特許異議申立
2022-701233
消防団活動支援装置及び消防団活動支援プログラム
- 審判番号
- 2022-701233
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-014239外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 7083554
- 請求日
- 2022年12月13日
- 審決日
- 2023年03月07日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社タヌキテック
- 【異議申立人】小磯 由美
- 分類
- P1651.121-Y (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7083554号発明「消防団活動支援装置及び消防団活動支援プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7083554号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7083554号の請求項1~8に係る特許についての出願は、令和4年2月1日に特許出願され、令和4年6月3日にその特許権の設定登録がされ、令和4年6月13日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和4年12月13日に特許異議申立人 小磯由美(以下、申立人という。)により特許異議の申立てがされたものである。
第2 本件発明
特許第7083554号の請求項1~8の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。(以下、それぞれ、本件発明1などという。A~Jなどの符号は申立人が付与した符号を援用した。)
【請求項1】
1A 消防団員が利用する情報端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能な消防団活動支援装置であって、
1B 消防団員の出動事案に関する出動事案データを記憶する出動事案データ記憶手段と、
1C 前記情報端末から送信された、所定の出動事案に対する出動の回答(以下、出動回答という)を受け付ける出動回答受付手段と、
1D 前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在したか否かを判定する現場滞在確認手段と、
1E 前記情報端末から送信された作成指示により、前記所定の出動事案に対応する前記出動事案データ及び前記出動回答に基づいて、前記出動回答を送信した消防団員の出動報告書データを作成する出動報告書作成手段と、
1F 前記現場滞在確認手段により前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在していたと判定された場合、前記出動報告書作成手段が作成した前記出動報告書データを、消防本部に提出可能な状態のデータ(以下、提出用出動報告書データという)とする出動報告書提出手段と、を備え、
1G 前記出動事案データは、出動事案を一意に識別可能な出動事案ID、出動事案の種別(以下、出動種別という)、出動事案の現場位置(以下、出動位置という)、及び出動事案の日時(以下、出動日時という)に関する情報を、少なくとも備えるデータであり、
1H 前記情報端末は、該情報端末の位置を取得する位置取得手段を備え、
1I 前記現場滞在確認手段は、前記所定の出動事案に対応する前記出動事案データの前記出動位置及び前記出動日時と、前記位置取得手段により取得された、前記出動回答を送信した消防団員が携行した前記情報端末(以下、一の情報端末という)の経時的な位置と、に基づいて、該消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在したか否かを判定する、
1J ことを特徴とする消防団活動支援装置。
【請求項2】
2A 前記情報端末は、近距離に存在する他の前記情報端末と近距離無線通信が可能な近距離無線通信手段を備え、
2B 前記現場滞在確認手段は、前記一の情報端末の前記近距離無線通信手段が前記所定の出動事案の現場において他の前記情報端末と通信したか否かを加味して、前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在したか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1記載の消防団活動支援装置。
【請求項3】
3A 前記情報端末は、 出動事案に関する情報を示す二次元コードを表示する二次元コード表示手段と、
3B 前記二次元コードを読み取る二次元コード読取手段と、を備え、
3C 前記現場滞在確認手段は、前記一の情報端末の前記二次元コード読取手段が、前記所定の出動事案の現場において、他の前記情報端末により表示された前記所定の出動事案に関する情報を示す前記二次元コードを読み取ったか否かを加味して、前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在したか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1又は2記載の消防団活動支援装置。
【請求項4】
4A 前記出動報告書作成手段は、作成された前記出動報告書データを、権限ある消防団員(以下、上長という)により修正可能であり、
4B 前記出動報告書提出手段は、前記上長の認証を加味して前記提出用出動報告書データを作成する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の消防団活動支援装置。
【請求項5】
5A 前記消防本部の構成員である消防職員が利用する情報端末(以下、消防本部端末という)と通信ネットワークを介して相互に通信可能であり、
5B 前記出動報告書提出手段は、前記提出用出動報告書データを前記消防本部端末に送信する、又は前記提出用出動報告書データを消防職員が閲覧可能なデータとする、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の消防団活動支援装置。
【請求項6】
6A 前記出動報告書データは、消防団員を一意に識別可能な団員ID、前記出動事案ID、前記出動種別、出動開始日時、及び出動終了日時に関する情報を、少なくとも備えるデータである、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の消防団活動支援装置。
【請求項7】
7A 前記出動事案データは、災害事案に関する災害出動事案データと、非災害事案に関する非災害出動事案データと、を備え、
7B 出動事案が前記災害事案の場合、前記災害出動事案データの前記出動日時は、災害の覚知時刻と災害の現場からの撤収時刻で構成され、
7C 前記出動報告書作成手段は、出動事案が前記災害事案の場合、消防団が災害の現場から撤収した後に、前記覚知時刻を前記出動開始日時に設定し、前記撤収時刻を前記出動終了日時に設定して前記出動報告書データを作成する、ことを特徴とする請求項6記載の消防団活動支援装置。
【請求項8】
8A 消防団員が利用する情報端末と通信ネットワークを介して相互に通通信可能なコンピュータのための消防団活動支援プログラムであって、
8B 前記情報端末は、該情報端末の位置を取得する位置取得手段を備え、8C 前記コンピュータは、 消防団員の出動事案に関する出動事案データを記憶する出動事案データ記憶手段を備え、
8D 前記出動事案データは、出動事案を一意に識別可能な出動事案ID、出動事案の種別(以下、出動種別という)、出動事案の現場位置(以下、出動位置という)、及び出動事案の日時(以下、出動日時という)に関する情報を、少なくとも備えるデータであり、
8E 前記情報端末から送信された、所定の出動事案に対する出動の回答(以下、出動回答という)を受け付ける出動回答受付ステップと、
8F 前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在したか否かを判定する現場滞在確認ステップと、
8G 前記情報端末から送信された作成指示により、前記所定の出動事案に対応する前記出動事案データ及び前記出動回答に基づいて、前記出動回答を送信した消防団員の出動報告書データを作成する出動報告書作成ステップと、
8H 前記現場滞在確認ステップにおいて前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在していたと判定された場合、前記出動報告書作成ステップにおいて作成された前記出動報告書データを、消防本部に提出可能な状態のデータとする出動報告書提出ステップと、を前記コンピュータに実行させ、
8I 前記現場滞在確認ステップは、前記所定の出動事案に対応する前記出動事案データの前記出動位置及び前記出動日時と、前記位置取得手段により取得された、前記出動回答を送信した消防団員が携行した前記情報端末の経時的な位置と、に基づいて、該消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在したか否かを判定する、
8J ことを特徴とする消防団活動支援プログラム。
第3 申立理由の概要
申立人は、概略、証拠として甲第1号証~甲第7号証を提出し、このうちの甲第1号証を主たる引用文献としたうえで、本件発明1~本件発明8は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証~甲第7号証に記載された技術事項に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消すべきものであると主張している。
第4 各甲号証の記載(下線は当審が付与した。)
(1)甲第1号証(特開2018-180724号公報)には、以下のとおりの記載がある。
【請求項1】
作業員用携帯端末と、サーバと、を具備し、
前記作業員用携帯端末は、
建設作業員を識別するための識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段と、
GPSを利用して前記作業員用携帯端末の現在位置を示す端末位置情報を検知する位置情報検知手段と、
を有し、
