特許異議申立
2023-700748
配管連結構造及び冷凍サイクル装置
- 審判番号
- 2023-700748
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-076060
- 登録番号
- 7227512
- 請求日
- 2023年07月19日
- 審決日
- 2024年09月27日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】ダイキン工業株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
- 【異議申立人】伊藤 裕美
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 充
- 審判官 石黒 雄一
- 審判官 間中 耕治
- 分類
- P1651.121-YAA(F28F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7227512号発明「配管連結構造及び冷凍サイクル装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7227512号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1~15]について訂正することを認める。
特許第7227512号の請求項1~15に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7227512号の請求項1~15に係る特許は、令和3年4月28日の出願であって、令和5年2月14日にその特許権の設定登録がされ、同年2月22日に特許掲載公報が発行されたものである。本件特許異議の申立ての経緯は、以下のとおりである。
令和 5年 7月19日 :特許異議申立人 伊藤裕美(以下「申立人」という。)による請求項1~15に係る特許に対する特許異議の申立て
同 年 8月 4日付け:通知書
同 年 8月16日 :申立人による手続補正書の提出
同 年10月31日付け:取消理由通知
同 年12月28日 :特許権者による意見書の提出
令和 6年 1月18日付け:申立人への審尋
同 年 2月 5日 :申立人による回答書の提出
同 年 3月 1日付け:取消理由通知(以下「決定の予告」という。)
同 年 5月 2日 :特許権者による意見書、訂正請求書の提出(以下、この訂正請求を「本件訂正請求」といい、この訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)
同 年 5月17日付け:手続補正指令
同 年 6月19日 :特許権者による手続補正書の提出
同 年 7月31日 :申立人による意見書の提出
第2 本件訂正の適否
1.本件訂正の内容
本件訂正の内容は、訂正箇所に下線を付して示すと、以下のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、前記第5部と前記第3部とがロウ付けされている、配管連結構造(20)。」とあるのを、「前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、前記第1冷媒配管は熱交換器(4,6)の伝熱管(100)であり、前記第1部及び前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通し、前記第1冷媒配管は、前記第3部に繋がっていて前記第3部よりテーパ状に広がっている第3拡張部(113)を有し、前記第5部と前記第3部とがロウ付けされている、配管連結構造(20)。」に訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項15も同様に訂正する。)
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「前記第2部と前記第4部との第1隙間は、前記第3部と前記第5部との第2隙間よりも大きい、請求項1に記載の配管連結構造(20)。」とあるのを、独立形式請求項に改め、「順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、を備え、前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、前記第5部と前記第3部とがロウ付けされ、前記第2部と前記第4部との第1隙間は、前記第3部と前記第5部との第2隙間よりも大きい、配管連結構造(20)。」に訂正する。(請求項2の記載を引用する請求項3及び請求項15も同様に訂正する。)
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「前記第1冷媒配管は、前記第3部に繋がっていて前記第3部よりテーパ状に広がっている第3拡張部(113)を有する、請求項1または請求項2に記載の配管連結構造(20)。」とあるのを、「前記第1冷媒配管は、前記第3部に繋がっていて前記第3部よりテーパ状に広がっている第3拡張部(113)を有する、請求項2に記載の配管連結構造(20)。」に訂正する。(請求項3の記載を引用する請求項15も同様に訂正する。)
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に「前記第1冷媒配管は熱交換器(4,6)の伝熱管(100)であり、前記第1部及び前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通している、請求項1から3のいずれか一項に記載の配管連結構造(20)。」とあるのを、独立形式請求項に改め、「順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、を備え、前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、前記第5部と前記第3部とがロウ付けされ、前記第1冷媒配管は熱交換器(4,6)の伝熱管(100)であり、前記第1部及び前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通している、配管連結構造(20)。」に訂正する。(請求項4の記載を引用する請求項5から10及び請求項15も同様に訂正する。)
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項11に「前記第3部の内径の前記第2部の内径に対する比率が、前記第2部の内径の前記第1部の内径に対する比率よりも小さい、請求項1から10のいずれか一項に記載の配管連結構造(20)。」とあるのを、独立形式請求項に改め、「順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、を備え、前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、前記第5部と前記第3部とがロウ付けされ、前記第3部の内径の前記第2部の内径に対する比率が、前記第2部の内径の前記第1部の内径に対する比率よりも小さい、配管連結構造(20)。」に訂正する。(請求項11の記載を引用する請求項15も同様に訂正する。)
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項12に「前記第1部は、内径が5mm以下である、請求項1から11のいずれか一項に記載の配管連結構造(20)。」とあるのを、独立形式請求項に改め、「順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、を備え、前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、前記第5部と前記第3部とがロウ付けされ、前記第1部は、内径が5mm以下である、配管連結構造(20)。」に訂正する。(請求項12の記載を引用する請求項15も同様に訂正する。)
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項13に「前記第2部の長さが、前記第4部の長さよりも長い、請求項1から12のいずれか一項に記載の配管連結構造(20)。」とあるのを、独立形式請求項に改め、「順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、を備え、前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、前記第5部と前記第3部とがロウ付けされ、前記第2部の長さが、前記第4部の長さよりも長い、配管連結構造(20)。」に訂正する。(請求項13の記載を引用する請求項15も同様に訂正する。)
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項14に「前記第1冷媒配管及び前記第2冷媒配管のうちの少なくとも一方は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる、請求項1から13のいずれか一項に記載の配管連結構造(20)。」とあるのを、独立形式請求項に改め、「順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、を備え、前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、 前記第5部と前記第3部とがロウ付けされ、前記第1冷媒配管及び前記第2冷媒配管のうちの少なくとも一方は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる、配管連結構造(20)。」に訂正する。(請求項14の記載を引用する請求項15も同様に訂正する。)
2.訂正の適否についての判断
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
訂正事項1は、「前記第1冷媒配管は熱交換器(4,6)の伝熱管(100)であり、前記第1部及び前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通し、前記第1冷媒配管は、前記第3部に繋がっていて前記第3部よりテーパ状に広がっている第3拡張部(113)を有し」なる発明特定事項を直列的に追加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
願書に添付した明細書の段落【0010】に「第3観点の配管連結構造は、第1観点又は第2観点の配管連結構造であって、第1冷媒配管は、第3部に繋がっていて第3部よりテーパ状に広がっている第3拡張部を有する。」と記載され、同段落【0011】に「第4観点の配管連結構造は、第1観点から第3観点のいずれかの配管連結構造であって、第1冷媒配管は熱交換器の伝熱管であり、第1部及び第2部の一部が伝熱フィンを貫通している。」と記載されている。
