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意匠拒絶査定不服審判

2023-003723

押しボタンスイッチ

審判番号
2023-003723
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2022-000587外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
1761599
請求日
2023年03月03日
審決日
2023年11月29日
公報発行日
2024年01月26日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
D18 .113-WY (H1-5)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
意匠法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

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意願2022- 587「押しボタンスイッチ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。

理由

理 由 第1 事案の概要 1 手続の経緯 本願は、令和4年1月14日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は、以下のとおりである。 令和4年 5月20日付け:拒絶理由通知(1回目)の送付 同 年 7月 4日 :拒絶理由通知(1回目)に対する意見書の提 出 同 年 7月 4日 :手続補正書の提出 同 年 7月15日付け:拒絶理由通知(2回目)の送付 同 年 8月29日 :拒絶理由通知(2回目)に対する意見書の提 出 同 年12月 1日付け:拒絶査定 令和5年 3月 3日 :審判請求書の提出 2 本願意匠の願書及び添付図面の記載 本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であって、本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「押しボタンスイッチ」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形状等」という。)を、願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「実線で表した部分が、意匠登録を受けようとする部分である。「A部分のB-B線拡大断面図」及び「A部分のC-C線拡大断面図」を含めて、意匠登録を受けようとする部分を特定している。」としたものである(別紙第1参照)。 3 原査定の拒絶の理由及び引用意匠 原審の令和4年7月15日付けの拒絶理由通知(2回目)に基づく原査定の拒絶の理由は、本願意匠が、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから、意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。 上記の拒絶理由通知において引用された意匠(以下「引用意匠」という。)は、以下の意匠である(別紙第2参照)。 引用意匠 特許庁発行の意匠公報記載 意匠登録第0718992号 (意匠に係る物品、ランプ付き押しボタンスイツチ)の意匠のうち、本願意匠の意匠登録を受けようとする部分に相当する部分 以下、本審決では、引用意匠において本願部分と対比する部分、すなわち、本願部分に相当する部分を、「引用部分」という。 第2 当審の判断 1 本願意匠と引用意匠の対比 (1)意匠に係る物品の対比 本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は、いずれもボタンを押下することにより、内蔵されている接点が開閉し、その開閉状態を発光により知らせることができる「押しボタンスイッチ」と認められるから、一致する。 (2)本願部分と引用部分の用途及び機能の対比 まず、本願部分と引用部分(以下「両部分」という。)は、押しボタンスイッチの上端部分に配した、ボタンを内設するフレームの部分(以下「フレーム部」という。)、及びそのフレーム部の内側に、先端部分がフレーム部より突出するように配した、操作ボタンのキートップの部分(以下「ボタン上部」という。)からなる構成のものである。 次に、両部分の各構成部分における用途及び機能を対比すると、以下のとおりである。 ア 両部分のフレーム部は、いずれも、操作盤等に押しボタンスイッチを取り付ける際の枠体として用いられるものであって、操作盤等に見栄えよくボタン部を取り付けて、ボタン部を保護する等の機能を有している。 イ 両部分のボタン上部は、いずれも、操作ボタンを押下する際に手指が接するボタンの上面部分として用いられるものであって、例えば、オルタネイト型スイッチの場合は、該部位を一度押下することで内部の接点が閉じてボタン上方部が発光しつづけ、さらにもう一度押下すると内部の接点が開いてボタン上方部の発光も消えるという機能を有していると認められる。 したがって、これら各構成部分における用途及び機能は一致するから、両部分の用途及び機能は一致するものである。 (3)両部分の位置、大きさ及び範囲の対比 両部分の意匠に係る物品の全体に対する位置及び大きさについては、いずれも、結線するための端子部を配した押しボタンスイッチを取り付けるための基台部分、及びその上部に配した押しボタンスイッチを操作するための本体部分からなる、押しボタンスイッチの上端部付近に位置し、人が手指で押下するために形成した押しボタンスイッチの操作ボタンの上面部付近の部分であることから、その位置及び大きさは一致するものである。 一方、両部分の意匠に係る物品の全体に対する範囲については、押しボタンスイッチを構成する基台部分及び本体部分の態様が異なるため相違するものである。 (4)両部分の形状等の対比 両部分の形状等を対比すると、その形状等には、主として以下の共通点及び相違点が認められる。 ア 形状等の共通点 (共通点1)両部分は、全体を、押しボタンスイッチの上端部分にフレーム部を配し、その内側部分に、フレーム部から突出してボタン上部を配した構成とした点が共通する。 (共通点2)両部分は、フレーム部の形状を、正面視が正方形状で、外周部分が背面側に向かって僅かに漸次拡がるように形成した、正面側上端部分が空いた中空の略直方体形状としたものである点が共通する。 (共通点3)両部分は、ボタン上部の形状を、正面視が正方形状の略直方体形状としたものであり、フレーム部の開口部分に僅かな隙間を設けて配設した点が共通する。 イ 形状等の相違点 (相違点1)本願部分のフレーム部の正面側上端部の形状は、内側に下降傾斜する傾斜面とし、その外周側及び内周側角部分には、断面視略円弧状の面取りを施しているのに対し、引用部分のフレーム部の正面側上端部の形状は、奥行きに対して垂直な平坦面としている点で、両意匠は相違する。 (相違点2)本願部分のフレーム部は、正面側から見た縦横奥行きの比率を、約2:2:1としているのに対し、引用部分のフレーム部は、正面から見た縦横奥行きの比率を、約:2.3:2.3:1としている点で、両意匠は相違する。 (相違点3)本願部分のボタン上部の突出部分の高さは、フレーム部の奥行きの約1/3としているのに対し、引用部分のボタン上部の突出部分の高さは、フレーム部の奥行きの約1/2としている点で、両意匠は相違する。 (相違点4)本願部分のボタン上部の上面部分の形状は、断面視において略凹曲面形状となるようにごく僅かに窪んだ形状としているのに対し、引用部分のボタン上部の上面部分の形状は、平坦面となるように形成している点で、両意匠は相違する。 2 両意匠の類否判断 (1)意匠に係る物品の類否判断 両意匠の意匠に係る物品は、同一である。 (2)両部分の用途及び機能の類否判断 両部分の用途及び機能は、同一である。 (3)両部分の位置、大きさ及び範囲の評価 両部分の位置及び大きさは、同一であると認められる。 また、両部分の意匠に係る物品全体に対する範囲は、押しボタンスイッチを構成する基台部分及び本体部分の態様が異なるため相違するが、この相違は当該意匠の属する分野において特段特徴のあるものではなく、ありふれた範囲内のものであるから、両部分の類否判断に影響を与える程のものではない。 (4)両部分の形状等の類否判断 ア 共通点の評価 (共通点1)は、部分全体の構成に係るものであるが、この種物品において、このような構成のものは既に存在するものであって、両意匠のみに認められる格別の特徴とはいえないから、この(共通点1)が部分全体の美感に与える影響は小さい。 (共通点2)は、フレーム部の形状に係るものであるが、四角形型の押しボタンスイッチの形状において、正面視が正方形状で、正面側上端部分が空いた中空の略直方体形状としたものは、外周部分が背面側に向かって僅かに漸次拡がるように形成した点も含め、既に見られるものであって、両意匠のみに認められる格別の特徴であるとはいえないから、この(共通点2)が部分全体の美感に与える影響は小さい。 (共通点3)は、ボタン上部の形状に係るものであるが、四角形型の押しボタンスイッチの形状において、正面視が正方形状の略直方体形状としたものは、ボタン上部をフレーム部の開口部分に僅かな隙間を設けて配設した点も含め、既に見られるものであって、両意匠のみに認められる格別の特徴であるとはいえないから、この(共通点3)が部分全体の美感に与える影響は小さい。 イ 相違点の評価 (相違点1)の、フレーム部の正面側上端部の形状の相違については、本願部分の形状は、従来にはない内側に下降傾斜した傾斜面からなり、フレーム部の形状としては特徴的で独特のものであるとの印象を与えるのに対し、引用部分の形状は、従来からごく普通に見られる正方形枠状の平坦面からなり、ありふれたものであるとの印象を与えるから、需要者に別異の印象を起こさせるこの(相違点1)が、部分全体の類否判断に与える影響は大きい。 (相違点2)の、フレーム部の正面側から見た縦横奥行きの比率、及び(相違点3)の、フレーム部の奥行きに対するボタン上部の突出部分の高さの比率の相違については、両部分の構成比率は、四角形型の押しボタンスイッチの構成比率としては、特段特徴のあるものではないが、本願部分のものは、奥行きのあるフレーム部からボタン部が僅かに突出した押しボタンスイッチであるとの印象を与えるのに対し、引用部分のものは、奥行きのあまりないフレームからボタン部が大きく突出した押しボタンスイッチであるとの印象を与えるから、需要者に一定程度別異の印象を起こさせるこの(相違点2)及び(相違点3)が、部分全体の類否判断に与える影響は一定程度ある。 (相違点4)の、ボタン上部の上面部分の形状の相違については、凹曲面の陥没の程度が極めて小さく、断面図で拡大して確認しない限り平坦面とほぼ変わらない形状として需要者が認識するものであって、部分全体として観察する際には、両部分の形状等の共通性に埋没する程度の僅かな相違でしかないから、この(相違点4)が、部分全体の類否判断に与える影響は小さい。 ウ 両部分の形状等の類否判断 両部分の形状等における共通点及び相違点についての個別評価に基づき、両部分を部分全体として総合的に観察した場合、両部分は、フレーム部の正面側上端部の形状の相違が、部分全体の類否判断に大きな影響を与え、フレーム部の縦横奥行きの比率やフレーム部の奥行きに対するボタン上部の突出部分の高さの比率の相違が、部分全体の類否判断に一定の影響を与えるのに対し、両部分の部分全体の構成態様や中空の略直方体形状としたフレーム部の概括的な形状及び略直方体形状としたボタン上部の概括的な形状の共通性が、部分全体の美感に与える影響はいずれも小さいものであるから、これらの共通点が相俟っても部分全体の類否判断に与える影響は、上記相違点が類否判断に与える影響を覆すには至らず、本願部分の形状等と引用部分の形状等は類似しないものである。 (5)小括 以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が同一であり、両部分の用途及び機能、並びに位置及び大きさも同一であり、両部分の範囲の相違も両部分の類否判断に影響を与える程のものではないが、両部分の形状等において、類似しないものであるから、本願意匠と引用意匠は類似しないものである。 第3 むすび 上記のとおりであって、本願意匠は、引用意匠に類似せず、意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当しないものである。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-003723

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