特許拒絶査定不服審判
2023-021630
秤量装置、秤量装置と分包装置との組み合わせ装置
- 審判番号
- 2023-021630
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-077579外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年12月20日
- 審決日
- 2025年05月14日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社タカゾノ
- 【請求人代理人】弁理士法人藤本パートナーズ
- 分類
- P18 .121-WZ (A61J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022- 77579「秤量装置、秤量装置と分包装置との組み合わせ装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 8月 9日出願公開、特開2022-116015〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成29年 9月15日に出願した特願2017-177850号の一部を令和 元年12月12日に新たな特許出願とした特願2019-224303号の一部を令和 3年 7月27日に新たな特許出願とした特願2021-122276号の一部を令和 4年 5月10日に新たな特許出願としたものであって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。
令和 5年 3月28日付け:拒絶理由通知書
同年 6月 5日 :意見書及び手続補正書の提出
同年 9月15日付け:拒絶査定
同年12月20日 :審判請求書及び手続補正書の提出
令和 7年 1月 9日付け:拒絶理由通知書
同年 3月10日 :意見書の提出
第2 本願発明
本願の請求項に係る発明は、令和 5年12月20日付け手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1ないし2に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「散剤を秤量する秤量装置であって、
散剤を収容する散剤容器と、
前記散剤容器を払出位置に移動する移動機構と、
払出位置に移動された前記散剤容器から散剤を払い出す払出機構と、
前記払出機構により払い出される散剤を受けるトレイが載置され、前記トレイに払い出される散剤を秤量する秤量部と、
秤量後の散剤が収容された前記トレイが複数載置されるトレイ集積部と、
前記秤量装置を制御する制御部と、を備え、
複数の供給指示中に同一種類の散剤を払い出す指示を含む場合、前記制御部は、同一種類の散剤が連続して払い出されるように順番を設定する、秤量装置。」
第3 拒絶の理由
当審が通知した令和 7年 1月 9日付け拒絶理由通知書に係る拒絶の理由は、次の理由を含むものである。
(進歩性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特開平11-226087号公報
引用文献2:米国特許出願公開第2008/0195416号明細書
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1の記載
引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
「【0025】
【実施例】本発明の散薬取出装置および散薬容器搬送装置の一実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、散薬容器搬送装置を組み込んだ散薬取出装置について、それらの搬送系を中心に斜め上から視た簡略図である。また、図2は、装置の全体構成を示す模式図であり、前扉や前板等を外した状態の正面図について、フレームやボルト等の図示を割愛するとともに各要素の形状等も簡略化して示したものである。さらに、図3は、散薬取出装置のカセット移動機構等の部分拡大図であり、(a)が正面図、(b)及び(c)が側面図である。図4は、散薬カセットから散薬を取り出すところの拡大側面図であり、図5は、散薬取出装置のコントローラの機能ブロック図である。」
「【0027】この散薬取出装置は、図中、左から右に、カップ供給ユニットA、カセット収納ユニットB(収納庫)、カセット収納ユニットC(収納庫)、そしてカップ搬送ユニットDが順に配置連結されたものである(図2参照)。なお、このカップ搬送ユニットDは、カセット収納ユニットCとの間の連結用ボルト等を緩めると簡単に散薬取出装置から切り離せる散薬容器搬送装置となっている。
【0028】カップ供給ユニットAには、調剤のためにカセット30から取り出した散薬を入れて搬送したり計量したりするためのカップ1(散薬容器)を供給するカップ供給機構14が設けられている(図2参照)。そして、カップ供給機構14の上等にゴミ除け等のため逆さ状態で積み重ねられた多数のカップ1を、順に一つずつ、図示しないアーム等にて反転させながら、カセット収納ユニットBの搬送機構10へ供給するようになっている。なお、カップ供給ユニットA上部の空いているところには、電源部2や散薬取出装置のコントローラ80も格納されている。
