商標取消審判
2023-300199
セーラーズ
- 審判番号
- 2023-300199
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2010-066345
- 登録番号
- 5409448
- 請求日
- 2023年03月23日
- 審決日
- 2024年07月31日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】トラーネ アンド トラーネ アー/エス
- 【請求人代理人】田中 克郎
- 【請求人代理人】稲葉 良幸
- 【請求人代理人】廣中 健
- 【請求人代理人】小林 奈央
- 【被請求人】三浦 静加
- 【被請求人代理人】平野 泰弘
- 【被請求人代理人】都築 健太郎
- 【被請求人代理人】秋和 勝志
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 大山 健
- 審判官 山田 啓之
- 分類
- T132 .1 -Y (X0935)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第2号、商標法第2条第3項第3号、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第1号、商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5409448号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5409448号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、縁取りされた「SAILORS」の文字の上に水兵を模した図形を配置してなり、平成21年12月8日に登録出願、第9類「電気通信機械器具」、及び第35類「携帯電話機ストラップの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気通信機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む商標登録原簿に記載の第35類に属する役務を指定商品及び指定役務として、同23年4月28日に設定登録され、令和3年1月18日に存続期間の更新登録がされたものである。
そして、本件審判請求の登録日は、令和5年4月10日であり、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和2年(2020年)4月10日ないし同5年(2023年)4月9日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品及び指定役務中、第9類「全指定商品」及び第35類「携帯電話機ストラップの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気通信機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「取消請求商品及び役務」という。)の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、請求の理由、及び被請求人の答弁に対する弁駁、並びに被請求人の回答に対する意見を、それぞれ要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、取消請求商品及び役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用をしていない。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人の答弁(下記第3の1)に対し、令和5年9月15日付けで弁駁書を提出し、要旨次のとおり述べた。
(1)乙第1号証について
被請求人のブランドの沿革は、審理対象となる事項とは関係がない。
(2)乙第2号証について
乙第2号証は被請求人が運営するオンラインショッピングサイトと思われるところ、乙第2号証において、「携帯電話機ストラップ」又は「電気通信機械器具」の範ちゅうに属する商品が販売されていない。なお、請求人は、本件審判の請求前に同ショッピングサイト全体を閲覧したが、販売されているのはティーシャツや帽子などの被服、アパレル商品がほとんどであって、「携帯電話機ストラップ」又は「電気通信機械器具」の範ちゅうに属する商品は販売されていなかった。仮に、被請求人が主張するように100個から200個の商品を製作し、仕入れていたのであれば、これらの商品が今日において全く販売されていないのは不自然である。
(3)乙第4号証、乙第6号証、乙第7号証、乙第9号証及び乙第10号証について
証拠説明書によればこれらの書証の作成年月日は令和5年7月11日であり、本件審判の予告登録後に作成されたものであるから、これらの書証によっては、撮影されている商品が要証期間に製造、販売されたとはいえない。