前記サーバは、
建設現場の位置を示す現場情報及び建設現場に参加する建設作業員を示す作業員情報が蓄積され業者用端末からの入力に応じて更新されるデータベースと、
建設作業員の勤怠を管理するための勤怠管理手段と、
を有し、
前記勤怠管理手段は、
業者用端末から入力される建設作業員の勤務予定時間を示す勤務予定時間情報を記憶する勤務予定時間記憶手段と、
前記作業員用携帯端末から前記識別情報を取得し当該識別情報に基づいて前記作業員情報から建設作業員を特定する作業員特定手段と、
前記作業員用携帯端末から前記端末位置情報を前記端末位置情報の検知時刻を示す検知時刻情報と共に自動的に取得する位置情報取得手段と、
特定された建設作業員について、前記勤務予定時間情報、前記作業員情報、前記現場情報、前記端末位置情報及び前記検知時刻情報から、勤務開始予定時間帯及び勤務終了予定時間帯において建設現場の位置範囲内に作業員用携帯端末の位置が含まれるか否かに基づいて、当該建設作業員の勤怠を示す勤怠情報を作成して記憶する勤怠情報作成手段と、
を有する、
ことを特徴とする建設業用勤怠管理システム。
【0001】
本発明は、建設現場への建設作業員の出退勤を管理する建設業用勤怠管理システム、方法及びプログラムに関する。
【0004】
しかしながら、建設業界の就業形態については、就業場所となる建設現場自体が比較的短期間に発生ないし消滅し、従業員となる建設作業員の参加すべき建設現場が施工の状況によって頻繁に変更される等、通常の就業形態とは異なる建設業界特有の就業形態をなしている。このため、従来提案されている勤怠管理システムは、必ずしも建設業界に適合したものではなかった。
【0023】
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1を参照して、本実施形態の建設業用勤怠管理システムについて説明する。
図1に示されるように、本実施形態の勤怠管理システムは、作業員用携帯端末10、業者用端末30、及び、サーバ40によって構成されている。
【0024】
以下に説明するように、作業員用携帯端末10、業者用端末30及びサーバ40は、建設作業員の勤怠情報を自動的に作成して記憶する機能を有する。
作業員用携帯端末10は、建設作業員によって携帯され操作される。作業員用携帯端末10としては、スマートフォン等が用いられる。作業員用携帯端末10にはサーバ40から勤怠管理用アプリケーションがダウンロードされ、作業員用携帯端末10は、作業員の識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段11として機能する。本実施形態では、識別情報として作業員の氏名及び生年月日が用いられる。また、作業員用携帯端末10は、GPS(全地球測位システム)を利用して、作業員用携帯端末10の現在位置を示す端末位置情報を検知する位置情報検知手段12として機能する。
【0025】
業者用端末30は、建設業者の事務所等に置かれ、業者の担当者によって操作される。業者用端末30としては、パーソナルコンピュータ等が用いられる。業者には、勤怠管理を要する複数の作業員が所属する建設会社等が含まれる。
【0026】
サーバ40は、建設業用のデータベース41として機能する。
データベース41には、現場情報、作業員情報、編成情報が蓄積されている。現場情報としては、建設現場の位置を示す現場位置情報が用いられ、本実施形態では、現場位置情報として建設現場の住所情報が用いられる。現場位置情報としては、地図上で建設現場の位置を直接指示した現場指示情報を用いるようにしてもよい。作業員情報としては、各建設現場に参加する作業員に関する情報、各業者に所属する作業員に関する情報が用いられ、本実施形態では、作業員に関する情報として作業員の氏名及び生年月日が用いられる。編成情報としては、各建設現場で編成される職能別の班について、班の責任者である職長を示す職長情報、班に所属する作業員を示す班員情報が用いられ、本実施形態では、職長情報、班員情報として、職長、班員の氏名及び生年月日が用いられる。このようなデータベース41として、例えば、元請数として100社以上、下請数として35,000社以上、建設現場数として12,000現場以上となるような大規模なデータベース41が用いられる。
【0027】
建設現場の発生ないし消滅、建設現場に参加する作業員の変更、建設現場における編成の変更等に応じて、業者用端末30から随時新たな情報が入力され、データベース41に蓄積されている各種情報が更新される。
【0028】
さらに、サーバ40は、作業員の勤怠を管理するための勤怠管理手段42として機能する。
勤怠管理手段42は勤務予定時間記憶手段43を有する。勤務予定時間記憶手段43は業者用端末30から入力される勤務予定時間情報を記憶する。勤務予定時間情報には、当該業者に所属する各建設作業員の勤務開始予定時間情報及び勤務終了予定時間情報が含まれる。本実施形態では、勤務開始予定時間として午前8時、勤務終了予定時間として午後5時が用いられる。
【0029】
勤怠管理手段42はさらに作業員特定手段44を有する。作業員特定手段44は、作業員用携帯端末10の識別情報受付手段11によって受け付けられた作業員の識別情報を取得し、データベース41の作業員情報から、取得した識別情報に基づいて作業員を特定する。本実施形態では、作業員特定手段44は、データベース41の作業員情報から、取得した作業員の氏名及び生年月日と一致する氏名及び生年月日を有する作業員を検索して、作業員を特定する。
【0030】
勤怠管理手段42はさらに位置情報取得手段45を有する。位置情報取得手段45は、作業員用携帯端末10の位置情報検知手段12によって検知された端末位置情報を、端末位置情報の検知時刻を示す検知時刻情報と共に自動的に取得する。本実施形態では、位置情報取得手段45は、毎時00分、15分、30分、45分の15分毎に24時間継続して端末位置情報を取得する。
【0031】
勤怠管理手段42はさらに勤怠情報作成手段46を有する。勤怠情報作成手段46は、特定された作業員について、勤務予定時間記憶手段43の勤務予定時間情報から、当該作業員の勤務予定時間情報を検索して取得し、データベース41の作業員情報から、当該作業員の参加する建設現場を検索し、現場情報から当該建設現場の現場位置情報を検索して取得する。勤怠情報作成手段46は、勤務予定時間情報、現場位置情報、端末位置情報及び検知時刻情報から、勤務開始予定時間帯及び勤務終了予定時間帯において、建設現場の位置範囲内に作業員用携帯端末10の位置が含まれるか否かに基づいて、当該作業員の勤怠を示す勤怠情報を作成し記憶する。なお、勤怠情報作成手段46は、勤務終了予定時間帯後の所定の時刻に、初めて作業員用携帯端末10の位置が建設現場の位置範囲外になった場合には、作業員は当該時刻まで残業を行い、当該時刻に建設現場から退場したとして、勤怠情報を作成する。
【0032】
本実施形態では、勤務開始予定時間は午前8時となっており、午前8時における作業員用携帯端末10の位置が建設現場の住所位置から所定距離の範囲内にある場合には、午前8時に作業員が建設現場に入場したと判断し、出勤情報を作成する。所定距離については、建設現場の規模に応じて適宜設定され、例えば100mに設定される。また、勤務終了予定時間は午後5時となっており、午後5時15分における作業員用携帯端末10の位置が建設現場の住所位置から所定距離の範囲外にある場合には、午後5時に作業員が建設現場から退場したと判断し、退勤情報を作成する。なお、午後5時15分以降の所定の検知時刻に、初めて作業員用携帯端末10の位置が建設現場の住所位置から所定距離の範囲外となった場合には、作業員は午後5時から当該検知時刻の15分前の時刻まで残業を行い、当該時刻に建設現場から退場したとして、退勤情報及び各種残業時間情報を作成する。
【0033】
以下に説明するように、作業員用携帯端末10及びサーバ40は、作業員用携帯端末10に勤怠情報を表示し、作業員用携帯端末10から勤怠情報の修正を受け付ける機能を有する。
【0034】
作業員用携帯端末10は勤怠情報表示手段13として機能する。勤怠情報表示手段13は、作業員用携帯端末10への操作に応じて、サーバ40の勤怠情報作成手段46の勤怠情報から、特定された作業員の勤怠情報を検索して取得し、作業員用携帯端末10に当該作業員の勤怠情報を表示する。なお、勤怠情報表示手段13は、自動的に作業員用携帯端末10に当該作業員の勤怠情報を表示するようにしてもよい。そして、作業員用携帯端末10は、作業員による勤怠情報に対する修正を示す修正情報を受け付ける修正情報受付手段14として機能する。勤怠情報作成手段46は、修正情報受付手段14により受け付けられた修正情報を取得し、勤怠情報に修正情報を付加して記憶する。
【0049】
集計情報作成及び提供ステップ(S80)
業者担当者は、月毎に、業者用端末30からサーバ40にアクセスして、当該業者に所属する各作業員の勤怠情報が集計された所定の形式の集計情報を取得する。ここでは、サーバ40の集計情報作成手段47によって、所定の業者に所属する各作業員について、承認情報の付与された勤怠情報が集計されて、集計情報が作成されて記憶され、集計情報提供手段48によって集計情報が所定の形式で提供される。業者担当者は、取得した集計情報を利用して各作業員の勤怠情報を確認し、給与計算等を行う。
【0051】
本実施形態の建設業用勤怠管理システム及び方法は次の効果を奏する。
従来、建設業界では、建設作業員、職長、建設業者の担当者の各々が、基本的に紙ベースで、夫々の形式で勤怠情報を作成し、必要に応じて各勤怠情報を照会、確認、集計することで勤怠管理を行っていた。このため、作業員、職長、業者担当者の各々に余計な手間や無駄が生じており、転記ミス、集計ミス等の誤りも頻発していた。さらに、小規模の業者であれば、経営者が職長や業者担当者を兼ねることもあり、勤怠管理に要する余計な時間や労力が、営業活動や人材確保及び育成といった経営者としての本業の妨げとなることもあった。
【0052】