【0029】カセット収納ユニットBには、下方に横たわる搬送機構10(散薬容器供給用搬送装置)と、縦に長いループ状のチェイン等からなるカセット循環機構20(カセット移動機構)と、カセット循環機構20に対しほぼ等間隔で取着された複数個のカセット30(散薬カセット)と、電子秤50(計量装置)とが設けられている。さらに、駆動部40(散薬取り出しの駆動機構)や、リーダライタ52(データアクセス装置)、リーダライタ54(データ読取装置)、リーダ56(データ読取装置)なども設けられている(図2参照)。
【0030】カセット収納ユニットCは、カセット収納ユニットBと同じ構造のユニットである。これらは、散薬の種類そして散薬カセットの必要数に対応して、必要なユニット数が左右に連結されるようになっている(図2参照)。これにより、多数の散薬カセット30が複数の収納庫B,Cに分離して収納されるようになっている。
【0031】カップ搬送ユニットDには、カセット収納ユニットCの搬送機構10によって搬送された来たカップ1を更にカップ昇降機構115のところまで運ぶ同様の搬送機構10と、そのカップ1を乗せて上下移動するカップ昇降機構115と、カップ昇降機構115の上昇した高さのところで行きつ戻りつして(図1,図2では一往復半、図6,図7では二往復半)折り畳まれた搬送経路を形成する搬送機構110及びターンテーブル114と、搬送機構110等の上方に配置されたコントローラ180等と、搬送機構110等の下方に配置されたバーコードプリンタ130とが設けられている(図1,図2参照)。
【0032】カップ1は、散薬の計量や搬送の際に散薬が舞い散らないように深めに形成された容器であり、その底部には、収容した散薬についての薬剤情報や計量値などを記憶させるためのデータキャリア3(データ記憶体)が取り付けられている(図4,図8参照)。」
「【0035】搬送機構110は、基本的には搬送機構10と同様のベルトコンベアであるが、端部に設けられたターンテーブル114との協働のために、ベルト111の両側の上下に小さな従動輪113が配設され、その中間位置に駆動輪112が設けられている(図2参照)。なお、各搬送機構110は5個以上のカップ1を乗せるのに十分な長さに形成されている。ターンテーブル114は、直径が平行な2つの搬送機構110とほぼ等しい円板であり、水平に置かれて中心から下方へ延びた図示しない鉛直軸を介してモータ等によって回転駆動されるようになっている。
【0036】カセット30は、散薬を取り出し可能にストックするために、散薬ストック部33と、その下方の排出部とから構成されている(図4参照)。散薬ストック部33は、縦向きの円筒形に構成され、その底部に攪拌羽根32が配置されている。攪拌羽根32は、円錐形部分を中心としてそれから2枚が互いに180゜隔てて半径方向外方へ延び、しかも、外方へ行くにしたがって回転方向に対して後退する方向に湾曲して形成されている。カセット30の排出部には、散薬ストック部33の下方正面においてその半径方向に沿って横向きに小径円筒の排出路35が形成されており、この排出路35と散薬ストック部33とは、散薬ストック部33の底面外周付近に形成された連通路34によって互いに通じている。」
「【0040】カセット循環機構20は、収納庫B,Cのそれぞれに設けられており、いずれにも、複数のカセット30のうち該当収納庫内のものが取着されている(図2参照)。各カセット循環機構20は、該当収納庫内において、上下あるいは左右の駆動輪22及び従動輪23に亘ってチェーン21等の無端条帯が張設されたものであり、電動モータ24によって駆動輪22が回転駆動されると、その回転方向に応じてチェーン21が正逆双方向に循環する(図3参照)。また、チェーン21にはカセット30を着脱可能に支持する支持体が所定のピッチで配置されており、装着されたカセット30もチェーン21の循環に伴って循環させられる。その循環ループの最下方で搬送機構10に最接近するところは、散薬取り出し位置とされる。これにより、カセット循環機構20(カセット移動機構)は、散薬カセットのうち該当収納庫内のものを順に散薬取り出し位置へ移動させるものとなっている。」
「【0042】電子秤50は、散薬取り出し位置に来たカセット30の少し下のところで、搬送機構10の上下のベルト11の間に設置されている(図3参照)。電子秤50には、単独で或いは本体と共に昇降しうる支承片51が設けられていて、上昇したときだけ、ベルト11でカセット30の排出路35の出口直下へ搬送されて来たカップ1を、ベルト11の切れ目から支承して、その重さを秤量する(図4参照)。そして、カセット30からそこのカップ1へ散薬が取り出されると、その散薬の分だけ秤量値も増加する。これにより、電子秤50(計量装置)は、散薬カセット30から取り出した散薬を計量するものとなっている。」