また、乙第7号証、乙第9号証及び乙第10号証はスマートフォン用のカバーであるところ、これらの商品は、「携帯情報端末」の付属品の範ちゅうに属するものであり、「電気通信機械器具」に含まれない。また、乙第10号証のように、折りたたみ式の携帯電話機を手帳型のスマートフォン用カバーに取り付けた不自然な写真を見れば、これがスマートフォン用に設計及び作成されたものであって、携帯電話機用に設計及び作成されたものではないことは明らかである。
(4)乙第5号証及び乙第8号証について
乙第5号証及び乙第8号証は、株式会社エレファントにおいて、任意に作成し得る書類の写しにすぎず、請求書が実際に要証期間に作成及び発行されたものであることや、請求書に記載されている取引が実際に行われ、商品が市場において販売されたことが、客観的に証明されたとはいえない。
加えて、以下のように、乙第5号証及び乙第8号証には取引書類として不自然な点がある。
ア 甲第5号証には「請求書」と書類名が記されているが、発注日が「2021年10月31日」とされ、納品日が同日の「2021年10月31日」と記載されており、発注と同時に納品されるということは通常あり得ない。
イ 乙第8号証には、発注日、請求日及び納品日の記載があるのに対し、乙第5号証には発注日と納品日の記載があるが、請求日(請求書の作成日)の記載がなく、請求書に請求日を記載しないことは通常あり得ない。
ウ 乙第5号証及び乙第8号証の右上部分には、太線の枠の中に、株式会社エレファントの本社のファクシミリ番号が記載され、その下に東京支店のファクシミリ番号として「03-6861-・・・」と記載されている。しかし、株式会社エレファントのウェブサイト(甲1)によれば、同社の東京支店のファクシミリ番号は「03-6859-・・・」と表示されている。請求書のような取引書類においてこのような錯誤がされることはあり得ない。
エ 株式会社エレファントのウェブサイトによれば、2020年10月30日にホームページをリニューアルしたとのお知らせがあり(甲2)、2021年8月25日に看板をリニューアルしたとのお知らせがあり、株式会社エレファントの企業ロゴが変更されていることが分かる(甲3)。
また、WayBack Machineを使用して調査すると、株式会社エレファントのウェブサイト上で旧ロゴが表示されていることを確認できる最新のウェブページは2020年2月20日のものであり、2020年8月4日に保存されたウェブページでは新ロゴが使用されていることが分かる(甲4)。
しかし、乙第5号証ではウェブサイト上でのロゴが変更されてから少なくとも1年以上、事務所の屋外看板が変更されてから2か月が経過しているにもかかわらず、右上部分に表示されているのは株式会社エレファントの旧ロゴである。ウェブサイトや社屋外壁に設置される看板のロゴが変更されているにもかかわらず、比較的変更が容易と思われる取引書類において変更前の旧ロゴが表示されているのは不自然である。また、同じ時期に発行された請求書(乙8)は、乙第5号証とは異なり、請求書上にロゴの表示はなく、乙第5号証には株式会社エレファントの京都本社の住所や東京支店の電話番号、ファクシミリ番号が記載されているのに、乙第8号証にはこれらの記載がない。乙第5号証の下段には、「【納品先】」の表示があり、枠内にも文字が印刷されているが、乙第8号証の下段は空欄となっている。同一の法人によってほぼ同時期に発行された作成及び発行された複数の請求書の体裁がこのように食い違うことは通常あり得ない。
オ 乙第5号証では購入者(被請求人)の電話番号が090-3333-9・・・と記載されているのに対して、乙第8号証では090-3333-4・・・と記載されており、食い違っている。
(5)本件商標の指定役務に関する使用の事実は証明されていないこと
仮に、被請求人が企画した商品を、株式会社エレファントに製造させ、被請求人の店舗で需要者に販売した事実があったとしても、その事実をもって、被請求人が本件商標の指定役務について本件商標を使用したということはできない。
(6)被請求人による新たな商標出願について
被請求人は、本件審判の請求後、本件商標と同一の商標を新たに出願している(商願2023-76770)。このことは、被請求人が本件商標を取消請求商品及び役務について使用しておらず、改めて商標登録を得ることによって独占権の維持を図っていることを推認させるものである。
3 回答に対する意見
請求人は、被請求人の回答(下記第3の2)に対し、令和6年3月18日付けで意見書を提出し、要旨次のとおり意見を述べた。
(1)乙第11号証ないし乙第21号証について
乙第11号証ないし乙第21号証は、「渋谷モディ」において2021年12月23日から同月27日の期間中、被請求人のポップアップショップが開催されたことを立証する趣旨のものと解されるところ、請求人としても、当該ポップアップショップが開催されたという事実を争うものではない。しかしながら、本件において問題となるのは、当該ポップアップショップにおいて取消請求商品又は役務について、本件商標が使用された事実があったか否かであるところ、乙第11号証ないし乙第21号証は、当該ポップアップショップの広告と認められるとしても、取消請求商品及び役務についての広告とは認められない。なお、被請求人主張の使用行為が商標法第2条第3項第3号に規定する使用に当たらないことは明らかである。
