2023-390114
セルフランドリーシステム
- 審判番号
- 2023-390114
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2016-171580外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6938124
- 請求日
- 2023年09月14日
- 審決日
- 2023年11月15日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 wash-plus
- 【請求人代理人】鮫島 正洋
- 【請求人代理人】藤田 達郎
- 【請求人代理人】藤枝 典明
- 【請求人代理人】植村 貴昭
- 分類
- P141 .851-Y (D06F) / P141 .853-Y (D06F) / P141 .854-Y (D06F) / P141 .856-Y (D06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 8項目
第1 手続の経緯
特許第6938124号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~2に係る特許についての出願は、平成28年9月2日に出願され、令和3年9月3日に特許権の設定登録がされ、令和5年9月14日に訂正審判(以下、「本件訂正審判」という。)の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件審判請求書に記載のとおり、「特許第6938124号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものであって、その訂正の内容は次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「 ランドリー店舗内に設置され、洗濯機能と乾燥機能との少なくとも一方を有するとともに、それぞれに固有の識別コードが付された複数のランドリー機器と、内蔵カメラを有する利用者の携帯端末と、前記内蔵カメラを有する利用者の携帯端末との間で通信を行い、その通信結果に応じて前記ランドリー機器を運転制御する制御装置とを備えたセルフランドリーシステムであって、前記携帯端末は、専用アプリケーションソフトウェアが起動した状態で、前記内蔵カメラが前記識別コードを読み込み、前記携帯端末及びランドリー機器の一つに対応する識別信号を前記制御装置に発信し、前記制御装置は、受信した前記識別信号に基づき、前記携帯端末と前記ランドリー機器の一つとを紐付ける紐付手段を有し、前記制御装置は、前記専用アプリケーションソフトウェアを用いた前記携帯端末からの運転要求信号に基づき、当該携帯端末に紐付けられたランドリー機器に作動指令を出力する作動指令出力手段を有するセルフランドリーシステム。」
と記載されているのを、
「 ランドリー店舗内に設置され、洗濯機能と乾燥機能との少なくとも一方を有するとともに、それぞれに固有の識別コードが付された複数のランドリー機器と、内蔵カメラを有する利用者の携帯端末と、前記内蔵カメラを有する利用者の携帯端末との間で通信を行い、その通信結果に応じて前記ランドリー機器を運転制御する制御装置とを備えたセルフランドリーシステムであって、前記携帯端末は、専用アプリケーションソフトウェアが起動した状態で、前記内蔵カメラが前記識別コードを読み込み、前記携帯端末及びランドリー機器の一つに対応する識別信号を前記制御装置に発信し、前記制御装置は、受信した前記識別信号に基づき、課金処理を開始する前に前記携帯端末と前記ランドリー機器の一つとを紐付ける紐付手段を有し、前記制御装置は、前記専用アプリケーションソフトウェアを用いた前記携帯端末からの運転要求信号に基づき、当該携帯端末に紐付けられたランドリー機器に作動指令を出力する作動指令出力手段を有するセルフランドリーシステム。」
に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する)。
2 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落0006に
「 本発明のセルフランドリーシステムは、ランドリー店舗内に設置され、洗濯機能と乾燥機能との少なくとも一方を有するとともに、それぞれに固有の識別コードが付された複数のランドリー機器と、利用者の携帯端末との間で通信を行い、その通信結果に応じて前記ランドリー機器を運転制御する制御装置とを備えたセルフランドリーシステムであって、前記制御装置は、前記識別コードを読み込んだ携帯端末からの識別信号に基づき、当該携帯端末を所持した利用者と前記ランドリー機器の一つとを紐付ける紐付手段と、前記携帯端末からの運転要求信号に基づき、当該携帯端末に紐付けられたランドリー機器に作動指令を出力する作動指令出力手段とを有する。」
と記載されているのを、
「 本発明のセルフランドリーシステムは、ランドリー店舗内に設置され、洗濯機能と乾燥機能との少なくとも一方を有するとともに、それぞれに固有の識別コードが付された複数のランドリー機器と、利用者の携帯端末との間で通信を行い、その通信結果に応じて前記ランドリー機器を運転制御する制御装置とを備えたセルフランドリーシステムであって、前記制御装置は、前記識別コードを読み込んだ携帯端末からの識別信号に基づき、課金処理を開始する前に当該携帯端末を所持した利用者と前記ランドリー機器の一つとを紐付ける紐付手段と、前記携帯端末からの運転要求信号に基づき、当該携帯端末に紐付けられたランドリー機器に作動指令を出力する作動指令出力手段とを有する。」
