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特許異議申立

2025-700973

サーバ装置、分析方法、及びプログラム

審判番号
2025-700973
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2023-066250
登録番号
7661393
請求日
2025年10月08日
審決日
2026年06月17日
公報発行日
2026年09月25日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】パラマウントベッド株式会社
  • 【権利者代理人】藤本 英介
  • 【権利者代理人】神田 正義
  • 【権利者代理人】宮尾 明茂
  • 【権利者代理人】馬場 信幸
  • 【異議申立人】藤田 孝子
審判長/審判官
  • 審判長 南 宏輔
  • 審判官 ▲高▼見 重雄
  • 審判官 萩田 裕介
分類
P1652.121-YAA(G01N)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第113条第2号、特許法第120条の5第4項、特許法第126条第7項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7661393号発明「サーバ装置、分析方法、及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7661393号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔2~5、7〕、8~13について訂正することを認める。 特許第7661393号の請求項1に係る特許を維持する。 特許第7661393号の請求項2、8、9に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7661393号の請求項1、2、8及び9に係る特許についての出願(以下「本願」という。)は、令和2年10月27日(優先権主張:令和2年6月4日)に出願した特願2020-179605の一部を令和5年4月14日に新たな特許出願としたものであって、令和7年4月4日にその特許権の設定登録がされ、令和7年4月14日に特許掲載公報が発行されたものである。また、本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和 7年10月 8日 :特許異議申立人 藤田孝子(以下「申立人」という。)による請求項1、2、8及び9に係る特許に対する特許異議の申立て 令和 7年12月24日付け:取消理由通知書 令和 8年 3月 4日 :特許権者による意見書の提出 同年 4月 6日付け:取消理由通知書(決定の予告) 同年 6月 4日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 なお、令和8年6月4日に訂正請求書(以下「本件訂正書」といい、それによる訂正を「本件訂正」という。)が提出されたが、本件訂正は、以下第2で示すとおり、特許異議の申立てがされた本願の訂正前の請求項1、2、8及び9については、令和8年4月6日付けの取消理由通知書(決定の予告)において、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであって、特許法第113条第2号に該当し取り消すべきものであるとした請求項2、8、9を削除することのみの訂正である。そうすると、本件訂正の内容は、令和8年4月6日付けの取消理由通知書(決定の予告)における判断に対して実質的な影響を与えるものではないから、特許異議申立人に意見書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情がある(特許法第120条の5第5項)と判断して、当審から異議申立人に対して訂正請求があった旨の通知を行っていない。 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 本件訂正書による請求の趣旨は、特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、本件訂正後の請求項2~5、7~13について訂正することを求めるものであり、その内容は、以下のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示している。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (2)訂正事項2-1 特許請求の範囲の請求項3に 「 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、感染症の流行の注意を促す注意情報を受信し、 前記情報処理部は、前記住所情報及び前記詳細情報から、前記住所情報が示す地域毎に前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果と前記注意情報とに基づき、前記感染症の流行を前記地域毎に予測する、 請求項1又は2に記載のサーバ装置。」 とあるのを、 「 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、感染症の流行の注意を促す注意情報を受信し、 前記情報処理部は、前記住所情報及び前記詳細情報から、前記住所情報が示す地域毎に前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果と前記注意情報とに基づき、前記感染症の流行を前記地域毎に予測する、 請求項1に記載のサーバ装置。」 に訂正をする。 (3)訂正事項2-2 特許請求の範囲の請求項3に 「 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、感染症の流行の注意を促す注意情報を受信し、 前記情報処理部は、前記住所情報及び前記詳細情報から、前記住所情報が示す地域毎に前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果と前記注意情報とに基づき、前記感染症の流行を前記地域毎に予測する、 請求項1又は2に記載のサーバ装置。」 とあるうち、請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、 「 トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報を受信する受信部と、 前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、 情報処理部と、 前記情報処理部での処理結果を外部装置に提供する提供部と、 を備え、 前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、 前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する、 サーバ装置であって、 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、感染症の流行の注意を促す注意情報を受信し、 前記情報処理部は、前記住所情報及び前記詳細情報から、前記住所情報が示す地域毎に前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果と前記注意情報とに基づき、前記感染症の流行を前記地域毎に予測する、 サーバ装置。」 とし、新たに請求項10とする。 (4)訂正事項3-1 特許請求の範囲の請求項5に 「 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者を示す使用者情報及び前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む環境情報を受信し、 前記情報処理部は、前記使用者情報、前記住所情報、前記環境情報、及び前記詳細情報から、前記使用者情報が示す使用者毎の、前記環境情報に応じた前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果から前記使用者情報が示す使用者毎に前記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測する、 請求項1又は2に記載のサーバ装置。」 とあるのを、 「 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者を示す使用者情報及び前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む環境情報を受信し、 前記情報処理部は、前記使用者情報、前記住所情報、前記環境情報、及び前記詳細情報から、前記使用者情報が示す使用者毎の、前記環境情報に応じた前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果から前記使用者情報が示す使用者毎に前記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測する、 請求項1に記載のサーバ装置。」 に訂正をする。 (5)訂正事項3-2 特許請求の範囲の請求項5に 「 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者を示す使用者情報及び前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む環境情報を受信し、 前記情報処理部は、前記使用者情報、前記住所情報、前記環境情報、及び前記詳細情報から、前記使用者情報が示す使用者毎の、前記環境情報に応じた前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果から前記使用者情報が示す使用者毎に前記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測する、 請求項1又は2に記載のサーバ装置。」 とあるうち、請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、 「 トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報を受信する受信部と、 前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、 情報処理部と、 前記情報処理部での処理結果を外部装置に提供する提供部と、 を備え、 前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、 前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する、 サーバ装置であって、 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者を示す使用者情報及び前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む環境情報を受信し、 前記情報処理部は、前記使用者情報、前記住所情報、前記環境情報、及び前記詳細情報から、前記使用者情報が示す使用者毎の、前記環境情報に応じた前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果から前記使用者情報が示す使用者毎に前記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測する、 サーバ装置。」 