特許訂正審判
2023-390118
印刷材カートリッジ、印刷材収容体アダプター、及び、回路基板
- 審判番号
- 2023-390118
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2015-250820
- 登録番号
- 6137297
- 請求日
- 2023年10月02日
- 審決日
- 2024年01月05日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】セイコーエプソン 株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人明成国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 藤本 義仁
- 審判官 嵯峨根 多美
- 審判官 門 良成
- 分類
- P141 .851-Y (B41J) / P141 .853-Y (B41J) / P141 .857-Y (B41J) / P141 .841-Y (B41J) / P141 .854-Y (B41J) / P141 .855-Y (B41J) / P141 .856-Y (B41J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条1項4号特許法126条5項特許法126条7項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6137297号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第6137297号の明細書、特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~28について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯の概要
本件審判請求に係る特許第6137297号(以下、「本件特許」という。)は、平成23年8月31日(優先権主張 平成22年9月3日、日本国)を国際出願日とする特願2012-504211号の一部を、平成27年12月24日に、特願2015-250820号として特許出願されたものであって、平成29年5月12日にその特許権の設定登録がされ、同年同月31日に特許掲載公報が発行されたものである。
その後の主な手続は以下のとおりである。
令和4年 9月27日 訂正審判2022-390160号の請求
同年10月31日 手続補正指令書の通知
同年11月29日 手続補正書の提出
令和5年 1月10日 訂正拒絶理由の通知
同年 2月13日 意見書及び手続補正書の提出
同年 4月19日 上記訂正審判の請求取下
同年10月 2日 本件訂正審判の請求
第2 本件訂正審判請求の趣旨
本件訂正審判請求は、その請求の趣旨を「特許第6137297号の明細書、特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~28について訂正することを認める、との審決を求める。」とするものである。
(以下、本件訂正審判請求による訂正を「本件訂正」ということがある。)
第3 訂正事項
1 一群の請求項1~14にかかる訂正
(1)訂正事項1(訂正事項についての下線は、請求人が付したものである。以下、同様。)
特許請求の範囲の請求項1に
「複数の装置側端子を有するカートリッジ装着部と、カートリッジ装着検出回路と、記憶装置制御回路と、を含む印刷装置、の前記複数の装置側端子に電気的に接続可能な回路基板であって、
記憶装置と、
前記記憶装置に接続されると共に、前記回路基板が前記カートリッジ装着部に装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と、
前記回路基板が前記カートリッジ装着部に装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を検出するために使用される複数の第2の端子と、
を備え、」と記載されているのを、
「回路基板をそれぞれ備えた複数の種類のカートリッジを個々に装着可能な、複数の装置側端子をそれぞれ含む複数の収容スロットを有するカートリッジ装着部と、カートリッジ装着検出回路と、記憶装置制御回路と、を含む印刷装置、の前記複数の装置側端子に電気的に接続可能な前記回路基板であって、
記憶装置と、
前記記憶装置に接続されると共に、前記カートリッジが前記カートリッジ装着部の前記複数の収容スロットのうちの対応する1つの収容スロットに装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と、
前記カートリッジが前記カートリッジ装着部の前記対応する1つの収容スロットに装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を検出するために使用される複数の第2の端子と、
を備え、」に訂正する(請求項1を引用する請求項2~6、8~10、12~14も同様に訂正する)。
この訂正事項1を、当審にて以下に分割する。
ア 訂正事項1-1
特許請求の範囲の請求項1に「複数の装置側端子を有するカートリッジ装着部と」と記載されているのを、「回路基板をそれぞれ備えた複数の種類のカートリッジを個々に装着可能な、複数の装置側端子をそれぞれ含む複数の収容スロットを有するカートリッジ装着部と」に訂正する(請求項1を引用する請求項2~6、8~10、12~14も同様に訂正する)。
イ 訂正事項1-2
特許請求の範囲の請求項1に「接続可能な回路基板であって、」と記載されているのを、「接続可能な前記回路基板であって、」に訂正する(請求項1を引用する請求項2~6、8~10、12~14も同様に訂正する)。
ウ 訂正事項1-3
特許請求の範囲の請求項1の5行目と8行目に「前記回路基板が前記カートリッジ装着部に装着された時に」と記載されるところの「前記回路基板」を、「前記カートリッジ」に訂正する(請求項1を引用する請求項2~6、8~10、12~14も同様に訂正する)。
エ 訂正事項1-4
特許請求の範囲の請求項1に、「前記回路基板が前記カートリッジ装着部に装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と」と記載されるところの「前記カートリッジ装着部に装着された時」を、「前記カートリッジ装着部の前記複数の収容スロットのうちの対応する1つの収容スロットに装着された時」に訂正する(請求項1を引用する請求項2~6、8~10、12~14も同様に訂正する)。
オ 訂正事項1-5
特許請求の範囲の請求項1に、「前記回路基板が前記カートリッジ装着部に装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を検出するために使用される複数の第2の端子と」と記載されるところの「前記カートリッジ装着部に装着された時」を、「前記カートリッジ装着部の前記対応する1つの収容スロットに装着された時」に訂正する(請求項1を引用する請求項2~6、8~10、12~14も同様に訂正する)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に
「前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記回路基板を備えたカートリッジに
搭載された電気デバイスに電気的に接続される、」と記載されているのを、
「前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記回路基板を備えたカートリッジに搭載された電気デバイスに電気的に接続され、
前記電気デバイスは、前記回路基板内に設けられた抵抗素子であり、
前記抵抗素子は、前記カートリッジが前記対応する1つの収容スロットに装着された時に、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を、前記カートリッジ装着検出回路によって検出させるために用いられる、」に訂正する(請求項1を引用する請求項2-6、8-10、12~14も同様に訂正する)。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項7を削除する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項11に
