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特許拒絶査定不服審判

2023-009969

細胞培養規模拡縮のためのシステムおよび方法

審判番号
2023-009969
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-539064
請求日
2023年06月15日
審決日
2025年03月31日
公報発行日
2025年09月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ライフ テクノロジーズ コーポレーション
  • 【請求人代理人】田中 伸一郎
  • 【請求人代理人】▲吉▼田 和彦
  • 【請求人代理人】須田 洋之
  • 【請求人代理人】山本 泰史
  • 【請求人代理人】鈴木 博子
  • 【請求人代理人】石崎 亮
審判長/審判官
  • 審判長 岡田 吉美
  • 審判官 加々美 一恵
  • 審判官 谷垣 圭二
分類
P18 .121-Z (C12M) / P18 .575-Z (C12M)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-539064「細胞培養規模拡縮のためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 元年 7月25日国際公開、WO2019/143476、令和 3年 5月 6日特許出願公表、特表2021-511033〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2019年(平成31年)1月3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2018年1月17日、2018年5月14日、いずれも米国)を国際出願日とする外国語特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。なお、2018年1月17日を、以下「最先の優先日」という。 令和2年 7月15日 :翻訳文の提出 令和4年 8月23日付け:拒絶理由通知書 同年11月14日 :意見書、手続補正書の提出 令和5年 2月14日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同月15日 :原査定の謄本の送達) 同年 6月15日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和5年6月15日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年6月15日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 補正の内容 令和5年6月15日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正をするものであり、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和4年11月14日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。 (1) 本件補正前 「【請求項1】 試験から商業生産に移行するための規模拡縮可能なバイオリアクタシステムであって、 第1の端部、第2の端部、および側壁を有する第1のバイオプロセス容器と、 前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部と前記第2の端部との間に懸吊された第1の構成可能な混合アセンブリと、 第1の直径を有する第1のインペラであって、前記第1の構成可能な混合アセンブリに第1の位置で取り付けられ、前記第1の直径および前記第1の位置は、一組の動作パラメータを達成するように選択されている、前記第1のインペラと、を備える第1のバイオリアクタと、 前記一組の動作パラメータに整合するように選択された前記第1の位置において、前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部に固着される第1のスパージャと、 第1の端部、第2の端部、および側壁を有する第2のバイオプロセス容器であって、前記第1のバイオプロセス容器と同じ容積ではない、第2のバイオプロセス容器と、 前記第2のバイオプロセス容器の前記第1の端部と前記第2の端部との間に懸吊された第2の構成可能な混合アセンブリと、 前記第1の直径と同じではない第2の直径を有する第2のインペラであって、前記第2の構成可能な混合アセンブリに第2の位置で取り付けられ、前記第2の直径および前記第2の位置は、前記一組の動作パラメータに整合するように選択され、前記一組の動作パラメータは1容積当たりの動力およびインペラ先端速度を含む、前記第2のインペラと、を備える第2のバイオリアクタと、 前記一組の動作パラメータに整合するように選択され且つ前記第1の位置とは同一でない前記第2の位置において、前記第2のバイオプロセス容器の前記第2の端部に固着される第2のスパージャと、を備える、バイオリアクタシステム。」 (2) 本件補正後 「【請求項1】 試験から商業生産に移行するための規模拡縮可能なバイオリアクタシステムであって、 第1の端部、第2の端部、および側壁を有する第1のバイオプロセス容器と、 前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部と前記第2の端部との間に懸吊された第1の構成可能な混合アセンブリと、 第1の直径を有する第1のインペラであって、前記第1の構成可能な混合アセンブリに第1の位置で取り付けられ、前記第1の直径および前記第1の位置は、一組の動作パラメータを達成するように選択されている、前記第1のインペラと、を備える第1のバイオリアクタと、 前記一組の動作パラメータに整合するように選択された第1の位置において、前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部に固着される第1のスパージャと、 第1の端部、第2の端部、および側壁を有する第2のバイオプロセス容器であって、前記第1のバイオプロセス容器と同じ容積ではない、第2のバイオプロセス容器と、 前記第2のバイオプロセス容器の前記第1の端部と前記第2の端部との間に懸吊された第2の構成可能な混合アセンブリと、 前記第1の直径と同じではない第2の直径を有する第2のインペラであって、前記第2の構成可能な混合アセンブリに第2の位置で取り付けられ、前記第2の直径および前記第2の位置は、前記一組の動作パラメータに整合するように選択され、前記一組の動作パラメータは1容積当たりの動力およびインペラ先端速度を含む、前記第2のインペラと、を備える第2のバイオリアクタと、 前記一組の動作パラメータに整合するように選択され且つ前記第1の位置とは同一でない第2の位置において、前記第2のバイオプロセス容器の前記第2の端部に固着される第2のスパージャと、を備え、 前記第1および第2のバイオプロセス容器は、長方形の形状であり、前記第1および第2の構成可能な混合アセンブリは、バルク流体流を増加させるために中心軸からオフセットされている、バイオリアクタシステム。」 2 補正の目的 本件補正のうち請求項1についてする補正は、本件補正前の請求項1に記載された「第1のバイオプロセス容器」及び「第2のバイオプロセス容器」について、「長方形の形状」のものに限定するとともに、同じく本件補正前の請求項1に記載された「第1の構成可能な混合アセンブリ」及び「第2の構成可能な混合アセンブリ」について、「バルク流体流を増加させるために中心軸からオフセットされている」ものに限定するものである。 そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。 3 独立特許要件の判断 本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。 (1) 本件補正発明 ア 本件補正発明の認定と分説 本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。 ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を次のとおり構成Xと構成Aから構成Eまでに分説する。また、参考図として、本願の【図9】及び【図10】を掲載する。 <本件補正発明の分説> X1 試験から商業生産に移行するための規模拡縮可能なバイオリアクタシステムであって、 A1 第1の端部、第2の端部、および側壁を有する第1のバイオプロセス容器と、 A2 前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部と前記第2の端部との間に懸吊された第1の構成可能な混合アセンブリと、 A3 第1の直径を有する第1のインペラであって、前記第1の構成可能な混合アセンブリに第1の位置で取り付けられ、前記第1の直径および前記第1の位置は、一組の動作パラメータを達成するように選択されている、前記第1のインペラと、 A を備える第1のバイオリアクタと、 B 前記一組の動作パラメータに整合するように選択された第1の位置において、前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部に固着される第1のスパージャと、 C1 第1の端部、第2の端部、および側壁を有する第2のバイオプロセス容器であって、前記第1のバイオプロセス容器と同じ容積ではない、第2のバイオプロセス容器と、 C2 前記第2のバイオプロセス容器の前記第1の端部と前記第2の端部との間に懸吊された第2の構成可能な混合アセンブリと、 C3 前記第1の直径と同じではない第2の直径を有する第2のインペラであって、前記第2の構成可能な混合アセンブリに第2の位置で取り付けられ、前記第2の直径および前記第2の位置は、前記一組の動作パラメータに整合するように選択され、前記一組の動作パラメータは1容積当たりの動力およびインペラ先端速度を含む、前記第2のインペラと、 C を備える第2のバイオリアクタと、 D 前記一組の動作パラメータに整合するように選択され且つ前記第1の位置とは同一でない第2の位置において、前記第2のバイオプロセス容器の前記第2の端部に固着される第2のスパージャと、を備え、 E 前記第1および第2のバイオプロセス容器は、長方形の形状であり、前記第1および第2の構成可能な混合アセンブリは、バルク流体流を増加させるために中心軸からオフセットされている、 X バイオリアクタシステム。 <参考図(【図9】(左側)及び【図10】(右側)> [図:0001426225000001.jpg] 900 規模拡縮可能な混合システム 910 オフセット駆動シャフト 916、918 インペラ 920 スパージャ 922 穿孔 924 小さな気泡 イ 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載 本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。 「【0003】 科学者およびエンジニアは、細胞培養物増殖のための無菌で十分に制御された環境を提供できるだけでなく、研究から製造規模への堅牢な規模拡大の解決策を提供できる撹拌槽型リアクタの作成に取り組んできた。従来の優れたエンジニアリング原則が、線形幾何学的規模拡縮アプローチに基づいてリアクタを設計するように適用されてきた(すなわち、容器は、同様の高さ/直径比および同様のインペラ/槽直径比を有する)。これは多くの場合かなりうまく機能するが、操作員は通常、規模拡大を通じて再現可能な結果を得るために、運用設定を選択する最善の方法として、多くの複雑な決定を行わなければならない。これは2相の、代謝に基づくシステムであるため、ほとんどの動作パラメータは動的に相互作用し、応答が非線形になることがよくあり、最適なパラメータの選択とプロセスの結果とは、多くの場合、予測不可能であり、コストがかかり、操作員レベルで適切に対処するには時間がかかりすぎる。 【0004】 バイオ医薬品製造の当業者は、大規模バイオリアクタで見られる生理学的増殖条件をシミュレートまたは理想的に再現できる優れた規模拡大モデルおよび規模縮小モデルを有することの重要性を認識している。規模縮小モデルの重要性の理由は、多くの場合、複数のパラメータをすばやくスクリーニングする必要性に関連しており(細胞クローン、培地、重要な動作パラメータ、または生産物品質の最適化)、十分に制御された条件下で、より低コストで、より少ない労力で、幅広い実験を実行できることは有益である。優れた規模縮小モデルは、小規模で前もって特定されなかった問題が大規模で発生する可能性がはるかに低くなるという点で、所望のプロセスのリスクを軽減する。 【0005】 大型バイオリアクタは2相システム(気体ベースおよび液体ベース)であるため、主に、気体タイプの溶解度の違いのために、そして、規模にまたがって影響を受ける粘性、せん断、密度、および表面相互作用のために、システムの流体力学および/または物理特性が非常に動的(非線形)であることから、予測可能な方法で規模縮小するのは困難である。従来のバイオリアクタの設計を使用しても、バルク動力消失率は同様である可能性があるが、結果として得られるバルク流および測定混合時間は、すべての規模にまたがってほとんど同じであることはめったにない。その結果、大規模で見られるのと同じpH、栄養素、ガス濃度、またはせん断の勾配が、小規模バイオリアクタで作成された単一動作状態下では容易に再現されないため、小規模システムでは問題とは見なされなかった問題が大規模で発生することがよくある。 【0006】 現在採用されている主な設計方法は、システムの幾何学的比率の規模拡縮(槽の高さ対直径の比およびインペラ対直径の比)であり、これは、1)ほぼ一定のインペラ先端速度、または2)ほぼ一定のP/V(容積に対する動力入力)と併せて操作される。これらのアプローチは、ガスが供給されている間、操作員が回転攪拌機ベースのシステムにおける動力学および物質移動の非線形性の一部を補償できるため、合理的に成功している。一方、せん断は従来、インペラの先端速度に基づいて基準化される(先端速度はインペラ直径の2乗の関数である)。動力伝達は速度と直径(および部分的にインペラの形状)の非線形関数であるため、実際の機械設計の規模拡大の制限を満たす(動力要件が規模にまたがって妥当な大きさ内にあることを意味する)のに適しているため、容積に対する動力入力がより頻繁に使用される。 【0007】 リアクタの一般的な設計がわかったところで、一般的な慣行では、2つの重要なプロセスパラメータの1つに焦点を当てる。段階1の目標定数を選択する-せん断に感受性である培養物ではインペラ先端速度が使用されることが多く、せん断に耐性のある培養物では、容積に対する動力入力(P/V)が使用されることが多い。