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特許異議申立

2023-700744

タルク粒子及びその使用

審判番号
2023-700744
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-530420
登録番号
7207849
請求日
2023年07月18日
審決日
2023年10月17日
公報発行日
2023年11月24日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】イメリス タルク ユーロープ
  • 【権利者代理人】田中 伸一郎
  • 【権利者代理人】▲吉▼田 和彦
  • 【権利者代理人】須田 洋之
  • 【権利者代理人】山崎 一夫
  • 【権利者代理人】市川 さつき
  • 【権利者代理人】服部 博信
  • 【権利者代理人】松田 七重
  • 【権利者代理人】藤代 昌彦
  • 【異議申立人】イミファビ ソシエタ ペル アツィオーニ
  • 【異議申立人代理人】弁理士法人ドライト国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 三崎 仁
  • 審判官 金 公彦
  • 審判官 松井 裕典
分類
P1651.121-Y (C01B) / P1651.537-Y (C01B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7207849号発明「タルク粒子及びその使用」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7207849号の請求項1~15に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7207849号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~15に係る特許についての出願は、2015年(平成27年)8月25日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2014年9月1日 (EP)欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、令和5年1月10日にその特許権の設定登録がされ、同年同月18日に特許掲載公報が発行され、その後、同年7月18日に、請求項1~15に係る特許について、特許異議申立人 イミファビ ソシエタ ペル アツィオーニ(以下、「申立人」という。)により、甲第1~13号証を証拠方法として特許異議の申立てがなされたものである。 第2 本件発明 本件特許の請求項1~15に係る発明は、それぞれ、特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明15」といい、これらを総称して「本件発明」ということがある。)。 「【請求項1】 0.5~5.0μmのd50及び80以上の形状係数を有し、500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む、タルク粒子。 【請求項2】 250ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む、請求項1に記載のタルク粒子。 【請求項3】 30.0以上の峻度を有するか、若しくは2.8~45.0のラメラリティーインデックスを有する、又は 90以上の形状係数を有する、又は 5.0~15.0μmのd95を有する、 請求項1~2のいずれか1項に記載のタルク粒子。 【請求項4】 10m2/g~20m2/gの比表面積(BET)を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のタルク粒子。 【請求項5】 表面処理剤で表面処理されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のタルク粒子。 【請求項6】 0.5~5.0μmのd50及び80以上の形状係数を有し、かつ500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含むタルク粒子の調製方法であって、下記工程、 (a)5.0μmより大きいd50を有する初期粒径を有する相対的に粗いタルク粒子の液体懸濁液をデラミネーションして、前記初期粒径より小さい粒径を有するタルク粒子を得る工程、 (b)前記懸濁液を処理して、15.0μmより大きいd95を有する粒子を減らすか又は排除する工程、及び (c)前記懸濁液を少なくとも部分的に乾燥させ、それによって0.5~5.0μmのd50及び80以上の形状係数を有し、かつ500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含むタルク粒子を得る工程、 を含む、前記方法。 【請求項7】 前記懸濁液を少なくとも部分的に乾燥させる工程の前に、前記タルク粒子を表面処理剤で更に処理する、請求項6に記載の方法。 【請求項8】 15.0μmより大きいd95を有する粒子の少なくとも一部を工程(a)のデラミネーションに再利用する、請求項6又は7に記載の方法。 【請求項9】 請求項1~5のいずれか1項に記載のタルク粒子を含む、ポリマー組成物。 【請求項10】 前記ポリマーが、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン-エチレンコポリマー、又はそれらの組合せから選択される、請求項9に記載のポリマー組成物。 【請求項11】 前記ポリマー組成物の総質量に基づいて、少なくとも1質量%の前記タルク粒子を含む、請求項9~10のいずれか1項に記載のポリマー組成物。 【請求項12】 請求項1~5のいずれか1項に記載のタルク粒子、又は請求項6~8のいずれか1項に記載の方法により得ることができるタルク粒子をポリマーと混ぜ合わせる工程を含む、ポリマー組成物の調製方法。 【請求項13】 請求項9~11のいずれか1項に記載のポリマー組成物から形成される、ポリマー複合材又は物品。 【請求項14】 請求項13に記載のポリマー複合材又は物品であって、 (i)500ppmより多くの45μm以上の粒径を有する粒子を含む同量のタルク粒子を含む同等のポリマー複合材又は物品の第2のシャルピー衝撃強度より大きい、第1のシャルピー衝撃強度、及び/又は (ii)500ppmより多くの45μm以上の粒径を有する粒子を含む同量のタルク粒子を含む同等のポリマー複合材又は物品の第2の落錘インデックス(FWI)より大きい、0℃又は20℃における第1のFWI、及び/又は (iii)500ppmより多くの、45μm以上の粒径を有する粒子を含む同量のタルク粒子を含む同等のポリマー複合材又は物品の第2の曲げ弾性率より大きい、第1の曲げ弾性率、 を有する、前記ポリマー複合材又は物品。 【請求項15】 請求項1~5のいずれか1項に記載のタルク粒子、又は請求項6~8のいずれか1項に記載の方法により得ることができるタルク粒子の、ポリマー組成物におけるフィラーとしての使用。」 第3 特許異議申立理由の概要 1 特許法第29条第2項所定の規定違反(進歩性欠如)について 本件発明1~15は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2、3及び6号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1~15に係る特許は、特許法第29条第2項所定の規定に違反してされたものである。 2 特許法第36条第6項第2号所定の規定違反(明確性要件違反)について (1) 本件発明1において特定される「形状係数」は、採用する測定装置の構成や測定条件等により測定値が異なるものであるから、「形状係数」の値を明確に理解することができないので、本件発明1は不明確である。 本件特許明細書の段落【0006】に記載された米国特許第5,576,617号明細書には、「形状係数」を測定する際の懸濁液の粘度、流動条件、使用する装置の詳細(電極間の距離など)が記載されておらず、本件特許明細書にも、測定する懸濁液中の固形物の重量割合や懸濁液の速度について記載されていない。 甲第8号証には、甲第7号証に記載の装置のキャリブレーション技術が記載されているが、甲第8号証にも、測定条件や使用する装置の詳細が記載されていないし、甲第8号証の測定結果から、甲第7号証の装置を使用した場合、非常に明確で類似したカオリン試料であっても、「形状係数」の数値について全く異なる数値が得られることが示されており、甲第8号証において「形状係数」とアスペクト比の関係を決定するために測定値から得られた回帰適合は信頼できない。 甲第7号証の図8にしたがって電子部品を組み立てることを考慮すると、甲第7号証に記載された回路は、その内部構造でなく、所望の機能によってのみ定義されており、定義が不十分なサブ回路の集合体であるので、どのように機能を実現するのかが不明である。 甲第9号証には「異方性の円板状粒子に対するストークス法によるセディグラフによる測定方法は、落葉効果によって乱され、この効果はアスペクト比が大きくなるほど顕著になるため、同測定方法は高アスペクト比の粒子に対しては信頼できない。」と記載されているから、本件特許明細書の段落【0006】に記載された「形状係数」の測定方法も、高アスペクト比の粒子の場合、信頼できないとするのが自然である。 また、「形状係数」という用語が当業者に一般的な用語であった場合であっても、甲第10号証に記載のとおり、本件特許明細書の段落【0006】の記載のみでは必要な情報が足りず、本件特許明細書の記載に基づいて再現可能で信頼できる測定を行うことができないことは明らかである。 これらのことから、「形状係数」の値を明確に理解することができないので、本件発明1は不明確である。 更に、本件発明2~15について検討しても事情は同じであるから、本件発明1~15に係る特許は、特許法第36条第6項第2号所定の規定を満たしていない特許出願に対してされたものである。 (2) 本件発明1において特定される「d50」は、採用する測定条件等により測定値が異なるものであるから、「d50」の値を明確に理解することができないので、本件発明1は不明確である。 また、本件発明3において特定される「d95」及び「ラメラリティーインデックス」についても事情は同じである。 甲第9号証の前記記載によれば、セディグラフによる測定方法は、高アスペクト比の粒子の場合、信頼できないことが明らかである。 甲第11号証の記載によれば、セディグラフによる測定方法において、「分析の前に、オペレーターはコントロールモジュールとセディグラフソフトウェアを使用して、試料の密度と粒子分析の開始直径と終了直径を入力する。また、沈降液の密度と粘度も入力する」必要があるが、本件特許明細書には具体的なガイダンスは記載されていない。 甲第12号証には、「セディグラフのソフトウェアでは、タルク微粒子の測定に33種類の溶媒から選択できることに留意されたい。」とあるように、セディグラフによる測定方法では、溶媒を特定しないと正確な測定結果が得られないのに、本件特許明細書においては溶媒を特定しておらず、溶媒が特定されない条件下ではタルク粒子の正確な測定は不可能である。 これらのことから、「d50」、「d95」及び「ラメラリティーインデックス」の値を明確に理解することができないので、本件発明1は不明確である。 更に、本件発明2及び4~15について検討しても事情は同じであるから、本件発明1~15に係る特許は、特許法第36条第6項第2号所定の規定を満たしていない特許出願に対してされたものである。 3 証拠方法 甲第1号証:国際公開第2014/057273号 甲第2号証:Product Data Sheet Jetfine(R)3CA,2008年4月(当審注:「(R)」は登録商標マークである。以下、同様である。) 甲第3号証:Product Data Sheet Jetfine(R)1CA,2008年4月 甲第4号証:国際ポリオレフィン会議2008における発表資料,2008年2月24日~27日 甲第5号証:国際ポリオレフィン会議2009における発表資料,2009年2月22日~25日 甲第6号証:国際公開第2013/061068号 甲第7号証:米国特許第5576617号明細書 甲第8号証:国際公開第2013/015841号 甲第9号証:Daniel Gantenbein et al., Determining the size distribution-defined aspect ratio of platy particles, Applied Clay Science, 2011年,p.1~9 甲第10号証:Michael Stintz, Object: Expert opinion about the patent EP 2990444B1, "Talc particulate and uses thereof",2021年3月30日 甲第11号証:SediGraph 5100 Service Manual, 1997年7月 甲第12号証:B22: Sedigraph Measurements in re of EP3483221B1, 2023年6月26日 甲第13号証:Attachments to B22: Raw Data Reports なお、甲第4号証及び甲第5号証について、申立人は、「なお、甲第2号証に記載された事項を裏付ける証拠として、甲第4号証、甲第5号証が必要に応じて用いられるものである。また、甲第3号証の公知日を裏付ける証拠として、甲第4号証が必要に応じて用いられるものである。」としているが、そもそも、甲第4号証及び甲第5号証は前記1の特許異議の申立て理由の直接証拠として用いられておらず、その内容を参照しても、下記第4の1(2)で述べる判断に影響を及ぼすものではないことから、以下、甲第4号証及び甲第5号証については言及しないこととする。 また、甲第9号証~甲第13号証は、いずれも、本件特許の対応欧州特許(欧州特許 2990444 B1)に対する特許異議の申立ての手続において提出された文献、意見書、取扱説明書、実験成績証明書及び報告書であり、これらは、前記2の特許異議の申立て理由に関連して提出されたものといえるが、下記第4の2で述べる判断に影響を及ぼすものではないことから、以下、甲第9号証~甲第13号証についても言及しないこととする。 第4 特許異議申立理由についての当審の判断 1 特許法第29条第2項所定の規定違反(進歩性欠如)について (1) 甲各号証の記載事項等 ア 甲第1号証の記載事項及び甲第1号証に記載された発明 (ア) 甲第1号証には、以下のa~eの記載がある(当審注:追加の下線は当審が付与した。また、「・・・」は記載の省略を表す。以下、同様である。)。 a 「Further, the invention relates to a ground phyllosilicate mineral comprising particulate kaolin having a d50 in the range of from 0.1 to 5 μm and a shape factor of from 10 to 100, and to a ground phyllosilicate mineral comprising particulate talc having a d50 in the range of from 0.5 to 10 μm and a shape factor of from 10 to 100.」