以上の記載から、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「特許明細書等」という。)に記載された事項の範囲内においてする訂正であるといえる。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項1は、「前記第1冷媒配管は熱交換器(4,6)の伝熱管(100)であり、前記第1部及び前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通し、前記第1冷媒配管は、前記第3部に繋がっていて前記第3部よりテーパ状に広がっている第3拡張部(113)を有し」なる発明特定事項を直列的に追加するものであって、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的
訂正事項2は、訂正前の請求項2が請求項1の記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めた訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとした訂正であるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項2は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとした訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的
訂正事項3は、引用請求項数を削減するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3は、引用請求項数を削減するものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項3は、引用請求項数を削減するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(4)訂正事項4について
ア 訂正の目的
訂正事項4は、訂正前の請求項4が請求項1から3のいずれかの記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めた訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項4は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとした訂正であるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項4は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとした訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(5)訂正事項5について
ア 訂正の目的
訂正事項5は、訂正前の請求項11が請求項1から10のいずれかの記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めた訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項5は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとした訂正であるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項5は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとした訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(6)訂正事項6について
ア 訂正の目的
訂正事項6は、訂正前の請求項12が請求項1から11のいずれかの記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めた訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項6は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとした訂正であるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項6は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとした訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(7)訂正事項7について
ア 訂正の目的
訂正事項7は、訂正前の請求項13が請求項1から12のいずれかの記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めた訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項7は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとした訂正であるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項7は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとした訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(8)訂正事項8について
ア 訂正の目的
訂正事項8は、訂正前の請求項14が請求項1から13のいずれかの記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めた訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とする訂正である。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項8は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとした訂正であるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項8は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとした訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(9)一群の請求項について
訂正前の請求項1~15について、請求項2~15は、請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~15に対応する訂正後の請求項1~15は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
3.まとめ
したがって、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項、第6項に適合するから、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1~15]について訂正することを認める。
第3 訂正後の本件発明
本件訂正により訂正された請求項1~15に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明15」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
【請求項1】
順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、
前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、
を備え、
前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、
前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、
前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、
前記第1冷媒配管は熱交換器(4,6)の伝熱管(100)であり、前記第1部及び前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通し、
前記第1冷媒配管は、前記第3部に繋がっていて前記第3部よりテーパ状に広がっている第3拡張部(113)を有し、
前記第5部と前記第3部とがロウ付けされている、配管連結構造(20)。
【請求項2】
順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、
前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、
を備え、
前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、
前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、
前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、
前記第5部と前記第3部とがロウ付けされ、
前記第2部と前記第4部との第1隙間は、前記第3部と前記第5部との第2隙間よりも大きい、配管連結構造(20)。
【請求項3】
前記第1冷媒配管は、前記第3部に繋がっていて前記第3部よりテーパ状に広がっている第3拡張部(113)を有する、
請求項2に記載の配管連結構造(20)。
【請求項4】
順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、
前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、
を備え、
前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、
前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、
前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、
前記第5部と前記第3部とがロウ付けされ、
前記第1冷媒配管は熱交換器(4,6)の伝熱管(100)であり、前記第1部及び前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通している、配管連結構造(20)。
【請求項5】
前記第2部は前記熱交換器の管板(350)に接している、
