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特許訂正審判

2022-390208

カラー成分間のサブブロック動きベクトル継承

審判番号
2022-390208
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2020-570793
登録番号
7096374
請求日
2022年12月01日
審決日
2023年02月03日
公報発行日
2023年05月26日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】北京字節跳動網絡技術有限公司
  • 【請求人代理人】伊東 忠重
  • 【請求人代理人】伊東 忠彦
  • 【請求人代理人】宮崎 修
  • 【請求人】バイトダンス インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】伊東 忠重
  • 【請求人代理人】伊東 忠彦
  • 【請求人代理人】宮崎 修
審判長/審判官
  • 審判長 畑中 高行
  • 審判官 川崎 優
  • 審判官 國分 直樹
分類
P141 .852-Y (H04N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項特許法126条3項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第184条の4第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第4項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7096374号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第7096374号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり、請求項15について訂正することを認める。

理由

理 由 理 由 第1 手続の経緯 特許第7096374号は、2019年(令和元年)6月21日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2018年6月21日 (CN)、2018年11月10日 (CN))を国際出願日とする特願2020-570793号として特許出願したものであって、その請求項1から15にかかる発明について、令和4年6月27日に特許権の設定登録がされたものであり、令和4年12月1日に本件訂正審判の請求がされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、 「特許第7096374号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、請求項15について訂正することを認める、との審決を求める。」 というものであって、その訂正の内容は、次の訂正事項からなる。 1 訂正事項1 明細書の段落【0002】、【0004】、【0014】、【0030】―【0032】、【0041】、【0057】、【0074】、【0077】-【0079】、【0088】、【0107】-【0108】、【0169】にそれぞれ「符号化」と記載されているものを「コーディング」に訂正する。 また、明細書の段落【0029】に「ビデオ符号化」及び「符号化効率」と記載されているものを、それぞれ「ビデオコーディング」及び「コーディング効率」に訂正する。 第3 当審の判断 1 はじめに 本件特許出願である特願2020-570793号は、特許法第184条の4第1項の「外国語特許出願」である国際出願PCT/IB2019/055247(以下、「本件国際出願」という。)が、同法第184条の3第1項の規定により特許出願とみなされたものであり、同法第184条の4第1項の規定により翻訳文が提出されたものである。 そして、本件訂正審判にかかる訂正事項のうち、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とするものについて、同条第5項を適用する際の「外国語書面出願」及び「外国語書面」は、同法第184条の19の規定により、それぞれ「第184条の4第1項の外国語特許出願」及び「第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」となるので、同法第126条第5項かっこ書きで規定する「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は、「第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」となる。 すなわち、本件訂正審判にかかる訂正事項のうち、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とするものについて、同条第5項かっこ書きを適用する際の「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は、国際出願日における本件国際出願の明細書、請求の範囲又は図面となる(以下、「国際出願日における本件国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」を「基準明細書」という。)。 2 訂正前の明細書の記載事項 上記第2の「1 訂正事項1」に関連する特許7096374号(以下、「本件特許」という。)の明細書の記載事項は以下のとおりである(訂正事項1にかかる部分については合議体により下線を付した。以下同様。)。 「【0002】 この特許文献は、概してピクチャおよびビデオの符号化技術を対象としている。」 「【0004】 ピクチャおよびビデオ符号化のためのサブブロックベース予測に関連する装置、システムおよび方法を説明する。」 「【0014】 【図4】符号化ユニットに対する代替的な時間的動きベクトル予測(ATMVP)アルゴリズムを使用する動き予測の一例を示す。」 「【0029】 より高解像度のビデオに対する要求が高まっているため、ビデオ符号化方法および技術は、現代の技術では至るところに存在している。ビデオコーデックは、典型的には、デジタルビデオを圧縮または解凍する電子回路またはソフトウェアを含み、より高い符号化効率を提供するために絶えず改良されている。ビデオコーデックは、圧縮されていないビデオを圧縮形式に変換し、又はその逆を行う。ビデオ画質、(ビットレートによって決定される)ビデオを表現するために使用されるデータ量、符号化および復号アルゴリズムの複雑さ、データ損失およびエラーに対する感度、編集の容易さ、ランダムアクセス、およびエンドツーエンド遅延(レイテンシ)の間には複雑な関係がある。圧縮フォーマットは、通常、標準的なビデオ圧縮仕様、例えば、高効率ビデオ符号化(High Efficiency Video Coding、HEVC)標準(H.265またはMPEG-H Part 2としても知られている)、最終化される汎用ビデオ符号化(Versatile Video Coding)標準、または他の現在および/または将来のビデオ符号化標準に準拠する。 