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商標取消審判

2023-300786

ダイキン、コムテックコミュニケーションテクノロジー、コミュニケーションテクノロジー、コムテック

審判番号
2023-300786
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願1992-179946
登録番号
3132760
請求日
2023年10月30日
審決日
2024年05月09日
公報発行日
2024年07月26日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】株式会社 コムテック
  • 【請求人代理人】名古屋国際弁理士法人
  • 【被請求人】ダイキン工業 株式会社
  • 【被請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 阿曾 裕樹
分類
T131 .1 -Z (042)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第3132760号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第3132760号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第3132760号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、平成4年9月9日に登録出願、同7年9月28日に登録査定され、第42類「電子計算機のプログラムの作成」を指定役務として、同8年3月29日に設定登録されたものである。 第2 請求人の主張 1 請求の趣旨 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証(以下、証拠の表記にあたっては、「甲○」又は「乙○」と表記する。)を提出した。 2 請求の理由 本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上(2020年11月16日から2023年11月15日まで。以下「要証期間」という。)日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 3 答弁に対する弁駁 (1)登録商標又はこれと社会通念上同一の商標について ア 「プロフィール画像」について(乙1) 被請求人は、乙1におけるアイコン部分表示の「プロフィール画像」において、本件商標を使用していると主張する。 しかし、「プロフィール画像」は、「各種ネットサービスにおいてユーザーのプロフィールとして設定される画像。主にSNSで使われるアイコン画像など。」(甲2)であり、ユーザー「自身」を示すものにすぎない。 そのため、「プロフィール画像」をもって本件商標を「使用」しているとの主張は、それ自体失当である。 イ 「一部のみがはみ出している」について(乙1、乙2) 被請求人は、プロフィール画像は、本件商標そのものではなく「本件商標の一部のみがはみだしている」として、本件商標の一部のみであることを、まず自認する。 その上で、この一部のみである点について、仕様上避けられないものであって、アカウントを訪問した者は容易かつ明確にこのことを認識し、プロフィール画像をダウンロードすれば、本件商標「全体」を確認できることを理由として、プロフィール画像において、本件商標が一部「のみ」であっても、被請求人による商標の使用が否定されるものではない、つまりは、プロフィール画像は、本件商標そのものであると主張する。 しかしながら、仕様上避けられず、そのことを需要者が認識しているとしても、プロフィール画像を敢えてダウンロードすることは自然には想定し難く、このことについて何ら被請求人は主張、立証していない。 そのため、ダウンロード行為を介してダウンロード画像をプロフィール画像そのものと捉えるべきであるとの被請求人主張は、被請求人独自の見解にすぎず、この被請求人の主張をもって、プロフィール画像を本件商標そのものであると認定し得ない。 また、被請求人は、予備的な主張として、プロフィール画像は、本件商標と「社会通念上同一の商標」であると認識するのが自然であるとも主張する。 しかしながら、プロフィール画像に表示されている一部分について防護標章として登録を得ているわけではないことから、防護標章の存在にあやかった単なる強弁としか受け取れるものではない。 また、本件商標は、「敢えて」図形と文字が結合してなるものであり、いずれの要素が主要部分であるか、付記的部分であるかという軽重のあるものではないことから、そのような構成からなる文字の一部が隠れていることについて、軽微な差異とは評価し得えるものではない。