(2)乙第22号証ないし乙第25号証について
乙第22号証ないし乙第25号証は、埼玉県川口市在住の個人、東京都調布市在住の個人及び京都市の株式会社エレファントによる陳述書であるが、本件審判請求の予告登録日後に作成されたものである上、書式は被請求人が作成したものに、被請求人の求めに応じて記名及び押印したものと思われるところ、その証明力については定かではないし、商標の使用事実が立証されたか否かは、陳述書によってのみ判断され得るものではなく、乙第5号証及び乙第8号証などのその他の資料と併せて総合的に評価されるべきである。
(3)その他の被請求人の主張について
乙第26号証ないし乙第57号証によれば、前記ポップアップショップの開催がインターネット上やテレビ番組などでも取り上げられ、1980年代ないし1990年代において人気を博した被請求人ブランドのブームの再燃として話題を呼んだことがうかがわれるとしても、これらの書証からは、被請求人ブランドを冠したスタジャン、パーカー、Tシャツ等の回答書において列記されている商品が販売されたことは推察し得るものの、取消請求商品及び役務が販売又は提供された事実はうかがえない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁の理由と、合議体の暫定的な見解及び弁駁に対する回答とを要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第57号証を提出した。
1 答弁の理由
(1)はじめに
被請求人は日本のアパレルブランドを代表する女性経営者の一人であり、50年ほど前からセーラーズ(SAILORS)ブランドを立ち上げて、現在でもこのブランドは使用されており、セーラーズ(SAILORS)ブランドの商品は当時年商28億円を記録する等、爆発的にヒットしたものであり、日本だけでなく、世界的な人気を得ている(乙1)。
被請求人が提供するセーラーズ(SAILORS)ブランドの各商品の品揃えや商品販売の様子は、ウェブサイトで現在でも確認できる(乙2)。
(2)本件商標
本件商標は、胸から上の水兵一人のキャラクター画像と、キャラクター画像の下に配置された「SAILORS」の欧文字からなる商標である(乙3)。
(3)本件商標の使用
被請求人は、本件商標を、取消請求商品及び役務のいずれかについて、要証期間において使用しており、その事実を立証する。被請求人は、商品の小売品揃え及び販売の事業を主たる業務の一つとして位置付けている。
ア 乙第4号証は、本件商標が付された携帯電話機ストラップの写真であり、乙第5号証は、本件商標が付された携帯電話機ストラップの取引書類である。乙第5号証に示されるとおり、本件商標が付された携帯電話機ストラップの小売品揃えと販売用に200個を発注し、実際に販売したうちの一つを撮影したものが乙第4号証である。なお、携帯電話機ストラップ(乙4)は携帯電話機に使用するが、スマートフォンでも使用できる。
乙第6号証は、本件商標が付された携帯電話機ストラップの使用態様を例示した写真であり、実際に2021年10月31日以降、本件商標を表示して携帯電話機ストラップの小売品揃えを行い、本件商標が付された携帯電話機ストラップを販売した。これは要証期間である。
携帯電話機ストラップの品揃え及び携帯電話機ストラップの商品の販売において実際に使用されている商標は本件商標と同一の胸から上の水兵一人のキャラクター画像と、キャラクター画像の下に配置された「SAILORS」の欧文字からなる商標である。
イ 乙第7号証は、本件商標が付された携帯電話機用ケースの写真であり、乙第8号証は、本件商標が付された携帯電話機用ケースの取引書類である。乙第8号証に示されるとおり、本件商標が付された携帯電話機用ケースの販売用に、100個を発注し、実際に販売したうちの一つを撮影したものが乙第7号証である。
乙第9号証に示されるように、本件商標が付された携帯電話機用ケースの内部には粘着テープが設置されており、この粘着テープに携帯電話機の背面を貼付することにより、携帯電話機用ケースの内側に携帯電話機を格納できる。また、乙第10号証は、実際に本件商標が付された携帯電話機用ケースの内部に携帯電話機を格納した状態を示す写真である。なお、携帯電話機用ケースはスマートフォンにも使用できる。実際に2021年11月24日以降、本件商標が付された携帯電話機用ケースが販売され、これは要証期間である。
携帯電話機用ケースの商品の販売において実際に使用されている商標は本件商標と同一の胸から上の水兵一人のキャラクター画像と、キャラクター画像の下に配置された「SAILORS」の欧文字からなる商標である。
2 合議体の暫定的な見解及び弁駁に対する回答