に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、携帯端末とランドリー機器の一つとを紐付ける紐付手段について、「課金処理を開始する前に」紐付けることを限定するものであるから、特許法126条1項ただし書1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるかについて
本件特許の明細書又は図面には、以下の記載がある。なお、下線は当審で付したものである。
ア 「【0019】ランドリー店舗10には、Wi-Fi(登録商標)規格による無線LAN40が設置されている。ランドリー店舗10内にいるユーザの携帯端末(スマートフォン等:以下、ユーザ端末と記す)51は、この無線LAN40(あるいは、3G回線)を介してインターネット60に接続される。」
イ 「【0024】ランドリー店舗10に来店したユーザは、洗濯あるいは乾燥を行う衣類の種類や量に応じてランドリー機器20を選定する。次にユーザは、ユーザ端末51で無線LAN40を介してインターネット接続した上で専用アプリを起動し、そのランドリー機器20の識別コード21を内蔵カメラで読み込む。識別コード21を読み込んだユーザ端末51からは、ユーザ端末51およびランドリー機器20に対応する識別信号Siが発信される。識別信号Siは、インターネット60を経由してサーバ30に入力される。」
【0025】
識別信号Siが入力すると、サーバ30は、図3のフローチャートにその手順を示す運転指令出力制御を実行する。
運転指令出力制御を開始すると、サーバ30は、図3のステップS1で、ランドリー機器20が他のユーザによって使用中されている場合を除き、識別信号Siに基づいてユーザ端末51とランドリー機器20との紐付けを行い、ステップS2で認識信号をユーザ端末51に送信する。認識信号を受信したユーザ端末51では、図4に示すように、「いらっしゃいませ ○○番の洗濯乾燥機をご利用ですね よろしければ、YESをタッチしてください」とのメッセージ71と、「YES」ボタン72とが画面51aに表示される。
【0026】
サーバ30は、ステップS3でユーザが「YES」ボタン72にタッチしたか否かを判定し、この判定がYesになると、ステップS4で運転コース信号をユーザ端末51に送信する。運転コース信号を受信したユーザ端末51では、図5に示すように、選択されたランドリー機器20に対応する「運転コース」ボタン73(73a~73d)と、「ENTER」ボタン74とが画面51aに表示される。ユーザは、衣類の種類や量に応じて所望の「運転コース」ボタン73を選択した後、「ENTER」ボタン74をタッチする。
【0027】
サーバ30は、ステップS5でユーザが「ENTER」ボタン74にタッチしたか否かを判定し、この判定がYESになると、ステップS6で料金信号をユーザ端末51に送信する。料金信号を受信したユーザ端末51では、図6に示すように、「使用料金は○○○○ 円です 衣類を投入し、蓋を閉めてください」とのメッセージ75と、「蓋ロック」ボタン76および「窓不透明」ボタン77が画面51aに表示される。ユーザは、ランドリー機器20の運転中に蓋23をロックしたい、あるいは、ガラス窓22を不透明にしたい場合、これら「蓋ロック」ボタン76や「窓不透明」ボタン77を選択(タッチ)する。」
ウ 「【0028】ユーザは、使用料金の確認、および「蓋ロック」ボタン76や「窓不透明」ボタン77の選択を終えると、ランドリー機器20の識別コード21を内蔵カメラで再び読み込む。識別コード21を読み込んだユーザ端末51からは、運転要求信号Sdが発信される。運転要求信号Sdは、インターネット60を経由してサーバ30に入力される。【0029】サーバ30は、ステップS7でユーザが運転要求信号Sdが入力したか否かを判定し、この判定がYESになると、ステップS8で図7のフローチャートにその手順を示す課金処理を行う。」
エ 「【0030】(課金処理)課金処理を開始すると、サーバ30は、図7のステップS21でユーザのチャージ残高Bchgが使用料金Fusg以上あるか否かを判定し、この判定がYesであればステップS22で課金(チャージ残高Bchgに対する使用料金Fusgの減算)を行って、課金処理を終了する。【0031】続きを表示(全15行)ステップS21の判定がNoであった場合、サーバ30は、ステップS23で残高不足信号をユーザ端末51に送信する。残高不足信号を受信したユーザ端末51では、図8に示すように、「残高が不足しています チャージして下さい」とのメッセージ81と、「キャンセル」ボタン82とが画面51aに表示される。【0032】ユーザは、プリペイドカードを所持していればプリペイドカードコードを入力し、プリペイドカードを所持していなければランドリー店舗10でプリペイドカードを購入する。一方、プリペイドカードも現金も所持していなければ、「キャンセル」ボタン82をタッチする。【0033】サーバ30は、ステップS24でユーザによるプリペイドカードのチャージが完了したか否かを判定し、この判定がYesであればステップS22に移行して課金を行う。