これに対して、本実施形態の建設業用勤怠管理システム及び方法では、建設作業員が作業員用端末10に勤怠管理用アプリケーションをダウンロードして識別情報を入力した後は、作業員用携帯端末10を携帯して建設現場への入退場を行うだけで、当該作業員の出勤情報、退勤情報及び残業情報を含む勤怠情報が自動的に作成され、記憶されるようになっている。そして、建設作業員は、作業員用携帯端末10によって、自身の勤怠情報を確認し、必要に応じて勤怠情報の修正情報を入力することが可能である。さらに、職長の作業員用携帯端末10sには、職長の班に所属する班員の班員勤怠情報が修正情報も含めて自動的に表示されるようになっており、職長は、作業員用携帯端末10sによって、表示された班員勤怠情報を確認し、承認情報を入力することが可能である。加えて、業者担当者は、業者用端末30によってサーバ40にアクセスすることで、当該業者に所属する作業員の勤怠情報を集計した集計情報を所定の形式で取得することができ、取得した集計情報を利用して各作業員の勤怠情報を確認し、各作業員の給与計算等を行うことが可能である。
【0053】
このように本実施形態の勤怠管理システム及び方法では、従来の建設業界の勤怠管理で必要であった余計な手間や無駄を排し、作業員、職長、業者担当者による勤怠管理に必要な労力や時間を削減することが可能となっている。また、勤怠管理における誤りを排し、正確な勤怠管理を行うことが可能となっている。業者の経営者が職長や業者担当者を兼ねる場合には、営業活動や人材確保及び育成といった、経営者としての本業に、より多くの時間や労力を費やすことが可能となっている。
以上のように、本実施形態の勤怠管理システム及び方法では、建設業界に適合した勤怠管理が実現されている。
以上の甲第1号証の記載によれば、甲第1号証には以下のとおりの発明(以下、甲1発明という。)が記載されている。
作業員用携帯端末10、業者用端末30、及び、サーバ40によって構成される勤怠管理システムのサーバ40であって、(【0023】)
作業員用携帯端末10には、スマートフォン等が用いられ、サーバ40から勤怠管理用アプリケーションがダウンロードされ、(【0024】)
サーバ40は、作業員の勤怠を管理するための勤怠管理手段42として機能し、勤怠管理手段42は勤務予定時間記憶手段43を有し、勤務予定時間記憶手段43は業者用端末30から入力される勤務予定時間情報を記憶し、勤務予定時間情報には、当該業者に所属する各建設作業員の勤務開始予定時間情報及び勤務終了予定時間情報が含まれ、(【0028】)
勤怠管理手段42はさらに作業員特定手段44を有し、作業員特定手段44は、作業員用携帯端末10の識別情報受付手段11によって受け付けられた作業員の識別情報を取得し、データベース41の作業員情報から、取得した識別情報に基づいて作業員を特定し、(【0029】)
勤怠管理手段42はさらに位置情報取得手段45を有し、位置情報取得手段45は、作業員用携帯端末10の位置情報検知手段12によって検知された端末位置情報を、端末位置情報の検知時刻を示す検知時刻情報と共に自動的に取得し、(【0030】)
サーバ40は、建設業用のデータベース41として機能するものであって、データベース41には、現場情報、作業員情報、編成情報が蓄積され、現場情報としては、建設現場の位置を示す現場位置情報が用いられ、作業員情報としては、各建設現場に参加する作業員に関する情報、各業者に所属する作業員に関する情報が用いられ、建設現場の発生ないし消滅、建設現場に参加する作業員の変更、建設現場における編成の変更等に応じて、業者用端末30から随時新たな情報が入力され、データベース41に蓄積されている各種情報が更新され、(【0026】、【0027】)
勤怠管理手段42はさらに勤怠情報作成手段46を有し、勤怠情報作成手段46は、特定された作業員について、勤務予定時間記憶手段43の勤務予定時間情報から、当該作業員の勤務予定時間情報を検索して取得し、データベース41の作業員情報から、当該作業員の参加する建設現場を検索し、現場情報から当該建設現場の現場位置情報を検索して取得し、勤怠情報作成手段46は、勤務予定時間情報、現場位置情報、端末位置情報及び検知時刻情報から、勤務開始予定時間帯及び勤務終了予定時間帯において、建設現場の位置範囲内に作業員用携帯端末10の位置が含まれるか否かに基づいて、当該作業員の勤怠を示す勤怠情報を作成し記憶し、(【0031】)
月毎に、業者用端末30からサーバ40にアクセスして、当該業者に所属する各作業員の勤怠情報が集計された所定の形式の集計情報を取得する、(【0049】)
勤怠管理システムのサーバ40。
(2)甲第2号証(特開2021-18755号公報)には、以下のとおりの記載がある。
【0001】
本発明は、消防団の活動を支援する消防活動支援システムに関する。
【0002】
日本には「消防団」という地域の防災活動の担い手として活躍している、非常備の消防機関がある。このような消防団の構成員である「消防団員」は、一般に本業を別に持つ一般市民で構成されている。これに対して、「消防本部」は、常備の消防機関であり、その構成員である「消防職員」は、専業の従事職員である。このような位置付けにある消防団員は、火災などの災害発生時には、消防職員とともに災害活動を行う。具体的には、消防本部から出場連絡を受けた場合、消防団員は、自宅や職場から現場へ駆けつけ、その地域での経験を活かした消火活動や救助活動を行っている。
【0003】
従来においては、災害が発生した場合、まず、消防本部が各消防団の代表に出場連絡を行い(例えば、電話など)、その後、連絡を受けた消防団の代表が所属する消防団員に所定の方法(例えば、電話、メール、防災無線など)で出場連絡を伝達するようにしていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば、電話による連絡では、消防本部から消防団員、消防団員から消防団員とリレー形式で行うため、連絡に時間がかかり、災害現場への到着が遅れるという問題があった。また、例えば、メールによる連絡では、通信相手がメールを受信したのか、出場は可能なのかといった消防団員の動態を正確に把握することができないといった問題もあった。
【0008】
この点、既存のグループウェアソフトなどを用いて消防団員間のコミュニケーションを図ることも可能であるが、消防団の活動に特化した機能を満たしていないのが現状である。
【0009】
このように従来の消防団の消防活動においては、情報伝達に時間がかかるともに、正確な情報伝達が行えない、という問題が存在するため、結果として、消防団員による迅速かつ的確な消防活動を行うことができないという問題があった。
【0010】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、消防団員による迅速かつ的確な消防活動を可能とする消防活動支援システムを提供することを目的とする。
【0021】
なお、本実施の形態では、便宜上、災害発生時、消防団員に対して災害現場への出場を要請する出場指令及び災害現場からの撤収を指示する撤収指令を発動する利用者を「第1の利用者」、上記出場指令及び撤収指令を受信する利用者を「第2の利用者」と称して、以下、説明を行う。具体的には、消防職員、又は所定の階級(具体的には、消防団の副団長)以上の消防団員が上記出場指令及び撤収指令を発動することが可能であり、「第1の利用者」となる。また、第1の利用者が利用する利用者端末2を「第1の利用者端末2A」、第2の利用者が利用する利用者端末2を「第2の利用者端末2B」と表記して両者を区別する場合がある。
【0022】
災害情報記憶部102は、消防活動支援システム10の消防活動に関する情報を記憶するデータベースである。具体的には、図2(b)に示すように、災害を一意に識別可能な災害IDと、消防団の活動に必要な情報(以下、活動情報という)と、を対応付けた災害情報d102を記憶している。災害情報d102は、災害発生時に第1の利用者により災害情報記憶部102に登録され、また、利用者の種々の操作に基づき、該当する災害情報d102の各種項目が逐次更新されていく。
【0023】
活動情報は、詳しくは、発生した災害の災害種別、発生した災害に対して要請する出場人数、災害の規模を示す出場区分、災害の発生場所を示す住所、出場指令の送信対象となる利用者に関する情報(以下、送信者情報という)、消防団員への連絡事項、災害現場の最高責任者、災害現場に関する現場情報、災害を覚知した覚知時刻、災害現場からの撤収を示す撤収情報などから構成されている。
【0024】
ここで、送信者情報は、出場指令の送信対象となる利用者の利用者ID、及び出場可否を示す出場可否情報から構成されている。本実施の形態の出場可否情報には、出場可、出場不可のほか、遅れて出場可の3つの選択肢が用意されているが、さらに細分化して設定してもよい。
【0041】
図10は、返信画面SC6を示している。返信画面SC6は、災害情報画面SC5において返信ボタンB5を押下した場合に表示されるポップアップ画面である。本実施の形態では、出場可を示す「できる」、出場不可を示す「できない」に加えて、遅れて出場可を示す「時間かかります」が選択肢として表示される。利用者は、この3つの選択肢の中からいずれかを選択する。これにより、出場可否情報が消防活動支援サーバ1に送信され、災害情報記憶部102の災害情報d102に反映されるとともに、この出場可否情報の集計に基づいて、第4画面SC4及び災害情報画面SC5に出場可能な人数が表示される。利用者は、この数字を見ることにより、現在の出場動態を確認することができる。
以上の記載によれば、甲第2号証には、消防団の活動を支援する消防活動支援システムに関し、消防団員による迅速かつ的確な消防活動を可能とするため、災害情報記憶部102に、消防活動に関する情報(災害を一意に識別可能な災害IDと、消防団の活動に必要な情報(以下、活動情報という)と、を対応付けた災害情報d102を記憶し、活動情報は、発生した災害の災害種別、発生した災害に対して要請する出場人数、災害の規模を示す出場区分、災害の発生場所を示す住所、出場指令の送信対象となる利用者に関する情報(以下、送信者情報という)、消防団員への連絡事項、災害現場の最高責任者、災害現場に関する現場情報、災害を覚知した覚知時刻、災害現場からの撤収を示す撤収情報などから構成され、利用者は、返信として、出場可を示す「できる」、出場不可を示す「できない」、遅れて出場可を示す「時間かかります」の3つの選択肢の中からいずれかを選択して返信することで、出場可否情報が消防活動支援サーバ1に送信され、災害情報記憶部102の災害情報d102に反映されるとともに、この出場可否情報の集計に基づいて、第4画面SC4及び災害情報画面SC5に出場可能な人数が表示される技術が記載されている。