(3ページ4行~7行) (当審訳:更に、本発明は、0.1~5μmの範囲のd50及び10~100の形状係数を有する粒子状カオリンを含む粉砕層状ケイ酸塩鉱物、及び0.5~10μmの範囲のd50及び10~100の形状係数を有する粒子状タルクを含む粉砕層状ケイ酸塩鉱物に関する。) b 「Particle size characteristics described herein are measured via sedimentation of the particulate material in a fully dispersed condition in an aqueous medium using a Sedigraph 5100 particle size analyzer supplied by Micrometrics Instruments Corporation Norcross, Ga, USA. The Sedigraph 5100 provides measurements and a plot of the cumulative percentage by weight of particles having a size referred to in the art as the "equivalent spherical diameter" (esd). "Shape factor", as used herein, is a measure of the ratio of particle diameter to particle thickness for a population of particles of varying size and shape as measured using the electrical conductivity methods, apparatuses, and equations described in U.S. Patent No. 5,576,617, which is incorporated herein by reference. As the technique for determining shape factor is further described in the '617 patent, the electrical conductivity of a composition of an aqueous suspension of orientated particles under test is measured as the composition flows through a vessel. Measurements of the electrical conductivity are taken along one direction of the vessel and along another direction of the vessel transverse to the first direction. Using the difference between the two conductivity measurements, the shape factor of the particulate material under test is determined. The term "d50" used herein refers to the median particle diameter and is the particle diameter at which 50% by weight of the product is larger and 50% by weight is smaller.」(4ページ5行~25行) (当審訳:本明細書に記載される粒径特性は、Micrometrics Instruments Corporation Norcross, Ga, USAにより供給されるSedigraph 5100粒径分析装置を使用して、水性媒体に完全に分散した状態の粒状物質の沈降により測定される。Sedigraph 5100は、当技術分野で「球相当径」(esd)と呼ばれるサイズを有する粒子の累積質量パーセントの測定値及びプロットを提供する。 本明細書で使用する「形状係数」は、参照することによりここに援用する米国特許第5,576,617号に記載される電気伝導度法、装置及び式を用いて測定される、様々なサイズと形状の粒子の母集団における、粒子の直径と粒子の厚さの比の尺度である。形状係数を決定するための技術は、更に’617特許に更に記載されているように、試験対象の配向粒子の水性懸濁液の組成物の導電率が、組成物が容器を通って流れるときに測定される。電気伝導度の測定は、容器の一方向に沿って、及び第1の方向に対して直角方向の容器の別の方向に沿って行われる。2つの導電率測定値の差を使用して、試験中の粒子状材料の形状係数が決定される。 本明細書で使用される用語「d50」は、メジアン径を指し、製品の50質量%がこれより大きく、50質量%がこれより小さい粒径である。) c 「Ground Phyllosilicate Mineral Product ・・・ In another embodiment, the ground product obtained by grinding the aqueous suspension of phyllosilicate mineral has an increased shape factor compared to the feed material. The shape factor may be increased by at least 50% or at least 100%, and may depend on, for example, the origin of the mineral. Thus, some deposits may have a greater proportion of particle stacks than others, and therefore may give a larger increase in shape factor. In embodiments, the increased shape factor will be less than 100, or less than 80 or less than 60 or less than 50. Where the ground product is a mixture of phyllosilicate minerals, the shape factor of each phyllosilicate mineral in the mixture is increased, and the increased shape factor (or other property) is measured on the mixture of the minerals compared to the shape factor of the mixture of phyllosilicate minerals in the feed. Where the phyllosilicate mineral comprises kaolin, the shape factor of the kaolin in the product is greater than the shape factor of the kaolin in the feed material, and is in the range of 10 to 100, for example in the range of 10 to 50. Where the phyllosilicate mineral comprises talc, the shape factor of the talc in the product is greater than the shape factor of the talc in the feed material, and is in the range of 10 to 100, for example in the range of 20 to 70, or in the range of 30 to 60, or in the range of 40 to 50. ・・・ Where the phyllosilicate mineral comprises talc, the d50 of the talc in the product is, for example in the range of from 0.1 to 20 μm, for example in the range of from 0.5 to 10 μm, for example in the range of from 0.5 to 6 μm or in the range of 1.0 to 5 μm, or in the range of 1.5 to 4 μm.」(10ページ5行~11ページ8行) (当審訳:粉砕層状ケイ酸塩鉱物製品 ・・・ 別の実施形態では、層状ケイ酸塩鉱物の水性懸濁液を粉砕することによって得られる粉砕生成物は、供給材料と比較して増加した形状係数を有する。形状係数は少なくとも50%または少なくとも100%増加する可能性があり、これは例えば鉱物の起源に依存する可能性がある。したがって、一部の堆積物は他の堆積物よりも粒子スタックの割合が大きく、したがって形状係数がより大きく増加する可能性がある。実施形態では、増加した形状係数は、100未満、または80未満、または60未満、または50未満となる。粉砕製品が層状珪酸塩鉱物の混合物である場合、混合物中の各層状珪酸塩鉱物の形状係数が増加し、増加した形状係数(または他の特性)が、供給材料中の層状ケイ酸塩ミネラル混合物の形状係数と比較して測定される。 層状ケイ酸塩鉱物がカオリンを含む場合、製品中のカオリンの形状係数は、供給材料中のカオリンの形状係数より大きく、10~100の範囲、例えば10~50の範囲である。 層状ケイ酸塩鉱物がタルクを含む場合、製品中のタルクの形状係数は、供給材料中のタルクの形状係数より大きく、10~100の範囲、例えば20~70の範囲にあり、 または30~60の範囲、または40~50の範囲である。 ・・・ 層状ケイ酸塩鉱物がタルクを含む場合、生成物中のタルクのd50は、例えば0.1~20μmの範囲、例えば0.5~10μmの範囲、例えば0.5~6μmの範囲、または1.0~5μmの範囲、または1.5~4μmの範囲である。) d 「Uses of the Ground Particulate Material The ground particulate material obtained using certain embodiments of the methods of the present invention may be used in a wide variety of applications, as will be readily apparent to one of ordinary skill in this art. In certain embodiments, the inorganic particulate material is present as a coating pigment or filler, or as part of a coating or filler composition. The applications include, for example, the preparation of : paper (which term includes within its scope all forms of paper, card, board, cardboard and the like, including without limitation printing paper and writing paper); polymers and rubbers, e.g. plastics (which may be in the form of a. film); paints; sealants and mastics; ceramics; as well as compositions which are subsequently processed to obtain any of the above.」(12ページ25行~36行) (当審訳:粉砕微粒子材料の用途 本発明の方法の特定の実施形態を使用して得られる粉砕粒子材料は、当業者に容易に明らかなように、広範囲の用途に使用することができる。特定の実施形態では、無機粒子材料は、コーティング顔料もしくは充填剤として、あるいはコーティングもしくは充填剤組成物の一部として存在する。用途としては、例えば、紙(この用語には、印刷用紙及び筆記用紙を含むがこれらに限定されない、あらゆる形態の紙、カード、板紙、厚紙などがその範囲内に含まれる)の調製、ポリマーとゴム、例: プラスチック(フィルムの形態であってもよい);塗料; シーラント及びマスチック;セラミックス; 並びに上記のいずれかを得るためにその後処理される組成物の調製が含まれる。) e「Example 4 A feed talc having a d50 of 8.4 μm, a content of particles having an esd of 2 μm or smaller of 13% by weight, a steepness of 31 and a shape factor of 21 was prepared into fully dispersed aqueous suspension having a solids content of 60% by weight. The same dispersant that was used to prepare the kaolin suspensions was employed. The suspension was attrition ground using a medium size high density grinding media (8/14), with varying amounts of energy input. The results obtained are set forth in Table 4 below. For comparison, results for a dry processed talc and a commercially available wet ground talc were also included. [図:0001403698000001.jpg] 」(14ページ10行~15ページ6行) (当審訳:実施例4 8.4μmのd50、2μm又はそれ以下のesdを有する粒子の含有量が13質量%、31の急峻度及び21の形状係数を有する供給タルクを、固形分含有量が60質量%の完全に分散した水性懸濁液に調製した。カオリン懸濁液の調製に使用したものと同じ分散剤を使用した。 懸濁液は、中型の高密度粉砕媒体(8/14)を使用し、エネルギー入力を変化させて磨砕粉砕した。得られた結果を以下の表4に示す。 比較のために、乾式処理したタルクと市販の湿式粉砕タルクの結果も含めた。 「表4」には、2μm含有率(2μm content(%))が48%、d50(μm)が2.1μm、急峻度(Steepness)が37、形状係数(Shape Factor)が101の湿式粉砕タルク(Wet Ground Talc)が記載されている。) (イ) 前記(ア)a及びcの記載によれば、甲第1号証には、0.5~10μmの範囲のd50及び10~100の形状係数を有する粒子状タルクを含む粉砕層状ケイ酸塩鉱物が記載されており、前記(ア)bの記載によれば、前記粒子状タルクの粒径特性は、Micrometrics Instruments Corporation Norcross, Ga, USAにより供給されるSedigraph 5100粒径分析装置を使用して、水性媒体に完全に分散した状態の粒状物質の沈降により測定されるものであり、形状係数は、参照することによりここに援用する米国特許5,576,617号に記載される電気伝導度法、装置及び式を用いて測定される、様々なサイズと形状の粒子の母集団における、粒子の直径と粒子の厚さの比の尺度であり、形状係数を決定するための技術は、更に’617特許に記載されているように、試験対象の配向粒子の水性懸濁液の組成物の導電率が、組成物が容器を通って流れるときに測定されるものであり、電気伝導度の測定は、容器の一方向に沿って、及び第1の方向に対して直角方向の容器の別の方向に沿って行われ、2つの導電率測定値の差を使用して、試験中の粒子状材料の形状係数が決定されるものである。 