混合効率は、選択された規模パラメータに関係なく重要であり、最も良いのは、規模にまたがって同様または少なくとも妥当なブレンド時間が達成可能であることを立証することであり(30秒未満のT90混合時間が最も望ましいが、水ベースの流体に固有のバルク流体混合消失問題のため、規模にまたがって達成できないことがよくある)。次いで、第2の段階の目標は、pH制御および溶存ガスに結び付けられることが多い-酸素の物質移動kLa(一次的)および二酸化炭素のkLa(二次的)。一部のシステムは、計算流体力学(CFD)を使用してさらに最適化される。これは、インペラの動力数(Np)を決定するため、およびシステム内の流体流プロファイルをモデル化するための優れた方法である。動力伝達を推定して、システムに伝達される(混合)動力の量を予測するために使用できる。計算モデルまたはハイブリッドモデル(RPT)は、流体場の方向、速度、および局所的せん断状態も予測できる。 【0008】 十分な知識を有する操作員は、システムが適切に設計されている場合、容認可能な結果を達成するのに非常に成功することが多いが、特に規模拡大または別の場所への移転の一部として異なるシステム間でプロセス移行を容易にする必要がある場合は、プロセス全体が、不明で時間のかかるトラブルシューティングを抱えることがよくある。 【0009】 見落とされがちな課題は、システムのバルク流体流と、これが規模にまたがってどのように変化するかである。流体は変位し、速度は規模にまたがって線形ではないため、液体の動きの混合プロファイルは、容積、先端速度、および直径にだけ基づいて変化するのではない。それはまた、リアクタ内の空間動力分布にも依存する。実際には、設計では、小容量システムの局所的混合性能を低下させて、大規模システムのバルク混合および物質移動性能に一致させる必要がある。優れた設計では、混合または容器の回転におけるある程度のランダム性が有益であるため、設計においてバッフル作用または流れかく乱体の効果を考慮に入れる。」 「【0019】 本明細書に記載の発明は、規模間でハードウェアを変更して2つ以上の規模間で同様の混合プロファイルおよび増殖条件を達成することにより、バイオ生産スペースの製造者が前述の生理学的増殖条件を予測できるようにする、規模拡縮可能なバイオリアクタシステムおよび一連の方法である。例えば、規模拡縮されたバイオリアクタシステムは、2つ以上の規模間で、槽の形状、インペラのサイズおよび数、インペラ対槽の直径(幅)の比、スパージング設計、およびCO2ブランケット除去システムを変更することにより、同様のバルク流体、インペラ先端における同様のせん断力、および同様の1容積当たりの動力入力を達成する、2つ以上の異なるサイズのバイオリアクタを含み得る。言い換えると、本発明における2つ以上のバイオリアクタは、ベンチトップ規模を含む小規模において、商業規模バイオ生産システムに対する予測を行うために、同様の混合プロファイルおよび増殖条件をなおも達成しながら、非常に異なる物理的特性を有することができる。 【0020】 局所的なせん断の大きさ、混合力消失率、およびバルク流体流はすべて、規模拡大設計でより完全に対処する必要がある。これは、インペラの動力配分を最適化する(大型容器ではインペラの数を増やす)ことで行うことができる。インペラがどのくらいの間隔で設置されるか制限を設ける(容積が増加するにつれて数を増やす)か、またはCFDまたはRPTモデルを使用してバルク流体混合特性を最適化し、インペラのサイズまたは形状(形状は必須ではないが、攪拌機の流体運動によって作り出される流体力学的(渦)プロファイルに一致させるために、掃引領域、ブレード形状、表面テクスチャ特性、または直径のいずれか)も変更することによる。主要な目標は、同様のP/V、バルク流、T95混合時間を果たしながら、少なくとも3種の容積規模でほぼ同一の最大せん断レベルを達成し、そうしながら、細胞培養物のための合理的な動力入力値を有し、非常に大きな作業容量(>1000L)で起こり得る、細胞培養物感度によって課される実用制限内にあることである。本明細書に記載の発明は、せん断分布が類似しており、バルク流体の動きがほぼ同一であるため、リアクタ規模拡大が、規模にまたがってより予測可能であり、したがってより容易に/論理的に調整されることを可能とする。本発明の目的は、細胞系、流体タイプ、細胞密度、または培地調製を変更する際に固有の影響を受ける細胞培養プロセス感度の広範なばらつきの故に現在存在する満たされていないニーズに対処することである。 【0021】 本明細書の方法は、せん断分布がより類似しており、バルク流体の動きがほぼ同一であるため、リアクタ規模拡大の設計および特性評価の所望の結果が、規模にまたがってより予測可能であり、したがってより容易に/論理的に調整されるように設計されている。本明細書の目的は、細胞系、液体タイプ、細胞密度、または培地調製を変更する際に固有の影響を受ける細胞培養プロセス感度の広範なばらつきの故に現在存在する満たされていないニーズに対処することである。 【0022】 非円形容器に関しては、中心線からオフセットされた中央駆動攪拌機を備えた長方形容器を使用することは、多くの理由で有益である。これらの2つのジオメトリ(非正方形および非中心)の不均衡設計により、システム内でバッフル効果が改善され、望ましい混合ターンオーバー(バルク流)が生成され得る。本発明者らのデータは、性能測定を通して物質移動および混合性能が改善されるという考えを裏付け、同様の作業容量において円形設計と比較したkLaおよび混合において、2倍を超える改善を示した。先端速度およびP/Vを適合させるようにインペラの規模を拡縮すると、容器の定格作業容量が減少するにつれて、比例してより小さいインペラとなる。これは、より小規模で発生する流体力学の固有の変化を補償する助けとなる(比例してより大きいインペラと容器壁との間隙は、大規模システムのそれをはるかに表すバルク流を促進および誘導する)。次いで、これらの混合設計の特徴は、最適なスパージング位置と組み合わされ、これが、大規模でのバイオリアクタ効率を劇的に高めることになる。2相混合効率の利得により、液体カラム内の気泡滞留時間が増加し、複数のインペラによる気泡分布が全体的に改善され、これらは、どちらも、物質移動性能を大幅に改善させることが知られている非常に望ましい属性である。」 「【0097】 図13は、さまざまな実施形態による流体混合システム1300を示す。さまざまな実施形態において、混合システム1300は、インペラ1306を備えた駆動シャフト1304と、スパージャ1308とを有するコンパートメント1302を備えることができ、気泡経路1310は、スパージャ1308から上昇する気泡の軌道を示す。 【0098】 さまざまな実施形態において、コンパートメント1302は1.5のアスペクト比を含み、スパージャ1308は、単一インペラ1306に対して、気泡の再飛散に準最適な位置に配置されている。さまざまな用途で、気泡が再飛散されないことが要求される場合があるが、より頻繁に、再飛散により混合システム1300内での気泡の滞留時間が長くなり、これは、ほとんどの場合で好適である。」 「 [図:0001426225000002.jpg] 」 「【0099】 図14は、さまざまな実施形態による流体混合システム1400を示す。さまざまな実施形態において、混合システム1400は、駆動シャフト1404がその中に配置されたコンパートメント1402を備え得、駆動シャフト1404には第2のインペラ1406および第1のインペラ1408が固着され、スパージャ1410がコンパートメント1402の底部に固着され、気泡経路1412がそこから延びる。 【0100】 さまざまな実施形態において、駆動シャフト1404ならびに第1および第2のインペラ1406、1408の位置に対するスパージャ1410の位置は、気泡の再飛散に準最適である。このようなシステムは、追加混合が必要であり、気泡滞留時間を増やす必要がない場合に、好ましい場合がある。しかしながら、ほとんどの用途において、スパージャ1410およびインペラ1406、1408の相対位置は、気泡経路1412を変更し、気泡滞留時間をより長くするように選択することができる。」 「 [図:0001426225000003.jpg] 」 「【0101】 図15は、さまざまな実施形態による流体混合システム1400を示す。さまざまな実施形態において、混合システム1500は、コンパートメント1502と、コンパートメント内に配置された駆動シャフト1504と、駆動シャフト1404に固着された第1のインペラ1506および第2のインペラ1508と、スパージャ1510と、気泡経路1512とを備え得る。 【0102】 さまざまな実施形態において、スパージャ1510ならびに第1および第2のインペラ1506、1508の相対位置は、気泡の再飛散に準最適である。より短い気泡滞留時間が最適な用途も存在するが、ほとんどの状況で、これは望ましい構成ではない。」 「 [図:0001426225000004.jpg] 」 「【0103】 図16は、さまざまな実施形態による流体混合システム1600を示す。さまざまな実施形態において、混合システム1600は、コンパートメント1602と、コンパートメント1402内に配置された駆動シャフト1604と、駆動シャフト1404に固着された第1のインペラ1606および第2のインペラ1608と、スパージャ1610と、スパージャ1410から生じる気泡の上昇流を示す気泡経路1612とを含み得る。 【0104】 さまざまな実施形態において、図16の流体混合システム1600は、再飛散に最適化されている。スパージャ1410ならびに第1および第2のインペラ1606、1608の相対位置は、気泡経路1612に影響を与えるように選択され、それにより、混合システム1600内の気泡滞留時間を増加させた。ほとんどの用途において、これは理想的な配置である。」 「 [図:0001426225000005.jpg] 」 「【0105】 図17は、実験目的のためのスパージャレイアウト1700を示す。スパージャレイアウト1700は、インペラ先端掃引1702、スパージャ位置1704、およびコンパートメント1706を含む。 【0106】 図17は、駆動シャフト(図示せず)をコンパートメント1706の側壁に向かってオフセットさせ、さまざまなスパージャ位置1704を一度に1つずつ動作させて、最適な気泡分散パターンを決定した実験を設定している。さまざまな実施形態において、コンパートメント1706のコーナーは、バッフルとして作用することにより気泡分布を増加させるように作用する。」 「 [図:0001426225000006.jpg] 」 「【0109】 図20は、図17に示されたスパージャ位置1704の性能を示す。x軸は、使用中のスパージャ位置1704を示し、y軸は、得られた正規化kLa値を示す。一般に、より高いkLa値が好適である。規模拡縮可能なシステムでは、スパージャ位置を選択して、異なる形状および容量を有する2つ以上の混合システム間でkLa値を一致させようと試みることができる。」 「 [図:0001426225000007.jpg] 」 「【0110】 図21は、従来技術のスパージングシステムに対する、本出願に記載されたスパージング方法およびシステムとを使用した、混合システム容量にまたがる比較データを示す。kLaをy軸に示し、毎分容器容積当たりの流量をx軸に示す。従来技術のスパージングシステムおよび方法は、50リットル~2000リットルのシステム間で同様のkLa値を生成しないことが明らかに示されている。しかしながら、本明細書に開示されたスパージャは、異なる容量を有するシステム間でかなり同様のkLa値を生成する。」 「 [図:0001426225000008.jpg] 」 「【0111】 上記の方法を使用して、スパージャ細孔のサイズおよび数を調整し、kLaを実験的に測定し、フリット+開放管を有するシステムをフリット+DHSを有するシステム(上述のスパージャシステムおよび方法)と比較した。 【0112】 規模にまたがって、この方法は、規模拡縮後の性能を改善し、規模にまたがるkLaの最大標準偏差を20%から8.6%に減少させ、開放管またはDHSを使用する規模にまたがるkLaの平均標準偏差を16%から6%に減少させる。 【0113】 図22は、所与の1容積当たりの動力入力における、容積にまたがる混合一貫性を示す。図22に示されたデータを生成するために使用された混合システム200は、図2およびこの文書の他所に示したものである。示されたプロットは、アスペクト比2.5および3つのインペラを有する50リットル容器と、アスペクト比2.5および3つのインペラを有する500リットル容器と、アスペクト比2.5および3つのインペラを有する5000リットル容器とから取られたデータのものである。インペラ直径は、各規模にまたがり同じではなく、インペラ直径対容器幅の比も同じではなかった。見てわかるように、t95混合時間は、所与の1容積当たりの動力において規模にまたがり一定のままである。」 「 [図:0001426225000009.jpg] 」 「【0114】 図23は、規模50、100、250、500、1000、および2000リットルのシステムにまたがり、一定またはほぼ一定のインペラ先端速度および1容積当たりの動力を示す表を示す。インペラの直径および数を変更して、さまざまなサイズのシステムに対処した。」 「 [図:0001426225000010.jpg] 」 (2) 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定 ア 引用文献1に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、最先の優先日前に発行された文献である「Scalability of the Mobius(R) Single-use Bioreactors、Millipore Filtration、Separation & Preparation、Application Note、2016年10月、p.1~8」(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(括弧内に当合議体が作成した日本語訳を示した。また、当合議体により、後記ウの引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。なお、文献タイトル中の「(R) 」は、原文では○の中にRを記載したもの。以下同様。)。 (ア) 「Abstract」 「The life science business of Merck has developed a family of single-use bioreactors designed for mammalian cell growth and recombinant protein production. The Mobius(R) Single-use Bioreactor product offering includes bench-scale (3 L), pilot-scale (50 L and 200 L), and clinical-scale (1000 L and 2000 L) bioreactors spanning early process development through clinical batch production. To enable the successful scale-up of a biomanufacturing process, a number of factors critical to efficient cell growth, viability and protein production were considered and used to optimize the design of the bioreactors. These include mixing efficiency, gas transfer capability, and an operating range of power input that minimizes cell shear. In this study, several key design parameters, such as the volumetric mass transfer coefficient for oxygen (kLa), power per unit volume, Reynolds number (Re), mixing time and tip speed were characterized for the five different sized single-use bioreactors. Based on these data, CHO cells were cultured in these bioreactors maintaining equivalent power per unit volume as the primary scaling parameter. These data provide evidence of cell culture scalability across the entire Mobius(R) Single-use Bioreactor platform.」 (Merckのライフサイエンス事業は、哺乳動物細胞増殖及び組換えタンパク質生産のために設計されたシングルユースバイオリアクタの一群を開発した。Mobius(登録商標)シングルユースバイオリアクタ製品の提供には、初期のプロセス開発から臨床バッチ生産に及ぶベンチスケール(3L)、パイロットスケール(50L及び200L)及び臨床スケール(1000L及び2000L)バイオリアクタが含まれる。バイオマニュファクチャリングプロセスのスケールアップの成功を可能にするために、効率的な細胞増殖、生存率及びタンパク質生産に重要ないくつかの因子を考慮し、バイオリアクタの設計を最適化するために使用した。これらには、混合効率、ガスの移動能及び細胞剪断を最小にする動力入力の運転範囲を含む。このアプリケーションノートでは、酸素移動容量係数(KLa)、単位体積当たりの動力、レイノルズ数(Re)、混合時間及び先端速度などのいくつかの重要な設計パラメータを、五つの異なるサイズのシングルユースバイオリアクタについて特徴付けた。これらのデータに基づいて、主スケーリングパラメータとして単位体積当たりの動力を等価に維持しつつ、CHO細胞をこれらのバイオリアクタ中で培養した。これらのデータは、Mobius(登録商標)シングルユースバイオリアクタプラットフォーム全体にわたる細胞培養スケーラビリティのエビデンスを提供する。) (イ) 「Introduction」の第1段落、表1 「The Mobius(R)Bioreactor family includes the bench-scale (3 L), pilot-scale (50 L and 200 L), and clinical-scale (1000 L and 2000 L) bioreactors that enable cell culturing capabilities for early process development through clinical batch production. The bench-scale Mobius(R)3 L Bioreactor is a rigid stirred tank bioreactor (Figure 1A) while the Mobius(R)50 L, 200 L, 1000 L and 2000 L large-scale bioreactors (Figures 1B, 1C, 1D and 1E) are inflatable stirred tank Flexware(R) assemblies used in stainless steel vessels. Table 1 outlines the features of all five bioreactors. For all sizes greater than bench-scale, the Mobius(R) Bioreactors utilize the novel Mobius(R) SensorReady Technology for process monitoring and control. The SensorReady assembly is an external loop that is connected to the Flexware(R) assembly which allows for a configurable number of probes to be used.」 (Mobius(登録商標)バイオリアクタの製品群は、初期プロセス開発から臨床バッチ生産までの細胞培養能力を可能にする、ベンチスケール(3L)、パイロットスケール(50L及び200L)及び臨床スケール(1000L及び2000L)バイオリアクタを含む。ベンチスケールのMobius(登録商標)3Lバイオリアクタは、固定タンクの撹拌バイオリアクタ(図1A)であり、一方、Mobius(登録商標)50L、200L、1000L及び2000L大規模バイオリアクタ(図1B、1C、1D及び1E)は、ステンレス鋼容器内で使用される膨張可能な撹拌タンクのFlexware(登録商標)アセンブリである。表1に、五つ全てのバイオリアクタの特徴の概要を示す。ベンチスケールより大きい全てのサイズについて、Mobius(登録商標)バイオリアクタは、プロセスのモニタリング及び制御のために新規なMobius(登録商標)SensorReady技術を利用する。SensorReadyアセンブリは、使用するプローブの数が設定できるFlexware(登録商標)アセンブリに接続される外部ループである。) 「表1 [図:0001426225000011.jpg] 」 ( [図:0001426225000012.jpg] ) (ウ) 「Introduction」の第2段落 「The ability to scale-up a biomanufacturing process is essential for process development and the production of biotherapeutic proteins. Bioreactor process set points, acceptable ranges and general operating parameters used at the large scale are commonly based on those developed at the bench top or small scale where experimentation is more cost effective and efficient. Additionally, large scale performance investigations and production expectations are often greatly dependent upon results obtained at smaller scales. It is therefore important that the small scale bioreactors effectively model larger scale systems and vice versa.」 (バイオ製造プロセスをスケールアップできることは、プロセス開発及びバイオ治療用タンパク質の生産に不可欠である。大規模スケールで使用されるバイオリアクタプロセスの設定点、許容範囲及び一般的な操作パラメータは、通常、実験がよりコスト効率が良くかつ効率的であるベンチトップ又は小規模で開発されたものに基づく。加えて、大規模スケールの性能調査や生産の予測は、しばしば、小規模スケールで得られた結果に大きく依存する。したがって、小規模スケールのバイオリアクタがより大規模なシステムを効果的にモデル化することが重要であり、その逆も然りである。) (エ) 「Introduction」の第3段落 「Scaling up bioreactor processes is challenging; even with similarly designed tanks, it is difficult to simultaneously maintain equivalent key bioreactor characteristics such as hydrodynamic shear and mixing time.1Other variables, such as bubble size and distribution, nutrient regulation and delivery , and process control capabilities may also contribute to variable performance results across scales. Ultimately, successful scale-up is determined when comparable process performance endpoints such as cell growth, cell viability, protein production (i.e., titer) and product quality are all achieved. The probability of meeting these criteria can be increased when the bioreactor systems are well-characterized and the process design space is well understood.」 (バイオリアクタプロセスをスケールアップすることは困難であり、同様に設計されたタンクを用いるとしても、流体力学的な剪断及び混合時間などの重要なバイオリアクタ特性を同時に等価に維持することは困難である。気泡のサイズと分布、栄養分の調節と供給、プロセス制御能力など、その他の変数もまた、スケール間で性能が異なる結果に寄与する可能性がある。最終的に、スケールアップが成功したといえるのは、細胞増殖、細胞生存率、タンパク質生産(すなわち力価)、製品品質などの同等なプロセスの性能エンドポイントが全て達成されたときである。これらの基準を満たす確率は、バイオリアクタシステムが十分に特徴付けられており、プロセス設計空間が十分に理解されている場合に高めることができる。) (オ) 「Introduction」の第4段落 「In this study, several key parameters including oxygen mass transfer capability (kLa), power per unit volume, Reynolds number, mixing time and tip speed were characterized for the five Mobius(R) Single-use Bioreactors. CHO cells were then cultured in these bioreactors based on maintaining an equivalent power per unit volume as the primary scaling parameter. The results of these studies define the characterization and process design space offered by the bioreactors and demonstrate the capability to achieve expected cell culture performance across scales, thus demonstrating the scalability of the family of Mobius(R) Single-use Bioreactors.」 (このアプリケーションノートでは、酸素移動容量係数(KLa)、単位体積当たりの動力、レイノルズ数、混合時間及び先端速度を含むいくつかの重要なパラメータを、五つのMobius(登録商標)シングルユースバイオリアクタについて特徴付けた。次いで、CHO細胞を、主スケーリングパラメータとして単位体積当たりの動力を等価に維持することに基づいて、これらのバイオリアクタ中で培養した。これらの研究の結果は、バイオリアクタによって提供される特徴付け及びプロセス設計空間を規定し、規模にわたって予想される細胞培養性能を達成する能力を実証し、したがって、Mobius(登録商標)シングルユースバイオリアクタの製品群のスケーラビリティが実証されている。) (カ) 「Scaling Techniques」の第1段落 「Although no single parameter can guarantee comparable process performance between stirred tank bioreactor systems, choosing an agitation rate that delivers equivalent energy dissipation rate or power per unit volume (W/m3) is a common first approach.5,6 The impeller design, fluid density and agitation rate are considered in the ungassed power per unit volume (Po/V) equation: Po/V = NP・ρ・N3・D5 Where Po = Ungassed power input V = Liquid working volume Np = Impeller power number ρ = Fluid density N = Impeller agitation rate D = Impeller diameter Using this scaling method, agitation rate is varied to maintain similar ungassed power per unit volume across vessels.」 (撹拌タンクのバイオリアクタシステム間で同等のプロセス性能を保証することができる単一のパラメータは無いが、等価なエネルギー散逸率又は単位体積当たりの動力(W/m3)を与える撹拌速度を選択することは、一般的な最初のアプローチである5,6。インペラの形状、流体の密度及び攪拌速度は、下記の単位体積あたりの非通気時の動力(P0/V)の式で考慮する: Po/V = NP・ρ・N3・D5 ここで Po = 非通気時の動力入力 V = 稼働液体体積 Np = インペラ動力数 ρ = 流体密度 N = インペラ撹拌速度。 D = インペラ直径 このスケーリング方法を使用して、撹拌速度を変化させて、単位体積当たりの非通気時の動力を容器間で同程度に保つ。) (キ) 「Scaling Techniques」の第2段落 「The highest shear zones in a stirred tank bioreactor are often described as existing within the impeller zone. Because the outer edge of the impeller blades create shear as they rotate through the fluid, the impeller tip speed is often considered during bioreactor comparisons: Tip Speed = π・D・N Where D = Impeller diameter N = Impeller agitation rate The impeller tip speed calculation, however, focuses on a local condition and takes neither fluid flow conditions nor impeller geometry or design into consideration.」 (撹拌タンクバイオリアクタにおける最も剪断力の高い領域は、しばしば、インペラ領域内に存在すると考えられている。インペラ翼の外端部は流体中を回転する際に剪断を生じるため、多くの場合、バイオリアクタの比較に際してインペラの先端速度が考慮される: 先端速度 = π・D・N ここで D = インペラ直径 N = インペラ撹拌速度。 しかしながら、このインペラ先端速度の計算は、局所的な条件に焦点を合わせており、流体の流れの条件やインペラの幾何学的形状又はデザインは考慮に入れていない。) (ク) 「Scaling Techniques」の第3段落 「The Reynolds number can be considered when estimating fluid conditions at a given agitation rate by providing a ratio of the inertial forces to the viscous forces: Re = ρND2/μ Where ρ = Fluid density N = Impeller agitation Rate D = Impeller diameter μ = Fluid dynamic viscosity The system is considered fully turbulent when Re > 10,000.2,3 The Reynolds number calculation (in water at 25 °C) is based on the assumption of a cylindrical tank design with a centered rotating impeller and does not take impeller design into account. The Mobius(R)large scale bioreactors contain a bottom mounted, offset, pitched blade impeller and a baffle which together increase the turbulence and improve mixing.」 (レイノルズ数は、粘性力に対する慣性力の比をとることによって、所与の撹拌速度における流体条件を推定するときに考慮することができる: Re = ρND2/μ ここで ρ = 流体密度 N = インペラ撹拌速度 D = インペラ直径 μ = 流体動粘度 Re>10,000である場合、系は完全に乱流であると考えられる2,3。レイノルズ数の計算(25℃の水中)は、中心で回転するインペラを有する円筒形タンクの設計を前提としており、インペラの形状は考慮されていない。Mobius(登録商標)大規模バイオリアクタは、底部に取り付けられ、オフセットされた傾斜翼のインペラ及びバッフルを含み、これらは一緒になって乱流を増加させ、混合を改善する。) (ケ) 「Scaling Techniques」の第4段落、表2 「Table 2 outlines the impeller power number, tip speed, Reynolds number and ungassed power per unit volume values calculated for a range of applicable agitation rates for the Mobius(R) 3 L, 50 L, 200 L, 1000 L and 2000 L Bioreactors.」 (表2は、Mobius(登録商標)3L、50L、200L、1000L及び2000Lバイオリアクタに適用可能な撹拌速度の範囲について計算された、インペラ動力数、先端速度、レイノルズ数及び単位体積当たりの非通気時の動力値の概要を示す。) 「表2 [図:0001426225000013.jpg] 」 (コ) 「Mixing」の第1段落 「Mixing is a critical bioreactor performance characteristic because it is responsible for minimizing gradients and maintaining control within the cell culture environment. Good mixing in a bioreactor strives for sufficient fluid pumping and turnover throughout the system to effectively create a single homogeneous environment which can be accurately monitored and controlled. Good mixing should evenly distribute bioreactor contents, helping to minimize zones of uneven cell density, pH, temperature, dissolved gasses and nutrient or waste concentrations, while minimizing the shear stress imparted on the cells by the fluid dynamics or the mixing element itself.」 (混合は、勾配を最小限に抑え、細胞培養環境内の制御を維持する役割を担っているため、バイオリアクターの性能特性として極めて重要である。バイオリアクタにおける良好な混合は、正確にモニター及び制御され得る単一の均質な環境を効果的に作り出すために、システム全体にわたる十分な流体ポンピング及びターンオーバーを目指す。良好な混合は、流体の運動又は混合要素自体によって細胞に付与される剪断応力を最小にしつつ、バイオリアクターの内容物を均一に分配し、細胞密度、pH、温度、溶解ガス及び栄養素又は廃棄物の濃度が不均一なゾーンを最小にすべきである。) (サ) 「Mixing」の第4段落 「The Flexware(R) assemblies for the Mobius(R) 50-2000 L Bioreactors contain a single baffle, which coupled with the off-center, angled position of the bottom mounted impeller, provide good mixing dynamics even at lower power inputs. The similar geometry of these four bioreactors allows for application of the model.(後略)」 (Mobius(登録商標)50-2000LバイオリアクタのためのFlexware(登録商標)アセンブリは、バッフルを一つ含み、これは、中心から外れて傾斜がかけられた底部に取り付けられたインペラと共に、より低い動力入力においても良好な混合動態を提供する。これらの四つのバイオリアクタの形状が類似していることにより、モデルの適用が可能になる。) (シ) 「Efficient Gas Transfer」の第1段落 「One of the critical scale-up parameters used for bioreactor control is the mass transfer of gasses. Sufficient O2/Air delivery is required not only to support cell growth, metabolism and protein production but also to control CO2 accumulation in the media which can impact both of these critical performance endpoints.4 To assess the gas transfer efficiency of the Mobius(R) Bioreactors, the volumetric mass-transfer coefficients (kLa) for oxygen were measured in each bioreactor using the static gassing out method. For these trials, equal power per unit volume (10 W/m3) was used as the scaling parameter for impeller speed and gas flow rates within the operating window for each system were chosen to achieve equivalent gas transfer efficiency.」 (バイオリアクタの制御に使用される重要なスケールアップパラメータの一つは、気体の物質移動である。十分なO2/空気の供給は、細胞の増殖、代謝及びタンパク質生産をサポートするためだけでなく、これらの重要な性能評価項目のいずれにも影響を与え得る培地中のCO2の蓄積を制御するためにも必要とされる4。Mobius(登録商標)バイオリアクタの気体移動効率を評価するために、酸素の移動容量係数(KLa)を、静的ガス排気法を用いて各バイオリアクタにおいて測定した。これらの試行では、等しい単位体積当たりの動力(10W/m3)をインペラ速度のスケーリングパラメータとして使用し、各システムの動作ウィンドウ内のガス流量を選択して、同等のガス移動効率を達成した。) (ス) 「Efficient Gas Transfer」の第4段落、表3 「As detailed in Table 1, the impeller and sparger design and placement in the Mobius(R)50 L, 200 L, 1000 L and 2000 L Bioreactors are all similar. However, the design used in the Mobius(R)3 L Bioreactor is different. For example, in the Flexware(R) assemblies for the large-scale Mobius(R) Bioreactors the membrane polyethylene microsparger is located directly beneath the impeller, while in the 3 L Bioreactor a sintered polyethylene microsparger is located off to the side of the impeller. Also, the impeller blade shape differs between the bioreactors. A pitched blade impeller is used in the Flexware(R) assemblies for the large scale Mobius(R)Bioreactors whereas a marine impeller is found in the 3 L Bioreactor. Despite these differences, it is possible to demonstrate scalable kLa values between the five bioreactors operating at constant power per unit volume by adjusting the air flow rates used. As shown in Table 3, the kLa values measured in the five bioreactors using the microsparger and a power per unit volume of 10 W/m3 are comparable. Likewise similar, and hence scalable kLa values were obtained with the open pipe spargers using this same approach. By leveraging such an approach, kLa scalability can be developed for a variety of power inputs and operating volumes across the platform.」 (表1に詳述されるように、Mobius(登録商標)50L、200L、1000L及び2000Lバイオリアクタにおけるインペラ及びスパージャのデザイン及び配置は、全て類似している。