【0030】 サブブロックベース予測は、高効率ビデオ符号化(HEVC)標準によってビデオ符号化標準に最初に導入された。サブブロックベース予測では、符号化ユニット(CU)または予測ユニット(PU)のようなブロックは、いくつかの重複しないサブブロックに分割される。異なるサブブロックには、参照インデックスまたは動きベクトル(MV)のような異なる動き情報が割り当てられ、動き補償(MC)は各サブブロックに対して個別に実行される。図1は、サブブロックベース予測の一例を示す。 【0031】 開示の技術の実施形態は、ランタイム性能を改善するために、既存のビデオ符号化標準(例えば、HEVC、H.265)および将来の標準に適用され取得する。本文書では、セクション見出しは、説明の可読性を向上させるために使用しており、いかなる意味においても、説明または実施形態(および/または実装)を各セクションのみに限定するものではない。 【0032】 JEM(Joint Exploration Model)として知られる参照ソフトウェアを用いて、将来のビデオ符号化技術を説明する。JEMでは、サブブロックベースの予測を、アフィン予測、代替時間動きベクトル予測(ATMVP)、空間時間動きベクトル予測(STMVP)、双方向オプティカルフロー(BIO)、フレームレートアップ変換(FRUC)、局所適応動きベクトル解像(LAMVR)、オーバーラップブロック動き補償(OBMC)、局所照明補償(LIC)、デコーダ側動きベクトル精緻化(DMVR)などのいくつかの符号化ツールに採用している。」 「【0041】 サブCU Aの動き導出は、その2つの空間的隣接者を特定することから始まる。最初の隣接者はサブCU A501の上のN×Nブロック(ブロックc513)である。このブロックc(513)が利用できないか、またはイントラ符号化されている場合、サブCU A(501)の上の他のN×Nブロックがチェックされる(ブロックc513から始めて左から右へ)。第2の隣接者は、サブCU A501の左側のブロック(ブロックb512)である。ブロックb(512)が利用可能でないか、またはイントラ符号化されている場合、サブCU A501の左側にある他のブロックがチェックされる(ブロックb512から始めて上から下へ)。各リストに対する隣接ブロックから得られた動き情報は、与えられたリストに対する最初の参照フレームにスケーリングされる。次に、サブブロックA501の時間的動きベクトル予測子(TMVP)が、HEVCで規定されたのと同じTMVP導出手順に従うことによって導出される。ブロックD704でコロケーションされたブロックの動き情報は、適宜、フェッチされスケールされる。最後に、動き情報を読み出し、スケーリングした後、すべての利用可能な動きベクトルは、各参照リストに対して別々に平均化される。平均化された動きベクトルは、現在のサブCUの動きベクトルとして割り当てられる。」 「【0057】 フレームを符号化する前に、補間された動き場が、片側(unilateral)MEに基づいて全体ピクチャに対して生成される。その後、動きフィールドは、後にCUレベルまたはサブCUレベルMV候補として使用されることがある。」 「【0074】 現在ピクチャ参照(current picture referencing:CPR)とも呼ばれるブロック内コピー(IBC、またはピクチャブロック内補償)がHEVCスクリーンコンテンツ符号化拡張(SCC)で採用された。このツールは、テキストとグラフィックスが豊富なコンテンツの繰り返しパターンが同一ピクチャ内で頻繁に発生するという点で、スクリーンコンテンツビデオのコーディングに非常に有効である。予測器として同一または類似のパターンを有する以前に再構成されたブロックを有することは、予測誤差を効果的に低減でき、従って符号化効率を改善できる。」 「【0077】 ○通常のインターモードとして扱われる。そのため、マージモードとスキップモードはIBCモードでも使用できる。マージ候補リスト構成は統一され、IBCモードまたはHEVCインターモードのいずれかで符号化された隣接位置からのマージ候補を含む。選択されたマージインデックスに応じて、マージモードまたはスキップモードの現在のブロックは、IBCモードモード復号化された隣接ブロック、または、参照ピクチャとして異なるピクチャを有する通常のインターモード符号化されたブロックのいずれかにマージできる。 【0078】 ○IBCモードのブロックベクトル予測および符号化方式は、HEVCインターモード(AMVPおよびMVD符号化)における動きベクトル予測および符号化に使用される方式を再利用する。 【0079】 ○ブロックベクトルとも呼ばれるIBCモードの動きベクトルは整数ピクセル精度で符号化されるが、補間および逆ブロック化(deblocking)段階で1/4ピクセル精度が要求されるので、復号後に1/16ピクセル精度でメモリに保存される。IBCモードの動きベクトル予測で使用される場合、保存されたベクトル予測子は4だけ右シフトされる。」 「【0088】 留意点として、各ペアについて、2つのうちの一方がCPR符号化され、もう一方がCPR符号化されていない場合、そのようなペアはペア平均候補となることができない。」 「【0107】 JEMにおけるアフィン予測のようないくつかの既存の実装では、各成分について独立して式(1)に示されるように、各サブブロックのMVがアフィンモデルを用いて計算され、これはルミナンス成分とクロミナンス成分との間の動きベクトルの位置ずれを生じさせる可能性がある。複数の成分の計算もまた、符号化の非効率性をもたらす。いくつかの他の既存の実装では、List0動き候補からペアマージ候補/平均化単予測を導出するための動きベクトル平均化演算は、サブブロック予測で使用される丸め方法と整合する必要がある。したがって、統一された設計を取得することが望ましい。 【0108】 本特許文献は、別の成分(例えばルミナンス成分)の一以上のサブブロックのMVから、1つの成分(例えばクロマ成分)のサブブロックのMVを計算する様々な実施形態で実施することができる技術を開示している。開示された技術は、異なる成分のMVを複数回決定する必要性を排除し、それによって、ビデオ符号化効率を改善する。また、開示の技術は、平均化演算および丸め方法に関して統一された設計を導入する。」 「【0169】 いくつかの実施形態では、係数の適用は、高効率ビデオ符号化(HEVC)標準で規定されている。」 3 基準明細書の記載事項 (1) 上記訂正前の本件特許明細書の記載に関連する、基準明細書の記載事項は以下のとおりである。 「[0002] This patent document is directed generally to image and video coding technologies.」 「[0004] Devices, systems and methods related to sub-block based prediction for image and video coding are described.」 「[0014] FIG. 4 shows an example of motion prediction using the alternative temporal motion vector prediction (ATMVP) algorithm for a coding unit (CU).」 