被請求人は、合議体が5年11月16日付け審尋で示した暫定的な見解及び請求人の弁駁(上記第2の2)に対して、同年12月20日付けで回答書を提出し、要旨次のとおり回答した。
(1)被請求人は、実際に、電気通信機械器具としての携帯電話機用ケース及び携帯電話機用ストラップを購入した者をそれぞれ特定したので、主張立証する(乙22、乙24)。
(2)広告的使用:商標法第2条第3項第8号に規定する使用
本件商標は、以下のとおり、商標法第2条第3項第8号に規定する広告に使用された。
ア 広告その1:本件商標は、インターネットでの広告に掲載された(乙11)。
イ 広告その2:本件商標は、渋谷モディ入口の広告に掲載された(乙13、乙14)。
ウ 広告その3:本件商標は、インスタグラムの広告に掲載された(乙15~乙17)。
エ 広告その4:本件商標は、渋谷モディポップアップショップ会場での看板広告に表示された(乙18~乙21)。
オ 実際に被請求人から携帯電話機用ケースを購入した需要者による宣誓書原本を提出する(乙22)。
カ 実際に被請求人に携帯電話機用ケースを納入し代金を受け取った株式会社エレファントによる宣誓書原本を提出する(乙23)。
キ 実際に携帯電話機用ストラップを購入した需要者による宣誓書原本を提出する(乙24)。
ク 実際に被請求人に携帯電話機用ストラップを納入し代金を受け取った株式会社エレファントによる宣誓書原本を提出する(乙25)。
ケ 渋谷モディのポップアップショップにおいて、多種多様な商品の品揃え及び陳列の役務の提供が実施された(乙26~乙29)。
(3)商品貼付の使用:商標法第2条第3項第1号に規定する使用
本件商標は、以下のとおり、商標法第2条第3項第1号に規定する商品に付されて使用された。
ア 携帯電話機用ケースに本件商標が付された(乙22、乙23)。
イ 携帯電話機用ストラップに本件商標が付された(乙24、乙25)。
(4)商品譲渡の使用:商標法第2条第3項第2号に規定する使用
本件商標は、以下のとおり、商標法第2条第3項第2号に規定する商品の譲渡又は譲渡のための展示として使用された。
ア 携帯電話機用ケースに本件商標が付されて譲渡され、譲渡のために展示された(乙22、乙23)。
イ 携帯電話機用ストラップに本件商標が付されて譲渡され、譲渡のために展示された(乙24、乙25)。
(5)商品の品揃え役務の使用:商標法第2条第3項第3号に規定する使用
本件商標は、以下のとおり、商標法第2条第3項第3号に規定する商品の品揃え、陳列の役務の提供に当たりその役務の提供を受ける者の利用に供する物に使用された。
ア 携帯電話機用ケースの品揃え及び陳列の役務の提供について使用された(乙22、乙23、乙26~乙36)。
イ 携帯電話機用ストラップの品揃え及び陳列の役務の提供について使用された(乙24~乙36)。
(6)本件商標を付した携帯電話機ストラップ又は携帯電話機用ケースを顧客に販売した事実等の新たな証拠を提出する(乙22~乙25)。
3 その他
被請求人は、令和6年5月30日付けで上申書を提出するとともに、証拠方法として乙第58号証を提出した。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の乙各号証によれば、以下のとおりである。
(1)50周年記念セーラーズポップアップショップについて(乙11、乙26、乙27)
乙第11号証は、ウェブサイトの画面の出力物であるところ、「50th ANNIVERSARY SAILORS POP UP SHOP in 渋谷モディ」「Thursday December 23,2021 11:00~/Monday December 27,2021 20:30/渋谷モディ 1F/・・・東京都渋谷区・・・」、「セーラーズのオーナー兼デザイナーである三浦静加の起業50周年を記念して、限定グッズなどを販売するポップアップショップを開催!」などの記載がある。
また、乙第26号証は、2021年12月26日掲載のヤフージャパンニュースの記事の出力物であるところ、その1葉目に、「「セーラーズ」の期間限定店に5時間待ちの行列 熱狂的ファンや過去動画視聴・アイドル着用で若い新規客も」のタイトル下、「・・・そんな「セーラーズ」の生みの親であり育ての親である、三浦静加オーナー兼デザイナーの起業50周年を記念して、12月27日までの5日間、マルイの渋谷モディ1階にポップアップストア「50th ANNIVERSARY SAILORS POP UP SHOP」をオープンしている。」の記載があり、2葉目に、「今回販売するのは、・・・マスキングテープやステーショナリー、時計や目覚まし時計、ステンレスボトルなど、グッズも用意した。」の記載がある。
さらに、乙第27号証は、2022年1月1日付けのインターネット上の投稿であるところ、「セーラーズ渋谷モディでポップアップSHOPに行ってきました。社長三浦しずかさんやファンクラブの広報Tさんにもお会い出来て嬉しかったです」の記載がある。