加えて、プロフィール画像とは「別」に付記されたプロフィール欄等からの文字列を考慮されるべきとの主張についても、プロフィール画像のみをもっては、社会通念上同一であることを肯定し得ないことを被請求人自身が自認しているに等しい主張であって失当と言わざるを得ない。 さらに、プロフィール画像が「ユーザー自身」を示すものであることを踏まえれば、分離「されない」ものとして認定することの方が極めて自然な捉え方であることも明らかであり、分離しているという点を誇張した主張にすぎない。 以上のとおり、被請求人による各主張は、いずれもその主張自体失当であるか、強弁にすぎないことから、プロフィール画像を、本件商標と「社会通念上同一の商標」であると認識するのが自然であるとも認定し得ない。 (2)「役務の提供」について 被請求人は、乙1において「IT資産管理をコアに、コンプライアンス・情報セキュリティ・TCO削減などの課題を統合環境で解決。仮想化環境にも対応いたします。」と記載されていることをもって、「総合的なコンピュータサービスの提供を通じて、依頼者の課題解決にかかわる役務を提供していることが紹介されている」と主張する。 しかしながら、文言としては前掲のとおりでしかなく、被請求人が主張する役務の提供に関しては一言も明記されていない。 よって、この主張自体、事実を歪曲したものであって、乙1の前掲記載をもって役務提供をしていた等々の事実評価に至る根拠とはなり得ず、仮に乙1が要証期間において存していたとしても、これをもって使用の事実を立証したことにはならない。 なお、乙3は、要証期間外のものであって、これが要証期間における使用を根拠づける証拠たり得ない。 (3)乙4から乙9について いずれにおいても、本件商標は記載されていない。 そのため、これら乙各号証は、本件商標の使用の事実を立証する証拠たり得るものではない。 よって、これら乙各号証に基づく被請求人主張は、それ自体失当である。 (4)「電子計算機のプログラムの作成」について 前述したとおり乙4から乙9は、本件商標の使用の事実を立証する証拠たり得るものではないが、被請求人はこれらに関して主張を重ねていることから、請求人としても以下主張する。 まず、被請求人は、乙4、乙5における「アプリケーションの構築」との記載をもって「電子計算機のプログラムの作成」を要証期間においても提供していたと主張する。 しかしながら、この記載は、抽象的なそれに留まり、何ら具体的な内容を記載するものではなく、また、要証期間において、実際に提供していた事実は何ら示されてはいない。そのため、この記載をもって、「電子計算機のプログラムの作成」を要証期間においても提供していたとは認定し得るものではない。 また、被請求人は、乙6から乙8における記載内容を踏まえれば、「被請求人が提供しているソリューションサービスは、アプリケーション開発にかかわるコンサルティングや変更要望にも応えられるサポートを総括的に含むものであり、その一環として業務アプリケーション開発を実現する役務、すなわち「電子計算機のプログラムの作成」が提供されていることは明白である」と主張する。 しかしながら、「業務アプリケーション開発を実現する役務」というのは、いわゆるコンサルティングサービスであって、「電子計算機のプログラムの作成」ではない。 また、「業務アプリケーション開発を実現する役務」というのが、「電子計算機のプログラム作成」にあたらないことは、例えば、乙6が、S社が「Smart Innovator」という製品を導入し、その製品を用いて(被請求人ではなく)「自身で」アプリケーションを構築したことを紹介している事実からも明らかである。 なお、乙7、乙8についてもT社やC社が「Space Finder」という製品を導入し、その製品を用いて業務改善等を図ったという事実を示しているにすぎず、被請求人が「電子計算機のプログラム作成」という役務を提供した事実を示すものではない。 よって、乙6から乙8によっても、「電子計算機のプログラムの作成」を要証期間においても提供していた事実は何ら立証されてはいない。 むしろ、これら乙各号証によって、被請求人が要証期間において「電子計算機のプログラムの作成」という役務を提供していなかったという事実は明らかとなっている。 よって、いずれの証拠及びこれに伴う被請求人の主張はいずれも失当である。 第3 被請求人の主張 1 答弁の趣旨 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙1から乙9を提出した。 