しかし、Mobius(登録商標)3Lバイオリアクタで使用されるデザインは異なる。例えば、大規模Mobius(登録商標)バイオリアクタのためのFlexware(登録商標)アセンブリにおいて、膜状ポリエチレンのマイクロスパージャは、インペラの直下に位置し、一方、3Lバイオリアクタにおいて、焼結ポリエチレンのマイクロスパージャは、インペラの側方に離れて位置する。また、インペラ翼の形状は、バイオリアクタ間で異なる。大規模Mobius(登録商標)バイオリアクタ用のFlexware(登録商標)アセンブリでは傾斜翼のインペラが使用されるが、3Lバイオリアクタではマリン型インペラが見受けられる。これらの差にもかかわらず、使用される空気流量を調節することによって、一定の単位体積当たりの動力で動作する五つのバイオリアクタ間でスケーラブルなKLa値を実証することができる。表3に示されるように、マイクロスパージャ及び10W/m3の単位体積当たりの動力を使用して、五つのバイオリアクタにおいて測定されたKLa値は同等である。同様に、同様の、したがってスケーラブルなKLa値が、この同じアプローチを使用して開口管スパージャで得られた。そのようなアプローチを活用することによって、KLaスケーラビリティは、プラットフォームにわたる様々な動力入力及び稼働体積のために開発され得る。) 「表3 [図:0001426225000014.jpg] 」 イ 引用文献1の記載から読み取れる事項の認定 (ア) 前記ア(イ)の表1から、次のa及びbの事項が読み取れる。 a 「3Lバイオリアクタにおいて、槽の直径が13.7cmであり、全体高/直径比が1.8:1であり、50Lバイオリアクタにおいて、槽の直径が34cmであり、全体高/直径比が2.0:1であること。」(以下「認定事項1」という。) b 「3Lバイオリアクタにおいて、直径7.6cmのインペラがシャフト上に設けられ中央に位置しており、50Lバイオリアクタにおいて、直径10.9cmのインペラが用いられること。」(以下「認定事項2」という。) (イ) 前記ア(ケ)の「表2は、Mobius(登録商標)3L、50L、200L、1000L及び2000Lバイオリアクタに適用可能な撹拌速度の範囲について計算された、インペラ出力数、先端速度、レイノルズ数及び単位体積当たりの非通気時の動力値の概要である」との記載を踏まえて表2を見ると、次の事項が読み取れる。 「3Lバイオリアクタ及び50Lバイオリアクタについて、計算上、単位体積当たりの非通気時の動力値が1W/m3、10W/m3、20W/m3のときの先端速度が両バイオリアクタにおいて等しく、それぞれ、0.3m/s、0.7m/s、0.9m/sであること。」(以下「認定事項3」という。) ウ 引用発明の認定 前記イにおいて認定した事項及び前記アに摘記した引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所等を括弧内に示した。 <引用発明> 「初期プロセス開発から臨床バッチ生産までの細胞培養能力を可能にする、ベンチスケール(3L)、パイロットスケール(50L及び200L)及び臨床スケール(1000L及び2000L)バイオリアクタを含むバイオリアクタの製品群であって、(「Introduction」の第1段落) 酸素移動容量係数(KLa)、単位体積当たりの動力、レイノルズ数、混合時間及び先端速度を含むいくつかの重要なパラメータを、五つのバイオリアクタについて特徴付けており、(「Introduction」の第4段落) バイオリアクタの製品群のスケーラビリティが実証されており、(「Introduction」の第4段落) 撹拌速度を変化させて、単位体積当たりの非通気時の動力を容器間で同程度に保つものであり、撹拌タンクバイオリアクタにおける最も剪断力の高い領域はインペラ領域内に存在し、インペラ翼の外端部は流体中を回転する際に剪断を生じるため、バイオリアクタの比較に際してインペラの先端速度が考慮されるものであり、(「Scaling Techniques」の第1段落) 50L、200L、1000L及び2000Lバイオリアクタにおけるインペラ及びスパージャのデザイン及び配置は、全て類似しているが、3Lバイオリアクタで使用されるデザインは異なっており、(「Efficient Gas Transfer」の第4段落) 使用される空気流量を調節することによって、一定の単位体積当たりの動力で動作する五つのバイオリアクタ間でスケーラブルなKLa値を実証することができるものであり、(「Efficient Gas Transfer」の第4段落) 3Lバイオリアクタは、固定タンクの撹拌バイオリアクタであって、(「Introduction」の第1段落) 槽の直径が13.7cmであり、全体高/直径比が1.8:1であり、(認定事項1) 直径7.6cmのマリン型インペラがシャフト上に設けられ中央に位置しており、(認定事項2、「Efficient Gas Transfer」の第4段落) 焼結ポリエチレンのマイクロスパージャは、インペラの側方に離れて位置するものであり、(「Efficient Gas Transfer」の第4段落) 50L、200L、1000L及び2000L大規模バイオリアクタは、ステンレス鋼容器内で使用される膨張可能な撹拌タンクのFlexwareアセンブリであって、(「Introduction」の第1段落) 50Lバイオリアクタは、槽の直径が34cmであり、全体高/直径比が2.0:1であり、(認定事項1) 直径10.9cmのインペラが用いられ、(認定事項2) 大規模バイオリアクタ用のFlexwareアセンブリでは傾斜翼のインペラが使用され、(「Efficient Gas Transfer」の第4段落) 大規模バイオリアクタは、底部に取り付けられ、オフセットされた傾斜翼のインペラ及びバッフルを含み、これらは一緒になって乱流を増加させ、混合を改善するものであり、(「Scaling Techniques」の第3段落) 大規模バイオリアクタのためのFlexwareアセンブリにおいて、膜状ポリエチレンのマイクロスパージャは、インペラの直下に位置し、(「Efficient Gas Transfer」の第4段落) 3Lバイオリアクタ及び50Lバイオリアクタについて、計算上、単位体積当たりの非通気時の動力値が1W/m3、10W/m3、20W/m3のときの先端速度が両バイオリアクタにおいて等しく、それぞれ、0.3m/s、0.7m/s、0.9m/sである、(認定事項3) バイオリアクタの製品群。」 (3) 引用文献5~8の記載事項及び技術常識の認定 ア 引用文献5に記載された事項及び技術常識1、2の認定 (ア) 引用文献5に記載された事項 当審において新たに引用する、最先の優先日前に発行された文献である「古川陽輝、回転式撹拌翼の撹拌所要動力特性に関する研究、横浜国立大学大学院工学府 学位論文、2016年5月24日、p.1~54」(以下「引用文献5」という。)には、次の記載がある。 a 「第1章 緒論」、「1.4 本研究の目的」の項(8ページ24行~9ページ17行 「これまでに撹拌装置はさまざまなものが開発されてきた.前節で挙げたように,撹拌方法だけでも多くの種類が存在している.(中略) そこで,これまでに開発されてきて,その効果が有用であるが,動力推算式が提出されていない撹拌翼に対してその撹拌所要動力を見積もる推算式を開発することを試みる.(中略) さらに,撹拌槽の幾何形状にも着目した.通常,撹拌に関する研究は円筒槽を用いるのが一般的である.しかし,実際に化学プラントで使用される撹拌槽の仕様は,その撹拌装置の設置レイアウトの都合上,角型槽になる場合もしばしばある.また,撹拌槽の洗浄を容易にするために邪魔板などを付けたくない場合は,邪魔板付き撹拌槽の役目を果たすと考えられている角型槽が使用される.この角型槽に関しても設計の指針となる撹拌所要動力の推算式は存在していない.そこで,この角型槽に対する撹拌所要動力推算式の開発,推算方法を開発する.(後略)」 b 「第3章 内装物を備えた撹拌槽および角型偏芯槽の動力相関式」、「3.1 緒言」の項(25ページ3行~34行) 「(前略) また,工場で使用される撹拌槽は円筒槽のみに限らず液体を貯蔵するピットなどには,設置のレイアウトの都合上,槽が角型になる場合もある。また,槽の洗浄を容易にするために邪魔板などを付けたくない場合は,邪魔板付き撹拌槽の役目をすると言われている角型槽を用いることがある.このような場合,撹拌機のモーターを見積もるために必要な撹拌所要動力を推算する方法はこれまで存在しておらず,設計は経験的に行われて来たに過ぎない. さらに角型撹拌槽や円筒撹拌槽において,邪魔板を設置せずに混合を改善するために撹拌翼の軸を偏芯させて用いられる場合がある.この場合の動力への影瞥については明らかになっておらず,その推算方法についても提案されていない.(後略)」 c 「3.5 直方体型撹拌槽」の項(37ページ4~11行、Figure3.26) 「3.5.1 実験方法 使用した撹拌槽はアクリル樹脂製の断面が長方形の角型槽であり,Figure 3.26に示すように角型槽内側の短辺の長さaおよび長辺の長さa'をそれぞれ0.170および0.255m(すなわち,a'=l.5a),O.l70および0.340m(すなわち,a'=2a)となるように設定した.液高さは0.240mとした.撹拌翼にはTable 3.4に示す種々の幾何形状のパドル翼,傾斜パドル翼,およびプロペラ翼を使用した.プロペラ翼の幾何形状はFigure 3.27に示した.撹拌液は種々の粘度の水飴水溶液および水道水を使用した. 撹拌所要動力は,最も一般的な軸トルク測定法を用いた.使用したトルクメータはSATAKE ST-3000である.撹拌所要動力はその平均トルクを用いてP=2πnTで求めた.動力測定法はこれまでと同じである.」 「 [図:0001426225000015.jpg] Figure3.26 Dimension of rectangular mixing vessel」 d 「3.7 直方体型偏芯撹拌槽の所要動力の相関」の項(46ページ2~10行) 「3.7.1 実験方法 使用した撹拌槽はアクリル樹脂製の断面が長方形の角型槽であり,Fig.3.26に示すように角型槽内側の短編の長さaおよび長辺の長さa'をそれぞれ0.170および0.255m(すなわち,a'=l.5a),170および0.340m(すなわち,a'=2a)となるように設定した.液高さは0.240mとした.撹拌翼にはTable 3.6に示す種々の幾何形状のパドル翼,Rushtonタービン翼,傾斜パドル翼,およびプロペラ翼を使用した.プロペラ翼の幾何形状はFig.3.27に示した.撹拌液は種々の粘度の水飴水溶液および水道水を使用した.シャフトの偏芯長さは槽の中心からのずれ幅LEとした. 撹拌所要動力は,最も一派端的な軸トルク測定法を用いた.使用したトルクメータはSATAKE ST-3000である.撹拌所要動力はその平均トルクを用いてP=2πnTで求めた.動力測定法はこれまでと同様である.」 (イ) 技術常識1、2の認定 前記(ア)に示した引用文献5の摘記事項に例示されるように、次の技術事項は、当業者にとって技術常識であったと認められる。(以下、それぞれ「技術常識1」及び「技術常識2」という。) <技術常識1> 「レイアウトの都合上や邪魔板を用いないようにするために、撹拌槽の断面形状を長方形とすること。」 <技術常識2> 「角型や円筒の撹拌槽において、撹拌翼の軸を撹拌槽の中心軸から偏心させることによって、偏心していない場合と比較して、より良好な混合が達成されること。」 イ 引用文献6~8に記載された事項及び周知技術1の認定 (ア) 引用文献6に記載された事項 当審において新たに引用する、最先の優先日前に発行された文献である特開昭60-184383号公報(以下「引用文献6」という。)には、次の記載がある。 a 2ページ右上欄2行~左下欄9行 「(産業上の利用分野) 本発明は吊下げ型電磁攪拌機、特に吊下げ型の電磁インペラーを備え、そのインペラーの高さを可動軸受によつて調節することができるようになつている電磁攪拌機に関するものである。本発明の電磁攪拌機は、例えばマイクロキヤリヤーによる組織細胞の培養の場合のようにできるだけ小さい剪断力で固体を培養液中に懸濁させなければならないようなときに特に有用である。 (従来技術) 米国特許第3,622,129号の第1図には、滅菌した吊下げ型攪拌機のインペラーの高さ調節に関して従来どのように取り組まれて来たかが示されている。この米国特許においてはインペラーのシヤフトが、容器の蓋に設けられた孔にその孔を貫通して延びるように圧入され、そのシヤフトの容器の外側の端部を押したり引いたりしてシヤフトを滑らせることによつてインペラーの高さが調節される。 このような攪拌機は使用できないものではないが、満足の行くものでもない。例えばシヤフトを滑らせる際に容器内に異物が入るおそれがあるし、また、時間が経つにつれてシヤフトと孔の嵌合が緩くなつてシヤフトが不用意に上下するようになつてしまうおそれもある。また、インペラーの高さの微妙な調節も力加減が困難である。」 b 3ページ右上欄7行~4ページ左上欄13行、第1図 「第1図に示す本発明の一実施例の電磁攪拌機は懸濁マイクロキヤリヤーによる細胞培養に使用される。本実施例の攪拌機は側壁、底壁を備えるとともに上方に開口した容器10を備えている。その容器10の頂部の外面には螺条が刻設されている。約0.5インチ程度の高さの突起12がその容器10の底壁の中央から突出している。側壁と底壁が出合う部分には丸みがつけられている。側壁の上部の両側には蓋を被せられた一対の注ぎ口14が設けられている。この注ぎ口14は容器10内の液体を取り出す際に使用されるものである。 容器10の開口には前記螺条と螺合する螺条を備えた蓋18が被せられている。その蓋18の一部は酸素および気体は通すが細胞汚染物質は通さない、例えば、ポリエチレンの膜20で形成されている。これによつて、蓋18を容器10に螺着した後でも、汚染のおそれなく、呼吸用のガス交換をすることができる。 蓋18は開口22に備えている。中空の調節用支持部材24が蓋18から上方に一体的に突出するとともに、前記開口22を取り巻いている。その支持部材24は貫通孔を備えており、また内面にはその貫通孔の長さの少なくとも一部に亘つて延びる螺条26が刻設されている。支持部材24は蓋18と別体であつても差し支えない。 前記支持部材24の螺条26と螺合する螺条32を有する中空のスリーブ部材30がその支持部材24内に螺入されている。そのスリーブ部材30の一部は支持部材24の頂部から突出している。そのスリーブ部材30はインペラーシヤフト40を通すことのできるような径の貫通孔34を備えている。 インペラーの軸受は下部環状軸受面50と上部回転軸受面52を備えている。下部環状軸受面50はテフロン等の低摩擦材料で形成するのが望ましい。その軸受はスリーブ部材30の頂部に設けられた肩部54にプレス嵌めされる。下部環状軸受面50の開口56はインペラーシヤフト40を通せるような径を備えている。この開口56の径は前記スリーブ部材30の貫通孔34と同じである必要はない。 前記上部回転軸受面52は下部環状軸受面50の開口56の径より大きい径を有している。