(3)甲第3号証(特開2021-12564号公報)には、以下のとおりの記載がある。
【0001】
本発明は、火災の発生に関する情報を共有する情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自衛消防隊の隊員同士の連携を支援する支援システムが知られている。(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のシステムによれば、建築物に配設された自動警報設備からの火災発生などの異状を知らせる異常情報が端末に伝達され、当該異常方法を受けた端末同士では音声通話による情報の共有が可能となる。
【0005】
特許文献1のシステムを、地域の消防団による消火活動時に消防団員等が情報共有をするシステムとして応用することが考えられる。
【0006】
しかしながら、特許文献1のシステムは、特定の建築物に配設された自動警報設備からの火災発生などの異状を知らせる異常情報が送信されることが前提となっており、地域の消防団が管轄する地域内に所在する無数の家屋、建物等の消火活動に用いることが考慮されていない。
【0012】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題に鑑み、迅速に消火活動を行うことができる対象が限定されず、かつ様々な場所で消防団員以外の業務に従事している消防団員間での情報共有を適切に図ることができる火災情報システムを提供することにある。
【0063】
火災情報送信部113は、今回火災情報50aに含まれる通報者位置情報510に基づいて記憶部130の端末識別情報データベース(DB)131を参照して、今回火災情報50bの送信対象となる火災情報共有端末30を特定し、該特定された火災情報共有端末30に今回火災情報50bを送信する。
【0066】
推奨部119は、端末位置取得部311により取得された、各火災情報共有端末30が今回火災情報50を受信した際の端末位置情報と、今回火災情報50bに含まれる通報者位置情報510と、屯所情報取得部115により取得された屯所位置情報520との位置関係に基づいて、各受信ユーザに通報者位置情報510が示す位置及び屯所位置情報520が示す位置のいずれかに出動することを促す情報を表示部330に表示させる。
【0074】
出動可否情報受付部315は、受信ユーザによる今回の火災の消火活動に出動できるか否かを示す情報を含む出動可否情報の入力を受け付ける。
【0075】
あるいは出動可否情報受付部315は、受信ユーザによる、今回火災情報50に含まれる通報者位置情報510が示す位置及び屯所情報取得部115に取得された屯所位置情報が示す位置のいずれに出動するかを示す情報を含む出動可否情報の入力を受け付けるように構成される。
【0077】
出動可否情報送信部317は、出動可否情報受付部315が受け付けた出動可否情報を、他の火災情報共有端末30に送信する。
以上の記載によれば、甲第3号証には、火災の発生に関する情報を共有する情報システムに関し、様々な場所で消防団員以外の業務に従事している消防団員間での情報共有を適切に図ることができる火災情報システムを提供するものであって、今回火災情報50aに含まれる通報者位置情報510に基づいて記憶部130の端末識別情報データベース(DB)131を参照して、今回火災情報50bの送信対象となる火災情報共有端末30を特定し、該特定された火災情報共有端末30に今回火災情報50bを送信し、各火災情報共有端末30が今回火災情報50を受信した際の端末位置情報と、今回火災情報50bに含まれる通報者位置情報510と、屯所情報取得部115により取得された屯所位置情報520との位置関係に基づいて、各受信ユーザに通報者位置情報510が示す位置及び屯所位置情報520が示す位置のいずれかに出動することを促す情報を表示部330に表示させ、出動可否情報受付部315は、受信ユーザによる今回の火災の消火活動に出動できるか否かを示す情報を含む出動可否情報の入力を受け付け、出動可否情報送信部317は、出動可否情報受付部315が受け付けた出動可否情報を、他の火災情報共有端末30に送信する技術が記載されている。
(4)甲第4号証(特開2018-37057号公報)には、以下のとおりの記載がある。
【0001】
本発明は、本発明は、勤怠を管理する装置等に関するものである。(原文ママ)
【0005】
例えば、ユーザが携帯情報端末等を利用して、社内のネットワーク以外のネットワークや移動通信システム等を介して、さまざまな場所から出勤時刻および退出時刻等の打刻を行えるようにした場合、ユーザが、実際に本来勤務すべき場所から打刻を行なっているか否かを判断することができず、適切に打刻が行なわれたか否かを確認することができなかった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解消するためになされたものであり、ユーザが適切な位置から勤怠に関する打刻を行なったか否かを判断することができる勤怠管理サーバ装置等を提供することを目的とする。
【0040】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態における勤怠管理システム1000のブロック図である。
勤怠管理システム1000は、勤怠管理サーバ装置1、一または二以上の打刻端末装置2、および一または二以上の表示端末装置3を備える。勤怠管理サーバ装置1と各打刻端末装置2とは、通信回線等を介して情報の通信可能となるよう接続される。また、勤怠管理サーバ装置1と各表示端末装置3とは、通信回線等を介して情報の通信可能となるよう接続される。通信回線は、無線または有線のいずれの通信回線であってもよく、両者が混在していてもよい。なお、図1においては、説明のため、打刻端末装置2が一つである場合を示しているが、打刻端末装置2は、二以上であってもよい。かかることは、表示端末装置3についても同様である。
【0041】
勤怠管理サーバ装置1は、受信部101、勤怠情報格納部102、ユーザ領域管理情報格納部103、位置判断部104、蓄積部105、出力部106を備える。
打刻端末装置2は、位置情報取得部201、ユーザ識別子格納部202、操作受付部203、打刻判断部204、送信部205を備える。
【0043】
受信部101は、位置付打刻情報を受信する。例えば、受信部101は、一以上の打刻端末装置2等から送信される位置付打刻情報を受信する。位置付打刻情報は、ユーザ識別子と、位置情報とを有する情報であって、ユーザ識別子が示すユーザの勤怠に関する打刻の情報である。位置付打刻情報は、例えば、打刻が行なわれたことを示す情報である。
【0072】
蓄積部105は、位置付勤怠情報を勤怠情報格納部102に蓄積する。位置付勤怠情報は、受信部101が受信した位置付打刻情報が有するユーザ識別子および位置情報と、位置付打刻情報に対応する打刻時刻情報と、を有する情報である。位置付勤怠情報は、位置情報を有する勤怠に関する情報である。蓄積部105は、例えば、受信部101が受信した位置付打刻情報が有するユーザ識別子および位置情報と、位置付打刻情報に対応する打刻時刻情報と、を有する位置付勤怠情報を取得して、取得した位置付勤怠情報を、勤怠情報格納部102に蓄積する。蓄積部105は、更に、位置付打刻情報が有する位置情報の取得手段を示す情報を更に有する位置付勤怠情報を勤怠情報格納部102に蓄積してもよい。例えば、蓄積部105は、受信部101が受信した位置付打刻情報が有するユーザ識別子、位置情報および位置情報の取得手段を示す情報と、位置付打刻情報に対応する打刻時刻情報と、を有する位置付勤怠情報を取得して、取得した位置付勤怠情報を勤怠情報格納部102に蓄積してもよい。ここでの取得は、生成することと考えてもよく、作成することと考えてもよい。蓄積部105は、受信部101が受信した位置付打刻情報が有する時刻情報を打刻時刻情報として有する位置付勤怠情報を蓄積してもよく、受信部101が位置付打刻情報を受信した時刻の情報を取得して、この時刻の情報を打刻時刻情報として有する位置付勤怠情報を蓄積してもよく、蓄積部105が位置付勤怠情報を蓄積する際(例えば、蓄積する直前)の時刻の情報を取得して、この時刻の情報を打刻時刻情報として有する位置付勤怠情報を蓄積してもよい。ここでの時刻は、例えば、図示しない時計から取得しても良く、NTP等を介して取得してもよい。
【0100】
操作受付部203は、打刻の操作を受け付ける。打刻とは、例えば、勤怠に関する入力である。打刻とは、例えば、勤務に関連した時間の開始または終了の時刻を記すための入力である。勤務に関連した時間の開始の時刻とは、例えば、出勤時刻、外出開始時刻、休憩開始時刻、及び残業開始時刻等の一以上である。勤務に関連した時間の開始の時刻とは、例えば、退出時刻、外出終了時刻、及び休憩終了時刻等の一以上である。操作受付部203が、どのように打刻の操作を受け付けるかは問わない。例えば、操作受付部203は、打刻の操作を受け付けるための予め決められたボタンが押された場合に、打刻の操作を受け付けてもよい。また、例えば、操作受付部203は、打刻の操作を受け付けるためのメニュー画面等を介して打刻の操作を受け付けてもよく、操作受付部203は、例えば、予め決められたキーボード等の操作により打刻の操作を受け付けても良い。また、音声入力で打刻を受け付けても良い。操作受付部203が受け付ける打刻は、どのような属性の打刻であってもよい。例えば、操作受付部203は、出勤時刻の打刻を受け付けてもよく、退出時刻の打刻を受け付けても良い。出勤時刻の打刻は、属性が出勤時刻である打刻と考えてもよい。退出時刻の打刻は、属性が退出時刻である打刻と考えてもよい。なお、打刻のためのメニュー画面等を表示する場合、打刻端末装置2は、メニュー画面等を表示する表示部(図示せず)を有していても良い。また、このメニュー画面等を表示するための操作は、操作受付部203が受け付けるようにしてもよい。
【0107】