2 答弁の理由 (1)本件商標の使用事実 ア 本件商標の使用について (ア)被請求人は、その電子システム事業部が運営するSNSアカウント(日本の需要者においても著名であるX(旧ツイッター)におけるアカウント)のプロフィール画像において、本件商標を使用している(乙1)。 X(旧ツイッター)ではプロフィール画像は円形枠内に表示される仕様となっており、当該枠から本件商標の一部がはみ出しているが、かかる事情は、当該アカウントを訪問した者は容易かつ明確に認識できるのであり、また、当該はみ出しに気付いた需要者は、パソコンによる閲覧の場合は円形画像上でマウス右クリックにより、また、スマートフォンの場合は円形画像の長押しにより、容易に全体画像(乙2)をダウンロードして確認できるから、円形窓枠から商標の一部がはみ出していることにより、被請求人による商標使用が否定されるものではない。 (イ)考え難いことではあるが、仮に、当該SNSアカウントの訪問者が、円形枠内に見える部分のみを商標の全体と誤解し、全体画像をダウンロード確認しなかった場合でも、下記の事情を考慮すれば、乙1表示のプロフィール画像に掲載されている商標は、登録商標と社会通念上同一というべきである。 確かに、乙1において円形枠内から見える商標の中央部分と本件商標とでは、(a)被請求人の、水色/黒に塗り分けられた三角形のロゴが部分的にしか視認できず、(b)「COMTEC」末尾の「C」の文字が一部隠れており、かつ、(c)「ダイキン工業株式会社/電子システム事業部/IMSグループ」の三段書き文字が表示されているという差異がある。 しかしながら、(a)の差異についてみれば、被請求人の「DAIKIN+三角形ロゴ」は登録第2195884号防護第01号、第2195884号防護第02号及び第2309990号防護第01号において防護標章登録が認められているとおり、我が国において著名なロゴである。このため、乙1で表示されている画像のように「N」の文字と三角形図形の右端のみが表示されている場合であっても、需要者は本件商標が一部円形枠からはみ出していると認識でき、また、プロフィール欄に「ダイキン工業株式会社」と明記されていることも、そのような需要者の認識を助長すると考えるのが自然である。 (b)の差異については、そもそも差異が軽微である上に、プロフィール欄等に「COMTEC」との文字が表示されていることから、末尾の文字が「C」であると当然に理解される。 最後に、(c)の差異については、本件商標下方に距離を開けて表示されており、書体及び文字の大きさも異なるため、容易に本件商標と「ダイキン工業株式会社/電子システム事業部/IMSグループ」の三段書き文字とは分離して観察されるというのが相当であり、一体の商標として認識することは不自然というほかない。 以上を考慮すれば、乙1において円形枠内から見える商標と本件商標とは、当該アカウントの訪問者をして社会通念上同一の商標であると認識するのが自然である。 (ウ)次に、乙1に示すSNSアカウントでは冒頭に「ダイキン工業株式会社電子システム事業部のIMSグループのアカウントです。」と記載されており、当該アカウントが被請求人の電子システム事業部を紹介するためのものであることは明らかである。 そして、同紹介文に続いて「IT資産管理をコアに、コンプライアンス・情報セキュリティ・TCO削減などの課題を統合環境で解決。仮想化環境にも対応いたします。」として、「ダイキン工業株式会社電子システム事業部」が総合的なコンピュータサービスの提供を通じて、依頼者の課題解決にかかわる役務(いわゆるソリューションサービス)を提供していることが総括的に紹介されている。 したがって、同アカウントを訪問した需要者は、上記にて説明した本件商標(又はそれと社会通念上同一の商標)が、「ダイキン工業株式会社電子システム事業部」が提供するソリューションサービスとの関係において使用されていることを当然に認識するというべきである。 なお、当該SNSアカウント上での総括的な役務説明は、当該電子システム事業部が提供する役務に関する情報(広告)を電磁的方法により提供しているといえる(商標法第2条第3項第8号)。 (エ)そして、当該アカウントが2011年2月に開設されたことは「Joined February 2011」の記載から明らかであり、また、本答弁書提出の時点においても閲覧可能であることから、上記の行為は要証期間も継続されていたといえる。 (オ)なお、本件商標及びそれに含まれる「COMTEC」の文字列は、被請求人の電子システム事業部を示す商標又は略称として遅くとも1997年1月21日には同電子システム事業部のホームページで使用開始されており、また、同ホームページにおいて当時からコンピューティングソリューションの役務が紹介されていた(乙3)。