「[0029] Due to the increasing demand of higher resolution video, video coding methods and techniques are ubiquitous in modern technology. Video codecs typically include an electronic circuit or software that compresses or decompresses digital video, and are continually being improved to provide higher coding efficiency. A video codec converts uncompressed video to a compressed format or vice versa. There are complex relationships between the video quality, the amount of data used to represent the video (determined by the bit rate), the complexity of the encoding and decoding algorithms, sensitivity to data losses and errors, ease of editing, random access, and end-to-end delay (latency). The compressed format usually conforms to a standard video compression specification, e.g., the High Efficiency Video Coding (HEVC) standard (also known as H.265 or MPEG-H Part 2), the Versatile Video Coding standard to be finalized, or other current and/or future video coding standards. [0030] Sub-block based prediction is first introduced into the video coding standard by the High Efficiency Video Coding (HEVC) standard. With sub-block based prediction, a block, such as a Coding Unit (CU) or a Prediction Unit (PU), is divided into several non-overlapped sub blocks. Different sub-blocks may be assigned different motion information, such as reference index or motion vector (MV), and motion compensation (MC) is performed individually for each sub-block. FIG. 1 shows an example of sub-block based prediction. [0031] Embodiments of the disclosed technology may be applied to existing video coding standards (e.g., HEVC, H.265) and future standards to improve runtime performance. Section headings are used in the present document to improve readability of the description and do not in any way limit the discussion or the embodiments (and/or implementations) to the respective sections only. [0032] Future video coding technologies are explored using a reference software known as the Joint Exploration Model (JEM). In JEM, sub-block based prediction is adopted in several coding tools, such as affine prediction, alternative temporal motion vector prediction (ATMVP), spatial-temporal motion vector prediction (STMVP), bi-directional optical flow (BIO), Frame- Rate Up Conversion (FRUC), Locally Adaptive Motion Vector Resolution (LAMVR),Overlapped Block Motion Compensation (OBMC), Local Illumination Compensation (LIC), and Decoder-side Motion Vector Refinement (DMVR).」 「[0041] The motion derivation for sub-CU A starts by identifying its two spatial neighbors. The first neighbor is the NxN block above sub-CU A 501 (block c 513). If this block c (513) is not available or is intra coded the other NxN blocks above sub-CU A (501) are checked (from left to right, starting at block c 513). The second neighbor is a block to the left of the sub-CU A 501 (block b 512). If block b (512) is not available or is intra coded other blocks to the left of sub-CU A 501 are checked (from top to bottom, staring at block b 512). The motion information obtained from the neighboring blocks for each list is scaled to the