送信部205は、ユーザ識別子格納部202に格納されたユーザ識別子と、位置情報取得部201が取得した位置情報とを有する情報であって、ユーザ識別子が示すユーザの勤怠に関する打刻の情報である位置付打刻情報を、勤怠管理サーバ装置1に送信する。位置付打刻情報とは、打刻が行なわれたことを示す情報である。ただし、位置付打刻情報は、位置付打刻情報であることを示す情報を有していても良く、有していなくても良い。例えば、位置付打刻情報は、少なくとも、ユーザ識別子と、位置情報とを有する情報である。送信部205は、打刻の操作が行なわれた時刻の打刻時刻情報を取得して、この打刻時刻情報を有する位置付打刻情報を送信してもよい。打刻の操作が行なわれた時刻は、例えば,打刻の操作を受け付けた時刻であってもよく、その前後の時刻である。打刻時刻情報は、例えば、図示しない時計やNTP等から取得可能である。また、打刻時刻情報は、送信が行なわれる時刻の情報であってもよい。ただし、勤怠管理サーバ装置1が、打刻時刻情報を取得する場合は、打刻時刻情報は取得しなくても良い。
以上の記載によれば、甲第4号証には、勤怠を管理する装置等に関し、ユーザが適切な位置から勤怠に関する打刻を行なったか否かを判断することができる勤怠管理サーバ装置であって、勤怠管理サーバ装置1は、受信部101、勤怠情報格納部102、ユーザ領域管理情報格納部103、位置判断部104、蓄積部105、出力部106を備え、受信部で打刻端末装置2等から送信される位置付打刻情報を受信し、蓄積部105は、受信部101が受信した位置付打刻情報が有するユーザ識別子、位置情報および位置情報の取得手段を示す情報と、位置付打刻情報に対応する打刻時刻情報と、を有する位置付勤怠情報を取得して、取得した位置付勤怠情報を勤怠情報格納部102に蓄積し、打刻端末装置2は、位置情報取得部201、ユーザ識別子格納部202、操作受付部203、打刻判断部204、送信部205を備え、操作受付部203は、打刻の操作を受け付け、送信部205は、ユーザ識別子格納部202に格納されたユーザ識別子と、位置情報取得部201が取得した位置情報とを有する情報であって、ユーザ識別子が示すユーザの勤怠に関する打刻の情報である位置付打刻情報を、勤怠管理サーバ装置1に送信する技術が記載されている。
(5)甲第5号証(特開2021-21997号公報)には、以下のとおりの記載がある。
【0002】
企業などの社員が出張した場合に交通費を立て替えておき、帰社後に交通費の精算を行う場合がある。また、出張先でお客様と打ち合わせしたような場合、社員は勤務先に議事録を提出する。また、近年ではオフィスに出社しないで仕事をする勤務形態も少なくないが、このような場合には日報などを作成して企業に報告する場合もある。
【0003】
このような作業は社員などの負担になる。そこで、社員等にかかる負担を減らし、社員等のユーザの行動の実態に即した正確な交通費精算書等の作成を支援する技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、携帯情報端末がユーザの行動履歴情報を記憶し、情報処理装置が携帯情報端末から送信された行動履歴情報を用いてユーザの行動に係わる帳票を作成するシステムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、外出先など自社オフィス外にユーザがいる時には書類を作成できないという問題があった。例えば、従来技術ではシステムが導入されている情報処理装置と携帯端末を通信させる必要があり、外出先など自社オフィス外では書類を作成できない。
【0005】
本願発明は、ユーザが外出先など自社オフィス外にいる場合にも各種の書類の作成を自動的に行うことができる情報処理装置等を提供することを目的とする。
【0010】
<動作の概略>
図1は、本実施形態の情報処理システム100の動作の概略を説明する図である。ユーザは企業などの社員であって、自社オフィス以外で行動する場合には携帯端末10を携帯している。ユーザの行動とは、主に業務の遂行のために行われる移動、面会、事務処理などであるが、企業に報告する全ての行動が含まれる。図1ではユーザの自社オフィス以外の場所をワークスペース9としている。ワークスペース9とは、自社オフィス以外の場所であればよく、コワーキングスペース、レンタルオフィス、自宅SOHO、喫茶店、車内なども含まれる。ワークスペース9は外出先に含まれる。自社オフィスとは、ユーザが所属する企業であって企業側が定めたユーザの勤務地である。本実施形態のユーザは自社オフィスだけでなくワークスペース9においても業務を遂行する。
【0011】
(1) ユーザの行動履歴は携帯端末10に記録されている。ユーザが行動中にユーザが利用した、交通系ICカード及びクレジットカードの利用履歴はそれぞれのシステムの課金系サーバー70に記録、保存されている。携帯端末10内にも記録、保存される場合がある。
【0012】
(2) ワークスペース9に戻ったユーザは、携帯端末10をワークスペース9に設置されている通信装置30にかざす。
【0013】
(3) 通信装置30は携帯端末10を検出すると近距離無線通信により携帯端末10に記録されているユーザのユーザプロファイルと行動履歴を受信する。
【0014】
(4) 通信装置30はユーザプロファイルによりユーザを識別する。また、ユーザプロファイルに基づいて、行動履歴の中からサーバーに送信するデータを取捨選択し、ユーザの識別情報に対応付けてユーザプロファイルと行動履歴を情報処理装置50へ送信する。
【0027】
通信装置30は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレットPC、テレビ受像器、電話機、スマートフォン、ルータなどでよい。また、上記の電子機器が通信機器を兼ねることもでき、この場合、ワークスペース9の節約になる。
【0030】
情報処理装置50は、通信装置30からユーザプロファイルと行動履歴を受信して、各種の書類を自動で作成する。自動で作成するとは、それぞれの書類のフォーマット(雛形)に行動履歴から取得した情報を記載することを言う。完全に完成していることまでは要求されず、ユーザが修正したり追記したりしてもよい。作成する書類は、交通費精算、日報、議事録、及び、勤務実績などであるが、これらには限られない。
以上の記載によれば、甲第5号証には、携帯情報端末がユーザの行動履歴情報を記憶し、情報処理装置が携帯情報端末から送信された行動履歴情報を用いてユーザの行動に係わる帳票を作成するシステムであって、ユーザが外出先など自社オフィス外にいる場合にも各種の書類の作成を自動的に行うことができる情報処理装置等を提供することを目的とし、ユーザは企業などの社員であって、自社オフィス以外で行動する場合には携帯端末10を携帯し、ユーザの行動履歴は携帯端末10に記録され、ワークスペース9に戻ったユーザは、携帯端末10をワークスペース9に設置されている通信装置30にかざし、通信装置30は携帯端末10を検出すると近距離無線通信により携帯端末10に記録されているユーザのユーザプロファイルと行動履歴を受信し、通信装置30はユーザプロファイルによりユーザを識別し、また、ユーザプロファイルに基づいて、行動履歴の中からサーバーに送信するデータを取捨選択し、ユーザの識別情報に対応付けてユーザプロファイルと行動履歴を情報処理装置50へ送信し、情報処理装置50は、通信装置30からユーザプロファイルと行動履歴を受信して、各種の書類(日報、議事録、及び、勤務実績など)を自動で作成する技術が記載されている。
(6)甲第6号証(特開2020-86968号公報)には、以下のとおりの記載がある。
【0002】
近年、施設内に配置された照明機器を自動制御することによる省電力化を図りながら、人間のいる場所の照明機器に対する多様な手動制御を簡易な操作で行うことができる照明制御技術が知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、制御対象領域である室内の従業者の位置情報をこの従業者が所持するスマートフォンの端末IDとともに取得する取得部と、従業者の位置情報に基づいて、室内の従業者が滞在する滞在エリアに対応するLED照明機器を特定し、特定したLED照明機器と端末IDとを関連付けるとともに、特定したLED照明機器を制御する照明制御装置が記載されている。
【0005】
ここで、特許文献1記載の照明制御装置においては、上述した方法により、自動的に、従業者が滞在するエリアに対応するLED照明機器を特定し、特定したLED照明機器を制御することができる。しかしながら、上記照明制御装置においては、従業者が滞在するエリアに配置された制御対象機器が複数種類にわたる場合、レイアウト画面には、単に、制御対象機器の種類が異なることがわかるような画像が表示されるのみである。このような従来の照明制御装置を使用する限り、ユーザは、所定エリアに配置された1又は複数の設備の種類を直感的に且つ具体的に特定することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、1又は複数のエリアのそれぞれに配置される1又は複数の設備を制御する際に、制御すべき設備の種類を直感的に且つ具体的に特定することを可能にする設備制御技術を提供することを目的とする。
【0045】
また、図6(B)に示すエリア検索方法選択画面において、ユーザにより「QRcode」メニューM7が選択されると、ユーザ端末3に搭載されている撮像機能等を用いて、ユーザが滞在するエリアを特定してもよい。具体的には、各エリアに配置されたQRコードをユーザ端末3により読み取る。エリア特定部115は、QRコードに含まれているエリア識別情報に基づいて、読み取ったQRコードが配置されたエリア、つまり、ユーザが滞在するエリアを特定してもよい。
以上の記載によれば、甲第6号証には、自動的に、従業者が滞在するエリアに対応するLED照明機器を特定し、特定したLED照明機器を制御することができるものにおいて、エリア検索方法選択画面において、ユーザにより「QRcode」メニューM7が選択されると、ユーザ端末3に搭載されている撮像機能等を用いて、各エリアに配置されたQRコードをユーザ端末3により読み取り、エリア特定部115は、QRコードに含まれているエリア識別情報に基づいて、読み取ったQRコードが配置されたエリア、つまり、ユーザが滞在するエリアを特定する技術が記載されている。
(7)甲第7号証(特開2013-235331号公報)には、以下のとおりの記載がある。
【0002】