すると、前記甲第1号証には、 「0.5~10μmの範囲のd50及び10~100の形状係数を有する粒子状タルクを含む粉砕層状ケイ酸塩鉱物であって、 前記粒子状タルクの粒径特性は、Micrometrics Instruments Corporation Norcross, Ga, USAにより供給されるSedigraph 5100粒径分析装置を使用して、水性媒体に完全に分散した状態の粒状物質の沈降により測定されるものであり、 形状係数は、参照することによりここに援用する米国特許5,576,617号に記載される電気伝導度法、装置及び式を用いて測定される、様々なサイズと形状の粒子の母集団における、粒子の直径と粒子の厚さの比の尺度であり、形状係数を決定するための技術は、更に’617特許に記載されているように、試験対象の配向粒子の水性懸濁液の組成物の導電率が、組成物が容器を通って流れるときに測定されるものであり、電気伝導度の測定は、容器の一方向に沿って、及び第1の方向に対して直角方向の容器の別の方向に沿って行われ、2つの導電率測定値の差を使用して、試験中の粒子状材料の形状係数が決定されるものである、粉砕層状ケイ酸塩鉱物。」の発明(以下、「甲1発明1」という。)が記載されているといえる。 (ウ) 一方、前記(ア)e(表4)に記載された湿式粉砕タルク(Wet Ground Talc)に注目すると、前記湿式粉砕タルクは、供給タルクを固形分含有量が60質量%の完全に分散した水性懸濁液に調製し、前記懸濁液を磨砕粉砕して得られたものとの比較のために挙げられたものであって、市販の湿式粉砕タルクであり、2μm含有率(2μm content)(%)が48%、d50(μm)が2.1μm、急峻度(Steepness)が37、形状係数(Shape Factor)が101であり、d50(μm)及び形状係数の測定方法は、甲1発明1と同様のものといえる。 すると、甲第1号証には、 「供給タルクを固形分含有量が60質量%の完全に分散した水性懸濁液に調製し、前記懸濁液を磨砕粉砕して得られたものとの比較のために挙げられた湿式粉砕タルクであって、市販の湿式粉砕タルクであり、 前記湿式粉砕タルクは、2μm含有率(%)が48%、d50(μm)が2.1、急峻度が37、形状係数が101であり、 前記タルクの粒径特性は、Micrometrics Instruments Corporation Norcross, Ga, USAにより供給されるSedigraph 5100粒径分析装置を使用して、水性媒体に完全に分散した状態の粒状物質の沈降により測定されるものであり、 形状係数は、参照することによりここに援用する米国特許5,576,617号に記載される電気伝導度法、装置及び式を用いて測定される、様々なサイズと形状の粒子の母集団における、粒子の直径と粒子の厚さの比の尺度であり、形状係数を決定するための技術は、更に’617特許に記載されているように、試験対象の配向粒子の水性懸濁液の組成物の導電率が、組成物が容器を通って流れるときに測定されるものであり、電気伝導度の測定は、容器の一方向に沿って、及び第1の方向に対して直角方向の容器の別の方向に沿って行われ、2つの導電率測定値の差を使用して、試験中の粒子状材料の形状係数が決定されるものである、比較のための市販の湿式粉砕タルク。」の発明(以下、「甲1発明2」という。)が記載されているといえる。 イ 甲第2号証の記載事項 甲第2号証には、以下の記載がある。 「 [図:0001403698000002.jpg] 」 (当審訳:説明と応用 Jetfine(R)3CAは、極めて純粋で非常に白いタルクである。高いアスペクト比と超微細粉砕により、結晶性ポリマーの核生成を改善する。 より高い嵩密度を得るために圧縮されるため、配合量が増加し、高充填コンパウンドの調製が可能になる。(1行~5行) ・・・ 化学分析(蛍光X線による) SiO2 …………………………………………………………………62% MgO ………………………………………………………………31.5% Al2O3 ……………………………………………………………0.4% Fe2O3 ……………………………………………………………0.2% CaO …………………………………………………………………0.3% 1050℃での強熱減量 …………………………………………………6% 625℃での強熱減量 …………………………………………………0.9 105℃での水分含有量(ISO 787/2) ……………<0.3% スクリーン残留物 (アルパイン エアジェット)≧15μm…0.03%(16行~25行) セディグラフによる粒度分布 沈降解析、ストークスの法則(ISO 13317-3) メジアン径-D50:1.0(1.1)*μm D95:3.5μm 縦軸:累積質量(%) 横軸:球相当直径[μm] (左下欄) レーザーマスターサイザーによる粒度分布 レーザー回折、ミー理論(ISO 13320-1) メジアン径-D50:3.9(5)*μm D95:7.8μm 縦軸:累積質量(%) 横軸:球相当直径(μ) (右下欄) *圧縮タルクで得られたデータ(最終行) 注: 記載されているデータは代表的なものだが、製造仕様ではない。サプライヤーは誠意を持ってデータを提供するが、特定の目的への適合性の保証を含め、提供された情報または説明された製品に関して、明示的または限定的であるかを問わず、いかなる種類の保証または表明も行わない。(欄外1行~4行。なお、当審訳は甲第2号証の記載事項を部分的に抜粋したものである。) ウ 甲第3号証の記載事項 甲第3号証には、以下の記載がある。 「 [図:0001403698000003.jpg] 」 (当審訳:説明と応用 Jetfine(R)1CAは、ポリマーの核形成のために特別に開発された超微粒子タルク (ナノ粒子を70%含む) である。その微細さにより樹脂の結晶化が促進され、それによって曲げ弾性率、HDT及び透明性が大幅に向上する。(1行~3行) ・・・ 化学分析(蛍光X線による) SiO2 ……………………………………………………………61.0% MgO ………………………………………………………………31.5% Al2O3 ……………………………………………………………0.7% Fe2O3 ……………………………………………………………0.7% CaO …………………………………………………………………0.2% 1050℃での強熱減量 ……………………………………………5.9% 625℃での強熱減量 ………………………………………………0.9% 105℃での水分含有量(ISO 787/2)……………<0.3%* スクリーン残留物 (アルパイン エアジェット)≧15μm…0.02%(14行~23行) セディグラフによる粒度分布 沈降解析、ストークスの法則(ISO 13317-3) メジアン径-D50:0.7(0.9*)μm D95:2.9(3.2*)μm 縦軸:累積質量(%) 横軸:球相当直径[μm] (左下欄) レーザーマスターサイザーによる粒度分布 レーザー回折、ミー理論(ISO 13320-1) メジアン径-D50:4.9μm* D95:14.6μm* 縦軸:累積質量(%) 横軸:球相当直径(μm) (右下欄) *圧縮タルクで得られたデータ (最終行) 注: 記載されているデータは代表的なものだが、製造仕様ではない。サプライヤーは誠意を持ってデータを提供するが、特定の目的への適合性の保証を含め、提供された情報または説明された製品に関して、明示的または限定的であるかを問わず、いかなる種類の保証または表明も行わない。(欄外1行~4行。なお、当審訳は甲第3号証の記載事項を部分的に抜粋したものである。) エ 甲第6号証の記載事項 甲第6号証には、以下の(ア)~(エ)の記載がある。 (ア) 「Claims 1. A particulate filler comprising less than about 3ppm of particles having a particle size greater than or equal to about 40μm.」 (当審訳:請求の範囲 1.約40μm以上の粒径を有する約3ppm未満の粒子を含む粒子状充填剤。) (イ) 「The present inventors have surprisingly found that very low levels of particles above a particular size, which may be referred to herein as "coarse material", (or as "hard material"), which are present in fillers, e.g. processed minerals, may be detrimental for a range of applications in which the filler may be used; in particular those where fillers are incorporated into polymer compositions. For example, the present inventors have discovered that only a few ppm of coarse particles present in a material intended for use in a polymer fibre based application resulted in an undesirable rise in pressure when the polymer fibre was being extruded. The present invention is based at least partly on this finding and, as such, the present inventors have found that it would be desirable to provide particulate fillers, with no or very low amounts of coarse material (or hard material).」(1ページ28行~2ページ2行) (当審訳:本発明者らは、驚くべきことに、本明細書では「粗い材料」(または「硬い材料」)と呼ぶことがあり、充填剤、例えば加工された鉱物中に存在する、特定の粒径を超える非常に低いレベルの粒子が、該充填剤が用いられ得る用途、特に充填剤がポリマー組成物中に配合される用途にとって有害である可能性があることを発見した。例えば、本発明者らは、ポリマー繊維ベースの用途での使用を意図した材料中に存在するわずか数ppmの粗大粒子が、ポリマー繊維を押し出すときに望ましくない圧力上昇を引き起こすことを発見した。本発明は、少なくとも部分的にこの発見に基づいており、したがって、本発明者らは、粗大物質(または硬質物質)を全く含まないか、または非常に少ない量で粒子状充填剤を提供することが望ましいことを見出した。) (ウ) 「The filler may comprise, consist of or consist essentially of alkaline earth metal carbonate, (for example dolomite, i.e. CaMg(C03)2 or calcium carbonate), metal sulphate, (for example barite or gypsum), metal silicate, metal oxide (for example titania, iron oxide, chromia, antimony trioxide or silica), metal hydroxide (for example alumina trihydrate), kaolin, calcined kaolin, wollastonite, bauxite, talc or mica, including combinations thereof. Any of the aforementioned materials may be coated (or uncoated) or treated (or untreated). In particular, the filler may comprise, consist of or consist essentially of coated calcium carbonate, treated calcined kaolin or treated talc.」(3ページ31行~4ページ2行) (当審訳:充填剤は、アルカリ土類金属炭酸塩(例えばドロマイト、すなわちCaMg(CO3)2または炭酸カルシウム)、金属硫酸塩(例えば重晶石または石膏)、金属ケイ酸塩、金属酸化物(例えば、 例えば、チタニア、酸化鉄、クロミア、三酸化アンチモンまたはシリカ)、金属水酸化物(例えばアルミナ三水和物)、カオリン、焼成カオリン、ワラストナイト、ボーキサイト、タルクまたはマイカ、それらの組み合わせを含むものからなるか、またはそれらから本質的になるものであり得る。前述の材料のいずれも、コーティングされていても(またはコーティングされてなくても)、処理されていても(または未処理でも)よい。特に、充填剤は、被覆炭酸カルシウム、処理焼成カオリンまたは処理タルクを含むものからなるか、またはそれらから本質的になるものであり得る。) (エ) 「The particulate filler may have a mean equivalent particle diameter (d50) ranging from about 0.5μm to about 5μm, for example about 1 μm to about 3μm, for example about 2μm or about 1.5μm or about 1 μm.」(4ページ22行~24行) (当審訳:粒子状充填剤は、約0.5μm~約5μm、例えば約1μm~約3μm、例えば約2μmまたは約1.5μmまたは約1μmの範囲の平均等価粒径(d50)を有し得る。) (2) 対比・判断 ア 甲1発明1について (ア) 本件発明1と甲1発明1とを対比すると、甲1発明1に係る「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」は、粉砕されて「粒子」になっているといえるから、甲1発明1に係る「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」と本件発明1に係る「タルク粒子」は、「粒子」である点で合致するといえる。 ここで、甲1発明1に係る「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」が本件発明1に係る「タルク粒子」に相当するか否かについて検討すると、本件特許明細書の段落【0005】(下記2(2)ア)の記載によれば、本件発明1に係る「タルク粒子」は、ケイ酸マグネシウム鉱物、又は鉱物緑泥石(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)、又は両者の混合物のどれかを意味し、場合によりほかの鉱物、例えば、ドロマイト及び/又はマグネサイトを伴うことがあり、あるいは更に、タルコース(talcose)としても知られる合成タルクを意味するものである。 これに対して、甲1発明1に係る「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」は、「粒子状タルク」を含む「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」なのであって、ケイ酸マグネシウム鉱物、又は鉱物緑泥石(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)、又は両者の混合物のどれかであるとはいえず、これに、ドロマイト及び/又はマグネサイトを伴うものともいえないし、更に、タルコース(talcose)としても知られる合成タルクであるともいえないから、本件発明1に係る「タルク粒子」に相当するとはいえない。 また、本件発明1と甲1発明1における「d50」及び「形状係数」を対比すると、甲1発明1は、「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」に含まれる「粒子状タルク」が「0.5~10μmの範囲のd50及び10~100の形状係数を有する」ものであるが、そうであるとしても、甲1発明1に係る「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」が「0.5~5.0μmの範囲のd50及び80以上の形状係数を有する」ということはできないから、本件発明1と甲1発明1とは、「d50」及び「形状係数」が合致しない。 