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特許異議申立

2022-700872

ベッドシステム

審判番号
2022-700872
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-090435
登録番号
7032868
請求日
2022年09月06日
審決日
2023年05月23日
公報発行日
2023年08月25日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】パラマウントベッド株式会社
  • 【権利者代理人】日向寺 雅彦
  • 【権利者代理人】小崎 純一
  • 【権利者代理人】市川 浩
  • 【権利者代理人】星野 耕平
  • 【異議申立人】森川 真帆
審判長/審判官
  • 審判長 樋口 宗彦
  • 審判官 ▲高▼見 重雄
  • 審判官 松本 隆彦
分類
P1652.121-YAA(A61B) / P1652.113-YAA(A61B) / P1652.537-YAA(A61B) / P1652.536-YAA(A61B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第4項第1号、特許法第120条の5第4項、特許法第36条第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7032868号発明「ベッドシステム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7032868号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕について訂正することを認める。 特許第7032868号の請求項1に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7032868号の請求項1~4に係る特許についての出願は、平成29年4月28日に出願され、令和4年3月1日にその特許権の設定登録がされ、同月9日に特許掲載公報が発行された。その後、請求項1に係る特許について、同年9月6日に特許異議申立人 森川真帆(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、同年12月21日付けで取消理由を通知した。その後、特許権者は、その指定期間内である令和5年3月3日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、当該訂正の請求を「本件訂正請求」といい、当該本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)を行い、当該意見書及び本件訂正請求に対して申立人は意見書を提出することはなかった。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 (1)本件訂正請求における請求の趣旨は、特許請求の範囲を本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~4について訂正することを求めるものであり、その具体的内容は、以下の訂正事項1のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。 (訂正事項1) 特許請求の範囲の請求項1に、 「前記複数の情報の1つは、複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報を含む状態情報を含み、前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床の少なくともいずれかに関する情報を含み、」と記載されているのを、 「前記複数の情報は、複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報及び前記複数のベッドの1つのベッド可動部情報を含む状態情報を含み、前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床に関する情報を含み、前記ベッド可動部情報は、前記1つのベッドの角度及び高さに関する情報を含み、」に訂正する(請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2~4も同様に訂正する。)。 (2)訂正の単位について 訂正前の請求項1~4は、請求項2~4が請求項1の記載を直接又は間接的に引用していることから、一群の請求項である。 そして、訂正事項1は、一群の請求項〔1~4〕についてされたものであるから、訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第4項で規定する一群の請求項ごとに請求されたものである。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 ・訂正事項1について (1)訂正の目的について 訂正前の請求項1に係る発明では、複数の情報の1つとして、状態情報が、「複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報」であることを特定している。これに対して、訂正後の請求項1に係る発明では、複数の情報として、状態情報が、「複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報」及び「袖記複数のベッドの1つのベッド可動部情報」を含むことを特定し、さらに限定するものである。 また、訂正前の請求項1に係る発明では、「前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床の少なくともいずれかに関する情報を含」むことを特定している。これに対して、訂正後の請求項1に係る発明では、「前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床に関する情報を含」むことを特定し、さらに限定するものである。 また、訂正後の請求項1に係る発明では、「前記ベッド可動部情報は、前記1つのベッドの角度及び高さに関する情報を含」むことを特定し、さらに限定するものである。 よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)新規事項について 訂正事項1は、本件特許についての出願の願書に添付した明細書の【0097】「図6(a)及び図6(b)は、実施形態に係るベッドシステムにおける画像を例示する模式図である。これらの図は、ピクトグラムPGの例を表示している。これらの例では、対象のベッド51に関する情報(ベッド可動部情報51i)が、ベッド可動部表示51iDにより表示される。」、【0098】「図6(a)に示すように、この例では、対象のベッド51の高さが、高さ表示パターン11により表示される。この例では、高さ表示パターン11は、下向きの三角形の形状を有する。高さ表示パターン11が表示されているときは、ベッドの高さは、低い状態(例えば、最低床)である。」、【0101】「図7(a)~図7(j)は、実施形態に係るベッドシステムにおける画像を例示する模式図である。これらの図は、ピクトグラムPGの例を表示している。これらの例では、ピクトグラムPGのベッド可動部表示51iDとして、角度表示パターン12及び角度表示文字13が用いられる。」、【0102】「図7(a)、図7(c)、図7(e)、図7(g)及び図7(i)に示す例では、角度表示パターン12は、横方向(水平方向)に延びる。このような角度表示パターン12により、ベッド51の角度(例えば背ボトム70aの角度)が小さい(例えば、角度が0度で水平状態)ことが表示される。」、【0103】「図7(b)、図7(d)、図7(f)、図7(h)及び図7(j)に示す例では、角度表示パターン12は、傾斜している。このような角度表示パターン12により、ベッド51の角度が大きい(例えば30度など)であることが表示される。この例では、傾斜の角度の概要を示す角度表示文字13がさらに表示されている。図7(b)、図7(f)及び図7(j)は、例えば、対象の使用者が、ベッド51から離れているとき(離床状態のとき)に用いられる。図7(d)及び図7(h)は、例えば、対象の使用者が、ベッド51に横たわっているときに用いられる。角度表示パターン12及び角度表示文字13の少なくともいずれかが表示されても良い。」、及び【0105】「図8(a)~図8(l)は、実施形態に係るベッドシステムにおける画像を例示する模式図である。これらの図は、ピクトグラムPGの例を表示している。これらの例では、ピクトグラムPGとして、高さ表示パターン11、角度表示パターン12、角度表示文字13、及び、使用者行動表示14が表示される。使用者行動表示14は、使用者行動情報52iに対応する。既に説明したように、使用者行動情報52iは、ベッド51の使用者に関する、離床、睡眠、覚醒、起上り及び端座位の少なくとも1つを含む使用者行動状態の情報を含む。この例では、使用者行動状態は、睡眠、覚醒及び離床の3つに分類されている。使用者行動表示14として、3つの表示パターンが用いられている。」との記載に基づいて導き出される構成であるから、本件特許についての出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものである。 よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項1は、前記(1)に記載したとおり特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であって、前記(2)に記載したとおり新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 3 独立特許要件について 本件においては、訂正前の請求項1について異議申立てがされているので、訂正前の請求項1に係る訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定される、いわゆる独立特許要件は課されない。 