「【0046】コントローラ80は(図5参照)、制御用のコンピュータシステムであり、上述した各モータやリーダライタ等とインターフェイス(I/F)を介して接続されるとともに、各種の処理を担うルーチンやデータも保持している。すなわち、散薬取出装置のうちユニットA,B,C部分を直接制御するために、カセット装着ルーチン81や、処方入力ルーチン82、容器供給ルーチン83、カセット移動ルーチン84、散薬取出ルーチン85、計量ルーチン86、容器移動ルーチン87などがインストールされているのに加えて、散薬容器搬送装置であるカップ搬送ユニットDを間接制御するためにそのコントローラ180と交信する搬送装置制御ルーチンなどもインストールされているが、その具体的な処理については後述の動作説明にて例示する。なお、散薬データ91には各カセット30毎に区分してそれぞれの薬剤情報が記憶される。処方データ92には処方対象の薬剤情報が記憶される。容器データ93は、管理の容易のため、使用中のカップ1ごとに割り付けられ、一処方で複数のカップを用いて散薬を取り出す場合には複数生成されるようになっている。」
「【0057】こうして、調剤の準備が調ったところで、処方箋に基づいて調剤対象の薬剤情報が図示しないホストコンピュータやキーボード(KBD)等から何れかのコントローラ80に入力されると、処方入力ルーチン82によってその薬剤情報が処方データ92にセットされる。そして、この散薬取出装置による散薬の自動取出は次のようにして行われる。」
「【0063】散薬取り出し位置のカセット30に誤りが見つからなければ、散薬取出ルーチン85の制御によって、該当する駆動部40が散薬取り出し位置のカセット30に結合してそれを駆動する。こうして、カセット収納ユニットBでは、第3のカセット30から第2のカップ1へ散薬が取り出され、カセット収納ユニットCでは、第1のカセット30から第1のカップ1へ散薬が取り出される。
【0064】このとき同時に、計量ルーチン86の制御に従い、該当する電子秤50によって、第1,第3のカップ1の計量も行われる。そして、散薬の取り出し量が所要量に達すると、計量ルーチン86及び散薬取出ルーチン85の協動によって散薬の取り出しが止められる。さらに、計量ルーチン86の処理によって、その取り出した散薬の量が各カップ1のデータキャリア3に書き込まれる。散薬データ91等に保持されている他の関連情報、例えば、その散薬をフィーダ60で送給するのに適したフィーダ60の振動周波数などの情報も、併せて書き込まれる。」
「【0066】そして、やはり所要の散薬を収容し終えた第1のカップ1は、容器移動ルーチン87の制御に従って作動する搬送機構10によりカセット収納ユニットC内を搬送されてカップ搬送ユニットDに至り、その後は容器搬送ルーチン182の制御に従って、カップ搬送ユニットDの搬送機構10によってカップ昇降機構115のところへ運ばれ、さらにカップ昇降機構115によって規制板117の搬入窓119から搬送窓118へ送り込まれ、それから搬送機構110及びターンテーブル114によってUターンを繰り返しながら奥から手前へと運ばれる(図7の点線矢印を参照)。続けて、第2のカップ1も、同様にして搬送機構110のところへ運ばれ、順に手前へ詰められる。こうして、処方箋に基づき、第1~第3のカセット30の散薬が、所定量だけ取り出されて、カバー147の下に収集される。」
「【0074】このような場合、人手の介在や各装置の処理タイミングのばらつき等によって、該当する散薬分包機70の処理開始が遅れたりしても、他の調剤は空いた別の散薬分包機70を利用して待たされることなく進められる。また、散薬取出装置からのカップ取り出しに作業者の手が回らないようなときでも、散薬取出装置の散薬容器搬送装置における折り畳まれた搬送路に多数のカップが貯められて、散薬取出装置における散薬の収集は滅多に止まること無く継続される。」
図1「
[図:0001425227000001.jpg]
」
図2「
[図:0001425227000002.jpg]
」
図4「
[図:0001425227000003.jpg]
」
2 引用発明
上記の記載を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「散薬取出装置および散薬容器搬送装置であって、
散薬を取り出し可能にストックするカセット30と、
カセット30を散薬取り出し位置へ移動させるカセット循環機構20と、
散薬取り出し位置のカセット30に結合してそれを駆動し、カセット30からカップ1へ散薬を取り出す駆動部40と、
カップ1を支承して、散薬カセット30から取り出した散薬を計量する電子秤50と、
所要の散薬を収容し終えた5個以上のカップ1を乗せるのに十分な長さに形成されている搬送機構110と、
散薬取出装置のうちカップ供給ユニットA,カセット収納ユニットB,カセット収納ユニットC部分を直接制御するために、カセット装着ルーチン81や、処方入力ルーチン82、容器供給ルーチン83、カセット移動ルーチン84、散薬取出ルーチン85、計量ルーチン86、容器移動ルーチン87などがインストールされ、散薬容器搬送装置であるカップ搬送ユニットDを間接制御するためにそのコントローラ180と交信する搬送装置制御ルーチンなどもインストールされているコントローラ80と、を備え、