「請求項1~4,8~10のいずれか一項に記載の回路基板であって、
前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、電気デバイスに電気的に接続可能であり、
前記電気デバイスは、前記カートリッジ装着部に装着される印刷材カートリッジ内の印刷材の残量の検出に使用されるセンサーである、回路基板。」
と記載されているのを、
「複数の装置側端子を有するカートリッジ装着部と、カートリッジ装着検出回路と、記憶装置制御回路と、を含む印刷装置、の前記複数の装置側端子に電気的に接続可能な回路基板であって、
記憶装置と、
前記記憶装置に接続されると共に、前記回路基板が前記カートリッジ装着部に装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と、
前記回路基板が前記カートリッジ装着部に装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を検出するために使用される複数の第2の端子と、
を備え、
前記複数の第1の端子は、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第1の接触部をそれぞれ有し、
前記複数の第2の端子は、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第2の接触部をそれぞれ有し、
前記複数の第1の接触部と前記複数の第2の接触部は、第1列と第2列を構成するように配列されており、
前記複数の第2の接触部のうちの4つの接触部は、前記第1列と前記第2列の両端にそれぞれ配置されており、
前記複数の第2の接触部の前記4つの接触部のうち、
前記第1列の両端に配置された2つの接触部は、互いに電気的に接続されており、かつ、いずれも一定電位に接続されておらず、
前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記回路基板を備えたカートリッジに搭載された電気デバイスに電気的に接続され、
前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、電気デバイスに電気的に接続可能であり、
前記電気デバイスは、前記カートリッジ装着部に装着される印刷材カートリッジ内の印刷材の残量の検出に使用されるセンサーである、回路基板。」に訂正する(請求項11を引用する請求項12~14も同様に訂正する)。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項14に
「前記回路基板は、印刷ヘッドとカートリッジ装着部を有する印刷装置のカートリッジ装着部に装着される、」と記載されているのを、
「前記回路基板は、印刷ヘッドと前記カートリッジ装着部を有する前記印刷装置の前記カートリッジ装着部に装着される、」に訂正する。
(6)訂正事項6
願書に添付した明細書の段落【0009】に、
「(1)本発明の一形態によれば、複数の装置側端子を有するカートリッジ装着部と、カートリッジ装着検出回路と、記憶装置制御回路と、を含む印刷装置、の前記複数の装置側端子に電気的に接続可能な回路基板が提供される。この回路基板は、記憶装置と、前記記憶装置に接続されると共に、前記回路基板が前記カートリッジ装着部に装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と、前記回路基板が前記カートリッジ装着部に装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を検出するために使用される複数の第2の端子と、を備え、前記複数の第1の端子は、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第1の接触部をそれぞれ有し、前記複数の第2の端子は、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第2の接触部をそれぞれ有し、前記複数の第1の接触部と前記複数の第2の接触部は、第1列と第2列を構成するように配列されており、前記複数の第2の接触部のうちの4つの接触部は、前記第1列と前記第2列の両端にそれぞれ配置されている。また、前記複数の第2の接触部の前記4つの接触部のうち、前記第1列の両端に配置された2つの接触部は、互いに電気的に接続されており、かつ、いずれも一定電位に接続されておらず、前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記回路基板を備えたカートリッジに搭載された電気デバイスに電気的に接続される。この構成によれば、回路基板の接続状態を検出するため4つの接触部が第1列と第2列の両端にそれぞれ配置されているので、回路基板の接続状態又は装着状態を正しく判定することができる。また、第2列の両端に配置された2つの接触部を、装着検出と、電気デバイスへの信号の授受との両方の用途に使用することができる。」と記載されているのを、
「(1)本発明の一形態によれば、回路基板をそれぞれ備えた複数の種類のカートリッジを個々に装着可能な、複数の装置側端子をそれぞれ含む複数の収容スロットを有するカートリッジ装着部と、カートリッジ装着検出回路と、記憶装置制御回路と、を含む印刷装置、の前記複数の装置側端子に電気的に接続可能な前記回路基板が提供される。この回路基板は、記憶装置と、前記記憶装置に接続されると共に、前記カートリッジが前記カートリッジ装着部の前記複数の収容スロットのうちの対応する1つの収容スロットに装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と、前記カートリッジが前記カートリッジ装着部の前記対応する1つの収容スロットに装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を検出するために使用される複数の第2の端子と、を備え、前記複数の第1の端子は、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第1の接触部をそれぞれ有し、前記複数の第2の端子は、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第2の接触部をそれぞれ有し、前記複数の第1の接触部と前記複数の第2の接触部は、第1列と第2列を構成するように配列されており、前記複数の第2の接触部のうちの4つの接触部は、前記第1列と前記第2列の両端にそれぞれ配置されている。また、前記複数の第2の接触部の前記4つの接触部のうち、前記第1列の両端に配置された2つの接触部は、互いに電気的に接続されており、かつ、いずれも一定電位に接続されておらず、前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記回路基板を備えたカートリッジに搭載された電気デバイスに電気的に接続される。前記電気デバイスは、前記回路基板内に設けられた抵抗素子であり、前記抵抗素子は、前記カートリッジが前記対応する1つの収容スロットに装着された時に、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を、前記カートリッジ装着検出回路によって検出させるために用いられる。この構成によれば、回路基板の接続状態を検出するため4つの接触部が第1列と第2列の両端にそれぞれ配置されているので、回路基板の接続状態又は装着状態を正しく判定することができる。また、第2列の両端に配置された2つの接触部を、装着検出と、電気デバイスへの信号の授受との両方の用途に使用することができる。」に訂正する。
2 一群の請求項15~28にかかる訂正
(1)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項15に、
「複数の装置側端子を有するカートリッジ装着部と、カートリッジ装着検出回路と、記憶装置制御回路と、を含む印刷装置、に装着可能な印刷材カートリッジであって、
記憶装置と、
前記記憶装置に接続されると共に、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と、
前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記カートリッジ装着部における前記印刷材カートリッジの装着状態を検出するために使用される複数の第2の端子と、を備え、
