特許拒絶査定不服審判
2023-002749
発光ダイオードパッケージ
- 審判番号
- 2023-002749
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-113526
- 請求日
- 2023年02月17日
- 審決日
- 2024年08月05日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ソウル セミコンダクター カンパニー リミテッド
- 【請求人代理人】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
- 審判長/審判官
- 審判長 山村 浩
- 審判官 松川 直樹
- 審判官 吉野 三寛
- 分類
- P18 .121-Z (H01L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-113526号「発光ダイオードパッケージ」拒絶査定不服審判事件〔平成31年3月7日出願公開、特開2019-36713号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)6月14日(パリ条約による優先権主張 2017年8月21日 韓国、2018年1月12日 韓国)の出願であって、その手続の概要は、以下のとおりである。
令和4年 3月16日付け:拒絶理由通知書
同年 8月22日 :意見書、手続補正書の提出
同年10月12日付け:拒絶査定
令和5年 2月17日 :審判請求書、手続補正書(以下、この手続補正書による補正を「本件補正」という。)の提出
第2 本願発明の認定
本願の請求項に係る発明(以下、その請求項1に係る発明を「本願発明」という。)は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~18に記載された事項によって特定されるものと認められるところ、その請求項1の記載は次のとおりである(下線は本件補正による補正箇所である。)。
「【請求項1】
一つ以上の発光ダイオードチップと、
前記一つ以上の発光ダイオードチップが実装され、前記一つ以上の発光ダイオードチップから放出された光が外部に放出されるように少なくとも一面が開放されたハウジングと、
前記ハウジングにおいて前記光が放出される第1面の反対側に設けられた第2面に配置され、前記一つ以上の発光ダイオードチップと電気的に接続された複数のパッドと、を含み、
前記ハウジングは、前記複数のパッドが配置された第2面と隣接した他の第3面に複数の溝が形成され、
前記一つ以上の発光ダイオードチップは、光を放出する発光構造体、及び前記発光構造体とそれぞれ電気的に接続された第1電極及び第2電極を含み、
前記一つ以上の発光ダイオードチップは二つ以上であり、
前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち一つの第1電極は、複数のパッドのうち一つと前記ハウジングに形成されたビアホールに充填された導電性物質によって電気的に接続され、
前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち他の一つの第2電極は、前記複数のパッドのうち他の一つと前記ハウジングに形成されたビアホールに充填された導電性物質によって電気的に接続され、
前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記一つの第1電極と前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記他の一つの第2電極は互いに電気的に接続され、
前記第1電極及び前記第2電極は、前記第2面側に設けられ、
前記第1電極に接続されるビアホールおよび前記第2電極に接続されるビアホールは、前記ハウジングのうち前記発光ダイオードチップが実装された位置の下部に配置される、発光ダイオードパッケージ。」
第3 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本件補正前の請求項1及び19に係る発明は、本願の最先の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に頒布された刊行物である、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という内容を含むものである。
引用文献1 特開2008-277782号公報
引用文献2 特開2015-220426号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3 特開2016-1697号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4 特開2015-207754号公報(周知技術を示す文献)
第4 引用文献の記載事項及び引用発明の認定
1 引用文献1に記載された事項
(1)原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1(特開2008-277782号公報)には、次の記載がある(下線は当審が付した。以下同じ。)。
ア 技術分野
「【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルのような薄型の表示体を側面から照射するのに適した発光素子及びその製造方法に関するものである。」
イ 第1実施形態
「【0055】
〔第1実施形態〕
本発明の一実施の形態について図1ないし図5および図38ないし図41を参照し以下に説明する。
【0056】
図1は、本実施の形態の発光素子500の一構成例を示す斜視図である。
【0057】
図2は、発光素子500の詳細な構成を示す断面図である。
【0058】
図3は、金属反射板502と、積層基板506を構成する各層とのエッチングパターン例を示している。図3中、(a)は第1層521を示し、(b)は第2層522を示し、(c)は第3層523を示し、(d)は第4層524を示し、(e)は第5層525を示し、(f)は第6層526を示し、(g)は第7層527を示し、(h)は第8層528を示している。
【0059】
本実施の形態に係る発光素子500は、図1に示すように、積層基板506に実装されたLEDチップ501と、該LEDチップ501の光出射方向に立設し、該LEDチップ501の周囲全体を取り囲むように上記実装面上に設けられ、上記LEDチップ501からの出射光を反射して、上記光出射方向に設けられた光出射面へと導く金属反射板502とを備え、上記実装面上における金属反射板502で囲まれた領域を充填するように透光性封止体510が形成されている。
【0060】
発光素子500は、携帯電話などの表示画面に設けられた液晶パネルの側面に光出射面が対向するように実装するように構成している。すなわち、発光素子500は、液晶パネルを側面から照射するバックライトとして用いるように構成している。
【0061】
LEDチップ501は、GaN系半導体材料等からなる半導体チップであり、発光面501aから青色光を発する。LEDチップ501は、発光面501aが上側になるように、後述するダイボンドエリア・電極共通部(第1電極部、実装面金属反射膜)507にダイボンドによって実装されている。そして、LEDチップ501は、発光面501aに、アノード電極とカソード電極とからなる電極端子(図示せず)を備えている。
【0062】
積層基板506は、実装面側から表面層503、中間層504、裏面層505が形成された積層構成を有している。積層基板506は、図2に示すように、2層構造の表面層503、3層構造の中間層504、2層構造の裏面層505からなる積層構造を有している。上記構成の積層基板506は、金属反射板502に積層され、金属反射板502と一体的に形成されている。
(・・・途中省略・・・)
【0064】
まず、表面層503の構成について説明する。
【0065】
表面層503は、実装面側から第2層522と第3層523とが積層された2層積層構造を有している。
【0066】
なお、第2層522の表面すなわち積層基板506の表面を、LEDチップ501が実装される実装面とする。
【0067】
第2層522(実装面)には、LEDチップ501に駆動電流を供給する電極端子として、LEDチップ501とそれぞれ接続されるダイボンドエリア・電極共通部(第1金属部)507とアイランド電極(第2金属部)508とが形成されている。また、アイランド電極508を、ダイボンドエリア・電極共通部507から電気的に絶縁するための絶縁部509が、アイランド電極508の外周を囲むように形成されている。
(・・・途中省略・・・)
【0079】
そこで、絶縁部509は、光入射側から、上記光反射性フィラーを含まない光反射性フィラー無添加樹脂層と、光反射性フィラーを含む光反射性フィラー添加樹脂層とが積層された積層構造を有していることが望ましい。ここで、エポキシ樹脂は光を吸収するため、上記光反射性フィラーを含まない光反射性フィラー無添加樹脂層をできるだけ薄く層状に形成し、その下層に光反射性フィラーを含む光反射性フィラー添加樹脂層を形成することが望ましい。
【0080】
ここで、絶縁部509の形成工程について図38ないし図41を参照し以下に説明する。まず、図38(a)に示すように、RCC樹脂(resin coated copper)と称されるCu箔509a上に、液体状のRCC樹脂を塗布して、少し固化させたペースト状の二酸化チタン無添加層(光反射性フィラー無添加樹脂層)509bを形成する。次に、図38(b)に示すように、二酸化チタン無添加樹脂層509b上に、上記液体状のRCC樹脂に二酸化チタンを添加したものを塗布して、同様に固化させたペースト状の二酸化チタン添加樹脂層(光反射性フィラー添加樹脂層)509cを形成する。二酸化チタン添加樹脂層509cを固化させた後、二酸化チタン添加樹脂層509c上にさらに二酸化チタン無添加樹脂層509bを形成し、図38(c)に示すような積層構造509dを形成する。
【0081】
上記の工程にて形成された積層構造509dを、さらに、図39に示すように、ダイボンドエリア・電極共通部(第1金属部)507とアイランド電極(第2金属部)508とが形成される金属板530の裏面(光入射面と反対側)に貼り付けて熱プレスにより金属板530と張り合わせる。
【0082】
