商標拒絶査定不服審判
2023-014900
アサヒカワジンギスカンダイコクヤ、ジンギスカンダイコクヤ、アサヒカワジンギスカン、ジンギスカン、チンギスカン、チンギスハーン、チンギスハン、ダイコクヤ、ダイコク、オーグロ
- 審判番号
- 2023-014900
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-114977
- 請求日
- 2023年09月05日
- 審決日
- 2024年12月17日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社大黒商事
- 【請求人代理人】山尾 憲人
- 【請求人代理人】勝見 元博
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .261-Z (W30) / T18 .262-Z (W30) / T18 .263-Z (W30)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-114977拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年9月15日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 4年 4月12日付け:拒絶理由通知
令和 4年10月31日 :手続補正書の提出
令和 5年 1月11日付け:拒絶理由通知
令和 5年 6月 5日付け:拒絶査定
令和 5年 9月 5日 :審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第25類、第26類、第29類、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、本願の指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正書により、最終的に、第30類「スイーツ,氷菓」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6400293号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、令和2年12月11日登録出願、第30類「せんべい」を指定商品として、同3年6月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1) 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上段に七福神の一柱である大黒天を表したものとおぼしき図形(以下「本願図形部分」という。)を、中段に赤字でやや小さく表された「旭川成吉思汗」の文字を、下段に黒字で大きく表された「大黒屋」の文字(以下「本願文字部分」という。)を配してなるものである。
そして、本願商標の構成中、本願図形部分と本願文字部分とは、一定の間隔をあけて配置されていることから、視覚上、分離して看取、把握され得るものである。
また、本願図形部分が大黒天を表したものとおぼしき図形であって、文字部分に「大黒」の文字を有しているとしても、本願図形部分と本願文字部分とが一連一体となって特定の観念を生じたり、何らかの称呼が生じるとはいえない。
そうすると、本願図形部分と本願文字部分とは、それぞれが独立して自他商品の出所識別標識として機能し得るものである。
そこで、本願図形部分をみるに、当該部分は、大黒天をモチーフとしたものといえるとしても、特定の意味合いを表すものとして認識されているとまではいい難いものであり、これよりは直ちに特定の称呼及び観念は生じないというのが相当である。
また、本願文字部分をみるに、各文字部分は重なることなく配置され、各文字部分を構成する文字の大きさに顕著な差異がある上、色彩も異なり、これらが一体となって特定の意味合いを認識させるといった観念的なつながりは見いだせないことから、常に一体のものと把握しなければならない特段の事情も見いだせず、これら文字部分全体より生じる一連の称呼「アサヒカワジンギスカンダイコクヤ」も、相当程度冗長である。
そして、「大黒屋」の文字部分は、「旭川成吉思汗」の文字部分に比して、大きく太字で表してなるものであるから、外観上、強く看者の注意を引く部分である。
さらに、「大黒屋」の文字は、屋号の一種を表したものと理解されるものであり、本願の指定商品との関係において、商品の品質を表示する等の格別な事情は見いだせず、自他商品の識別標識として機能する部分といえる。
そうすると、本願商標は、引用商標との類否を判断するにあたって、「大黒屋」の文字部分を要部として抽出し、当該文字部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
よって、本願商標は、その要部である「大黒屋」の文字部分(以下「本願商標の要部」という。)に相応して、「ダイコクヤ」の称呼を生じ、「(大黒屋という)屋号の一種」ほどの観念を生じるものである。
(2) 引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、構成左側に家紋様の図形(以下「引用図形部分」という。)を、構成右側上段に「DAIKOKUYA」の文字を、中段及び下段にそれぞれ同じ書体でやや大きく表された「プリント」及び「せんべい」の文字(以下「引用文字部分」という。)を配してなるものである。
そして、引用商標の構成中、引用図形部分と引用文字部分とは、一定の間隔をあけて配置されていることから、視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、観念的に密接な関連性を有しているとはいえず、一連一体となって何らかの称呼が生じるともいえないものであるから、それぞれが独立して自他商品の出所識別標識として機能し得るものである。
そこで、引用図形部分をみるに、当該部分は、家紋をモチーフとしたものといえるとしても、特定の意味合いを表すものとして認識されているとまではいい難いものであり、これよりは直ちに特定の称呼及び観念は生じないというのが相当である。