加えて、記事(乙26)の1葉目と投稿(乙27)には、50周年記念セーラーズポップアップショップを撮影した画像が掲載されており、当該ポップアップショップで、多種多様なグッズが展示及び販売されている様子が看取できる。
(2)スマートフォン用(又は携帯電話機用)ストラップについて(乙24、乙25)
乙第24号証は、令和5年11月27日付け宣誓書であり、東京都在住のS氏の署名及び押印がある。また、宣誓書(乙24)の1葉目には、「私は、・・・商標権者である三浦静加と実際に対面し、渋谷モディで、洋服等の多数の商品が品揃えされている中から、実際に展示されていた下記商標付きの物の提供を、三浦静加に代金を支払って受けたことに相違ありません。」及び「1.日時:2021年12月23日 渋谷モディで開催された50周年記念セーラーズポップアップショップ・・・の開催期間」、「3.提供を受けた物:スマートフォン・携帯電話用ストラップ」との記載とともに、縁取りされた「SAILORS」の文字の上に、水兵を模した図形を配置してなる標章(別掲2。以下「使用商標1」という。)を付したスマートフォン用(又は携帯電話機用)ストラップ(以下「スマートフォン用ストラップ」という。)の画像が掲載されている。
また、乙第25号証は、令和5年11月27日付け宣誓書であり、株式会社エレファント(以下「エレファント社」という。)の担当者の記名及び押印がある。また、宣誓書(乙25)の1葉目には、「弊社は下記請求書記載の商品について、・・・三浦静加に対して、商品を200個納入し、サンプル作成費用を含む下記代金を受け取ったことに相違ありません。」、「1.商品納入日:2021年11月24日」の記載とともに、請求書の画像が掲載され、当該請求書の画像中に、「商品名 SAILORS スマホストラップ」の表示及び使用商標1を付したスマートフォン用ストラップの画像の表示が看取できる。
(3)スマートフォン用(又は携帯電話機用)ケースについて(乙22、乙23)
乙第22号証は、令和5年11月25日付け宣誓書であり、埼玉県在住のH氏の署名及び押印がある。また、宣誓書(乙22)の1葉目には、「私は、・・・商標権者である三浦静加と実際に対面し、渋谷モディで、洋服等の多数の商品が品揃えされている中から、実際に展示されていた下記商標付きの物の提供を、三浦静加に代金を支払って受けたことに相違ありません。」及び「1.日時:・・・、渋谷モディで開催された50周年記念セーラーズポップアップショップ・・・の開催期間中であることに間違いありません。」、「3.提供を受けた物:スマートフォン(携帯電話)用ケース」の記載とともに、縁取りされた「SAILORS」の文字の上に、水兵を模した図形及び「○R」(「○R」は、「R」を丸囲みしたもの。以下同様。)の文字を配置してなる標章(別掲3。以下「使用商標2」という。)を付したスマートフォン用又は携帯電話機用ケース(以下「スマートフォン用ケース」という。)の画像が掲載されている。
また、乙第23号証は、令和5年11月27日付け宣誓書であり、エレファント社の担当者の記名及び押印がある。また、宣誓書(乙23)の1葉目には、「弊社は下記請求書記載の商品について、・・・三浦静加に対して、商品を100個納入し、サンプル作成費用を含む下記代金を受け取ったことに相違ありません。」、「1.商品納入日:2021年11月24日」の記載とともに、請求書の画像が掲載され、当該請求書の画像中に、「商品名:手帳型スマホケース(LLサイズ)」の表示、及び使用商標2を付したスマートフォン用ケースの画像の表示が看取できる。
(4)上記(1)ないし(3)から、以下の事項が理解できる。
被請求人は、要証期間である2021年12月23日ないし同月27日の5日間、渋谷モディにおいて、50周年記念セーラーズポップアップショップ(以下「ポップアップショップ」という。)を開催し、当該ポップアップショップには被請求人自身も出席し、多種多様なグッズを展示及び販売し、多数の来客があった(乙11、乙26、乙27)。
また、宣誓書(乙22~乙25)に掲載された、スマートフォン用ストラップ及びスマートフォン用ケースの画像などから、スマートフォン用ストラップ及びスマートフォン用ケースが実在するとみて差し支えないことや、被請求人がエレファント社から実際にスマートフォン用ストラップ及びスマートフォン用ケースを納入しそれらの代金を請求されたと考えられること(乙23、乙25)に鑑みれば、要証期間に開催されたポップアップショップでは、使用商標1を付したスマートフォン用ストラップ(以下「使用商品1」という。)及び使用商標2を付したスマートフォン用ケース(以下「使用商品2」という。)が展示及び販売され、東京都在住のS氏が使用商品1を購入したこと(乙24)、及び埼玉県在住のH氏が使用商品2を購入したこと(乙22)は推認できる。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
使用商標1(別掲2)及び使用商標2(別掲3)は、本件商標(別掲1)と、縁取りされた「SAILORS」の文字の上に、水兵を模した図形を配置してなる外観の点で共通し、「セーラーズ」の称呼の点でも共通するから、使用商標1及び使用商標2は、いずれも本件商標と社会通念上同一の商標であるといえる。