図40に示すように、銅箔509aは、二酸化チタン無添加樹脂層509bと二酸化チタン添加樹脂層509cとが積層された積層構造509dの状態で表面が研磨され一部が導電層(Cuポスト層)509eとなる。
【0083】
酸化チタン等の光反射性フィラーを樹脂に添加する場合、液体状態のRCC樹脂に光反射性フィラーを混合するが、単層の樹脂中で光反射性フィラーはRCC樹脂との比重差で沈降するため、Cu箔509a側に沈み、光反射性フィラーを含む二酸化チタン添加樹脂層(反射性フィラー添加樹脂層)509cの位置を制御することは困難である。そこで、まず、導電層509eに接続される銅箔509a上に、二酸化チタン無添加樹脂層509bを形成し、二酸化チタン無添加樹脂層509b上に、上記光反射性フィラーを含む酸化チタン添加樹脂層(反射性フィラー添加層)509cを形成して固化させ、酸化チタン添加樹脂層509cの上に再度、上記光反射性フィラーを含まないRCC樹脂を塗布して酸化チタン無添加樹脂層(反射性フィラー無添加樹脂層)509bを形成することにより、搭載面表面に反射性フィラーを含ませないようにすることができる。このようにして形成したRCC樹脂を、上述の通り、ダイボンドエリア・電極共通部507とアイランド電極508が形成された金属板530の裏面に貼り付け、熱プレス加工することにより絶縁部509が形成される。この後、詳細な説明は省くが、絶縁部509の下層には、ダイボンドエリア・電極共通部507とアイランド電極508の電位が導電層509eを通じて、基板裏面側へ導通し、かつダイボンドエリア・電極共通部507とアイランド電極508との間で絶縁がとれるように導電層、樹脂層が平面状に配置された層が多層に積層され、貫通孔が開けられたガラエポ基板が貼り付けられ、貫通孔を通じて、導電層と通電するように裏面電極が設けられ、最終的に金属板の表面側をエッチングにより、絶縁部509が搭載面に露出するように反射板が形成される。
(・・・途中省略・・・)
【0092】
第3層523は、第2層522と後述する第4層524との間を電気的に接続するために設けられており、第2層522に絶縁部509を形成する際に、絶縁部509の接着度を高める機能も有している。
【0093】
上記接着層としての第3層523を介して他の部材と接着される界面近傍には、水分、空気との接触するのを避けるため、二酸化チタン等の光反射性フィラーを含まない構成とすることが望ましい。すなわち、上記接着層や他部材との界面は、水分、空気を溜めやすいので、光反射性フィラーは接触させないことが望ましい。また、二酸化チタンが添加される上記絶縁部509の樹脂としては、一般に、エポキシ樹脂など、大気などのガスをほとんど透過しない樹脂が使用される。このため、絶縁部509の樹脂内部に二酸化チタン添加樹脂層509cを設けることが特に好ましい。
【0094】
絶縁部509が形成されておらず、ダイボンドエリア・電極共通部507およびアイランド電極508が形成されたパターニング面では、ダイボンドエリア・電極共通部507およびアイランド電極508の外縁のみにエッチングされた厚み(段差)がある状態である。この場合、絶縁部509を形成するために上記厚みと同じ厚みの絶縁材を、パターニング面に貼り合わせプレスしても、接着面が平面であるので剥がれるおそれがある。
【0095】
そこで、第2層522のエッチングされた外縁よりも内側に、エッチングされた外縁を有する導電部531および導電部532を備える第3層523を追加することによって、絶縁部509との接触面積を増やし、絶縁部509の接着性を向上させている。
(・・・途中省略・・・)
【0097】
次に、中間層504の構成について説明する。
【0098】
中間層504は、実装面側から第4層524、第5層525、第6層526が積層された3層積層構造を有している。中間層504は、第3層523と、後述する第5層525および第6層526に形成された貫通孔515および貫通孔516に形成される各電極部とを電気的に接続するものである。
(・・・途中省略・・・)
【0103】
次に、裏面層505について説明する。
【0104】
裏面層505は、実装面側から第7層527と第8層528とが積層された2層積層構造を有している。第7層527および第8層528は、ガラエポ基板等の張り合わせ基材からなり、粘着テープ514aを用いて積層されている。
【0105】
第7層527および第8層528の2層構造の裏面層505には、貫通孔515および貫通孔516が形成されている。貫通孔515および貫通孔516は、それぞれ、ダイボンドエリア・電極共通部507に接続されたカソード電極、アイランド電極508に接続されたアノード電極に対して、配線を行う部分である。貫通孔515および貫通孔516は、それぞれダイボンドエリア・電極共通部507、アイランド電極508の下層側に設けられている。
(・・・途中省略・・・)
【0107】
これは、裏面電極(後述する裏面電極518および裏面電極519)と外部電極とを接続するために、はんだ付けを行う際、裏面電極においてアノード側とカソード側とで面積が異なり、熱容量に差が生じると、はんだの溶け具合に偏りが生じてしまい、はんだ付け不良が発生してしまうことに起因する。
(・・・途中省略・・・)
【0111】
また、第8層528の下面にも銅めっき517が形成される。そして、貫通孔515と貫通孔516との間の銅めっき517がエッチングされる。これにより、ダイボンドエリア・電極共通部507と電気的に接続される裏面電極518、およびアイランド電極508と電気的に接続される裏面電極519が形成される。裏面電極518および裏面電極519には、後述する金属反射板502の内周側の表面502aに銀めっき512を施す際に、銀めっき512が形成されている。
(・・・途中省略・・・)
【0147】
また、積層基板506の第8層528には、四隅に切り欠き539が設けられている。そして、この切り欠き539にも、銅めっき517が形成されている。
【0148】
上記の構成の場合、最終的に発光素子500をダイシングする際、切り欠き539に形成された銅めっき部分にもダイシングすることになる。それゆえ、切断された側面の銅めっき部分にバリが発生する。このため、バリから生じた金属ヒゲが、金属反射板502に接触してしまい、短絡が発生してしまうことがある。
【0149】
そこで、金属反射板502の外周面の最も大きい外縁を、切り欠き539の形成位置よりも内側に配置させることにより、上記のような短絡の発生を防止することができる。」
ウ 第2実施形態
「【0153】
〔第2実施形態〕
本発明の他の実施の形態について図6ないし図14および図23ないし図26に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお説明の便宜上、前記の実施形態の図面に示した部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0154】
本実施の形態の発光素子600は、第1実施形態の発光素子500が奏する効果に加えて、さらに光漏れ防止効果に優れ、また、積層基板606の積層数が削減された構成となっている。以下では、これらの効果を奏する構成および作用に重点をおいて説明する。
(・・・途中省略・・・)
【0174】
図7は、発光素子600の詳細な構成を示す断面図である。
【0175】
図8は、金属反射板502と、積層基板606の各層とのエッチングパターン例を示している。図8中、(a)は第1層621を示し、(b)は第2層622を示し、(c)は第3層623を示し、(d)は第4層624を示し、(e)は第5層625を示し、(f)は第6層626を示している。
【0176】
表面層603は、実装面側から、第2層622と第3層623とが積層された2層構造を有している。
【0177】
第2層622(実装面)には、LEDチップ501に駆動電流を供給する電極端子として、LEDチップ501とそれぞれ接続されるダイボンドエリア・電極共通部(第1金属部)607とアイランド電極(第2金属部)608とが形成されている。また、アイランド電極608を、ダイボンドエリア・電極共通部607から電気的に絶縁するための絶縁リング609が、アイランド電極608の外周を取り囲むように環状に形成されている。
(・・・途中省略・・・)
【0180】
第3層623は、第2層622と後述する第4層624とを電気的に接続するために設けられた層であり、第2層622に絶縁部を形成する際に、絶縁部609の接着度を高める機能も有している。
【0181】
上記接着層としての第3層623を介して他の部材と接着される界面近傍には、水分、空気との接触するのを避けるため、二酸化チタン等の光反射性フィラーを含まない構成とすることが望ましい。すなわち、接着層や他部材との界面は、水分、空気を溜めやすいので、光反射性フィラーは接触させないことが望ましい。また、二酸化チタンが添加される上記絶縁リング609の樹脂としては、一般に、エポキシ樹脂など、大気などのガスをほとんど透過しない樹脂が使用される。このため、絶縁リング609の樹脂内部に二酸化チタン添加樹脂層509cを設けることが特に好ましい。
【0182】
また、第3層623には、実装面に形成された各電極と、裏面電極とを電気的に接続するための導電部631および導電部632が形成されている。導電部631および導電部632は、第1実施形態の導電部531および導電部532と基本的に同様の構成を有している。導電部631および導電部632の形成領域は、ダイボンドエリア・電極共通部607およびアイランド電極608の形状等に応じて適宜選択される。
【0183】
次に、中間層604について説明する。
【0184】
本実施の形態における中間層604は、第4層624のみからなる点において、第1実施形態の3層積層構造を有する中間層504を備えた積層基板506と異なっている。
【0185】
第4層624は、第3層623と、後述する第5層625と第6層626とに形成された貫通孔515および貫通孔516に形成される裏面電極518および裏面電極519とを電気的に接続するために設けられている。
【0186】
また、第4層624は、ダイボンドエリア・電極共通部607と電気的に接続されている導電部633と、アイランド電極608と電気的に接続されている導電部634とが、接触しないように形成されている。
【0187】
導電部633は、貫通孔515を銅メッキする際に、銅が漏れないようにするために、貫通孔515全体を覆うように形成されている。すなわち、導電部633は、貫通孔515を蓋する役割を有している。なお、発光素子600をダイシングする際に、バリが発生する可能性があるが、導電部633は金属反射板502と同電位であるため、バリの接触による短絡の問題は生じない。
