特許拒絶査定不服審判
2023-022195
寿命判定装置、寿命判定方法および寿命判定プログラム
- 審判番号
- 2023-022195
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-161199
- 請求日
- 2023年12月27日
- 審決日
- 2024年09月10日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】コニカミノルタ株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人鷲田国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 川俣 洋史
- 審判官 道祖土 新吾
- 審判官 山本 一
- 分類
- P18 .121-WY (G03G) / P18 .536-WY (G03G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第6項特許法53条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第36条第4項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-161199「寿命判定装置、寿命判定方法および寿命判定プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 3月11日出願公開、特開2021- 39267、請求項の数(16)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和元年9月4日に出願された特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和5年 5月24日付け :拒絶理由通知書
同年 7月28日 :意見書及び手続補正書の提出
同年 9月22日付け :拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同年10月 3日 :原査定の謄本の送達)
同年12月27日 :審判請求書及び手続補正書の提出
第2 令和5年12月27日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和5年12月27日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 補正の内容
令和5年12月27日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について補正するものであり、この補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和5年7月28日にされた手続補正後をいう。)の請求項1が、後記の(2)に示す本件補正後の請求項1に補正された。下線は、補正箇所を示す。
(1)本件補正前の請求項1
「 【請求項1】
画像形成に使用される画像形成部材が寿命に達したか否かを判定するために用いられ、画像不良の発生に関連する関連パラメーターの閾値を、ユーザーによって画像不良と判断された実画像に基づいて設定する設定部と、
画像形成された画像に関する前記関連パラメーターの実測値と前記閾値とに基づいて、前記画像形成部材が寿命に達したか否かを判定する寿命判定部と、
を備え、
前記設定部は、ユーザーによって画像不良と判断された実画像における画像不良の種類と程度とを特定し、特定された画像不良の種類と程度とに基づいて、画像不良の種類毎に前記閾値を設定する、
寿命判定装置。」
(2)本件補正後の請求項1
「 【請求項1】
画像形成に使用される画像形成部材が寿命に達したか否かを判定するために用いられ、画像不良の発生に関連する関連パラメーターの閾値を、ユーザーによって画像不良と判断された実画像に基づいて設定する設定部と、
画像形成された画像に関する前記関連パラメーターの実測値と前記閾値とに基づいて、前記画像形成部材が寿命に達したか否かを判定する寿命判定部と、
を備え、
前記設定部は、ユーザーによって画像不良と判断された実画像における画像不良の種類と程度とを特定し、特定された画像不良の種類と程度とに基づいて、画像不良の種類毎に前記閾値を更新前の前記閾値から更新し、
前記寿命判定部は、更新前の前記閾値と更新後の前記閾値とに基づいて、前記画像形成部材の寿命予測を行う、
寿命判定装置。」
上記補正は、「寿命判定装置」について「前記寿命判定部は、更新前の前記閾値と更新後の前記閾値とに基づいて、前記画像形成部材の寿命予測を行う」ことを限定するものであり、いわゆる「特許請求の範囲の限定的減縮」を目的とするものと認められる。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかを検討する。
2 本件補正の適否
本件補正によって加えられた「寿命判定装置」の「前記寿命判定部は、更新前の前記閾値と更新後の前記閾値とに基づいて、前記画像形成部材の寿命予測を行う」との事項について検討するに、請求人が本件補正の根拠とする段落【0136】、【0137】には、以下のように記載されている。
「 【0136】
そして、本実施の形態では、制御部100は、ステップS17においてユーザー閾値を既存の値から更新する場合、ステップS16で特定された値に重みを付けて更新を行う。言い換えると、制御部100は、ユーザーによって先に画像不良と判断された実画像よりも、後に画像不良と判断された実画像に重みを付けて、ユーザー閾値(関連パラメーターの閾値)を設定(更新すなわち再設定)する。
【0137】
この結果、ユーザー閾値が、ユーザーの感覚や価値観等の変化に柔軟に対応させるように更新(補正)され、更新前のユーザー閾値(第2閾値すなわち画像不良閾値)と更新後のユーザー閾値(画像不良閾値)とを用いて部品(画像形成部材)の寿命予測を行うことができる。」
しかし、上記段落【0136】、【0137】には、どのように「更新前の前記閾値と更新後の前記閾値とに基づいて、前記画像形成部材の寿命予測」を行えば良いのか記載されていない。また、本件明細書の発明の詳細な説明の他の記載をみても、「更新前の前記閾値と更新後の前記閾値とに基づいて、前記画像形成部材の寿命予測を行う」ための具体的な方法は記載されていない。してみれば、本件明細書の発明の詳細な説明は、本件補正後の請求項1に係る発明を当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されたものと認めることができない。よって、本件補正後の請求項1に係る発明について、本件明細書の発明の詳細な説明は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
したがって、本件補正は、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでないから、特許法第17条の2第6項において準用する第126条第7項に規定する要件を満たしていない。
3 まとめ
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する第126条第7項に違反するものであるから、同法159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本件発明について
本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~16に係る発明は、令和5年7月28日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~16に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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