一方、本件においては、訂正前の請求項2~4について特許異議の申立てがされていないので、訂正前の請求項2~4に係る訂正事項1に関して独立特許要件が課される。 そこで、訂正後の請求項2~4に係る発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができるかについて、以下、検討する。 訂正後の請求項1に係る発明は、後記「第7 新規性及び進歩性に係る当審の判断」において説示したとおり、甲第1~7号証に記載された発明又は技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないことから、訂正後の請求項1の記載を引用し、さらに減縮した訂正後の請求項2~4に係る発明も、甲第1~7号証に記載された発明又は技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。また、他に訂正後の請求項2~4に係る発明を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、訂正後の請求項2~4に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるから、訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同第126条第7項の規定に適合するものである。 4 訂正の適否についてのまとめ 前記2及び3のとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定、並びに同条第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 前記のとおり本件訂正が認められるから、本件訂正後の請求項1に係る発明(以下「本件発明1」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1の記載は、次のとおりである。 「 【請求項1】 複数のベッドサイド端末からそれぞれ取得した複数の情報に基づいて、前記複数のベッドサイド端末それぞれに対応する複数の画像を1つの画面に表示する第1表示部を備え、 前記複数の情報は、複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報及び前記複数のベッドの1つのベッド可動部情報を含む状態情報を含み、 前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床に関する情報を含み、前記ベッド可動部情報は、前記1つのベッドの角度及び高さに関する情報を含み、 前記複数の画像の前記1つは、前記状態情報に対応する状態表示を含み、 前記第1表示部は、前記状態情報が異常であるときに、前記複数の画像の前記1つに警告表示を行い、 前記使用者が離床している際の前記状態情報に含まれる色は、前記使用者が在床している際の前記状態情報に含まれる色と異なり、 前記使用者が覚醒している場合の前記状態情報に含まれる第1色は、前記使用者が睡眠している場合の前記状態情報に含まれる第2色より認識性が高い色である、ベッドシステム。」 第4 特許異議の申立てについて 1 申立理由の概要 申立人は、証拠として後記2に示す甲第1号証~甲第7号証(以下、それぞれ「甲1」~「甲7」という。)を提出し、以下の申立理由により、請求項1に係る特許は、取り消されるべきものである旨主張している。 申立理由1(明確性要件) 請求項1に係る発明は明確でないから、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号の規定に適合しない。 したがって、請求項1に係る特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第1項第4号に該当するから、取り消されるべきものである。 申立理由2(実施可能要件) 発明の詳細な説明は、当業者が請求項1に係る発明について実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていないから、発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号の規定に適合しない。 したがって、請求項1に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第1項第4号に該当するから、取り消されるべきものである。 申立理由3(進歩性) 請求項1に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲2~5に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第1項第2号に該当するから、取り消されるべきものである。 申立理由4(新規性) 請求項1に係る発明は、甲6に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 したがって、請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当するから、取り消されるべきものである。 申立理由5(新規性) 請求項1に係る発明は、甲7に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 したがって、請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当するから、取り消されるべきものである。 2 証拠方法 甲第1号証:“非装着型睡眠計「眠りSCAN」で安心な見守りと一人ひとりに合わせた介獲をサポートします。<睡眠・覚醒と在床・離床を見える化>”,パラマウントベッド株式会社,2014.10,p.1-4 甲第2号証:特開2015-12949号公報 甲第3号証:特開2017-18378号公報 甲第4号証:特開2017-18379号公報 甲第5号証:特開2017-18380号公報 甲第6号証:意匠登録第1549210号公報 甲第7号証:特開2010-284245号公報 第5 取消理由通知書に記載した取消理由について 訂正前の請求項1に係る特許に対して、当審が特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 取消理由1(新規性) ・請求項1に係る発明は、甲6に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 ・請求項1に係る発明は、甲7に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 したがって、請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当するから、取り消されるべきものである。 取消理由2(進歩性) ・請求項1に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲3~5に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 ・請求項1に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲2に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 ・請求項1に係る発明は、甲6に記載された発明及び甲7に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 ・請求項1に係る発明は、甲7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当するから、取り消されるべきものである。 取消理由3(明確性) 請求項1に係る発明は明確でないから、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号の規定に適合しない。 したがって、請求項1に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当するから、取り消されるべきものである。 第6 引用文献等 1 甲1について (1)甲1の記載 甲1には、以下の記載がある。 (甲1ア)1頁 「 [図:0001400470000001.jpg] 」 (甲1イ)2頁上段 「 [図:0001400470000002.jpg] 」 (甲1ウ)2頁中段 「 [図:0001400470000003.jpg] 」 (甲1エ)2頁下段 「 [図:0001400470000004.jpg] 」 (甲1オ)4頁中段 「 [図:0001400470000005.jpg] 」 (2)甲1に記載された発明 ア 認定事項 (甲1ア)の「非装着型睡眠計「眠りSCAN」で安心な見守りと一人ひとりに合わせた介獲をサポートします。<睡眠・覚醒と在床・離床を見える化>」との記載、(甲1イ)の「設置・測定」欄の「マットレスの下に敷いてスイッチを入れるだけで測定できます。測定したデータは自動で機器本体の内蔵メモリーに記録。データの閲覧、管理はパソコンで行います。」との記載、(甲1オ)の「通信環境」欄の「無線LANまたは有線LANによりリアルタイムモニター機能を利用できます。」との記載、及び(甲1エ)の「リアルタイムモニター機能」欄の「居室での睡眠・覚醒・起きあがり・離床および就床時の呼吸数をリアルタイムに確認できます。」