近年、拡張現実感(Augmented Reality、以下「AR」という)を表現するARアプリケーションが提供されている。ARアプリケーションに関する技術として、携帯端末のカメラで撮影した画像に、撮影した対象の情報をリアルタイムに重畳表示することで、あたかも対象にタグが付けられているような感覚が得られる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このアプリケーションは、携帯端末の位置、向きと撮影対象の位置から携帯端末のカメラの撮影範囲に撮影対象が含まれているかを判断し、含まれている場合は撮影対象の情報を携帯端末の表示部に表示することで、ARを表現している。
【0004】
一方、ユーザがネットワーク経由で情報機器を使用する際、使用する情報機器を指定する必要がある。
【0005】
例えばプリンタでは、IPアドレスなどを用いて検索し、検索結果を用いて指定するか、よく使うプリンタとして登録済みのプリンタの中から指定することがある。この場合、指定するときに必要となる例えばIPアドレスや識別子などの情報は予め調べる必要があり、しかも、アイドル中やジョブ実行中など、プリンタの状態については、プリンタ指定後に別途調べる必要があった。
【0010】
本発明の目的は、撮影された電子機器の状態を撮影画面に重畳して表示可能な携帯端末、情報処理装置、画像形成装置及びそれら制御方法、並びにプログラム、情報処理システムを提供することにある。
【0176】
図20は、第3の実施の形態において、携帯端末109のLCDタッチパネルに表示される画面例を示す図である。
【0177】
図20(A)は、サーバアドレス入力画面例を示す図である。宛先2602は、サーバのアドレスが入力されるテキストボックスである。戻るボタン2603は、サーバのアドレスの入力を中止するためのボタンである。QR表示ボタン2604は、サーバのアドレスを宛先2602で入力されたものに確定し、設置位置とサーバ107のアドレスを示すQRコード(登録商標)を表示するためのボタンである。
【0178】
図20(B)は、QRコード(登録商標)表示画面例を示す図である。上述したQR表示ボタン2604がタップされると、QRコード2605が表示される。そして、上述したように、このQRコード2605は、設置位置とサーバ107のアドレスを示している。
【0184】
一方、ステップS2503の判別の結果、QR表示ボタン2604がタップされたときは(ステップS2503でYES)、位置検出部608により携帯端末109の現在の設置位置を取得する(ステップS2505)。
【0185】
次いで、ステップS2502で入力されたアドレスと、設置位置を示すQRコード(登録商標)を作成し(ステップS2506)、図20(B)に示されたQRコード(登録商標)画面を表示する(ステップS2507)。このステップS2507は、ユーザの操作によって入力されたサーバ107のアドレス、及び携帯端末109の位置を示す設置位置を示す第1コード画像(QRコード)を表示させるように操作部605を制御する第3表示制御手段に対応する。
【0186】
ユーザは、このQRコード画面のQRコード2605をプリンタ101のスキャナ部240に読み取らせることとなる。
【0187】
スキャナ部240にQRコード2605を読み取らせたユーザにより、ホームボタンが押下されると(ステップS2508でYES)、本処理を終了する。
【0195】
このステップS2708は、デバイスとしての種別がプリンタであることと、プリンタのアドレスと、プリンタを識別するための識別名とを示す情報、及び設置位置を示す情報を、取得されたサーバ107のアドレス宛に送信する登録情報送信手段に対応する。
【0198】
図23において、デバイス登録情報2301を受信すると(ステップS2901)、デバイス登録情報2301によってカテゴリ2402、識別名2403、設置位置2404、及びIPアドレス2405が得られる。これらをそのままデバイス情報テーブル401に記憶し(ステップS2902)、本処理を終了する。これにより、デバイス登録情報2301が示す内容をデバイス情報テーブル401に登録できる。上記ステップS2901は、デバイス情報テーブルに記録するためのデバイス情報を受信するデバイス情報受信手段に対応する。
【0199】
以上説明したように第3の実施の形態によれば、位置検出手段を備えないプリンタでもプリンタのデバイス情報と設置位置の情報を関連付けてデバイス情報テーブル401に登録できる。
以上の記載によれば、甲第7号証には、ユーザがネットワーク経由で情報機器を使用する際、使用する情報機器を指定する必要があるが、このとき、サーバアドレスを入力する画面において、QR表示ボタン2604を表示し、QR表示ボタン2604がタップされたときは、位置検出部608により携帯端末109の現在の設置位置を取得し、設置位置を示すQRコード(登録商標)を作成し、QRコード(登録商標)画面を表示し、ユーザは、このQRコード画面のQRコード2605をプリンタ101のスキャナ部240に読み取らせ、設置位置を示す情報を、デバイス情報テーブル401に登録する技術が記載されている。
第5 当審の判断
(1)本件発明1について
本件発明1と甲1発明とを対比する。
ア 甲1発明の「作業員用携帯端末」は、本件発明1の「消防団員が利用する情報端末」と「利用者が利用する端末」である点で共通する。
甲1発明の「作業員用携帯端末」は、スマートフォン等が用いられ、サーバ40から勤怠管理用アプリケーションがダウンロードされるのであるから、サーバ40と通信ネットワークを介して相互に通信可能であることは明らかである。
また、甲1発明の「勤怠管理システムのサーバ40」は、以下で検討するように、作業員が作業現場に存在していたか否かなどの情報を管理することで、作業の支援をしているといえるところ、この点、本件発明1の消防団活動支援装置と、利用者(消防団員)の存在の有無などの情報を管理して作業員が所属する団体活動を支援(作業を支援)している点で共通している。
したがって、本件発明1と甲1発明とは、「作業員が利用する情報端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能な作業支援装置」で共通している。
もっとも、「作業員」、「作業」が、本件発明1では、「消防団員」、「消防団活動」であるのに対し、甲1発明では、「作業員」、「建設現場の作業」である点で相違する。
イ 甲1発明のサーバ40は、「作業員の勤怠を管理するための勤怠管理手段42として機能し、勤怠管理手段42は勤務予定時間記憶手段43を有し、勤務予定時間記憶手段43は業者用端末30から入力される勤務予定時間情報を記憶し、勤務予定時間情報には、当該業者に所属する各建設作業員の勤務開始予定時間情報及び勤務終了予定時間情報が含まれ」、「建設業用のデータベース41として機能するものであって、データベース41には、現場情報、作業員情報、編成情報が蓄積され、現場情報としては、建設現場の位置を示す現場位置情報が用いられ、作業員情報としては、各建設現場に参加する作業員に関する情報、各業者に所属する作業員に関する情報が用いられ、建設現場の発生ないし消滅、建設現場に参加する作業員の変更、建設現場における編成の変更等に応じて、業者用端末30から随時新たな情報が入力され、データベース41に蓄積されている各種情報が更新され」などの構成を備えている。これらのサーバ40が蓄積する情報は、作業員がどの現場に出勤するかという出勤事案に関する情報といえるから、本件発明1の「消防団員の出動事案に関する出動事案データ」と「作業員の参加事案に関する参加事案データ」という点で共通する。
したがって、甲1発明は「作業員の参加事案に関する参加事案データを記憶する参加事案データ記憶手段」を備えている点で、本件発明1と共通する。
もっとも、「作業員」、「参加」が、本件発明1では「消防団員」、「出動」であるのに対し、甲1発明では「作業員」、「出勤」である点で相違する。
ウ 甲1発明では、どの作業員がどの現場にて作業を行うかは、「勤務予定時間記憶手段43は業者用端末30から入力される勤務予定時間情報を記憶し、勤務予定時間情報には、当該業者に所属する各建設作業員の勤務開始予定時間情報及び勤務終了予定時間情報が含まれ」のように、業者用端末から入力されるものであって、作業員が回答した結果として勤務予定時間が記憶されるものではないから、甲1発明は、本件発明1の「前記情報端末から送信された、所定の出動事案に対する出動の回答(以下、出動回答という)を受け付ける出動回答受付手段」を備えていない。
したがって、「参加事案」について、本件発明1では、「前記情報端末から送信された、所定の出動事案」であるのに対し、甲1発明では、「所定の参加事案」ではない点でも相違する。
エ 甲1発明は、「勤怠管理手段42はさらに作業員特定手段44を有し、作業員特定手段44は、作業員用携帯端末10の識別情報受付手段11によって受け付けられた作業員の識別情報を取得し、データベース41の作業員情報から、取得した識別情報に基づいて作業員を特定し」、「勤怠管理手段42はさらに位置情報取得手段45を有し、位置情報取得手段45は、作業員用携帯端末10の位置情報検知手段12によって検知された端末位置情報を、端末位置情報の検知時刻を示す検知時刻情報と共に自動的に取得し」、「勤怠管理手段42はさらに勤怠情報作成手段46を有し、勤怠情報作成手段46は、特定された作業員について、勤務予定時間記憶手段43の勤務予定時間情報から、当該作業員の勤務予定時間情報を検索して取得し、データベース41の作業員情報から、当該作業員の参加する建設現場を検索し、現場情報から当該建設現場の現場位置情報を検索して取得し、勤怠情報作成手段46は、勤務予定時間情報、現場位置情報、端末位置情報及び検知時刻情報から、勤務開始予定時間帯及び勤務終了予定時間帯において、建設現場の位置範囲内に作業員用携帯端末10の位置が含まれるか否かに基づいて、当該作業員の勤怠を示す勤怠情報を作成し記憶」している。
上記(サーバ40の)勤怠管理手段が、「勤務開始予定時間帯及び勤務終了予定時間帯において、建設現場の位置範囲内に作業員用携帯端末10の位置が含まれるか否かに基づいて」は、勤務開始予定時間帯及び勤務終了予定時間帯において、作業員が建設現場の位置範囲内に滞在したか否かを判定することに基づいてであるといえるから、本件発明1の「前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在したか否かを判定する現場滞在確認手段」と、「参加事案の現場に滞在したか否かを判定する現場滞在確認手段」を備えている点で共通する。
