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特許異議申立

2023-700023

ロールスクリーン

審判番号
2023-700023
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-020701
登録番号
7101491
請求日
2023年01月11日
審決日
2023年10月12日
公報発行日
2024年01月26日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】立川ブラインド工業株式会社
  • 【権利者代理人】英 貢
  • 【異議申立人】寺田 恵
審判長/審判官
  • 審判長 住田 秀弘
  • 審判官 北川 創
  • 審判官 ▲高▼橋 祐介
分類
P1651.113-YAA(E06B) / P1651.121-YAA(E06B) / P1651.851-YAA(E06B) / P1651.853-YAA(E06B) / P1651.857-YAA(E06B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第126条第5項、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7101491号発明「ロールスクリーン」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7101491号の明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕について訂正することを認める。 特許第7101491号の請求項2に係る特許を維持する。 特許第7101491号の請求項1に係る特許異議申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7101491号の請求項1、2に係る特許についての出願は、平成30年2月8日に出願され、令和4年7月7日にその特許権の設定登録がされ、同月15日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、令和5年1月11日に特許異議申立人 寺田 恵(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てが請求項1、2に対してされたところ、その後の経緯は以下のとおりである。 令和5年 4月 6日付け:取消理由通知書 同 年 6月 5日 :意見書の提出及び訂正の請求(特許権者) なお、上記の訂正の請求に対し、期間を指定して申立人に意見書を提出する機会を与えたが、何らの応答はなかった。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(下線は、訂正箇所を示す)。 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2) 訂正事項2 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項2に「前記低透光部及び前記高透光部のうちいずれか一方を形成する柄が、頂点と正対する辺を持つ三角形又は多角形状を有することを特徴とする、請求項1に記載のロールスクリーン。」とあったところ、その請求項1を引用するものについて独立形式に改め、さらに、その請求項1における「前記低透光部と前記高透光部のうちいずれか一方の柄」とあるのを「前記高透光部の柄」とし、その請求項2における「前記低透光部及び前記高透光部のうちいずれか一方を形成する柄が、頂点と正対する辺を持つ三角形又は多角形状を有することを特徴とする、請求項1に記載のロールスクリーン。」とあるのを、「前記高透光部の柄が、頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成されていることを特徴とするロールスクリーン。」に訂正する。 (3) 訂正事項3 明細書の【0010】を削除する。 (4) 訂正事項4 明細書の【0014】に「また、本発明による一態様のロールスクリーンにおいて、前記低透光部及び前記高透光部のうちいずれか一方を形成する柄が、頂点と正対する辺を持つ三角形又は多角形状を有することを特徴とする。」と記載されているのを、「本発明による一態様のロールスクリーンは、1枚の生地が下端で折り返されて構成された前後方向に複数の生地を吊下支持するロールスクリーンであって、前記複数の生地の各々は、外光に対し低い透光性を持つ低透光部の領域と、外光に対し前記低透光部に比して高い透光性を持つ高透光部の領域を有し、前記高透光部の柄が該柄の図心を通る左右方向軸を基準に上下方向で非線対称の形状を有し左右方向及び上下方向に複数の柄を千鳥状にずらしつつ規則的に連続配置されて形成されており、前記複数の生地における各柄が、前記複数の生地間で上下に常に反転するように吊下され、これにより前記複数の生地の重なり具合における上下方向の位相変化で模様が変化し、多段階の調光機能を有するよう構成され、前記高透光部の柄が、頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成されていることを特徴とする。」に訂正する。 (5) 一群の請求項について 本件訂正前の請求項1及び2について、請求項2は、請求項1を引用するものであるから、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、本件訂正前の請求項1及び2に対応する本件訂正後の請求項1及び2は、一群の請求項である。 