との記載を踏まえると、甲1には、ベッドのマットレスの下に敷いた非装着型睡眠計「眠りSCAN」で測定したデータをパソコンに送信し、送信した測定データに基づき、そのモニター画面上で、入居者における、居室での睡眠・覚醒・起きあがり・離床、及び就床時の呼吸数の状態をリアルタイムに確認できる介護サポートシステムが記載されていることが読み取れる。 イ 看取事項 (甲1エ)の「リアルタイムモニター機能」欄の記載からは、モニター画面に、15名の入居者それぞれの状態を表す15の画像が同時に表示され、各画像には、居室番号、入居者の氏名、入居者の睡眠・覚醒・起きあがり・離床のいずれかの状態を表す図柄、及び、就床時の呼吸数を示す数値が記載された雲状の図柄が表示されていることが見て取れる。 ウ 看取事項 (甲1エ)のモニター画面の15の各画像、及び、(甲1ウ)の「睡眠→覚醒→起きあがり→離床」の各画像は、睡眠状態を表す図柄の背景が青色、覚醒状態及び起きあがり状態を表す図柄の背景が黄色、離床状態を表す図柄の背景が灰色で表示されていることが見て取れる。 エ 認定事項 (甲1ウ)の「Point01 安心な見守り・タイムリーな介護」欄には、「状態が切り替わったこと(睡眠から覚醒に変化など)をパソコンや携帯端末のアラーム音で通知することもできます。」と記載されていることから、入居者の状態が切り替わったこと(睡眠から覚醒に変化など)が、パソコンのアラーム音で通知されることが読み取れる。 オ 上記ア~エの看取・認定事項を含め上記(1)の記載及び図面を総合すると、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。なお、各構成単位末尾の括弧内は、引用元を示す。以下、甲6及び甲7についても同様である。 「ベッドのマットレスの下に敷いた非装着型睡眠計「眠りSCAN」で測定したデータをパソコンに送信し、送信した測定データに基づき、そのモニター画面で、入居者における、居室での睡眠・覚醒・起きあがり・離床、及び就床時の呼吸数の状態をリアルタイムに確認できる介護サポートシステムであって、(上記ア) モニター画面に、15名の入居者それぞれの状態を表す15の画像が同時に表示され、(上記イ) 各画像には、居室番号、入居者の氏名、入居者の居室での睡眠・覚醒・起きあがり・離床のいずれかの状態を表す図柄、及び、就床時の呼吸数を示す数値が記載された雲状の図柄が表示され、(上記イ) 各画像は、睡眠状態を表す図柄の背景が青色、覚醒状態及び起きあがり状態を表す図柄の背景が黄色、離床状態を表す図柄の背景が灰色で表示され、(上記ウ) 入居者の状態が切り替わったこと(睡眠から覚醒に変化など)が、パソコンのアラーム音で通知される(上記エ) 介護サポートシステム。」 2 甲2について 甲2には、以下の記載がある(下線は当審において付与したものである。以下同様)。 (甲2ア) 「【0064】 [4.1 第1実施例] 第1実施例としては、異常状態の評価を画面に表示する例について説明する。例えば、図10は、表示部500に表示される表示画面の一例である。図10(a)は、測定中(就寝中)を示す画面の一例である。 【0065】 このように、睡眠中に呼吸数を測定し、測定された呼吸数に基づいて異常状態を評価する。この評価された異常状態が表示された表示画面の一例が図10(b)である。表示画面に異常状態(例えば、健康レポートのように、測定者(被測定者)に示すもの)を表示することで、容易に被測定者の異常状態を把握することができる。 【0066】 また、図10(b)は、リアルタイム異常状態評価処理を実施した場合における、表示部500に表示される表示画面の一例である。図10(c)に示すように、例えば被測定者の異常状態が検知されたタイミングで報知することにより、測定者(介助者、看護師等)は、被測定者(被介助者、患者)の状態を速やかに確認することができる。なお、このとき警告音や音声、警告灯等で併せて報知しても良い。」 (甲2イ)図10 「 [図:0001400470000006.jpg] 」 3 甲3について 甲3には、以下の記載がある。 (甲3ア) 「【0136】 [4.4.2 画面例] 図18に本処理を実行した場合の画面例として表示画面W300を示す。表示画面W300には、各生体情報について生体情報値がそれぞれ表示されている。また、領域R302には、表示されている生体情報値が登録された日時が表示されている。 【0137】 さらに、生体情報値の横には、領域R304にアラーム閾値が解りやすいように表示されている。すなわち、注意レベル、警告レベルが明確となるように、アラーム閾値が表示されている。 【0138】 また、表示されている生体情報値については、注意レベル、警告レベルの範囲にある場合には、背景が変化する構成としても良い。例えば、R306は、脈拍数として「126bpm」が表示されている。この生体情報値は、注意レベルに含まれているため、背景が注意レベルの色(例えば黄色)等に識別表示される。」 (甲3イ)図18 「 [図:0001400470000007.jpg] 」 4 甲4について 甲4には、以下の記載がある。 (甲4ア) 「【0131】 [4.4 生体情報表示処理] つづいて、生体情報表示処理について説明する。生体情報表示処理は、図13のP106に対応する処理である。すなわち、患者の電子カルテデータに基づいて、生体情報値を表示する処理である。 【0132】 図20に本処理を実行した場合の画面例として表示画面W300を示す。表示画面W300には、各生体情報について生体情報値がそれぞれ表示されている。また、領域R302には、表示されている生体情報値が登録された日時が表示されている。 【0133】 さらに、生体情報値の横には、領域R304にアラーム閾値が解りやすいように表示されている。すなわち、注意レベルの範囲、警告レベルの範囲が明確となるように、アラーム閾値が表示されている。 【0134】 また、表示されている生体情報値については、注意レベル、警告レベルの範囲にある場合には、背景が変化する構成としても良い。例えば、R306は、脈拍数として「126bpm」が表示されている。この生体情報値は、注意レベルに含まれているため、背景が注意レベルの色(例えば黄色)等に識別表示される。」 (甲4イ)図20 「 [図:0001400470000008.jpg] 」 5 甲5について 甲5には、以下の記載がある。 (甲5ア) 「【0126】 [4.4 生体情報表示処理] つづいて、生体情報表示処理について説明する。生体情報表示処理は、図8のP106に対応する処理である。すなわち、患者の電子カルテデータに基づいて、生体情報値を表示する処理である。 【0127】 図16に本処理を実行した場合の画面例として表示画面W300を示す。表示画面W300には、各生体情報について生体情報値がそれぞれ表示されている。また、領域R302には、表示されている生体情報値が登録された日時が表示されている。 ・・・ 【0129】 また、表示されている生体情報値については、注意レベル、警告レベルの範囲にある場合には、背景が変化する構成としても良い。例えば、R306は、脈拍数として「126bpm」が表示されている。この生体情報値は、注意レベルに含まれているため、背景が注意レベルの色(例えば黄色)等に識別表示される。」 (甲5イ) 「【0143】 [4.4.2 画面例] 図19は、本処理を実行した場合の一例である表示画面W500を示した図である。表示画面W500には、各生体情報と、当該生体情報の値とが表示されている。図16と同様に、アラーム閾値が領域R502に表示されており、各生体情報値が注意レベル、警告レベルにある場合には識別表示がR504のようにされている。」 (甲5ウ)図16 「 [図:0001400470000009.jpg] 」 (甲5エ)図19 「 [図:0001400470000010.jpg] 」 6 甲6について (1)甲6の記載 甲6には、以下の記載がある。 (甲6ア) 「(55)【意匠に係る物品の説明】 本物品は、医療・介護施設等における患者の状態管理に関する情報表示を目的として用いられる情報端末機であり、タッチパネル式表示部による情報入力、又はキーボード及びマウス等の外部入力装置を接続することによる情報入力が可能である。正面図は、通電時の画面表示部を表したものである。正面図に表された画像は、各種の情報表示機能を発揮するための操作に用いられる画像である。丸角横長の長方形状の患者一覧表示区画、当該患者一覧表示区画下方に配置する横細長の長方形状の患者情報表示区画、及び当該患者一覧表示区画右側方に配置する縦細長の長方形状のタイムライン情報表示区画より構成する。前記患者一覧表示区画における丸角横長の長方形状パネルは、色彩変化を示す部分拡大正面図1乃至3に示す如く色彩を変化させて表示する。色彩変化は、任意に設けられた上下三段階のしきい値に対して、一段階目の色彩を白色、上下二段階目の色彩を黄色系、及び上下三段階目の色彩を赤色系の各色彩を関連付けて登録し、図示しないセンサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報を有線又は無線接続により入力して照合し、該当する段階のしきい値に対応した色彩を表示する。前記患者情報表示区画における八つに区分された表示枠内には前記患者一覧表示区画において選択された患者情報数値(例えば、「脈拍」、「呼吸」、「血圧(H)」、「血圧(L)」、「体温」、「SpO2」、「血糖」)がそれぞれ表示され、前記各数値ついて任意に設けられた上下三段階のしきい値に対して、医療機器によって読み取られた各種数値情報を有線又は無線接続により入力して照合し、患者一覧表示区画における丸角横長の長方形状パネルにおける色彩変化と同様に該当する段階のしきい値に対応した色彩を表示する。」 (甲6イ) 「 [図:0001400470000011.jpg] 」 (甲6ウ) 「 [図:0001400470000012.jpg] [図:0001400470000013.jpg] 」 (甲6エ) 「 [図:0001400470000014.jpg] 」 (甲6オ) 「 [図:0001400470000015.jpg] 」 (甲6カ) 「 [図:0001400470000016.jpg] 」 (2)甲6に記載された発明 ア 看取事項 (甲6カ)の【使用状態を示す参考図】から、患者一覧表示区画には、48個の長方形状パネルの表示があり、各長方形状パネルには、その中央に患者氏名、その左下に、睡眠・覚醒・離床のいずれかの文字の記載があり、睡眠の文字を囲む枠内は青色の背景、覚醒の文字を囲む枠内は橙色の背景、離床の文字を囲む枠内は灰色の背景であることが見て取れる。 イ 認定事項 甲6は、「医療・介護施設等における患者の状態管理に関する情報表示を目的として用いられる情報端末機」(甲6ア)であり、(甲6ア)には、情報端末機において、表示すべき患者の状態管理に関する情報は、「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報」に基づき取得された情報の記載しかないので、表示すべき患者の状態管理に関する情報に含まれる(患者一覧表示区画の長方形状パネルに記載される)「睡眠・覚醒・離床」の情報も、「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報」に基づき取得された情報であることは、自明であるといえる。 ウ 看取事項 (甲6カ)の【使用状態を示す参考図】から、タイムライン情報表示区画のアラーム欄には、患者情報数値の異常を表す長方形状パネルの表示があり、表示された長方形状パネルには、患者氏名、発生日時、患者情報アラーム、異常値(「石ヶ森政紀様 2015/06/15 02:06 呼吸アラーム 91回/分」、「大崎弘行様 2015/06/15 02:16 脈拍アラーム 101回/分」など)の記載があることが見て取れる。 エ 認定事項 上記ウから、アラーム欄における長方形状パネルの表示は、過去に発生した患者情報数値の異常により発生したアラームを、継続(履歴)表示するものであることが理解できる。 オ 上記ア~エの看取・認定事項を含め上記(1)の記載及び図面を総合すると、甲6には、次の発明(以下「甲6発明」という。)が記載されていると認められる。 「 医療・介護施設等における患者の状態管理に関する情報表示を目的として用いられる情報端末機であって、(甲6ア) 情報端末機の画面表示部に表された画像は、各種の情報表示機能を発揮するための操作に用いられる画像であり、患者一覧表示区画、当該患者一覧表示区画下方に配置する患者情報表示区画、及び当該患者一覧表示区画右側方に配置するタイムライン情報表示区画より構成し、(甲6ア) 前記患者一覧表示区画における長方形状パネルは、任意に設けられた上下三段階のしきい値に対して、一段階目の色彩を白色、上下二段階目の色彩を黄色系、及び上下三段階目の色彩を赤色系の各色彩を関連付けて登録し、センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報を有線又は無線接続により入力して照合し、該当する段階のしきい値に対応した色彩を表示し、(甲6ア) 前記患者情報表示区画には、前記患者一覧表示区画において選択された患者の患者情報数値(例えば、「脈拍」、「呼吸」、「血圧(H)」、「血圧(L)」、「体温」、「SpO2」、「血糖」)をそれぞれ表示し、前記各数値ついて任意に設けられた上下三段階のしきい値に対して、医療機器によって読み取られた各種数値情報を有線又は無線接続により入力して照合し、該当する段階のしきい値に対応した色彩を表示し、(甲6ア) 患者一覧表示区画には、48個の長方形状パネルの表示があり、各長方形状パネルには、その中央に患者氏名、その左下に、睡眠・覚醒・離床のいずれかの文字の記載があり、睡眠の文字を囲む枠内は青色の背景、覚醒の文字を囲む枠内は橙色の背景、離床の文字を囲む枠内は灰色の背景であり、(上記ア) 患者一覧表示区画の長方形状パネルに記載される睡眠・覚醒・離床の情報は、センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報に基づき取得された情報であり、(上記イ) タイムライン情報表示区画のアラーム欄には、患者情報数値の異常を表す長方形状パネルの表示があり、表示された長方形状パネルには、患者氏名、発生日時、患者情報アラーム、異常値(「石ヶ森政紀様 2015/06/15 02:06 呼吸アラーム 91回/分」、「大崎弘行様 2015/06/15 02:16 脈拍アラーム 101回/分」など)の記載があり、(上記ウ) アラーム欄における長方形状パネルの表示は、過去に発生した患者情報数値の異常により発生したアラームを、継続(履歴)表示するものである、(上記エ) 情報端末機。」 7 甲7について (1)甲7の記載 甲7には、以下の記載がある。 (甲7ア) 「【請求項1】 複数の患者の生体情報をそれぞれ個別に検出する複数のバイタルセンサを、それぞれの患者が収容される病室内に配設された接続部を介して集中管理室に設けられるコンピュータに接続し、各バイタルセンサのデータに基づいて対応する患者の安否状態を個別に判断し、これら個別の安否情報をコンピュータのモニターに集中表示する安否確認システムにおいて、前記モニターは、各病室の配列状態を病室番号とともに部屋割り状に表示し、これら割り付けられた病室に、該病室に接続されるバイタルセンサからの安否情報を表示する表示枠を設けたことを特徴とする安否確認システム。 【請求項2】 表示枠は、色彩変化に基づいて患者の安否状態の状態変化を表示できるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の安否確認システム。」 (甲7イ) 「【発明を実施するための形態】 【0008】 以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。 図1は安否確認システムを説明するブロック図であって、該ブロック図において、1は、病院内の例えばナースステーション等の集中管理室に設けられる集中管理用のコンピュータであって、該コンピュータ1は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、モニター1a、キーボード、マウス等を備えた汎用のものが用いられている。 そして、コンピュータ1には、各入院患者の病室番号、IDとともに、氏名、性別、年齢、介護度等の個人情報が予め基本データとして登録されている。さらに、コンピュータ1には、本発明が実施された安否確認システムを実施するための安否確認プログラムが組込まれている。 【0009】 ここで、本発明が実施されている病院において、入院病棟は二階、三階に設けられており、各階にそれぞれ適宜区画された病室が複数設けられており、集中管理用のコンピュータ1は、二階の集中管理室に設けられている。2F2、2F3は、前記コンピュータ1との間をLAN通信により接続される二階、三階用ハブであって、これら二階、三階用ハブ2F2、2F3には、二階、三階用の情報処理装置としての二階、三階用シーケンサ3F2、3F3がそれぞれLAN通信により接続されている。そして、二階、三階用シーケンサ3F2、3F3には、複数のCompoNet通信用の回線が分岐配線されており、これら各配線が、対応する階の各病室に配線され、病室壁面に固定されるコネクタ受け部4に接続されている。 【0010】 一方、各病室には、図2に示すように、それぞれベッド5が配設されており、前記ベッド5上には、患者が横臥(着床)した時に患者の生体情報を検知することができる圧力検知型バイタルセンサ6(以後、バイタルセンサ6と記載)が設けられている。前記バイタルセンサ6は、ベッド5上に着床する患者の上半身の下に位置して敷かれるマット6aと、該マット6aが受ける圧力変化を検知信号として出力するセンサユニット6bと、センサユニット6bが出力した検知信号を外部に接続するためのコネクタ6cとを備えて構成されている。ここで、本実施の形態のバイタルセンサ6は、患者が呼吸することにより生じるマット6aの圧力の変化を検知し、該検知データをセンサユニット6bを介して出力し、該検知データに基づいて患者の呼吸数を検出するように構成されている。 【0011】 そして、前記コネクタ6cを、病室壁面に設けられている前記コネクタ受け部4に接続することにより、センサユニット6bと集中管理用のコンピュータ1との接続がなされ、各病室に設けられるバイタルセンサ6からの検知信号(データ)は、各階のセンサユニット6bから対応する二階、三階用シーケンサ3F2、3F3にそれぞれ入力され、これら二階、三階用シーケンサ3F2、3F3により後述する手順に基づいて個別に処理されるように構成されており、前記個別に処理されたデータが、二階、三階用ハブ3F2、3F3を介して集中管理用のコンピュータ1にそれぞれ入力されるように構成されている。 そして、コンピュータ1に入力された処理データは、安否確認システムのプログラムに基づいて、モニター1aに患者の着床、離床、異常等の呼吸数に基づく安否情報を表示して、患者の安否確認が判断できるように構成されている。 【0012】 つぎに、安否確認システムの二階、三階用シーケンサ3F2、3F2におけるデータ処理の手順について概略を説明する。 まず、センサユニット6bの電源が投入され、マット6aによる圧力検知が可能な状態となると、対応するセンサユニット6bが接続されるシーケンサ3F2、または、3F3は、検知信号の入力の有無に基づいて、患者がマット3a上に着床しているか否かを判断し、患者が着床しており、検知信号の入力がある場合では処理データとして着床信号を出力するように設定されている。一方、患者が離床しており、検知信号の入力がない場合では処理データとして離床信号を出力するように設定されている。