【0188】
導電部634は、第3層623における導電部632の形成領域全体を覆い、かつ、貫通孔516よりも面方向に小さい幅に形成されている。導電部634は、発光素子600をダイシングする際に、バリの発生による損傷を防止するために、ダイシングのマージンを確保して形成されている。
【0189】
次に裏面層605について説明する。
裏面層605は、実装面側から第5層625と第6層626とが積層された2層積層構造を有している。第5層625および第6層626の構成は、第1実施形態の第7層527および第8層528とそれぞれ同様の構成を有している。
【0190】
第5層625と第6層626と積層された裏面層605は、粘着テープを介して第4層624上にプレスにより貼り付けられる。ここで、貫通孔515が、第4層624の導電部633によって覆われるように形成される。
【0191】
一方、貫通孔516は、第4層624の導電部634を内部に納め、第3層623で覆われるように形成される。このように、第4層624の導電部634の面方向の幅を、貫通孔516の面方向の幅よりも小さくすることによって、貫通孔516を第3層623で塞ぐことができる。積層一体化された第5層625および第6層626は、第4層624に対して、幾何学的には、単に導電部633でのみで面接触することになり、加圧すれば、導電部633の段差部分を支点に傾いて隙間が生じると考えられるが、導電部633および粘着テープの厚みを適宜調整することにより、積層一体化された第5層625および第6層626が傾くことなく平坦に第4層624に接着でき、これにより、後述する銅メッキ517の形成工程において、銅の漏れを防止することができる。
【0192】
この状態で、貫通孔515および貫通孔516は、それぞれの内周面に銅メッキ517が形成される。そして、第4層624の導電部633は、貫通孔515を覆うように形成されているので、銅メッキ517は第4層624の導電部633にも形成される。また、第3層623および第4層624の導電部634は、貫通孔516を覆うように形成されているので、銅メッキ517は、第3層623および第4層624の導電部634にも形成される。これにより、発光素子600の外部接続電極端子としての裏面電極518および裏面電極519が形成されている。」
エ 第4実施形態
「【0237】
〔第4実施形態〕
本発明のさらに他の実施の形態について図19、図20、図22、図29および図32ないし図34に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお説明の便宜上、前記の実施形態の図面に示した部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0238】
本実施の形態に係る発光素子800は、前述の第2実施形態の発光素子600の積層基板606と同様の積層基板を備えている。
【0239】
本実施の形態に係る発光素子800は、図19および図20に示すように、前述の第3実施形態の発光素子700と同様に、LEDチップ701に駆動電流を供給する電極端子として当該LEDチップ701とそれぞれ接続される何れの電極もアイランド電極となっている。また、LEDチップ701からの出射光を反射して、光出射方向に設けられた光出射面513へと導く金属反射板802が、LEDチップ701に駆動電流を供給する何れの電極からも電気的に絶縁されている点で前述の第2実施形態と異なっている。
【0240】
本実施の形態では、第1アイランド電極(第1金属部)807に、LEDチップ701のカソード電極が接続され、第2アイランド電極(第2金属部)808にアノード電極が接続される構成となっている。
【0241】
第1アイランド電極807は、その外周を取り囲むように環状に形成された第1絶縁部809aによって、実装面における金属反射板802で囲まれた領域内の他の部位と電気的に絶縁されている構成となっている。
【0242】
第2アイランド電極808は、第2実施形態のアイランド電極608と同様にその外周を取り囲むように環状に形成された第2絶縁部809bによって、上記領域内の他の部位と電気的に絶縁されている。
【0243】
さらに、上記領域内における第1絶縁部809aと第2絶縁部809bの外側の領域全体に実装面金属反射膜820が形成されている。
(・・・途中省略・・・)
【0258】
また、図19に示すように、本実施の形態の発光素子800は、金属反射板802が、実装面金属反射膜820と一体的に形成されている。
【0259】
このため、実装面金属反射膜820を、実装面上の広範囲に形成することができる。このように、素子全体における金属形成領域を大きくすることで、放熱性に優れた発光素子を実現することができる。また、LEDチップ701の発光時の熱を、実装面金属反射膜820が一体成形されている積層基板606の表面側に伝導し、さらに裏面側へ効果的に放熱させることができる。これにより、熱による劣化を抑制することができ、長期の信頼性に優れた発光素子を実現することができる。」
オ 第5実施形態
「【0276】
〔第5実施形態〕
本発明のさらに他の実施の形態について図21および図35ないし図37に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお説明の便宜上、前記の実施の形態の図面に示した部材と同一の部材には同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0277】
前述の各実施形態では、単一のLEDチップが実装された発光素子について説明したが、本発明の発光素子はこれに限らず、複数のLEDチップが搭載された構成としてもよい。
【0278】
そこで、前述の第4実施形態の構成において、LEDチップを複数備えた構成を図21を参照し以下に説明する。
【0279】
図21に示すように、本実施の形態に係る発光素子900は、LEDチップ701に加え、LEDチップ(第2LEDチップ)901を備えている。
【0280】
発光素子800と同様に、第1アイランド電極(第1金属部)807に、LEDチップ701のカソード電極が接続され、第2アイランド電極(第2金属部)808にアノード電極が接続される構成となっている。
【0281】
本実施の形態では、LEDチップ701に駆動電流を供給する電極端子としての第2アイランド電極808が、LEDチップ901に駆動電流を供給する電源端子としての機能も備えている。すなわち、第2アイランド電極808は、LEDチップ901のアノード電極にも接続されている。さらに、発光素子900は、LEDチップ901のカソード電極と接続され、積層基板中で導電部を通じて第1アイランド電極807と電気的に接続された電源端子としての第3アイランド電極908を備えており、金属反射板802が、第1ないし第3アイランド電極の何れからも電気的に絶縁されている構成となっている。
【0282】
第1アイランド電極807は、前述の第4実施形態の発光素子800と同様に、その外周を取り囲むように環状に形成された第1絶縁部809aによって、実装面における金属反射板802で囲まれた領域内の他の部位と電気的に絶縁されている構成となっている。また、第2アイランド電極808は、第2および第4実施形態のアイランド電極608・808と同様に、その外周を取り囲むように環状に形成された第2絶縁部809bによって、上記領域内の他の部位と電気的に絶縁されている。
【0283】
さらに、本実施の形態では、第3アイランド電極(第3電極部)908も、その外周を取り囲むように環状に形成された第3絶縁部909cによって、上記領域内の他の部位と電気的に絶縁されている。
(・・・途中省略・・・)
【0293】
そこで、第1絶縁部809a、第2絶縁部809bおよび第3絶縁部909cは、それぞれ、光入射側から、上記光反射性フィラーを含まない光反射性フィラー無添加樹脂層と、光反射性フィラーを含む光反射性フィラー添加樹脂層とが積層された積層構造を有していることが望ましい。ここで、エポキシ樹脂は光を吸収するため、上記光反射性フィラーを含まない光反射性フィラー無添加樹脂層をできるだけ薄く層状に形成し、その下層に光反射性フィラーを含む光反射性フィラー添加樹脂層を形成することが望ましい。
(・・・途中省略・・・)
【0296】
すなわち、第1絶縁部809a、第2絶縁部809bおよび第3絶縁部909cに吸収される光および上記基板を通過し裏面側から外部へ放出される光の量を低減することができるため、光利用効率および放熱性の向上を図ることができる。
(・・・途中省略・・・)
【0300】
また、図21に示すように、本実施の形態の発光素子900は、金属反射板802が、実装面金属反射膜920と一体的に形成されている。
【0301】
このため、実装面金属反射膜920を、実装面上の広範囲に形成することができる。このように、素子全体における金属形成領域を大きくすることで、放熱性に優れた発光素子を実現することができる。また、LEDチップ701・901の発光時の熱を、実装面金属反射膜920が一体成形されている積層基板606の表面側に伝導し、さらに裏面側へ効果的に放熱させることができる。これにより、熱による劣化を抑制することができ、長期の信頼性に優れた発光素子を実現することができる。
(・・・途中省略・・・)
【0308】
図21の構成において2つのLEDチップを直列接続する場合、図35の構成において2つのLEDチップを並列接続したLEDチップ群を直列に接続する場合、図36に示すように、2つのアイランド電極は、一方がアノード側、もう一方がカソード側というように異なる電位とするように、異なる裏面電極とそれぞれ電気的に接続されるように形成されている。一方、図21の構成において2つのLEDチップを並列接続した場合、図35の構成において、4つのLEDチップを並列接続した場合は、図37に示すように、2つのアイランド電極が同じ電位となる。この場合、2つのアイランド電極は、共に、一方の裏面電極に電気的に接続するように積層基板中の各層の導電部を配置して形成されている(図示しない)。
(・・・途中省略・・・)
【0310】