とし、新たに請求項12とする。 (6)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に 「 前記情報処理部で前記地域毎に予測された結果を、各地域に関連付けられた提供先に提供する提供部を備える、 請求項3に記載のサーバ装置。」 とあるうち、引用する請求項3が請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、 「 トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報を受信する受信部と、 前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、 情報処理部と、 前記情報処理部での処理結果を外部装置に提供する提供部と、 を備え、 前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、 前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する、 サーバ装置であって、 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、感染症の流行の注意を促す注意情報を受信し、 前記情報処理部は、前記住所情報及び前記詳細情報から、前記住所情報が示す地域毎に前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果と前記注意情報とに基づき、前記感染症の流行を前記地域毎に予測し、 前記情報処理部で前記地域毎に予測された結果を、各地域に関連付けられた提供先に提供する提供部を更に備える、 サーバ装置。」 とし、新たに請求項11とする。 (7)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項7に 「 前記使用者情報は、前記トイレの使用者の連絡先を示す連絡先情報を含み、 前記情報処理部で前記使用者情報毎に予測された結果を、各使用者情報が示す使用者についての前記連絡先情報が示す連絡先に提供する提供部を備える、 請求項5又は6に記載のサーバ装置。」 とあるうち、引用する請求項5が請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、 「 トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報を受信する受信部と、 前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、 情報処理部と、 前記情報処理部での処理結果を外部装置に提供する提供部と、 を備え、 前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、 前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する、 サーバ装置であって、 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者を示す使用者情報及び前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む環境情報を受信し、 前記情報処理部は、前記使用者情報、前記住所情報、前記環境情報、及び前記詳細情報から、前記使用者情報が示す使用者毎の、前記環境情報に応じた前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果から前記使用者情報が示す使用者毎に前記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測し、 前記使用者情報は、前記トイレの使用者の連絡先を示す連絡先情報を含み、 前記情報処理部で前記使用者情報毎に予測された結果を、各使用者情報が示す使用者についての前記連絡先情報が示す連絡先に提供する提供部を更に備える、 サーバ装置。」 とし、新たに請求項13とする。 (8)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項8を削除する。 (9)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項9を削除する。 2 訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項の有無 (1)訂正事項1について 訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項2を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項2を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。 (2)訂正事項2-1について 訂正事項2-1は、特許請求の範囲の請求項3に「請求項1又は2に記載のサーバ装置。」とあり、請求項1又は2を引用しているのを、請求項1のみを引用するものに限定し、「請求項1に記載のサーバ装置。」としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正事項2-1は、引用する請求項のうち、一部を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであることは明らかである。 (3)訂正事項2-2について 訂正事項2-2は、特許請求の範囲の請求項3に「請求項1又は2に記載のサーバ装置。」とあり、請求項1又は2を引用しているのを、請求項2のみを引用するものに限定するとともに、独立形式に改めて新たに請求項10としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮及び特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正事項2-2は、上記のとおり、引用する請求項のうち一部を削除するとともに、独立形式に改めたものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであることは明らかである。 (4)訂正事項3-1について 訂正事項3-1は、特許請求の範囲の請求項5に「請求項1又は2に記載のサーバ装置。」とあり、請求項1又は2を引用しているのを、請求項1のみを引用するものに限定し、「請求項1に記載のサーバ装置。」としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正事項3-1は、引用する請求項のうち、一部を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであることは明らかである。 (5)訂正事項3-2について 訂正事項3-2は、特許請求の範囲の請求項5に「請求項1又は2に記載のサーバ装置。」とあり、請求項1又は2を引用しているのを、請求項2のみを引用するものに限定すると共に、独立形式に改めて新たに請求項12としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮及び特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正事項3-2は、上記のとおり、引用する請求項のうち一部を削除するとともに、独立形式に改めたものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであることは明らかである。 (6)訂正事項4について 訂正事項4は、特許請求の範囲の請求項4に「請求項3に記載のサーバ装置。」とあり、請求項3は請求項1又は2を引用しているところ、引用する請求項3が請求項2のみを引用するものに限定するとともに、独立形式に改めて新たに請求項11としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮及び特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正事項4は、上記のとおり、引用する請求項のうち一部を削除するとともに、独立形式に改めたものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであることは明らかである。 (7)訂正事項5について 訂正事項5は、特許請求の範囲の請求項7に「請求項5又は6に記載のサーバ装置。」とあり、請求項5は請求項1又は2を引用しているところ、引用する請求項に関して、請求項2のみを引用する請求項5のみを引用するものに限定するとともに、独立形式に改めて新たに請求項13としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮及び特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正事項5は、上記のとおり、引用する請求項のうち一部を削除するとともに、独立形式に改めたものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであることは明らかである。 (8)訂正事項6について 訂正事項6は、特許請求の範囲の請求項8を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項6は、特許請求の範囲の請求項8を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。 (9)訂正事項7について 訂正事項7は、特許請求の範囲の請求項9を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項7は、特許請求の範囲の請求項9を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。 3 独立特許要件について (1)本件においては、本件訂正前の請求項1、2、8及び9について特許異議申立てがされている。 よって、訂正事項1、6及び7により訂正された請求項2、8、9には、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項に規定する要件(いわゆる独立特許要件)は課されない。 (2)本件訂正による訂正後の請求項3~5及び7は、引用する請求項のうち一部を削除するものであって、訂正後の3~5及び7に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由も見いだせない。 また、本件訂正による訂正後の請求項10~13は、いずれも引用する請求項のうち一部を削除するとともに、独立形式に改めたものであって、訂正後の10~13に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由も見いだせない。 よって、訂正事項2-1、2-2、3-1、3-2、4及び5は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 4 一群の請求項について 訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項2を削除するものである。 そして、本件訂正前の請求項3及び5は、本件訂正前の請求項2を直接引用しており、本件訂正前の請求項4は、本件訂正前の請求項2を引用する請求項3を介して、本件訂正前の請求項2を間接的に引用しており、本件訂正前の請求項7は、本件訂正前の請求項2を引用する請求項5を介して、本件訂正前の請求項2を間接的に引用しているから、本件訂正前の請求項3~5及び7は、訂正事項1によって削除される本件訂正前の請求項2に連動して訂正されるものである。 