前記複数の第1の端子は、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された状態で、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第1の接触部をそれぞれ有し、
前記複数の第2の端子は、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された状態で、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第2の接触部をそれぞれ有し、」と記載されているのを、
「回路基板をそれぞれ備えた複数の種類の印刷材カートリッジを個々に装着可能な、複数の装置側端子をそれぞれ含む複数の収容スロットを有するカートリッジ装着部と、カートリッジ装着検出回路と、記憶装置制御回路と、を含む印刷装置、に装着可能な印刷材カートリッジであって、
前記回路基板は、
記憶装置と、
前記記憶装置に接続されると共に、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部の前記複数の収容スロットのうちの対応する1つの収容スロットに装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と、
前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部の前記対応する1つの収容スロットに装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記カートリッジ装着部における前記印刷材カートリッジの装着状態を検出するために使用される複数の第2の端子と、を備え、
前記複数の第1の端子は、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された状態で、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第1の接触部をそれぞれ有し、
前記複数の第2の端子は、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された状態で、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第2の接触部をそれぞれ有し、」に訂正する(請求項15を引用する請求項16~20、22~24、26~28も同様に訂正する)。
この訂正事項7を、当審にて以下に分割する。
ア 訂正事項7-1
特許請求の範囲の請求項15に「複数の装置側端子を有するカートリッジ装着部と」と記載されているのを、「回路基板をそれぞれ備えた複数の種類の印刷材カートリッジを個々に装着可能な、複数の装置側端子をそれぞれ含む複数の収容スロットを有するカートリッジ装着部と」に訂正する(請求項15を引用する請求項16~20、22~24、26~28も同様に訂正する)。
イ 訂正事項7-2
訂正前の特許請求の範囲の請求項15に「印刷材カートリッジであって、記憶装置と、」と記載されているのを、「印刷材カートリッジであって、前記回路基板は、記憶装置と、」に訂正する(請求項15を引用する請求項16~20、22~24、26~28も同様に訂正する)。
ウ 訂正事項7-3
特許請求の範囲の請求項15に、「前記記憶装置に接続されると共に、前記印刷材カートリッジがカートリッジ装着部に装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と」と記載されるところの「前記印刷材カートリッジ装着部に装着された時」を、「前記印刷材カートリッジ装着部の前記複数の収容スロットのうちの対応する1つの収容スロットに装着された時」に訂正する(請求項15を引用する請求項16~20、22~24、26~28も同様に訂正する)。
エ 訂正事項7-4
特許請求の範囲の請求項15に、「前記印刷材カートリッジ装着部に装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記カートリッジ装着部における前記印刷材カートリッジの装着状態を検出するために使用される複数の第2の端子と」と記載されるところの「前記印刷材カートリッジ装着部に装着された時」を、「前記印刷材カートリッジ装着部の前記対応する1つの収容スロットに装着された時」に訂正する(請求項15を引用する請求項16~20、22~24、26~28も同様に訂正する)。
(2)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項15に、
「前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記印刷材カートリッジに設けられた電気デバイスに電気的に接続されている、」と記載されているのを、
「前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記印刷材カートリッジに設けられた電気デバイスに電気的に接続され、
前記電気デバイスは、前記回路基板内に設けられた抵抗素子であり、
前記抵抗素子は、前記印刷材カートリッジが前記対応する1つの収容スロットに装着された時に、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を、前記カートリッジ装着検出回路によって検出させるために用いられる、」に訂正する(請求項15を引用する請求項16~20、22~24、26~28も同様に訂正する)。
(3)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項21を削除する。
(4)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項25に、
「請求項15~18,22~24のいずれか一項に記載の印刷材カートリッジであって、
前記電気デバイスは、前記印刷材カートリッジ内の印刷材の残量の検出に使用されるセンサーである、印刷材カートリッジ。」と記載されているのを、
「複数の装置側端子を有するカートリッジ装着部と、カートリッジ装着検出回路と、記憶装置制御回路と、を含む印刷装置、に装着可能な印刷材カートリッジであって、
記憶装置と、
前記記憶装置に接続されると共に、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と、
前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記カートリッジ装着部における前記印刷材カートリッジの装着状態を検出するために使用される複数の第2の端子と、を備え、
前記複数の第1の端子は、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された状態で、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第1の接触部をそれぞれ有し、
前記複数の第2の端子は、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された状態で、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第2の接触部をそれぞれ有し、
前記複数の第1の接触部と前記複数の第2の接触部は、第1列と第2列を構成するように配列されており、
前記複数の第2の接触部のうちの4つの接触部は、前記第1列と前記第2列の両端にそれぞれ配置されており、
前記複数の第2の接触部の前記4つの接触部のうち、
前記第1列の両端に配置された2つの接触部は、互いに電気的に接続されており、かつ、いずれも一定電位に接続されておらず、
前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記印刷材カートリッジに設けられた電気デバイスに電気的に接続され、
前記電気デバイスは、前記印刷材カートリッジ内の印刷材の残量の検出に使用されるセンサーである、印刷材カートリッジ。」に訂正する(請求項25を引用する請求項26~28も同様に訂正する)。
(5)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項28に、
「前記印刷材カートリッジは、印刷ヘッドとカートリッジ装着部を有する印刷装置のカートリッジ装着部に装着される、」と記載されているのを、
