商標拒絶査定不服審判
2023-000542
ノバレコード、ノバ、レコード
- 審判番号
- 2023-000542
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-159158
- 請求日
- 2023年01月13日
- 審決日
- 2023年12月05日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社イープラス
- 【請求人代理人】弁理士法人谷・阿部特許事務所
- 【請求人】株式会社NEXUS
- 【請求人代理人】弁理士法人谷・阿部特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浦崎 直之
- 分類
- T18 .261-Z (W091535) / T18 .262-Z (W091535) / T18 .263-Z (W091535)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-159158拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年3月19日に登録出願された商願2020-30157に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和2年12月24日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 4月 5日付け:拒絶理由通知書
令和3年 5月12日付け:意見書
令和4年10月11日付け:拒絶査定
令和5年 1月13日付け:審判請求書
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第9類、第15類及び第35類に属する別掲2に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第1819025号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「NOVA」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなる商標
登録出願日:昭和57年 3月24日
設定登録日:昭和60年11月29日
最新更新登録日:平成27年 6月30日
指定商品:第9類「電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,メトロノーム」(指定商品の書換登録日:平成17年 7月20日)
2 登録第2104694号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「NOVA」及び「ノバ」の文字を上下二段に表してなる商標
登録出願日:昭和61年 6月24日
設定登録日:平成元年 1月23日
最新更新登録日:平成30年8月28日
指定商品:第9類「電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,メトロノーム」及び第15類「楽器,演奏補助品,音さ」(指定商品の書換登録日:平成20年9月17日)
3 登録第6118239号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:NOVA(標準文字)
登録出願日:平成28年 7月28日
設定登録日:平成31年 2月 1日
指定商品:第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
4 国際登録第1383930号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
国際商標登録出願日:2017年(平成29年)10月 9日
優先権主張日:2017年(平成29年) 5月24日 France
設定登録日:令和元年(2019年) 5月17日
指定役務:第35類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの役務
以下、これらの登録商標をまとめて「引用商標」という。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、いずれも水色にて、猫をモチーフにしたと思わしき幾何学的図形を上段に、ややデザイン化がされた「NOVA」の文字を中段に、中段の文字に比して小さく表された「Record」の文字を下段に配してなるところ、本願商標を構成する図形部分と文字部分とは、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、本願商標の構成全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、図形部分と文字部分とは、それぞれ、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
また、下段に小さく表された「Record」の文字は、「音声や音楽などを録音し、プレーヤーによって再生する円盤。音盤。ディスク。」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)の意味を有する語であり、本願商標の指定商品及び指定役務中、第9類「録音済みのコンパクトディスク,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ダウンロード可能な映像・音楽」及び第35類「楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」との関係においては、商品の名称又は品質、あるいは、取扱商品の名称等を表したものと理解、認識されるとみるのが相当であって、それ自体、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を有しないか又は極めて弱いものといえる。
さらに、本願商標の構成文字全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、「NOVA」及び「Record」の各文字を常に不可分一体として観察しなくてはならない格段の理由は存在しないとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、前記の指定商品及び指定役務との関係において、その構成中、中段に大きく明瞭に表され、出所識別標識としての機能を果たす「NOVA」の文字が強く印象付けられるものである。
してみれば、本願商標は、独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得る「NOVA」の文字を分離、抽出し、これを要部として、他人の商標と比較と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成文字全体に相応して、「ノバレコード」の一連の称呼を生じるほか、その構成中の要部である「NOVA」の文字に相応して、「ノバ」の称呼も生じ、当該文字は、「新星」の意味を有する英語(「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店)であるから、「新星」の観念を生じるものである。
(2)引用商標1及び2について
ア 引用商標1について
引用商標1は、「NOVA」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるものであるところ、その構成文字に相応して、「ノバ」の称呼を生じ、上記(1)と同様に、「新星」の観念を生じるものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は、「NOVA」及び「ノバ」の文字を上下二段に表してなるところ、その構成中、下段の「ノバ」の片仮名は、上段の「NOVA」の欧文字の読みを表したものと容易に理解されるものであり、その構成文字に相応して、「ノバ」の称呼を生じ、上記(1)と同様に、「新星」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標1及び2との類否について
本願商標と引用商標とは、それぞれ上記(1)並びに上記(2)ア及びイのとおりの構成からなるところ、本願商標の構成中「NOVA」の文字部分と、引用商標1及び引用商標2の構成中「NOVA」の文字とを比較すると、外観においては、図案化の有無に差異を有するとしても、そのつづりを同じくするから、両者は、外観上類似するものである。
そして、称呼については、両者は「ノバ」の称呼を共通にするものである。
また、観念については、両者は「新星」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標の要部と引用商標1及び2とは、称呼及び観念を共通にし、外観において類似するから、これらの外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合勘案すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(4)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標1及び2の指定商品との類否について
本願商標の指定商品及び指定役務中、第9類「録音済みのコンパクトディスク,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ダウンロード可能な映像・音楽」及び第35類「楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標1の指定商品中、第9類「レコード」及び引用商標2の指定商品中、第9類「レコード」と類似の商品及び役務である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標1及び2と類似する商標であり、かつ、その指定商品及び指定役務も引用商標1及び2の指定商品と類似の商品及び役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標の図形部分と文字部分とは一体のものとして認識・把握されるべきであり、本願商標が有する特徴的なネコの図形部分の情報伝達力を十分勘案したうえで、かつ、それを注意深く認識・把握することができる本願の需要者を考慮すれば、本願商標と引用商標とは、その印象、記憶、連想を総合して考察すると、商品・役務の出所混同のおそれはない非類似の商標といえる旨主張する。
しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標を構成する図形部分と文字部分とは、いずれも重なることなく間隔を空けて配置され、視覚的に分離して観察されることに加え、猫をモチーフにしたと思わしき幾何学的図形と「新星」の観念を生じる「NOVA」の文字は、観念的な関連性も見いだすことはできず、その他、本願商標の構成全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、観念的な関連性も見いだすことはできないから、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難く、請求人が述べる取引の実情についても、需要者がそのことを常に念頭において取引にあたるとはいい難いから、図形部分と文字部分とは、それぞれ、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
(2)請求人は、仮に、本願商標を、図形部分と文字部分とに分離して、文字部分だけからその称呼及び観念が生じ得るとする場合であっても、商標同士の類否を判断するに際しての外観観察の外観は、あくまでも本願商標の全体としての外観となり、本願商標からは、「ノバレコード」のみの称呼を生じ、「NOVAレコード」という、レコードレーベルとしての観念が生じるとみるべき旨主張する。
しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標は、独立して商品及び役務の出所識別標識としての機能を果たし得る「NOVA」の文字を分離、抽出し、これを要部として、他人の商標と比較することが許されるというべきものである。
(3)請求人は、他の登録例、審決例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、それらの登録例、審決例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標1及び2の類否については、上記1(3)においてした判断のとおりであるから、それらの登録例、審決例をもってその判断が左右されることはない。
(4)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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