よって、本件訂正前の請求項2~5及び7に対応する本件訂正後の請求項2~5、7及び10~13は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 また、訂正事項2-1及び2-2は、本件訂正前の請求項3について請求されたものであり、訂正事項3-1及び3-2は、本件訂正前の請求項5について請求されたものであり、訂正事項4は、本件訂正前の請求項4について請求されたものであり、訂正事項5は、本件訂正前の請求項7について請求されたものであるから、上記一群の請求項に請求されているものである。 以上より、本件訂正前の請求項2~5及び7に対応する本件訂正後の請求項2~5、7及び10~13は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であり、訂正事項1、2-1、2-2、3-1、3-2、4及び5は、当該一群の請求項に請求されているものである。よって、訂正事項1、2-1、2-2、3-1、3-2、4及び5は、特許法第120条の5第4項に適合するものである。 また、本件訂正後の請求項10~13について、特許権者は、これらの請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求めており、請求項間の引用関係のない独立形式にされた訂正後の請求項10~13に係る訂正は、上記2、3で示したとおり認められるので、訂正後の請求項10~13に係る訂正を別の訂正単位とすることを認める。 訂正事項6及び7は、それぞれ請求項8及び9についての訂正事項であって、一群の請求項に対して請求されたものではない。 5 本件訂正についてのまとめ 上記のとおり、訂正事項2-1、2-2、3-1、3-2、4及び5に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、または、1号及び4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5~7項の規定に適合するものである。 よって、特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、本件訂正後の請求項2~5、7~13について訂正することを認める。 第3 本件発明 本件訂正請求により訂正された特許請求の範囲の記載は、以下のとおりであり、訂正後の請求項1に係る発明(以下「本件発明1」という。)は、以下の訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報を受信する受信部と、 前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、 情報処理部と、 を備え、 前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、排便の色、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、 前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計し、前記排便の形状及び色 の時間的な変化の傾向を分析する、 サーバ装置。 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、感染症の流行の注意を促す注意情報を受信し、 前記情報処理部は、前記住所情報及び前記詳細情報から、前記住所情報が示す地域毎に前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果と前記注意情報とに基づき、前記感染症の流行を前記地域毎に予測する、 請求項1に記載のサーバ装置。 【請求項4】 前記情報処理部で前記地域毎に予測された結果を、各地域に関連付けられた提供先に提供する提供部を備える、 請求項3に記載のサーバ装置。 【請求項5】 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者を示す使用者情報及び前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む環境情報を受信し、 前記情報処理部は、前記使用者情報、前記住所情報、前記環境情報、及び前記詳細情報から、前記使用者情報が示す使用者毎の、前記環境情報に応じた前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果から前記使用者情報が示す使用者毎に前記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測する、 請求項1に記載のサーバ装置。 【請求項6】 トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報と、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者を示す使用者情報及び前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報と、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む環境情報と、を受信する受信部と、 前記受信部で受信した前記詳細情報、前記使用者情報、前記住所情報、及び前記環境情報を記憶する記憶部と、 情報処理部と、 を備え、 前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、 前記情報処理部は、前記使用者情報、前記住所情報、前記環境情報、及び前記詳細情報から、前記使用者情報が示す使用者毎の、前記環境情報に応じた前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果から前記使用者情報が示す使用者毎に前記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測する、 サーバ装置。 【請求項7】 前記使用者情報は、前記トイレの使用者の連絡先を示す連絡先情報を含み、 前記情報処理部で前記使用者情報毎に予測された結果を、各使用者情報が示す使用者についての前記連絡先情報が示す連絡先に提供する提供部を備える、 請求項5又は6に記載のサーバ装置。 【請求項8】 (削除) 【請求項9】 (削除) 【請求項10】 トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報を受信する受信部と、 前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、 情報処理部と、 前記情報処理部での処理結果を外部装置に提供する提供部と、 を備え、 前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、 前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する、 サーバ装置であって、 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、感染症の流行の注意を促す注意情報を受信し、 前記情報処理部は、前記住所情報及び前記詳細情報から、前記住所情報が示す地域毎に前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果と前記注意情報とに基づき、前記感染症の流行を前記地域毎に予測する、 サーバ装置。 【請求項11】 トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報を受信する受信部と、 前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、 情報処理部と、 前記情報処理部での処理結果を外部装置に提供する提供部と、 を備え、 前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、 前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する、 サーバ装置であって、 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、感染症の流行の注意を促す注意情報を受信し、 前記情報処理部は、前記住所情報及び前記詳細情報から、前記住所情報が示す地域毎に前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果と前記注意情報とに基づき、前記感染症の流行を前記地域毎に予測し、 前記情報処理部で前記地域毎に予測された結果を、各地域に関連付けられた提供先に提供する提供部を更に備える、 サーバ装置。 【請求項12】 トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報を受信する受信部と、 前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、 情報処理部と、 前記情報処理部での処理結果を外部装置に提供する提供部と、 を備え、 前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、 前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する、 サーバ装置であって、 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者を示す使用者情報及び前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む環境情報を受信し、 前記情報処理部は、前記使用者情報、前記住所情報、前記環境情報、及び前記詳細情報から、前記使用者情報が示す使用者毎の、前記環境情報に応じた前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果から前記使用者情報が示す使用者毎に前記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測する、 サーバ装置。 【請求項13】 トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報を受信する受信部と、 前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、 情報処理部と、 前記情報処理部での処理結果を外部装置に提供する提供部と、 を備え、 前記詳細情報は、排泄日時、排泄物の種類、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含み、 前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計する、 サーバ装置であって、 前記受信部は、前記詳細情報に関連付けられた、前記トイレの使用者を示す使用者情報及び前記トイレの使用者が居住する住所又は前記トイレの設置場所の住所を示す住所情報を受信し、且つ、気候情報と感染症が流行した結果を示す感染症流行情報とを含む環境情報を受信し、 前記情報処理部は、前記使用者情報、前記住所情報、前記環境情報、及び前記詳細情報から、前記使用者情報が示す使用者毎の、前記環境情報に応じた前記排便の時間的な変化の傾向を分析し、分析した結果から前記使用者情報が示す使用者毎に前記感染症の罹患状態を含む健康状態を予測し、 前記使用者情報は、前記トイレの使用者の連絡先を示す連絡先情報を含み、 前記情報処理部で前記使用者情報毎に予測された結果を、各使用者情報が示す使用者についての前記連絡先情報が示す連絡先に提供する提供部を更に備える、 サーバ装置。」 