「前記印刷材カートリッジは、印刷ヘッドと前記カートリッジ装着部を有する前記印刷装置の前記カートリッジ装着部に装着される、」に訂正する。
(6)訂正事項12
願書に添付した明細書の段落【0024】に、
「(16)本発明の他の形態によれば、複数の装置側端子を有するカートリッジ装着部と、カートリッジ装着検出回路と、記憶装置制御回路と、を含む印刷装置、に装着可能な印刷材カートリッジが提供される。この印刷材カートリッジは、記憶装置と、前記記憶装置に接続されると共に、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記カートリッジ装着部における前記印刷材カートリッジの装着状態を検出するために使用される複数の第2の端子と、を備え、前記複数の第1の端子は、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された状態で、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第1の接触部をそれぞれ有し、前記複数の第2の端子は、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された状態で、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第2の接触部をそれぞれ有し、前記複数の第1の接触部と前記複数の第2の接触部は、第1列と第2列を構成するように配列されており、前記複数の第2の接触部のうちの4つの接触部は、前記第1列と前記第2列の両端にそれぞれ配置されている。また、前記複数の第2の接触部の前記4つの接触部のうち、前記第1列の両端に配置された2つの接触部は、互いに電気的に接続されており、かつ、いずれも一定電位に接続されておらず、前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記印刷材カートリッジに設けられた電気デバイスに電気的にされている。この構成によれば、複数の第2の端子の4つの接触部が第1列と第2列の両端にそれぞれ配置されているので、印刷材カートリッジの装着状態を正しく判定することができる。また、第2列の両端に配置された2つの接触部を、装着検出と、電気デバイスへの信号の授受との両方の用途に使用することができる。」と記載されているのを、
「(16)本発明の他の形態によれば、回路基板をそれぞれ備えた複数の種類の印刷材カートリッジを個々に装着可能な、複数の装置側端子をそれぞれ含む複数の収容スロットを有するカートリッジ装着部と、カートリッジ装着検出回路と、記憶装置制御回路と、を含む印刷装置、に装着可能な印刷材カートリッジが提供される。前記回路基板は、記憶装置と、前記記憶装置に接続されると共に、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部の前記複数の収容スロットのうちの対応する1つの収容スロットに装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部の前記対応する1つの収容スロットに装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記カートリッジ装着部における前記印刷材カートリッジの装着状態を検出するために使用される複数の第2の端子と、を備え、前記複数の第1の端子は、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された状態で、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第1の接触部をそれぞれ有し、前記複数の第2の端子は、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された状態で、前記複数の装置側端子のうちの対応する装置側端子と接触する第2の接触部をそれぞれ有し、前記複数の第1の接触部と前記複数の第2の接触部は、第1列と第2列を構成するように配列されており、前記複数の第2の接触部のうちの4つの接触部は、前記第1列と前記第2列の両端にそれぞれ配置されている。また、前記複数の第2の接触部の前記4つの接触部のうち、前記第1列の両端に配置された2つの接触部は、互いに電気的に接続されており、かつ、いずれも一定電位に接続されておらず、前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記印刷材カートリッジに設けられた電気デバイスに電気的に接続されている。前記電気デバイスは、前記回路基板内に設けられた抵抗素子であり、前記抵抗素子は、前記印刷材カートリッジが前記対応する1つの収容スロットに装着された時に、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を、前記カートリッジ装着検出回路によって検出させるために用いられる。この構成によれば、複数の第2の端子の4つの接触部が第1列と第2列の両端にそれぞれ配置されているので、印刷材カートリッジの装着状態を正しく判定することができる。また、第2列の両端に配置された2つの接触部を、装着検出と、電気デバイスへの信号の授受との両方の用途に使用することができる。」に訂正する。
第4 当審の判断
1 一群の請求項1~14にかかる訂正
(1)一群の請求項についての説明
本件訂正前の請求項2~14は、請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、本件訂正後の請求項2~10、12~14は、訂正事項1、2によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
また、本件訂正前の請求項12~14は、請求項11を直接的又は間接的に引用しているものであって、本件訂正後の請求項12~14は、訂正事項4によって記載が訂正される請求項11に連動して訂正されるものである。
そして、上述する本件訂正後の請求項12~14は共通しているから、本件訂正前の請求項1~14に対応する本件訂正後の請求項1~14は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
(2)訂正の適否について
ア 訂正事項1について
(ア)訂正事項1-1について
a 訂正の目的について
訂正事項1-1は、本件訂正前の請求項1の「複数の装置側端子を有するカートリッジ装着部と」との記載を、「回路基板をそれぞれ備えた複数の種類のカートリッジを個々に装着可能な、複数の装置側端子をそれぞれ含む複数の収容スロットを有するカートリッジ装着部と」に訂正するものである。
「カートリッジ装着部」にカートリッジが装着されることは技術常識であるところ、訂正事項1-1により「カートリッジ装着部」について明示的に「『カートリッジ』を『装着可能な』」と訂正することは、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項1-1は、本件訂正前においては「複数の装置側端子を有する」ことのみ特定していた「カートリッジ装着部」について、「カートリッジ」が装着される部位を「複数の装置側端子」を含む「収容スロット」と限定し、この「収容スロット」を「複数」含み、「複数の種類のカートリッジを個々に装着可能」であることまで限定し、「カートリッジ」についても、「複数の種類」があり、それぞれ「回路基板」を備えることを限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
明細書等には、段落【0040】に「図1に示す例では、カートリッジ装着部1100には、4つのインクカートリッジが独立に装着可能であり、例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4種類のインクカートリッジが装着される。」、段落【0042】に「カートリッジ100は、・・・天井面(第3の面)Stと、・・・を備える。」、段落【0043】に「天井面Stには、回路基板200が設けられている。」、段落【0055】に「カートリッジ装着部1100は、カートリッジを収容するための4つの収容スロットSL1~SL4を備えている。図4Bに示すように、カートリッジ装着部1100の内部には、1スロット毎に、・・・接点機構1400とが設けられている。」、段落【0059】に「接点機構1400(図4B)は、カートリッジ100がカートリッジ装着部1100に挿入された場合に、回路基板200の端子210~290(図3A)と接触して導通する複数の装置側端子を有する。」と記載されているから、訂正事項1-1は、明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。