なお、LEDチップが塔載されている実装面金属反射膜820は、上記の携帯電話等の電子機器のアルミ等の金属からなる筐体400に実装する際に、導電性の放熱シートを通じて接地することで浮遊化することもなく、サージなどにより生じる発光素子の動作不良や故障を防ぐことができることを説明したが、このような手法を取らず、例えば、図32の積層基板の構成を、図21に示すように、LEDチップ501が塔載された実装面金属反射膜を外部電源のアノード、カソードと接続される第1、第2裏面電極とは絶縁された別の第3裏面電極に電気的、熱的に接続されるように積層基板の各層の導電部の配置をし、第3裏面電極をアノード、カソードとは絶縁された外部の接地端子と接続することでも、対策を講じることができる。さらに、この例では、第3裏面電極を通じてLEDチップ501の放熱特性がさらに改善できる。」
「【0326】
【図1】 第1実施形態の発光素子の斜視図である。
【図2】 第1実施形態の発光素子の断面図である。
【図3】 (a)~(h)は、第1実施形態の発光素子の金属反射板および積層基板の構成図である。
【図4】 第1実施形態の発光素子の斜視図である。
【図5】 第1実施形態の発光素子の斜視図である。
【図6】 第2実施形態の発光素子の斜視図である。
【図7】 第2実施形態の発光素子の断面図である。
【図8】 (a)~(f)は、第2実施形態の発光素子の金属反射板および積層基板の構成図である。
【図9】 第2実施形態の発光素子の斜視図である。
【図10】 第2実施形態の発光素子の斜視図である。
【図11】 第2実施形態の発光素子の斜視図である。
【図12】 第2実施形態の発光素子の断面図である。
【図13】 第2実施形態の発光素子の斜視図である。
【図14】 第2実施形態の発光素子の断面図である。
【図15】 従来の発光素子の断面図である。
【図16】 図26に示した発光素子のI-I矢視平面図である。
【図17】 第3実施形態の発光素子の断面図である。
【図18】 第3実施形態の発光素子を、電子機器の筐体に実装した状態を示す模式図である。
【図19】 第4実施形態の発光素子の断面図である。
【図20】 第4実施形態の発光素子の概略構成を示す説明図である。
【図21】 第5実施形態の発光素子の概略構成を示す説明図である。
【図22】 (a)~(f)は、第5実施形態の発光素子の金属反射板および積層基板の構成図である。
【図23】 第2実施形態の発光素子の概略構成を示す説明図である。
【図24】 第2実施形態の発光素子の概略構成を示す説明図である。
【図25】 第2実施形態の発光素子の概略構成を示す説明図である。
【図26】 第2実施形態の発光素子の概略構成を示す説明図である。
【図27】 第3実施形態の発光素子の概略構成を示す説明図である。
【図28】 第3実施形態の発光素子の概略構成を示す説明図である。
【図29】 第3および第4実施形態の発光素子の電位の例を示す説明図である。
【図30】 第3実施形態の発光素子の電位の例を示す説明図である。
【図31】 第3実施形態の発光素子の電位の例を示す説明図である。
【図32】 第4実施形態の発光素子の概略構成を示す説明図である。
【図33】 第4実施形態の発光素子の概略構成を示す説明図である。
【図34】 第4実施形態の発光素子の概略構成を示す説明図である。
【図35】 第5実施形態の発光素子の概略構成を示す説明図である。
【図36】 第5実施形態の発光素子の電位の例を示す説明図である。
【図37】 第5実施形態の発光素子の電位の例を示す説明図である。
【図38】 第1実施形態の発光素子の絶縁部の形成工程を示す説明図である。
【図39】 第1実施形態の発光素子の絶縁部の形成工程を示す説明図である。
【図40】 第1実施形態の発光素子の研磨後の絶縁部の断面を示す説明図である。
【図41】 図40に示す発光素子の部分拡大断面を示す説明図である。
【図42】 従来の側面発光型LEDの斜視図である。
【図43】 第6実施形態の発光素子の断面図である。
【図44】 絶縁部の可視光反射率と光反射性フィラーの添加量との関係を示すグラフである。」
カ 図面
図1、2、7、19、21、22、35~37、39及び40は次のものである。
[図:0001418578000001.jpg]
[図:0001418578000002.jpg]
[図:0001418578000003.jpg]
[図:0001418578000004.jpg]
[図:0001418578000005.jpg]
[図:0001418578000006.jpg]
[図:0001418578000007.jpg]
[図:0001418578000008.jpg]
[図:0001418578000009.jpg]
[図:0001418578000010.jpg]
[図:0001418578000011.jpg]
(2)引用文献1の記載から当業者が把握できる技術的事項の認定
引用文献1には、第5実施形態(図21・22)に係る発光素子900において、2つのLEDチップを直列接続とした態様(【0308】。以下、この態様を「直列態様発光素子」という。)が記載されているところ、この構造について以下検討する。
なお、図22は、第4実施形態の図であるとして説明されている(【0237】・【0276】)が、これは誤りであり、第5実施形態の図であると認められる。すなわち、当該図22は、【0326】(図面の簡単な説明)では、第5実施形態の図とされているし、また、図22(b)には、アイランド電極が3つあることが見て取れるところ、これは、第5実施形態を示す図21には整合するものの、第4実施形態を示す図19には整合しないことから、そのように認められる。
ア(ア)まず、第5実施形態の発光素子900についてみると、これは、図21、22及び35~37に基づくものであり、第1~4の実施の形態の図面に示した部材と同一の部材には同一の符号を付記して、その説明を省略するとされている(【0276】及び上記の説示を参照。)。そして、第5実施形態の発光素子900については、図22を除き、図19のような積層構造に関する図面が存在しないし、積層構造に関する具体的な説明も存在しないが、当該発光素子900は、第4実施形態の発光素子800の構成において、LEDチップを2つ備えた構成であると説明されており(【0278】・【0279】・図21)、そのほかには、第4実施形態と特段の相違はないものと解される。
(イ)そこで、第4実施形態の発光素子800(図19)をみると、当該発光素子800は、第2実施形態の発光素子600(図7)の積層基板606と同様の積層基板を備えている(【0238】)とともに、金属反射板802が、LEDチップに駆動電極を供給する何れの電極からも電気的に絶縁する点で第2実施形態の発光素子600とは異なっている(【0239】)と説明されている。
(ウ)次に第2実施形態の発光素子600(図7)は、第1実施形態の発光素子500(図2)において、積層基板606の積層数が削減されており(【0154】)、具体的には、中間層604が第4層624のみからなる点で第1実施形態の発光素子500における3層積層構造を有する中間層504を備えた積層基板506と異なっている(【0184】)と説明されている。
(エ)以上によれば、第5実施形態の発光素子900及び直列態様発光素子の構造を理解するに当たっては、この構造が、第4実施形態の発光素子800(図19)において、LEDチップを2つ備えた態様であることを起点にしつつ、前記(ア)~(ウ)の内容をも踏まえて、当該起点に係る第4実施形態の発光素子800の構造を、第2実施形態及び第1実施形態に係る記載を援用しつつ理解すればよいといえる。
これを踏まえ、以下、改めて直列態様発光素子の構造を検討する。
イ 第5実施形態の発光素子(図21・22)において、LEDチップに駆動電流を供給する電極端子は、すべてアイランド電極であると解される(【0281】・図21)ところ、直列態様発光素子におけるLEDチップとアイランド電極との接続関係は次のとおりであると認められる。
第5実施形態の発光素子900(図21・22)は、直列態様発光素子とは異なり、2つのLEDチップ701,901が並列に接続されていると解される(【0280】・【0281】を参照。両LEDチップのアノード電極がいずれも第2アイランド電極808に接続されており、他方で、カソード電極は、それぞれ第1アイランド電極807と第3アイランド電極908とに接続されているが、これらの第1アイランド電極807と第3アイランド電極908同士は、【0281】末文のとおり、電気的に接続されている。)。これに対して、2つのLEDチップが直列接続されている場合(【0308】第1文)、つまり直列態様発光素子の場合は、「図36に示すように、2つのアイランド電極は、一方がアノード側、もう一方がカソード側というように異なる電位とするように、異なる裏面電極とそれぞれ電気的に接続されるように形成されている」(【0308】)のであるから、図21でいえば、第1アイランド電極807はカソード側、第3アイランド電極908はアノード側になっており、第2アイランド電極808には、LEDチップ701のアノード電極及びLEDチップ901のカソード電極が接続されているといってよい(参考図参照)。
(参考図は、図21を踏まえて、当審が作成した。)
[図:0001418578000012.jpg]
したがって、直列態様発光素子は、図21でいえば、第1アイランド電極807にLEDチップ701のカソード電極が接続され、第2アイランド電極808にLEDチップ701のアノード電極が接続される構成となっているとともに、第2アイランド電極808にLEDチップ901のカソード電極が接続され、第3アイランド電極908にLEDチップ901のアノード電極が接続される構成となっている。
そして、直列態様発光素子も、図21と同様に、LEDチップ701及びLEDチップ901は、第1アイランド電極807、第2アイランド電極808及び第3アイランド電極908と、ワイヤによって接続されているといえる。
また、直列態様発光素子と第5実施形態の発光素子は、上記のとおり、直列接続か並列接続かの違いにすぎないことから、図21のほか、図22(【0326】のとおり、第5実施形態の発光素子の金属反射板および積層基板の構成図である。)についても、両者に妥当すると解される。
ウ 直列態様発光素子において、第2層622(図19を参照)には、LEDチップ701,901と接続されるダイボンドエリアとしての実装面金属反射膜820と、LEDチップ701,901に駆動電流を供給する電極端子として第1アイランド電極807と第2アイランド電極808と第3アイランド電極908とが形成されていると認められるが、実装面金属反射膜820は、あくまでダイボンドエリアとして形成されているのであって、ダイボンドエリア・電極共通部としてのもの(【0061】)として形成されているのではないと認められる。
