商標取消審判
2022-301119
キュアレ、キュア
- 審判番号
- 2022-301119
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2018-017239外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6102927
- 請求日
- 2022年12月26日
- 審決日
- 2024年11月26日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- T132 .1 -Y (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 識別力・商標の種類(本文から自動判定・参考)
- 図形・ロゴ等(別掲)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第38条第5項、商標法第2条第3項第1号、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6102927号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6102927号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成30年2月13日に登録出願、第5類「医療用テープ,サプリメント,医療用テーピングテープ,医療用粘着シート,衛生マスク,包帯,薬剤(農薬に当たるものを除く。),医療用試験紙,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」並びに第3類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年11月30日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和5年1月18日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、令和2年(2020年)1月18日から令和5年(2023年)1月17日までの期間(以下「要証期間」という。)である。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品中、第5類「医療用テープ,サプリメント,医療用テーピングテープ,医療用粘着シート,衛生マスク,包帯,薬剤(農薬に当たるものを除く。),医療用試験紙,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」(全指定商品、以下「請求に係る商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証(以下、証拠の表記にあたっては、「甲○」又は「乙○」と表記する。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人が、(1)要証期間に日本国内において(2)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが(3)登録商標(本件商標)を(4)指定商品又は指定役務について使用をしていることについて以下検討する。
(1)「要証期間に日本国内において」について
乙3の日付(2019年7月16日)は、要証期間にないため、乙2の証拠は要証期間の使用証拠ではない。
また、乙15の公開日付(2019年12月9日)及び乙16(2019年12月10日)、乙18(2019年12月11日)の使用証拠も要証期間外のものである。
(2)「商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが」について
被請求人は、株式会社クワトロハートから株式会社キュアレに社名変更を行ったと主張しているが、当該事実を明らかにする証拠の提出はなく、形式的に本件取消審判の請求(令和4年12月26日)以後に、登録名義人の表示の変更を答弁書提出前(令和5年5月23日)に行ったものであって、商標権者である株式会社クワトロハートと株式会社キュアレとの関係は依然として不明確であり、商標権者自身が本件商標を使用していたかについて明らかではない。
(3)「登録商標(本件商標)を」について
被請求人は、本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む、以下同じ。)の使用をしている旨を主張しているが、本件商標と同一の態様で使用している証拠はない。
