商標拒絶査定不服審判
2023-022352
ハロー、ヘロー
- 審判番号
- 2023-022352
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-107495
- 請求日
- 2023年12月28日
- 審決日
- 2024年08月08日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ネイバー クラウド コーポレーション
- 【請求人代理人】岩瀬 ひとみ
- 【請求人代理人】船橋 理恵
- 【請求人代理人】樫村 亮吾
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .261-Z (W09) / T18 .262-Z (W09) / T18 .263-Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-107495拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年10月21日に登録出願された商願2021-131569に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、同4年9月16日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年12月15日付け:拒絶理由通知書
令和5年 3月20日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 5月 8日付け:拒絶理由通知書
令和5年 8月 9日 :意見書の提出
令和5年 9月27日付け:拒絶査定
令和5年12月28日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第9類「ビデオ会議に関するアプリケーションソフトウェア,ビデオ会議に関するコンピュータソフトウェア,会議遂行用アプリケーションソフトウェア,会議遂行用コンピュータソフトウェア,ビデオ会議システム用コンピュータソフトウェア,ダウンロード可能なマルチメディアファイル,テキスト・オーディオ・グラフィック・静止画及び動画の統合用コンピュータソフトウェア,マルチメディア応用分野の音声・映像の機能向上用の記録されたコンピュータソフトウェア,データ検索用コンピュータソフトウェア,無線コンテンツ伝送用コンピュータソフトウェア,映像・音響及びビデオ編集用コンピュータプログラム,コンピュータゲームプログラム,ダウンロード可能なクーポンの画像データ,ダウンロード可能な電子マニュアル」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第1707940号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、昭和55年11月5日登録出願、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同59年8月28日に設定登録され、その後、平成17年8月10日に指定商品を第7類ないし第12類、第17類及び第21類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として書換登録され、同26年9月9日に、指定商品を第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」とする更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、左側に人の手をモチーフにしたと思しき青色の図形(中央部の掌にあたる部分に円形の白抜き図形を配し、さらにその内側に右上が半円状に切り欠いた形状の緑色の図形が配されている。)を表し(以下「本願図形部分」という。)、その右側に黒色で「HELLO」の欧文字(以下「本願文字部分」という。)を表してなるところ、本願図形部分と本願文字部分とは、相互に間隔を空けて、それぞれ重なり合うことなく、独立して表されていることから、視覚上、分離して看取、把握され得るものである。
また、本願図形部分は、その構成態様から特定の意味合いを想起させるとはいい難く、特定の称呼及び観念を生じないものである一方、本願文字部分の「HELLO」の欧文字は、「こんにちは」の意味を表す語として我が国において広く一般に親しまれているものである(出典:株式会社研究社「新英和中辞典 第七版」)。
そうすると、本願図形部分と本願文字部分の間には、観念上のつながりを見いだせず、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。
以上よりすれば、本願商標は、本願図形部分と本願文字部分が、それぞれ独立して出所識別機能を有する要部となり得るものであるところ、「HELLO」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その要部である「HELLO」の文字部分(以下「本願要部」という。)に相応して、「ハロー」の称呼を生じ、「こんにちは」程の観念を生じる。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、「ハロー」の片仮名(以下「引用文字部分」という。)とこれを上下に挟むように配された稲妻を模した図形を有する円弧(以下「引用図形部分」という。)より構成されるものであるところ、引用図形部分と引用文字部分とは、視覚上まとまりのよい一体的な印象を与えるものである。
そして、引用図形部分は、我が国では特定の事物や意味を有する図形として知られているものではないことから、特定の意味合いを想起させるとはいい難く、特定の称呼及び観念を生じないものであり、引用文字部分の「ハロー」は、「こんにちは」を表す言葉として、我が国において広く一般に知られる「hello,hallo」の英単語を片仮名で表記したものと容易に看取されるものであるから(出典:株式会社岩波書店「広辞苑第七版」)、引用商標は、その構成中の文字部分に相応した、「ハロー」の称呼を生じ、「こんにちは」程の観念を生じる。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ上記ア及びイのとおりの構成よりなり、外観について、両者は、全体の構成において相違し、本願要部と引用商標の比較においても、文字種及び図形の有無において相違するものの、称呼及び観念について、本願要部と引用商標は、「ハロー」の称呼及び「こんにちは」程の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標は、本願要部と引用商標において、称呼及び観念を共通にするものであるから、外観における相違が、称呼及び観念の共通性を凌駕するものとはいい難く、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品中の「ビデオ会議に関するアプリケーションソフトウェア,ビデオ会議に関するコンピュータソフトウェア,会議遂行用アプリケーションソフトウェア,会議遂行用コンピュータソフトウェア,ビデオ会議システム用コンピュータソフトウェア,テキスト・オーディオ・グラフィック・静止画及び動画の統合用コンピュータソフトウェア,マルチメディア応用分野の音声・映像の機能向上用の記録されたコンピュータソフトウェア,データ検索用コンピュータソフトウェア,無線コンテンツ伝送用コンピュータソフトウェア,映像・音響及びビデオ編集用コンピュータプログラム,コンピュータゲームプログラム」は、引用商標の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」と同一又は類似の商品である。
オ 小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品には、引用商標の指定商品と同一又は類似のものを含むものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、甲第1号証を提出し、引用商標権者に関するウェブサイト情報から判断するに、引用商標は、人の注意を促すための「ハロー(hallo)」とベルやブザーの警報音が鳴り響く様子を表現したと思しき図形をモチーフとして採択された一体不可分の商標であり、全体として、人に注意喚起するような騒然とした印象やイメージを取引者、需要者に与えるものである旨主張するとともに、「ハロー」と発音される英単語としては、「hello(呼びかけ、または軽いあいさつに用いる語。こんにちは。)」のほかに、「halo(聖像などの光背。後光。光輪。太陽や月の周りに現れる光の輪。暈。凸レンズ状の銀河を取り囲んで球状星団が分布する領域。)」、「harrow(耕し起こしたのち、砕土・地ならしを行う農機具。砕土機。)」などの複数の英単語が存在するから、引用文字部分の「ハロー」の片仮名は、必ずしも1つの意味に特定することはできない旨主張する。
しかしながら、「ハロー」の片仮名で表される英単語が複数存在するとしても、我が国において、「ハロー」の片仮名は、「こんにちは」を表す言葉として広く一般に知られる「hello,hallo」の英単語の表音を表したものと容易に理解されるというのが相当であり、さらに、引用図形部分は、我が国では特定の事物や意味を有する図形として知られているものではなく、特定の意味合いを想起させるとはいい難いものであることから、引用商標よりは、引用文字部分の「ハロー」に相応し、「ハロー」の称呼及び「こんにちは」程の観念を生じるというべきである。
加えて、商標に接する取引者、需要者は、必ずしも商標採択の意図に沿って商標を認識し、把握するものではないから、仮に、引用商標が請求人の主張のとおりに採択されたものであったとしても、これによって上記判断が左右されるものではない。
イ 請求人は、外観における差異が称呼の共通性を凌駕し、商標同士が非類似であると判断された過去の登録例を挙げ、これらの登録が併存していることからしても、本願商標は登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる登録例と本願商標とは、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、上記(1)ウのとおり、本願商標と引用商標は、全体構成における外観は相違するにせよ、本願要部と引用商標との比較において、称呼及び観念を共通にするものであるから、外観における相違が、称呼及び観念の共通性を凌駕するものとはいい難く、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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