(2)使用商品について
商標法施行規則別表の第9類においては、「十二」として「電気通信機械器具」が例示され、これに含まれる商品として「携帯電話機」が例示されており、また、「十五」として「電子応用機械器具及びその部品」が例示され、これに含まれる商品として「電子計算機」が例示されている。
そして、「電気通信機械器具」及び「電子応用機械器具及びその部品」とは別に、「三十」として「携帯情報端末」が例示され、これに含まれる商品として「スマートフォン」が例示されているが、商標法施行規則別表における当該商品は、商標法施行規則の一部を改正する省令(平成28年12月12日経済産業省令第109号、平成29年1月1日施行)において初めて追加されたものである(https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/syoreikaisei/shohyo/shohyo_281212.html)。
ところで、本件商標の登録出願日は、上記第1のとおり平成21年12月8日であり、商標法施行規則別表の第9類において、「スマートフォン」が「電気通信機械器具」及び「電子応用機械器具及びその部品」とは別に追加される改正の前である。
そして、「スマートフォン」がパソコンとしての機能と携帯電話機としての機能を兼ね備えた商品であることをも踏まえれば、「スマートフォン」は、本件商標の登録出願時においては、商標法施行規則別表の第9類における「電気通信機械器具」及び「電子応用機械器具及びその部品」のいずれにも属する二面性を有する商品とみるのが相当である。
そうすると、使用商品1(スマートフォン用ストラップ)及び使用商品2(スマートフォン用ケース)は、いずれもスマートフォン用であるか携帯電話機用であるかにかかわらず、スマートフォン又は携帯電話機の附属品として、取消請求商品及び役務中、第9類「電気通信機械器具」の範ちゅうに含まれるというべきである。
(3)使用者、使用時期、使用行為について
被請求人は、要証期間である2021年12月23日ないし同月27日の5日間、渋谷モディにおいて、ポップアップショップを開催し、当該ポップアップショップで、使用商標1を付した使用商品1及び使用商標2を付した使用商品2を販売(譲渡)したことは推認できるから、商標権者が要証期間に商標法第2条第3項第2号に規定する使用行為を行ったと認められる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)からすれば、商標権者が、要証期間に、日本国内において、本件の取消審判請求に係る第9類「電気通信機械器具」の範ちゅうに属する商品に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して譲渡し商標法第2条第3項第2号に該当する使用行為を行ったと認めることができる。
(5)請求人の主張について
請求人は、意見書において、宣誓書(乙22~乙25)について、書式は被請求人において作成したものに、被請求人の求めに応じて記名及び押印したものと思われるところ、その証明力については定かではないし、乙第5号証や乙第8号証など、その他の資料と併せて総合的に評価されるべきである旨を主張し、さらに乙第5号証及び乙第8号証には取引書類として不自然な点がある旨を弁駁している。
しかしながら、上記1(4)のとおり、被請求人が提出した証拠方法から理解できる事項を総合すれば、要証期間に開催されたポップアップショップで、使用商標1を付した使用商品1(スマートフォン用ストラップ)及び使用商標2を付した使用商品2(スマートフォン用ケース)が展示及び販売され、東京都在住のS氏が使用商品1を購入したこと(乙24)、及び埼玉県在住のH氏が使用商品2を購入したこと(乙22)は推認できるものであり、使用商品1及び使用商品2が実在することや、当該ポップアップショップでは多種多様な商品が展示及び販売されており、被請求人がそれらの商品について個別にメーカーに製造を依頼し納品してもらう必要があったことは明らかであるから、当該ポップアップショップの開催日と時期的に合致して、使用商品1及び使用商品2を発注したことがうかがえるエレファント社の請求書(乙5、乙8)に不自然な点があるとしても、そのことにより、直ちに要証期間にエレファント社が被請求人に、使用商品1及び使用商品2を納品し、その代金を請求した事実がないと認めることはできない。
したがって、請求人の主張は採用できない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その審判の請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の取消請求商品及び役務についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-300199