よって、訂正事項1-1は、特許法第126条第5項に適合するものである。
c 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記aに示したとおり、訂正事項1-1は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であるので、特許請求の範囲を拡張するものではなく、発明の対象やカテゴリー、目的を変更するものでもない。
したがって、訂正事項1-1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(イ)訂正事項1-2について
a 訂正の目的について
訂正事項1-2は、本件訂正前の請求項1に「接続可能な回路基板であって、」と記載されているのを、「接続可能な前記回路基板であって、」に訂正するものである。これは、訂正事項1-1により、回路基板が前出することに伴い必要となった整合性を図るためのものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1-2は、本件訂正前の請求項1に「接続可能な回路基板であって、」と記載されるところの「回路基板」が、訂正事項1-1により訂正されるところの「回路基板」と同一であることを明記する訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項1-2は、特許法第126条第5項に適合するものである。
c 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1-2は、本件訂正前の請求項1に「接続可能な回路基板であって、」と記載されるところの「回路基板」が、訂正事項1-1により訂正されるところの「回路基板」と同一であることを明記する訂正に過ぎず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項1-2は、特許法第126条第6項に適合するものである。
(ウ)訂正事項1-3について
a 訂正の目的について
訂正事項1-3は、本件訂正前の請求項1に「前記回路基板が前記カートリッジ装着部に装着された時に」と記載されるところの「前記回路基板」を、「前記カートリッジ」に訂正するものである。これは、訂正事項1-1により、カートリッジ装着部について「カートリッジを個々に装着可能な」と訂正することで必要となった整合性を図るためのものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
明細書等の段落【0040】には「図1に示す例では、カートリッジ装着部1100には、4つのインクカートリッジが独立に装着可能であり、例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4種類のインクカートリッジが装着される。」と記載されているから、訂正事項1-3は、明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。
よって、訂正事項1-3は、特許法第126条第5項に適合するものである。
c 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1-3は、訂正事項1-1によりカートリッジ装着部について「カートリッジを個々に装着可能な」と訂正することに伴い整合性を図るためのものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項1-3は、特許法第126条第6項に適合するものである。
(エ)訂正事項1-4について
a 訂正の目的について
訂正事項1-4は、本件訂正前の請求項1に「前記回路基板が前記カートリッジ装着部に装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と」と記載されるところの「前記カートリッジ装着部に装着された時」を、「前記カートリッジ装着部の前記複数の収容スロットのうちの対応する1つの収容スロットに装着された時」に訂正するものである。訂正事項1-4は、訂正事項1-1により「複数の収容スロット」を有するとされる「カートリッジ装着部」への装着について、「前記複数の収容スロットのうちの対応する1つの収容スロット」に対して行われることを限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
明細書等には、段落【0055】に「カートリッジ装着部1100は、カートリッジを収容するための4つの収容スロットSL1~SL4を備えている。図4Bに示すように、カートリッジ装着部1100の内部には、1スロット毎に、・・・凹凸嵌合部1140と、接点機構1400とが設けられている。」、段落【0056】に「凹凸嵌合部1140は、カートリッジ100の凹凸嵌合部134の形状に対応する形状を有しており、各収容スロットSL1~SL4毎に異なる形状を有している。これにより、各収容スロットSL1~SL4には、予め決定された一種類のインクを収容するカートリッジのみが収容可能となり、他の色のカートリッジは収容できないこととなる。」と記載されているから、訂正事項1-4は、明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。
よって、訂正事項1-4は、特許法第126条第5項に適合するものである。
c 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記aに示したとおり、訂正事項1-4は、特許請求の範囲を減縮するものであるので、特許請求の範囲を拡張するものではなく、発明の対象やカテゴリー、目的を変更するものでもない。
したがって、訂正事項1-4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(オ)訂正事項1-5について
a 訂正の目的について
訂正事項1-5は、本件訂正前の請求項1に「前記回路基板が前記カートリッジ装着部に装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を検出するために使用される複数の第2の端子と」と記載されるところの「前記カートリッジ装着部に装着された時」を、「前記カートリッジ装着部の前記対応する1つの収容スロットに装着された時」に訂正するものであるが、ここでいう「『前記』対応する1つの収容スロット」とは訂正事項1-4で訂正する「対応する1つの収容スロット」である。したがって、訂正事項1-5は訂正事項1-4と同様に、訂正事項1-1により「複数の収容スロット」を有するとされる「カートリッジ装着部への装着」への装着について、「前記複数の収容スロットのうちの対応する1つの収容スロット」に対して行われることを限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1-4に関する上記(エ)bに示した明細書等の記載から、訂正事項1-5も明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
c 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記aに示したとおり、訂正事項1-5は、特許請求の範囲を減縮するものであるので、特許請求の範囲を拡張するものではなく、発明の対象やカテゴリー、目的を変更するものでもない。
したがって、訂正事項1-5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(カ)請求項1を引用する請求項2~6、8~10、12~14についても、上記(ア)乃至(オ)の判断と同様である。
イ 訂正事項2について
(ア)訂正の目的について