処方箋に基づいて調剤対象の薬剤情報がコントローラ80に入力されると、その薬剤情報が処方データ92にセットされる、散薬取出装置および散薬容器搬送装置。」
3 引用文献2の記載
引用文献2には、以下の事項が記載されている。(下線及び和訳は当審で付した。)
「[0020] FIGS. 1 and 1A illustrate a process for receiving, processing, and preparing medication dose orders in accordance with one embodiment of the present invention;」
[0020] 図1及び図1Aは、本発明の一実施形態による、薬剤用量注文を受信し、処理し、準備するプロセスを示す図である。
「[0024] The present invention relates to the capture, processing, tracking, and distribution of medications. More particularly, the invention relates to an automated fulfillment system and method for receiving incoming medication dose orders, processing those orders, preferably in an efficient and optimized manner through the selective use of either an automated medication preparation fulfillment system or a manual medication preparation, and tracking the prepared medication dose through to its predetermined destination.
[0025] By way of overview and example, a doctor can enter one or more medication orders (“medication order”) at a terminal in a hospital. The terminal can be connected via a network or to a computer system in the pharmacy. When the order is processed by the pharmacy computer system and labels for medication doses are generated, the data contained in the order and on the labels is captured, processed, and parsed by a computer implemented system to create individual medication dose orders (“dose order”) and associated database records.」
[0024] 本発明は、医薬品の捕捉、処理、追跡、及び配布に関連する。より詳細には、本発明は、入ってくる薬剤用量指示を受信し、好ましくは自動化された薬剤準備充足システム又は手動の薬物準備のいずれかを選択的に使用することにより、効率的で最適化された方法で、それらの注文を処理し、準備された薬剤用量をその所定の到達先まで追跡するための、自動化された充足システム及び方法に関する。
[0025] 概要及び実施例の方法によって、医師は、病院内の端末で1つ以上の薬剤注文(「薬剤注文」)を入力することができる。端末は、ネットワークを介して、薬局のコンピュータシステムに接続することができる。注文が薬局のコンピュータシステムによって処理され、薬剤用量のためのラベルが生成された場合に、注文内とラベル上に含まれるデータが取り込まれ、処理され、コンピュータ実装されたシステムによって解析されて、個別の薬剤用量注文(「用量注文」)及びそれに関連したデータベースレコードを作成する。
「[0027] With reference now to FIG. 1, a process is illustrated by which orders are received, processed, and distributed within the pharmacy or medication preparation center. At step 100, medication order streams are received by the pharmacy.」
[0027] 図1を参照すると、注文が受信され、処理され、薬局又は薬剤準備センター内に分配されるプロセスが示されている。ステップ100では、薬局が薬剤指示ストリームを受取る。