また、引用文字部分をみるに、商取引において、商品名の表示などをする際に、異なる文字種に置き換えて表示することは、一般的に行われていることから、「DAIKOKUYA」の文字部分は、(ダイコクヤという)屋号の一種を欧文字表記したものと理解されるものであり、本願の指定商品との関係において、商品の品質を表示する等の格別な事情は見いだせず、自他商品の識別標識として機能する部分といえる。
他方、「プリント」及び「せんべい」の文字部分は、二段に書されているものの、同じ書体、同じ大きさでまとまりよく表されていることから、外観上一体的に把握、認識されるものであるところ、「プリントせんべい」は、本願の指定商品を取り扱う分野において、イラストや写真をプリントしたせんべいを表示するものとして取引上使用されている語であるから(別掲3)、商品の品質を表示したものと認識され、自他商品の識別標識として機能しない又はその機能が極めて弱いものといえる。
そうすると、引用商標の構成中の「DAIKOKUYA」の文字部分を要部として抽出し、当該文字部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、引用商標は、その要部である「DAIKOKUYA」の文字部分(以下「引用商標の要部」という。)に相応して、「ダイコクヤ」の称呼を生じ、「(ダイコクヤという)屋号の一種」ほどの観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに、外観において、両者は、その全体構成において差異を有するものであるが、本願商標の要部と、引用商標の要部を比較したときには、本願商標の要部である「大黒屋」の文字と引用商標の要部である「DAIKOKUYA」の文字は、それぞれ漢字と欧文字よりなるものであって、文字種を異にするものの、商標の使用においては、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記したり、デザイン化したりすることが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、看者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえない。
そして、本願商標の要部は、「(大黒屋という)屋号の一種」ほどの観念を生じ、引用商標の要部は、「(ダイコクヤという)屋号の一種」ほどの観念を生じるものであるから、観念において、両者は近似する。
また、本願商標の要部と引用商標の要部は、「ダイコクヤ」の称呼を共通にする。
そうすると、本願商標の要部と引用商標の要部とは、外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいず、観念において近似した印象を与えるものであり、かつ、称呼を共通にするものであるから、これらを総合的に勘案すると、本願商標と引用商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品である「スイーツ,氷菓」は、引用商標の指定商品である「せんべい」と類似の商品であると認められる。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、先願に係る他人の登録商標である引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標に係る指定商品と類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標を構成する「大黒屋」の文字は著しく高い識別力を有するものではなく、「旭川成吉思汗」の文字は本願の指定商品である「スイーツ,氷菓」との関係において、必ずしも識別力の弱い語として認識されるものではないことから、本願文字部分は不可分一体に把握されるものであって、一連の称呼及び観念をより生じやすい旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、本願文字部分中の「旭川成吉思汗」と「大黒屋」の文字は、重なることなく配置され、文字の大きさが顕著に異なり、色彩の相違もあり、観念的なつながりも見いだせず、本願文字部分全体より生じる一連の称呼も相当程度冗長である。さらに、「大黒屋」の文字部分は、大きく太字で表されていることから外観上、強く看者の注意を引く部分といえ、本願の指定商品との関係において、自他商品の識別標識として機能する部分といえることから、「大黒屋」の文字部分を要部として抽出し、当該文字部分のみを他人と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
イ 請求人は、引用商標を構成する「DAIKOKUYA」の文字のみに着目して、本願商標と類否判断することは妥当ではなく、その他の構成要素、配置関係も考慮すべき旨主張する。
しかしながら、上記(2)のとおり、引用図形部分と引用文字部分とは、視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、観念的に密接な関連性を有しておらず、一連一体となって何らかの称呼が生じるともいえないものであるから、それぞれが独立して自他商品識別標識として機能するものである。また、引用文字部分中の「DAIKOKUYA」の文字部分は、本願の指定商品との関係において自他商品の識別標識として機能する部分といえる一方、「プリント」及び「せんべい」の文字部分は、同書同大でまとまりよく表されていることから、外観上一体的に把握、認識されるものであるところ、「プリントせんべい」は、本願の指定商品を取り扱う分野において、イラストや写真をプリントしたせんべいを表示するものとして使用されている語であるから、商品の品質を表示するものであって、自他商品の識別標識として機能しない又はその機能が極めて弱いものといえるから、引用商標の構成中の「DAIKOKUYA」の文字部分を要部として抽出し、当該文字部分のみを他人と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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