また、シーケンサ3F2、または3F3は、着床信号を出力する状態から二十秒の待機時間が経過すると、処理データとして計測信号を出力するとともに、二十秒毎の呼吸数をカウントするように設定されている。そして、シーケンサ3F2、または3F3は、二十秒間の呼吸数が、予め設定される上限値、および、下限値であって、後述する安否確認プログラムにおいて設定される上、下限値の範囲から逸脱する場合、即ち、上限値よりも大きくなる、または、下限値よりも小さくなった場合に、処理データとして異常信号を出力するように設定されている。 尚、各シーケンサ3F2、3F3は、二十秒間毎の呼吸数のカウント値を処理データとして出力することができるように設定されているとともに、6分毎の呼吸数を二十四時間前まで記憶し、該記憶したデータを出力することができるように設定されている。 【0013】 一方、コンピュータ1において、起動状態として安否確認プログラムを呼び出すと、モニター1aには、図3に示す安否確認画面7が表示されるように設定されている。 前記安否確認画面7には、画面上方に三階の概略平面図、画面中央に二階の概略平面図として、それぞれの階の病室の配列状態が病室単位に割り付けられて(区切られて)、病室番号とともに部屋割り状に表示された部屋割り表示部7aが設けられている。そして、部屋割り表示部7aにおいてそれぞれ病室単位に割り付けられたスペースに、該病室に接続されているバイタルセンサ6、つまり、該病室に収容される患者専用のバイタルセンサ6の検知状態を表示する四角形状の表示枠8がそれぞれ表示されている。そして、これら表示枠8は、二階、三階用シーケンサ3F2、3F3から二階、三階用ハブ2F2、2F3を経由してコンピュータ1に入力される個別の処理データに対応してそれぞれ個別に色彩変化して表示されるように設定されており、該色彩により患者の安否状態を確認することができるように構成されている。 【0014】 つまり、バイタルセンサ6が病室のコネクタ受け4に接続されていない場合では、対応する病室の表示枠8は彩色されない状態(図3においてブランク表示)に表示されるように設定されている。また、バイタルセンサ6が接続された(起動した)が、患者が着床されていない状態であって、対応するシーケンサ3F2または3F3からの処理データとして離床信号が入力された場合では、表示枠8が例えば灰色に彩色(図3において斜線表示)された表示となるように設定されている。また、患者がマット6a上に着床して着床信号が出力されて、呼吸数をカウントするべく待機状態となると、表示枠8は例えば緑色に彩色(図3においてドット表示)された表示となり、待機時間が経過して計測が開始されて計測信号が入力されると、表示枠8は青色に彩色(図3において交斜線表示)された表示となるように設定されている。そして、患者の二十秒間の呼吸数が、予め設定される上、下限値により設定される範囲を逸脱する状態であって、対応するシーケンサ3F2または3F3からの処理データとして異常信号が入力された場合では、表示枠8は例えば赤色に彩色(図3において黒色表示)された表示となるように設定されている。さらに、異常信号を入力した場合に、警報音が発音するようにしてもよく、このようにすることにより、モニター1aを監視していない状態であっても、周囲の看護者に注意喚起することができて、患者の異常を確実に周知することが可能となる。そして、任意の患者が異常状態となった場合に、モニター1aには前記任意の患者の病室内の表示枠8が赤色表示されることになるが、この場合に、病室は、部屋番号とともに部屋割り状に表示されるため、看護者が、赤色表示される表示枠8に対応する患者の病室の場所を直ちに認識して、迅速に駆けつける等の対処をすることができるように構成されている。 【0015】 さらに、安否確認画面7の下方には、重点監視モニター表示部7bが設けられており、部屋割り表示部7aの二階、三階の各病室に配列されている表示枠8のうち、任意の病室の表示枠8(図3において、病室番号211の表示枠8であって、○印部分)をクリックした場合に、前記任意の病室(病室番号211)に収容される特定された患者の基本データと、該特定された患者の予め設定される呼吸数の上、下限値、さらには、バイタルセンサ6により検知される最新の二十秒間の呼吸数等の特有のデータが表示されるように構成されている。 ここで、重点監視モニター表示部7bに表示される呼吸数の「上、下限値」表示は、「変更」表示をクリックすることにより、数値を任意に設定することができるように構成されており、後述するように、前記特定された患者にバイタルセンサ6の使用を開始する場合に、予め患者の状態に合わせて適宜設定するものである。 また、重点監視モニター表示部7bに表示される「24Hログ」表示は、該部位をクリックすることにより、「24Hログ」表示の下方に設けられた「呼吸タイミングモニター」表示部に、病室番号211の患者の二十四時間前までの6分毎の呼吸数のチャートが表示されるように設定されており、これによって、特定の患者の基本データとともに、詳細な安否情報(呼吸状態)を確認することができるように構成されている。」 (甲7ウ) 「【0019】 叙述の如く構成された本形態において、患者の安否情報を検知する安否確認システムは、集中管理室に設けたコンピュータ1のモニター1aに表示される安否確認画面7に、各階の病棟の概略平面図として病室の配列状態が部屋番号とともに部屋割り状に表示された部屋割り表示部7aが設けられ、これら病室毎に区切られたスペースに表示枠8が表示され、該表示枠8に、前記病室に接続されるバイタルセンサ6に基づく安否情報が表示されている。この結果、部屋割り表示部7aにより、複数の患者に対しバイタルセンサ6のデータに基づく個別の安否情報を一覧することができて、各患者の個別の安否情報を容易に把握、かつ、確認することができる。そのうえ、患者の安否情報となる表示枠8は、病棟の概略平面図として部屋割り状に区画された病室に表示されているので、任意の患者に異常が発生した場合に、モニター1aに異常を知らせるべく表示される表示枠8と、該表示枠8に対応する患者の病室の場所(位置)を視覚的に、しかも、迅速に認識することができて、緊急の対応を一層円滑に行うことができる。」 (甲7エ)図2 「 [図:0001400470000017.jpg] 」 (甲7オ)図3 「 [図:0001400470000018.jpg] 」 (2)甲7に記載された発明 上記(1)の記載及び図面を総合すると、甲7には、次の発明(以下「甲7発明」という。)が記載されていると認められる。 「 患者の安否情報を検知する安否確認システムであって、(【0019】) 各病室に配設されたそれぞれのベッド5上には、患者が横臥(着床)した時に患者の呼吸数を検出するバイタルセンサ6が設けられ、(【0010】) バイタルセンサ6で検出された患者の呼吸数の信号は、集中管理用のコンピュータ1にそれぞれ入力され、そのモニター1aに患者の呼吸数に基づく着床、離床、異常等の安否情報を表示して、患者の安否確認が判断できるように構成されており、(【0011】) モニター1aに表示される安否確認画面7には、病室番号とともに部屋割り状に表示された部屋割り表示部7aが設けられ、部屋割り表示部7aにおいて患者専用の表示枠8がそれぞれ表示されており、(【0013】) 患者が着床されていない状態では、表示枠8が灰色に彩色された表示となり、患者が着床して呼吸数をカウントするべく待機状態となると、表示枠8は緑色に彩色された表示となり、患者の二十秒間の呼吸数が、予め設定される上、下限値により設定される範囲を逸脱する異常状態では、表示枠8は赤色に彩色された表示となる、(【0014】) 安否確認システム。」 第7 新規性及び進歩性に係る当審の判断 1 甲1発明を主発明とした場合の進歩性について (1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア(ア)甲1発明の「ベッドのマットレスの下に敷いた非装着型睡眠計「眠りSCAN」」は、「測定したデータをパソコンに送信」する端末であるから、本件発明1の「ベッドサイド端末」に相当する。 (イ)甲1発明の「入居者における、居室での睡眠・覚醒・起きあがり・離床、及び就床時の呼吸数の状態」は、「非装着型睡眠計「眠りSCAN」で測定したデータ」「に基づ」く複数の情報であるから、本件発明1の「ベッドサイド端末から」「取得した複数の情報」に相当する。 (ウ)甲1発明の「非装着型睡眠計「眠りSCAN」で測定したデータ」「に基づき」、「入居者における、居室での睡眠・覚醒・起きあがり・離床、及び就床時の呼吸数の状態をリアルタイムに確認できる」「画像」は、本件発明1の「ベッドサイド端末」「に対応する」「画像」に相当する。 (エ)前記(ア)~(ウ)の対比を踏まえると、甲1発明の「ベッドのマットレスの下に敷いた非装着型睡眠計「眠りSCAN」で測定したデータをパソコンに送信し、送信した測定データに基づき、」「入居者における、居室での睡眠・覚醒・起きあがり・離床、及び就床時の呼吸数の状態をリアルタイムに確認できる」「画像」を、「15名の入居者それぞれの状態を表す15の画像」として「画面に」「同時に表示」する「モニター」は、本件発明1の「複数のベッドサイド端末からそれぞれ取得した複数の情報に基づいて、前記複数のベッドサイド端末それぞれに対応する複数の画像を1つの画面に表示する第1表示部」に相当する。 