請求項4に記載の配管連結構造(20)。
【請求項6】
前記第2部の他部(102b)及び前記第3部は、前記伝熱フィンに接していない、
請求項4または請求項5に記載の配管連結構造(20)。
【請求項7】
前記第3部から前記管板までの管軸方向に沿った距離が前記第3部の管軸方向に沿った長さよりも大きい、
請求項5に記載の配管連結構造(20)。
【請求項8】
前記第3部から前記管板までの管軸方向に沿った距離が前記第3部の外径よりも大きい、
請求項5に記載の配管連結構造(20)。
【請求項9】
前記第2冷媒配管は、前記熱交換器の出口または入口に配置されている、
請求項4から8のいずれか一項に記載の配管連結構造(20)。
【請求項10】
前記第1冷媒配管の肉厚は、前記第2冷媒配管の肉厚よりも薄い、
請求項4から9のいずれか一項に記載の配管連結構造(20)。
【請求項11】
順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、
前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、
を備え、
前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、
前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、
前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、
前記第5部と前記第3部とがロウ付けされ、
前記第3部の内径の前記第2部の内径に対する比率が、前記第2部の内径の前記第1部の内径に対する比率よりも小さい、配管連結構造(20)。
【請求項12】
順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、
前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、
を備え、
前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、
前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、
前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、
前記第5部と前記第3部とがロウ付けされ、
前記第1部は、内径が5mm以下である、配管連結構造(20)。
【請求項13】
順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、
前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、
を備え、
前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、
前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、
前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、
前記第5部と前記第3部とがロウ付けされ、
前記第2部の長さが、前記第4部の長さよりも長い、配管連結構造(20)。
【請求項14】
順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、
前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、
を備え、
前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、
前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、
前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、
前記第5部と前記第3部とがロウ付けされ、
前記第1冷媒配管及び前記第2冷媒配管のうちの少なくとも一方は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる、配管連結構造(20)。
【請求項15】
冷媒が循環する冷媒回路(10)と、
前記冷媒回路に設けられている、請求項1から14のいずれかの配管連結構造と
を備える、冷凍サイクル装置(1)。
第4 決定の予告に記載した取消理由について
当審が決定の予告に記載した取消理由の概要は、次のとおりである。
本件請求項1、3、15に係る特許は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
記
<甲号証>
甲第1号証:特開2008-232201号公報
甲第2号証:特開2008-5898号公報
甲第3号証:特開平10-141804号公報
甲第4号証:特開2011-89710号公報
甲第5号証:国際公開第2013/118762号
甲第6号証:特開2001-116480号公報
甲第7号証:特開2015-140998号公報
甲第8号証:特開2018-115774号公報
(以下、甲第1号証~甲第8号証を「甲1」~「甲8」という。)
理由(進歩性)
請求項1に対して甲1~4
請求項3、15に対して甲1~6
第5 当審の判断
1.甲号証の記載事項
(1)甲1について
ア 甲1の記載事項(下線は、理解の一助のために、当審にて付与した。以下同様。)及び認定事項。
(ア)「【0028】
(第1実施形態)
図1は、空調機器としての室外機1と室内機2とが本発明の第1実施形態に係る配管継手構造100を用いて配管接続された空気調和装置の構成を示す全体図である。室外機1と室内機2とはそれぞれ、室外と室内とに分けて配置されており、連通配管200及び連通配管210を介して接続されている。そして、室内機2による室内の冷房及び暖房を可能とするための冷媒が当該連通配管200・210を通って、室外機1及び室内機2を循環するように構成されている。連通配管200は一端を室外機1から延びる補助配管10に対して接続されており、他端を室内機2から延びる補助配管3に対して接続されている。また、連通配管210は、一端を室外機1から延びる補助配管4に対して接続されており、他端を室内機2から延びる補助配管5に対して接続されている。」
(イ)「【0050】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る配管継手構造について説明する。図4(a)は、第3実施形態に係る配管継手構造を模式的に示す断面図である。第3実施形態に係る配管継手構造は、補助配管20に径変化部が複数形成されている。また、補助配管20の端部の配管径に対応した、ユニオン管継手21が設置されている。その他の部分は第1実施形態に係る配管継手構造100と同様であり、同一部材には同一符号を付し説明を省略する。
【0051】
補助配管20には、第1径変化部20aと第2径変化部20bとを有する。第1径変化部20a及び第2径変化部20bは、室外機1側からユニオン管継手21に向かって、配管の径が拡大するように配管径が変化する部分である。具体的には、第1径変化部20aの前後で、配管内径がD1からD2に変化している。また、第2径変化部20bの前後で配管内径がD2からD3に変化している。そして、補助配管20における配管内径が最大の位置において、ユニオン管継手21が接続されている。
【0052】
図4(a)に示すフレア式の配管接続状態からロウ付け接続状態への変更について説明する。補助配管10に接続する連絡配管の外径に基づいて、補助配管10を切断する位置が決定される。例えば、配管の外径がD1よりも大きくD2以下の連絡配管300を接続する場合は、図4(a)における二点鎖線A1-A1で示す位置で補助配管10を切断することが望ましい。これにより、図4(b)に示すように、補助配管10における内径がD2の部分に連絡配管300の端部を挿入してロウ付けすることが可能となる。
【0053】
一方、接続する連絡配管301の外径がD2よりも大きくD3以下である場合は、図4(a)における二点鎖線A2-A2で示す位置で補助配管10を切断することが望ましい。これにより、図4(c)に示すように、補助配管10における内径がD3の部分に連絡配管301の端部を挿入してロウ付けすることが可能となる。」
(ウ)「
[図:0001417613000001.jpg]
」
(エ)「
[図:0001417613000002.jpg]
」
(オ)「
[図:0001417613000003.jpg]
」
(カ)上記(ア)及び(イ)から、補助配管20及び連絡配管301には、冷媒が流れることが把握される。
(キ)上記(オ)から、補助配管20は、順に並ぶ内径がD1の部分、第1径変化部20a、内径がD2の部分、第2径変化部20b及び内径がD3の部分を有することが看取される。
(ク)上記(オ)から、連絡配管301は、補助配管20における内径がD3の部分に対向する部分を有することが看取される。
(ケ)上記(オ)から、補助配管20の内径について、D2はD1よりも大きく、且つD3はD2よりも大きいことが看取される。
(コ)上記(オ)から、第1径変化部20aは、補助配管20の内径がD1からD2まで徐々に変化する部分であることが看取される。
(サ)上記(オ)から、第2径変化部20bは、補助配管20の内径がD2からD3まで徐々に変化する部分であることが看取される。
(シ)上記(イ)及び(オ)から、連絡配管301のうち補助配管20における内径がD3の部分に対向する部分と、補助配管20のうち内径がD3の部分とがロウ付けされていると認められる。
イ 甲1発明
上記アから、甲1には、以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
<甲1発明>
「順に並ぶ内径がD1の部分、第1径変化部20a、内径がD2の部分、第2径変化部20b及び内径がD3の部分を有し、冷媒が流れる補助配管20と、
補助配管20における内径がD3の部分に端部が挿入されていて、補助配管20における内径がD3の部分に対向する部分を有し、冷媒が流れる連絡配管301と、
を備え、
補助配管20の内径について、D2はD1よりも大きく、且つD3はD2よりも大きく、
第1径変化部20aは、補助配管20の内径がD1からD2まで徐々に変化する部分であり、
第2径変化部20bは、補助配管20の内径がD2からD3まで徐々に変化する部分であり、
連絡配管301のうち補助配管20における内径がD3の部分に対向する部分と、補助配管20のうち内径がD3の部分とがロウ付けされている、配管継手構造。」
(2)甲2~甲4について
ア 甲2の記載事項
甲2には、図面とともに以下の記載がある。
(ア)「【0020】