first reference frame for a given list. Next, temporal motion vector predictor (TMVP) of sub-block A 501 is derived by following the same procedure of TMVP derivation as specified in HEVC. The motion information of the collocated block at block D 704 is fetched and scaled accordingly. Finally, after retrieving and scaling the motion information, all available motion vectors are averaged separately for each reference list. The averaged motion vector is assigned as the motion vector of the current sub-CU.」 「[0057] Before coding a frame, interpolated motion field is generated for the whole picture based on unilateral ME. Then the motion field may be used later as CU level or sub-CU level MV candidates.」 「[0074] Intra block copy (IBC, or intra picture block compensation), also named current picture referencing (CPR) was adopted in HEVC screen content coding extensions (SCC). This tool is very efficient for coding of screen content video in that repeated patterns in text and graphics rich content occur frequently within the same picture. Having a previously reconstructed block with equal or similar pattern as a predictor can effectively reduce the prediction error and therefore improve coding efficiency.」 「[0077] o It is treated as a normal inter mode. Therefore, merge and skip modes are also available for the IBC mode. The merge candidate list construction is unified, containing merge candidates from the neighboring positions that are either coded in the IBC mode or the HEVC inter mode. Depending on the selected merge index, the current block under merge or skip mode can merge into either an IBC mode coded neighbor or otherwise an normal inter mode coded one with different pictures as reference pictures. [0078] o Block vector prediction and coding schemes for the IBC mode reuse the schemes used for motion vector prediction and coding in the HEVC inter mode (AMVP and MVD coding). [0079] o The motion vector for the IBC mode, also referred as block vector, is coded with integer-pel precision, but stored in memory in 1/16-pel precision after decoding as quarter- pel precision is required in interpolation and deblocking stages. When used in motion vector prediction for the IBC mode, the stored vector predictor will be right shifted by 4.」 「[0088] It is noted that for each pair, if one of the two is coded with CPR and the other is not, such pair is disallowed to generate the pairwise average candidate.」 「[00107] In some existing implementations, such as the affine prediction in JEM, MVs of each sub-block are calculated with the affine model as shown in Eq. (1) independently for each component, which may result in misalignment of motion vectors between luma and chroma components. Multiple calculations for the components also result in coding inefficiency. In some other existing implementations, the motion vector averaging operation to derive the pairwise merge candidate/averaged uni-prediction from List 0 motion candidate need to be aligned with the rounding method used in the sub-block prediction. It is thus desirable to obtain a unified design. [00108] This patent document discloses techniques that can be implemented in various embodiments to calculate the MV of a sub-block of one component (e.g., a chroma component) from MV(s) of one or more sub-blocks of another component (e.g., a luma component). The disclosed techniques eliminate the need to determining MV(s) of different components multiple times, thereby improving video coding efficiency. The disclosed techniques also introduce a unified design with respect to the averaging operation and the round method.」 