商標拒絶査定不服審判
2023-009234
ツキシマモンジャオコノミヤキテッパン、ツキシマモンジャオコノミヤキ、モンジャオコノミヤキ、テッパン、ツキシマオコノミヤキ
- 審判番号
- 2023-009234
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-098334
- 請求日
- 2023年06月06日
- 審決日
- 2024年02月14日
- 公報発行日
- 2024年05月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ヴァントラスト
- 【請求人代理人】影山 剛士
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 田中 瑠美
- 分類
- T18 .261-Z (W3043) / T18 .262-Z (W3043) / T18 .263-Z (W3043) / T18 .264-Z (W3043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022- 98334拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年8月25日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年11月21日付け:拒絶理由通知書
令和5年 1月30日 :意見書の提出
令和5年 3月29日付け:拒絶査定
令和5年 6月 6日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第30類「お好み焼き,もんじゃ焼き,穀物調製品,穀物の加工品,お好み焼きソース,パスタ,パスタソース,パスタ用調味料,即席ラーメンのめん,ラーメン用の調味料,ラーメン用スープ,調味料及び香辛料,スープ用調味料(香精油を除く),菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,穀物を主原料とするスナック食品,弁当,ラビオリ,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,調理済みラーメン」及び第43類「飲食物の提供,ケータリング(飲食物),飲食物の提供に関する指導・助言及び情報の提供」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(5)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2530083号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
指定商品:第30類に属する商標登録原簿に記載の商品(平成15年9月24日書換登録後、平成25年3月12日に存続期間の更新登録がされた商品)
登録出願日:平成元年 2月14日
設定登録日:平成5年 4月28日
(2)登録第5125530号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成: 鉄板 (標準文字)
指定商品:第29類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:平成19年 1月23日
設定登録日:平成20年 4月 4日
(3)登録第5143391号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成: 鉄板 (標準文字)
指定商品:第30類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:平成19年 1月23日
設定登録日:平成20年 6月20日
(4)登録第6127956号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成: テッパン (標準文字)
指定役務:第35類及び第43類に属する商標登録原簿に記載の役務
登録出願日:平成30年 3月30日
設定登録日:平成31年 3月 8日
(5)登録第6373929号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
指定商品及び指定役務:第29類及び第43類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日:令和 2年11月25日
設定登録日:令和 3年 4月 6日
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上部中央に、内接する3つの円を組み合わせ、朱色の模様を施した図形(以下「図形部分」という。)を、その下にやや小さく「月島もんじゃ・お好み焼き」の文字を、その下に筆文字風の太い文字で大きく顕著に表された「てっぱん」の文字及びその右下に小さい落款のような赤い図形を、さらにその下に、1文字目がやや図案化されているものの、上記「てっぱん」の文字の直下に小さく表されている構成、態様から、容易に「TEPPAN」を表したものと把握され得る文字をそれぞれ配した構成よりなるところ、図形部分と各文字部分とは、相互に一定の間隔を空けて、重なり合うことなく、独立して表されていることから、視覚上分離して看取し得るものである。
また、本願商標の文字部分のうち、筆文字風の太い文字で顕著に大きく表された「てっぱん」の文字部分は、外観上、最も強く看者の注意を引くものといえ、自他商品・役務の識別標識として強く支配的な印象を与えることに加え、その右下に配された落款のような赤い図形部分は、特定の文字を表したものと認識することはできないものであって、「てっぱん」の文字部分と一体となって特定の文字又は事物を表すものと認識されるというべき事情は認められないものである。
そして、「てっぱん」の文字の上にやや小さく書された「月島もんじゃ・お好み焼き」の文字部分は、本願の指定商品・役務との関係においては、商品の品質(内容)、役務において主として提供される飲食物を表すにすぎず、自他商品・役務の識別標識としての機能がないか又は極めて弱いものといえるものであるから、出所識別標識としての称呼及び観念を生じないものというのが相当である。
そうすると、本願商標は、「てっぱん」の文字部分及びその読み方を欧文字で表したと思しき「TEPPAN」の文字部分に相応して「テッパン」の称呼を生じ、「てっぱん」及び「TEPPAN」の文字部分からは、「鉄の板」(出典:株式会社岩波書店「広辞苑第七版」)を意味する「鉄板」を容易に想起させることから、「鉄板」の観念を生じるものである。
イ 引用商標1ないし5について
引用商標1は、「てっぱん」の平仮名と「鉄板」の漢字を上下二段に表してなり、引用商標2及び3は、「鉄板」の漢字を標準文字で表してなるところ、引用商標1ないし3からは、それぞれの構成文字に相応して、「テッパン」の称呼を生じ、「鉄板」の観念を生じるものである。
引用商標4は、「テッパン」の片仮名を標準文字で表してなるところ、当該文字に相応して、「テッパン」の称呼を生じ、当該文字からは、「鉄板」を容易に想起させることから、「鉄板」の観念を生じるものである。
引用商標5は、左上部に「焼とり」の文字を配し、その下にやや右上がりの太文字で「てっぱん」の文字を表し、さらにその右下部に、「夏一生」の印影と思しき赤い図形と「一生夏」と書された文字を配した構成よりなるものである。