訂正事項2は、本件訂正前の請求項1に「前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記回路基板を備えたカートリッジに搭載された電気デバイスに電気的に接続される、」と記載されているのを、「前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記回路基板を備えたカートリッジに搭載された電気デバイスに電気的に接続され、前記電気デバイスは、前記回路基板内に設けられた抵抗素子であり、前記抵抗素子は、前記カートリッジが前記対応する1つの収容スロットに装着された時に、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を、前記カートリッジ装着検出回路によって検出させるために用いられる、」に訂正するものである。訂正事項2は、「電気デバイス」が「前記回路基板内に設けられた抵抗素子」であることを限定し、さらに、この「抵抗素子」について「前記カートリッジが前記対応する1つの収容スロットに装着された時に、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を、前記カートリッジ装着検出回路によって検出させるために用いられる」と、その用途を特定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
明細書等には、以下の記載がある(下線は当審で付した。)。
「【0125】
図21は、第3実施形態におけるカートリッジの基板200bと印刷装置1000との電気的構成を示すブロック図である。基板200bは、記憶装置203と、9つの端子210~290の他に、個々のカートリッジの装着検出に使用される抵抗素子204を備えている。
・・・
【0127】
カートリッジ検出回路502は、カートリッジ装着部1100におけるカートリッジの装着検出を行うための回路である。従って、カートリッジ検出回路502を「装着検出回路」と呼ぶことも可能である。」
・・・
【0130】
・・・各装置側端子550は、対応するカートリッジの第1の装着検出端子250に接続される。各カートリッジ内では、第1と第2の装着検出端子250,290の間に、抵抗素子204がそれぞれ設けられている。・・・」
「
[図:0001409049000001.jpg]
」
よって、訂正事項2は、明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、特許請求の範囲を減縮するものであるので、特許請求の範囲を拡張するものではなく、発明の対象やカテゴリー、目的を変更するものでもない。
したがって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(エ)請求項1を引用する請求項2~6、8~10、12~14についても、上記(ア)乃至(ウ)の判断と同様である。
ウ 訂正事項3について
(ア)訂正の目的について
訂正事項3は、請求項7を削除するというものであるから、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3は、請求項7を削除するというものであるから、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、請求項7を削除するというものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
エ 訂正事項4について
(ア)訂正の目的について
訂正事項4は、本件訂正前の請求項11が請求項1~4、8~10の記載を引用する記載であるところ、請求項2~4、8~10を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
(イ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項4は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第126条第6項に適合するものである。
(エ)請求項11を引用する請求項12~14についても、上記(ア)乃至(ウ)の判断と同様である。
オ 訂正事項5について
(ア)訂正の目的について
訂正事項5は、訂正前の請求項14において特定される「カートリッジ装着部」、「印刷装置」を、「前記カートリッジ装着部」、「前記印刷装置」と訂正することで、訂正前の請求項14において特定される「カートリッジ装着部」、「印刷装置」が、訂正前の請求項1~13において特定される「カートリッジ装着部」、「印刷装置」であることを明確化するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(イ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正前の請求項14において特定される「カートリッジ装着部」、「印刷装置」を、「前記カートリッジ装着部」、「前記印刷装置」と訂正することは、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項5は、訂正前の請求項14において特定される「カートリッジ装着部」、「印刷装置」を、「前記カートリッジ装着部」、「前記印刷装置」と訂正することは、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
カ 訂正事項6について
(ア)訂正の目的について
訂正事項6は、訂正事項1、2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(イ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項6は、訂正事項1、2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正であるから、上記ア及びイと同様に、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項6は、特許法第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項6は、訂正事項1、2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正であるから、上記ア及びイと同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(エ)明細書の訂正と関係する請求項についての説明
訂正事項6は、訂正事項1、2に係る訂正に伴うものであり、その記載内容は、本件訂正後の請求項1の記載内容に対応するものである。
よって、訂正事項6は、一群の請求項1~14に関係する訂正である。
キ 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
(ア)請求項11に係る訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」のみを目的とする訂正であるから、特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(イ)請求項1~10、12~14に係る訂正事項1、2及び3は「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるから、請求項1~10、12~14に係る発明が、特許法第126条第7項の独立特許要件を満たしているか検討する。
本件特許に係る出願は、拒絶の理由を発見しないとして特許査定されたものであり、請求項1~10、12~14に係る訂正事項1、2及び3に基づく訂正後の請求項1~10、12~14に係る発明が特許を受けることができないとする理由を発見しない。
よって、請求項1~10、12~14に係る訂正事項1、2及び3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
2 一群の請求項15~28について
(1)一群の請求項についての説明
本件訂正前の請求項16~28は、請求項15を直接的又は間接的に引用しているものであって、本件訂正後の請求項16~24、26~28は、訂正事項7、8によって記載が訂正される請求項15に連動して訂正されるものである。
また、本件訂正の請求項26~28は、請求項25を直接的又は間接的に引用しているものであって、本件訂正後の請求項26~28は、訂正事項10によって記載が訂正される請求項25に連動して訂正されるものである。
そして、上述する本件訂正後の請求項26~28は共通しているから、本件訂正前の請求項15~28に対応する本件訂正後の請求項15~28は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
(2)訂正の適否について