すなわち、前記アによれば、直列態様発光素子の構造を理解するに当たっては、第4実施形態の発光素子800の構造を理解する必要があるところ、当該第4実施形態では、LEDチップ701に接続される何れの電極もアイランド電極となっていること(【0239】)、当該第4実施形態に係る図19では、LEDチップ701が実装面金属反射膜820上にあることが見て取れるとともに、実装面金属反射膜820が、LEDチップ701の発光時の熱を積層基板606の表面側に伝導させるものであること(【0259】)に照らせば、実装面金属反射膜820は、ダイボンドエリア・電極共通部としてではなく、あくまでダイボンドエリアとして形成されていると解される。
そして、第4実施形態の発光素子800においても、アイランド電極及び実装面金属反射膜は、第1実施形態の発光素子500と同様に、第2層622(実装面)に形成されている(【0177】)と解されることから、直列態様発光素子でも、アイランド電極及び実装面金属反射膜は、第2層622(実装面)に形成されているといえる。
エ 直列態様発光素子において、第3層623(図19を参照)に設けられている導電部は、エッチングされた外縁を有し、Cuポスト層からなるものであって、絶縁層(光入射側から、光反射性フィラーを含まない光反射性フィラー無添加樹脂層と、光反射性フィラーを含む光反射性添加樹脂層とが積層された積層構造を有するものである)を貫通するものであり、これらの導電部は、カソード側の第1アイランド電極807及びアノード側の第3アイランド電極908と、それらに対応する裏面電極(以下、それぞれ「裏面電極A」及び「裏面電極B」という。)を電気的に接続するためのものであって、第1アイランド電極807は、その下部にある導電部を介して裏面電極Aに接続され、第3アイランド電極908は、その下部にある導電部を介して裏面電極Bに接続されていることが認められる。
(ア)すなわち、前記アによれば、直列態様発光素子の構造を理解するに当たっては、第1実施形態の発光素子500(図2)の構造を理解する必要があることから、当該発光素子500の構造を検討すると、当該発光素子500は、積層基板506に実装されたLEDチップ501と、該LEDチップ501の光出射方向に立設された金属反射板502と、実装面上における金属反射板502で囲まれた領域を充填するように形成された透光性封止体510とを備えており(【0059】)、積層基板506は、実装面側から表面層503、中間層504、裏面層505が形成された積層構成を有しており、積層基板506は、金属反射板502と一体的に形成されている(【0062】)。そして、表面層503は、実装面側から第2層522と第3層523とが積層された2層積層構造を有している(【0065】)。第2層522は、ダイボンドエリア・電極共通部(第1金属部)507とアイランド電極(第2金属部)508とが形成されるものであり、アイランド電極508をダイボンドエリア・電極共通部507から電気的に絶縁するための絶縁部509が、アイランド電極508の外周を囲むように形成されている(【0067】)。この絶縁層509は、光入射側から、光反射性フィラーを含まない光反射性フィラー無添加樹脂層と、光反射性フィラーを含む光反射性添加樹脂層とが積層された積層構造を有しており(【0079】)、Cuポスト層からなる導電部531・532(【0082】・図3(c))は、絶縁層509を貫通している(図2・39・40)。第3層523は、接着層としてのものであり(【0092】・【0093】)、第2層522と第4層524との間を電気的に接続するために、エッチングされた外縁を有する導電部531および導電部532をも備えている(【0092】・【0095】)。
このように、導電部は、Cuポスト層(【0082】)からなるものであり、光入射側から、光反射性フィラーを含まない光反射性フィラー無添加樹脂層と、光反射性フィラーを含む光反射性添加樹脂層とが積層された積層構造を有する絶縁層を貫通するものである。そして、前記イによれば、直列態様発光素子においては、第1アイランド電極807はカソード側、第3アイランド電極908はアノード側になっていることから、これらの導電部は、第1アイランド電極807及び第3アイランド電極908と、それらのそれぞれに対応する裏面電極A及びBとを電気的に接続するためのものであるといえる。
(イ)また、直列態様発光素子においては、第1アイランド電極807は、その下部にある導電部を介して裏面電極Aに接続され、第3アイランド電極908は、その下部にある導電部を介して裏面電極Bに接続されているといえる。
すなわち、直列態様発光素子であっても、前記イのとおり、図21及び22が基本的には妥当するところ、図22(b)及び(c)によれば、第1アイランド電極807及び第3アイランド電極908の下部に、それぞれ、導電部が存在すると認められる。
オ 直列態様発光素子においても、第6層626の下面に銅メッキ517が形成されている(図19を参照)と認められる。
すなわち、前記アによれば、直列態様発光素子の構造を理解するに当たっては、この構造が、第4実施形態の発光素子800(図19)において、LEDチップを2つ備えた態様であることを起点にしつつ、当該起点に係る第4実施形態の発光素子800の構造を、第2実施形態及び第1実施形態に係る記載を援用しつつ理解すればよいといえる。
そして、第1実施形態の発光素子500(図2)は、第8層528の下面にも銅めっき517が形成される(【0111】)ものであるところ、当該「第8層528」は第4実施形態の発光素子800における「第6層626」に対応すると解される(【0189】・【0238】)。そうすると、直列態様発光素子における「第6層626」の下面にも銅メッキ517が形成されているといえる。
カ 直列態様発光素子は、図21によれば、LEDチップ701,901を上面視すると、長方形状になっていることが見て取れる。
2 引用発明の認定
前記1によれば、引用文献1には、直列態様発光素子、つまり、第5実施形態に係る発光素子900において2つのLEDチップを直列に接続した態様(直列態様発光素子)について、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(以下、引用発明の認定に用いた箇所の段落番号等を参考までに括弧内に付してある。)。
「直列態様発光素子であって、
前記直列態様発光素子は、積層基板606に実装された2つのLEDチップ701,901と、前記2つのLEDチップ701,901の光出射方向に立設し、周囲全体を取り囲むように上記実装面上に設けられ、該LEDチップ701,901からの出射光を反射して光出射面へと導く金属反射板802とを備え、上記実装面上における金属反射板502で囲まれた領域を充填するように透光性封止体510が形成されており、(【0059】・図19)、
積層基板606は、表面層603、中間層604、裏面層605からなる積層構造を有しており、積層基板606は、金属反射板502に積層され、金属反射板502と一体的に形成されており、(【0062】・図19)
表面層603は、実装面側から、第2層622と第3層623とが積層された2層構造を有しており、(【0176】・図19)
表面層603のうち第2層622(実装面)には、LEDチップ701,901と接続されるダイボンドエリアとしての実装面金属反射膜820と、LEDチップ701,901に駆動電流を供給する電極端子として第1アイランド電極807と第2アイランド電極808と第3アイランド電極908とが形成されているが、前記実装面金属反射膜820は、あくまでダイボンドエリアとして形成されているのであって、ダイボンドエリア・電極共通部としてのものとして形成されているのではなく、(前記1(2)ウ)
第1、第2及び第3アイランド電極807,808,908は、その外周を取り囲むように環状に形成された第1絶縁部809a、第2絶縁部809b及び第3絶縁部909cによって、実装面における金属反射板802で囲まれた領域内の他の部位(実装面金属反射膜820)から電気的に絶縁されている構成となっており、(【0282】・【0283】・図21)
実装面金属反射膜820は、第1絶縁部809a、第2絶縁部809b及び第3絶縁部909cの外側の領域全体に形成されており、実装面金属反射膜820にはLEDチップ701,901が搭載されており、(【0243】・【0310】)
表面層603のうち第3層623は、第2層622と第4層624とを電気的に接続するために設けられた層であり、第3層623には、実装面に形成された第1及び第3アイランド電極807,908と、裏面電極A,Bとを電気的に接続するための導電部が形成されており、(【0180】・【0182】・前記1(2)エ)
導電部は、エッチングされた外縁を有し、Cuポスト層からなるものであって、絶縁層609を貫通するものであり、これらの導電部は、カソード側の第1アイランド電極807及びアノード側の第3アイランド電極908と、それらに対応する裏面電極A及び裏面電極Bを電気的に接続するためのものであって、第1アイランド電極807は、その下部にある導電部を介して裏面電極Aに接続され、第3アイランド電極908は、その下部にある導電部を介して裏面電極Bに接続されており、(前記1(2)エ・図19)
中間層604は、第4層624のみからなり、第4層624は、第3層623と、裏面電極とを電気的に接続するために設けられており、(【0184】・【0185】)
裏面層605は、実装面側から第5層625と第6層626とが積層された2層積層構造を有しており、第5層625と第6層626とに貫通孔が形成され、貫通孔には裏面電極が形成されており、(【0189】・【0185】)
貫通孔は、その内周面に銅メッキ517が形成され、これにより、前記直列態様発光素子の外部接続電極端子としての裏面電極が形成されており、(【0192】)
第6層626の下面にも銅メッキ517が形成されており、(前記1(2)オ)
裏面電極と外部電極とを接続するためには、はんだ付けが行われるものであって、(【0107】)
裏面層605には、四隅に切り欠き539が設けられており、この切り欠き539にも、銅めっき517が形成されており、(【0147】・【0189】)