第4 特許異議申立書の申立理由及び当審が通知した取消理由 1 特許異議申立書の申立理由について (1)特許異議申立書の申立理由の概要 申立人は、証拠として以下(3)の甲第1号証~甲第7号証を提出し、以下(2)の異議申立理由によって、本件発明1、2、8及び9に係る特許を取り消すべきものである旨を主張している。 (2)異議申立理由 本件発明1、2、8及び9は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2~7号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件発明1は、甲第3号証に記載された発明及び甲第1、2、5~7号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件発明2、8及び9は、甲第3号証に記載された発明及び甲第1、2、4~7号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、本件発明1、2、8及び9は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1、2、8及び9に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (3)証拠方法 令和7年10月8日に申立人が提出した特許異議申立書の「5 証拠方法」欄には、「別添証拠説明書に記載のとおり。」と記載されているとおり、本件特許異議申立人が提出した証拠は、令和7年10月8日に申立人が提出した「証拠説明書」の「3 証拠の説明」欄に記載された次のとおりのものである。 甲第1号証:特開2019-74328号公報 甲第2号証:特開2007-252805号公報 甲第3号証:特開2019-197269号公報 甲第4号証:高橋厚妃、“AIトイレが便の形や大きさを判定、LIXILが初公開”、[online]、2019年9月27日、日経XTECH、[2025年12月19日検索]、インターネット<URL:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/06054/> 甲第5号証:ちーさん (id:i-chihiro93115)、“楽しく便秘改善!ウンログアプリの使い方と機能紹介”、[online]、2018年8月26日、株式会社はてな、はてなブログ:IT女子ちーさんのWEBろぐ、[2025年12月19日検索]、インターネット<https://i-chihiro93115.hatenablog.com/entry/2018/08/26/084758> 甲第6号証:取材・平川透、“腸活はLINEで手軽に続けよう、ベンチャー「ウンログ」の新サービスとは?”、[online]、2019年10月28日、日刊工業新聞社:ニュースイッチ、[2025年12月19日検索]、インターネット<https://newswitch.jp/p/19767> 甲第7号証: [図:0001439225000001.jpg] [2025年12月19日検索]、インターネット<https://sspai.com/post/44154> 甲第1~4、6及び7号証は何れも、本件特許の優先日である令和2年6月4日より前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となることにより公知となったものである。 また、甲第5号証には、「2022-02-27T15:27:49+09:00」との更新日の記載があり、本件特許の優先日である令和2年6月4日前における甲第5号証の記載は明らかではないが、上記検索日における記載内容が、本件特許の優先日である令和2年6月4日より前の記載内容と同じであると仮定して、以下検討する。 2 取消理由通知(決定の予告)について 当審が令和8年4月6日付けで通知した取消理由通知(決定の予告)の概要は、次の通りである。(以下、「取消理由」という。) 本件特許の請求項2、8及び9に係る発明は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証に記載された事項、及び、甲第4号証に記載された事項あるいは甲第4号証、甲第7号証等に例示される周知技術に基づいて当業者が容易に想到することができたものである。 よって、本件特許の請求項2、8及び9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。 3 本件訂正による請求項の削除について 本件訂正により、上記第2のとおり、訂正前の請求項2、8及び9に係る特許は削除された。 よって、上記1の異議申立理由のうち、本件訂正前の請求項2、8及び9に係る特許に対する理由、及び、上記2の取消理由は、その判断の対象となる請求項が存在しないものとなった。 第5 当審の判断 1 甲号証の記載事項及び甲号証に記載された発明、周知技術 (1)甲第1号証 ア 甲第1号証の記載 甲第1号証には以下の記載がある(下線は当審で付加した。以下同様。)。 (ア)「【0009】 更に、制御装置のコントローラは、出力部による携帯端末装置への生体情報の出力処理後、一時記憶部に一時的に記憶された利用者の生体情報を消去処理することができる。即ち、利用者の生体情報は、出力処理がなされることによって利用者が所有する携帯端末装置のみに存在し、消去処理がなされることによってトイレ室に設置された一時記憶部に存在することがない。これにより、他の利用者が便座システムを利用する際には、以前の利用者の生体情報は一時記憶部に記憶されておらず、従って、他の利用者は以前の利用者の生体情報を縦覧することが不能であり、利用者の個人情報に該当する生体情報の秘匿性を十分に確保することができる。」 (イ)「【0020】 生体情報検出装置としてのセンサ群16は、腰掛式便器11及び便座装置12に組み付けられている。センサ群16は、例えば、利用者Pが排泄した排泄物から発せられる各種ガス(水素ガスや二酸化炭素、臭気性ガスであるアンモニアや硫化水素等)の濃度を検出するガス濃度センサ、排泄物の大きさや形、色を検出する画像センサ、排泄物の量を検出する水量センサや重量センサ等を含んで構成されている。センサ群16は、図2に示すように、制御装置13のコントローラ13aに接続されており、利用者Pの排泄物から検出された各種情報(各種データ)、換言すれば、排泄物から得られる利用者Pの生体情報(データ)をコントローラ13aに出力するようになっている。 【0021】 携帯端末装置20は、利用者Pが所有し、且つ、利用者Pによって認証されるものであり、例えば、利用者Pが所有する携帯電話(より具体的には、スマートフォン)やタブレット端末等である。携帯端末装置20は、図4に示すように、制御部21、生体情報取得部としての近距離無線通信部22、記憶部23、情報提示部としての表示部24、外部通信部25、認証部26、カメラ部27、入力部28、及び、決済部29を備えている。 【0022】 制御部21は、CPU、ROM、RAM、タイマ及び各種インターフェース等を主要構成部品とするマイクロコンピュータである。コントローラ13aは、携帯端末装置20の作動を統括的に制御する。制御部21は、図4に示すように、生体情報解析部21aを備えている。生体情報解析部21a(より詳しくは、制御部21のCPU)は、記憶部23に更新可能に予め記憶された生体情報解析アプリケーション(プログラム)を実行するものである。具体的に、生体情報解析部21aは、生体情報解析アプリケーションを実行することにより、便座装置12から取得されて記憶部23に記憶された利用者Pの生体情報を、後述するように、利用者Pの健康状態に関連する健康状態項目(摂取カロリ、便秘日数、日常の運動量等)について解析する。」 (ウ)「【0034】 ステップS12においては、コントローラ13aは、利用者Pが腰掛式便器11に排泄した排泄物から得られる生体情報を取得する。具体的に、コントローラ13aは、センサ群16を構成するガス濃度センサから利用者Pが排泄した排泄物によって発せられる各種ガス(水素ガスや二酸化炭素、臭気性ガスであるアンモニアや硫化水素等)の濃度の情報(データ)、画像センサから排泄物の大きさや色の情報(データ)、或いは、水量センサや重量センサから排泄物の量の情報(データ)を取得する。そして、コントローラ13aは、センサ群16から取得した各種情報(各種データ)を一時記憶部13bに一時的に記憶し、ステップS13に進む。」 (エ)「【0036】 ステップS14においては、コントローラ13aは、出力部13cを介して、前記ステップS12にて一時記憶部13bに一時的に記憶している生体情報を、利用者Pが所持し且つ利用者Pによって認証された携帯端末装置20に送信して出力する出力処理を実行する。即ち、コントローラ13aは、利用者Pが排泄を終了するまでの間、或いは、排泄を終了してから所定の時間が経過するまでの間において、出力部13cに対し、一時記憶部13bに一時的に記憶している生体情報を携帯端末装置20に出力させる。」 (オ)「【0043】 一方、利用者Pが所有する携帯端末装置20においては、制御部21が、近距離無線通信部22により制御装置13の出力部13cから取得された利用者Pの生体情報(即ち、排泄物から得られた各種情報(各種データ))を記憶部23に記憶させる。この場合、制御部21は、例えば、取得した生体情報を日付順や時刻順に蓄積するように、記憶部23に記憶させる。そして、制御部21の生体情報解析部21aは、記憶部23に記憶された生体情報解析アプリケーションを実行することにより、記憶部23に記憶されている生体情報を解析して利用者Pに健康を促す健康促進情報を提示する。」 (カ)「【0048】 ここで、生体情報解析部21aは、生体情報のみを用いて、健康状態項目について解析することも可能である。例えば、生体情報解析部21aは、健康状態項目として、排泄間隔について解析する場合、例えば、生体情報のうちの排泄物の量及び排泄時刻に関連する情報と、生体情報のうちの排泄物の大きさや形、色に関連する情報と、を解析する。これにより、生体情報解析部21aは、利用者Pの排泄間隔が長いと解析した場合、表示部24を利用して、利用者Pに「便秘気味です。」等の健康促進情報を提示(提案)する。」 (キ)「【0063】 これによれば、利用者Pは、携帯端末装置20の外部通信部25を利用して外部と通信することができ、例えば、自身に必要な健康状態項目を任意に設定したり、生体情報解析部21aが用いる解析方法を最新の解析方法に更新したり追加したりして変更することができる。これにより、生体情報解析部21aは、柔軟性を有して生体情報(各種情報(各種データ))を解析することができ、利用者Pのニーズに応じて解析した結果を健康促進情報として利用者Pに提示することができる。」 (ク)「【0082】 ところで、特に、利用者Pが男性の場合、腰掛式便器11(便座装置12)の正面に立った状態で小便を排泄する場合がある。この場合、着座センサ15は、例えば、光や音波を出射することができる。従って、着座センサ15は、腰掛式便器11(便座装置12)の正面に立った利用者Pから反射した光や音波を検出することにより、立った状態の利用者Pが腰掛式便器11(便座装置12)の正面に位置しているか否か、即ち、小便の排泄状態を検出することも可能である。」 (ケ)「【0087】 更に、上記実施形態及び上記各変形例においては、携帯端末装置20の制御部21が生体情報解析部21aを有し、生体情報を解析するようにした。これに代えて、携帯端末装置20が記憶部23に記憶した各種情報(各種データ)即ち生体情報を、外部通信部25を介して外部に設けられたサーバに送信し、サーバが生体情報を解析することも可能である。