前記蒸発器54及び凝縮器55は、図2に示す圧縮機56及び絞り弁(特には電子式の絞り弁)57と共にヒートポンプ58を構成するもので、このヒートポンプ58においては、冷媒を通すパイプによって、圧縮機56、凝縮器55、絞り弁57、蒸発器54の順にこれらをサイクル接続しており(冷凍サイクル)、圧縮機56が作動することによって冷媒を循環させるようになっている。ここで、凝縮器55は、加熱用の第1の熱交換器を構成し、蒸発器54は、冷却除湿用の第2の熱交換器を構成する。また、凝縮器55と圧縮機56との間のパイプの接続構造、及び蒸発器54と圧縮機56との間のパイプの接続構造については、後述する。」
(イ) 「【0024】
さて、前記ヒートポンプ58における凝縮器55と圧縮機56とを接続するパイプの接続構造について図1を参照して説明する。凝縮器55は、パイプ80の周りに多数枚の伝熱フィン81を有しているとともに、端部に端板82を有している。そのパイプ80の入口側の端部(圧縮機56と接続される側の端部)は、端板82を貫通して外方へ突出している。パイプ80は、受け側のパイプを構成するものであり、パイプ本体80aの先端部に、当該パイプ本体80aよりも径が大きく形成された拡径部80bを有している。
【0025】
このパイプ80と接続される圧縮機56側のパイプ83は、挿入側のパイプを構成するものであり、そのパイプ本体83aの端部を、拡径部80bに挿入している。そのパイプ本体83aの先端部には、パイプ本体83aよりも径が小さく形成された縮径延長部83bを有していて、その縮径延長部83bを受け側のパイプ80のパイプ本体80aに挿入している。この場合、受け側のパイプ80におけるパイプ本体80aと拡径部80bとの間の段部80cに、挿入側のパイプ83におけるパイプ本体83aと縮径延長部83bとの間の段部83cが内側から当接している。このように受け側のパイプ80に、挿入側のパイプ83を挿入した状態で、その合わせ部をロウ84付けすることにより接続している。
【0026】
ここで、凝縮器55側のパイプ80は、厚さt1が約0.3mmであり、圧縮機56側のパイプ83は、厚さt2が約0.7mmである。そしてこの場合、圧縮機56側のパイプ83における縮径延長部83bの先端部は、凝縮器55の端板82よりも内側(図1において左側)まで挿入されている。
なお、蒸発器54と圧縮機56とを接続するパイプの接続構造についても、図示はしないが、上記した凝縮器55と圧縮機56とを接続する接続構造(図1)と同様な構成としている。」
(ウ)「【0036】
ここで、本実施形態においては、凝縮器55と圧縮機56とを接続するパイプの接続構造は図1に示す構成としている。具体的には、接続対象の両パイプ80,83のうち、受け側のパイプ80の拡径部80bに挿入される挿入側のパイプ83は、その先端部に縮径延長部83bを有しているため、受け側のパイプ80における拡径部80bの基端部部分80dが、その縮径延長部83bにより補強されるようになり、仮に、挿入側のパイプ83に矢印F方向の応力が加わったとしても、拡径部80bの基端部部分80dは破損し難くなる。また、縮径延長部83bが延長された分、受け側のパイプ80と挿入側のパイプ83とが重なる部分が長くなるため、ロウ付けの際にロウ84が挿入側のパイプ83の先端まで回り込み難くなり、ロウによって冷媒の通路が狭くなることを防止でき、ヒートポンプに悪影響を及ぼすことも防止できる。」
(エ)「【図1】
[図:0001417613000004.jpg]
」
イ 甲3の記載事項
甲3には、図面とともに以下の記載がある。
(ア)「【0045】Uベンド32の両端部32a,32aが、スウェージング加工により、フレア状の段形状部32bを伴って縮管形成される。この縮管形成部32a,32aは、熱交換パイプ31の拡管形成部31a,31aとの対応位置よりさらに奥の位置まで挿入される。
【0046】熱交換パイプ31の管軸方向に沿う縮管形成部32a.32aの長さは、熱交換器の側端面となる放熱フィン2とほぼ対応する位置まで達するLaに設定される。熱交換パイプ31の管軸方向に沿う段形状部32b,32bの長さは、熱交換パイプ31の管軸方向に沿う段形状部31b,31bの長さと同じ長さLbに設定される。
【0047】図では、熱交換パイプ31の内周面とUベンド32の外周面との重なり部分に隙間が存するように見えるが、実際には極わずかな隙間を有しているか、或いは接触しており、その重なり部分がロウ付け溶接される。このロウ付け溶接により、熱交換パイプ31に対するUベンド32の接続が完了する。
【0048】このような構成によれば、放熱フィン2から突出した熱交換パイプ31の領域(長さ=K2 +K1 )のほぼ全体に対し、Uベンド32の外周面がぴったりと接した状態になり、そこに二重管構造が生じる。
【0049】この二重管構造により、熱交換パイプ31とUベンド32との接続領域の全体にわたって高い強度および耐久性が得られる。すなわち、冷媒圧力(内圧)に基づく応力をUベンド32の段形状部32b,32bと熱交換パイプ31の段形状部31b,31bとの両方で受容することができ、従来のように熱交換パイプ31の段形状部31b,31bだけに応力が集中する事態を回避することができる。」
(イ)「【図3】
[図:0001417613000005.jpg]
」
ウ 甲4の記載事項
甲4には、図面とともに以下の記載がある。
(ア)「【0040】
(3)室内熱交換器及びその周辺部分の組み立て
次に、冷媒熱交換器としての室内熱交換器4及びその周辺部分の組み立てについて、図3~図9を用いて説明する。ここで、図5は、ヘッダー組立品50を示す図である。図6は、縮径部54aが設けられた第4ヘッダー分流管54と伝熱管42との接続状態を示す断面図である。図7は、縮径部が設けられていない第1~第3ヘッダー分流管51~53と伝熱管42との接続状態を示す断面図である。図8は、キャピラリチューブ61~64及び接続管65~68の伝熱管42への誤接続を防ぐための工夫に関する変形例を示す図である。図9は、分流器組立品60の管束組立品40への支持状態を示す図である。
【0041】
室内熱交換器4及びその周辺部分は、以下のようにして組み立てが行われる。
【0042】
まず、ヘアピン状の複数の伝熱管42を左管板44、複数の伝熱フィン41及び右管板43の順に貫通させる。そして、右管板43から突出した伝熱管42の端部を拡管して、第1~第4ヘッダー分流管51~54、第1~第4接続管65~68及びU字管45を伝熱管42の端部にロウ付けするための拡管部42aを形成する。これにより、伝熱フィン41、伝熱管42、右管板43及び左管板44からなる管束組立品40を準備する。
【0043】
また、ヘッダー管55に第1~第4ヘッダー分流管51~54をロウ付け等によって接続する。これにより、ヘッダー管55及び第1~第4ヘッダー分流管51~54からなるヘッダー組立品50を準備する。」
(イ)「【0047】
また、伝熱管42の拡管部42a内に第1~第4ヘッダー分流管51~54を差し込んで、第1~第4ヘッダー分流管51~54と伝熱管42の拡管部42aとをロウ付けする。これにより、第1~第4ヘッダー分流管51~54を介してヘッダー管55が伝熱管42に接続され、ヘッダー組立品50が管束組立品40に組み付けられる。」
(ウ)「【図6】
[図:0001417613000006.jpg]
」
エ 甲2~甲4に記載された周知技術
上記ア~ウから、以下の技術的事項は、周知技術(以下「甲2~甲4に記載された周知技術」という。)であると認められる。
<甲2~甲4に記載された周知技術>
「冷媒が流れる配管の接続構造であって、
順に並ぶ小径部、拡径部及び大径部を有する一方の配管と、
一方の配管に挿入されていて、一方の配管の小径部に対向する小径部及び一方の配管の大径部に対向する大径部を有するとともに小径部と大径部の間に拡径部を有する他方の配管と、
を備え、
他方の配管の拡径部は、小径部の外径から大径部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、
他方の配管の拡径部は、一方の配管の拡径部に接し、
他方の配管の大径部の外径は他方の配管の小径部の外径よりも大きい、配管の接続構造。」
(3)甲5及び甲6について
ア 甲5の記載事項
甲5には、図面とともに以下の記載がある。
(ア)「[0023] ディストリビュータ8は、冷媒配管を介して送られてくる冷媒を複数のサーキットに分けられている伝熱管2毎に分岐して供給するためのものであり、またヘッダ6は、各サーキットの伝熱管2群を流通した冷媒を合流して冷媒配管側に送り出すためのものである。枝管7は、ヘッダ6と、所定の伝熱管2との間を接続するためのもので、伝熱管2よりも肉厚の管により構成されており、伝熱管2の端部に設けられた拡管部2Aに内挿され、冷媒漏れが発生しないように全周ろう付けにより接続されている。また、詳細は図示されていないが、ディストリビュータ8と所定の伝熱管2との間を接続する枝管9も、伝熱管2よりも肉厚の管により構成され、枝管7と同様に、伝熱管2の端部に設けられた拡管部2Aに内挿されて冷媒漏れが発生しないように全周ろう付けにより接続されるようになっている。なお、ろう材が廻り込む範囲は拡管部2Aとなる。」
(イ)「[図2]
[図:0001417613000007.jpg]
」
イ 甲6の記載事項
甲6には、図面とともに以下の記載がある。
(ア)「【0007】
【発明の実施の形態】次に、図面に基づいて本発明の実施の形態につき説明する。図1は、本発明の熱交換器の要部縦断面図であり、図2はその部分拡大図である。また、図3は同熱交換器の複数の直線チューブ4とUベンドチューブ5との接続状態を示す略図である。この熱交換器は、並列された多数のプレートフィン3と、そのプレートフィン3のチューブ挿通孔1に挿通された多数の直線チューブ4とを有する。プレートフィン3は夫々多数のチューブ挿通孔1が形成されると共に、夫々のチューブ挿通孔1の孔縁部が短い筒状に一体的に形成されたバーリング加工部2を有する。そして、夫々整合するプレートフィン3は、バーリング加工部2の高さに互いに離間して並列されている。このような多数のプレートフィン3のチューブ挿通孔1に、夫々軸線が直線状で薄肉の多数の直線チューブ4が圧入される。このとき、直線チューブ4の両端までプレートフィン3が存在する。この直線チューブ4の肉厚は一例として0.2mmとすることができる。
【0008】次いで、図4(A)に示す如く、直線チューブ4内に拡管治具7を挿通し、直線チューブ4を拡開して、その外周をプレートフィン3のバーリング加工部2に圧着固定する。それにより、直線チューブ4とプレートフィン3とは伝熱的に接合される。次いで図4(B)に示す如く、直線チューブ4の両端開口部に口拡治具8を圧入する。そして、直線チューブ4の両端開口部のみを拡管する。このとき、直線チューブ4の両端外周を被覆するプレートフィン3のバーリング加工部2も拡開される。次いで図1および図2に示す如く、直線チューブ4よりも肉厚のUベンドチューブ5の端部が直線チューブ4の口拡部6に挿入される。そしてその挿入部がろう材10によりろう付け固定される。このときUベンドチューブ5の板厚は0.3mm以上のものを選択することができる。またプレートフィン3の板厚は0.1mm程のアルミニューム板を用いることができる。その結果、直線チューブ4の外周は、プレートフィン3の板厚分だけバーリング加工部2により被覆されて、耐圧強度が増す。しかも口拡部6自体もその耐圧強度を有する。」