「[0029] Data streams containing medication dose data are preferably logged at step 102 by a monitoring computer. Preferably, streams are logged in a database or other computer accessible medium.」
[0029] 薬剤用量データを含むデータストリームは、好ましくはステップ102で監視コンピュータによって記録される。好ましくは、ストリームは、データベース又はコンピュータがアクセス可能な他の媒体に記録される。
「[0034] The data stream can contain one or more dose orders. For example, the stream may contain a single prescription dose request by a doctor for a single patient. Alternatively, the stream can include multiple dose orders for batch processing.」
[0034] データストリームは、1つ以上の用量指示を含むことができる。例えば、ストリームは、一人の患者のための医師による一つの処方線の用量要求を含んでいてもよい。あるいは、ストリームは、バッチ処理のため複数の用量指示を含むことができる。
「[0038] Dose order records stored in the database can be ordered or arranged in accordance with one or more rules. For example, the rule can be to optimize fulfillment of the orders. For example, dose orders can be processed faster if the same medication is required because there is less cross-contamination and medication changes (i.e., retrieval and storage). Thus, dose orders can be grouped by type or medication, such that dose records requiring the same medication or with no risk of cross-contamination can be processed in order by the same machine, or set of machines. ・・・Through this or a similar mechanism, the next unfulfilled dose order retrieved at step 140 can be ordered to optimize throughput or to satisfy priorities.」
[0038] データベースに格納された用量指示記録を、1つ以上の規則に基づいて順序付け又は配置することができる。例えば、規則は、指示の履行を最適化するようにできる。例えば、同一の薬剤が要求される場合、相互汚染及び薬剤変更(すなわち、回収及び保管)があまり生じないので、用量指示をより速く処理することができる。したがって、用量指示をタイプや薬剤ごとにグループ化することができ、同じ薬剤の用量指示や相互汚染のリスクのない用量指示が、同一の装置又は装置のセットによって順番に処理される。・・・この方法又は類似の方法により、ステップ140で取得した未履行の次の用量指示を、スループットを最適化する又は優先順位を満たすように順序付けることができる。
図1「
[図:0001425227000004.jpg]
」
上記記載事項を総合すると、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。
「薬局が受取る薬剤指示ストリームが、バッチ処理のため複数の用量指示を含み、用量指示を規則に基づいて順序付けし、用量指示を薬剤ごとにグループ化し、同じ薬剤の用量指示が、同一の装置又は装置のセットによって順番に処理されることで、同一の薬剤が要求される場合、用量指示をより速く処理し、スループットを最適化すること。」
第5 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
1 引用発明の「散薬取出装置および散薬容器搬送装置」は、電子秤50で散薬を計量し、計量された散薬を収容したカップ1が搬送機構110に搬送されるものであるから、本願発明の「散剤を秤量する秤量装置」に相当する。
2 引用発明の「散薬を取り出し可能にストックするカセット30」は、本願発明の「散剤を収容する散剤容器」に相当する。