前記直列態様発光素子は、第1アイランド電極807にLEDチップ701のカソード電極がワイヤによって接続され、第2アイランド電極808にLEDチップ701のアノード電極がワイヤによって接続される構成となっているとともに、第2アイランド電極808にLEDチップ901のカソード電極がワイヤによって接続され、第3アイランド電極908にLEDチップ901のアノード電極がワイヤによって接続される構成となっており、(前記1(2)イ)
前記直列態様発光素子は、LEDチップ701,901を上面視すると、長方形状になっており、(前記1(2)カ)
第1絶縁部809a、第2絶縁部809bおよび第3絶縁部909cは、それぞれ、光入射側から、光反射性フィラーを含まない光反射性フィラー無添加樹脂層と、光反射性フィラーを含む光反射性フィラー添加樹脂層とが積層された積層構造を有しており、これにより、第1絶縁部809a、第2絶縁部809bおよび第3絶縁部909cに吸収される光および上記基板を通過し裏面側から外部へ放出される光の量を低減することができるため、光利用効率および放熱性の向上を図ることができるものであり、(【0293】・【0296】)
金属反射板802が、実装面金属反射膜920と一体的に形成されているため、実装面金属反射膜920を、実装面上の広範囲に形成することができ、そのため、放熱性に優れた発光素子を実現することができるものである、(【0300】・【0301】)
直列態様発光素子。」
第5 対比・判断
1 対比、一致点及び相違点の認定
(1)本願発明と引用発明との対比
ア 本願発明の「一つ以上の発光ダイオードチップと、前記一つ以上の発光ダイオードチップが実装され、前記一つ以上の発光ダイオードチップから放出された光が外部に放出されるように少なくとも一面が開放されたハウジングと、前記ハウジングにおいて前記光が放出される第1面の反対側に設けられた第2面に配置され、前記一つ以上の発光ダイオードチップと電気的に接続された複数のパッドと、を含み、」「発光ダイオードパッケージ」との特定事項について
(ア)引用発明の「LEDチップ701」及び「LEDチップ901」は、いずれも本願発明の「発光ダイオードチップ」に相当する。
引用発明の「直列態様発光素子」は、「LEDチップ」を2つ含んでいるから、本願発明でいう「一つ以上の」発光ダイオードチップを含んでいるものといえる。
引用発明の「直列態様発光素子」は、「積層基板606に実装された2つのLEDチップ701,901」を含む構造であるから、本願発明の「発光ダイオードパッケージ」に相当する。
(イ)引用発明の「直列態様発光素子」は、「2つのLEDチップ701,901」が「積層基板606」に実装されており、当該「積層基板606」は、「金属反射板502に積層され、金属反射板502と一体的に形成されて」いるところ、当該「積層基板606」及び「金属反射板802」とからなる構造(以下「引用発明一体構造」という。)は、本願発明の「ハウジング」に相当する。
そして、引用発明一体構造は、上記のものであるから、本願発明でいう「前記一つ以上の発光ダイオードチップが実装され」たものといえるし、それに含まれる「金属反射板802」が、「2つのLEDチップ701,901の光出射方向に立設し」、「LEDチップ701,901からの出射光を反射して光出射面へと導く」ものであることから、本願発明でいう「前記一つ以上の発光ダイオードチップから放出された光が外部に放出されるように少なくとも一面が開放された」ものといえる。
(ウ)引用発明の「裏面電極」は、「直列態様発光素子の外部接続電極端子」としてのものであって、「カソード側の第1アイランド電極807」に対応する「裏面電極A」と「アノード側の第3アイランド電極908」に対応する「裏面電極B」からなるところ、これらの「裏面電極」は、「裏面層605」に形成された「貫通孔」の内周面及び「第6層626」の下面に形成された「銅メッキ517」を含んでおり、また、「外部電極とを接続するため」に行われる「はんだ付け」に際して用いられることから、本願発明の「パッド」に相当する。
そして、引用発明一体構造において、「2つのLEDチップ701,901」が「積層基板606」に「実装され」る面、つまり「実装面」が本願発明の「前記ハウジングにおいて前記光が放出される第1面」に相当し、その反対側の面、つまり「裏面」が本願発明の「第1面の反対側に設けられた第2面」に相当するところ、当該「裏面電極」は、「裏面層605」に形成されており、そのうち「第6層626」の下面に形成された部位は、少なくとも、本願発明でいう「第2面に配置され」たものといえる。
また、当該「裏面電極」のうち、「裏面電極A」は導電部(Cuポスト層)及び第1アイランド電極807を介してLEDチップ701のカソード電極と電気的に接続され、「裏面電極B」は導電部(Cuポスト層)及び第3アイランド電極908を介してLEDチップ901のアノード電極と電気的に接続されているから、引用発明の「裏面電極」のうち「裏面電極A」及び「裏面電極B」をもって、本願発明でいう「前記一つ以上の発光ダイオードチップと電気的に接続された複数の」ものといえる。
(エ)したがって、引用発明は本願発明の上記特定事項を満たしている。
イ 本願発明の「前記ハウジングは、前記複数のパッドが配置された第2面と隣接した他の第3面に複数の溝が形成され、」との特定事項について
引用発明の「裏面層605」には、「四隅に切り欠き539が設けられて」いるところ、当該「切り欠き539」は、本願発明の「溝」に相当し、これらは「複数」形成されているといえる。そして、「直列態様発光素子は、LEDチップ701,901を上面視すると、長方形状になって」いることから、当該「切り欠き539」は、裏面(前記ア(ウ)のとおり、実装面の反対側の面)と隣接した面(引用発明一体構造の側面)に至るものといえるのであり、この「隣接した面」が本願発明の「第2面と隣接した他の第3面」に相当する。
したがって、引用発明は本願発明の上記特定事項を満たしている。
ウ 本願発明の「前記一つ以上の発光ダイオードチップは、光を放出する発光構造体、及び前記発光構造体とそれぞれ電気的に接続された第1電極及び第2電極を含み、前記一つ以上の発光ダイオードチップは二つ以上であり、前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち一つの第1電極は、複数のパッドのうち一つと前記ハウジングに形成されたビアホールに充填された導電性物質によって電気的に接続され、前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち他の一つの第2電極は、前記複数のパッドのうち他の一つと前記ハウジングに形成されたビアホールに充填された導電性物質によって電気的に接続され、前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記一つの第1電極と前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記他の一つの第2電極は互いに電気的に接続され、前記第1電極及び前記第2電極は、前記第2面側に設けられ、前記第1電極に接続されるビアホールおよび前記第2電極に接続されるビアホールは、前記ハウジングのうち前記発光ダイオードチップが実装された位置の下部に配置される、」との特定事項について
(ア)本願発明では、「前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記一つの第1電極と前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記他の一つの第2電極は互いに電気的に接続され」ているから、「前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記一つ」(以下「第1発光ダイオードチップ」という。)と「前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記他の一つ」(以下「第2発光ダイオードチップ」という。)は、直列に接続された上で、第1発光ダイオードチップの「第1電極」と第2発光ダイオードチップの「第2電極」が電気的に接続されていると解される。
これに対して、引用発明の直列態様発光素子では、「第1アイランド電極807にLEDチップ701のカソード電極がワイヤによって接続され、第2アイランド電極808にLEDチップ701のアノード電極がワイヤによって接続される構成となっているとともに、第2アイランド電極808にLEDチップ901のカソード電極がワイヤによって接続され、第3アイランド電極908にLEDチップ901のアノード電極がワイヤによって接続される構成となって」いることから、「LEDチップ701」と「LEDチップ901」が直列に接続された上で、「LEDチップ701」の「アノード電極」と「LEDチップ901」の「カソード電極」が電気的に接続されていることになる。
このような本願発明と引用発明の対応関係に照らせば、引用発明の「LEDチップ701」及び「LEDチップ901」は、それぞれ、本願発明の「前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記一つ」(第1発光ダイオードチップ)及び「前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記他の一つ」(第2発光ダイオードチップ)に相当する。そして、当該「LEDチップ701」の「アノード電極」が本願発明の(第1発光ダイオードチップの)「第1電極」に相当し、当該「LEDチップ901」の「カソード電極」が本願発明の(第2発光ダイオードチップの)「第2電極」に相当することになり、その結果として、当該「LEDチップ701」の「カソード電極」が本願発明の(第1発光ダイオードチップの)「第2電極」に相当し、当該「LEDチップ901」の「アノード電極」が本願発明の(第2発光ダイオードチップの)「第1電極」に相当することになる。
また、引用発明の「LEDチップ701,901」が、いずれも、本願発明でいう「光を放出する発光構造体」を含むことは明らかであり、当該「LEDチップ701,901」の「アノード電極」及び「カソード電極」が当該「光を放出する発光構造体」に電気的に接続されていることも明らかである。