そして、この場合には、外部のサーバは、上記実施形態及び上記各変形例と同様に、利用者Pの健康状態項目について生体情報を解析し、解析した結果を携帯端末装置20に送信することができる。従って、この場合においても、上記実施形態及び上記各変形例と同様の効果が期待できる。尚、携帯端末装置20が外部通信部25を介して外部のサーバと通信する場合、携帯端末装置20とサーバとが互いに認証することにより、利用者Pの生体情報の秘匿性が十分に確保される。」 イ 甲第1号証に記載された発明 上記アの(ア)~(ケ)の記載事項を総合すると、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「腰掛式便器11及び便座装置12に組み付けられ、排泄物の大きさや形、色を検出する画像センサを含むセンサ群16は、利用者Pの排泄物から検出された生体情報を制御装置13のコントローラ13aに出力し、(段落【0020】) コントローラ13aは、画像センサから取得した排泄物の大きさや色の情報を含む生体情報を取得し、一時記憶部13bに一時的に記憶し、一時記憶部13bに一時的に記憶している生体情報を携帯端末装置20に送信して出力し、(段落【0034】、【0036】) 携帯端末装置20においては、制御部21が、利用者Pの生体情報を、日付順や時刻順に蓄積するように記憶部23に記憶させ、(段落【0043】) 制御部21のCPUである生体情報解析部21aは、生体情報解析アプリケーションを実行することにより、記憶部23に記憶されている生体情報を解析して利用者Pに健康を促す健康促進情報を提示し、(段落【0022】、【0043】) 生体情報解析部21aは、健康状態項目として、排泄間隔について解析する場合、生体情報のうちの排泄物の量及び排泄時刻に関連する情報と、生体情報のうちの排泄物の大きさや形、色に関連する情報と、を解析し、表示部24を利用して、利用者Pに「便秘気味です。」等の健康促進情報を提示し、(段落【0048】) 自身に必要な健康状態項目を任意に設定したり、生体情報解析部21aが用いる解析方法を最新の解析方法に更新したり追加したりして変更することができ、これにより、生体情報解析部21aは、柔軟性を有して生体情報を解析することができ、利用者Pのニーズに応じて解析した結果を健康促進情報として利用者Pに提示することができ、(段落【0063】) 携帯端末装置20が記憶部23に記憶した生体情報を、外部通信部25を介して外部に設けられたサーバに送信し、サーバが生体情報を解析することも可能であり、この場合には、外部のサーバは、利用者Pの健康状態項目について生体情報を解析し、解析した結果を携帯端末装置20に送信することができる、(段落【0087】) 携帯端末装置20。(段落【0021】)」 (2)甲第2号証 甲第2号証には以下の記載がある。 ア 「【0037】 本発明のデータ検出装置1は、人体を被験者として、被験者の肛門とその周辺、局部とその周辺及び排泄物を熱画像及び画像として撮影し、この熱画像及び画像の解析によって被験者の健康状態を推定することを主目的とする装置である。」 イ 「【0066】 また、画像撮影部6は、被験者による排泄行為中に、被験者の肛門とその周辺、局部とその周辺及び排泄物を含む便器3の水溜り部3aを被写体として、静止画及び動画で熱画像又は画像を撮影し、撮影画像をデータ処理・解析部18に転送するようになっている。」 ウ 「【0081】 また、データ処理・解析部18は、排泄物の画像解析により、排泄物が大便か否かを判断するようになっている。例えば、便器3の水溜り部3aに排泄された排泄物の画像解析を行う際に、水溜り部3aの水面に対応する画像部分の濃度変化を追跡し又はヒストグラムを作成して、水面の反射濃度に対応する値(使用前のデータを参照又は閾値を予め設定しておく)が所定値以上であれば排泄物は大便と推定する。それ以外は、小便と推定する。」 エ 「【0084】 すなわち、データ処理・解析部18は、排泄物が大便であると判断した場合は、大便の画像解析により、便が排出されるときの便の形状や性状、色を計測するようになっている。また、その際、肛門の状態を定量化するようになっている。これにより、出血や炎症、痔などの疾病の存在を確認することが可能となる。」 オ 「【0089】 また、データ処理・解析部18は、大便の形状・性状データと健康状態とを対応付けたテーブルを用いることにより、大便の形状・性状から被験者の健康状態を推定する。大便の形状・性状データの分析には、クラスタリングや回帰分析などの手法を使用する。例えば、大便の色が黄土色~茶色である場合は平常、大便の色が黒色(特にタール状)である場合は上部消化管(胃~十二指腸)での出血、大便の色が暗赤色である場合は下部消化管での出血及び大腸疾患、大便の色が鮮赤色である場合は肛門付近での出血及び直腸ポリープ、大便の色が白色である場合は胆道閉塞、感染症及びバリウム飲後などの健康状態を推定することが可能である。 【0090】 また、データ処理・解析部18は、小便の画像について以下のように解析を行う。 【0091】 すなわち、データ処理・解析部18は、排泄物が小便であると判断した場合は、画像撮影部6から、便器3の水溜り部3aに溜まっている小便液に1種以上の照明光を照射し、その反射光または透過光を受光して得られた画像(透過光の場合は、水溜り部3aに設置された画像撮影部6により撮影画像)及び反射光・透過光データを得て、それらのデータを処理することにより小便内成分を計測するようになっている。」 (3)甲第3号証 甲第3号証には、図面とともに以下の記載がある。 ア 「【0009】 <実施形態> (日常空間の健康サポート) 普段生活を行う居住空間(以下、日常生活空間という。)における健康サポートシステムについて図1~4を用いて説明する。図1は日常生活空間の健康サポートシステムの構成例を示す図である。図2は図1のセンシング装置、アクチュエータ装置およびバイ・ファンクション装置の概略構成を示すブロック図である。図3は図2のセンシング装置に内蔵されたセンサおよびそのセンシング情報を処理するマイクロコンピュータ(MCU)のブロック図である。図4は図2のアクチュエータ装置に内蔵されたMCUおよびアクチュエータ機器のブロック図である。 【0010】 図1に示すように、日常生活空間の一例である自宅100は、サーバの一例であるホームサーバ110と、アクチュエータ装置120と、バイ・ファンクション装置130と、センシング装置140と、それらを接続するネットワークの一例であるホームネットワーク150と、を備える。 【0011】 ホームサーバ110はCPUと入力部と表示部と通信部と記憶部とを備え、記憶部は健康情報データベース111および健康情報データベース111より解析した機器の最適な制御情報である機器制御情報112を格納している。ホームサーバ110の健康情報データベース111はマスターデータである。 【0012】 また、ホームサーバ110の通信部は自宅100に設置されたアクチュエータ装置120、バイ・ファンクション装置130およびセンシング装置140との通信IF(インタフェース)を持ち、データ送受信の機能を有する。また、アクチュエータ装置120、バイ・ファンクション装置130およびセンシング装置140はすべて通信IFを有しており、ホームネットワーク150を介してホームサーバ110と機能分類に応じた内容の通信を行う。 【0013】 アクチュエータ装置120は、外部より制御を行うことで機器動作や情報表示する機能を有する、受動的な動作を行う装置であり、ホームサーバ110より機器制御情報112の制御信号を受信し、設定や動作を変更する。例えば、照明120aやTV(テレビジョン)120b、電子レンジ120c、炊飯器120d、冷蔵庫120e等の家電機器、および風呂120f等の住宅施設品がアクチュエータ装置120に該当し、ホームサーバ110より受信した装置のユーザ(利用者)である居住者(住人)の健康状態に応じて最適な動作を提案する。 【0014】 センシング装置140は、各装置に内蔵されたセンサなどによりセンシング情報を取得し動作状況を外部にデータ送信する機能を有する装置であり、ホームサーバ110に対しセンシング情報を送信する。例えば、トイレ140a等の住宅施設品、ベッド140b等の家具、および電話機140c、電動歯ブラシ140d、ドライヤ140e等の家電機器がセンシング装置140に該当し、体温、脈拍、心拍、声の調子、咳の回数など生体情報を取得し、抽象化健康情報(以下、抽象化データという。)を推定し、ホームサーバ110に送信する。抽象化データの推定はホームサーバ110で行ってもよい。 【0015】 バイ・ファンクション装置130はアクチュエータ装置120とセンシング装置140の両方の機能を持ち、外部からの制御およびセンサによるセンシング情報を他機器にデータ送信、およびセンシング情報を自己の制御にも用いることができる、能動的な装置である。バイ・ファンクション装置130はセンシング機能を有するアクチュエータ装置であり、アクチュエータ機能を有するセンシング装置である。バイ・ファンクション装置130はホームサーバ110から制御信号を受信したり、センシング情報を送信したりする。例えば、エアコン130aや洗濯機130c等の家電機器および洗面台130b等の住宅施設品がバイ・ファンクション装置130に該当する。 【0016】 図2に示すように、センシング装置140はホームサーバ110を介してアクチュエータ装置120およびバイ・ファンクション装置130を動作させる。センシング装置140はマイクロコントローラ(MCU)141とセンサ142とを備える。センサ142は例えば温度センサ、着座センサ、湿度センサ、音量センサ等である。MCU141はセンサ142のセンシング情報を処理し抽象化しホームサーバ110に送信する。」 イ 「【0021】 次に、健康サポートシステムの動作について説明する。 (1)センシング情報から抽象化データの作成 自宅100に設置され、かつホームネットワーク150に接続されたセンシング装置40やバイ・ファンクション装置130が装置使用状況などを各装置自身で収集する。情報収集手段としては、電源ON、OFFや機器のコース設定、センサなどによる接触情報などがある。各装置は収集したデータを解析し、居住者の抽象的な体調をホームネットワーク150を通じてホームサーバ110の健康情報データベース111に蓄積する。 【0022】 ホームサーバ110は機器制御情報112を蓄積して解析し、居住者の抽象的な体調を健康情報データベース111に格納してもよい。例えば室内温度や炊飯器の調理設定など長期間同じ使い方であれば健康状態は良好のように記録する。一定期間平常時と異なる使い方や設定を検知すると体調に問題があると判断し、ストレス状態や風邪のような症状と、症状の度合いを抽象的な健康情報(抽象化データ)として記録する。 (2)抽象化データに基づいたアクチュエータ装置の制御 自宅100では、健康情報データベース111を基に機器制御情報112を生成し、設置されたアクチュエータ装置120およびバイ・ファンクション装置130に制御信号を送信し自動制御を行ったり、情報表示を行ったりする。居住者の体調に合わせて各装置の設定を変更したり、体調を整える装置の使い方を居住者に提案したりすることもできる。 【0023】 ここではホームサーバ110により機器制御情報112を生成し装置を制御する方法を記述したが、健康情報データベース111に格納された体調等の健康情報を直接アクチュエータ装置120およびバイ・ファンクション装置130に送信し、各装置が居住者の体調にあわせて自動制御したり、情報提供を行ったりする構成としもよい。」 ウ 「【0049】 次に、センサを有する便器を備えるトイレでユーザのお腹の調子を判定する例を説明する。 