もっとも、「参加事案の現場」が、本件発明1では、「前記出動回答を送信した消防団員」が滞在した「前記所定の出動事案の現場」であるのに対し、甲1発明では、上記ア、イで検討した相違点に加え、参加(出動)回答に関する構成を備えていないから「前記出動回答を送信した消防団員」が滞在した「前記所定の出動事案の現場」ではない点で相違する。
オ 甲1発明は、上記エにあるとおり、「勤怠情報作成手段46を有し、勤怠情報作成手段46は、特定された作業員について、勤務予定時間記憶手段43の勤務予定時間情報から、当該作業員の勤務予定時間情報を検索して取得し、データベース41の作業員情報から、当該作業員の参加する建設現場を検索し、現場情報から当該建設現場の現場位置情報を検索して取得し、勤怠情報作成手段46は、勤務予定時間情報、現場位置情報、端末位置情報及び検知時刻情報から、勤務開始予定時間帯及び勤務終了予定時間帯において、建設現場の位置範囲内に作業員用携帯端末10の位置が含まれるか否かに基づいて、当該作業員の勤怠を示す勤怠情報を作成し」ており、上記「勤務予定時間情報」、「現場位置情報」は、作業員が勤務した勤務に関するデータであるから、「参加事案に対応する前記参加事案データ」であり、これに基づき「作業員の勤怠を示す勤怠情報を作成し」ているから、「作業員の参加に関するデータを作成する参加データ作成手段」を備えているといえる。
したがって、甲1発明は、本件発明1の「前記情報端末から送信された作成指示により、前記所定の出動事案に対応する前記出動事案データ及び前記出動回答に基づいて、前記出動回答を送信した消防団員の出動報告書データを作成する出動報告書作成手段」と、「参加事案データに基づいて、作業員の参加に関する参加データを作成する参加データ作成手段」を備えている点で共通する。
もっとも、「作成手段」について、本件発明1では、「前記情報端末から送信された作成指示により、前記所定の出動事案に対応する前記出動事案データ及び前記出動回答に基づいて、前記出動回答を送信した消防団員の出動報告書データを作成する出動報告書作成手段」であるのに対し、甲1発明では「前記情報端末から送信された作成指示」がなく、「前記所定の出動事案に対応する前記出動」事案データではなく、「前記出動回答に」基づいておらず、「前記出動回答を送信した消防団員の出動報告書」の「出動報告書作成手段」ではない点で相違する。
カ 甲1発明では、「月毎に、業者用端末30からサーバ40にアクセスして、当該業者に所属する各作業員の勤怠情報が集計された所定の形式の集計情報を取得する」のであるから、勤怠に関する情報がサーバから提出されるといえ、参加データ提出手段を備えている点で本件発明1と対応する。
もっとも、「参加データ提出手段」が、本件発明1では「前記現場滞在確認手段により前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在していたと判定された場合、前記出動報告書作成手段が作成した前記出動報告書データを、消防本部に提出可能な状態のデータ(以下、提出用出動報告書データという)とする出動報告書提出手段」であるのに対し、甲1発明では、「参加データ作成手段が作成した参加データを提出する手段」であって「前記現場滞在確認手段により前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在していたと判定された場合、前記出動報告書作成手段が作成した前記出動報告書データを、消防本部に提出可能な状態のデータ(以下、提出用出動報告書データという)とする出動報告書提出手段」ではない点で相違する。
キ 甲1発明では「サーバ40は、作業員の勤怠を管理するための勤怠管理手段42として機能し、勤怠管理手段42は勤務予定時間記憶手段43を有し、勤務予定時間記憶手段43は業者用端末30から入力される勤務予定時間情報を記憶し、勤務予定時間情報には、当該業者に所属する各建設作業員の勤務開始予定時間情報及び勤務終了予定時間情報が含まれ」、「サーバ40は、建設業用のデータベース41として機能するものであって、データベース41には、現場情報、作業員情報、編成情報が蓄積され、現場情報としては、建設現場の位置を示す現場位置情報が用いられ、作業員情報としては、各建設現場に参加する作業員に関する情報、各業者に所属する作業員に関する情報が用いられ、建設現場の発生ないし消滅、建設現場に参加する作業員の変更、建設現場における編成の変更等に応じて、業者用端末30から随時新たな情報が入力され、データベース41に蓄積されている各種情報が更新され」ている。
上記「現場情報」は、複数の現場があればこれらを区別するための識別可能な情報を含むことは技術常識であり、また、「建設現場の位置を示す現場位置情報」を含んでいる。また、勤怠管理をするためには、各作業員が作業をした時間(勤務予定時間)のみならず作業をした日の情報も必要であることも常識であるから、現場に出勤した日時に関する情報も有していることは明らかである。
甲1発明が備える「現場を区別するための識別可能な情報」、「建設現場の位置を示す現場位置情報」、「現場に出勤した日時に関する情報」は、それぞれ、本件発明1の「出動事案を一意に識別可能な出動事案ID」、「出動事案の現場位置」、「出動事案の日時」と、「参加事案を一意に識別可能な参加事案ID」、「参加事案の現場位置」、「参加事案の日時」といえる点で共通している。
もっとも、「参加事案を一意に識別可能な参加事案ID」、「参加事案の現場位置」、「参加事案の日時」の「参加事案」が、本件発明1では「出動事案」であるのに対し、甲1発明では「出勤事案」である点、および、甲1発明は、「出動事案の種別(以下、出動種別という)」のデータを備えていない点で相違する。
ク 甲1発明は「勤怠管理手段42はさらに位置情報取得手段45を有し、位置情報取得手段45は、作業員用携帯端末10の位置情報検知手段12によって検知された端末位置情報を、端末位置情報の検知時刻を示す検知時刻情報と共に自動的に取得し」ているから、甲1発明の作業員用携帯端末10は携帯端末の位置情報を検知する手段を備えている。してみると甲1発明は「前記情報端末は、該情報端末の位置を取得する位置取得手段を備え」ている点で本件発明1と相違がない。
ケ 上記エで検討したとおり、「上記(サーバ40の)勤怠管理手段が、「勤務開始予定時間帯及び勤務終了予定時間帯において、建設現場の位置範囲内に作業員用携帯端末10の位置が含まれるか否かに基づいて」は、勤務開始予定時間帯及び勤務終了予定時間帯において、作業員が建設現場の位置範囲内に滞在したか否かを判定することに基づいてであるといえるから、本件発明1の「前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在したか否かを判定する現場滞在確認手段」と、「参加事案の現場に滞在したか否かを判定する現場滞在確認手段」を備えている点で共通する」といえるところ、「勤怠管理手段42はさらに勤怠情報作成手段46を有し、勤怠情報作成手段46は、特定された作業員について、勤務予定時間記憶手段43の勤務予定時間情報から、当該作業員の勤務予定時間情報を検索して取得し、データベース41の作業員情報から、当該作業員の参加する建設現場を検索し、現場情報から当該建設現場の現場位置情報を検索して取得し、勤怠情報作成手段46は、勤務予定時間情報、現場位置情報、端末位置情報及び検知時刻情報から、勤務開始予定時間帯及び勤務終了予定時間帯において、建設現場の位置範囲内に作業員用携帯端末10の位置が含まれるか否かに基づいて、当該作業員の勤怠を示す勤怠情報を作成し」ている。
そして、上記「現場位置情報」、「勤務予定時間情報」、「端末位置情報及び検知時刻情報」は、それぞれ、本件発明1の「出動事案データの前記出動位置及び前記出動日時と、前記位置取得手段により取得された、前記出動回答を送信した消防団員が携行した前記情報端末(以下、一の情報端末という)の経時的な位置」と、参加事案データの「参加位置」、「参加日時」、「前記位置取得手段により取得された、作業員が携行した前記情報端末(以下、一の情報端末という)の経時的な位置」と対応するものであることは明らかである。
したがって、甲1発明は、本件発明1の「前記現場滞在確認手段は、前記所定の出動事案に対応する前記出動事案データの前記出動位置及び前記出動日時と、前記位置取得手段により取得された、前記出動回答を送信した消防団員が携行した前記情報端末(以下、一の情報端末という)の経時的な位置と、に基づいて、該消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在したか否かを判定する」ことと、「前記現場滞在確認手段は、参加事案データの前記参加位置及び前記参加日時と、前記位置取得手段により取得された、作業員が携行した前記情報端末(以下、一の情報端末という)の経時的な位置と、に基づいて、該作業員が前記参加事案の現場に滞在したか否かを判定する」点で共通する。
もっとも、「参加」、「作業員」が、本件発明1では「出動」、「消防団員」であるのに対し、甲1発明では「出勤」、「作業員」である点、及び、本件発明1では「前記出動回答を送信した消防団員が携行した前記情報端末」であるのに対し、甲1発明の情報端末は「前記出動回答を送信した消防団員が携行した」情報端末ではない点で相違する。
コ まとめ(一致点・相違点)
以上の対比によれば、本件発明1と甲1発明の一致点及び相違点は以下のとおりである。
<一致点>
作業員が利用する情報端末と通信ネットワークを介して相互に通信可能な作業支援装置であって、
作業員の参加事案に関する参加事案データを記憶する参加事案データ記憶手段と、
参加事案の現場に滞在したか否かを判定する現場滞在確認手段と、
参加事案データに基づいて、作業員の参加に関する参加データを作成する参加データ作成手段と、
参加データ提出手段と、を備え、
参加事案データは、参加事案を一意に識別可能な参加事案ID、参加事案の現場位置、及び参加事案の日時に関する情報を、少なくとも備えるデータであり、
前記情報端末は、該情報端末の位置を取得する位置取得手段を備え、
前記現場滞在確認手段は、参加事案データの前記参加位置及び前記参加日時と、前記位置取得手段により取得された、作業員が携行した前記情報端末(以下、一の情報端末という)の経時的な位置と、に基づいて、該作業員が前記参加事案の現場に滞在したか否かを判定する、