(イ)図2「
[図:0001417613000008.jpg]
」
(ウ)図4「
[図:0001417613000009.jpg]
」
ウ 甲5及び甲6に記載された周知技術
上記ア及びイから、以下の技術的事項は、周知技術(以下「甲5及び甲6に記載された周知技術」という。)であると認められる。
<甲5及び甲6に記載された周知技術>
「一方の配管を他方の配管に挿入してろう付けにより接続する際に、他方の配管の端部のうち一方の配管側の端部をテーパ状に広げること。」
エ 甲6に記載された技術
上記イから、甲6には、以下の技術(以下「甲6に記載された技術」という。)が記載されていると認められる。
<甲6に記載された技術>
「熱交換器の直線チューブ4の口拡部6以外の部分及び口拡部6がプレートフィン3を貫通すること。」
(4)甲7、8について
ア 甲7の記載事項
(ア)「【0019】
上記室内熱交換器2は、熱交換部3と、この熱交換部3を貫通する複数の伝熱管4,4,…とを有する。この熱交換部3および各伝熱管4は、それぞれ、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されている。」
イ 甲8の記載事項
(ア)「【0029】
図2に示すように、室内熱交換器3は、複数のフィン7と、複数の伝熱管8とを備えている。各フィン7は、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。また、各伝熱管8も、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。各フィン7は、所定の間隔を空けて積層配置されている。各伝熱管8は、これらのフィン7を貫通して設けられている。」
ウ 甲7及び甲8に記載された周知技術
上記ア及びイから、以下の技術的事項は、周知技術(以下「甲7及び甲8に記載された周知技術」という。)であると認められる。
<甲7及び甲8に記載された周知技術>
「熱交換器の伝熱管をアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成すること。」
2.当審の判断
(1)本件発明1
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「内径がD1の部分」、「第1径変化部20a」、「内径がD2の部分」、「第2径変化部20b」、「内径がD3の部分」、「冷媒が流れる補助配管20」は、それぞれ、本件発明1の「第1部」、「第1拡張部」、「第2部」、「第2拡張部」、「第3部」、「第1冷媒配管」に相当する。
そうすると、甲1発明の「順に並ぶ内径がD1の部分、第1径変化部20a、内径がD2の部分、第2径変化部20b及び内径がD3の部分を有し、冷媒が流れる補助配管20」を備えることは、本件発明1の「順に並ぶ第1部、第1拡張部、第2部、第2拡張部及び第3部を有する第1冷媒配管」を備えることに相当する。
甲1発明の「冷媒が流れる連絡配管301」は、本件発明1の「第2冷媒配管」に相当する。甲1発明の「補助配管20における内径がD3の部分に端部が挿入されてい」ることは、本件発明1の「前記第1冷媒配管に挿入されてい」ることに相当する。甲1発明の「補助配管20における内径がD3の部分に対向する部分を有」することは、本件発明1の「前記第3部に対向する第5部を有する」ことに相当する。
そうすると、甲1発明の「補助配管20における内径がD3の部分に端部が挿入されていて、補助配管20における内径がD3の部分に対向する部分を有し、冷媒が流れる連絡配管301」を備えることと、本件発明1の「前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部及び前記第3部に対向する第5部を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部を有する第2冷媒配管」を備えることとは、「前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第3部に対向する第5部を有する第2冷媒配管」を備えることの限りにおいて一致する。
甲1発明の「補助配管20の内径について、D2はD1よりも大きく、且つD3はD2よりも大き」いことは、本件発明1の「前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大き」いことに相当する。
甲1発明の「第1径変化部20aは、補助配管20の内径がD1からD2まで徐々に変化する部分であ」ることは、本件発明1の「前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であ」ることに相当する。
甲1発明の「第2径変化部20bは、補助配管20の内径がD2からD3まで徐々に変化する部分であ」ることは、本件発明1の「前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であ」ることに相当する。
甲1発明の「連絡配管301のうち補助配管20における内径がD3の部分に対向する部分と、補助配管20のうち内径がD3の部分とがロウ付けされている」ことは、本件発明1の「前記第5部と前記第3部とがロウ付けされている」ことに相当する。
甲1発明の「配管継手構造」は、本件発明1の「配管連結構造」に相当する。
以上より、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「順に並ぶ第1部、第1拡張部、第2部、第2拡張部及び第3部を有する第1冷媒配管と、
前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第3部に対向する第5部を有する第2冷媒配管と、
を備え、
前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、
前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第5部と前記第3部とがロウ付けされている、配管連結構造。」
<相違点1>
「第2冷媒配管」に関して、
本件発明1は、「前記第2部に対向する第4部」を有するとともに「前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部」を有するものであり、「前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大き」いという構成を有するものであるのに対して、
甲1発明は、当該構成を有していない点。
<相違点2>
本件発明1は、「前記第1冷媒配管は熱交換器(4,6)の伝熱管(100)であり、前記第1部及び前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通」するのに対し、
甲1発明は、当該構成を有していない点。
<相違点3>
本件発明1は、「前記第1冷媒配管は、前記第3部に繋がっていて前記第3部よりテーパ状に広がっている第3拡張部(113)を有」するのに対し、
甲1発明は、当該構成を有していない点。
イ 判断
相違点1について検討する。
甲2~甲4に記載された周知技術における「他方の配管」は、「一方の配管に挿入されてい」るものであり、「一方の配管の小径部に対向する小径部」を有するとともに「小径部と大径部の間に拡径部」を有するものであり、「他方の配管の拡径部は、小径部の外径から大径部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、他方の配管の拡径部は、一方の配管の拡径部に接し、他方の配管の大径部の外径は他方の配管の小径部の外径よりも大きい」という構成を有するものであるから、相違点1に係る本件特許発明1の「第2冷媒配管」と同一の構成を有するものであるといえる。
そして、上記第4の1(2)ア(ウ)(甲2の段落【0036】)及びイ(ア)(甲3の段落【0049】)に記載されているとおり、他方の配管のうち一方の配管に挿入される部分の長さを長くする、すなわち、二重管構造になる部分を増やすと、当該配管の接続構造の強度が向上することは、当業者にとって技術的に明らかである。
甲1発明と甲2~甲4に記載された周知技術とは、冷媒が流れる配管の接続構造という技術分野に属するものである点で共通する。また、単なる冷媒が流れる配管の接続構造という技術分野において、配管自体の肉厚を増加させることなく当該接続構造の強度を向上させるという課題は、当該技術分野に共通する課題ということができるから、甲1発明に対して甲2~甲4に記載された周知技術を適用する動機付けが存在する。
そうすると、甲1発明において、甲2~甲4に記載された周知技術を適用し、相違点に係る本件特許発明1の「第2冷媒配管」の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
次に、相違点2について検討する。
甲1に記載された補助配管20及び連絡配管30は、甲1の段落【0002】~【0007】に記載されたように、空調機における室内機と室外機との間を接続する冷媒配管の配管継手構造において、「ロウ付けによる接続に変更する場合は、フレア式の継手部分が設置された配管先端部近傍を切断した後、切断部分に他の配管を挿入できるように、切断した配管の先端を加工(例えば、配管の拡管加工)することが必要となる。そのため、据付作業に多くの時間を要する」ために、「空調用の室内機と室外機との間を、連絡配管により接続するための配管継手構造であって、フレア式の配管接続が可能であるとともに、ロウ付け接続に容易に変更することが可能な配管継手構造を提供する」という、空調機における室内機と室外機との間を接続する冷媒配管の配管継手構造に特有の課題を解決する手段として、甲1発明に係る構造を備えるものである。
そして、甲1発明の補助配管20及び連絡配管30からなる、空調機における室内機と室外機との間を接続する冷媒配管の配管継手構造に特有の課題を解決するための配管継手構造を、熱交換器の伝熱管と冷媒配管との接続構造に適用することについては、甲1~8のいずれにも、記載も示唆もない。
なお、甲6に記載された技術は、「熱交換器の直線チューブ4の口拡部6以外の部分及び口拡部6がプレートフィン3を貫通すること。」であるが、仮に、甲1発明と甲6に記載された技術とを組み合わせる何らかの動機付けが存在したとしても、甲1発明から相違点1及び2に係る事項に想到するには、上記相違点1において容易とされた、甲2~甲4に記載された周知技術を適用した甲1発明において、さらに重畳して甲6に記載された技術を適用することとなり、当業者にとって容易であったとはいえない。