また、被請求人は、本件商標「Cure:Re」の小文字の書体箇所を大文字で表してなり、称呼を「キュアレ」とする商標(以下「被請求人商標1」という。別掲2)、本件商標の小文字の書体箇所を大文字で表すとともに、文字の一部をアレンジし、称呼を「キュアレ」とする商標(以下「被請求人商標2」という。別掲3)の使用をしている旨を主張しているが、指定商品との関係で使用されているものではなく、商標的に、すなわち、出所表示・自他商品識別標識として使用されているものでなく、「CURE:RE CONCEPT」(乙4、乙6、乙8の各2頁)、「CURE:RE TAPE」(乙4の7頁)、「CURE:RE(キュアレ)」(乙4、乙6の各9頁、乙15の2頁、ほか)、「CURE:RE MEALS CARE SERIES/キュアレ食事ケアシリーズ」(乙11)、「CURE:RE channel」(乙15、乙21)など本件商標と別の構成を含む標章群であり、これらは本件商標と認められる商標ではないことは明らかである。「CURE:RE(キュアレ)」における「キュアレ」も、当然にCURE:REと変換される関係になく、CURELEともCUAREとも変換されうる点で、本件商標と言える態様ではない。
被請求人商標2については、別掲3のとおり、上段に略楕円形のロゴを配し、中段に図形を配し、下段に「LIFE&BODY CARE PARTNER」の文字があるところ、社会通念上同一の商標とは、「ア 書体のみに変更を加えた同一文字からなる商標、イ 平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、ウ 外観において同視される図形からなる商標 エ その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標(商標法第38条第5項かっこ書き)」をいい、被請求人商標2はアないしウのいずれにも当たるものではなく、上段に本件商標にはない新たな図形を配し、下段に本件商標にない文字「LIFE&BODY CARE PARTNER」を配し、中段の図形において、「R」の一部をデザイン化し、「E」を「三」のように大きく崩した態様からなるものは、本件商標と外観を同一視することもできず、「キュアレ」という称呼が生ずるともいえない点でも、エにいう社会通念上同一と認められる商標ともいえないものである。
(4)「指定商品又は指定役務について使用をしていること」について
請求に係る商品のうち、被請求人は、「サプリメント」について使用している旨を主張している。以下、検討する。
被請求人は、第5類のサプリメント(32F15)について、使用していると主張しているが、被請求人が証拠としているのは、第32類に属する「青汁を含有するスムージー(29C01)」であるとかであって、本件商標の指定商品に係るものではない。この点は、第29類の類似商品・役務審査基準において、第29類には、薬剤(5類)、栄養補助食品(5類)は、含まないと記載されているように、第29類に属する限り、第5類には属さず、本件商標の指定商品に係るものでないことは明らかである。
(5)総括
以上述べたように、本件商標の使用は、本件商標権者によって使用されているものであるか不明確であり、仮に本件商標権者に係る使用であるとしても、乙1ないし乙28までの証拠は、本件商標を指定商品において使用しているものとはいえない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論掲記の審決を求め、答弁書及び審尋に対する回答書により、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第34号証を提出した。
1 答弁の理由
本件商標権者(被請求人)は、要証期間に日本国内において、その請求に係る商品中「サプリメント」について、本件商標を使用している。
(1)本件商標権者について
本件商標の設定登録時の商標権者である株式会社クワトロハート(以下「クワトロハート社」という場合がある。)は、本件商標を同社商品の展開ブランドとして使用しつつ、本件審判の請求登録日前に株式会社キュアレ(以下「キュアレ社」という場合がある。)ヘと社名変更を行っている(乙1)。
(2)商標の使用の事実
本件商標権者は、本件商標が掲載されたタブロイドを全国の治療院・美容室・エステティックサロン・美容系ディーラーほか約1000事業者(以下「取引先販売店」という。)に対して頒布している。このタブロイドは、創刊号から第4版(vol4)まで作成頒布されている。この事実について、詳細に説明する。
ア 乙2、乙4、乙6、乙8のタブロイド(以下これらをまとめていうときは「本件タブロイド」という。)は、本件商標権者が取引先販売店に頒布したものである。
(ア)被請求人商標
本件タブロイド(乙2の2頁、3頁、8頁、裏表紙、乙4及び乙6の各2頁、8頁、裏表紙、乙8の2頁及び8頁)に表示された「CURE:RE」の商標(被請求人商標1)は、本件商標「Cure:Re」の小文字の書体箇所を大文字で表してなり、称呼を「キュアレ」とするものである。よって、被請求人商標1は、ローマ字の小文字を大文字に変更を加えた同一の文字構成からなり、称呼を同一とする商標であり、本件商標と社会通念上同一と認められるものである。