このような長年にわたる商標又は略称の使用継続の事実からも、被請求人のSNSアカウントの訪問者が、同アカウント上にて本件商標が表示されていること、また、「COMTEC」と称される「ダイキン工業株式会社電子システム事業部」がコンピューティングソリューションの役務を提供しているものと理解、認識することが裏付けられる。 イ 被請求人の電子システム事業部が提供する役務について 以上のとおり、被請求人のSNSアカウントの訪問者は、本件商標が「ダイキン工業株式会社電子システム事業部」が提供するソリューションサービスを総括的に示すものと理解、認識する。そこで、以下では「ダイキン工業株式会社電子システム事業部」が提供するソリューションサービスに第42類「電子計算機のプログラムの作成」が含まれること、また、そのことが需要者にとって容易、明確に認識されることを説明する。 被請求人を構成する事業部の一つである電子システム事業部(ダイキンCOMTEC)は、乙4に示すとおり、「アプリケーションの構築」を含めたITソリューションの役務を現在でも提供している。そして、同役務は、インターネットアーカイブに保存されたウェブサイト(乙5)に記載のとおり、要証期間である2023年7月26日においても提供されていた。 字義上、「アプリケーションの構築」は当然に「電子計算機のプログラムの開発」を含むため、被請求人の電子システム事業部は役務「電子計算機のプログラムの作成」を提供しているといえる。 この点、被請求人ウェブサイト上の事例紹介のページでは実際に被請求人から役務の提供を受けた者へのインタビューが掲載されている(乙6~乙8)。乙6における「業務アプリケーション開発は、平均的なものでおよそ1週間。テスト・改修を含めて・・・。ユーザー部門がテストしている間に次を作り始め、・・・。」との記載から、テスト、改修を含んだアプリケーション開発という工程が存在することが分かる。また、乙7における「・・・従来の運用をシステム化したものですが、商品開発プロセスの再構築では・・・ダイキン工業にコンサルティングを依頼することにした…」との記載から、被請求人がシステムの構築を目的とするコンサルティングを請け負っていたことが把握できる。さらに、乙8「・・・ユーザーからも変更要望が出されました。その対応でダイキン工業のサポートに相談を何回か繰り返しましたが、すぐ対応・・・」との記載から、被請求人が顧客の求めに応じて都度アプリケーションの改修を含めた開発サポートを提供していたことがうかがえる。 これらの記載から、被請求人が提供しているソリューションサービスは、アプリケーション開発に関わるコンサルティングや変更要望にも応えられるサポートを総括的に含むものであり、その一環として業務アプリケーション開発を実現する役務、すなわち「電子計算機のプログラムの作成」が提供されていることは明白である。 なお、上記各ページ(乙6~乙8)について、被請求人は2023年12月24日時点のプリントアウトを提出しているが、当該各ページへのリンクが記載されたページが、要証期間である2023年7月26日にインターネットアーカイブに保存されていることから(乙9)、乙6から乙8のページが要証期間内に既にアップロードされていたことは明らかである。 ウ まとめ 上記より、被請求人が、本件商標又はこれと社会通念上同一の商標を付して、自己の電子システム事業部が提供する役務に関する総括的な広告を電磁的方法により要証期間に提供していたことが分かる。 また、被請求人の電子システム事業部が提供する役務には本件商標の指定役務「電子計算機のプログラムの作成」が含まれていたことが分かる。 以上の事実を総合的、一体的に解釈すれば、被請求人は要証期間に、登録商標又はこれと社会通念上同一の商標を付して、第42類「電子計算機のプログラムの作成」に関する広告等を内容とする情報を電磁的方法により提供する行為を行っていたといえ、当該行為は商標法第2条第3項第8号に規定する商標の使用に該当する。 (2)結論 以上のとおり、被請求人は本件商標を要証期間において、日本国内で、指定役務である第42類「電子計算機のプログラムの作成」について使用している。 第4 当審の判断 1 被請求人の主張及び提出証拠によれば、以下の事実が認められる。 (1)ア 本件商標権者は、製造業向けIT事業の一貫として、自社製パッケージソフトを携え、コンサルティングからアプリケーションの構築・サポートまで、ソリューションを提供している(乙4)。 イ 本件商標権者は、取引先に対して、業務アプリケーション40個のリプレース、システム基盤構築の支援などをした(乙6、乙7)。 (2)ア 本件商標権者の電子システム事業部IMSグループは、2011年2月にSNS(X。旧ツイッター。)のアカウントを開設しており、「IT資産管理をコアに、コンプライアンス・情報セキュリティ・TCO削減などの課題を統合環境で解決。