【0050】 ここで、自宅100のトイレ140aはセンサ付き便器を備え、便座の昇降状態を検知するセンサ、便座にユーザの体重を測定する重量センサ、便器内に落ちた物質の重量を測定するセンサ、および便器内の水の汚れを測定する水汚れセンサを内蔵しており、各種センサの測定結果を組み合わせて排泄状態およびユーザの体調を判定する構成である。ホテル200のトイレ240aは、トイレ140aの重量センサ、水汚れセンサが省略された、センサの少ない下位機種の便器を備える。民泊居住300のトイレ340aは、トイレ140aのセンサに加え、匂いセンサや感音センサを内蔵した上位機種の便器を備える。以下、トイレ140a,240a,340aを区別する必要がない場合は単にトイレという。 【0051】 お腹の調子による装置制御処理の概要について図10を用いて説明する。図10はお腹の調子による装置制御処理のフローチャートである。お腹の調子による装置制御処理は以下のステップを有する。 【0052】 ステップS210ではセンシング装置140によるセンシングデータの取得、例えばトイレ140aは内蔵されるセンサによるデータ取得処理を行う。 【0053】 ステップS220ではセンシングデータの解析・抽象化、例えばトイレ140aはお腹の調子レベル判定処理(抽象化)を行う。 【0054】 ステップS230では抽象化データによるアクチュエータ装置等制御、例えばアクチュエータ装置120またはバイ・ファンクション装置130の制御処理を行う。 【0055】 (データ取得処理) トイレの内蔵センサによるデータ取得処理(ステップS210)について図11、12を用いて説明する。図11はトイレによるデータ取得処理を示すフローチャートである。図12はトイレ140aによるセンシングデータの取り得る組合せを表で表す図である。 【0056】 まず、トイレはユーザがトイレに入るかどうかを判断し(ステップS211)、ユーザがトイレに入ると、使用時間計測を行うためタイマをスタートさせる(ステップS212)。トイレは洗浄レバーが未操作かどうかを判断し(ステップS218)、ユーザが洗浄レバーを操作すると排泄終了と認識し、タイマを止め使用時間を記録する(ステップS21A)。使用時間は入室および退室時刻から算出してもよい。タイマスタートと同時に各種センサは初期値を測定し記録する(ステップS213)。その後は逐次センサ測定を行い(ステップS219)、洗浄レバー操作まで排泄内容のモニタリングを行う。 【0057】 トイレは、便座が上がっている状態(ステップS214でNO)で洗浄レバーが操作された場合(ステップS218でNOの場合)、各センシングデータの格納処理を行い(ステップS21B)、水の汚れセンサの初期値とモニタリング時の値を比較し、少量の汚れ(濁り)を検知したならば、男性が小便を行ったと判断する。なお、トイレ240aは水の汚れセンサを備えていないが、汚れを検知しなくても、普段の使用時間から排泄を行ったと判断することができる。 【0058】 トイレは、便座が下がっている状態(ステップS214でYES)で、かつ便座への着座を検知すると(ステップS214でYESの場合)、各種センサは着座状態の排泄処理開始と認識し、再度初期値を測定する(ステップS217)。洗浄レバーが操作されると(ステップS218でNOの場合)排泄終了と判断し、各センシングデータの格納処理を行う(ステップS21B)。トイレ140aはセンシングデータを各種センサの初期値とモニタリング時の値を比較し、図12に示すように、着座の有無、水濁りの状態、着座時間、排出までの時間、体重変化および水中重量変化として記憶装置146に格納する。 【0059】 (抽象化処理) お腹の調子の抽象化処理(お腹の調子レベル判定処理)(ステップS220)について図13A、13B、14~20を用いて説明する。図13A、13Bはお腹の調子の抽象化処理のフローチャートである。図14はトイレ140aのセンシングデータを中間データに変換するテーブルを示す図である。図15はトイレ240aのセンシングデータを中間データに変換するテーブルを示す図である。図16はトイレ340aのセンシングデータを中間データに変換するテーブルを示す図である。図17は中間データを1日単位で積算した表を示す図である。図18はお腹の体調を抽象化する条件を表にした図である。図19はある期間において下痢を検出した場合のお腹の体調記録例を示す図である。図20は図19の下痢回数を折れ線グラフで表した図である。 【0060】 トイレ使用毎の体調判定処理はお腹の調子の抽象化処理によって行う。トイレ140aにおける処理を以下説明する。判定処理は、トイレ設備によりセンサ構成が異なるため例示のフローチャートの手順に限らない場合があるが、トイレ240aおよびトイレ340aも同様に処理する。また処理効率化のための処理削減、および高機能化のための処理追加を行ってもよく、判定処理は例示の限りではない。 【0061】 トイレ140aは使用されたかどうかを判断し(ステップS221)、使用された場合、ステップS210で取得したセンシングデータ(図12)に基づいて中間データを生成する(ステップS222)。センシングデータを図14の変換テーブルを用いて中間データに変換する処理を行う(ステップS222a)。各種センサの測定結果からユーザのお腹の調子を判断するには、トイレ使用毎の体調判定表である中間データ変換テーブル(図14~16)を用いてデータと合致するものを選択する。センシングデータの組み合わせによりお腹の体調が平常か、下痢気味か、便秘気味かを判断する。 【0062】 なお、図15に示すように、トイレ240aのセンサはトイレ140aよりセンサが少ないため判定に使う項目が減る傾向にある。そのため測定結果に対し体調信頼度係数を乗じ、体調判定の精度を上げる工夫をする。図16に示すように、トイレ340aのセンサはトイレ140aよりセンサが多いため、体調判断の精度が向上する。 【0063】 体調判定表は例示の組み合わせに限らず、便器の搭載センサにより項目を変更したり、他の体調を追加したり、通信手段を用いた項目アップデートが行われてもよい。また体調判定表はお腹の調子を体調ポイントとして表し、下痢気味を+1、便秘気味を-1として判定を行ったり、プログラムのフラグに割り当て判定を行ったりしてもよい。なお、体調ポイントで判断する場合、例えば0ポイント以外を体調異常として判断するが、個人の体質により常に0以外となることも考えられる。その場合、期間の制限は設けないが、長期間の累積データを持ち、これをユーザの体調判断の基準データとし、1日ごとの記録との剥離から体調判断を行ってもよい。さらに体調判定表を用意せず、日々の使用状況から使用者の体調を類推するシステムであってもよい。 【0064】 次に、トイレ140aは所定期間(例えば1日)が経過したかどうかを判断し(ステップS222b)、所定期間が経過していない場合、排便回数や下痢回数、便秘回数の積算を行う(ステップS222c)。所定期間が経過した場合は、図17に示すように、お腹の体調履歴に記録する(ステップS222d)。図17の表には各体調データの判断頻度が履歴として記録される。例えば、破線Aで囲った箇所は、ステップS222cで積算される1日の排便情報であり、破線Bで囲った箇所は1日の排便状況の積算回数(中間データの積算)である。 【0065】 次に、トイレ140aは、図18に示すような中間データの抽象化条件に基づいて抽象化データを生成する。図18は履歴の体調頻度がある条件にあてはまる場合に抽象化データとして体調を確定させるためのものである。判定日数などの期間は症状や個人差に合わせて変更可能である。例えば、2日以上連続で下痢判定があるかどうかを判断し(ステップS223)、YESの場合、直近1週間以上連続で下痢判定があるかどうかを判断しステップS224)、YESの場合、抽象化データとして「下痢レベル2」を生成する(ステップS225a)。ステップS224でNOの場合、トイレ140aは抽象化データとして「下痢レベル1」を生成する(ステップS225b)。 【0066】 ステップS223で、NOの場合、2日以上連続で便秘判定があるかどうかを判断し(ステップS227)、YESの場合、直近2週間のうち7日以上で便秘判定があるかどうかを判断し(ステップS228)、YESの場合、抽象化データとして「便秘レベル2」を生成する(ステップS225c)。ステップS228でNOの場合、トイレ140aは抽象化データとして「便秘レベル1」を生成する(ステップS225d)。ステップS227でNOの場合、トイレ140aは抽象化データとして「平常」を生成する(ステップS225e)。 【0067】 図19、20に示すように、10月5日までは下痢回数は0であり、快調であることを示している。一方で、10月6日より下痢回数が1回になり下痢気味であることを示している。 【0068】 体調に異常なしの期間は特に通知を行わないが、下痢回数が1回以上の日数が2日目となる(2日連続下痢が検出されて抽象化データが「下痢レベル1」になる)10月7日にトイレはホームサーバ110に健康情報(抽象化データ)を送信する。抽象化データを受信したホームサーバ110はアクチュエータ装置120またはバイ・ファンクション装置130に健康情報や制御信号を送信する。この情報送信は中間データの平常が2日以上継続(抽象化データは「平常」)になる10月11日まで続き、アクチュエータ装置120またはバイ・ファンクション装置130はユーザの体調に合わせ、少しでも快適に過ごせるよう各自の制御を行ったり、体調を戻すため食事や行動の提案をユーザに対し行ったりする。 【0069】 本実施例は1日ごとの記録より体調判定を行っているが、例えば1時間ごとのトイレ使用状況を用いて、使用回数が増加したら体調変化の予兆など、体調変化の予測を行いユーザに対し早期の通知を行う使い方をしてもよい。 【0070】 (アクチュエータ装置等の制御処理) 図21は自宅のアクチュエータ装置等の動作を示すフローチャートである。 アクチュエータ装置120がホームサーバ110より抽象化データを受信すると、健康状態の分類およびそのレベルから最適な処理を選択し制御する。この処理はバイ・ファンクション装置130も同様に適用される。また、アクチュエータ装置220およびバイ・ファンクション装置230が端末210より抽象化データを受信しても同様の処理を行い、アクチュエータ装置320およびバイ・ファンクション装置330がホームサーバ310より抽象化データを受信しても同様の処理を行う。 【0071】 アクチュエータ装置120は受信処理を行い(ステップS231)、受信した健康情報(抽象化データ)がお腹、風邪、ストレス等の分類を判定する(ステップS232)。お腹の場合、健康情報(抽象化データ)のレベル判定を行う(ステップS233)。「平常」の場合、下記の平常時の処理を行い(ステップS234a)、「下痢レベル1」の場合、下記の下痢レベル1の処理を行い(ステップS234b)、「下痢レベル2」の場合、下記の下痢レベル2の処理を行い(ステップS234c)、「便秘レベル1」の場合、下記の便秘レベル1の処理を行い(ステップS234d)、「便秘レベル2」の場合、下記の便秘レベル2の処理を行う(ステップS234e)。 【0072】 なお、ステップ231~S233をホームサーバ110で行い、ステップS234a~S234eをアクチュエータ装置120またはバイ・ファンクション装置130で行ってもよい。」 エ 「 [図:0001439225000002.jpg] 」 オ 「 [図:0001439225000003.jpg] 」 カ 「 [図:0001439225000004.jpg] 」 キ 「 [図:0001439225000005.jpg] 」 ク 「 [図:0001439225000006.jpg] 」 (4)甲第4号証 ア 甲第4号証の記載 甲第4号証には、画像とともに以下の記載がある。 (ア)「LIXILは2019年9月25日、AIを活用し高齢者施設の入居者の便の形状や大きさを自動で判定するシステムを研究開発していることを発表した。