その上部回転軸受面52はオークレープ滅菌可能な低摩擦材料、例えばステンレススチールで形成することができる。組立位置においてはその上部回転軸受面52は下方に向かつて下部環状軸受面50に当接する。 攪拌機はインペラーシヤフト40が上部回転軸受面40の開口内にプレス嵌めされて吊り下げられる。インペラーシヤフト40は下部環状軸受面50の開口56およびスリーブ部材30の貫通孔34を通つて容器10内にその底壁に向かつて突出する。そのシヤフト40の下端には電磁インペラー42が着脱自在に取り付けられる。インペラー42をシヤフト40に取り付ける機構は公知のどのようなものでも差し支えないが、本実施例においては、第1図に示すようにシヤフト40の下端44にスロツトが設けられ、そのスロツトにインペラー42が圧入されるようになつている。」 「第1図 [図:0001426225000016.jpg] 」 (イ) 引用文献7に記載された事項 当審において新たに引用する、最先の優先日前に発行された文献である米国特許出願公開第2015/0117142号明細書(以下「引用文献7」という。)には、次の記載がある(括弧内に当合議体が作成した日本語訳を示した。)。 「[0045] Depicted in FIGS. 1-3 is one embodiment of an inventive mixing system 10 incorporating features of the present invention. In general, mixing system 10 comprises a docking station 12, a container station 14 that removably docks with docking station 12, a container assembly 16 (FIG. 2) that is supported by container station 14, and a drive shaft 17 (FIG. 3) that extends between docking station 12 and container assembly 16. Container assembly 16 houses the fluid that is mixed. The various components of mixing system 10 will now be discussed in greater detail. (中略) [0053] Container assembly 16 further comprises an impeller assembly 40. Impeller assembly 40 comprises a first rotational assembly 42A mounted on upper end wall 33, a second rotational assembly 42B mounted on lower end wall 34, a flexible drive line 44 that extends between rotational assemblies 42A and 42B, and an impeller 46 coupled to drive line 44. Drive line 44 has a longitudinal axis 48 that extends along the length thereof and can centrally extend therethrough (中略) [0057] Impeller 46 comprises a central hub 76 having a plurality of blades 78 radially outwardly projecting therefrom. It is appreciated that a variety of different numbers and configurations of blades 78 can be mounted on hub 76. Hub 76 can be tubular so that hub 76 is slid over drive line 44 and then secured in the desired location by crimping, welding, adhesive or using a set screw, clamp, fastener or other securing technique. In other embodiments, hub 76 can comprise two or more separate members that are secured about drive line 44. In yet other embodiments, drive line 44 can comprise two or more separate members where an end of two of the members can be secured using any desired method on opposing ends of hub 76. Although only one impeller 46 is shown, it is appreciated that impeller 46 can be positioned at any position along drive line 44 and that any number of impellers, such as 2, 3, 4, or more, can be positioned along drive line 44. The impellers disclosed herein and the alternatives discussed relative thereto are examples of mixing elements. Mixing elements, however, also include other structures that can be mounted on drive line 44 that can function to mix fluid when rotated but which would not normally be considered an impeller.」 ([0045] 図1-3には、本発明の特徴を組み込んだ本発明の混合システム10の一実施形態が示されている。一般に、混合システム10は、ドッキングステーション12、ドッキングステーション12と取り外し可能にドッキングする容器ステーション14、容器ステーション14によって支持される容器アセンブリ16(図2)、及び、ドッキングステーション12と容器アセンブリ16との間に延びる駆動シャフト17(図3)を備える。容器アセンブリ16は、混合される流体を収容する。混合システム10の様々な構成要素についてより詳細に説明する。 (中略) [0053] 容器アセンブリ16は、インペラアセンブリ40を更に備える。インペラアセンブリ40は、上端壁33に取り付けられた第1の回転アセンブリ42Aと、下端壁34に取り付けられた第2の回転アセンブリ42Bと、回転アセンブリ42Aと42Bとの間に延在する可撓性の駆動ライン44と、駆動ライン44に結合されたインペラ46とを備える。駆動ライン44は、その長さに沿って延在する長手方向軸48を有し、駆動ライン44を通って中心に延在することができる。 (中略) [0057] インペラ46は、そこから半径方向外向きに突出する複数のブレード78を有する中央ハブ76を備える。様々な異なる数及び構成のブレード78をハブ76に取り付けることができることが理解される。ハブ76は、管状であり得、その結果、ハブ76は、駆動ライン44上をスライドされ、次いで、圧着、溶接、接着剤によって、又は止めねじ、クランプ、ファスナーもしくは他の固定技術を使用して、所望の位置に固定される。他の実施形態において、ハブ76は、駆動ライン44の周りに固定された二つ以上の別個の部材を備え得る。さらに他の実施形態では、駆動ライン44は、二つ以上の別個の部材を備えることができ、部材のうちの二つの端部は、ハブ76の対向する端部上に任意の所望の方法を使用して固定することができる。一つのインペラ46のみが示されているが、インペラ46は駆動ライン44に沿った任意の位置に配置することができ、二つ、三つ、四つ、又はそれ以上などの任意の数のインペラを駆動ライン44に沿って配置することができることが理解される。本明細書に開示されるインペラ及びそれに関連して議論される代替物は、混合要素の例である。しかしながら、混合要素はまた、回転されると流体を混合するように機能し得るが、通常はインペラと見なされない、駆動ライン44上に搭載され得る、他の構造も含む。) 「図2 [図:0001426225000017.jpg] 」 (ウ) 引用文献8に記載された事項 当審において新たに引用する、最先の優先日前に発行された文献である国際公開第2017/116909号(以下「引用文献8」という。)には、次の記載がある(括弧内に、引用文献8の日本語ファミリー文献である特表2019-501768号公報の該当記載を日本語訳として示した。なお、参照の便宜に供するため、上記ファミリー文献の段落番号も併せて記載している。)。 「[0134] As depicted in Figure 2, a mount 206A is used to secure first ends 70 of drive lines 44 to hub 54 of rotational assembly 42A while a mount 206B is used to secure second ends 72 of drive lines 44 to hub 54 of rotational assembly 42B. As depicted in Figures 5 and 6, in the current embodiment mount 206A comprises U-shaped arms 208A and 208B each having a central portion 209 that is received within corresponding slots 207A and 207B formed on opposing sides of second end 60 of hub 54. Fasteners 211, such as screws, bolts, rivets or the like, secure arms 208A and B together so that hub 54 is sandwiched therebetween and securely fixed to arms 208. An elongated support 212 having slots 213 A and B formed on opposing ends is also sandwiched between arms 208A and B so as to extend between the opposing ends of arms 208. Support 212 is also secured to arms 208A and B by fasteners 211. Mounted on first end 70 of each drive line 44A and B is a bushing 214A and 214B, respectively. Bushing 214 can be secured to drive lines 44 using conventional techniques such as welding, over molding, crimping, press fit, fastener or the like. Bushing 214A and B are rotatably secured within slots 213A and B, respectively, on support 212. Support 212 can be sized to that support 212 holds first ends 70 of drive lines 44 at the spaced apart distance discussed above with regard to ties 45. (中略) [0136] As depicted in Figure 2, mount 206B can have the same configurations as mount 206A and can be used in the same way to secure second ends 72 of drive lines 44 to hub 54 of rotational assembly 42B. Like elements between mount 206A and B are identified by like reference characters and the same alternatives as discussed above with regard to mount 206A are also applicable to mount 206B. (中略) [0138] It is appreciated that a variety of different numbers and configurations of blades 78 can be mounted on hub 76. Blades 78 can be rigidly fixed to hub 76 or can be pivotably coupled to hub 76. Examples of impellers having blades that are hingedly coupled to a hub are disclosed in US Patent Publication No. 2015/0117142, published April 30, 2015 which is incorporated herein by specific reference. Although three impellers 46 are shown in Figure 3, it is appreciated that impellers 46 can be positioned at any position along the length of drive lines 44 and that any number of mixing elements/impellers 46, such as 1, 2, 4, 5, or more, can be positioned along drive lines 44. In one embodiment of the present invention, the inventive system can be easily customized by choosing the type of mixing element/ impeller, the number of mixing elements/impellers, and the location of mixing elements/impellers that are placed along drive lines 44 during assembly.」 (【0103】 図2に図示されているように、取り付け具206Aを使用して、駆動線44の第1の端部70を回転アセンブリ42Aのハブ54に固定し、取り付け具206Bを使用して、駆動線44の第2の端部72を回転アセンブリ42Bのハブ54に固定する。図5及び6に図示されているように、現在の実施形態において、取り付け具206Aは、ハブ54の第2の端部60の対向する側部上に形成された対応する溝207A及び207B内に受容される中心部分209を各々有するU字形状のアーム208A及び208Bを備える。スクリュー、ボルト、リベット、又は同様のもの等の締め付け具211は、ハブ54が間に挟まれ、かつアーム208にしっかりと固定されるようにアーム208A及びBを共に固定する。対向する端部上に形成された溝213A及びBを有する細長い支持体212はまた、アーム208の対向する端部間に延在するように、アーム208A及びB間に挟まれている。支持体212はまた、締め付け具211によりアーム208A及びBに固定されている。ブッシング214A及び214Bは、それぞれ、各駆動線44A及びBの第1の端部70上に取り付けられている。溶接、オーバーモールド、圧着、圧入、締め付け具、又は同様のもの等の従来の技術を使用して、ブッシング214を駆動線44に固定することができる。ブッシング214A及びBは、支持体212上の、それぞれ、溝213A及びB内に回転可能に固定されている。支持体212は、支持体212が駆動線44の第1の端部70を、つなぎ目45に関して上に考察された離間した距離に保持するようにサイズ決めされ得る。 (中略) 【0105】 図2に図示されているように、取り付け具206Bは、取り付け具206Aと同じ構成を有し得、同じ方法を使用して駆動線44の第2の端部72を回転アセンブリ42Bのハブ54に固定することができる。取り付け具206A及びB間の同様の要素は、同様の参照文字により特定されており、取り付け具206Aに関して上に考察されているものと同じ代替物がまた、取り付け具206Bに適用可能である。 (中略) 【0107】 様々な異なる数及び構成のブレード78をハブ76に取り付けることができることが理解される。ブレード78を、ハブ76に堅く固定することができるか、又はハブ76に枢動可能に連結することができる。ハブにヒンジで連結されたブレードを有する羽根車の例は、具体的な参照により本明細書に組み込まれる、2015年4月30日に公開された、米国特許公開第2015/0117142号に開示されている。3つの羽根車46が図3に示されているが、羽根車46は、駆動線44の長さに沿った任意の位置に位置付けられ得、かつ1個、2個、4個、5個、又はそれ以上等の任意の数の混合要素/羽根車46が、駆動線44に沿って位置付けられ得ることが理解される。本発明の一実施形態において、組み立て中、駆動線44に沿って配置される混合要素/羽根車の種類、混合要素/羽根車の数、及び混合要素/羽根車の場所を選択することにより、本発明のシステムを容易にカスタマイズすることができる。) 「図2 [図:0001426225000018.jpg] 」 (エ) 周知技術1の認定 前記(ア)~(ウ)に示した引用文献6~8の摘記事項に例示されるように、次の技術事項は、当業者にとって周知であったと認められる。(以下「周知技術1」という。) <周知技術1> 「バイオリアクタにおいて、インペラを取り付ける部材として、容器の上端と下端の間に吊り下げられた部材であって、インペラの高さを調節可能であったり、インペラを取り付ける位置や数を変更可能であるなど、何らかの設定や変更が可能である部材を用いること。」 (4) 本件補正発明と引用発明の対比 ア 対比分析 本件補正発明と引用発明を対比する。 (ア) 構成X1の観点(「試験から商業生産に移行するための規模拡縮可能なバイオリアクタシステム」) a 引用発明における「ベンチスケール(3L)」は、試作スケールであることが明らかであるから、本件補正発明における「試験」の「規模」に相当するといえる。 b 引用発明における「パイロットスケール(50L及び200L)及び臨床スケール(1000L及び2000L)」は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項12における「前記第2のバイオプロセス容器は、50リットル~10,000リットルの商業容積である」との記載を踏まえると、本件補正発明における「商業生産」の「規模」に相当するといえる。 c そして、引用発明の「ベンチスケール(3L)、パイロットスケール(50L及び200L)及び臨床スケール(1000L及び2000L)バイオリアクタを含むバイオリアクタの製品群」は、「バイオリアクタの製品群のスケーラビリティが実証されて」いることから(「Introduction」の第4段落)、前記a及びbも踏まえると、本件補正発明の「試験から商業生産に移行するための規模拡縮可能なバイオリアクタシステム」に相当する。 d したがって、本件補正発明と引用発明は、「試験から商業生産に移行するための規模拡縮可能なバイオリアクタシステム」の発明である点において一致する。 (イ) 構成A及びA1の観点 a 構成Aは「第1のバイオリアクタ」を備えることであって、構成A1は、「第1のバイオリアクタ」が「第1の端部、第2の端部、および側壁を有する第1のバイオプロセス容器」を備えることである。 b 引用発明における「3Lバイオリアクタ」は、本件補正発明における「第1のバイオリアクタ」に相当する。 c 引用発明における「3Lバイオリアクタ」の「槽」は、本件補正発明における「第1のバイオプロセス容器」に相当し、「全体高/直径比が1.8:1」であって、当該比が観念できる構造であるといえるから、本件補正発明における「第1の端部、第2の端部、および側壁」に相当する構成を備えることは明らかである。 d したがって、本件補正発明と引用発明は、構成A及びA1の点である次の点において一致する。 「第1の端部、第2の端部、および側壁を有する第1のバイオプロセス容器」を備える「第1のバイオリアクタ」を備える点。 (ウ) 構成A2の観点 a 構成A2は、「第1のバイオリアクタ」が「前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部と前記第2の端部との間に懸吊された第1の構成可能な混合アセンブリ」を備えることである。 b 構成A2等における「構成可能」の定義について、本願明細書の発明の詳細な説明には何ら記載されていない。 そこで、「構成可能」について、「構成」及び「可能」の組み合わせからなる用語であることを考慮して、「構成」に関連する何らかの設定や変更が「可能」であることを意味すると解釈して、以降の検討を行う。 c 引用発明における「3Lバイオリアクタ」は、「固定タンクの撹拌バイオリアクタ」であって(「Introduction」の第1段落)、「直径7.6cmのマリン型インペラがシャフト上に設けられ中央に位置して[いる]」(認定事項2、「Efficient Gas Transfer」の第4段落)から、本件補正発明における「前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部と前記第2の端部との間」に配置された「第1の」「混合アセンブリ」に相当する構成を備えているといえる。 d そうすると、本件補正発明と引用発明の構成A2の観点における一致点及び相違点は、それぞれ次の(a)及び(b)に示すとおりである。 (a) 構成A2の観点での一致点 「第1のバイオリアクタ」が「前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された第1の混合アセンブリ」を備える点。 (b) 構成A2の観点での相違点 「第1のバイオリアクタ」が備える「第1の混合アセンブリ」が、 本件補正発明においては、「構成可能な」ものであって、その配置の態様が「懸吊された」ものであるのに対して、 引用発明においては、「直径7.6cmのマリン型インペラ」が「設けられ」る「シャフト」に係る構成であって、「構成可能な」ものではなく、またその配置の態様が「懸吊された」ものでもない点。 (エ) 構成A3の観点 a 構成A3は、「第1のバイオリアクタ」が「第1の直径を有する第1のインペラであって、前記第1の構成可能な混合アセンブリに第1の位置で取り付けられ、前記第1の直径および前記第1の位置は、一組の動作パラメータを達成するように選択されている、前記第1のインペラ」を備えることである。 b 引用発明における「3Lバイオリアクタ」の「直径7.6cmのインペラ」は、本件補正発明における「第1の直径を有する第1のインペラ」に相当する。 c そして、引用発明において「直径7.6cmのインペラがシャフト上に設けられ」ることは、前記(ウ)cを踏まえると、本件補正発明において「第1の構成可能な混合アセンブリに第1の位置で取り付けられ」ることと、「第1の混合アセンブリに第1の位置で取り付けられ」る点において共通する。 d(a) 引用発明における「単位体積当たりの非通気時の動力値」及び「先端速度」は、本件補正発明における「一組の動作パラメータ」に相当する。 (b) そして、引用発明における「3Lバイオリアクタ」は、「単位体積当たりの非通気時の動力値」及び「先端速度」について、それぞれ、次に示すi)、ii)又はiii)のパラメータ条件で動作するから、「3Lバイオリアクタ」の「直径7.6cmのインペラ」の直径及び位置は、当該パラメータ条件を達成できる直径及び位置であるといえる。 i) 「1W/m3」及び「0.3m/s」 ii) 「10W/m3」及び「0.7m/s」 iii) 「20W/m3」及び「0.9m/s」 (c) そうすると、引用発明における「3Lバイオリアクタ」の「直径7.6cmのインペラ」は、本件補正発明における「前記第1の直径および前記第1の位置は、一組の動作パラメータを達成するように選択されている」に相当する構成を備えるといえる。 e 前記b~dの検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明の構成A3の観点における一致点及び相違点は、それぞれ次の(a)及び(b)に示すとおりである。 (a) 構成A3の観点での一致点 「第1の直径を有する第1のインペラであって、前記第1の混合アセンブリに第1の位置で取り付けられ、前記第1の直径および前記第1の位置は、一組の動作パラメータを達成するように選択されている、前記第1のインペラ」を備える「第1のバイオリアクタ」を備える点。 (b) 構成A3の観点での相違点 本件補正発明においては、第1の混合アセンブリが「構成可能な」ものであるのに対して、 引用発明においては、第1の混合アセンブリに相当する構成は「構成可能な」ものではない点。 (オ) 構成Bの観点 a 構成Bは「前記一組の動作パラメータに整合するように選択された第1の位置において、前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部に固着される第1のスパージャ」を備えることである。 b 引用発明における「3Lバイオリアクタ」の「焼結ポリエチレンのマイクロスパージャ」(「Efficient Gas Transfer」の第4段落)は、本件補正発明における「第1のスパージャ」に相当する。 c 引用発明における「焼結ポリエチレンのマイクロスパージャ」は、「通気」に用いられるものであり、「3Lバイオリアクタ」の「槽」の内部に位置することは明らかである。 d 前記cに加え、前記(エ)dにおける検討結果及び引用発明が「五つのバイオリアクタ間でスケーラブルなKLa値を実証することができるものであ[る]」ことも踏まえると、引用発明において「3Lバイオリアクタ」の「焼結ポリエチレンのマイクロスパージャ」が「インペラの側方に離れて位置する」ことは、本件補正発明において「第1のスパージャ」が「前記一組の動作パラメータに整合するように選択された第1の位置において、前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部に固着される」ことに相当する。 e そうすると、本件補正発明と引用発明は、構成Bの点である次の点において一致する。 「前記一組の動作パラメータに整合するように選択された第1の位置において、前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部に固着される第1のスパージャ」を備える点。 (カ) 構成C及びC1の観点 a 構成Cは「第2のバイオリアクタ」を備えることであって、構成C1は、「第2のバイオリアクタ」が「第1の端部、第2の端部、および側壁を有する第2のバイオプロセス容器であって、前記第1のバイオプロセス容器と同じ容積ではない、第2のバイオプロセス容器」を備えることである。 b 引用発明における「50Lバイオリアクタ」は、本件補正発明における「第2のバイオリアクタ」に相当する。 c 引用発明における「ステンレス鋼容器内で使用される膨張可能な撹拌タンクのFlexwareアセンブリ」は、「全体高/直径比」が観念できる形状で使用されるものであるから、本件補正発明における「第1の端部、第2の端部、および側壁を有する第2のバイオプロセス容器」に相当する。 d そして、引用発明において、「3Lバイオリアクタ」の「槽」と、「50Lバイオリアクタ」の「Flexwareアセンブリ」の容積が異なることは明らかである。 e したがって、本件補正発明と引用発明は、構成C及びC1の点である次の点において一致する。 「第1の端部、第2の端部、および側壁を有する第2のバイオプロセス容器であって、前記第1のバイオプロセス容器と同じ容積ではない、第2のバイオプロセス容器」を備える「第2のバイオリアクタ」を備える点。 (キ) 構成C2の観点 a 構成C2は、「第2のバイオリアクタ」が「前記第2のバイオプロセス容器の前記第1の端部と前記第2の端部との間に懸吊された第2の構成可能な混合アセンブリ」を備えることである。 b 引用発明における「50L」の「大規模バイオリアクタ」は、バイオリアクタ内に「傾斜翼のインペラ」の設置に関する構成を備えることが明らかであるから(「Efficient Gas Transfer」の第4段落)、本件補正発明における「前記第2のバイオプロセス容器の前記第1の端部と前記第2の端部との間」に配置された「第2の」「混合アセンブリ」に相当する構成を備えているといえる。 c そうすると、本件補正発明と引用発明の構成A2の観点における一致点及び相違点は、それぞれ次の(a)及び(b)に示すとおりである。 (a) 構成C2の観点での一致点 「第2のバイオリアクタ」が「前記第2のバイオプロセス容器の前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された第2の混合アセンブリ」を備える点。 (b) 構成C2の観点での相違点 「第2のバイオリアクタ」が備える「第2の混合アセンブリ」が、 本件補正発明においては、「構成可能な」ものであって、またその配置の態様が「懸吊された」ものであるのに対して、 引用発明においては、「傾斜翼のインペラ」の設置に関する構成であって、「構成可能な」ものではなく、その配置の態様が「懸吊された」ものでもない点。 (ク) 構成C3の観点 a 構成C3は、「第2のバイオリアクタ」が「前記第1の直径と同じではない第2の直径を有する第2のインペラであって、前記第2の構成可能な混合アセンブリに第2の位置で取り付けられ、前記第2の直径および前記第2の位置は、前記一組の動作パラメータに整合するように選択され、前記一組の動作パラメータは1容積当たりの動力およびインペラ先端速度を含む、前記第2のインペラ」を備えることである。 b 引用発明における「50Lバイオリアクタ」の「直径10.9cmのインペラ」は、本件補正発明における「前記第1の直径と同じではない第2の直径を有する第2のインペラ」に相当する。 c 引用発明において、「直径10.9cmのインペラ」が、「50Lバイオリアクタ」において「底部に取り付けられ」たものであることは、本件補正発明において「第2のインペラ」が「前記第2の」「混合アセンブリに第2の位置で取り付けられ」ることに相当する。 d(a) 引用発明における「単位体積当たりの非通気時の動力値」及び「先端速度」は、本件補正発明における「1容積当たりの動力およびインペラ先端速度を含む」「一組の動作パラメータ」に相当する。 (b) そして、引用発明における「50Lバイオリアクタ」は、「単位体積当たりの非通気時の動力値」及び「先端速度」について、それぞれ、「1W/m3」及び「0.3m/s」、「10W/m3」及び「0.7m/s」、「20W/m3」及び「0.9m/s」のパラメータ条件で動作するものであり、前記(エ)d(b)も踏まえると、「50Lバイオリアクタ」の「直径7.6cmのインペラ」の直径及び位置は、本件補正発明における「前記一組の動作パラメータに整合するように選択され」に相当する構成を備えるといえる。 e したがって、本件補正発明と引用発明は、構成C3の観点において次の(a)の点において一致し、後記(b)の点において相違する。 (a) 構成C3の観点での一致点 「前記第1の直径と同じではない第2の直径を有する第2のインペラであって、前記第2のバイオプロセス容器内の第2の位置で取り付けられ、前記第2の直径および前記第2の位置は、前記一組の動作パラメータに整合するように選択され、前記一組の動作パラメータは1容積当たりの動力およびインペラ先端速度を含む、前記第2のインペラ」を備える「第2のバイオリアクタ」を備える点。 (b) 構成C3の観点での相違点 「前記第2の混合アセンブリ」が、 本件補正発明においては、「構成可能な」ものであるのに対して、 引用発明においては、構成可能なものではない点。 (ケ) 構成Dの観点 a 構成Dは「前記一組の動作パラメータに整合するように選択され且つ前記第1の位置とは同一でない第2の位置において、前記第2のバイオプロセス容器の前記第2の端部に固着される第2のスパージャ」を備えることである。 b 引用発明における「50Lバイオリアクタ」の「膜状ポリエチレンのマイクロスパージャ」は、本件補正発明における「第2のスパージャ」に相当する。 c 引用発明において「膜状ポリエチレンのマイクロスパージャ」が「インペラの直下に位置」することは、前記(オ)d及び(ク)d(b)の検討結果並びに引用発明が「五つのバイオリアクタ間でスケーラブルなKLa値を実証することができるものであ[る]」ことを踏まえると、本件補正発明において「第2のスパージャ」が「前記一組の動作パラメータに整合するように選択され且つ前記第1の位置とは同一でない第2の位置において、前記第2のバイオプロセス容器の前記第2の端部に固着される」こととに相当する。 d したがって、本件補正発明と引用発明は、構成Dの点である次の点において一致する。 「前記一組の動作パラメータに整合するように選択され且つ前記第1の位置とは同一でない第2の位置において、前記第2のバイオプロセス容器の前記第2の端部に固着される第2のスパージャ」を備える点。 (コ) 構成Eの観点 a 構成Eは「前記第1および第2のバイオプロセス容器は、長方形の形状であり、前記第1および第2の構成可能な混合アセンブリは、バルク流体流を増加させるために中心軸からオフセットされている」ことである。 b 引用発明は、本件補正発明の構成Eに相当する構成を備えていないから、本件補正発明と引用発明は、次の点において相違する。 本件補正発明においては、「前記第1および第2のバイオプロセス容器」の形状は、「長方形の形状」であり、 「前記第1および第2の構成可能な混合アセンブリは、バルク流体流を増加させるために中心軸からオフセットされている」のに対して、 引用発明においては、それぞれ「前記第1および第2のバイオプロセス容器」に相当する「3Lバイオリアクタ」の「槽」及び「50Lバイオリアクタ」の「Flexwareアセンブリ」は、「直径」を観念できる形状であり、 前記第1および第2の混合アセンブリは「構成可能」なものではなく、「バルク流体流を増加させるために中心軸からオフセットされている」ものであるのか否か不明である点。 イ 一致点及び相違点 前記アの対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、次の(ア)に示す一致点において一致し、後記(イ)に示す相違点において相違すると認められる。 (ア) 一致点 「試験から商業生産に移行するための規模拡縮可能なバイオリアクタシステムであって、 第1の端部、第2の端部、および側壁を有する第1のバイオプロセス容器と、 前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された第1の混合アセンブリと、 第1の直径を有する第1のインペラであって、前記第1の混合アセンブリに第1の位置で取り付けられ、前記第1の直径および前記第1の位置は、一組の動作パラメータを達成するように選択されている、前記第1のインペラと、を備える第1のバイオリアクタと、 前記一組の動作パラメータに整合するように選択された第1の位置において、前記第1のバイオプロセス容器の前記第1の端部に固着される第1のスパージャと、 第1の端部、第2の端部、および側壁を有する第2のバイオプロセス容器であって、前記第1のバイオプロセス容器と同じ容積ではない、第2のバイオプロセス容器と、 前記第1の直径と同じではない第2の直径を有する第2のインペラであって、前記第2の混合アセンブリの第2の位置で取り付けられ、前記第2の直径および前記第2の位置は、前記一組の動作パラメータに整合するように選択され、前記一組の動作パラメータは1容積当たりの動力およびインペラ先端速度を含む、前記第2のインペラと、を備える第2のバイオリアクタと、 前記一組の動作パラメータに整合するように選択され且つ前記第1の位置とは同一でない第2の位置において、前記第2のバイオプロセス容器の前記第2の端部に固着される第2のスパージャと、を備える、 バイオリアクタシステム」の発明である点。 (イ) 相違点 a 部分相違点1 前記第1および第2のバイオプロセス容器の形状が、 本件補正発明においては、「長方形の形状」であるのに対して、 引用発明においては、「直径」を観念できる形状である点。 b 部分相違点2 前記第1および第2の混合アセンブリが、 本件補正発明においては、「バルク流体流を増加させるために中心軸からオフセットされている」のに対して、 引用発明においては、「バルク流体流を増加させるために中心軸からオフセットされている」ものであるのか否か不明である点。 c 部分相違点3 「第1のバイオリアクタ」が備える「第1の混合アセンブリ」及び「第2のバイオリアクタ」が備える「第2の混合アセンブリ」が、 本件補正発明においては、「構成可能な」ものであって、その配置の態様が「懸吊された」ものであるのに対して、 引用発明においては、「直径7.6cmのマリン型インペラ」が「設けられ」る「シャフト」に係る構成、及び、「傾斜翼のインペラ」の設置に関する構成であって、いずれも「構成可能な」ものでも「懸吊された」ものでもない点。 (5) 判断 ア 部分相違点1について 「レイアウトの都合上や邪魔板を用いないようにするために、撹拌槽の断面形状を長方形とすること」は、技術常識(技術常識1参照)であるから、引用発明において、技術常識1を踏まえて、「槽」及び「Flexwareアセンブリ」の断面形状として長方形を選択して、これにスケーラビリティに係る引用発明のコンセプトを適用し、前記部分相違点1に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、当業者にとっては、自明な設計変更にすぎない。 イ 部分相違点2について 「角型や円筒の撹拌槽において、撹拌翼の軸を撹拌槽の中心軸から偏心させること(「中心軸からオフセットすること」に相当する。)によって、偏心していない場合と比較して、より良好な混合が達成されること」は、当業者にとっては常套手段というべき技術常識(技術常識2参照)であるから、前記部分相違点1に係る設計変更を行うに際して、「前記第1および第2の混合アセンブリ」に相当する構成を「バルク流体流を増加させるために中心軸からオフセットされている」ものとして、前記部分相違点2に係る本件補正発明の構成を併せ備えるようにすることは、当業者にとっては、自明な設計事項にすぎない。 ウ 部分相違点3について (ア) 本件補正発明における「構成可能」について、前記(4)ア(ウ)bにおいて説示したとおり、「構成」に関連する何らかの設定や変更が「可能」であることを意味すると解釈する。 (イ)a 「バイオリアクタにおいて、インペラを取り付ける部材として、容器の上端と下端の間に吊り下げられた部材であって、インペラの高さを調節可能であったり、インペラを取り付ける位置や数を変更可能であるなど、何らかの設定や変更が可能である部材を用いること」は、周知の技術(周知技術1参照)である。 b そうすると、前記部分相違点1に係る設計変更をするに際して、混合アセンブリとして自明な選択肢である前記周知技術1に係る構成を採用し、前記部分相違点3に係る構成を備えるようにすることは、当業者が選択できる設計変更にすぎない。 エ 総合評価 前記ア~ウにおいて検討したとおり、引用発明において、前記部分相違点1~3に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、引用発明、周知技術1、技術常識1及び技術常識2に基づく自明の設計変更にすぎず、これらに基づいて当業者が容易に想到し得たことである。 そして、部分相違点1~3を総合的に勘案しても、本件補正発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本件補正発明は、引用発明、周知技術1、技術常識1及び技術常識2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 オ 請求人の主張について 請求人は、審判請求書において、引用文献3のFigure 1には、インペラを備えた駆動軸が中心軸からずれた位置に設けられたバイオリアクタが記載されているものの、引用文献3にはバルク流体流を増加させるように駆動軸を中心軸からオフセットさせることについて記載も示唆もされてないから、引用文献3に記載の発明によっては、本件補正発明のようにシステム内でバッフル効果を改善して、望ましい混合ターンオーバー(バルク流)を生成して、混合性能を改善できない旨を主張している。 しかしながら、(駆動軸の傾斜の有無によらず)駆動軸がバイオリアクタの中心軸からずれた位置に配置されている場合に、中心軸に配置されている場合と比較して混合性能を改善できることは、技術常識であって、常套手段にすぎないから(前記技術常識2参照)、当業者がかかる技術常識を認識できない旨の請求人の主張は採用できない。 カ 独立特許要件の判断のまとめ 以上検討のとおり、本願補正発明は、引用発明、周知技術1、技術常識1及び技術常識2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合しない。 4 本件補正の却下の決定の理由のむすび 前記3(5)カのとおり、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明について 本件補正は、前記第2のとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の本願発明に対する拒絶の理由のうち理由2(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。 理由2(進歩性の欠如) 本願発明は、最先の優先日前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、最先の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.Scalability of the Mobius(R) Single-use Bioreactors、Millipore Filtration、Separation & Preparation、Application Note、2016年10月、p.1~8(主たる引用文献) 3 各引用文献に記載された事項及び引用発明の認定等 引用文献1に記載された事項、引用文献1の記載から読み取れる事項及び引用発明の認定は、前記第2の3(2)のア~ウに示したとおりである。 また、周知技術1の認定は、前記第2の(3)イ(エ)において示したとおりである。 4 対比・判断 (1) 本願発明は、前記第2の2において検討したとおり、本件補正発明から「第1のバイオプロセス容器」及び「第2のバイオプロセス容器」に関する「長方形の形状」との限定、及び、「第1の構成可能な混合アセンブリ」及び「第2の構成可能な混合アセンブリ」に関する「バルク流体流を増加させるために中心軸からオフセットされている」との限定を省いたものである。 (2) そうすると、前記第2の3(4)アの対比分析における検討結果も踏まえて、本願発明と引用発明を対比すると、本願発明と引用発明の相違点は前記部分相違点3のみであり、両者はその余の点において一致する。 (3) 前記第2の3(5)ウにおいて説示したとおり、引用発明において、前記周知技術1に係る構成を採用し、前記部分相違点3に係る構成を備えるようにすることは、当業者が容易に行うことのできる設計変更にすぎない。 そして、本願発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 (4) したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-009969

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