したがって、本件発明1は、相違点3について検討するまでもなく、甲1発明と、甲2~甲4に記載された周知技術と、甲5及び甲6に記載された周知技術と、甲6に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
(2)本件発明3
本件訂正により、訂正後の請求項3は、請求項1を引用しないものとなったから、決定の予告における訂正前の請求項3に係る取消理由は解消された。
(3)本件発明15
本件発明1は、(1)のとおり、当業者が容易に発明をすることができたものということはできないから、本件発明1の発明特定事項をすべて含む、訂正後の請求項1を引用する請求項15に係る特許も、本件発明1と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
第6 決定の予告で採用しなかった特許異議申立理由について
1.申立ての理由の概要
申立人は、甲1~8を提出し、申立ての理由について概ね以下の主張をする。
(1)甲1を主たる引用文献とした申立ての理由
本件発明1、9、11、12は、甲1に記載された発明及び甲2~4に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、本件発明14は、甲1に記載された発明並びに甲2~4に記載された周知技術、甲7、8に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(2)甲2を主たる引用文献とした申立ての理由
本件発明1、4~13、15は、甲2に記載された発明及び甲1に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、本件発明2は、甲2に記載された発明及び甲1、3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、本件発明3は、甲2に記載された発明並びに甲1に記載された事項、甲5、6に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、本件発明14は、甲2に記載された発明並びに甲1に記載された事項、甲7、8に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
2.甲1~8の記載事項
(1)甲1について
甲1の記載事項、甲1発明については、第5の1.(1)を参照。
(2)甲2~4について
ア 甲2~4の記載事項
甲2~4の記載事項については、第5の1.(2)ア~ウを参照。
イ 甲2発明
上記アから、甲2には、以下の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
<甲2発明>
「順に並ぶパイプ本体80a、段部80c及び拡径部80bを有する受け側のパイプ80と、
前記受け側のパイプ80に挿入されていて、前記パイプ本体80aに対向する縮径延長部83b及び前記拡径部80bに対向するパイプ本体83aを有するとともに前記縮径延長部83bと前記パイプ本体83aの間に段部83cを有する挿入側のパイプ83と、
を備え、
前記拡径部80bの内径は前記パイプ本体80aの内径よりも大きく、
前記段部80cは、前記パイプ本体80aの内径から前記拡径部80bの内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記段部83cは、前記縮径延長部83bの外径から前記パイプ本体83aの外径まで徐々に外径が変化する部分であり、
前記パイプ本体83aの外径は前記縮径延長部83bの外径よりも大きく、
前記受け側のパイプ80は加熱用の第1の熱交換器を構成する凝縮器55のパイプ80であり、前記パイプ本体80aの一部(102a)が伝熱フィン81を貫通し、
前記パイプ本体83aと前記拡径部80bとがロウ84付けされている、パイプの接続構造。」
ウ 甲2~甲4に記載された周知技術
甲2~甲4に記載された周知技術については、第5の1.(2)エを参照。
(3)甲5、6について
甲5、6の記載事項、甲5及び甲6に記載された周知技術、甲6に記載された技術については、第5の1.(3)を参照。
(4)甲7、8について
甲7、8の記載事項、甲7及び甲8に記載された周知技術については、第5の1.(4)を参照。
3.当審の判断
(1)甲1を主たる引用文献とした申立ての理由で決定の予告に採用しなかった理由
ア 本件発明9
第5の2.(1)アにおける対比を踏まえつつ、請求項4を引用する請求項9に係る発明(以下、「本件発明9A」という。)と甲1発明とを対比すると、両者は、少なくとも次の点で相違する。
<相違点4>
「第2冷媒配管」に関して、
本件発明9Aは、「前記第2部に対向する第4部」を有するとともに「前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部」を有するものであり、「前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大き」いという構成を有するものであるのに対して、
甲1発明は、当該構成を有していない点。
<相違点5>
本件発明9Aは、「前記第1冷媒配管は熱交換器(4,6)の伝熱管(100)であり、前記第1部及び前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通」するのに対し、
甲1発明は、当該構成を有していない点。
<相違点6>
本件発明9Aは、「前記第2冷媒配管は、前記熱交換器の出口または入口に配置されている」のに対し、
甲1発明は、当該構成を有していない点。
相違点について検討する。
相違点4、5は、それぞれ、相違点1、2と同じであるから、本件発明9Aについては、上記第5の2.(1)イにおける検討のとおり、甲1発明と、甲2~甲4に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたとはいえない。
また、請求項5~8はいずれも請求項4を引用するから、請求項5~8を引用する請求項9も請求項4を引用する。
そうすると、請求項5~8を引用する請求項9に係る発明も、本件発明9Aにおける検討のとおり、甲1発明と、甲2~甲4に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に想到できたとはいえない。
したがって、本件発明9は、甲1発明と、甲2~甲4に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
イ 本件発明11
第5の2.(1)アにおける対比を踏まえつつ、本件発明11と甲1発明とを対比すると、両者は、少なくとも次の点で相違する。
<相違点7>
「第2冷媒配管」に関して、
本件発明11は、「前記第2部に対向する第4部」を有するとともに「前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部」を有するものであり、「前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大き」いという構成を有するものであるのに対して、
甲1発明は、当該構成を有していない点。
<相違点8>
本件発明11は、「前記第3部の内径の前記第2部の内径に対する比率が、前記第2部の内径の前記第1部の内径に対する比率よりも小さい」のに対し、
甲1発明は、当該構成を有していない点。
事情に鑑み、先ず相違点8について検討する。
甲1の図4(c)には、内径D1~D3が看て取れるものの、甲1の図4(c)は現実の設計図等ではなく、実物の内径D1~D3どおりの寸法で記載されているとは認められないから、内径D3の内径D2に対する比率と、内径D2の内径D1に対する比率との大小関係を図4(c)から認定することはできない。
また、「前記第3部の内径の前記第2部の内径に対する比率が、前記第2部の内径の前記第1部の内径に対する比率よりも小さい」ことについては、甲1~8のいずれにも、記載も示唆もされていない。
したがって、相違点7について検討するまでもなく、本件発明11は、甲1発明及び甲2~4に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
ウ 本件発明12
第5の2.(1)アにおける対比を踏まえつつ、本件発明12と甲1発明とを対比すると、両者は、少なくとも次の点で相違する。
<相違点9>
「第2冷媒配管」に関して、
本件発明12は、「前記第2部に対向する第4部」を有するとともに「前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部」を有するものであり、「前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大き」いという構成を有するものであるのに対して、
甲1発明は、当該構成を有していない点。
<相違点10>
本件発明12は、「前記第1部は、内径が5mm以下である」のに対し、
甲1発明は、当該構成を有していない点。
事情に鑑み、先ず相違点10について検討する。
「前記第1部は、内径が5mm以下である」ことについては、甲1~8のいずれにも、記載も示唆もされていない。
したがって、相違点9について検討するまでもなく、本件発明12は、甲1発明及び甲2~4に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
エ 本件発明14
第5の2.(1)アにおける対比を踏まえつつ、本件発明14と甲1発明とを対比すると、両者は、少なくとも次の点で相違する。
<相違点11>
「第2冷媒配管」に関して、
本件発明14は、「前記第2部に対向する第4部」を有するとともに「前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部」を有するものであり、「前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接し、前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大き」いという構成を有するものであるのに対して、
甲1発明は、当該構成を有していない点。
<相違点12>
本件発明14は、「前記第1冷媒配管及び前記第2冷媒配管のうちの少なくとも一方は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる」のに対し、
甲1発明は、当該構成を有していない点。
事情に鑑み、先ず相違点12について検討する。