仮想化環境にも対応します。セミナー情報やユーザー事例、ITインフラ管理の最新動向などをつぶやきます。」と記載されている(乙1)。 イ 上記アカウントのプロフィール画像には、別掲2のとおり、円形の枠内に「COMTEC」(語尾の「C」の文字の右半分は隠れている。)の文字、その下には小さく何らかの欧文字(証拠からは子細は確認できない。)、その左側には青色の斜線を表示した商標(以下「本件使用商標」という。)と、本件商標権者及び部署の名称などが表示されている(乙1)。 ウ 被請求人の主張によれば、上記プロフィール画像は、パソコンによる閲覧の場合は画像上でマウス右クリックにより、また、スマートフォンの場合は画像の長押しにより、別掲3のとおりの構成からなる画像(乙2。「本件画像」という。)をダウンロードして確認できるとされるが、要証期間において、そのような操作をして当該画像を表示した者がいたことを示す具体的な証拠はない。 2 上記の認定事実によれば、以下のとおり判断できる。 (1)本件使用商標の使用について ア 本件商標権者は、自社製パッケージソフトを用いた、アプリケーションの構築・サポートなどのような、本件商標の指定役務「電子計算機のプログラムの作成」と関連する事業活動をしており、その「電子システム事業部IMSグループ」は、2011年2月から現在に至るまで、当該事業内容を紹介する記述を掲載したSNSのアカウントを有していることは確認できる。 イ しかしながら、本件商標は、別掲1のとおり、2つの大きさの異なる直角三角形(黒と青緑色)を重ねた図形の上部に「DAIKIN」の文字(青色)を表し、その右側には「COMTEC」の文字を大きく、その下に「communication technology」の文字を小さく書してなるところ、上記SNSアカウントに表示されている本件使用商標とは、その構成中に「COMTEC」の文字を含む点を共通にするとしても、図形部分の構成態様は明らかに相違し、また、「DAIKIN」の文字部分の有無の差違等もあるから、両商標は社会通念上同一の商標とは認められない。 そうすると、本件使用商標に係る使用行為は、本件商標又はそれと社会通念上同一の商標がその指定役務について使用されたことを裏付けるものではない。 (2)本件画像の使用について 本件画像は、仮に本件商標権者のSNSアカウントに表示された本件使用商標の元画像であるとしても、当該SNSアカウントを訪問する者は、通常は本件使用商標のみが表示されるのであって、また、本件画像の「COMTEC」の文字部分等を除いたほとんどの構成部分は円形枠の外側に隠れており、その全体像を確認することは通常はないと考えられる。 その他、本件画像が、本件商標の指定役務について要証期間に表示、使用されていたことを裏付ける具体的な証拠は提出されていない。 そうすると、本件画像は、本件商標とは構成文字及び図形部分を共通にする社会通念上同一の構成要素を含むとしても、本件商標の指定役務について要証期間において表示、使用されたことが、被請求人提出の証拠によっては裏付けられていない。 (3)被請求人の主張について 被請求人は、「DAIKIN+三角形ロゴ」は、我が国において著名なロゴであり、本件使用商標から、本件商標が一部円形枠からはみ出していると認識でき、また、プロフィール欄に「ダイキン工業株式会社」と明記されていることも、そのような需要者の認識を助長するから、本件商標と本件使用商標は、社会通念上同一の商標であると認識する旨を主張する。 しかしながら、本件商標権者のSNSアカウントでは、被請求人主張のような事情にかかわらず、あくまで円形の枠内に本件使用商標が表示されているのだから、その外形を比較すれば、本件商標と本件使用商標は、上記(1)イのとおり、社会通念上同一の商標とはいえない。 (4)小括 以上によれば、被請求人提出の証拠によっては、要証期間に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件商標又はそれと社会通念上同一の商標を、その指定役務について使用したと認めることはできない。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標をその指定役務について使用をしていることを証明したものと認めることができない。 また、被請求人は、本件請求役務について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の本件請求役務についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-300786

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