ア 訂正事項7について
(ア)訂正事項7-1について
a 訂正の目的について
訂正事項7-1は、本件訂正前の請求項15の「複数の装置側端子を有する印刷材カートリッジ装着部と」との記載を、「回路基板をそれぞれ備えた複数の種類の印刷材カートリッジを個々に装着可能な、複数の装置側端子をそれぞれ含む複数の収容スロットを有するカートリッジ装着部と」に訂正するものである。
「カートリッジ装着部」に印刷材カートリッジが装着されることは技術常識であるところ、訂正事項7-1により「カートリッジ装着部」について明示的に「『印刷材カートリッジ』を『装着可能な』」と訂正することは、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項7-1は、本件訂正前は「複数の装置側端子を有する」ことのみ特定して「カートリッジ装着部」について、「印刷材カートリッジ」が装着される部位を「複数の装置側端子」を含む「収容スロット」と限定し、この「収容スロット」を「複数」含み、「複数の種類のカートリッジを個々に装着可能」であることまで限定し、「カートリッジ」についても、「複数の種類」があり、それぞれ「回路基板」を備えることを限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
明細書等には、段落【0040】に「図1に示す例では、カートリッジ装着部1100には、4つのインクカートリッジが独立に装着可能であり、例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4種類のインクカートリッジが装着される。」、段落【0042】に「カートリッジ100は、・・・天井面(第3の面)Stと、・・・を備える。」、段落【0043】に「天井面Stには、回路基板200が設けられている。」、段落【0055】に「カートリッジ装着部1100は、カートリッジを収容するための4つの収容スロットSL1~SL4を備えている。図4Bに示すように、カートリッジ装着部1100の内部には、1スロット毎に、・・・接点機構1400とが設けられている。」、段落【0059】に「接点機構1400(図4B)は、カートリッジ100がカートリッジ装着部1100に挿入された場合に、回路基板200の端子210~290(図3A)と接触して導通する複数の装置側端子を有する。」と記載されているから、訂正事項7-1は、明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。
よって、訂正事項7-1は、特許法第126条第5項に適合するものである。
c 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記aに示したとおり、訂正事項7-1は、特許請求の範囲を減縮するものであるので、特許請求の範囲を拡張するものではなく、発明の対象やカテゴリー、目的を変更するものでもない。
したがって、訂正事項7-1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(イ)訂正事項7-2について
a 訂正の目的について
訂正事項7-2は、本件訂正前の請求項15において、記憶装置と第1の端子と第2の端子と備えるのが「印刷材カートリッジ」であったところ、印刷材カートリッジが備える「回路基板」に訂正するものである。これは、訂正事項7-1により、カートリッジ装着部について「回路基板をそれぞれ備えた複数の種類の印刷材カートリッジ」と訂正することに伴い必要となった整合性を図るためのものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項7-2は、本件訂正前の請求項15に「接続可能な回路基板であって、」と記載されるところの「回路基板」が、訂正事項7-1により訂正されるところの「回路基板」と同一であることを明記する訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項7-2は、特許法第126条第5項に適合するものである。
c 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項7-2は、本件訂正前の請求項15に「接続可能な回路基板であって、」と記載されるところの「回路基板」が訂正事項7-1により訂正されるところの「回路基板」と同一であることを明記する訂正に過ぎず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項7-2は、特許法第126条第6項に適合するものである。
(ウ)訂正事項7-3について
a 訂正の目的について
訂正事項7-3は、本件訂正前の請求項15に「前記記憶装置に接続されると共に、前記印刷材カートリッジが前記カートリッジ装着部に装着された時に、前記印刷装置より前記記憶装置を動作させるための電源電圧と信号が供給されるように前記記憶装置制御回路に接続される複数の第1の端子と」と記載されるところの「前記印刷材カートリッジ装着部に装着された時」を、「前記印刷材カートリッジ装着部の前記複数の収容スロットのうちの対応する1つの収容スロットに装着された時」に訂正するものである。訂正事項7-3は、訂正事項7-1により「複数の収容スロット」を有するとされる「カートリッジ装着部」への装着について、「複数の収容スロットのうちの対応する1つの収容スロット」に対して行われることを限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
明細書等の段落【0040】には「・・・図1に示す例では、カートリッジ装着部1100には、4つのインクカートリッジが独立に装着可能であり、例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4種類のインクカートリッジが装着される。・・・」と記載されているから、 訂正事項7-3は、明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正である。
よって、訂正事項7-3は、特許法第126条第5項に適合するものである。
c 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項7-3は、訂正事項7-1によりカートリッジ装着部について「カートリッジを個々に装着可能な」と訂正することに伴い整合性を図るための訂正に過ぎず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項7-3は、特許法第126条第6項に適合するものである。
(エ)訂正事項7-4について
a 訂正の目的について
訂正事項7-4は、本件訂正前の請求項15に「前記印刷材カートリッジ装着部に装着された時に前記カートリッジ装着検出回路に接続され、前記カートリッジ装着部における前記印刷材カートリッジの装着状態を検出するために使用される複数の第2の端子と」と記載されるところの「前記印刷材カートリッジ装着部に装着された時」を、「前記印刷材カートリッジ装着部の前記対応する1つの収容スロットに装着された時」に訂正するものであるが、ここでいう「『前記』対応する1つの収容スロット」とは訂正事項7-3で訂正する「対応する1つの収容スロット」である。したがって、訂正事項7-4は訂正事項7-3と同様に、訂正事項7-1により「複数の収容スロット」を有するとされる「カートリッジ装着部」への装着について、「複数の収容スロットのうちの対応する1つの収容スロット」に対して行われることを限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項7-3に関する上記(ウ)bに示した明細書等の記載から、訂正事項7-4も明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
c 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記aに示したとおり、訂正事項7-4は、特許請求の範囲を減縮するものであるので、特許請求の範囲を拡張するものではなく、発明の対象やカテゴリー、目的を変更するものでもない。
したがって、訂正事項7-4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(オ)請求項15を引用する請求項16~20、22~24、26~28についても、上記(ア)乃至(エ)の判断と同様である。
イ 訂正事項8について