3 引用発明の「カセット30を散薬取り出し位置へ移動させるカセット循環機構20」は、本願発明の「前記散剤容器を払出位置に移動する移動機構」に相当する。
4 引用発明の「散薬取り出し位置のカセット30に結合してそれを駆動し、カセット30からカップ1へ散薬を取り出す駆動部40」は、本願発明の「払出位置に移動された前記散剤容器から散剤を払い出す払出機構」に相当する。
5 引用発明の「駆動部40」により「カセット30から」「散薬を取り出」すことは、本願発明の「前記払出機構により払い出される散剤を受ける」ことに相当する。また、引用発明の電子秤50がカップ1を「支承」することは、散薬を計量するために電子秤50に載せることであるから、カップ1が「載置され」ることと表現できる。さらに、引用発明の「散薬カセット30から取り出した散薬を計量する」ことは、本願発明の「前記トレイに払い出される散剤を秤量する」ことに相当する。よって、引用発明の「カップ1を支承して、散薬カセット30から取り出した散薬を計量する電子秤50」と本願発明の「前記払出機構により払い出される散剤を受けるトレイが載置され、前記トレイに払い出される散剤を秤量する秤量部」とは、前記払出機構により払い出される散剤を受ける容器が載置され、前記容器に払い出される散剤を秤量する秤量部の限りで一致する。
6 引用発明の「所要の散薬を収容し終えた5個以上のカップ1を乗せるのに十分な長さに形成されている搬送機構110」は、段落【0074】から、折り畳まれた搬送路に多数のカップが貯められるものであるから、引用発明の「所要の散薬を収容し終えた5個以上のカップ1を乗せるのに十分な長さに形成されている搬送機構110」と本願発明の「秤量後の散剤が収容された前記トレイが複数載置されるトレイ集積部」とは、秤量後の散剤が収容された前記容器が複数載置される容器集積部の限りで一致する。
7 引用発明の「散薬取出装置のうちカップ供給ユニットA,カセット収納ユニットB,カセット収納ユニットC部分を直接制御するために、カセット装着ルーチン81や、処方入力ルーチン82、容器供給ルーチン83、カセット移動ルーチン84、散薬取出ルーチン85、計量ルーチン86、容器移動ルーチン87などがインストールされ、散薬容器搬送装置であるカップ搬送ユニットDを間接制御するためにそのコントローラ180と交信する搬送装置制御ルーチンなどもインストールされているコントローラ80」は、本願発明の「前記秤量装置を制御する制御部」に相当する。
したがって、両者は、
「散剤を秤量する秤量装置であって、
散剤を収容する散剤容器と、
前記散剤容器を払出位置に移動する移動機構と、
払出位置に移動された前記散剤容器から散剤を払い出す払出機構と、
前記払出機構により払い出される散剤を受ける容器が載置され、前記容器に払い出される散剤を秤量する秤量部と、
秤量後の散剤が収容された前記容器が複数載置される容器集積部と、
前記秤量装置を制御する制御部と、を備える、秤量装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。
[相違点1]
本願発明は、容器が「トレイ」であって、容器集積部がトレイ集積部であるのに対し、引用発明は、容器が「カップ1」であって、容器集積部が搬送機構110である点。
[相違点2]
本願発明は、「複数の供給指示中に同一種類の散剤を払い出す指示を含む場合、前記制御部は、同一種類の散剤が連続して払い出されるように順番を設定する」のに対し、引用発明は、「コントローラ80」がそのように特定されていない点。
第6 判断
1 相違点について
上記相違点1について検討する。
散剤を受ける容器の種類は、当業者が適宜選択するものであり、引用発明において散剤を受ける容器をトレイとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
次に、上記相違点2について検討する。
散薬の取り出しをより効率的に行うことは、当業者が通常考慮する技術課題であるところ、引用文献2記載事項の「用量指示をより速く処理し、スループットを最適化すること」は、散薬の取り出しをより効率的に行うことに寄与することが明らかであるから、引用発明において、当該技術課題を考慮して、引用文献2記載事項を採用し、処方データ92において同一の薬剤が要求される場合、用量指示を規則に基づいて順序付けし、用量指示を薬剤ごとにグループ化し、同じ薬剤の用量指示が、同一の装置又は装置のセットによって順番に処理されるようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。また、その際に用量指示の順序付けをどのような制御手段により行うかは、当業者が適宜選択し得ることであり、引用発明のコントローラ80により行うものとすることに、特段の困難性はない。
2 効果について
本願発明の効果は、引用発明及び引用文献2記載事項から格別なものということはできない。
3 小括
したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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