2 訂正の適否の判断 (1) 訂正事項1について ア 訂正の目的 訂正事項1は、本件訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項1を削除する訂正であるから、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項1は、訂正前の本件特許の特許請求の範囲の請求項1を削除する訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであり、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 したがって、訂正事項1は、特許法120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項1は、請求項を削除する訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないから、特許法120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (2) 訂正事項2について ア 訂正の目的 訂正事項2は、請求項1を引用していた請求項2を独立形式に改め、訂正前の請求項1及び請求項2における「前記低透光部と前記高透光部のうちいずれか一方の柄」とあるのを「前記高透光部の柄」とし、訂正前の請求項2における「頂点と正対する辺を持つ三角形又は多角形状を有すること」を「頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成されていること」に減縮するものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 イ 新規事項の有無 本件特許の明細書(以下「本件特許明細書」といい、特許請求の範囲と図面を合わせて「本件特許明細書等」という。)には、以下の記載がある(下線は、合議体が付した。)。 「【0041】 前生地2Fと後生地3Rの各々は、外光に対し低い透光性を持つ(完全には遮光しない)低透光部21の領域と、外光に対し低透光部21に比して高い透光性を持つ高透光部22の領域を有し、これによって上下、左右、又は斜め方向に規則的な柄が形成されている。より具体的には、高透光部22の柄が該柄の図心(本例では中心)Oを通る左右方向軸LRを基準に非線対称の形状を有する略五角形を有している。尚、この変形例として、低透光部21の柄が該柄の図心Oを通る左右方向軸を基準に上下方向で非線対称の形状を有する略五角形を有するものとすることもできる。」 「【図2】 [図:0001405811000001.jpg] 」 また、図2には、高透光部22の柄が、頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成されているものが示されている。 したがって、訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであり、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 よって、訂正事項2は、特許法120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項2に係る訂正は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮及び他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (3) 訂正事項3 ア 訂正の目的 訂正事項3は、訂正事項1に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項3は、訂正前の請求項1に関係する記載のあった明細書の【0010】を削除するものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項3は、訂正前の請求項1に関係する記載のあった明細書の【0010】を削除するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (4) 訂正事項4 ア 訂正の目的 訂正事項4は、訂正事項2に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項4は、訂正事項2に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、上記(2)イと同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 よって、訂正事項4は、特許法120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項4に係る訂正は、上記アのとおり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 3 訂正の適否についてのまとめ 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、本件特許の明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕について訂正することを認める。 第3 本件特許に係る発明 本件訂正請求による訂正後の請求項2に係る発明(以下「本件訂正発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項2に記載された、次の事項により特定されるとおりのものである。なお、符号A等は分説のため合議体が付与した。 (本件訂正発明) 「【請求項2】 A 1枚の生地が下端で折り返されて構成された前後方向に複数の生地を吊下支持するロールスクリーンであって、 B 前記複数の生地の各々は、外光に対し低い透光性を持つ低透光部の領域と、外光に対し前記低透光部に比して高い透光性を持つ高透光部の領域を有し、前記高透光部の柄が該柄の図心を通る左右方向軸を基準に上下方向で非線対称の形状を有し左右方向及び上下方向に複数の柄を千鳥状にずらしつつ規則的に連続配置されて形成されており、 C 前記複数の生地における各柄が、前記複数の生地間で上下に常に反転するように吊下され、これにより前記複数の生地の重なり具合における上下方向の位相変化で模様が変化し、多段階の調光機能を有するよう構成され、 D 前記高透光部の柄が、頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成されている E ことを特徴とするロールスクリーン。」 