第46回国際福祉機器展(2019年9月25日~27日開催)で初めてコンセプトを説明。今のところ商品化の予定はないとしている。」 (イ)「便座の裏にカメラとLEDが設置されたトイレを利用する。利用者が便座に座ると、暗がりを検知してLEDが自動で点灯。排便後の便をカメラで撮影する。硬いコロコロとした便や液体状の便など7分類のいずれかに判定する。この分類は、国際的に利用されている便の形状を示す指標「ブリストルスケール」を基にしたもの。1秒かからないほどの早さで便の形状の他にも大きさを判別する。判定結果は、スタッフがパソコンやタブレットで確認できる。「我々が知るところでは、このようなコンセプトは初めてだ」とLIXILの理事でLIXIL WATER TECHNOLOGY JAPAN デザイン・新技術統括部 統括部長の白井康裕氏は話す。」 (ウ)「 [図:0001439225000007.jpg] 判定結果のイメージ」 (エ)「 [図:0001439225000008.jpg] 記録したデータをまとめて表示させることも可能」 上記(ア)~(エ)の記載事項及び画像から、以下の事項が導かれる。 (オ)上記(イ)より、甲第4号証には、「排便後の便をカメラで撮影する。硬いコロコロとした便や液体状の便など7分類のいずれかに判定する。」との記載がある。 また、(ウ)より、甲第4号証には、「判定結果のイメージ」との記載とともに表示画面の画像が記載されており、当該画像には、「便の形状」との文字に続いて、7つの小画像が記載されているから、上記(イ)の記載における「硬いコロコロとした便や液体状の便など7分類」が、「便の形状」における分類であることは、明らかである。 よって、甲第4号証には、排便後の便をカメラで撮影して便の形状毎に分類する点が記載されているといえる。 (カ)上記(エ)より、甲第4号証には、「記録したデータをまとめて表示させることも可能」との記載とともに表示画面の画像が記載されており、当該画像の右側には棒グラフが記載されている。また当該棒グラフは、上部に「便の状態」及び「2019/5/30~6/29」との記載があり、縦軸が回数であり、横軸には、便の画像が記載されているから、当該棒グラフが、2019/5/30~6/29の期間における形状毎の便の回数を表示したものであることは、明らかである。 よって、甲第4号証には、2019/5/30~6/29における形状毎の便の回数を表示する点が記載されているといえる。 イ 甲第4号証に記載された事項 上記アの(ア)~(エ)の記載事項及び(オ)~(カ)の認定事項を総合すると、甲第4号証には、次の事項(以下「甲4記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「AIを活用し高齢者施設の入居者の便の形状や大きさを自動で判定するシステムにおいて、排便後の便をカメラで撮影して便の形状毎に分類し、2019/5/30~6/29における形状毎の便の回数を表示する点。」 (5)甲第5号証 甲第5号証には、画像とともに以下の記載がある。 ア 「ウンログは、一言で言うと、排泄に特化した体調記録アプリです。 ウンコのログを貯めるということで、「ウンログ」です。 トイレに持ち込みもできるスマホで、その場で排便の記録ができる便利なアプリとなっています。」 イ 「 [図:0001439225000009.jpg] 」 ウ 「 [図:0001439225000010.jpg] 形、色、量を指定でき、におい、お腹の張り、日時を選ぶことができます。 めちゃくちゃ細かい・・・!」 エ 「記録を振り返るための機能もかなり充実しています。 [図:0001439225000011.jpg] 一番よくみているのは、画像左のカレンダー。 これにより、便秘の状況が一目でわかります。 右は期間別の排便量の変動です。2ヶ月前よりは便秘が改善してきていることがわかります。」 オ 「そしてこちらが、ウンコのレポート「ウン★レポ」というものです。 [図:0001439225000012.jpg] 月別の平均排便量、回数や時間間隔、形と色の分布までわかっちゃいます。」 カ 「 [図:0001439225000013.jpg] タイムライン形式でも見ることができます。」 (6)甲第6号証 甲第6号証には、画像とともに以下の記載がある。 ア 「ウンログは、健康管理をメッセージアプリ「LINE」上でできる「ウンログ腸活サポート」を開始した。ユーザーは同サービスに食事内容や排便状況を記録することで健康状況を把握できる。腸内環境を整え健康につなげる「腸活」が身近になり関連の健康食品の種類も豊富だが、同社のうん広報・長瀬みなみさんは「効果が現れる前の離脱が多いことが課題だ」と指摘する。同サービスは、ユーザーと対話形式で日常的に情報のやり取りを行い、離脱防止を図る。LINEアカウントがあれば友達登録を行い、無料で利用可能。」 イ 「 [図:0001439225000014.jpg] 」 ウ 「「ウンログ腸活サポート」はユーザーが記録した情報を同社が保有する腸や細菌に関するビッグデータをもとに解析し、健康レポートや目標達成状況を返す。排便記録に加えて腸活商品や腸活食材の記録を行うことで、食べたものと腸内環境との関係が実感しやすくなることが特徴だ。同サービスのシステムや解析用データは、同社が2012年から配信しているスマホアプリ「ウンログ」がベースである。現在、アプリは60万ダウンロードに達しており、研究機関や食品企業との協業実績も豊富だ。」 (7)甲第7号証 甲第7号証には、画像とともに以下の記載がある。また、原文の摘記の後に当審による日本語訳を示す。 ア 「 [図:0001439225000015.jpg] 」 (「もう出た?」は、私たち小石工房が今年リリースしたばかりの健康アプリです。開発者のカーマックと、デザイナーのグレースが担当しています。今日は、このアプリのデザインにまつわるストーリーをお話しします。) イ 「 [図:0001439225000016.jpg] 」 (便に関する情報はどのように収集するのでしょうか?私たちはシンプルで楽しいものにしたいと考え、ランニングアプリのようなデザインにしました。しゃがんで「スタート」をタップするだけで、うんちをテーマにしたキャラクターが現れて一緒に歩いてくれます。最後にはいくつかの選択肢を選ぶだけで、難しい選択肢には視覚的なヒントも用意しています。 検査後、便サンプルを分析し、健康状態のモニタリングや食事に関するアドバイスに役立つレポートを作成します。) ウ 「 [図:0001439225000017.jpg] 」 (排便時間、間隔、形状、色、量、排便時の感覚など、詳細な分析レポートを提供します。これらの詳細レポートは、ワンクリックで医師と共有することも可能です。) エ 「 [図:0001439225000018.jpg] 」 2 本件発明1について (1)甲1発明との対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 甲1発明の「携帯端末装置20」と、本件発明1の「サーバ装置」とは、「装置」である点で共通する。 甲1発明の「記憶部23」及び「制御部21のCPUである生体情報解析部21a」は、それぞれ、本件発明1の「記憶部」及び「情報処理部」に相当する。 また、甲1発明は「コントローラ13aは、画像センサから取得した排泄物の大きさや色の情報を含む生体情報を取得し、一時記憶部13bに一時的に記憶し、一時記憶部13bに一時的に記憶している生体情報を携帯端末装置20に送信して出力」するものであるから、「携帯端末装置20」は、当該「コントローラ13a」が「送信して出力」した「生体情報」を受信する受信部を有していることは、明らかである。 以上より、甲1発明の「携帯端末装置20」は、本件発明1の「サーバ装置」と、「受信部と、」「記憶部と、」「情報処理部と、」を備える「装置」である点で共通するといえる。 イ 甲1発明の「腰掛式便器11及び便座装置12に組み付けられ、排泄物の大きさや形、色を検出する画像センサを含むセンサ群16」が「制御装置13のコントローラ13aに出力」する「利用者Pの排泄物から検出された生体情報」のうち、「画像センサ」から取得する「排泄物」の画像情報は、本件発明1の「トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データ」に相当する。 そして、「コントローラ13aは、画像センサから取得した排泄物の大きさや色の情報を含む生体情報を取得し、一時記憶部13bに一時的に記憶し、一時記憶部13bに一時的に記憶している生体情報を携帯端末装置20に送信して出力」する際の「画像センサから取得した排泄物の大きさや色の情報を含む生体情報」は、本件発明1の「トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから分析した結果である排泄の内容を示す詳細情報」と、「トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから」得られるものである「排泄の内容を示す詳細情報」である点で共通するものである。 また、上記アで示したとおり、甲1発明の「携帯端末装置20」は「生体情報」を受信する受信部を有していることは明らかであるから、甲1発明の「携帯端末装置20」は、本件発明1の「サーバ装置」と、「トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから」得られるものである「排泄の内容を示す詳細情報を受信する受信部」を備える点で共通するといえる。 ウ 甲1発明において、「制御部21が、利用者Pの生体情報を、日付順や時刻順に蓄積するように」「記憶させる」「記憶部23」は、本件発明1の「前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部」に相当する。 エ 甲1発明の「生体情報」に含まれる「排泄物の大きさや形、色に関連する情報」は、本件発明1の「排便の色、及び排便の形状を示す情報」に相当する。 また、甲1発明は、「携帯端末装置20においては、制御部21が、利用者Pの生体情報を、日付順や時刻順に蓄積する」から、甲1発明の「生体情報」は、排泄日時の情報を含んでいることは、明らかである。 以上より、甲1発明の「生体情報」が「排泄物の大きさや形、色に関連する情報」を含むものであって、「日付順や時刻順に蓄積するように記憶部23に記憶させ」ることができることは、本件発明1において、「前記詳細情報は、排泄日時、」「排便の色、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含」むことに相当する。 オ 一致点、相違点 上記ア~エのとおりであるから、本件発明1と甲1発明とは、下記(ア)の点で一致し、下記(イ)~(オ)の点で相違する。 (ア)一致点 「トイレの便器における排泄物を前記便器で撮像された撮像データから得られるものである排泄の内容を示す詳細情報を受信する受信部と、 前記受信部で受信した前記詳細情報を記憶する記憶部と、 情報処理部と、 を備え、 前記詳細情報は、排泄日時、排便の色、及び排便の形状を示す情報を少なくとも含む、 装置。」 (イ)相違点1 本件発明1は、受信部が受信する詳細情報について、「撮像データから分析した結果である」と特定されているのに対し、甲1発明の「生体情報」(詳細情報)は、撮像データから分析した結果であるか否か不明な点。 (ウ)相違点2 本件発明1は、詳細情報は「排泄物の種類」を示す情報を少なくとも含むと特定されているのに対し、甲1発明の「生体情報」(詳細情報)は排泄物の種類を示す情報を含むとは特定されていない点。 (エ)相違点3 本件発明1は、「前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計し、前記排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析する」と特定されているのに対し、甲1発明はそのように特定されていない点。 (オ)相違点4 本件発明1は、「サーバ装置」の発明であって、「受信部」、「記憶部」及び「情報処理部」は「サーバ装置」が備えるものと特定されているのに対し、甲1発明の「携帯端末装置20」は「サーバ装置」ではなく、そのため、「携帯端末装置20」が備える各部位も、「サーバ装置」が備えるものとはなっていない点。 (2)判断 ア 相違点3について 事案に鑑み、相違点3について検討する。 (ア)甲4記載事項の「システム」は、「排便後の便をカメラで撮影して便の形状毎に分類し、2019/5/30~6/29における形状毎の便の回数を表示」しているから、「分類」した「便の形状毎に」「便の回数」の集計を行っているといえる。また、当該集計を「システム」の情報処理部によって行っていることは、明らかである。 よって、甲4記載事項の「システム」は、本件発明1における「前記情報処理部は、前記排便の形状毎に前記詳細情報を集計」することに相当する構成を備えるといえる。 しかしながら、甲4号証には、上記のとおり集計し、さらに、排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析することまでは記載されていない。 よって、甲1発明において、甲4記載事項の構成を適用し、「生体情報のうちの排泄物の大きさや形、色に関連する情報」に関して排泄物の形状毎に集計する構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとしても、甲第4号証の記載に基づいて、排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析することまで、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 (イ)甲第3号証には、「センシングデータの組み合わせによりお腹の体調が平常か、下痢気味か、便秘気味かを判断する。」(段落【0061】)、「排便回数や下痢回数、便秘回数の積算を行う(ステップS222c)。」(段落【0064】)、「2日以上連続で下痢判定があるかどうかを判断し(ステップS223)、YESの場合、直近1週間以上連続で下痢判定があるかどうかを判断しステップS224)、YESの場合、抽象化データとして「下痢レベル2」を生成する(ステップS225a)。ステップS224でNOの場合、トイレ140aは抽象化データとして「下痢レベル1」を生成する(ステップS225b)。」(段落【0065】)等の記載があり、排泄に関する時系列の情報を分析し、「下痢レベル1」、「下痢レベル2」等の抽象化データを生成する点が記載されているといえるが、上記の分析は、「排便の形状及び色」の分析とはいえないし、「時間的な変化の傾向」の分析であるともいえない。 甲第5号証には、「その場で排便の記録ができる便利なアプリ」及び「形、色、量を指定でき、におい、お腹の張り、日時を選ぶことができます。」との記載がある。また、上記1(5)ウ~オの画像より、甲5号証には、排便について、形、色、量を日付と共に記録し、形状毎に集計して表示する点が記載されているといえる。しかしながら、甲第5号証には、集計した結果を用いて、何らかについて「時間的な変化の傾向を分析」することは記載されていない。 甲第6号証には、「「ウンログ腸活サポート」はユーザーが記録した情報を同社が保有する腸や細菌に関するビッグデータをもとに解析し、健康レポートや目標達成状況を返す。排便記録に加えて腸活商品や腸活食材の記録を行うことで、食べたものと腸内環境との関係が実感しやすくなることが特徴だ。」と記載されているから、甲第6号証には、排便記録等を解析、すなわち分析し、健康レポートや目標達成状況を生成する点が記載されているといえるが、甲第6号証には、当該排便記録の解析が、「排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析」するものである点は記載されていない。また、上記1(6)イの画像より、甲第6号証には、排便記録について、日毎の状況をグラフとして表示するものも記載されているといえるが、当該表示は、集計結果そのものであって、何らかの「分析」を行った結果であるとはいえない。 甲第7号証には、「排便時間、間隔、形状、色、量、排便時の感覚など、詳細な分析レポートを提供します。」と記載されているが、甲第7号証には、分析レポートが、「排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析」したものである点は記載されていない。 また、甲第1号証及び甲第2号証にも、「排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析」することについての記載はない。 さらに、「排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析する」ことが周知技術であるともいえない。 (ウ)以上のとおり、「排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析する」ことは、甲第1~7号証のいずれにも記載されていないし、周知技術であるともいえないから、甲第1~7号証の記載を参酌したとしても、甲1発明において、「排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析」する構成とし、相違点3に係る本件発明1の構成とすることが、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 イ 申立人の主張について 申立人は、令和7年10月8日提出の特許異議申立書(以下「異議申立書」という。)において、上記相違点3に関して、 「甲第1号証の段落0043には、「この場合、制御部21は、例えば、取得した生体情報を日付順や時刻順に蓄積するように、記憶部23に記憶させる。そして、制御部21の生体情報解析部21aは、記憶部23に記憶された生体情報解析アプリケーションを実行することにより、記憶部23に記憶されている生体情報を解析して利用者Pに健康を促す健康促進情報を提示する。」との記載があるから、甲1発明における「生体情報の解析」には、「時間的な変化の傾向」を解析する構成が含まれていると言える。」 との主張をしているので、検討する。 甲第1号証の上記記載における「生体情報の解析」に関して、甲第1号証には、排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析するものである旨の記載はないから、申立人の上記主張は採用できない。 さらに、申立人は、 「また、甲第3号証に記載された「お腹の体調履歴に基づいて下痢判定する」構成、甲第5号証に記載された「月毎に、便の形状や色を集計してグラフ化したり、便の形状や量の推移をタイムライン形式化する」構成、甲第6号証に記載された「所定期間における便性状の変化を折れ線グラフ化する」構成、甲第7号証に記載された「排便のあった日のカレンダー化データや、日毎の排便回数や各排便の便色・便形状、排便所要時間の推移・履歴データ、週の排便所要時間の推移データを生成する」構成などを甲1発明に適用することで、本件特許発明1における「前記排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析する」構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得る。 さらに、甲1発明は、取得した生体情報から『利用者Pに健康を促す健康促進情報を提示する』ものであるから、より利用者の実態に即した、有用性の高い健康促進情報を提供することに技術的な関心がある。一方、甲第5号証ないし甲第7号証には、スマートフォンアプリ等を用いて便の形状や色を時系列で記録・分析し、健康管理に役立てるという技術が示されている。甲1発明が提供する健康促進情報をより高度化し、その価値を高めるという技術的課題に直面した当業者であれば、当時既に健康管理アプリの分野で一般的に行われていた、便の形状や色を長期的に集計・分析するという甲第5号証ないし甲第7号証等に示された技術手段を採用し、時間的な変化の傾向を分析するという構成に至ることは、極めて自然な発想の流れであり、格別な困難性を伴うものではない。」 との主張をしているので、検討する。 上記ア(イ)で示したとおり、甲第3、5、6及び7号証のいずれも、排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析することが記載されているとはいえないし、甲1発明において、そのような排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析することが記載されていない甲第3、5、6又は7号証に記載の構成を適用することで、相違点3に係る本件発明1の構成とすることが、当業者が容易に想到し得たこととはいえないから、申立人の上記主張は採用できない。 ウ 甲1発明を主引用発明とした場合の結論 以上より、相違点1、2及び4について論ずるまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び甲第2~7号証に開示された事項又は周知技術から、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。 エ 甲第3号証等を主引用発明とした場合について 上記アで示したとおり、「排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析する」ことは、甲第1~7号証のいずれにも記載されていないし、周知技術であるともいえないから、甲第3号証に記載された発明を主引用発明としたとしても、当該甲第3号証に記載された発明において、「前記排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析する」構成とすることが、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 また、他の甲号証を主引用発明としたとしても、同様に、「前記排便の形状及び色の時間的な変化の傾向を分析する」構成とすることが、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 (3)小括 以上より、本件発明1は、甲第1~7号証に開示された事項及び周知技術から、当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。 3 請求項2、8及び9に係る特許について 訂正前の請求項2、8及び9に係る特許は、上記第2のとおり、本件訂正により削除された。 よって、訂正前の請求項2、8及び9に係る特許に対する特許異議の申立てについては、特許異議の申立ての対象が存在しないものとなった。 第6 むすび 以上のとおり、本件発明1に係る特許は、特許異議申立書に記載された申立理由によって、取り消すことができない。 また、他に本件発明1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、訂正前の請求項2、8及び9は削除されているので、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により、請求項2、8及び9に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700973

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