当該相違点12に係る発明特定事項について、本件特許の明細書の段落【0079】には、「伝熱管100がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる場合、軽いアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用しながら、互いに対向する第2部102と第4部204及び第3部103と第5部205によって柔らかいアルミニウムまたはアルミニウム合金の強度を補強することができ、破損し難くなる。同様に、接続管200がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる場合、軽いアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用しながら、互いに対向する第2部102と第4部204及び第3部103と第5部205によって柔らかいアルミニウムまたはアルミニウム合金の強度を補強することができ、破損し難くなる。」と記載されている。
そして、甲1~8のいずれにも、上記段落【0079】記載の、「第1部」~「第5部」からなる配管連結構造と、相違点12に係る「前記第1冷媒配管及び前記第2冷媒配管のうちの少なくとも一方は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる」事項との組合せにより奏される効果について、記載も示唆もされておらず、当該効果は、当業者が想到し得ない顕著な効果であると認められる。
よって、甲7及び甲8に記載された周知技術のとおり、熱交換器の伝熱管をアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成することが周知であるとしても、本件発明14は、上記顕著な効果が認められるから、相違点11について検討するまでもなく、本件発明14は、甲1発明並びに甲2~4に記載された周知技術、甲7、8に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
(2)甲2を主たる引用文献とした申立ての理由
ア 本件発明1
(ア)対比
本件発明1と甲2発明とを対比する。
甲2発明の「パイプ本体80a」、「段部80c」、「拡径部80b」、「受け側のパイプ80」は、それぞれ、本件発明1の「第2部」、「第2拡張部」、「第3部」、「第1冷媒配管」に相当する。
そうすると、甲2発明の「順に並ぶパイプ本体80a、段部80c及び拡径部80bを有する受け側のパイプ80」と、本件発明1の「順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)」とは、「順に並ぶ第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)」の限りにおいて一致する。
甲2発明の「縮径延長部83b」、「パイプ本体83a」、「段部83c」、「挿入側のパイプ83」は、それぞれ、本件発明1の「第4部」、「第5部」、「第4拡張部」、「第2冷媒配管」に相当する。
そうすると、甲2発明の「前記受け側のパイプ80に挿入されていて、前記パイプ本体80aに対向する縮径延長部83b及び前記拡径部80bに対向するパイプ本体83aを有するとともに前記縮径延長部83bと前記パイプ本体83aの間に段部83cを有する挿入側のパイプ83」は、本件発明1の「前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有する とともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)」に相当する。
甲2発明の「前記拡径部80bの内径は前記パイプ本体80aの内径よりも大き」いことと、本件発明1の「前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく、且つ前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大き」いことは、「前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大き」いことの限りにおいて一致する。
甲2発明の「前記段部80cは、前記パイプ本体80aの内径から前記拡径部80bの内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記段部83cは、前記縮径延長部83bの外径から前記パイプ本体83aの外径まで徐々に外径が変化する部分であ」ることは、本件発明1の「前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であ」ることに相当する。
甲2発明の「前記パイプ本体83aの外径は前記縮径延長部83bの外径よりも大き」いことは、本件発明1の「前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大き」いことに相当する。
甲2発明の「加熱用の第1の熱交換器を構成する凝縮器55」、「伝熱フィン81」は、それぞれ、本件発明1の「熱交換器」、「伝熱フィン」に相当する。
また、甲2発明の凝縮器55の「パイプ80」は、「前記パイプ本体80aの一部(102a)が伝熱フィン81を貫通」するものであり、凝縮器55の伝熱管として機能していることが自明であるから、本件発明1の「伝熱管」に相当する。
そうすると、甲2発明の「前記受け側のパイプ80は加熱用の第1の熱交換器を構成する凝縮器55のパイプ80であり、前記パイプ本体80aの一部(102a)が伝熱フィン81を貫通」することと、本件発明1の「前記第1冷媒配管は熱交換器(4,6)の伝熱管(100)であり、前記第1部及び前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通」することとは、「前記第1冷媒配管は熱交換器(4,6)の伝熱管(100)であり、前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通」することの限りにおいて一致する。
甲2発明の「前記パイプ本体83aと前記拡径部80bとがロウ84付けされている」ことは、本件発明1の「前記第5部と前記第3部とがロウ付けされている」ことに相当する。
甲2発明の「パイプの接続構造」は、本件発明1の「配管連結構造」に相当する。
以上より、本件発明1と甲2発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点2>
「順に並ぶ第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、
前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、
を備え、
前記第3部の内径は前記第2部の内径よりも大きく、
前記第2拡張部は、前記第2部の内径から前記第3部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり、
前記第4拡張部は、前記第4部の外径から前記第5部の外径まで徐々に外径が変化する部分であり、
前記第5部の外径は前記第4部の外径よりも大きく、
前記第1冷媒配管は熱交換器(4,6)の伝熱管(100)であり、前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通し、
前記第5部と前記第3部とがロウ付けされている、配管連結構造(20)。」
<相違点13>
「第1冷媒配管」に関して、
本件発明1は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を有するものであり、「前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく」、「前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり」、「前記第1部及び前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通」するという構成を有するものであるのに対して、
甲2発明は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を備えず、前記パイプ本体80aの一部(102a)が伝熱フィン81を貫通する点。
<相違点14>
本件発明1は、「前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接」するのに対し、
甲2発明は、段部83cが段部80cに接するか不明な点。
<相違点15>
本件発明1は、「前記第1冷媒配管は、前記第3部に繋がっていて前記第3部よりテーパ状に広がっている第3拡張部(113)を有」するのに対し、
甲2発明は、当該構成を有していない点。
(イ)判断
相違点13について検討する。
既に述べたとおり、甲1に記載された補助配管20及び連絡配管30は、空調機における室内機と室外機との間を接続する冷媒配管の配管継手構造に特有の課題を解決するための配管継手構造を備えるものである。
そして、甲1に記載された補助配管20及び連絡配管30からなる、空調機における室内機と室外機との間を接続する冷媒配管の配管継手構造に特有の課題を解決するための配管継手構造を、加熱用の第1の熱交換器を構成する凝縮器55のパイプの接続構造である甲2発明に適用することについて、甲1~8のいずれにも、記載も示唆もない。
なお、甲6に記載された技術は、「熱交換器の直線チューブ4の口拡部6以外の部分及び口拡部6がプレートフィン3を貫通すること。」であるが、仮に、甲1に記載された補助配管20及び連絡配管30からなる配管継手構造を、甲2発明に適用する何らかの動機付けが存在したとしても、甲2発明から相違点1に係る事項に想到するには、甲1に記載された補助配管20及び連絡配管30からなる配管継手構造を適用した甲2発明に対して、さらに重畳して甲6に記載された技術を適用することとなり、当業者にとって容易であったとはいえない。
したがって、本件発明1は、相違点14、15について検討するまでもなく、甲2発明と、甲1に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
イ 本件発明2、3
上記ア(ア)の対比を踏まえつつ、本件発明2と甲2発明とを対比すると、両者は、少なくとも次の点で相違する。
<相違点16>
「第1冷媒配管」に関して、
本件発明2は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を有するものであり、「前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく」、「前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であ」るという構成を有するものであるのに対して、
甲2発明は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を備えない点。
<相違点17>
本件発明2は、「前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接」するのに対し、
甲2発明は、段部83cが段部80cに接するか不明な点。
<相違点18>