イ 甲1発明の「入居者における、居室での睡眠・覚醒・起きあがり・離床、及び就床時の呼吸数の状態」は、「入居者」の「状態」に関する「入居者」「状態」情報であって、「入居者」「状態」情報が、「睡眠・覚醒」・「離床」に関する情報を含むことから、前記ア(イ)の対比を踏まえると、 甲1発明の複数の情報が、「入居者における、居室での睡眠・覚醒・起きあがり・離床、及び就床時の呼吸数の状態」を表す「入居者」「状態」情報を含むことと、 本件発明1の「前記複数の情報は、複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報及び前記複数のベッドの1つのベッド可動部情報を含む状態情報を含み、 前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床に関する情報を含み、前記ベッド可動部情報は、前記1つのベッドの角度及び高さに関する情報を含」むこととは、 「前記複数の情報は、複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報を含む状態情報を含み、 前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床に関する情報を含」むことの点で共通する。 ウ 甲1発明の「各画像には、」「入居者の居室での睡眠・覚醒・起きあがり・離床のいずれかの状態を表す図柄、及び、就床時の呼吸数を示す数値が記載された雲状の図柄が表示され、」「各画像は、睡眠状態を表す図柄の背景が青色、覚醒状態及び起きあがり状態を表す図柄の背景が黄色、離床状態を表す図柄の背景が灰色で表示され」ることは、本件発明1の「前記複数の画像の前記1つは、前記状態情報に対応する状態表示を含」むことに相当する。 エ 甲1発明の「睡眠状態を表す図柄の背景が青色」、「覚醒状態及び起きあがり状態を表す図柄の背景が黄色」、及び「離床状態を表す図柄の背景が灰色」は、それぞれ、本件発明1の「前記使用者が睡眠している場合の前記状態情報に含まれる第2色」、「前記使用者が覚醒している場合の前記状態情報に含まれる第1色」、及び「前記使用者が在床している際の前記状態情報に含まれる色と異なり、」「前記使用者が離床している際の前記状態情報に含まれる色」に相当する。 そして、黄色等の暖色系のほうが青色等の寒色系よりも誘目性が高いことは、交通信号機などに例示されるように技術常識である。 すると、甲1発明の「各画像は、睡眠状態を表す図柄の背景が青色、覚醒状態及び起きあがり状態を表す図柄の背景が黄色、離床状態を表す図柄の背景が灰色で表示され」ることは、本件発明1の「前記使用者が離床している際の前記状態情報に含まれる色は、前記使用者が在床している際の前記状態情報に含まれる色と異なり、 前記使用者が覚醒している場合の前記状態情報に含まれる第1色は、前記使用者が睡眠している場合の前記状態情報に含まれる第2色より認識性が高い色である」ことに相当する。 オ 甲1発明の「ベッドのマットレスの下に敷いた非装着型睡眠計「眠りSCAN」で測定したデータ」を用いた「介護サポートシステム」は、本件発明1の「ベッドシステム」に相当する。 (2)一致点・相違点 よって、本件発明1と甲1発明とは、次の点で一致し、次の各点で相違する。 (一致点) 「複数のベッドサイド端末からそれぞれ取得した複数の情報に基づいて、前記複数のベッドサイド端末それぞれに対応する複数の画像を1つの画面に表示する第1表示部を備え、 前記複数の情報は、複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報を含む状態情報を含み、 前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床に関する情報を含み、 前記複数の画像の前記1つは、前記状態情報に対応する状態表示を含み、 前記使用者が離床している際の前記状態情報に含まれる色は、前記使用者が在床している際の前記状態情報に含まれる色と異なり、 前記使用者が覚醒している場合の前記状態情報に含まれる第1色は、前記使用者が睡眠している場合の前記状態情報に含まれる第2色より認識性が高い色である、ベッドシステム。」 (相違点1) 複数の画像の1つに含まれる状態表示する状態情報として、本件発明1は、「複数のベッドの1つのベッド可動部情報を含」み、「前記ベッド可動部情報は、前記1つのベッドの角度及び高さに関する情報を含」むのに対し、甲1発明は、「入居者における、居室での睡眠・覚醒・起きあがり・離床、及び就床時の呼吸数の状態」を表す「入居者」「状態」情報を含むものの、ベッド可動部情報を含まない点。 (相違点2) 本件発明1では、第1表示部は、「前記状態情報が異常であるときに、前記複数の画像の前記1つに警告表示を行」うのに対し、甲1発明では、「入居者の状態が切り替わったこと(睡眠から覚醒に変化など)が、パソコンのアラーム音で通知される」ものの、「モニター」は、「入居者の状態」が異常であるときに「各画像」に警告表示を行うか不明である点。 (3)判断 前記相違点1について検討する。 複数の画像の1つに含まれる状態表示する状態情報として、複数のベッドの1つのベッド可動部情報を含み、前記ベッド可動部情報は、前記1つのベッドの角度及び高さに関する情報を含むという前記相違点1に係る本件発明1の構成は、甲2~甲7(第6の2~7参照)に記載も示唆もされておらず、前記相違点1に係る本件発明1の構成が、周知技術であるといえる証拠も発見されていない。 そうすると、甲1発明において前記相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることではない。 (4)甲1発明を主発明とした場合の小括 したがって、本件発明1は、前記相違点2について検討するまでもなく、甲1発明及び甲2~7に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 甲6発明を主発明とした場合の新規性・進歩性について (1)対比 本件発明1と甲6発明とを対比する。 ア 甲6発明の「情報端末機」は、「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報」が「入力」される端末であるから、本件発明1の「ベッドシステム」に相当する。 イ(ア)甲6発明の「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器」は、「情報端末機」に「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報」を「入力」する端末であるから、本件発明1の「ベッドサイド端末」に相当する。 (イ)甲6発明の「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報」及び「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報に基づき取得された」「睡眠・覚醒・離床の情報」は、本件発明1の「ベッドサイド端末から」「取得した複数の情報」に相当する。 (ウ)甲6発明の「患者一覧表示区画の長方形状パネル」及び「タイムライン情報表示区画のアラーム欄」の「患者情報数値の異常を表す長方形状パネル」は、本件発明1の「画像」に相当する。 (エ)上記(ア)~(ウ)の対比を踏まえると、甲6発明の「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報」及び「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報に基づき取得された」「睡眠・覚醒・離床の情報」に基づいて、「画面」内の、「患者一覧表示区画には、48個の長方形状パネル」、「タイムライン情報表示区画のアラーム欄には、患者情報数値の異常を表す長方形状パネル」を「表示」する「画面表示部」は、本件発明1の「複数のベッドサイド端末からそれぞれ取得した複数の情報に基づいて、前記複数のベッドサイド端末それぞれに対応する複数の画像を1つの画面に表示する第1表示部」に相当する。 ウ 甲6発明の「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報」及び「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報に基づき取得された」「睡眠・覚醒・離床の情報」は、「患者」の状態に関する「患者」状態「情報」であって、「患者」状態「情報」が、「睡眠・覚醒・離床の情報」を含むことから、前記イ(イ)の対比を踏まえると、 甲6発明の複数の情報が、「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報」及び「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報に基づき取得された」「睡眠・覚醒・離床の情報」を含むことと、 本件発明1の「前記複数の情報は、複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報及び前記複数のベッドの1つのベッド可動部情報を含む状態情報を含み、 前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床に関する情報を含み、前記ベッド可動部情報は、前記1つのベッドの角度及び高さに関する情報を含」むこととは、 「前記複数の情報は、複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報を含む状態情報を含み、 前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床に関する情報を含」むことの点で共通する。 エ 甲6発明の「患者一覧表示区画の長方形状パネル」は、「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報を」「入力して照合し、」「一段階目の色彩を白色、上下二段階目の色彩を黄色系、及び上下三段階目の色彩を赤色系」の「上下三段階のしきい値に対して」、「該当する段階のしきい値に対応した色彩を表示し、」「その左下に、睡眠・覚醒・離床のいずれかの文字の記載があり、睡眠の文字を囲む枠内は青色の背景、覚醒の文字を囲む枠内は橙色の背景、離床の文字を囲む枠内は灰色の背景であ」ることは、本件発明1の「前記複数の画像の前記1つは、前記状態情報に対応する状態表示を含」むことに相当する。 