第4 特許異議申立理由、取消理由の概要 1 特許異議申立理由の概要 申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1号証~甲第10号証を提出し、本件特許に対し次の理由を申し立てている。 特許法第29条第1項第3号(新規性)及び第29条第2項(進歩性)について 本件特許の請求項1、2に係る発明は、甲第1、2、4、6、7、8、9、10号証にそれぞれ記載された発明であり、又は甲第1、2、4、6,7、8、9、10号証にそれぞれ記載の発明及び周知技術(例えば甲第2、3、5号証)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである(申立書37頁等)。 (1)甲第1号証:意匠登録第1361438号公報 (2)甲第2号証:中国登録意匠第304310745S公報 (3)甲第3号証:中国登録意匠第304338911S公報 (4)甲第4号証:韓国登録意匠第30-0918286号公報 (5)甲第5号証:「Combi Blinds Motorized (ARACNE)」、インターネット<URL:https://youtu.be/sK_s6UFK6W4> (6)甲第6号証:韓国登録意匠第30-0918287号公報 (7)甲第7号証:韓国登録意匠第30-0918288号公報 (8)甲第8号証:JAB ANSTOETZ Systems meridian twin JAB社ブース ハイムテキスタイル2017 (9)甲第9号証:「meridian twin - quarter I JAB ANSTOETZ Systems」、インターネット<URL:https://youtu.be/Pm0JgKuykO4> (10)甲第10号証:「meridian twin - cube I JAB ANSTOETZ Systems」、インターネット<URL:https://youtu.be/q769uUTqPw8> 2 令和5年4月6日付けの取消理由の概要 当審が令和5年4月6日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 理由1(新規性) 本件特許の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるから、本件特許の請求項1に係る発明に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。 理由2(進歩性) 本件特許の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明又は甲第9号証、甲第10号証に開示された発明に基いて、本件特許の請求項2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明又は甲第9号証、甲第10号証に開示された発明及び甲第2号証に記載された事項に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許の請求項1~2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 以下、各甲号証を、その番号により「甲1」等という。 第5 令和5年4月6日付け取消理由通知で通知した取消理由についての判断 1 証拠の記載 (1)甲1 ア 甲1の記載 甲1には以下の記載がある(下線は、合議体が付加した。以下、同様。)。 「(55)【意匠に係る物品の説明】本物品は、ロールスクリーンに使用されるスクリーン生地である。このロールスクリーン用生地は前後に重ね合わせて用いられるのに適する。この場合、ロールスクリーン用生地の一端は、壁面に取付けられるベース部材に回転可能に取付けられた巻き取りロッドに固定されて巻回され、巻き取りロッドに巻回されていないロールスクリーン用生地の残部は、その巻き取りロッドから垂下して下端の錘で折り返されて再び上昇し、この上昇したロールスクリーン用生地の上端である他端は、ベース部材に併設された固定部材に固定される。 (55)【意匠の説明】表面図と、A-A’,B-B’部拡大図と、C-C線断面図において、実線で表した部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分であり、それ以外の部分を破線で表している。また表面図と、A-A’,B-B’部拡大図において、実線で表した内側部分は打ち抜かれて孔あき模様が形成されており、この意匠は表面図において上下にのみ連続する。更に表面図と裏面図が対称であるため、裏面図を省略した。」 「【表面図】 [図:0001405811000002.jpg] 」 「【A-A’,B-B’部拡大図】 [図:0001405811000003.jpg] 」 「【使用状態を示す裏面側斜視図】 [図:0001405811000004.jpg] 」 「【使用状態を示すD-D線断面図】 [図:0001405811000005.jpg] 」 表面図からは、以下の点を看取することができる。 a ロールスクリーン用生地には、6×6の行列状に孔が打ち抜かれた孔あき模様が、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして、左右方向に4列並んで上下方向に連続して形成され、左から1列目及び3列目の孔あき模様においては、上から下にむかって孔が大きく形成され、左から2列目及び4列目の孔あき模様においては、上から下にむかって孔が小さく形成されている点。 イ 甲1発明 上記アより、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。 (甲1発明) 「ロールスクリーン用生地が使用されたロールスクリーンであって、 ロールスクリーン生地は、前後に重ね合わせて用いられ、 ロールスクリーン生地の一端は、壁面に取付けられるベース部材に回転可能に取付けられた巻き取りロッドに固定されて巻回され、巻き取りロッドに巻回されていないロールスクリーン用生地の残部は、その巻き取りロッドから垂下して下端の錘で折り返されて再び上昇し、この上昇したロールスクリーン用生地の上端である他端は、ベース部材に併設された固定部材に固定され、 ロールスクリーン用生地には、6×6の行列状に孔が打ち抜かれた孔あき模様が、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして、左右方向に4列並んで上下方向に連続して形成され、左から1列目及び3列目の孔あき模様においては、上から下にむかって孔が大きく形成され、左から2列目及び4列目の孔あき模様においては、上から下にむかって孔が小さく形成されている ロールスクリーン。」 (2)甲2 甲2には以下の記載がある。 (ア)「 [図:0001405811000006.jpg] 」 申立人が甲2に付した翻訳文: 「(45)認可公告日 2017.10.13」 (イ)「 [図:0001405811000007.jpg] 」 申立人が甲2に付した翻訳文: 「(54)意匠を使用した商品の名称 カーテンクロス(夢のカーテン)」 (ウ)「 [図:0001405811000008.jpg] 」 (エ)「 [図:0001405811000009.jpg] 」 (オ)「 [図:0001405811000010.jpg] 」 申立人が甲2に付した翻訳文: 「1. この外観デザインの商品名:カーテンクロス(夢のカーテン)。 2. このデザイン製品の用途:このデザイン製品は、日除け、光透過、換気、および装飾に使用されます。 3. このデザイン商品のデザインポイント:この商品の柄です。 4. デザインの要点が最もよくわかる写真または写真:正面図。 5. 図省略:デザイン製品はユニットパターンが4方向に連続する平面製品で、背面図は正面図と対称です。 その他の図は設計上のポイントがないため、背面図およびその他の図は省略されています。 6. 部分Aは中空の光透過領域です。」 特に、上記(ウ)、(エ)から、「上方に左右方向に対して平行に位置する一つの辺が、下方に一つの頂点が位置する略正三角形の符号Aが付された領域が、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成される」ことがみてとることができること、及び上記(オ)の「カーテンクロス」、「部分Aは中空の光透過領域です」との記載から、甲2には、以下の事項が記載されている。 (甲2記載事項) 「カーテンクロスにおいて、上方に左右方向に対して平行に位置する一つの辺が、下方に一つの頂点が位置する略正三角形の中空の光透過領域が、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成されること。」 (3)甲9 ア 甲9に係る動画の開示事項 甲9に係る動画を職権で確認すると、以下の事項が開示されている。 (ア) 甲9に係る動画の再生時間が0:03から0:06にかけて、ブラインドの下端が上昇し、それにともなって、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成された、長辺が上に、短辺が下に位置する台形の光透過領域は、ブラインドの下端の上昇量の2倍程度の量だけ上昇するが、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成された、長辺が下に、短辺が上に位置する台形の光透過領域は、移動しないことがみてとれる。 (イ) 動画の再生時間が0:08から0:17にかけて、ブラインドの下端が下降し、それにともなって、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成された、長辺が上に、短辺が下に位置する台形の光透過領域は、ブラインドの下端の下降量の2倍程度の量だけ下降するが、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成された、長辺が下に、短辺が上に位置する台形の光透過領域は、移動しないことがみてとれる。 イ 甲9発明 上記アより、甲9には、次の発明(以下「甲9発明」という。)が開示されている。 (甲9発明) 「窓際に吊り下げられるスクリーンであって、 スクリーンの下端の上昇又は下降にともなって、 左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成され、長辺が上に、短辺が下に位置する台形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域が、スクリーンの下端の上昇量又は下降量の2倍程度の量だけ上昇又は下降し、 左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成され、長辺が下に、短辺が上に位置する台形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域が、移動しない スクリーン。」 (4)甲10 ア 甲10に係る動画の開示事項 甲10に係る動画を職権で確認すると、以下の事項が開示されている。 (ア) 甲10に係る動画の再生時間が0:01から0:13にかけて、ブラインドの下端が上昇し、それにともなって、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成された、右上がりの平行四辺形の光透過領域は、ブラインドの下端の上昇量の2倍程度の量だけ上昇するが、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成された、右下がりの平行四辺形の光透過領域は、移動しないことがみてとれる。 (イ) 動画の再生時間が0:16から0:37にかけて、ブラインドの下端が下降し、それにともなって、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成された、右上がりの平行四辺形の光透過領域は、ブラインドの下端の下降量の2倍程度の量だけ下降するが、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成された、右下がりの平行四辺形の光透過領域は、移動しないことがみてとれる。 イ 甲10発明 上記アより、甲10には、次の発明(以下「甲10発明」という。)が開示されている。 (甲10発明) 「窓際に吊り下げられるスクリーンであって、 スクリーンの下端の上昇又は下降にともなって、 左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成され、右上がりの平行四辺形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域が、スクリーンの下端の上昇量又は下降量の2倍程度の量だけ上昇又は下降し、 左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成され、右下がりの平行四辺形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域が、移動しない スクリーン。」 2 本件訂正発明と甲1発明の対比・判断 (1) 対比 本件訂正発明と甲1発明とを対比する。 (a) 甲1発明の「巻き取りロッドに巻回されていないロールスクリーン用生地の残部は、その巻き取りロッドから垂下して下端の錘で折り返されて再び上昇し」、「ロールスクリーン生地は、前後に重ね合わせて用いられ」る「ロールスクリーン」は、本件訂正発明の「1枚の生地が下端で折り返されて構成された前後方向に複数の生地を吊下支持するロールスクリーン」に相当する。 (b) 甲1発明の「ロールスクリーン生地」の「孔が打ち抜かれ」ていない領域及び「孔が打ち抜かれた」領域は、それぞれ本件訂正発明の「外光に対し低い透光性を持つ低透光部の領域」及び「外光に対し前記低透光部に比して高い透光性を持つ高透光部の領域」に相当する。 甲1発明において、「6×6の行列状に孔が打ち抜かれた孔あき模様」は、「上下方向に連続して形成され」ることから、「前後に重ね合わせて用いられ」る「ロールスクリーン生地」の前後双方において、形成されているものと認められ、このことは、本件訂正発明の「前記複数の生地の各々は、外光に対し低い透光性を持つ低透光部の領域と、外光に対し前記低透光部に比して高い透光性を持つ高透光部の領域を有」することに相当する。 甲1発明の「左から1列目及び3列目の孔あき模様においては、上から下にむかって孔が大きく形成され、左から2列目及び4列目の孔あき模様においては、上から下にむかって孔が小さく形成されている」ことは、本件訂正発明の「前記前記高透光部の柄が該柄の図心を通る左右方向軸を基準に上下方向で非線対称の形状を有」することに相当する。 甲1発明の「6×6の行列状に孔が打ち抜かれた孔あき模様が、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして、左右方向に4列並んで上下方向に連続して形成され」ることは、本件訂正発明の「左右方向及び上下方向に複数の柄を千鳥状にずらしつつ規則的に連続配置されて形成されて」いることに相当する。 (c) 甲1発明において、「ロールスクリーン用生地」の「6×6の行列状に孔が打ち抜かれた孔あき模様」は、「左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして、左右方向に4列並んで上下方向に連続して形成され、左から1列目及び3列目の孔あき模様においては、上から下にむかって孔が大きく形成され、左から2列目及び4列目の孔あき模様においては、上から下にむかって孔が小さく形成されている」ことから、「前後に重ね合わせて用いられ」る「ロールスクリーン生地」における「左右方向に」並んだ「4列」の「孔あき模様」は、各列において、「前」の「ロールスクリーン生地」と「後」の「ロールスクリーン生地」との間で上下に常に反転すると認められる。 甲1発明の「ロールスクリーン生地」は、「壁面に取付けられるベース部材に回転可能に取付けられた巻き取りロッドに固定されて巻回され」る長さによって、「前後に重ね合わせ」られた一方が、上下方向に移動するものであることは明らかであり、この「前後に重ね合わせ」られた一方の「ロールスクリーン生地」の上下方向の移動によって、「前後に重ね合わせ」られた「ロールスクリーン生地」の「孔あき模様」の重なり具合が変化し、それにともなって光の透過量が連続的に変化するものと認められ、このことは、本件訂正発明の「前記複数の生地における各柄が、前記複数の生地間で上下に常に反転するように吊下され、これにより前記複数の生地の重なり具合における上下方向の位相変化で模様が変化し、多段階の調光機能を有するよう構成され」ていることに相当する。 (e) 甲1発明の「ロールスクリーン」は、本件訂正発明の「ロールスクリーン」に相当する。 以上によれば、本件訂正発明と甲1発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点1で相違する。 (一致点) 「A 1枚の生地が下端で折り返されて構成された前後方向に複数の生地を吊下支持するロールスクリーンであって、 B 前記複数の生地の各々は、外光に対し低い透光性を持つ低透光部の領域と、外光に対し前記低透光部に比して高い透光性を持つ高透光部の領域を有し、前記高透光部の柄が該柄の図心を通る左右方向軸を基準に上下方向で非線対称の形状を有し左右方向及び上下方向に複数の柄を千鳥状にずらしつつ規則的に連続配置されて形成されており、 C 前記複数の生地における各柄が、前記複数の生地間で上下に常に反転するように吊下され、これにより前記複数の生地の重なり具合における上下方向の位相変化で模様が変化し、多段階の調光機能を有するよう構成されている E ロールスクリーン。」 (相違点1) 「高透光部の柄」(「ロールスクリーン生地」の「孔が打ち抜かれた」領域)が、本件訂正発明では、「頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成されている」(構成D)のに対して、甲1発明では、「6×6の行列状に孔が打ち抜かれた孔あき模様」である点。 (2) 判断 相違点1について検討する。 甲1には、「ロールスクリーン生地」の「孔が打ち抜かれた」領域を、「頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成」することは、記載されておらず、示唆もされていない。 また、上記1(2)によれば、甲2には、「カーテンクロスにおいて、上方に左右方向に対して平行に位置する一つの辺が、下方に一つの頂点が位置する略正三角形の中空の光透過領域が、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成されること。」(甲2記載事項)が記載されているが、「中空の光透過領域」を「頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成」することは、記載されておらず、示唆もされていない。 したがって、本件訂正発明は、甲1発明ではなく、甲1発明及び甲2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 本件訂正発明と甲9発明の対比・判断 (1) 対比 本件訂正発明と甲9発明とを対比する。 (a) 甲9発明は、「スクリーンの下端の上昇又は下降にともなって」、「スクリーンの下端の上昇量又は下降量の2倍程度の量だけ上昇又は下降」するものと「移動しない」ものとを備えるスクリーンであるから、「1枚の生地が下端で折り返されて構成された前後方向に複数の生地を吊下支持する」「スクリーンであ」ると認められ、この点で本件訂正発明と一致する。 (b) 甲9発明の「スクリーン」の「外光に対し高い透光性を持つ領域」以外の領域、及び「外光に対し高い透光性を持つ領域」は、それぞれ本件訂正発明の「外光に対し低い透光性を持つ低透光部の領域」及び「外光に対し前記低透光部に比して高い透光性を持つ高透光部の領域」に相当する。 甲9発明の「外光に対し高い透光性を持つ領域」が、「長辺が上に、短辺が下に位置する台形」又は「長辺が下に、短辺が上に位置する台形」に形成されていることは、本件訂正発明の「前記高透光部の柄が該柄の図心を通る左右方向軸を基準に上下方向で非線対称の形状を有」することに相当する。 甲9発明の「外光に対し高い透光性を持つ領域」が「左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成され」ていることは、本件訂正発明の「左右方向及び上下方向に複数の柄を千鳥状にずらしつつ規則的に連続配置されて形成されて」いることに相当する。 (c) 甲9発明は、 「スクリーンの下端の上昇又は下降にともなって、 左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成され、長辺が上に、短辺が下に位置する台形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域が、スクリーンの下端の上昇量又は下降量の2倍程度の量だけ上昇又は下降し、 左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成され、長辺が下に、短辺が上に位置する台形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域が、移動しない」 ものであることから、「スクリーンの下端の上昇又は下降にともなって」、「スクリーンの下端の上昇量又は下降量の2倍程度の量だけ上昇又は下降」する「長辺が上に、短辺が下に位置する台形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域」が形成されたスクリーン、及び「スクリーンの下端の上昇又は下降にともなって」「移動しない」「長辺が下に、短辺が上に位置する台形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域」が形成されたスクリーンは、それぞれ、下端で折り返されたスクリーンの前方に位置する部分又は後方に位置する部分の一方及び他方であると認められる。そうすると、「長辺が上に、短辺が下に位置する台形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域」と「長辺が下に、短辺が上に位置する台形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域」は、上下に常に反転し、「スクリーンの下端の上昇又は下降にともなって」、「スクリーン の下端の上昇量又は下降量の2倍程度の量だけ上昇又は下降」する「長辺が上に、短辺が下に位置する台形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域」の移動量によって透光量が連続的に変化すると認められ、このことは、本件訂正発明の「前記複数の生地における各柄が、前記複数の生地間で上下に常に反転するように吊下され、これにより前記複数の生地の重なり具合における上下方向の位相変化で模様が変化し、多段階の調光機能を有するよう構成され」ていることに相当する。 (e) 甲9発明の「スクリーン」は、本件訂正発明の「ロールスクリーン」と、「スクリーン」である点で共通する。 以上によれば、本件訂正発明と甲9発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点2-1、相違点2-2で相違する。 (一致点) 「A 1枚の生地が下端で折り返されて構成された前後方向に複数の生地を吊下支持するスクリーンであって、 B 前記複数の生地の各々は、外光に対し低い透光性を持つ低透光部の領域と、外光に対し前記低透光部に比して高い透光性を持つ高透光部の領域を有し、前記高透光部の柄が該柄の図心を通る左右方向軸を基準に上下方向で非線対称の形状を有し左右方向及び上下方向に複数の柄を千鳥状にずらしつつ規則的に連続配置されて形成されており、 C 前記複数の生地における各柄が、前記複数の生地間で上下に常に反転するように吊下され、これにより前記複数の生地の重なり具合における上下方向の位相変化で模様が変化し、多段階の調光機能を有するよう構成されている E’ スクリーン。」 (相違点2-1) 本件訂正発明において、「前記高透光部の柄が、頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成されている」(構成D)のに対して、甲9発明において、「外光に対し高い透光性を持つ領域」が、「頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成されて」いない点。 (相違点2-2) 本件訂正発明が、「ロールスクリーン」であるのに対して、甲9発明が「ロールスクリーン」であるか不明である点。 (2) 判断 相違点2-1について検討する。 甲9には、「外光に対し高い透光性を持つ領域」を、「頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成」することは、開示されておらず、示唆もされていない。 また、上記1(2)によれば、甲2には、「カーテンクロスにおいて、上方に左右方向に対して平行に位置する一つの辺が、下方に一つの頂点が位置する略正三角形の中空の光透過領域が、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成されること。」(甲2記載事項)が記載されているが、「中空の光透過領域」を「頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成」することは、記載されておらず、示唆もされていない。 したがって、相違点2-2について検討するまでもなく、本件訂正発明は、甲9発明ではなく、甲9発明及び甲2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 4 本件訂正発明と甲10発明の対比・判断 (1) 対比 本件訂正発明と甲10発明とを対比する。 (a) 甲10発明は、「スクリーンの下端の上昇又は下降にともなって」、「スクリーンの下端の上昇量又は下降量の2倍程度の量だけ上昇又は下降」するものと「移動しない」ものとを備えるスクリーンであるから、「1枚の生地が下端で折り返されて構成された前後方向に複数の生地を吊下支持する」「スクリーンであ」ると認められ、この点で本件訂正発明と一致する。 (b) 甲10発明の「スクリーン」の「外光に対し高い透光性を持つ領域」以外の領域、及び「外光に対し高い透光性を持つ領域」は、それぞれ本件訂正発明の「外光に対し低い透光性を持つ低透光部の領域」及び「外光に対し前記低透光部に比して高い透光性を持つ高透光部の領域」に相当する。 甲10発明の「外光に対し高い透光性を持つ領域」が、「右上がりの平行四辺形」又は「右下がりの平行四辺形」に形成されていることは、本件訂正発明の「前記高透光部の柄が該柄の図心を通る左右方向軸を基準に上下方向で非線対称の形状を有」することに相当する。 甲10発明の「外光に対し高い透光性を持つ領域」が「左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成され」ていることは、本件訂正発明の「左右方向及び上下方向に複数の柄を千鳥状にずらしつつ規則的に連続配置されて形成されて」いることに相当する。 (c) 甲10発明は、 「スクリーンの下端の上昇又は下降にともなって、 左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成され、右上がりの平行四辺形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域が、スクリーンの下端の上昇量又は下降量の2倍程度の量だけ上昇又は下降し、 左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成され、右下がりの平行四辺形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域が、移動しない」 ものであることから、「スクリーンの下端の上昇又は下降にともなって」、「スクリーンの下端の上昇量又は下降量の2倍程度の量だけ上昇又は下降」する「右上がりの平行四辺形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域」が形成されたスクリーン、及び「スクリーンの下端の上昇又は下降にともなって」「移動しない」「右下がりの平行四辺形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域」が形成されたスクリーンは、それぞれ、下端で折り返されたスクリーンの前方に位置する部分又は後方に位置する部分の一方及び他方であると認められる。そうすると、「右上がりの平行四辺形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域」と「右下がりの平行四辺形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域」は、上下に常に反転し、「スクリーンの下端の上昇又は下降にともなって」、「スクリーンの下端の上昇量又は下降量の2倍程度の量だけ上昇又は下降」する「右上がりの平行四辺形に形成された、外光に対し高い透光性を持つ領域」 の移動量によって透光量が連続的に変化すると認められ、このことは、本件発明1の「前記複数の生地における各柄が、前記複数の生地間で上下に常に反転するように吊下され、これにより前記複数の生地の重なり具合における上下方向の位相変化で模様が変化し、多段階の調光機能を有するよう構成され」ていることに相当する。 (e) 甲10発明の「スクリーン」は、本件訂正発明の「ロールスクリーン」と、「スクリーン」である点で共通する。 以上によれば、本件訂正発明と甲10発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点3-1、相違点3-2で相違する。 (一致点) 「A 1枚の生地が下端で折り返されて構成された前後方向に複数の生地を吊下支持するスクリーンであって、 B 前記複数の生地の各々は、外光に対し低い透光性を持つ低透光部の領域と、外光に対し前記低透光部に比して高い透光性を持つ高透光部の領域を有し、前記高透光部の柄が該柄の図心を通る左右方向軸を基準に上下方向で非線対称の形状を有し左右方向及び上下方向に複数の柄を千鳥状にずらしつつ規則的に連続配置されて形成されており、 C 前記複数の生地における各柄が、前記複数の生地間で上下に常に反転するように吊下され、これにより前記複数の生地の重なり具合における上下方向の位相変化で模様が変化し、多段階の調光機能を有するよう構成されている E’ スクリーン。」 (相違点3-1) 「高透光部の柄」(外光に対し高い透光性を持つ領域)が、本件訂正発明では、「頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成されている」(構成D)のに対して、甲10発明では、「右上がりの平行四辺形」及び「右下がりの平行四辺形」に形成されている点。 (相違点3-2) 本件訂正発明が、「ロールスクリーン」であるのに対して、甲10発明が「ロールスクリーン」であるか不明である点。 (2) 判断 相違点3-1について検討する。 甲10には、「外光に対し高い透光性を持つ領域」を、「頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成」することは、開示されておらず、示唆もされていない。 また、上記1(2)によれば、甲2には、「カーテンクロスにおいて、上方に左右方向に対して平行に位置する一つの辺が、下方に一つの頂点が位置する略正三角形の中空の光透過領域が、左右方向及び上下方向に一定の間隔をおいて交互にずらして形成されること。」(甲2記載事項)が記載されているが、「中空の光透過領域」を「頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成」することは、記載されておらず、示唆もされていない。 したがって、相違点3-2について検討するまでもなく、本件訂正発明は、甲10発明ではなく、甲10発明及び甲2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 特許異議申立理由である特許法第29条第1項第3号(新規性)及び第29条第2項(進歩性)について、令和5年4月6日付け取消理由通知において引用した甲1、甲2、甲9、甲10とともに、申立書において証拠方法として提示された甲3~甲8も加えて、検討する。 甲3には、縦の長辺の中央部がやや左に湾曲したおおよそ長方形の中空の光透過領域のパターンが4方向に連続するカーテンクロスが記載されていると認められる。 甲4には、表面に右上がりのおおよそ平行四辺形の透明部又は不透明部が上、下、左、右に繰り返され、裏面に右下がりのおおよそ平行四辺形の透明部又は不透明部が上、下、左、右に繰り返されるブラインド用カーテン紙が記載されていると認められる。 甲5には、長方形の高透光部が横方向の幅全体に延びる1枚の生地が下端で折り返されて構成された前後方向に複数の生地を吊下支持するロールスクリーンが開示されていると認められる。 甲6には、表面に右下がりの平行四辺形の透明部又は不透明部が上、下、左、右に繰り返され、裏面に右上がりの平行四辺形の透明部又は不透明部が上、下、左、右に繰り返されるブラインド用カーテン紙が記載されていると認められる。 甲7には、左右方向に並ぶ右上がりの平行四辺形の透明部又は不透明部と、左右方向に並ぶ右下がりの平行四辺形の透明部又は不透明部が、上下方向に繰り返されるブラインド用カーテン紙が記載されていると認められる。 甲8には、右上がりのおおよそ平行四辺形の高透光部と、右下がりのおおよそ平行四辺形の高透光部が形成されたロールスクリーンとみられるものが開示されている。 しかしながら、甲3~甲8のいずれにも、第5の2、3、4でそれぞれ検討した相違点1、相違点2-1、相違点3-1に係る本件訂正発明の構成D「前記高透光部の柄が、頂点と正対する辺を持つ五角形状を有し、該五角形状を形成する5辺のうち1辺が左右方向に対して平行に位置するように構成されている」については、開示されておらず、また示唆もされていない。 また、本件訂正発明の構成Dが、周知技術であることを示す証拠もない。 したがって、本件訂正発明は、甲第1、2、4、6、7、8、9、10号証にそれぞれ記載された発明ではなく、甲第1、2、4、6,7、8、9、10号証にそれぞれ記載の発明及び周知技術(例えば甲第2、3、5号証)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及び証拠によっては、請求項2に係る特許を取り消すことはできない。 さらに、他に請求項2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 また、請求項1に係る特許は、訂正により削除された。これにより請求項1に係る特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700023

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