本件発明2は、「前記第2部と前記第4部との第1隙間は、前記第3部と前記第5部との第2隙間よりも大きい」のに対し、
甲2発明は、当該構成を有していない点。
事情に鑑み、先ず相違点18について検討する。
甲3の図3には、熱交換パイプ31と縮管形成部32aとの間、拡管形成部31aとUベンド32との間に、それぞれ隙間が形成されていることが看て取れるものの、甲3の図3は現実の設計図等ではなく、実物の隙間どおりの寸法で記載されているとは認められないから、当該2つの隙間の大小関係を図3から認定することはできない。
また、「前記第2部と前記第4部との第1隙間は、前記第3部と前記第5部との第2隙間よりも大きい」ことについては、甲1~8のいずれにも、記載も示唆もされていない。
したがって、本件発明2は、相違点16、17について検討するまでもなく、甲2発明及び甲1、3に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
また、請求項2を引用する本件発明3も、同様に、甲2発明及び甲1、3に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
ウ 本件発明4~10
上記ア(ア)の対比を踏まえつつ、本件発明4と甲2発明とを対比すると、両者は、少なくとも次の点で相違する。
<相違点19>
「第1冷媒配管」に関して、
本件発明4は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を有するものであり、「前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく」、「前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であり」、「前記第1部及び前記第2部の一部(102a)が伝熱フィン(300)を貫通」するという構成を有するものであるのに対して、
甲2発明は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を備えず、前記パイプ本体80aの一部(102a)が伝熱フィン81を貫通する点。
<相違点20>
本件発明4は、「前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接」するのに対し、
甲2発明は、段部83cが段部80cに接するか不明な点。
相違点について検討する。
相違点19は、相違点13と同じであるから、本件発明4については、上記ア(イ)における検討のとおり、甲2発明と、甲1に記載された事項に基いて、当業者が容易に想到できたとはいえない。
したがって、本件発明4は、相違点20について検討するまでもなく、甲2発明と、甲1に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
また、請求項4を引用する本件発明5~10も、同様に、甲2発明と、甲1に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
エ 本件発明11
上記ア(ア)の対比を踏まえつつ、本件発明11と甲2発明とを対比すると、両者は、少なくとも次の点で相違する。
<相違点21>
「第1冷媒配管」に関して、
本件発明11は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を有するものであり、「前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく」、「前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であ」るという構成を有するものであるのに対して、
甲2発明は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を備えない点。
<相違点22>
本件発明11は、「前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接」するのに対し、
甲2発明は、段部83cが段部80cに接するか不明な点。
<相違点23>
本件発明11は、「前記第3部の内径の前記第2部の内径に対する比率が、前記第2部の内径の前記第1部の内径に対する比率よりも小さい」のに対し、
甲2発明は、当該構成を有していない点。
事情に鑑み、先ず相違点23について検討する。
上記(1)イにおける検討のとおり、「前記第3部の内径の前記第2部の内径に対する比率が、前記第2部の内径の前記第1部の内径に対する比率よりも小さい」ことについては、甲1~8のいずれにも、記載も示唆もされていない。
したがって、本件発明11は、相違点21、22について検討するまでもなく、甲2発明及び甲1に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
オ 本件発明12
上記ア(ア)の対比を踏まえつつ、本件発明12と甲2発明とを対比すると、両者は、少なくとも次の点で相違する。
<相違点24>
「第1冷媒配管」に関して、
本件発明12は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を有するものであり、「前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく」、「前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であ」るという構成を有するものであるのに対して、
甲2発明は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を備えない点。
<相違点25>
本件発明12は、「前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接」するのに対し、
甲2発明は、段部83cが段部80cに接するか不明な点。
<相違点26>
本件発明12は、「前記第1部は、内径が5mm以下である」のに対し、
甲2発明は、当該構成を有していない点。
事情に鑑み、先ず相違点26について検討する。
「前記第1部は、内径が5mm以下である」ことについては、甲1~8のいずれにも、記載も示唆もされていない。
したがって、本件発明12は、相違点24、25について検討するまでもなく、甲2発明及び甲1に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
カ 本件発明13
上記ア(ア)の対比を踏まえつつ、本件発明13と甲2発明とを対比すると、両者は、少なくとも次の点で相違する。
<相違点27>
「第1冷媒配管」に関して、
本件発明13は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を有するものであり、「前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく」、「前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であ」るという構成を有するものであるのに対して、
甲2発明は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を備えない点。
<相違点28>
本件発明13は、「前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接」するのに対し、
甲2発明は、段部83cが段部80cに接するか不明な点。
<相違点29>
本件発明13は、「前記第2部の長さが、前記第4部の長さよりも長い」のに対し、
甲2発明は、当該構成を有していない点。
事情に鑑み、先ず相違点29について検討する。
「順に並ぶ第1部(101)、第1拡張部(111)、第2部(102)、第2拡張部(112)及び第3部(103)を有する第1冷媒配管(100)と、前記第1冷媒配管に挿入されていて、前記第2部に対向する第4部(204)及び前記第3部に対向する第5部(205)を有するとともに前記第4部と前記第5部の間に第4拡張部(214)を有する第2冷媒配管(200)と、を備え」るものにおいて、「前記第2部の長さが、前記第4部の長さよりも長い」ことについては、甲1~8のいずれにも、記載も示唆もされていない。
したがって、本件発明13は、相違点27、28について検討するまでもなく、甲2発明及び甲1に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
キ 本件発明14
上記ア(ア)の対比を踏まえつつ、本件発明14と甲2発明とを対比すると、両者は、少なくとも次の点で相違する。
<相違点30>
「第1冷媒配管」に関して、
本件発明14は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を有するものであり、「前記第2部の内径は前記第1部の内径よりも大きく」、「前記第1拡張部は、前記第1部の内径から前記第2部の内径まで徐々に内径が変化する部分であ」るという構成を有するものであるのに対して、
甲2発明は、「第1部(101)、第1拡張部(111)」を備えない点。
<相違点31>
本件発明14は、「前記第4拡張部は、前記第2拡張部に接」するのに対し、
甲2発明は、段部83cが段部80cに接するか不明な点。
<相違点32>
本件発明14は、「前記第1冷媒配管及び前記第2冷媒配管のうちの少なくとも一方は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる」のに対し、
甲2発明は、当該構成を有していない点。
事情に鑑み、先ず相違点32について検討する。
上記(1)エにおける検討のとおり、本件発明14は、本件特許の明細書の段落【0079】記載の、「第1部」~「第5部」からなる配管連結構造と、相違点32に係る「前記第1冷媒配管及び前記第2冷媒配管のうちの少なくとも一方は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる」事項との組合せにより奏される顕著な効果が認められるから、本件発明14は、相違点30、31について検討するまでもなく、甲2発明並びに甲1に記載された技術、甲7、8に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
ク 本件発明15
請求項15は、請求項1~14を引用するから、本件発明1~14における検討のとおり、本件発明15は、甲2発明及び甲1に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
第7 結び
以上のとおりであるから、決定の予告に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1~15に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2023-700748