 :日本バイリーン、不織布(ふしょくふ)とは、 <URL:http://www.vilene.co.jp/about/nonwoven/about_nonwoven.htm> 甲7 :特開2012-36538号公報 甲8 :サカエマーク、エンボス・デボス <URL:https://www.sakaemark.co.jp/products/process/emboss> 第4 当審の判断 1 証拠の記載 (1)甲1 ア 記載事項 甲1には以下の記載がある。 (ア)「MOLZA interior 2015-2016 新製品 翠雲 suiun 新機能「セーフティホック」」(1ページ(表紙)) (イ)「 [図:0001404839000001.jpg] 」(2ページ(見開き左ぺージ)左) (ウ)「 [図:0001404839000002.jpg] 」(2ページ(見開き左ページ)中段右) (エ)「 [図:0001404839000003.jpg] 」(3ページ(見開き右ページ)) (オ)「 [図:0001404839000004.jpg] 」(4ページ上段) (カ)「 [図:0001404839000005.jpg] 」(4ページ中段) (キ)「MOLZA Catalog MI201506」(4ページ右下) (ク)上記(エ)の「左ページの写真のように昼光を透すと」との記載及び上記(オ)及び(カ)の記載を踏まえると、上記(イ)の写真画像からは、プリーツスクリーンのスクリーンが、昼光の入る窓に設置されることが看取される。 (ケ)上記(オ)及び(カ)の記載を踏まえると、上記(ウ)の写真画像からは、プリーツスクリーンのスクリーンの生地は、上下に折り曲げてあり、プリーツ加工されたプリーツ生地であることが看取される。 (コ)上記(エ)の「特殊な染色方法により、左ページの写真のように、昼光を透すと柄は目立たず、夜間の室内光で柄が浮び上がります」との記載を踏まえると、上記(ウ)の写真画像及び上記(エ)からは、スクリーンは、プリーツ加工による折り曲げられた生地の頂部を含む全体に柄が染色により施されていることが看取される。 イ 甲1発明 甲1は「MOLZA Catalog」(上記ア(キ))と記載されるようにカタログであり、1ページ(表紙)に「MOLZA interior 2015-2016新製品 翠雲」(上記ア(ア))と記載され、4ページに「201506」(上記ア(キ))と記載されていることから、本件特許が出願された平成29年(2017年)3月31日よりも前に頒布された刊行物であると認められる。 そして、上記アより、甲1には、以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 (甲1発明) スクリーンが、上下に折り曲げてあり、プリーツ加工されたプリーツ生地であり、昼光の入る窓に設置されるプリーツスクリーンであって、(ア(ク)(ケ)) スクリーンは、昇降操作され(ア(カ)) スクリーンは湿式抄紙法による機械漉き和紙であり、(ア(エ)) プリーツ加工による折り曲げられた生地の頂部を含む全体に柄が染色により施されており、(ア(コ)) 昼光を透かすと柄は目立たず、夜間の室内光で柄が浮び上がる、(ア(エ)) プリーツスクリーン。 2 新規性、進歩性の検討 (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 (ア)甲1発明の「スクリーン」は、本件発明1の「遮蔽材」に相当する。 (イ)甲1発明の「昼光の入る窓に設置される」ものであって、「上下に折り曲げてあり、プリーツ加工されたプリーツ生地」である「スクリーン」が「昇降操作され」る「プリーツスクリーン」は、「スクリーン」が「昇降操作され」ると上下方向に折り曲げて開閉されるものであり、採光量を調節可能とするものであるといえるから、本件発明1の「遮蔽材を上下方向に折り曲げて開閉することにより採光量を調節可能とするプリーツスクリーン」に相当する。 (ウ)甲1発明の「スクリーンが、上下に折り曲げてあり、プリーツ加工されたプリーツ生地であり」、「湿式抄紙法による機械漉き和紙」である点は、本件発明1の「前記遮蔽材として利用するプリーツ加工された生地は、不織布のみの素材からな」ることに相当する。 (エ)本件発明1の「前記不織布のみからなる素材に凹部を形成するエンボス加工が施され、前記不織布のみからなる素材にエンボス加工を施して形成される凹部、及び前記凹部以外の領域となる凸部は、プリーツ加工による折り曲げられた生地の頂部を境に光の当たり具合で陰影をもたらすよう構成されている」ことと、甲1発明の「プリーツ加工による折り曲げられた生地の頂部を含む全体に柄が染色により施されて」いることとは、「不織布のみからなる素材に加工が施され、不織布のみからなる素材に加工を施して形成される部分は、プリーツ加工による折り曲げられた生地の頂部にも構成されている」点で共通する。 (オ)上記(ア)ないし(エ)より、本件発明1と甲1発明とは、以下の一致点、相違点を有する。 (一致点) 遮蔽材を上下方向に折り曲げて開閉することにより採光量を調節可能とするプリーツスクリーンであって、 前記遮蔽材として利用するプリーツ加工された生地は、不織布のみの素材からなり、 前記不織布のみからなる素材に加工が施され、 前記不織布のみからなる素材に加工を施して形成される部分は、プリーツ加工による折り曲げられた生地の頂部にも構成されているプリーツスクリーン。 (相違点) 不織布のみからなる素材に施される加工が、本件発明1は「凹部を形成するエンボス加工」であって、その結果、「エンボス加工を施して形成される凹部、及び前記凹部以外の領域となる凸部は、プリーツ加工による折り曲げられた生地の頂部を境に光の当たり具合で陰影をもたらす」ように構成されるのに対し、甲1発明は「染色」であって、「エンボス加工を施して形成される凹部、及び前記凹部以外の領域となる凸部は、プリーツ加工による折り曲げられた生地の頂部を境に光の当たり具合で陰影をもたらす」ものではない点。 イ 新規性の判断 上記相違点は実質的な相違点であるから、本件発明1は甲1に記載された発明ではない。 ウ 進歩性の判断 甲1発明は、特殊な染色方法により、昼光を透かすと柄は目立たず、夜間の室内光で柄が浮び上がるようにしたプリーツスクリーンであり、甲1発明において、凹部を形成するエンボス加工を施す動機はない。 エ 申立人の主張について 申立人は、申立書において、参照符号を付した以下の図を示し、「参照符号10の部分」は、本件特許発明1における「凹部」に相当し、「参照符号20の領域」は「凸部」に相当する旨主張する。 [図:0001404839000006.jpg] しかし、甲1において明記されているのは、「特殊な染色方法により、・・・昼光を透かすと柄は目立たず、夜間の室内光で柄が浮び上がります」とのことであって、「凹部を形成するエンボス加工」が施されることではない。また、甲1のカタログ中の生地のサンプルからも、「エンボス加工を施して形成される凹部」と「凹部以外の領域となる凸部」は、確認することができなかった。 オ 小括 以上のとおりであるから、本件発明1は、甲1に記載された発明ではなく、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (2)本件発明2~7について 本件発明2~7は、本件発明1を引用し、本件発明1と同様の構成を有するから、甲1発明とは、少なくとも上記相違点で相違する。 そして、上記相違点に関しては、上記(1)イ及びウにおいて検討したとおりである。 よって、本件発明2~7は、甲1に記載された発明ではなく、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及び証拠によっては、本件請求項1~7に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1~7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700818

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