そうすると、本願発明と引用発明は、「前記一つ以上の発光ダイオードチップは、光を放出する発光構造体、及び前記発光構造体とそれぞれ電気的に接続された第1電極及び第2電極を含み、前記一つ以上の発光ダイオードチップは二つ以上であり、」「前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記一つの第1電極と前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記他の一つの第2電極は互いに電気的に接続され」る点で一致する。
(イ)引用発明の「LEDチップ701」の「アノード電極」(本願発明の第1発光ダイオードチップの「第1電極」に相当。)は「第2アイランド電極808」に「ワイヤによって」接続されており、「LEDチップ901」の「カソード電極」(本願発明の第2発光ダイオードチップの「第2電極」に相当。)も「第2アイランド電極808」に「ワイヤによって」接続されている。
そうすると、本願発明の上記特定事項のうち、第1発光ダイオードチップ「の第1電極は、複数のパッドのうち一つと前記ハウジングに形成されたビアホールに充填された導電性物質によって電気的に接続され、」第2発光ダイオードチップ「の第2電極は、前記複数のパッドのうち他の一つと前記ハウジングに形成されたビアホールに充填された導電性物質によって電気的に接続され」ることと引用発明は、第1発光ダイオードチップ「の第1電極は、」所定の電極と所定の導電構造によって「電気的に接続され、」第2発光ダイオードチップ「の第2電極は、」所定の電極と所定の導電構造によって「電気的に接続され」ている点で共通する。
しかしながら、第1発光ダイオードチップの第1電極が所定の導電構造によって所定の電極に電気的に接続されることについての所定の導電構造及び所定の電極が、本願発明は、それぞれ、「前記ハウジングに形成されたビアホールに充填された導電性物質」及び「複数のパッドのうち一つ」であるが、引用発明は、それぞれ、「ワイヤ」及び「第2アイランド電極808」である。また、第2発光ダイオードチップの第2電極が所定の導電構造によって所定の電極に電気的に接続されることについての所定の導電構造及び所定の電極が、本願発明は、それぞれ、「前記ハウジングに形成されたビアホールに充填された導電性物質」及び「複数のパッドのうち他の一つ」であるが、引用発明は、それぞれ、「ワイヤ」及び「第2アイランド電極808」である。
(ウ)本願発明では、「前記第1電極及び前記第2電極は、前記第2面側に設けられ」ているが、引用発明では、引用発明の「LEDチップ701」及び「LEDチップ901」の「カソード電極」及び「アノード電極」は、本願発明でいう「第1面側」に設けられている。
すなわち、引用発明は、「第1アイランド電極807にLEDチップ701のカソード電極がワイヤによって接続され、第2アイランド電極808にLEDチップ701のアノード電極がワイヤによって接続される構成となっているとともに、第2アイランド電極808にLEDチップ901のカソード電極がワイヤによって接続され、第3アイランド電極908にLEDチップ901のアノード電極がワイヤによって接続される構成となって」いることから、これらのLEDチップはいわゆるワイヤボンディング実装されていることになる。そのため、引用発明の「LEDチップ701」及び「LEDチップ901」の「カソード電極」及び「アノード電極」は、本願発明でいう「第1面側」に設けられていることになる。
(エ)以上によれば、本願発明と引用発明は、「前記一つ以上の発光ダイオードチップは、光を放出する発光構造体、及び前記発光構造体とそれぞれ電気的に接続された第1電極及び第2電極を含み、前記一つ以上の発光ダイオードチップは二つ以上であり、前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち一つの第1電極は、」所定の電極と所定の導電構造によって「電気的に接続され、前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち他の一つの第2電極は、」所定の電極と所定の導電構造によって「電気的に接続され、前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記一つの第1電極と前記二つ以上の発光ダイオードチップのうち前記他の一つの第2電極は互いに電気的に接続され」る点で共通する。
しかしながら、第1発光ダイオードチップ及び第2発光ダイオードチップの「前記第1電極及び前記第2電極」が、本願発明は「前記第2面側」に設けられているが、引用発明は「前記第1面側」に設けられて、ワイヤボンディングされるものとなっている。
そして、第1発光ダイオードチップの第1電極が所定の導電構造によって所定の電極に電気的に接続されることについての所定の導電構造及び所定の電極が、本願発明は、それぞれ、「前記ハウジングに形成されたビアホールに充填された導電性物質」(この「ビアホール」は、「前記ハウジングのうち」第1発光ダイオードチップが「実装された位置の下部に配置される」ものである。)及び「複数のパッドのうち一つ」であるが、引用発明は、それぞれ、「ワイヤ」及び「第2アイランド電極808」である。
また、第2発光ダイオードチップの第2電極が所定の導電構造によって所定の電極に電気的に接続されることについての所定の導電構造及び所定の電極が、本願発明は、それぞれ、「前記ハウジングに形成されたビアホールに充填された導電性物質」(この「ビアホール」は、「前記ハウジングのうち」第2発光ダイオードチップが「実装された位置の下部に配置される」ものである。)及び「複数のパッドのうち他の一つ」であるが、引用発明は、それぞれ、「ワイヤ」及び「第2アイランド電極808」である。
(2)一致点及び相違点の認定
以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。なお、「第1発光ダイオードチップ」及び「第2発光ダイオードチップ」の言い換えを適宜用いている。
【一致点】
「一つ以上の発光ダイオードチップと、
前記一つ以上の発光ダイオードチップが実装され、前記一つ以上の発光ダイオードチップから放出された光が外部に放出されるように少なくとも一面が開放されたハウジングと、
前記ハウジングにおいて前記光が放出される第1面の反対側に設けられた第2面に配置され、前記一つ以上の発光ダイオードチップと電気的に接続された複数のパッドと、を含み、
前記ハウジングは、前記複数のパッドが配置された第2面と隣接した他の第3面に複数の溝が形成され、
前記一つ以上の発光ダイオードチップは、光を放出する発光構造体、及び前記発光構造体とそれぞれ電気的に接続された第1電極及び第2電極を含み、
前記一つ以上の発光ダイオードチップは二つ以上であり、
第1発光ダイオードチップの第1電極は、所定の電極と所定の導電構造によって電気的に接続され、
第2発光ダイオードチップの第2電極は、所定の電極と所定の導電構造によって電気的に接続され、、
第1発光ダイオードチップの第1電極と第2発光ダイオードチップの第2電極は互いに電気的に接続される、発光ダイオードパッケージ。」
【相違点1】
第1発光ダイオードチップ及び第2発光ダイオードチップの「前記第1電極及び前記第2電極」が、本願発明は、「前記第2面側」に設けられているが、引用発明は、「前記第1面側」に設けられて、ワイヤボンディングされるものとなっている点。
【相違点2】
第1発光ダイオードチップの第1電極が所定の導電構造によって所定の電極に電気的に接続されることについての所定の導電構造及び所定の電極が、本願発明は、それぞれ、「前記ハウジングに形成されたビアホールに充填された導電性物質」(この「ビアホール」は、「前記ハウジングのうち」第1発光ダイオードチップが「実装された位置の下部に配置される」ものである。)及び「複数のパッドのうち一つ」であるが、引用発明は、それぞれ、「ワイヤ」及び「第2アイランド電極808」である点。
【相違点3】
第2発光ダイオードチップの第2電極が所定の導電構造によって所定の電極に電気的に接続されることについての所定の導電構造及び所定の電極が、本願発明は、それぞれ、「前記ハウジングに形成されたビアホールに充填された導電性物質」(この「ビアホール」は、「前記ハウジングのうち」第2発光ダイオードチップが「実装された位置の下部に配置される」ものである。)及び「複数のパッドのうち他の一つ」であるが、引用発明は、それぞれ、「ワイヤ」及び「第2アイランド電極808」である点。
2 判断
(1)相違点1~3をまとめて判断する。
ア 検討の手法について
引用発明から出発した当業者が、相違点1~3に係る本願発明の構成に至るためには、次のようにすれば足りると解される。すなわち、
(i)引用発明のいわゆるワイヤボンディング実装されている「LEDチップ701」及び「LEDチップ901」をいわゆるフリップチップ実装にした上で(相違点1関係。この変更によって、これらのLEDチップの「アノード電極」及び「カソード電極」の双方が本願発明でいう「第2面側」に設けられることになる。)、
(ii)前記(i)においてフリップチップ実装される「LEDチップ701」のカソード電極(以下「第1カソード電極」という。図21でいえばLEDチップ701の左側の電極)の下部に「第1アイランド電極807」(及び導電部を介して接続された裏面電極A)を配置するようにし、同じくフリップチップ実装される「LEDチップ901」のアノード電極(以下「第2アノード電極」という。図21でいえばLEDチップ901の右側の電極)の下部に「第3アイランド電極908」(及び導電部を介して接続された裏面電極B)を配置するようにし、
(iii)「第2アイランド電極806」を取り除いた上で、前記(i)においてフリップチップ実装される「LEDチップ701」(本願発明の「第1発光ダイオードチップ」に相当。)のアノード電極(以下、第1発光ダイオードチップのアノード電極という意味で「第1アノード電極」といい、本願発明の第1発光ダイオードチップの「第1電極」に相当するものである。図21でいえばLEDチップ701の右側の電極)の下部にアイランド電極(以下「アイランド電極A」という。)を配置するようにし、同じくフリップチップ実装される「LEDチップ901」(本願発明の「第2発光ダイオードチップ」に相当。)のカソード電極(以下、第2発光ダイオードチップのカソード電極という意味で「第2カソード電極」といい、本願発明の第2発光ダイオードチップの「第2電極」に相当するものである。図21でいえばLEDチップ901の左側の電極)の下部にアイランド電極(以下「アイランド電極B」という。)を配置するようにし、