更に、甲1発明1における「45μm以上の粒径を有する粒子」の含有量は明らかでないから、本件発明1と甲1発明1とは、「45μm以上の粒径を有する粒子」の含有量も合致しない。 これらのことからみれば,本件発明1と甲1発明1とは、「粒子。」の点で一致し、以下の点で相違する。 ・相違点1:「粒子」が、本件発明1では、「0.5~5.0μmの範囲のd50及び80以上の形状係数を有し、500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む、タルク粒子」であるのに対して、甲1発明1では、「粒子状タルクを含」む「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」であり、「0.5~5.0μmの範囲のd50及び80以上の形状係数を有し、500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む」ものとはいえない点。 なお、本件発明1において、「0.5~5.0μmの範囲のd50及び80以上の形状係数を有し、500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む」、との発明特定事項は、「タルク粒子」の物性として特定されるものであるから、「0.5~5.0μmの範囲のd50及び80以上の形状係数を有し、500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む」ことと「タルク粒子」とは一体不可分のものといえるので、本件発明1と甲1発明1との間の相違点を、前記相違点1のとおりに認定する。 (ウ) 以下、前記相違点1の容易想到性について検討すると、甲1発明1は、そもそも、「粒子状タルク」を含む「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」に係るものなのであって、前記「粒子状タルク」を含む「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」を、前記(ア)に記載された本件発明1に係る「タルク粒子」とした上で、更に「0.5~5.0μmの範囲のd50及び80以上の形状係数を有し、500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む」ものとすることはもとより想定されないから、甲1発明1を前記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることは容易になし得ることではないのであり、このことは、甲第2、3及び6号証の記載事項に左右されるものでもない。 したがって、本件発明1は、甲1発明1並びに甲第2、3及び6号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 更に、本件発明1と同様に、前記相違点1に係る発明特定事項を有する本件発明2~15について検討しても事情は同じである。 イ 甲1発明2について (ア) 本件発明1と甲1発明2とを対比すると、甲1発明2に係る「湿式粉砕タルク(Wet Ground Talc)」は、本件発明1に係る「タルク粒子」に相当する。 ここで、甲1発明2に係る「湿式粉砕タルク(Wet Ground Talc)」は、「d50(μm)が2.1」であって、その「粒径特性」は、「Micrometrics Instruments Corporation Norcross, Ga, USAにより供給されるSedigraph 5100粒径分析装置を使用して、水性媒体に完全に分散した状態の粒状物質の沈降により測定される」ものである。 一方、本件発明1に係る「タルク粒子」は、「0.5~5.0μmの範囲のd50」「を有」するものであって、本件特許明細書の段落【0007】(下記2(2)ア)の記載によれば、本件発明1における「d50」の測定方法は、「マイクロメリティックスセディグラフ(Micromeritics Sedigraph) 5100ユニット」と呼ぶMicromeritics Instruments Corporation, Norcross, Georgia, USA (www.micromeritics.com)によって供給されるセディグラフ5100装置を用いて、水性媒体に完全に分散した状態の粒状物質の沈降により周知の方法で測定されるものである。 してみれば、甲1発明2における「d50(μm)」と本件発明1における「d50」は、いずれも、前記セディグラフ5100装置により測定されるものである点で概略合致するといえるから、甲1発明2において「 d50(μm)が2.1」であることは、本件発明1において「0.5~5.0μmの範囲のd50」「を有」することを満たすといえる。 また、甲1発明2に係る「湿式粉砕タルク(Wet Ground Talc)」は、「形状係数(Shape Factor)が101」であって、「形状係数は、参照することによりここに援用する米国特許5,576,617号に記載される電気伝導度法、装置及び式を用いて測定される、様々なサイズと形状の粒子の母集団における、粒子の直径と粒子の厚さの比の尺度であり、形状係数を決定するための技術は、更に’617特許に記載されているように、試験対象の配向粒子の水性懸濁液の組成物の導電率が、組成物が容器を通って流れるときに測定されるものであり、電気伝導度の測定は、容器の一方向に沿って、及び第1の方向に対して直角方向の容器の別の方向に沿って行われ、2つの導電率測定値の差を使用して、試験中の粒子状材料の形状係数が決定される」ものである。 一方、本件発明1に係る「タルク粒子」は、「80以上の形状係数を有」するものであって、本件特許明細書の段落【0006】(下記2(2)ア)の記載によれば、本件発明1における「形状係数」の測定方法は、参照することによりここに援用する米国特許第5,576,617号に記載の電気伝導度法、装置、及び方程式を用いて測定した場合に異なるサイズと形状の粒子の集団に関する粒径対粒子厚の比の尺度であり、形状係数を決定するための技術は、さらに’617特許に記載されているように、供試配向粒子の水性懸濁液の組成物の電気伝導度は、組成物が容器内を流れながら測定され、電気伝導度の測定は、容器の一方向に沿って及び容器の該第1の方向に直角の別方向に沿って行なわれ、これらの2つの伝導度測定値間の差異を用いて、供試粒状物質の形状係数が決定されるものである。 すると、甲1発明2における「形状係数」と本件発明1における「形状係数」は、いずれも、米国特許5,576,617号に記載される電気伝導度法、装置及び式を用いて測定されるものである点で概略合致するといえるから、甲1発明2において「形状係数(Shape Factor)が101」であることは、本件発明1において「80以上の形状係数を有」することを満たすといえる。 そして、甲1発明2における「45μm以上の粒径を有する粒子」の含有量は明らかでないから、本件発明1と甲1発明2とは、「45μm以上の粒径を有する粒子」の含有量が合致しない。 (イ) 前記(ア)によれば、本件発明1と甲1発明2とは、 「0.5~5.0μmのd50及び80以上の形状係数を有する、タルク粒子。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 ・相違点2:「タルク粒子」が、本件発明1では、「500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む」のに対して、甲1発明2では、「500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む」ものとはいえない点。 (ウ) 以下、前記相違点2の容易想到性について検討すると、甲1発明2に係る「タルク粒子」は、「供給タルクを固形分含有量が60質量%の完全に分散した水性懸濁液に調製し、前記懸濁液を磨砕粉砕して得られたものとの比較のために挙げられた」ものであって、「市販」のものにすぎないのであり、そのような「タルク粒子」にことさら注目して、その物性や特性を更に変更する動機づけは存在しない。 すると、甲1発明2に係る「タルク粒子」を「500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む」ものとすることも、もとより想定されないから、甲1発明2において前記相違点2に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることは、容易になし得ることではないのであり、このことは、甲第2、3及び6号証の記載事項に左右されるものでもない。 したがって、本件発明1は、甲1発明2並びに甲第2、3及び6号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 更に、本件発明1と同様に、前記相違点2に係る発明特定事項を有する本件発明2~15について検討しても事情は同じである。 (3)申立人の主張について ア 本件発明の進歩性欠如についての特許異議申立書における申立人の主張は、概略、以下のとおりである(特許異議申立書34ページ下から4行~35ページ下から2行)。 (ア) 甲第2、3及び6号証の記載によれば、0.5μm~5μmのd50を有するタルク粒子において、45μm以上の粒径を有する粒子の含有率を500ppm未満とすることは、本件特許の優先日当時の周知技術であるから、甲第1号証に記載された発明において、45μm以上の粒径を有する粒子の含有率を500ppm未満とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (イ) 甲第6号証には、充填剤が特定のサイズを超える「粗粒材料」を含むと、充填剤がポリマー組成物中に配合される用途にとって有害であることが記載されているから、甲第1号証に記載された発明において、45μm以上の粒径を有する粒子の含有率を500ppm未満とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 イ 以下、前記アの主張について検討する。 (ア) 始めに、前記ア(ア)の主張について検討すると、0.5μm~5μmのd50を有するタルク粒子において、45μm以上の粒径を有する粒子の含有率を500ppm未満とすることが、本件特許の優先日当時の周知技術であるとしても、前記(2)ア(ウ)及び同イ(ウ)に記載したのと同様の理由により、甲第1号証に記載された発明を、「500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む、タルク粒子」とすることは、当業者が容易に想到し得ることではないことに変わりはないから、前記ア(ア)の主張は採用できない。 (イ) 次に、前記ア(イ)の主張について検討すると、前記(1)エ(ア)の甲第6号証の記載からみれば、甲第6号証には、約40μm以上の粒径を有する約3ppm未満の粒子を含む粒子状充填剤が記載されている。 そして、前記(1)エ(イ)、(ウ)の記載からみれば、甲第6号証には、タルクなどからなる粒子状充填剤において、ポリマー繊維ベースの用途での使用を意図した材料中に存在するわずか数ppmの粗大粒子が、ポリマー繊維を押し出すときに望ましくない圧力上昇を引き起こすことから、粗大物質(または硬質物質)を全く含まないか、または非常に少ない量で粒子状充填剤を提供することが望ましいことが記載されるものであり、約40μm以上の粒径を有する約3ppm未満の粒子を含むことは、「500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む」ことを満たすといえる。 すると、甲第6号証には、タルクなどからなる粒子状充填剤において、ポリマー繊維ベースの用途での使用を意図した材料中に存在するわずか数ppmの粗大粒子が、ポリマー繊維を押し出すときに望ましくない圧力上昇を引き起こすことから、前記粒子状充填剤を、「500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む」ものとすることが開示されているといえる。 そこで、甲第6号証に記載された事項に基づいて、甲第1号証に記載された発明を、「500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む、タルク粒子」とすることを、当業者が容易に想到し得るか否かについて検討する。 甲1発明1における「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」に含まれる「粒子状タルク」は、「タルク粒子」といえるものであるが、仮に、甲1発明1における「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」において、「500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む」ものとすることを、甲第6号証に記載された事項に基づいて容易に想到し得るとしても、そのとき、前記「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」に含まれる「タルク粒子」が「500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む」ものとなるとはいえない。 また、ことさら、前記「粉砕層状ケイ酸塩鉱物」に含まれる「タルク粒子」のみに注目して、「500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む」ものとすることは想定できないから、甲第6号証に記載された事項に基づいて、甲1発明1を「500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む、タルク粒子」とすることは、容易に想到し得ることではない。 更に、前記(2)イ(ウ)に記載したのと同様の理由により、甲第6号証の前記記載事項に関わらず、甲1発明2において、「タルク粒子」を「500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む」ものとすることを容易に想到し得るともいえない。 したがって、甲第6号証に記載された事項に基づいて、甲第1号証に記載された発明を「500ppm未満の45μm以上の粒径を有する粒子を含む、タルク粒子」とすることは、当業者が容易に想到し得ることではないから、前記ア(イ)の主張も採用できない。 ウ したがって、前記ア(ア)及び(イ)の申立人の主張はいずれも採用できない。 (4) 小括 よって、本件発明1~15は、甲第1号証に記載された発明並びに甲第2、3及び6号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、前記第3の1の特許異議の申立て理由は理由がない。 2 特許法第36条第6項第2号所定の規定違反(明確性要件違反)について (1) 明確性要件の判断手法 請求項に係る発明が明確性要件に適合するか否かは、当該請求項の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、当該請求項の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるか否かという観点から判断すべきであるから、以下、この観点に立って検討する。 (2) 「形状係数」について ア 本件発明1においては、「形状係数」の定義について特定されていないから、特許請求の範囲の記載からは「形状係数」の意味が明らかでない。 そこで、本件特許明細書の記載をみると、本件特許明細書には、以下の記載がある。 「【0005】 発明の詳細な説明 本明細書で使用する場合、用語「タルク」は、ケイ酸マグネシウム鉱物、又は鉱物緑泥石(ケイ酸アルミニウムマグネシウム)、又は両者の混合物のどれかを意味し、場合により他の鉱物、例えば、ドロマイト及び/又はマグネサイトを伴うことがあり、或いはさらに、タルコース(talcose)としても知られる合成タルクを意味する。 ・・・ 本明細書で使用する場合、用語「ラメラリティーインデックス(lamellarity index)」は、下記比によって定義される。 [図:0001403698000004.jpg] ここで、「d平均」は、湿式マルバーン(Malvern)レーザー散乱法(規格AFNOR NFX11-666又はISO 13329-1)による粒径測定によって得られる平均粒径(d50)の値であり、「d50」は、後述するように、セディグラフ(sedigraph)(規格AFNOR X11-683又はISO 13317-3)を用いて沈降作用によって得られる中位径の値である。G. Baudet and J. P. Rona, Ind. Min. Mines et Carr. Les techn. June, July 1990, pp 55-61による論文を参照することができる。この論文は、このインデックスが、粒子の最大寸法の粒子の最小寸法に対する平均割当と相関があることを示している。 【0006】 本明細書で使用する場合、「形状係数」は、参照することによりここに援用する米国特許第5,576,617号に記載の電気伝導度法、装置、及び方程式を用いて測定した場合に異なるサイズと形状の粒子の集団に関する粒径対粒子厚の比の尺度である。形状係数を決定するための技術は、さらに’617特許に記載されているように、供試配向粒子の水性懸濁液の組成物の電気伝導度は、組成物が容器内を流れながら測定される。電気伝導度の測定は、容器の一方向に沿って及び容器の該第1の方向に直角の別方向に沿って行なわれる。これらの2つの伝導度測定値間の差異を用いて、供試粒状物質の形状係数が決定される。 【0007】 特に指定のない限り、本明細書でタルク粒状物質に関して言及する粒径特性は、本明細書では「マイクロメリティックスセディグラフ(Micromeritics Sedigraph) 5100ユニット」と呼ぶMicromeritics Instruments Corporation, Norcross, Georgia, USA (www.micromeritics.com)によって供給されるセディグラフ5100装置を用いて、水性媒体に完全に分散した状態の粒状物質の沈降により周知の方法で測定される通りである。該装置は、当技術分野で「球相当径(equivalent spherical diameter)」(e.s.d)と呼ばれる所与のe.s.d値未満のサイズを有する粒子の累積質量百分率の測定値及びプロットを提供する。平均粒径d50は、当該d50値未満の球相当径を有する粒子が50質量%あるときの粒子e.s.dのこのようにして決定される値である。d95値は、粒子の95質量%が当該d95値未満のesdを有するときの値である。粒径特性は、ISO 13317-3、又はそれに等価のいずれかの方法に準拠して決定可能である。 【0008】 上述したマルバーンレーザー光散乱技術においては、粉体、懸濁液及びエマルション中の粒子のサイズは、ミー理論の適用に基づいてレーザー光の回折を利用して測定可能である。このような装置、例えばマルバーンマスターサイザーS(Malvern Instrumentsによって供給される)は、当技術分野で「球相当径」(e.s.d)と呼ばれる所与のe.s.d値未満のサイズを有する粒子の累積体積百分率の測定値及びプロットを提供する。平均粒径d50は、当該d50値未満の球相当径を有する粒子が50体積%あるときの粒子e.s.dのこのようにして決定される値である。誤解を避けるために、レーザー光散乱を用いる粒径の測定は、上述した沈降法に等価な方法ではない。 本明細書で使用する場合、用語「峻度」は、下記式により決まる。 峻度=100×(d30/d70) 式中、d30値は、上記沈降法に従って測定した場合、粒子の30%質量が当該d30値未満のesdを有するときの値であり、d70値は、粒子の70質量%が当該d70値未満のesdを有するときの値である。」 そして、前記段落【0006】の記載からみれば、前記「形状係数」は、参照することにより援用する米国特許第5,576,617号に記載の電気伝導度法、装置、及び方程式を用いて測定した場合に異なるサイズと形状の粒子の集団に関する粒径対粒子厚の比の尺度であり、形状係数を決定するための技術は、さらに’617特許に記載されているように、供試配向粒子の水性懸濁液の組成物の電気伝導度が、組成物が容器内を流れながら測定され、電気伝導度の測定は、容器の一方向に沿って及び容器の該第1の方向に直角の別方向に沿って行なわれ、これらの2つの伝導度測定値間の差異を用いて、供試粒状物質の形状係数が決定されるものであることが理解できる。 イ そこで、前記米国特許第5,576,617号明細書の記載をみると、前記米国特許第5,576,617号明細書は、甲第7号証であって、以下の(ア)~(カ)の記載がある。 (ア) 「The apparatus of the invention may be used to obtain a measure of the average aspect ratio of particles in a suspension in accordance with a theoretical treatment given by H. Fricke in an article entitled, "A Mathematical Treatment of the Electric Conductivity and Capacity of Disperse Systems", (Phys. Rev.,24, 1924, pp 575-587) which discusses the conductivity of randomly orientated ellipsoidal particles in a suspension. According to Fricke, if ellipsoidal particles are orientated in a shear gradient, for example, with their major axial dimension aligned as shown in FIG. 2 and the conductivity is measured in a direction parallel (Kpl) and perpendicular (Kpr) to the particle major axial dimension, then the relationship between the directional conductivity and the shape factor of the particles is given by the following equations: [図:0001403698000005.jpg] where R=volume fraction occupied by the particles in suspension; K2=particle conductivity; K1=fluid phase conductivity; [図:0001403698000006.jpg] The term M which occurs in B and C contains the information concerning particle shape and is given, for oblate spheroids, by: [図:0001403698000007.jpg] with 2a=minor axis (thickness) of particles 2b=2c=major axis (diameter) of particles. If a value for the term K2/K1 is known, or can be assumed, then equation 1 enables the measured quantity Kpl/Kpr to be related to the aspect ratio (a/b) of the particles. ・・・ In order to illustrate the use of equation 1 it is possible to calculate how the value (Kpl/Kpr-1).100 changes with aspect ratio values at a given solids concentration in the suspension as shown in FIG. 3. For this purpose, a value for the parameter K2/K1 of 0.12 has been assumed, based on practical experience with the method. It can be seen that, as the aspect ratio of a particle increases in value, then the change in conductivity values measured in different directions through a suspension of the orientated particles also increases, enabling a value for the aspect ratio to be estimated. Two different values for the suspension solids concentrations have been included in these calculated examples, namely 15% by weight and 20% by weight, respectively, of solids. FIG. 4 shows diagrammatically an arrangement of electrodes which may be used to make conductivity measurements so as to obtain a measure of the average aspect ratio of particles in an aqueous suspension in accordance with the mathematical treatment given above. The apparatus for measuring the conductivity of the solution includes a tubular measuring vessel (not shown) which contains the aqueous suspension. Three annular carbon electrodes 2, 3 and 4 are set in the cylindrical wall of the measuring vessel. A stainless steel rod 5, covered within the measuring vessel, substantially completely by a nylon sleeve 6 is fixed along the longitudinal axis of the measuring chamber. At the centre of the annular electrode 2 a gap is left in the sleeve 6, which gap is filled by a carbon collar fitting tightly on the stainless steel rod 5, the carbon collar forming a fourth electrode 7. An aqueous suspension of non-spherical particles flows in the direction of the arrow 1 through the measuring vessel. In this case the velocity gradient in the flowing suspension increases linearly with radial distance from the longitudinal axis of the measuring chamber causing the particles to align parallel to the axis according to well known behaviour. When the particles have a shape which approximates to that of oblate spheroids, the major axial dimension will be parallel to the longitudinal axis and, on average, perpendicular to the radial direction. The orientation of particles under these shear field conditions is represented diagrammatically in FIG. 5 which shows a transverse cross section through the measuring vessel. Thus, measurements of conductivity made in the stream of flowing suspension between the axial electrode 7 and the annular electrode 2 give the conductivity in a direction perpendicular to the major axial dimension of the particles (Kpr), and between the central annular electrode 3 and the two outer annular electrodes 2 and 4 connected together to give the conductivity in the direction generally parallel to the flow direction and to the major axial dimension of the particles (Kpl). If the case of a suspension flowing through a tubular measuring chamber is compared with the case of random orientation of the particles, as obtains, for example, in a non-flowing suspension, the conductivity Kpr is higher in the flowing state and the conductivity Kpl is lower, than in the non-flowing state.」(4欄3行~5欄48行) (当審訳:本発明に係る装置を用いて、懸濁液中の粒子の平均アスペクト比を、"A Mathematical Treatment of the Electric Conductivity and Capacity of Disperse Systems", (Phys. Rev.,24, 1924, pp 575-587)のH.Frickeによる理論に従って得ることができる。この文献では、懸濁液のランダムに配向した楕円粒子の導電率が考察されている。 Frickeの理論によれば、楕円粒子の配向が剪断勾配、例えば、第2図に示すように、主軸方向に整列されている場合であって、しかも、導電率が、楕円粒子の主軸方向に平行な方向(Kpl)と直交する方向(Kpr)で測定された場合に、方向性導電率と粒子の「形状係数」との間の関係は、次の式で与えられる。 [図:0001403698000008.jpg] ここで、R=懸濁粒子により占められる体積分率 K2=粒子導電率 K1=液相導電率 [図:0001403698000009.jpg] である。 