一方、ステップS24の判定がNoであった場合、サーバ30は、ステップS25で「キャンセル」ボタン82がタッチされたか否かを判定し、この判定がNoである間はステップS25の判定を繰り返す。【0034】サーバ30は、ユーザによって「キャンセル」ボタン82がタッチされてステップS25の判定がYesになると、ステップS26で運転指令出力制御自体を中止し、課金処理を終了する。【0035】ステップS22での課金が完了すると、サーバ30は、図3のステップS9で「蓋ロック」ボタン76がタッチされたか否かを判定し、この判定がYesであればステップS10で蓋ロック指令をランドリー機器20に出力する。次いで、サーバ30はステップS11で「窓不透明」ボタン77がタッチされたか否かを判定し、この判定がYesであればステップS12で窓不透明指令をランドリー機器20に出力する。【0036】しかる後、サーバ30は、ステップS13でランドリー機器20に運転開始指令を出力し、運転開始指令制御を終了する。運転開始指令が入力したランドリー機器20は、ユーザが選択した運転モードでの運転を開始するとともに、ユーザの要求に基づいて蓋23のロックやガラス窓22の不透明化を行う。」
オ 「【図1】[図:0001406655000001.jpg]【図3】[図:0001406655000002.jpg]」
前記ア~オによれば、「サーバ30は、図3のステップS1で、ランドリー機器20が他のユーザによって使用中されている場合を除き、識別信号Siに基づいてユーザ端末51とランドリー機器20との紐付けを行い」(段落0025、図3)、その後、「サーバ30は、ステップS7でユーザが運転要求信号Sdが入力したか否かを判定し、この判定がYESになると、ステップS8で図7のフローチャートにその手順を示す課金処理を行う」(段落0029、図3)から、ユーザ端末51とランドリー機器20の紐付けの後に課金処理が開始することが示されており、すなわち、訂正事項1により追加された「課金処理を開始する前に前記携帯端末と前記ランドリー機器の一つとを紐付ける」ことは、本件特許の明細書又は図面に開示されているといえる。
よって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許法126条5項の規定する要件をみたすものである。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
前記(1)のとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法126条6項の規定する要件をみたすものである。
(4)独立特許要件について
前記(1)のとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正後における特許請求の範囲の請求項1及び2に記載される事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討すべきところ、本件訂正後における特許請求の範囲の請求項1及び2に記載されている事項により特定される発明について、拒絶すべき理由を発見しない。
したがって、本件訂正後における特許請求の範囲の請求項1及び2に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであり、訂正事項1は、特許法126条7項に規定する要件をみたすものである。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正事項1により本件特許の特許請求の範囲の請求項1の記載が訂正されたことに伴い、明細書の対応する記載を訂正事項1と同様に訂正するものであって、特許法126条1項ただし書3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるかについて
訂正事項2は、訂正事項1と同様の事項を明細書について行うものであるから、訂正事項1と同様に、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法126条5項に規定する要件をみたすものである(前記1(2)参照)。
(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項2は、訂正事項1と同様の事項を明細書について行うものであるから、訂正事項1と同様に、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではなく、特許法126条6項に規定する要件をみたすものである(前記1(3)参照)。
(4)独立特許要件について
前記(1)に示すとおり、訂正事項2は、特許法126条1項ただし書3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であるから、特許法126条7項に規定する要件(独立特許要件)は、課されない。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法126条1項ただし書1号又は3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条5項~7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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