(ア)訂正の目的について
訂正事項8は、本件訂正前の請求項15に「前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記回路基板を備えたカートリッジに搭載された電気デバイスに電気的に接続される、」と記載されているのを、「前記第2列の両端に配置された2つの接触部は、前記回路基板を備えたカートリッジに搭載された電気デバイスに電気的に接続され、前記電気デバイスは、前記回路基板内に設けられた抵抗素子であり、前記抵抗素子は、前記カートリッジが前記対応する1つの収容スロットに装着された時に、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を、前記カートリッジ装着検出回路によって検出させるために用いられる、」に訂正するものである。訂正事項8は、「電気デバイス」が「前記回路基板内に設けられた抵抗素子」であることを限定し、さらに、この「抵抗素子」について「前記カートリッジが前記対応する1つの収容スロットに装着された時に、前記複数の装置側端子と前記回路基板との接続状態を、前記カートリッジ装着検出回路によって検出させるために用いられる」と、その用途を特定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
明細書等には、以下の記載がある(下線は当審で付した。)。
「【0125】
図21は、第3実施形態におけるカートリッジの基板200bと印刷装置1000との電気的構成を示すブロック図である。基板200bは、記憶装置203と、9つの端子210~290の他に、個々のカートリッジの装着検出に使用される抵抗素子204を備えている。
・・・
【0127】
カートリッジ検出回路502は、カートリッジ装着部1100におけるカートリッジの装着検出を行うための回路である。従って、カートリッジ検出回路502を「装着検出回路」と呼ぶことも可能である。」
・・・
【0130】
・・・各装置側端子550は、対応するカートリッジの第1の装着検出端子250に接続される。各カートリッジ内では、第1と第2の装着検出端子250,290の間に、抵抗素子204がそれぞれ設けられている。・・・」
「
[図:0001409049000002.jpg]
」
よって、訂正事項8は、明細書等に記載した事項の範囲内においてする訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項8は、特許請求の範囲を減縮するものであるので、特許請求の範囲を拡張するものではなく、発明の対象やカテゴリー、目的を変更するものでもない。
したがって、訂正事項8は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(エ)請求項15を引用する請求項16~20、22~24、26~28についても、上記(ア)乃至(ウ)の判断と同様である。
ウ 訂正事項9について
(ア)訂正の目的について
訂正事項9は、請求項21を削除するというものであるから、訂正事項9は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項9は、請求項21を削除するというものであるから、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項9は、請求項21を削除するというものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
エ 訂正事項10について
(ア)訂正の目的について
訂正事項10は、本件訂正前の請求項25が請求項15~18、22~24の記載を引用する記載であるところ、請求項16~18、22~24を引用しないものとした上で、請求項15を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
(イ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項10は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項10は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第126条第6項に適合するものである。
(エ)請求項25を引用する請求項26~28についても、上記(ア)乃至(ウ)の判断と同様である。
オ 訂正事項11について
(ア)訂正の目的について
訂正事項11は、訂正前の請求項28において特定される「カートリッジ装着部」、「印刷装置」を、「前記カートリッジ装着部」、「前記印刷装置」と訂正することで、訂正前の請求項28において特定される「カートリッジ装着部」、「印刷装置」が、訂正前の請求項15~27において特定される「カートリッジ装着部」、「印刷装置」であることを明確化するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(イ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正前の請求項28において特定される「カートリッジ装着部」、「印刷装置」を、「前記カートリッジ装着部」、「前記印刷装置」と訂正することは、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項11は、訂正前の請求項28において特定される「カートリッジ装着部」、「印刷装置」を、「前記カートリッジ装着部」、「前記印刷装置」と訂正することは、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
カ 訂正事項12について
(ア)訂正の目的について
訂正事項12は、訂正事項7、8に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(イ)明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項12は、訂正事項7、8に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正であるから、上記ア及びイと同様に、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項12は、訂正事項7、8に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正であるから、上記ア及びイと同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(エ)明細書の訂正と関係する請求項についての説明
訂正事項12は、訂正事項7、8に係る訂正に伴うものであり、その記載内容は、本件訂正後の請求項15の記載内容に対応するものである。
よって、訂正事項12は、一群の請求項15~28に関係する訂正である。
キ 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
(ア)請求項25に係る訂正事項10は、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」のみを目的とする訂正であるから、特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(イ)請求項15~24、26~28に係る訂正事項7、8及び9は「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正であるから、請求項15~24、26~28に係る発明が、特許法第126条第7項の独立特許要件を満たしているか検討する。
本件特許に係る出願は、拒絶の理由を発見しないとして特許査定されたものであり、請求項15~24、26~28に係る訂正事項7、8及び9に基づく訂正後の請求項15~24、26~28に係る発明が特許を受けることができないとする理由を発見しない。
よって、請求項15~24、26~28に係る訂正事項7、8及び9は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第5 まとめ
以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項乃至第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-390118