商標拒絶査定不服審判
2023-010021
プレセンスエミ、プリセンスエミ、プレセンス、プリセンス、エミ、イイエムアイ
- 審判番号
- 2023-010021
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-077086
- 請求日
- 2023年06月16日
- 審決日
- 2023年08月29日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コスモヘルス株式会社
- 【請求人代理人】加藤 公延
- 【請求人代理人】永田 豊
- 【請求人代理人】福川 晋矢
- 【請求人代理人】三上 夕紀子
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 茂木 祐輔
- 分類
- T18 .261-Z (W10) / T18 .262-Z (W10) / T18 .263-Z (W10)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-77086拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第10類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、令和4年7月4日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年11月8日付けで拒絶理由の通知がされ、同年12月15日付けで意見書が提出されたが、同5年3月16日付けで拒絶査定がなされたものである。
これに対して令和5年6月16日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされたものであり、指定商品については、審判請求と同日に提出された手続補正書により、第10類「電位治療器,医療用機械器具(「歩行補助器・松葉づえ」を除く。)」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6337329号商標(以下「引用商標」という。)は、「EMI」の文字を標準文字で表してなり、令和2年4月28日登録出願、第10類「医療専用ベッド,医療用機械器具」を指定商品として、同3年1月6日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、上段に、太い書体で大きく横書きした「PRESENSE」の文字を、下段に、細い書体で上段の文字よりは小さく横書きした「emi」の文字を配し、上段の文字の中央(左から4文字目)の「S」の文字の上部には横線を、下段の文字の下には、左右にわずかな縦線を伴う下向きに湾曲した曲線(以下「曲線」という。)を、それぞれ配してなるものである。
そして、上段の「PRESENSE」の文字部分と下段の「emi」の文字部分とは、文字の大きさや書体の差異に加え、大文字と小文字による差異もあり、さらに両文字間に一定程度の間隔があることから、両文字は視覚上分離して看取し得るものである。
また、「PRESENSE」の文字は、辞書等に載録された既成語ではなく、特定の意味合いを認識させることのない造語と認められる。さらに、「emi」の文字は、レコードレーベルの名称や、「electromagnetic interference(電磁妨害)」の略称である「EMI」(いずれも「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館発行)に通じるものの、「emi」の発音の一つである「エミ」に通じる日本語が、「笑み」、「江見」(姓氏の一つ)、「恵美」(同左)と複数ある(広辞苑第七版)ことから、特定の意味合いを認識させることは困難とみるのが相当であって、一種の造語というべきである。
してみれば、「PRESENSE」の文字部分と「emi」の文字部分は、観念上のつながりも見いだせないものである。
上記に加えて、「PRESNSE」の文字及び「emi」の文字は、本願の指定商品の品質や効能、用途等を表す語ではないことから、いずれの文字も自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
そうすると、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際において、本願商標に接する取引者、需要者が、「emi」の文字部分に着目し、記憶する場合もあるといえるから、これを要部として抽出し、他人の商標と比較することも許されるというべきである。
したがって、本願商標は、「emi」の文字部分に相応して、「イーエムアイ」又は「エミ」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
引用商標は、「EMI」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、上記アのとおり、特定の意味合いを認識させることのない造語というべきものである。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「イーエムアイ」又は「エミ」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに、外観については、本願商標の要部である「emi」の文字と、引用商標「EMI」とは、大文字と小文字、書体において差異があり、また、本願商標の「emi」の文字の下にある曲線の有無の差異があるものの、両者はつづりを共通にするものである。そして、我が国において、つづりを共通にする文字について、書体等を相互に変換することは一般に行われており、本願商標の構成中の曲線は、文字を装飾するための一般的なアンダーラインの一類型と認められるものであって、強い印象を与えるものではないとみるのが相当である。そうすると、両者は、外観上、異なるところがあるとしても、文字のつづりの共通性を凌駕するほど強い印象を与えるものではないというべきである。
次に、称呼については、本願商標の要部である「emi」の文字と引用商標は、「イーエムアイ」又は「エミ」の称呼を共通にするものであるから、両者は、称呼上、同一である。
さらに、観念については、本願商標の要部である「emi」の文字と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、比較することができない。
そうすると、本願商標の要部である「emi」の文字部分と引用商標とは、観念について比較することができないとしても、称呼上、同一であり、外観上、異なるところがあるとしても、文字のつづりの共通性を凌駕するほど強い印象を与えるものではないことから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。
エ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品である第10類「電位治療器,医療用機械器具(「歩行補助器・松葉づえ」を除く。)」は、引用商標の指定商品である第10類「医療専用ベッド,医療用機械器具」と同一又は類似の商品である。
オ 小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、2つの商標を非類似として判断した過去の審決例を挙げて、本願商標についても同様に非類似と判断すべき旨主張する。
しかしながら、本願商標と引用商標が類似しているか否かは、両商標を個別に比較して検討すべきであり、構成態様が異なる他の商標の登録例をもって、本願商標と引用商標との類否を同様に判断すべきではない。
イ 請求人は、本願商標が、ペットネームが付された5つの個別商品から構成される「PRESENSE」シリーズの一つであり、需要者等がファミリーネームである「PRESENSE」の文字部分に着目するから、「PRESENSE」の文字部分と「emi」の文字部分は一体不可分のものとして認識される旨主張する。
しかしながら、たとえペットネームであっても、一般的に、ファミリーネームから独立して、それ自体が自他商品の識別標識としての機能を発揮し得るものであり、またペットネームが常にファミリーネームと一体のものとしてのみ使用、認識されることもないというべきである。このことは、請求人のシリーズ商品として提示された「t.CURE-14000」等のネーミングが、「PRESENSE」の文字なく表されていることからも見て取れる(甲5)。
そして、本願商標については、その構成中の「emi」の文字部分が、「PRESENSE」の文字部分と取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではないことは、上記(1)アのとおりである。
ウ したがって、請求人のかかる主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-010021