ことを特徴とする作業活動支援装置。
<相違点>
相違点1
「作業」、「作業員」、「参加」が、本件発明1では、「消防団活動」、「消防団員」、「出動」であるのに対し、甲1発明では、「建設現場の作業」、「作業員」、「出勤」である点
相違点2
甲1発明は、本件発明1が備える「前記情報端末から送信された、所定の出動事案に対する出動の回答(以下、出動回答という)を受け付ける出動回答受付手段」を備えておらず、したがって、本件発明1では「参加事案」が「前記情報端末から送信された、所定の出動事案」であるのに対し、甲1発明では「所定の参加事案」ではない点
相違点3
「現場滞在確認手段」が、本件発明1では「前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在したか否かを判定する」のに対し、甲1発明では、上記相違点1、相違点2の他に、「前記出動回答を送信した消防団員」ではない点
相違点4
「参加事案データに基づいて、作業員の参加に関する参加データを作成する参加データ作成手段」が、本件発明1では、「前記情報端末から送信された作成指示により、前記所定の出動事案に対応する前記出動事案データ及び前記出動回答に基づいて、前記出動回答を送信した消防団員の出動報告書データを作成する出動報告書作成手段」であるのに対し、甲1発明では、「前記情報端末から送信された作成指示」がなく、「前記所定の出動事案に対応する前記出動」事案データではなく、「前記出動回答に」基づいておらず、「前記出動回答を送信した消防団員の出動報告書データ」の「出動報告書作成手段」ではない点
相違点5
「参加データ提出手段」が、本件発明1では「前記現場滞在確認手段により前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在していたと判定された場合、前記出動報告書作成手段が作成した前記出動報告書データを、消防本部に提出可能な状態のデータ(以下、提出用出動報告書データという)とする出動報告書提出手段」であるのに対し、甲1発明では、「参加データ作成手段が作成した参加データを提出する手段」であって「前記現場滞在確認手段により前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在していたと判定された場合、前記出動報告書作成手段が作成した前記出動報告書データを、消防本部に提出可能な状態のデータ(以下、提出用出動報告書データという)とする出動報告書提出手段」ではない点
相違点6
「参加事案データ」が、「参加事案を一意に識別可能な参加事案ID」、「参加事案の現場位置」、「参加事案の日時」に関する情報を、少なくとも備えるデータである点に関し、「参加事案を一意に識別可能な参加事案ID」、「参加事案の現場位置」、「参加事案の日時」の「参加事案」が、本件発明1では「出動事案」であるのに対し、甲1発明では「出勤事案」である点、および、甲1発明は、「出動事案の種別(以下、出動種別という)」のデータを備えていない点
相違点7
「現場滞在確認手段」が、「参加事案データの前記参加位置及び前記参加日時と、前記位置取得手段により取得された、作業員が携行した前記情報端末(以下、一の情報端末という)の経時的な位置と、に基づいて、該作業員が前記参加事案の現場に滞在したか否かを判定する」ことに関して、「参加」、「参加事案」、「作業員」が、本件発明1では「出動」、「所定の出動事案」、「消防団員」であるのに対し、甲1発明では「出勤」、「出勤事案」「作業員」である点、及び、本件発明1では「前記出動回答を送信した消防団員が携行した前記情報端末」であるのに対し、甲1発明の情報端末は「前記出動回答を送信した消防団員が携行した」情報端末ではない点
事案に鑑み、相違点1、相違点4、相違点5について検討する。
本件発明1は、その発明が解決しようとする課題として、以下のとおり記載されている。
「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、消防団の上記活動は管轄の消防本部に報告する必要がある。これは、消防団員の活動は有償活動であり、活動内容に応じて出動手当が支払われるためである。そのため、消防団員は、活動終了後、活動報告書の作成を行わなければならず、消防団員にとって活動報告書を作成する業務負担が大きいという問題があった。
【0006】
また、消防団の活動報告に関しても虚偽申告の虞があり、活動報告の正確性が客観的に担保されていないという問題があった。
【0007】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、消防団の活動報告に関する作業を軽減化するとともに正確な活動報告を提出することができる消防団活動支援装置及び消防団活動支援プログラムを提供することを目的とする。」
すなわち、消防団員は、消防団活動を行った際に、活動報告書を正しく作成する必要があるところ、その活動報告書を作成する負担が大きいという課題が存在し、当該課題を解決するための発明が本件発明1であることが記載されている。
一方、甲1発明は、その発明が解決しようとする課題について、
「【0004】
しかしながら、建設業界の就業形態については、就業場所となる建設現場自体が比較的短期間に発生ないし消滅し、従業員となる建設作業員の参加すべき建設現場が施工の状況によって頻繁に変更される等、通常の就業形態とは異なる建設業界特有の就業形態をなしている。このため、従来提案されている勤怠管理システムは、必ずしも建設業界に適合したものではなかった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、建設業界に適合した勤怠管理を実現する勤怠管理システム、方法及びプログラムを提供することにある。」
と記載されるように、建設作業員の勤怠管理を行うための課題を解決するための発明であって、消防団員が、その活動に伴って作成しなければならない活動報告書についての課題は甲1発明からは看て取ることができない。
甲第2号証には、消防団の活動を支援する消防活動支援システムに関し、利用者は、返信として、出場可を示す「できる」、出場不可を示す「できない」、遅れて出場可を示す「時間かかります」の3つの選択肢の中からいずれかを選択して返信することで、出場可否情報が消防活動支援サーバ1に送信され、災害情報記憶部102の災害情報d102に反映されるとともに、この出場可否情報の集計に基づいて、第4画面SC4及び災害情報画面SC5に出場可能な人数が表示される技術は記載されているが、活動報告書に関する課題は開示されていない。
甲第3号証には、火災の発生に関する情報を共有する情報システムに関し、様々な場所で消防団員以外の業務に従事している消防団員間での情報共有を適切に図ることができる火災情報システムを提供ことは記載されているが、活動報告書に関する課題は開示されていない。
また、甲第4号証~甲第7号証は、いずれも消防団の活動とは関係のないものであり、消防団員が作成する活動報告書に関する課題を開示するものではない。
すなわち、甲第1号証~甲第7号証のいずれにも、消防団員が、その活動に伴って作成しなければならない活動報告書についての課題が開示されておらず、甲1発明の現場作業員の勤怠管理システムを、消防団員の活動報告書に適用することは、その動機付けがなく、本件発明1は、甲1発明及び甲第2号証~甲第7号証の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
申立人は、「消防団員が有償活動を行う「災害の発生場所」又は「イベントが開催された場所」は、建設作業員が有償活動を行う建設現場と同様に、比較的短期間に発生ないし消滅するので、本件の特許査定時の明細書及び甲第1号証の記載から、消防団員及び建設作業員は、有償活動を行う現場が比較的短期間に発生ないし消滅する点で共通しているといえる。したがって、当業者であれば、現場に滞在したか否かを判定する対象を、甲第1号証に記載された発明における建設作業員から、本件特許発明1における消防団員に変更し、甲第1号証に記載された発明における、建設作業員によって携行される作業員用携帯端末を、本件特許発明1における、消防団員によって携行される情報端末に変更する設計変更を容易に想到できる。」(申立書29頁9行~19行)と主張している。
しかし、上記のとおり、甲第1号証~甲第7号証のいずれにも、本件発明1の前提となる、消防団員が、その活動に伴って作成しなければならない活動報告書についての課題が開示されていないのであるから、そもそも、甲1発明を消防団員の活動報告書作成のための装置に適用しようとする動機付けが存在せず、上記申立人の主張を採用することはできない。
(2)本件発明2~本件発明7について
本件発明2~7は、請求項1の記載を引用し、さらに限定する構成を付加した発明であって、上記相違点に係る構成を有しているから、上記(1)に示した理由と同様の理由により、上記甲1発明及び甲第2号証~甲第7号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。
(3)本件発明8について
本件発明8は、本件発明1の「消防団活動支援装置」のカテゴリを「消防団活動支援プログラム」に変えた発明であって、上記(1)で検討した相違点に対応する「消防団員が利用する情報端末と通信ネットワークを介して相互に通通信可能なコンピュータのための消防団活動支援プログラム」、「前記情報端末から送信された作成指示により、前記所定の出動事案に対応する前記出動事案データ及び前記出動回答に基づいて、前記出動回答を送信した消防団員の出動報告書データを作成する出動報告書作成ステップ」、「前記現場滞在確認ステップにおいて前記出動回答を送信した消防団員が前記所定の出動事案の現場に滞在していたと判定された場合、前記出動報告書作成ステップにおいて作成された前記出動報告書データを、消防本部に提出可能な状態のデータとする出動報告書提出ステップ」の構成を備えるものであるから、本件発明1と同様の理由により、当業者であっても、甲1発明及び甲第2号証~甲第7号証に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるということはできない。
第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-701233