そして、引用商標5の構成中、「てっぱん」の文字部分は、その他の文字や図形に比べ、中央の位置に太字で大きく顕著に表されており、視覚上、強く支配的な印象を与えることから、要部として独立して、自他商品の識別標識として機能を有するものといえる。
そうすると、引用商標5は、「てっぱん」の文字部分から「テッパン」の称呼を生じ、当該文字部分からは、「鉄板」を容易に想起させることから、「鉄板」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標1ないし5との類否について
本願商標と引用商標1ないし5とを比較するに、まず外観については、全体としては図形部分の有無や文字構成等の相違があり、さらに、本願商標の要部と引用商標1ないし5の要部又は構成文字を比較すると、引用商標1ないし4とは文字種を異にするものの、引用商標5の要部とは構成文字「てっぱん」を共通にするものであって、いずれも「鉄板」の語を表すものである。そして、商標の使用において、その構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記されることが一般的に行われている取引の実情があることに鑑みれば、両者における文字種の相違が、取引者、需要者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないものである。
また、称呼については、本願商標の要部と引用商標1ないし5の要部又は構成文字からは、いずれも「テッパン」の称呼を生じるものであるから、称呼を共通にするものであり、観念については、両商標はいずれも「鉄の板」を意味する「鉄板」の観念を生じるものであるから、観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標1ないし5とは、全体の外観においては図形部分の有無等の相違があるものの、本願商標の要部と引用商標1ないし5の要部又は構成文字との対比においては、その外観上の差異が強い印象を与えるとまではいえないものであり、また、両商標は称呼及び観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
エ 本願の指定商品及び指定役務と引用商標1ないし5の指定商品及び指定役務との類否について
本願の指定商品及び指定役務は、引用商標1の指定商品中の第30類「米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」、引用商標2の指定商品中の第29類「カレー・シチュー又はスープのもと」、引用商標3の指定商品中の第30類「菓子及びパン,調味料,香辛料,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ」、引用商標4の指定役務中の第43類「飲食店の予約の取次ぎ及びこれに関する情報の提供,飲食店の予約状況に関する情報の提供,レストラン等の飲食店の人気ランキングに関する情報の提供」、引用商標5の指定商品及び指定役務中の第29類「カレー・シチュー又はスープのもと」及び第43類「飲食物の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供」と同一又は類似の商品及び役務である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は、引用商標1ないし5と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品及び指定役務は、引用商標1ないし5の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標から生じる「ツキシマモンジャオコノミヤキテッパン」の称呼は冗長でなく、よどみなく一気に称呼し得るものであって、本願商標は、まとまりよく一体的に表示された構成態様から、全体として一体不可分であり、特定の意味を観念し得ない一種の造語と認識・把握されるものであると主張する。
しかしながら、上記(1)アで述べたとおり、本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなるところ、図形部分を除く文字部分のうち、筆文字風の太い文字で顕著に大きく表された「てっぱん」の文字部分が、外観上、最も強く看者の注意を引くものといえ、自他商品・役務の識別標識として強く支配的な印象を与えることに加え、その上にやや小さく書された「月島もんじゃ・お好み焼き」の文字部分は、本願の指定商品・役務との関係においては、商品の品質(内容)、役務において主として提供される飲食物を表すにすぎず、自他商品・役務の識別標識としての機能がないか又は極めて弱いものといえるものであるから、出所識別標識としての称呼及び観念を生じないものというのが相当であり、本願商標からは、「てっぱん」の文字部分及びその読み方を欧文字で表したと思しき「TEPPAN」の文字部分に相応して「テッパン」の称呼及び「鉄板」の観念を生じるものというべきである。
イ 請求人は、引用商標4が指定する第43類の役務「飲食店の予約の取次ぎ及びこれに関する情報の提供,飲食店の予約状況に関する情報の提供,レストラン等の飲食店の人気ランキングに関する情報の提供」については、本願商標の第43類の指定役務「飲食物の提供,ケータリング(飲食物),飲食物の提供に関する指導・助言及び情報の提供」とその内容が実質的に異なり、非類似の役務である旨主張する。
しかしながら、指定商品又は指定役務が類似のものであるかどうかは、商品又は役務が、通常、同一営業主により製造若しくは販売又は提供されている等の事情により、それらの商品又は役務に同一又は類似の商標を使用する場合には、同一営業主の製造若しくは販売又は提供に係る商品又は役務と誤認されるおそれがあると認められる関係があるか否かによって判断すべきである(最高裁昭和33年(オ)第1104号、知財高裁平成27年(行ケ)第10096号参照)旨判示されているところ、本願に係る指定役務「飲食物の提供,ケータリング(飲食物),飲食物の提供に関する指導・助言及び情報の提供」と、引用商標4に係る指定役務中「飲食店の予約の取次ぎ及びこれに関する情報の提供,飲食店の予約状況に関する情報の提供,レストラン等の飲食店の人気ランキングに関する情報の提供」については、いずれも飲食店における飲食物の提供に係る役務を目的とするものであって、その役務の提供の目的、業種及び需要者の範囲が一致するものである。
上記を踏まえると、これらの指定役務に同一又は類似する商標が使用された場合には、同一営業主の提供に係る役務と誤認されるおそれがあると認められる関係にあるから、両者は類似の役務であるというのが相当である。
ウ 請求人は、過去の登録例を挙げ、これらの登録が併存していることからしても、本願商標は登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる登録例と本願商標とは、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標1ないし5の類否については上記(1)ウにおいてした判断のとおりであるから、これらの登録例をもって、上記判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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