BとCで発生する項Mには粒子の形状に関する情報が含まれており、扁円回転楕円体の場合は次のように与えられる。 [図:0001403698000010.jpg] ここで、 2a=粒子の副軸(厚み)、 2b=2c=粒子の主軸(直径)である。 項K2/K1に対する値が公知であるか、あるいは、仮定することができる場合は、式(1)により、測定量Kpl/Kprを、粒子のアスペクト比(a/b)に関係付けることができる。 ・・・ 式(1)を用いることを説明するために、(Kpl/Kpr-1)・100の値が、第3図に示すように、懸濁液の所定の固体濃度でのアスペクト比とともにどのように変動するかを計算することができる。このため、0.12というバラメータK2/K1に対する値が、上述した方法を用いた実際の経験に基づき仮定される。粒子のアスペクト比の値が増加すると、配向した粒子の懸濁液を通してさまざまな方向で測定された導電率値の変化も増加し、アスペクト比の値を推定できることがわかる。これらの計算例には、懸濁固形分濃度の2つの異なる値、すなわちそれぞれ固形分15質量%及び20質量%が含まれている。 図4は、上記の数学的処理に従って水性懸濁液中の粒子の平均アスペクト比の測定値を得るために導電率測定を行うために使用できる電極の配置を概略的に示す。 溶液の導電率を測定するための装置は、水性懸濁液を収容する管状測定容器(図示せず)を含む。 測定容器の円筒壁には3つの環状炭素電極2、3、4が設置されている。測定容器内に実質的に完全にナイロンスリーブ6で覆われたステンレス鋼ロッド5が、測定チャンバーの長手方向軸に沿って固定されている。環状電極2の中心では、スリーブ6内にギャップが残され、このギャップは、ステンレス鋼ロッド5にしっかりと嵌合するカーボンカラーによって埋められ、カーボンカラーは第4の電極7を形成する。 非球形粒子の水性懸濁液は、測定容器を通って矢印1の方向に流れる。この場合、流れる懸濁液の速度勾配は、測定チャンバーの長手方向軸からの半径方向の距離に応じて線形に増加し、よく知られている挙動に従って粒子が軸に平行に整列する。粒子が扁平回転楕円体の形状に近い形状を有する場合、長軸方向の寸法は長手方向の軸に平行であり、平均して半径方向に垂直となる。これらのせん断場条件下での粒子の配向は、測定容器の横断面を示す図5に概略的に示されている。したがって、軸方向電極7と環状電極2の間を流れる懸濁液の流れにおいて行われる導電率の測定により、粒子の長軸寸法(Kpr)に垂直な方向の導電率が得られ、中央環状電極3と、一緒に接続された2つの外側環状電極2及び4の間では、流れ方向及び粒子の長軸寸法(Kpl)にほぼ平行な方向の導電率が得られる。 管状測定チャンバーを通って流れる懸濁液の場合を、例えば非流動懸濁液で得られるような粒子のランダムな配向の場合と比較すると、流動状態の導電率Kprはより高くなり、導電率Kplは、非流動状態よりも低くなる。) (イ) 「A complete measuring circuit for the measurement in accordance with this invention will now be described with reference to FIGS. 8 and 9. Two pairs of conductivity-measurement electrodes 31 and 31' corresponding to the electrodes described above are mounted in a measuring vessel (not shown) containing a flowing particle suspension. The electrodes are arranged so that one pair of electrodes measures the conductivity of the particle suspension in the vessel in a direction parallel to the aligned major axes of the particles and the other pair of electrodes measures the conductivity of the solution in a direction perpendicular to the major axes of the particles. As illustrated in FIG. 4 one electrode 31,31') is common to both the transverse and the lateral measurement pair of electrodes. A square wave generator 32 is provided which generates a 70 hertz square wave. This signal, shown at waveform 1 in FIG. 9, is fed to a constant current regulation circuit 33 and to a divide by two unit 34. Signals from the current regulation circuit 33 and the divide by two circuit 34 are fed to the switching unit 35, from which alternate full cycles are fed to each pair of electrodes in turn. As a result measurements of the conductivity in the directions perpendicular and parallel to the particle orientation are taken at 1/70 second intervals. The signals resulting from the constant amplitude current fed to the lateral and transverse electrode pairs are illustrated as waveforms 3 and 4 respectively in FIG. 9. The signals are rectified by rectifier 48 and then fed to amplifiers 36 and 37. In operation, the amplifiers 36 and 37 have their gains set by means of gain adjusters 38 and 39 to give an output value in the region of 50% of output swing and exactly equal to each other when a totally homogenous or particle free sample, of similar conductivity to the kaolin slurry to be monitored, is placed in the measuring vessel. The output of the amplifiers 36 and 37 is fed to sample and hold units 40 and 41 respectively. The control circuitry for the sample and hold units comprises circuits 42, 43, 44, 45 and 49. Circuits 42 and 43 are two-input AND circuits, 49 is an inverter, 45 is a pulse generator and 44 is a delay circuit. In order for the measurement of the signal from the electrodes to be as accurate as possible, the output from the amplifiers 36 and 37 is sampled by the sample and hold units 40 and 41 about 80% of the way through a half-cycle. This is done because the rise of the voltage signal from the electrodes in response to the pulses 3 or 4 (FIG. 9) is delayed because of capacitive effects. Thus in order to achieve accurate measurements the control circuits 42, 43, 44 and 45 and 49 operate so as to cause the sampling of the output of the amplifiers 36 and 37 at a point 80% through each half cycle. Pulse generator 45 receives an output from the square wave generator 32, and generates therefrom a short pulse in response to each transition of this square wave output. This pulse train generated by generator 45 is delayed by 80% of a half cycle to produce waveform 5 of FIG. 9, which waveform is then fed to one input of each of the AND units 42 and 43. In addition to the pulse train from delay unit 44, the AND circuit 42 receives an output from divide by two circuit 34 (waveform 2 in FIG. 9) and the AND unit 43 receives the output signal from circuit 34 after it has passed through the inverter 49. As a result the AND circuits 42 and 43 output respectively the waveforms 6 and 7 of FIG. 9. Thus the AND units 42 and 43 ensure that the sample and hold units 40, 41 acquire their signals in synchronism with the signals applied to their respective electrodes and at a point 80% of the way through a half cycle. This operation is clearly shown by waveforms 8 and 9 of FIG. 9. Waveform 8 of FIG. 9 shows the rectified and amplified signal output from amplifier 36 which has been generated by the applied current pulse to the lateral electrodes 31' and illustrates the capacitive delay on the leading edge. Waveform 9 in FIG. 9 shows the output of sample and hold unit 40 with a delay of 80% of a half-cycle from the leading edge, in each case. Comparator 46 monitors the difference between the outputs from sample and hold circuits 40 and 41 and displays the resulting value on the meter 47. As is shown in waveform 9 the result of each cycle of alternating current through a pair of electrodes produces two pulses which are input to the respective sample and hold circuit, one for each half cycle. Because of polarisation effects the amplitudes may be different but the sample and hold circuits produces an average value for the comparison in 46. Thus polarisation errors are avoided. This arrangement is particularly advantageous since it enables the conductivity measurements in transverse and longitudinal directions to the particle orientation to be made in quick succession on a continuous flow of the fluid. Thus temperature effects are eliminated and the measurement of the aspect ratio can be made more accurately. Although the output is shown diagrammatically as a meter output, in practice the output from comparator 46 will more commonly be used as a direct control signal for controlling admixture of particulate material or for controlling grinding apparatus to vary the particulate size. The apparatus and method are particularly appropriate for use in on-line production equipment for producing particulate solids having a desired average aspect ratio. The measuring vessels in this are formed in conduits for the particle suspension.」(6欄15行~7欄43行) (当審訳:次に、本発明による測定のための完全な測定回路について、図8及び図9を参照して説明する。上述の電極に対応する2対の導電率測定電極31及び31'が、流動粒子懸濁液を含む測定容器(図示せず)内に取り付けられる。電極は、一方の電極が粒子の整列した長軸に平行な方向で容器内の粒子懸濁液の導電率を測定し、もう一方の電極が粒子の長軸に垂直な方向で溶液の導電率を測定するように配置されている。図4では、一方の電極31、31'は、直径方向及び横方向の測定電極対両方に共通である。 70ヘルツの方形波を発生する方形波発生器32が設けられている。この信号は、図9の波形1に示されるように、定電流調整回路33と2分周回路34に供給される。