「[00169] In some embodiments, the applying of the factor is specified in a High Efficiency Video Coding (HEVC) standard.」 (2)ここで、[0088]には、「if one of the two is coded with CPR and the other is not,」という記載があるが、この記載は文脈上「if one of the two is coded with CPR and the other is not coded with CPR」という文のうち、「not coded with CPR」という記載が「not」と省略されたものであることは明らかである。 4 訂正にかかる一群の請求項について 請求項15は、他のいずれの請求項とも引用関係がないから、請求項15は特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 そして、本件訂正審判請求は、下記5(1)のとおり、訂正前の本件特許明細書において「符号化」、「ビデオ符号化」、「符号化効率」と記載された箇所であって、基準明細書では「coding」「Coding」「coded」「video coding」、「coding efficiency」と記載されていた箇所について、誤訳であったとして訂正するものであり、その内容は訂正後のいずれの請求項に記載の発明の認定についても考慮する必要がないものであるから、任意の請求項について訂正審判を請求できるところ、請求項15について訂正請求するものである。 したがって、本件訂正審判請求は、特許法第126条第4項の規定に適合する。 5 訂正事項1について (1) 訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の本件特許明細書の段落【0002】、【0004】、【0014】、【0030】―【0032】、【0041】、【0057】、【0074】、【0077】-【0079】、【0088】、【0107】-【0108】、【0169】にそれぞれ「符号化」と記載されているものを「コーディング」に訂正し、また、明細書の段落【0029】に「ビデオ符号化」及び「符号化効率」と記載されているものを、それぞれ「ビデオコーディング」及び「コーディング効率」に訂正するものであり、訂正前の明細書において「符号化」と記載された箇所であって、基準明細書では「coding」、「Coding」、「coded」と記載されていた箇所、ないし「coded」という記載が省略されていた箇所を「コーディング」に、訂正前の明細書において「ビデオ符号化」、「符号化効率」と記載された箇所であって、基準明細書では「video coding」、「coding efficiency」と記載されていた箇所を、「ビデオコーディング」、「コーディング効率」に、それぞれ訂正するものである。 訂正事項1に関して、基準明細書では、例えば[0029]にthe complexity of the encoding and decoding algorithmsという記載があり、これに対応する本件特許明細書の【0029】では「符号化および復号アルゴリズムの複雑さ」と記載されているように、本来は基準明細書においてencodeやこの語尾を変化させた記載を「符号化」と訳し、また、基準明細書では、例えば[0074]にcoding of screen content videoという記載があり、これに対応する本件特許明細書【0074】では「スクリーンビデオのコーディング」と記載されているように、本来は基準明細書においてcodingやこの語尾を変化させた記載を、encodingやこの語尾を変化させた記載とは区別して、「コーディング」と訳すべきものであったところ、基準明細書中のcodingやこの語尾を変化させた記載の一部について、本件特許明細書において「符号化」と誤って翻訳したものである。 そして、訂正事項1にかかる訂正は、「符号化」と誤って翻訳した箇所を「コーディング」に正すことにより、本件特許明細書の「コーディング」という記載を基準明細書のcodingやこの語尾を変化させた記載の訳語として統一するものである。 よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に規定する誤訳の訂正を目的とするものである。 (2) 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 上記(1)のとおり、訂正事項1にかかる訂正は、本件特許明細書の発明の詳細な説明の誤訳の訂正を目的とするものであり、訂正事項1にかかる訂正により何ら技術的内容が変更されるものではないから、基準明細書のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 したがって、訂正事項1は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 6 独立特許要件について 訂正事項1は、上記5のとおり、訂正事項1にかかる訂正より何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではなく、請求項15にかかる発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって、当該事情を変更する新たな事由もないことから、請求項15にかかる発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見しない。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求にかかる訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に規定する「誤訳の訂正」を目的とし、かつ、同法同条第3項ないし第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-390208

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