(iv)前記(iii)に伴って、アイランド電極Aの下部に導電部及びそれを介して接続される裏面電極(以下「裏面電極C」という。)を追加して設け(相違点2関係。この追加された裏面電極Cが相違点2に係る本願発明の構成の「複数のパッドのうち一つ」となり、また、この導電部は、Cuポスト層からなるから、相違点2に係る本願発明の「導電性物質」が「充填された」「ハウジングに形成されたビアホール」といえる。)、
(v)前記(iii)に伴って、アイランド電極Bの下部に導電部及びそれを介して接続される裏面電極(以下「裏面電極D」という。)を追加して設け(相違点3関係。この追加された裏面電極Dが相違点3に係る本願発明の構成の「複数のパッドのうち他の一つ」となり、また、この導電部は、Cuポスト層からなるから、相違点3に係る本願発明の「導電性物質」が「充填された」「ハウジングに形成されたビアホール」といえる。)、
(vi)前記(iv)及び(v)で追加した裏面電極C及びD同士を電気的に接続する。
なお、前記(vi)は、前記(i)~(v)の変更後においても、本願発明と引用発明の一致点である「第1発光ダイオードチップの第1電極と第2発光ダイオードチップの第2電極は互いに電気的に接続される」ことが一致点として維持されるために必要な変更である。
そこで、引用発明から出発した当業者がこれを前記(i)~(vi)のとおりに変更することに容易に至るかについて以下検討する。
イ 相違点の検討
(ア)a 引用発明は、「LEDチップ701」及び「LEDチップ901」がワイヤボンディング実装されている。
b(a)ところで、実装の手法として、ワイヤボンディング実装のほかにフリップチップ実装が存在することは技術常識であると認められるところ、このフリップチップ実装では、発熱性が高い活性領域が実装基板に近くなるなどの理由で、ワイヤボンディング実装よりも放熱性が高いことも、例示するまでもなく技術常識であると認められる。
(b)また、フリップチップ実装されたLEDが発生する熱を放熱するために、LEDに設けられた2つの電極のいずれに対しても、実装基板に設けたビアホールに金属材料を充填して形成した通電用のビア配線を接続すること(以下「周知技術A」という。)も、本願の優先日前における周知技術であると認められる。
すなわち、例えば、特開2006-5369号公報には、サブマウント116を通る伝導ビア118は、フリップチップ型LEDを可能にするものであって(【0015】)、伝導ビアは熱伝導の有効な手段を提供し(【0006】)、伝導ビアは、電気的及び熱的伝導性物質よりなるビアからなり、ビアは、金属のような電気的及び熱的に伝導性の物質により充填されており(【0012】)、伝導ビアは、p接点層108に接続された金属接点109及びn接点111に接続されている(【0010】・【0011】・図1A)ことが記載されている。
特開2012-60133号公報には、半導体基板102に設けたビア配線108は、金属材料で形成されており、半導体発光素子101が発生した熱を、半導体基板102の裏面側に放熱する放熱部として更に機能しており、半導体基板102の材料よりも熱伝導率の高い材料で形成されており(【0032】・図1・図10)、ビア配線108は、半導体発光素子101の電極と接触し(【0071】・図10)、半導体発光素子101はフリップチップ形態で半導体基板102に実装される(【0049】・図5・【0066】)ことが記載されている。
特開2011-9789号公報には、基板にスルーホールを設けることにより電気端子を基板の光学素子がマウントされる面からその裏面側に引き出すものであって、当該スルーホールを光学素子のマウント位置に形成すると、光学素子の熱がスルーホール内の金属パターン材料を通して外部放出でき、これにより放熱効率が向上し、特に発熱量の大きなIII族窒化物系化合物半導体発光素子にとって好適なものとなるものであり(【0302】)、無機材料基板3021の上面側に形成された第1の金属パターン3025n、3025pに、それぞれ、光学素子3010(フリップチップタイプのものである【0316】)のn電極3018及びp電極3016が連結されており、第1の金属パターン3025nは、無機材料基板3021のベース材料に穿設されたスルーホール3031を介して基板裏面の金属パターン3024nに電気的に結合されており、第1の金属パターン3025pはスルーホール3032を介して基板裏面の金属パターン3024pに電気的に結合されており、各スルーホール3031、3032は、めっきによるCuで充填されており(【0329】・図66・図67)、第1の金属パターン3025n、3025pの真下の位置にスルーホール3031、3032が形成されているので、当該スルーホール内の金属材料を介して、光学素子3010の熱を効率よく外部(基板3021の裏面)へ放出できること(【0335】)が記載されている。
c このように、引用発明は、「LEDチップ701」及び「LEDチップ901」がワイヤボンディング実装されている(前記a)ところ、フリップチップ実装が放熱性が高いことが技術常識であり、しかも、LEDに設けられた2つの電極のいずれに対しても、実装基板に設けたビアホールに金属材料を充填して形成した通電用のビア配線を接続することで放熱を行うことが周知技術(周知技術A)である(前記b)ことから、引用発明に接した当業者は、放熱性を上げるために、「LEDチップ701」及び「LEDチップ901」をフリップチップ実装に変更するとともに周知技術Aを適用することを容易に想到するといえる。
(イ)前記(ア)cのようにして得られた構成(以下「容易想到構成」という。)は、以下のとおり、前記(i)~(vi)の構成を満たしているといえる。
a まず、容易想到構成においては、「LEDチップ701」及び「LEDチップ901」がフリップチップ実装されていることから、容易想到構成は、前記(i)の構成を満たしている。
b 次に、容易想到構成では、ワイヤボンディング実装されているからこそ存在すると解される引用発明の各ワイヤは取り除かれることになるが、ワイヤに接続されていた第1アイランド電極807及び第3アイランド電極908は、その電気的役割からみて、それぞれ、第1カソード電極及び第2アノード電極の下部に移動させてフリップチップ実装のために用いられるのが自然である。そして、第1アイランド電極807には、その下部にある導電部を介して裏面電極Aが接続されており、第3アイランド電極908には、その下部にある導電部を介して接続された裏面電極Bが接続されているところ、前記(ア)のとおり、LEDに設けられた2つの電極のいずれに対しても、実装基板に設けたビアホールに金属材料を充填して形成した通電用のビア配線を接続することで放熱を行うことが周知技術(周知技術A)であることにも照らせば、前記の各アイランド電極の移動に対応してこれらの導電部及び裏面電極に係る構造も移動されるのが自然である。
容易想到構成はこのようなものであることから、前記(ii)の構成を満たしている。
c 引用発明には、第2アイランド電極808が存在し、これには、第1アノード電極と第2アノード電極がワイヤを介して接続されているが、前記(ア)のとおり、フリップチップ実装されたLEDが発生する熱を放熱するために、LEDに設けられた2つの電極のいずれに対しても、実装基板に設けたビアホールに金属材料を充填して形成した通電用のビア配線を接続することが周知技術である(周知技術A)。そうすると、容易想到構成では、第1アノード電極と第2カソード電極に接続された、この第2アイランド電極808が維持されることはなく、むしろ、前記bに倣って、第1アノード電極及び第2カソード電極の下部にも、それぞれ、アイランド電極(前記(iii)のアイランド電極A及びBということになる。)が追加され、また、アイランド電極Aにはその下部にある導電部(Cuポスト層)を介して裏面電極(前記(iv)の裏面電極Cということになる。)が接続されるとともに、アイランド電極Bにはその下部にある導電部(Cuポスト層)を介して裏面電極(前記(v)の裏面電極Dということになる。)が接続されることになる。
容易想到構成はこのようなものであることから、前記(iii)~(v)の構成を満たしている。
d 引用発明は、直列態様発光素子であることから、容易想到構成では、それを維持するべく、前記cにおける裏面電極C及びDが電気的に接続されることが必要である。容易想到構成はこのようなものであることから、前記(vi)の構成を満たしている。
e 以上のとおりであるから、容易想到構成は、前記(i)~(vi)の構成を満たしている。
(ウ)以上の次第で、引用発明から出発した当業者は、前記(i)~(vi)の構成に容易に至り、そのため、相違点に係る本願発明の構成にも容易に至ったことになる。
ウ 本願発明が奏する効果について
本願発明の効果は、(i)発光ダイオードパッケージに複数の溝が形成されているので、外部基板と発光ダイオードパッケージが最大限密着すること(本願の明細書の【0025】)、(ii)当該溝にソルダーが充填されて外部基板と接合されるので、発光ダイオードパッケージと外部基板との間の接合力が高くなること(同【0026】)、(iii)発光ダイオードパッケージの外側にソルダーが形成されず、当該溝にソルダーが充填されることによって発光ダイオードパッケージのソルダーが最小化されるので、隣接した各発光ダイオードパッケージを配置するときの間隔を減少させること(同【0027】)であると認められる。
しかしながら、本願発明には、溝がソルダーを充填するためのものである旨の特定がないことから、これらの効果は、本願発明の特定事項に基づかないものである。また、仮にその点を措くとしても、溝に係る構成は、本願発明と引用発明との相違点にならないことから、この意味でも、本願発明の効果は、引用発明及び引用文献に記載された技術的事項に基づいて顕著なものということはできない。
(2)請求人の主張
請求人は、引用発明は、ワイヤボンディング実装されているため、本願発明のように「前記第1電極及び前記第2電極は、前記第2面側に設けられ、前記第1電極に接続されるビアホールおよび前記第2電極に接続されるビアホールは、前記ハウジングのうち前記発光ダイオードチップが実装された位置の下部に配置される」構成を有していない旨主張するが、前記(1)で検討したとおりである。
(3)小括
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献に記載された技術的事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-002749