オ(ア)甲6発明の「画面表示部」が、「アラーム欄における長方形状パネルの表示」をすることは、「過去に発生した患者情報数値の異常により発生したアラームを、継続(履歴)表示する」ことであるから、本件発明1の「前記第1表示部は、前記状態情報が異常であるときに、前記複数の画像の前記1つに警告表示を行」うことに相当する。 (イ)また、バイタルサインなどの患者情報数値の異常を赤色で知らせることは、甲7の【0014】などに例示されるように技術常識であることを踏まえると、甲6発明の「画面表示部」が、「患者一覧表示区画の長方形状パネル」に、「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報を」「入力して照合し、」「赤色系」の「色彩を表示」することは、本件発明1の「前記第1表示部は、前記状態情報が異常であるときに、前記複数の画像の前記1つに警告表示を行」うことに相当する。 カ 甲6発明の「睡眠の文字を囲む枠内は青色の背景」、「覚醒の文字を囲む枠内は橙色の背景」、及び「離床の文字を囲む枠内は灰色の背景」は、それぞれ、本件発明1の「前記使用者が睡眠している場合の前記状態情報に含まれる第2色」、「前記使用者が覚醒している場合の前記状態情報に含まれる第1色」、及び「前記使用者が在床している際の前記状態情報に含まれる色と異なり、」「前記使用者が離床している際の前記状態情報に含まれる色」に相当する。 そして、橙色等の暖色系のほうが青色等の寒色系よりも誘目性が高いことは、交通信号機などに例示されるように技術常識である。 すると、甲6発明の「患者一覧表示区画の長方形状パネル」が、「睡眠の文字を囲む枠内は青色の背景、覚醒の文字を囲む枠内は橙色の背景、離床の文字を囲む枠内は灰色の背景であ」ることは、本件発明1の「前記使用者が離床している際の前記状態情報に含まれる色は、前記使用者が在床している際の前記状態情報に含まれる色と異なり、 前記使用者が覚醒している場合の前記状態情報に含まれる第1色は、前記使用者が睡眠している場合の前記状態情報に含まれる第2色より認識性が高い色である」ことに相当する。 (2)一致点・相違点 よって、本件発明1と甲6発明とは、次の点で一致し、次の点で相違する。 (一致点) 「複数のベッドサイド端末からそれぞれ取得した複数の情報に基づいて、前記複数のベッドサイド端末それぞれに対応する複数の画像を1つの画面に表示する第1表示部を備え、 前記複数の情報は、複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報を含む状態情報を含み、 前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床に関する情報を含み、 前記複数の画像の前記1つは、前記状態情報に対応する状態表示を含み、 前記第1表示部は、前記状態情報が異常であるときに、前記複数の画像の前記1つに警告表示を行い、 前記使用者が離床している際の前記状態情報に含まれる色は、前記使用者が在床している際の前記状態情報に含まれる色と異なり、 前記使用者が覚醒している場合の前記状態情報に含まれる第1色は、前記使用者が睡眠している場合の前記状態情報に含まれる第2色より認識性が高い色である、ベッドシステム。」 (相違点3) 複数の画像の1つに含まれる状態表示する状態情報として、本件発明1は、「複数のベッドの1つのベッド可動部情報を含」み、「前記ベッド可動部情報は、前記1つのベッドの角度及び高さに関する情報を含」むのに対し、甲6発明では、「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報」及び「センサーを備える患者用ベッド等の医療機器によって読み取られた各種数値情報に基づき取得された」「睡眠・覚醒・離床の情報」を含むものの、ベッド可動部情報を含まない点。 (3)判断 ア 新規性について 本件発明1と甲6発明との間に前記相違点3が存在するから、本件発明1は甲6発明ではない。 イ 進歩性について 前記相違点3について検討する。 複数の画像の1つに含まれる状態表示する状態情報として、複数のベッドの1つのベッド可動部情報を含み、前記ベッド可動部情報は、前記1つのベッドの角度及び高さに関する情報を含むという前記相違点3に係る本件発明1の構成は、甲1~5、7(第6の1~5、7参照)に記載も示唆もされておらず、前記相違点3に係る本件発明1の構成が、周知技術であるといえる証拠も発見されていない。 そうすると、甲6発明において前記相違点3に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることではない。 (4)甲6発明を主発明とした場合の小括 したがって、本件発明1は甲6発明ではなく、また、本件発明1は、甲6発明及び甲1~5、7に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 甲7発明を主発明とした場合の新規性・進歩性について (1)対比 本件発明1と甲7発明とを対比する。 ア(ア)甲7発明の「それぞれのベッド5上に」「設けられ」た「バイタルセンサ6」は、「患者の呼吸数の信号」を「集中管理用のコンピュータ1に」「入力」する端末であるから、本件発明1の「ベッドサイド端末」に相当する。 (イ)甲7発明の「患者の呼吸数に基づく着床、離床、異常等の安否情報」は、本件発明1の「ベッドサイド端末から」「取得した複数の情報」に相当する。 (ウ)甲7発明の「バイタルセンサ6で検出された」「患者の呼吸数に基づく着床、離床、異常等の安否情報」が「表示」される「患者専用の表示枠8」は、本件発明1の「ベッドサイド端末」「に対応する」「画像」に相当する。 (エ)上記(ア)~(ウ)の対比を踏まえると、甲7発明の「それぞれのベッド5上に」「設けられ」た「バイタルセンサ6で検出された患者の呼吸数のデータ」を、「集中管理用のコンピュータ1にそれぞれ入力」し、「バイタルセンサ6で検出された」「患者の呼吸数に基づく着床、離床、異常等の安否情報」が「表示」される「患者専用の表示枠8」を、「安否確認画面7」の「部屋割り表示部7aにおいて」「それぞれ表示」する「モニター1a」は、本件発明1の「複数のベッドサイド端末からそれぞれ取得した複数の情報に基づいて、前記複数のベッドサイド端末それぞれに対応する複数の画像を1つの画面に表示する第1表示部」に相当する。 イ 甲7発明の「患者の呼吸数に基づく着床、離床、異常等の安否情報」は、「患者」の状態に関する「患者」状態「情報」であって、「患者」状態「情報」は、「着床、離床」に関する「情報」を含むことから、前記ア(イ)の対比を踏まえると、 甲7発明の複数の情報が、「患者の呼吸数に基づく着床、離床、異常等の安否情報」を含むことと、 本件発明1の「前記複数の情報は、複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報及び前記複数のベッドの1つのベッド可動部情報を含む状態情報を含み、 前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床に関する情報を含み、前記ベッド可動部情報は、前記1つのベッドの角度及び高さに関する情報を含」むこととは、 「前記複数の情報は、複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報を含む状態情報を含み、 前記使用者状態情報は、前記使用者に関する在床及び離床に関する情報を含」むことの点で共通する。 ウ 甲7発明の「灰色に彩色された表示」及び「緑色に彩色された表示」は、本件発明1の「状態表示」に相当する。 すると、甲7発明の「安否確認画面7」に「それぞれ表示され」る「患者専用の表示枠8が」、「患者が着床されていない状態では、表示枠8が灰色に彩色された表示となり、患者が着床して呼吸数をカウントするべく待機状態となると、表示枠8は緑色に彩色された表示とな」ることは、本件発明1の「前記複数の画像の前記1つは、前記状態情報に対応する状態表示を含」むことに相当する。 エ 甲7発明の「赤色に彩色された表示」は、本件発明1の「警告表示」に相当する。 すると、甲7発明の「モニター1a」は、「患者の二十秒間の呼吸数が」「異常状態では、表示枠8は赤色に彩色された表示となる」ことは、本件発明1の「前記第1表示部は、前記状態情報が異常であるときに、前記複数の画像の前記1つに警告表示を行」うことに相当する。 オ 甲7発明の「患者が着床されていない状態では、表示枠8が灰色に彩色された表示となり、患者が着床して呼吸数をカウントするべく待機状態となると、表示枠8は緑色に彩色された表示とな」ることは、本件発明1の「前記使用者が離床している際の前記状態情報に含まれる色は、前記使用者が在床している際の前記状態情報に含まれる色と異な」ることに相当する。 カ 甲7発明の「それぞれのベッド5上に」「設けられ」た「バイタルセンサ6で検出された患者の呼吸数のデータ」を用いた「安否確認システム」は、本件発明1の「ベッドシステム」に相当する。 (2)一致点・相違点 よって、本件発明1と甲7発明とは、次の点で一致し、次の各点で相違する。 (一致点) 「複数のベッドサイド端末からそれぞれ取得した複数の情報に基づいて、前記複数のベッドサイド端末それぞれに対応する複数の画像を1つの画面に表示する第1表示部を備え、 前記複数の情報は、複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報を含む状態情報を含み、 前記使用者状態情報は、前記使用者に関する在床及び離床に関する情報を含み、 前記複数の画像の前記1つは、前記状態情報に対応する状態表示を含み、 前記第1表示部は、前記状態情報が異常であるときに、前記複数の画像の前記1つに警告表示を行い、 前記使用者が離床している際の前記状態情報に含まれる色は、前記使用者が在床している際の前記状態情報に含まれる色と異なる、ベッドシステム。」 (相違点4) 複数の画像の1つに含まれる状態表示する状態情報として、本件発明1は、「複数のベッドの1つのベッド可動部情報を含」み、「前記ベッド可動部情報は、前記1つのベッドの角度及び高さに関する情報を含」むのに対し、甲7発明は、「患者の呼吸数に基づく着床、離床、異常等の安否情報」を含むものの、ベッド可動部情報を含まない点。 (相違点5) 複数の画像の1つに含まれる状態表示する状態情報として、本件発明1は、使用者に関する「睡眠」及び「覚醒」に関する情報を含み、「前記使用者が覚醒している場合の前記状態情報に含まれる第1色は、前記使用者が睡眠している場合の前記状態情報に含まれる第2色より認識性が高い色である」のに対し、甲7発明は、「患者の呼吸数に基づく着床、離床、異常等の安否情報」を含むものの、睡眠及び覚醒に関する情報を含まない点。 (3)判断 ア 新規性について 本件発明1と甲7発明との間に前記相違点4及び5が存在するから、本件発明1は甲7発明ではない。 イ 進歩性について 前記相違点4について検討する。 複数の画像の1つに含まれる状態表示する状態情報として、複数のベッドの1つのベッド可動部情報を含み、前記ベッド可動部情報は、前記1つのベッドの角度及び高さに関する情報を含むという前記相違点4に係る本件発明1の構成は、甲1~6(第6の1~6参照)に記載も示唆もされておらず、前記相違点4に係る本件発明1の構成が、周知技術であるといえる証拠も発見されていない。 そうすると、甲7発明において前記相違点4に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることではない。 (4)甲7発明を主発明とした場合の小括 したがって、本件発明1は甲7発明ではなく、また、本件発明1は、前記相違点5を検討するまでもなく、甲7発明及び甲1~6に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第8 記載要件に係る当審の判断 1 取消理由通知書に記載した取消理由3(明確性要件)について 取消理由通知書において、請求項1に係る発明に含まれる「前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床の少なくともいずれかに関する情報を含み、」(前者)という発明特定事項において一部の状態(例えば「睡眠」)のみが含まれる態様において、「前記使用者が離床している際の前記状態情報に含まれる色は、前記使用者が在床している際の前記状態情報に含まれる色と異なり、前記使用者が覚醒している場合の前記状態情報に含まれる第1色は、前記使用者が睡眠している場合の前記状態情報に含まれる第2色より認識性が高い色である、」(後者)との発明特定事項のうち、前記一部の状態(例えば「睡眠」)以外に関する発明特定事項(例えば「覚醒」と「離床」に関する事項)が、請求項1に係る発明においてどのような意味を持つのかが不明である旨を指摘したところ、本件訂正により、前者を「前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床に関する情報を含み、」と特定したことで、後者との関係が明確になったので、当該取消理由は解消した。 2 申立理由1(明確性要件)について (1)申立人は、本件発明1のベッドシステムでは、後記a)~d)の事項が規定されており、後記a)~d)の規定は、明確でない旨を主張する。 a)1つのベッドの使用者に関する<使用者状態情報>は、使用者に関する[睡眠]、[覚醒]及び[離床]の少なくともいずれかに関する情報を含むものである。 b)<使用者状態情報>が異常であるときに、警告表示を行う。 c)<使用者状態情報>が[離床]である際と[在床]である際とで、表示色を異なるものとする。 d)<使用者状態情報>が[覚醒]である際の第1色は、[睡眠]である際の第2色より、認識性の高い色とする。 (2)前記主張について検討する。 ア 前記a)について <使用者状態情報>である「[睡眠]、[覚醒]及び[離床]の少なくともいずれかに関する情報」が具体的に何に関する情報を含むのかが明確でないから、前記a)の規定は不明確である旨を主張するが、前記1に説示とおりであるから、当該主張は解消した。 イ 前記b)について <使用者状態情報>が異常であることについて、何を判断基準(しきい値)として設定し、どのような状態を異常と判断するのかが不明であるから、前記b)の規定は不明確である旨を主張する。 しかし、本件発明1における「前記複数の情報は、複数のベッドの1つの使用者の状態に関する使用者状態情報及び前記複数のベッドの1つのベッド可動部情報を含む状態情報を含み、前記使用者状態情報は、前記使用者に関する睡眠、覚醒及び離床に関する情報を含み、前記ベッド可動部情報は、前記1つのベッドの角度及び高さに関する情報を含み、・・・前記第1表示部は、前記状態情報が異常であるときに、前記複数の画像の前記1つに警告表示を行」うとの記載自体は明確であり、<使用者状態情報>が異常であることについて、何を判断基準(しきい値)として設定し、どのような状態を異常と判断するのかは、本件発明1の明確性の判断に影響は与えないから、当該主張は採用できない。 また、発明の詳細な説明には、前記b)に関し、申立人も認めるとおり、使用者状態情報に含まれる離床、覚醒、起上り、端座位、心拍数及び呼吸数などについては、判断基準(しきい値)を設定して判断する旨が記載(【0049】)されているところ、本件発明1において前記b)に関する事項は、該情報の全てについて満たされるべきことが特定されるものでもなく、前記各しきい値は医学上・管理上の見地から適宜設定すべきものであることが明らかであるから、本件発明1における前記b)に関する事項は、本件特許明細書において十分に説明されているといえる。 ウ 前記c)について <使用者状態情報>が[睡眠]および[覚醒]に関する情報だけを含む場合には実施できないものであるから、前記c)の規定は不明確である旨を主張するが、前記1に説示とおりであるから、当該主張は解消した。 また、使用者が[在床]しているか否かをどのようにして判断するのかも不明であるから、前記c)の規定は不明確である旨を主張する。 しかし、本件発明1における「前記使用者が離床している際の前記状態情報に含まれる色は、前記使用者が在床している際の前記状態情報に含まれる色と異な」るとの記載自体は明確であり、使用者が[在床]しているか否かをどのようにして判断するかは、本件発明1の明確性の判断に影響は与えないから、当該主張は採用できない。 また、発明の詳細な説明には、離床の検出については種々の付属機器の利用が【0017】~【0020】などに例示されているところ、在床は離床の補集合となる状態([在床]が[離床]以外の状態)であることであるから、本件発明1における前記c)に関する事項は、本件特許明細書において十分に説明されているといえる。 エ 前記d)について <使用者状態情報>が[離床]に関する情報だけを含む場合には実施できないものであるから、前記d)の規定は不明確である旨を主張するが、前記1に説示とおりであるから、当該主張は解消した。 また、[覚醒]に[起上り]、[端座位]を含むか否かについても不明であるから、前記d)の規定は不明確である旨を主張する。 しかし、本件発明1における「前記使用者が覚醒している場合の前記状態情報に含まれる第1色は、前記使用者が睡眠している場合の前記状態情報に含まれる第2色より認識性が高い色である」との記載自体は明確であり、[覚醒]に[起上り]、[端座位]を含むか否かは、本件発明1の明確性の判断に影響は与えないから、当該主張は採用できない。 また、発明の詳細な説明には、覚醒、起上り、端座位の検出については種々の付属機器の利用が【0017】~【0020】などに例示されているところ、意識に関する覚醒と、姿勢に関する起上り・端座位とが相互に独立して判断される状態情報であることは明らかであるから、本件発明1における前記d)に関する事項は、本件特許明細書において十分に説明されているといえる。 3 申立理由2(実施可能要件)について (1)申立人は、本件明細書の段落【0048】~【0050】の記載を参酌しても、 1)<使用者状態情報>として具体的にどのような情報を用いるのか、 2)<使用者状態情報>が異常であることを具体的にどのようにして判断するのか、 3)[離床]と[在床]、または、[覚醒]および[睡眠]を具体的にどのようにして区別するのかが不明であることから、当業者が請求項1に係る発明を実施できるとはいえない旨を主張する。 (2)前記主張について検討する。 前記(1)1)に関し、本件発明1の「使用者状態情報」は、「使用者に関する睡眠、覚醒及び離床に関する情報を含み」、前記(1)2)に関し、本件発明1の「前記状態情報が異常であるときに、前記複数の画像の前記1つに警告表示を行」うことについて、【0049】、【0051】などには、使用者状態情報を含む状態情報が異常であるかの判断手法が具体的に説明されており、前記(1)3)に関し、本件発明1の[離床]と[在床]、または、[覚醒]および[睡眠]について、[在床]が[離床]以外の状態であるところ、【0019】などには、睡眠、覚醒及び離床を区別するための判断手法が具体的に説明されている。 したがって、当業者が本件発明1を実施できることは明らかであるから、申立人の前記主張は採用できない。 第9 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由、特許異議申立書に記載した申立理由及び証拠によっては、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700872

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