定電流調整回路33及び2分周回路34からの信号はスイッチングユニット35に供給され、そこから交互の全サイクルが各電極対に順番に供給される。その結果、粒子の配向に垂直及び平行な方向の導電率の測定が1/70秒間隔で行われる。 横方向及び直径方向の電極対に供給される定振幅電流から生じる信号は、それぞれ図9の波形3及び4として示される。信号は整流器48によって整流され、次に増幅器36及び37に供給される。動作中、増幅器36及び37は、出力振幅の50%の範囲の出力値を与えるように利得調整器38及び39によって利得が設定され、また、監視対象のカオリンスラリーと同様の導電率をもつ、完全に均質なサンプルまたは粒子のないサンプルを測定容器に入れた場合、両者は正確に等しくなる。 増幅器36及び37の出力は、それぞれサンプルアンドホールドユニット40及び41に供給される。サンプルアンドホールドユニットの制御回路は回路42、43、44、45、49からなる。回路42、43は2入力AND回路、49はインバータ、45はパルス発生器、44は遅延回路である。 電極からの信号の測定をできるだけ正確にするために、増幅器36及び37からの出力は、半サイクルの約80%でサンプルアンドホールドユニット40及び41によってサンプリングされる。これは、パルス3またはパルス4(図9)に応答する電極からの電圧信号の立ち上がりが、容量性の影響により遅れるために行われる。したがって、正確な測定を達成するために、制御回路42、43、44、45、49は、各半サイクルの80%の時点で増幅器36、37の出力をサンプリングするように動作する。 パルス発生器45は方形波発生器32からの出力を受け取り、この方形波出力の各遷移に応答してそこから短パルスを発生する。発生器45によって生成されるこのパルス列は、半サイクルの80%だけ遅延されて、図9の波形5を生成する。この波形は次にANDユニット42及び43のそれぞれの一方の入力に供給される。AND回路42は、遅延ユニット44からのパルス列に加えて、2分周回路34からの出力(図9の波形2)を受け取り、ANDユニット43は、インバータ49を通過した後の回路34からの出力信号を受け取る。 その結果、AND回路42、43はそれぞれ図9の波形6、7を出力する。 したがって、ANDユニット42及び43は、サンプルアンドホールドユニット40、41がそれぞれの電極に印加される信号と同期して、半サイクルの80%の時点で信号を取得することを保証する。 この動作は、図9の波形8及び9によって明確に示される。図9の波形8は、横方向電極31'に印加された電流パルスによって生成された増幅器36からの整流及び増幅された信号出力を示し、前縁での容量性遅延を示す。図9の波形9は、それぞれの場合において、前縁から半サイクルの80%の遅延を伴うサンプルアンドホールドユニット40の出力を示す。 比較器46は、サンプルアンドホールド回路40及び41からの出力間の差を監視し、その結果の値をメータ47に表示する。波形9に示すように、一対の電極を通る交流電流の各サイクルの結果は、半サイクルごとに1つずつ、2つのパルスが生成され、それぞれのサンプルアンドホールド回路に入力される。極性の影響により、増幅度が異なる場合があるが、サンプルアンドホールド回路により46での比較のための平均値が生成される。したがって、極性エラーは回避される。 この配置は、流体の連続的な流れにおいて、粒子配向に対して半径方向及び縦方向の導電率測定を迅速に連続して行うことができるため、特に有利である。したがって、温度の影響が排除され、アスペクト比の測定をより正確に行うことができる。 出力はメーター出力として概略的に示されているが、実際には、比較器46からの出力は、粒状材料の混合を制御するため、または粉砕装置を制御して粒径を変えるための直接制御信号としてより一般的に使用される。この装置及び方法は、所望の平均アスペクト比を有する粒状固体を製造するためのオンライン製造装置での使用に特に適している。この中の測定容器は、粒子懸濁液用の導管内に形成されている。) (ウ) 「 [図:0001403698000011.jpg] 」 (エ) 「 [図:0001403698000012.jpg] 」 (オ) 「 [図:0001403698000013.jpg] 」 (カ) 「 [図:0001403698000014.jpg] 」 ウ 前記イ(ア)の記載によれば、懸濁液中の粒子の平均アスペクト比は、H.Frickeによる理論に従って得ることができるのであり、Frickeの理論によれば、楕円粒子の配向が剪断勾配、楕円粒子の主軸方向に整列されている場合であって、しかも、導電率が、楕円粒子の主軸方向に平行な方向(Kpl)と直交する方向(Kpr)で測定された場合に、方向性導電率と楕円粒子の「形状係数」との間の関係は、次の式で与えられるものである。 [図:0001403698000015.jpg] ただし、R=懸濁粒子により占められる体積分率 K2=粒子導電率 K1=液相導電率 [図:0001403698000016.jpg] である。 BとCで発生する項Mには粒子の形状に関する情報が含まれており、偏球体の場合は次のように与えられるものである。 [図:0001403698000017.jpg] ここで、 2a=粒子の副軸(厚み)、 2b=2c=粒子の主軸(直径)である。 そして、項K2/K1に対する値が公知であるか、あるいは、仮定することができる場合は、式(1)により、測定量Kpl/Kprを、粒子のアスペクト比(a/b)に関係付けることができるものである。 また、(Kpl/Kpr-1)・100の値は、第3図(前記イ(ウ))に示すように、懸濁液の所定の固体濃度でのアスペクト比とともにどのように変動するかを計算することができるものであり、粒子のアスペクト比の値が増加すると、配向した粒子の懸濁液を通してさまざまな方向で測定された導電率値の変化も増加し、アスペクト比の値を推定できることがわかるのであり、これらの計算例には、懸濁固形分濃度の2つの異なる値、すなわちそれぞれ固形分15質量%及び20質量%が含まれているものである。 更に、図4(前記イ(エ))は、前記数学的処理に従って水性懸濁液中の粒子の平均アスペクト比の測定値を得るために導電率測定を行うために使用できる電極の配置を概略的に示すものであり、溶液の導電率を測定するための装置は、水性懸濁液を収容する管状測定容器(図示せず)を含み、測定容器の円筒壁には3つの環状炭素電極2、3、4が設置されており、測定容器内に実質的に完全にナイロンスリーブ6で覆われたステンレス鋼ロッド5が、測定チャンバーの長手方向軸に沿って固定されており、環状電極2の中心では、スリーブ6内にギャップが残され、このギャップは、ステンレス鋼ロッド5にしっかりと嵌合するカーボンカラーによって埋められ、カーボンカラーは第4の電極7を形成するものである。 そして、非球形粒子の水性懸濁液は、測定容器を通って矢印1の方向に流れ、この場合、流れる懸濁液の速度勾配は、測定チャンバーの長手方向軸からの半径方向の距離に応じて線形に増加し、よく知られている挙動に従って粒子が軸に平行に整列するものであり、粒子が扁平回転楕円体の形状に近い形状を有する場合、長軸方向の寸法は長手方向の軸に平行であり、平均して半径方向に垂直となり、これらのせん断場条件下での粒子の配向は、測定容器の横断面を示す図5(前記イ(エ))に概略的に示されているものであり、したがって、軸方向電極7と環状電極2の間を流れる懸濁液の流れにおいて行われる導電率の測定により、粒子の長軸寸法(Kpr)に垂直な方向の導電率が得られ、中央環状電極3と、一緒に接続された2つの外側環状電極2及び4の間では、流れ方向及び粒子の長軸寸法(Kpl)にほぼ平行な方向の導電率が得られるものである。 また、前記1(イ)、(オ)、(カ)の記載によれば、甲第7号証には、主軸方向に平行な方向(Kpl)と直交する方向(Kpr)で導電率を測定する際の測定回路及びパルス波形も記載されており、これらの装置は、流体の連続的な流れにおいて、粒子配向に対して半径方向及び縦方向の導電率測定を迅速に連続して行うことができるため、特に有利であり、したがって、温度の影響が排除され、アスペクト比の測定をより正確に行うことができるものである。 エ 前記ウによれば、「形状係数」は、甲第7号証に記載された装置及び方法により、Frickeの理論に基づいて求めることができることを理解できる。 そうすると、願書に添付した明細書の記載を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎としたとき、前記「形状係数」を測定する装置及び方法が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるということはできない。 オ 更に、「形状係数」のキャリブレーション技術、すなわち較正方法について検討すると、甲第8号証には、以下の(ア)~(ウ)の記載がある。 (ア) 「WHAT IS CLAIMED IS: 1 . A method for calibrating an apparatus for measuring shape factor, comprising: determining aspect ratios for each of a plurality of kaolin samples; measuring the shape factors of each of the plurality of kaolin samples using the apparatus, wherein each of the kaolin samples includes potassium oxide in an amount less than about 0.1 % by weight of each of the kaolin samples; and calibrating the apparatus based on a correlation between the aspect ratios and the shape factors.」 (当審訳:特許請求の範囲 1.形状係数を測定するための装置を較正するための方法であって、複数のカオリンサンプルのそれぞれについてアスペクト比を決定するステップと、 装置を使用して複数のカオリンサンプルのそれぞれの形状係数を測定するステップであって、各カオリンサンプルは、各カオリンサンプルの約0.1質量%未満の量の酸化カリウムを含み、そして アスペクト比と形状係数との間の相関に基づいて装置を較正するステップ、を含む方法。) (イ) 「[006] According to another method disclosed in U.S. Patent No. 5,576,617, the subject matter of which is incorporated herein by reference, an apparatus may be used to measure the shape factor of non-spherical particles by obtaining a fully-deflocculated suspension of the particles, causing the particles in the suspension to orientate generally in a first direction, measuring the conductivity of the particles suspension substantially in the first direction, and simultaneously or substantially simultaneously measuring the conductivity of the particle suspension in a direction transverse to the first direction. Thereafter, the difference between the two conductivity measurements may be determined to provide a measure of the shape factor of the particles in suspension. Measuring conductivity "substantially simultaneously" means to take the second conductivity measurement sufficiently close in time after the first conductivity measurement, such that the temperature of the suspension being measured will be effectively the same for each measurement. [007] There was previously no known relationship between aspect ratio and shape factor since the values obtained in connection with the measurement of each are derived from wholly distinct measurement techniques and are not clearly connected. Aspect ratio and shape factor relate to distinct characteristics, and thus, calibrating the above-described apparatus for measuring shape factor required the use of kaolin samples having known shape factors (i.e., kaolin standards). Therefore, it would be desirable to determine an alternative method for calibrating an apparatus for measuring shape factor. SUMMARY In accordance with a first aspect, a method for calibrating an apparatus for measuring shape factor is provided, wherein the method comprises determining aspect ratios for each of a plurality of kaolin samples and measuring the shape factors of each of the plurality of kaolin samples using the apparatus, wherein each of the kaolin samples includes potassium oxide in an amount less than about 0.1 % by weight of each of the kaolin samples. The method further includes calibrating the apparatus based on a correlation between the aspect ratios and the shape factors. Unless otherwise specified, kaolin samples as describe herein may include various minerals and other impurities including but not limited to kaolinite, mica, smectite, titania (e.g., anatase), goethite, and iron oxide (e.g., hematite), for example.」 (当審訳:[006]米国特許第5,576,617号に開示されている別の方法によれば、その主題は参照により本明細書に組み込まれるが、装置は、完全に解膠された懸濁液を取得することによって、非球形粒子の形状係数を測定するために使用され得るのであり、始めに、粒子を懸濁液中の粒子をほぼ第1の方向に配向させ、実質的に第1の方向で粒子懸濁液の導電率を測定し、同時にまたは実質的に同時に、第1の方向を横切る方向で粒子懸濁液の導電率を測定する。その後、2つの導電率測定値の間の差を決定して、懸濁液中の粒子の形状係数の測定値を提供することができる。「実質的に同時に」導電率を測定するとは、測定される懸濁液の温度が各測定で事実上同じになるように、最初の導電率測定の十分に近い時間で2回目の導電率測定を行うことを意味する。 [007]アスペクト比と形状係数は、それぞれの測定に関連して得られた値が全く異なる測定技術から得られており、明確に関連していないため、これまでは関係が知られていなかった。アスペクト比と形状係数は別個の特性に関係するため、形状係数を測定するための上記の装置を較正するには、既知の形状係数を有するカオリンサンプル(すなわち、カオリン標準)の使用が必要であった。したがって、形状係数を測定するための装置を較正するための代替方法を決定することが望ましい。 要約 第1の態様によれば、形状係数を測定するための装置を較正するための方法が提供され、この方法は、複数のカオリンサンプルのそれぞれについてアスペクト比を決定することと、装置により複数のカオリンサンプルのそれぞれの形状係数を測定することを含み、各カオリンサンプルは、各カオリンサンプルの約0.1質量%未満の量の酸化カリウムを含む。この方法はさらに、アスペクト比と形状係数との間の相関に基づいて装置を較正するステップを含む。特に指定しない限り、本明細書に記載のカオリンサンプルは、例えば、カオリナイト、マイカ、スメクタイト、チタニア(例えば、アナターゼ)、針鉄鉱、及び酸化鉄(例えば、ヘマタイト)を含むがこれらに限定されない、様々な鉱物及び他の不純物を含み得る。) (ウ) 「[050]By using such methods, it is possible to obtain a high-quality statistical regression fit to the aspect ratio using linear terms in the shape factor. Therefore, it is possible to calibrate an apparatus for measuring shape factor of particles, such as but not limited to, sedimentary kaolin, by correlating aspect ratios of samples of particles with their shape factors as described above to generate a primary calibration curve as shown in Fig. 8.」 (当審訳:[050]そのような方法を使用することによって、形状係数の線形項を使用してアスペクト比に適合する高品質の統計的回帰を得ることが可能である。したがって、粒子のサンプルのアスペクト比を上述のようにそれらの形状係数と相関させて、図8に示すような一次較正曲線を生成することによって、限定されないが沈降性カオリンなどの粒子の形状係数を測定するための装置を較正することが可能である。) カ 前記オ(イ)の記載によれば、米国特許第5,576,617号、すなわち甲第7号証に開示されている装置は、完全に解膠された懸濁液を取得することによって、非球形粒子の「形状係数」を測定するために使用され得るのであるが、アスペクト比と形状係数は、それぞれの測定に関連して得られた値が全く異なる測定技術から得られており、明確に関連していないため、これまでは関係が知られていなかったのであり、このため、形状係数を測定するための装置を較正するための代替方法を決定することが望ましいものである。 そして、前記オ(ア)、(イ)(段落[007])の記載によれば、甲第8号証には、形状係数を測定するための装置を較正するための方法であって、複数のカオリンサンプルのそれぞれについてアスペクト比を決定するステップと、装置を使用して複数のカオリンサンプルのそれぞれの形状係数を測定するステップであって、各カオリンサンプルは、各カオリンサンプルの約0.1質量%未満の量の酸化カリウムを含み、そしてアスペクト比と形状係数との間の相関に基づいて装置を較正するステップ、を含む方法が記載されており、前記オ(ウ)の記載によれば、前記方法を使用することによって、形状係数の線形項を使用してアスペクト比に適合する高品質の統計的回帰を得ることが可能であり、したがって、粒子のサンプルのアスペクト比をそれらの形状係数と相関させて一次較正曲線を生成することによって、限定されないが沈降性カオリンなどの粒子の形状係数を測定するための装置を較正することが可能であるものである。 キ 前記カによれば、形状係数を測定するための装置を較正するための方法であって、複数のカオリンサンプルのそれぞれについてアスペクト比を決定するステップと、装置を使用して複数のカオリンサンプルのそれぞれの形状係数を測定するステップであって、各カオリンサンプルは、各カオリンサンプルの約0.1質量%未満の量の酸化カリウムを含み、そしてアスペクト比と形状係数との間の相関に基づいて装置を較正するステップ、を含む方法により、甲第7号証に開示されている「形状係数」を測定するための装置を較正できることを理解することができる。 そうすると、願書に添付した明細書の記載を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎としたとき、甲第7号証に開示されている「形状係数」を測定するための装置の較正方法が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるということはできない。 ク 前記エ及びキによれば、本件発明1における「形状係数」の測定装置及び方法、更にその較正方法が、願書に添付した明細書の記載を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎としたとき、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるということはできない。そして、このことを前記(1)の判断手法に当てはめれば、特許請求の範囲の請求項1の記載は明確性要件に適合するといえる。 更に、本件特許請求の範囲の請求項2~15について検討しても事情は同じである。 ケ ここで、前記第3の2(1)の申立人の主張について検討すると、前記主張は、総じて、甲第7号証及び甲第8号証には、懸濁液の粘度、流動条件、使用する装置の詳細といった、「形状係数」を測定する際の具体的な条件が記載されておらず、また、甲第7号証及び甲第8号証により測定、較正された「形状係数」の数値は信頼できないから、「形状係数」の値を明確に理解することができないことをいうものと解される。 しかしながら、甲第7号証には、Frickeの理論による方向性導電率と粒子の「形状係数」との間の関係式が記載され、前記方向性導電率を測定する際の懸濁液が水性懸濁液であること、及び懸濁固形分濃度として固形分15質量%及び20質量%が例示され(前記イ(ア))、FIG.4(前記イ(エ))に記載された電極を含む装置に水性懸濁液を連続的に流すことで、温度の影響が排除されて、アスペクト比の測定をより正確に行うことができることが記載されている(前記イ(イ))。 更に、甲第7号証には、導電率測定電極31及び31’、方形波発生器32、定電流長生回路33、2分周回路34、スイッチングユニット35及び増幅器36、37といった一連の回路からなる測定回路により、70ヘルツの方形波を用いて方向性導電率を測定できることが記載されている(前記イ(イ)、(オ)、(カ))。 そして、これらの記載からみれば、甲第7号証に記載された装置において、電極の寸法や間隔及び懸濁液の流動条件等を通常採用し得る範囲のものとすることで、「形状係数」を測定できることを理解することができる。 また、甲第8号証の記載によれば、甲第7号証に開示されている「形状係数」を測定するための装置の較正方法も理解することができることは、前記キに記載したとおりであり、これらのことは、本件特許出願の審理に際して当審が令和4年3月29日付けで通知した拒絶理由通知に対して特許権者が同年9月30日に提出した意見書においても裏付けられるものである。 してみれば、甲第7号証及び甲第8号証に、懸濁液の粘度、流動条件、使用する装置の詳細といった「形状係数」を測定する際の具体的な条件が記載されていないとしても、「形状係数」の値を明確に理解することができるといえる。 更に、前記アの本件特許明細書の記載(段落【0006】)からみれば、本件発明1においては、甲第7号証により測定された「形状係数」の値を採用するものといえるから、甲第7、8号証により測定、較正された「形状係数」の数値の信頼性に関わらず、「形状係数」の値は、明確に理解することができるといえるので、前記第3の2(1)の申立人の主張はいずれも採用できない。 コ よって、「形状係数」に関して、本件特許請求の範囲の記載は特許法第36条第6項第2号所定の規定に適合するから、前記第3の2(1)の特許異議の申立て理由は理由がない。 (3) 「d50」、「d95」及び「ラメラリティーインデックス」について ア 本件発明1においては、「d50」の定義について特定されていないから、特許請求の範囲の記載からは、「d50」の意味が明らかでない。 そこで、本件特許明細書の記載をみると、本件特許明細書の記載(前記(2)ア段落【0007】)からみれば、前記「d50」は、「マイクロメリティックスセディグラフ(Micromeritics Sedigraph) 5100ユニット」と呼ぶMicromeritics Instruments Corporation, Norcross, Georgia, USA (www.micromeritics.com)によって供給されるセディグラフ5100装置を用いて、水性媒体に完全に分散した状態の粒状物質の沈降により周知の方法で測定されるものであって、該装置は、当技術分野で「球相当径(equivalent spherical diameter)」(e.s.d)と呼ばれる所与のe.s.d値未満のサイズを有する粒子の累積質量百分率の測定値及びプロットを提供するものであり、平均粒径「d50」は、当該「d50」値未満の球相当径を有する粒子が50質量%あるときの粒子e.s.dのこのようにして決定される値であることを理解することができる。 イ 前記アによれば、本件発明1における「d50」が、願書に添付した明細書の記載を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎としたとき、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるということはできない。そして、このことを前記(1)の判断手法に当てはめれば、特許請求の範囲の請求項1の記載は明確性要件に適合するといえる。 更に、本件特許請求の範囲の請求項2~15について検討しても事情は同じである。 ウ また、本件発明3における「d95」も、前記イに記載したのと同様の理由により、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるということはできない。 更に、本件発明3における「ラメラリティーインデックス」についてみると、本件特許明細書の記載(前記(2)ア段落【0005】、【0008】)によれば、用語「ラメラリティーインデックス(lamellarity index)」は、下記比によって定義されるものであって、 [図:0001403698000018.jpg] 「d平均」は、湿式マルバーン(Malvern)レーザー散乱法(規格AFNOR NFX11-666又はISO 13329-1)による粒径測定によって得られる平均粒径(d50)の値であり、「d50」は、セディグラフ(sedigraph)(規格AFNOR X11-683又はISO 13317-3)を用いて沈降作用によって得られる中位径の値であること、及び、上述したマルバーンレーザー光散乱技術においては、粉体、懸濁液及びエマルション中の粒子のサイズは、ミー理論の適用に基づいてレーザー光の回折を利用して測定可能であり、このような装置、例えばマルバーンマスターサイザーS(Malvern Instrumentsによって供給される)は、当技術分野で「球相当径」(e.s.d)と呼ばれる所与のe.s.d値未満のサイズを有する粒子の累積体積百分率の測定値及びプロットを提供するものであり、平均粒径d50は、当該d50値未満の球相当径を有する粒子が50体積%あるときの粒子e.s.dのこのようにして決定される値であるが、レーザー光散乱を用いる粒径の測定は、上述した沈降法に等価な方法ではないことを理解することができる。 してみれば、本件発明3における「ラメラリティーインデックス」も、願書に添付した明細書の記載を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎としたとき、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるということはできない。 エ 前記ウによれば、本件発明3における「d95」及び「ラメラリティーインデックス」も、願書に添付した明細書の記載を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎としたとき、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるということはできない。そして、このことを前記(1)の判断手法に当てはめれば、特許請求の範囲の請求項3の記載は明確性要件に適合するといえる。 更に、本件特許請求の範囲の請求項4~15について検討しても事情は同じである。 オ ここで、前記第3の2(2)の申立人の主張について検討すると、前記主張も、総じて、セディグラフにより「d50」、「d95」及び「ラメラリティーインデックス」を測定する際の具体的な条件が記載されておらず、また、セディグラフにより測定された粒径分布の数値は信頼できないから、「d50」、「d95」及び「ラメラリティーインデックス」の値を明確に理解することができないことをいうものと解される。 ところが、甲第1号証(前記1(1)ア(ア)b)、甲第2号証(前記1(1)イ 左下欄)、甲第3号証(前記1(1)ウ 左下欄)の記載によれば、セディグラフは、粒度分布の測定に一般的に用いられる装置といえ、セディグラフにおける測定条件を当業者が通常採用し得る範囲のものとすることで、「d50」、「d95」及び「ラメラリティーインデックス」を測定できることを理解することができるし、本件特許明細書の記載(前記(2)ア段落【0005】、【0007】、【0008】)からみれば、本件発明1及び3においては、セディグラフにより測定された「d50」、「d95」及び「ラメラリティーインデックス」の値を採用するものといえるから、セディグラフにより測定された粒径分布の数値の信頼性に関わらず、「d50」、「d95」及び「ラメラリティーインデックス」の値は、明確に理解することができるといえるので、前記第3の2(2)の申立人の主張はいずれも採用できない。 カ したがって、「d50」、「d95」及び「ラメラリティーインデックス」に関して、本件特許請求の範囲の記載は特許法第36条第6項第2号所定の規定に適合するから、前記第3の2(2)の特許異議の申立て理由は理由がない。 (4)小括 よって、本件特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号所定の規定に適合するといえるから、前記第3の2の特許異議の申立て理由もいずれも理由がない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、申立人の特許異議申立書に記載した特許異議の申立て理由及び証拠によっては、本件発明1~15に係る特許を取り消すことはできない。 また、ほかに本件発明1~15に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700744

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