また、本件タブロイドの表紙、裏表紙、写真の商品に表示された商標は、本件商標の小文字の書体箇所を大文字で表すとともに文字の一部をアレンジし、称呼を「キュアレ」とする商標(被請求人商標2)である。よって、被請求人商標2は、ローマ字の小文字を大文字に変更を加えるとともにアレンジされているが、「キュアレ」と称呼が同一視でき、他の観念も生じないことから、本件商標と社会通念上同一と認められる。
(イ)本件商標権者が使用する商品
本件商標権者が使用する商品は、請求に係る商品中、第5類「サプリメント」に該当するものである。
「サプリメント」について、本件タブロイドの8頁に「滞ったからだを、美味しくリセット。RE:SET SMOOTHIE」との記載があり、その記載の左側には、容器に被請求人商標2と「RE:SET SMOOTHIE」が付された写真が表記されている。
また、その説明欄において、「このリセットスムージーは、ファスティングをより効果的に行うことができるよう、とことん配合にこだわりました。さらに腸内環境へも複合アプローチ。・・・」との記載のとおり、野菜発酵エキスを含有する栄養補助商品のサプリメントであることが明らかである。
(ウ)使用時期
本件タブロイドには、作成され頒布された使用時期の表記が無いため、外部業者であるCLUTCHWERKS、合同会社クラッチワークスに本件タブロイドを作製依頼した証拠となる取引伝票(乙3、乙5、乙7、乙9)により、使用時期を証明する。
乙3は、「キュアレ商品タブロイド御見積書」とするものであり、CLUTCHWERKSから本件商標権者(クワトロハート社)宛てに発行され、左上箇所に「DATE:2019/7/16」と記載されている。
乙5は、「タブロイドvol.2御見積書」とするものであり、CLUTCHWERKSから本件商標権者(クワトロハート社)宛てに発行され、左上箇所に「DATE:2020/2/18」と記載されている。
乙7は、「請求書」「品目 タブロイド印刷費」とするものであり、合同会社クラッチワークスから本件商標権者(クワトロハート社)宛てに発行され、右上箇所に「請求日:2021/05/31」と記載されている。
乙9は、「請求書」「品目 CURE:REタブロイドvol.04」とするものであり、合同会社クラッチワークスから本件商標権者(キュアレ社)宛てに発行され、右上箇所に「請求日:2022/11/30」と記載されている。
その後、本件タブロイドは印刷され要証期間に頒布されている。
(エ)使用場所
本件タブロイドは、日本国内で作製され頒布されたものである。
(オ)使用者
乙2、乙4、乙6、乙8のタブロイドの裏表紙には、本件商標権者(クワトロハート社、乙8についてはキュアレ社)の会社名が表記されており、本件商標権者が本件商標の使用者である。
イ 乙11は、本件商標権者が作製し頒布した食事ケアシリーズの三つ折りのパンフレット(以下「本件パンフレット」という。)である。
(ア)被請求人商標
本件パンフレットの表紙及び内頁には「CURE:RE MEALS CARE SERIES」に示すように被請求人商標1が、また表紙及び裏表紙に被請求人商標2が表示されている。
(イ)本件商標権者が使用する商品
本件商標権者が使用する商品について、本件パンフレット(乙11)の内頁に「リセットスムージー」との記載がある。
(ウ)使用時期
本件パンフレットが作製され頒布された使用時期についての表記は無いが、本件パンフレットを株式会社TAKEFRONTIER(以下「TAKEFRONTIER社」という場合がある。)に印刷依頼した「ご請求書」(乙12~乙14)で証明する。乙12は、TAKEFRONTIER社から本件商標権者(クワトロハート社)宛てに発行され、左上箇所に「2021年2月28日発行」、ご請求明細には「キュアレ 食事ケアパンフレット印刷費用として」と記載されている。乙13及び乙14は、TAKEFRONTIER社から本件商標権者(キュアレ社)宛てに発行され、左上箇所に「2022年6月30日発行」及び「2022年7月31日発行」、ご請求明細には「食事ケアパンフレット印刷費用として」と記載されている。
したがって、本件パンフレットにおいて、被請求人商標1及び被請求人商標2は、乙12ないし乙14に示すとおり、要証期間に使用されている。
(エ)使用場所
本件パンフレット(乙11)は日本国内で作製され頒布されたものである。
(オ)使用者
本件パンフレット(乙11)裏表紙には、本件商標権者(キュアレ社)の会社名が表記されており、本件商標権者が本件商標の使用者である。
したがって、本件商標は、日本国内において、要証期間に本件商標権者により使用されている。
ウ 本件商標権者は、本件商標を付した自己の商品をウェブサイトのYou Tube(以下、単に「YouTube」という。)にアップロードして不特定多数の需要者に対して紹介を行っている。
(ア)乙21ないし乙24(You Tube7~10)において、本件商標権者のスタッフにより、自社商品であるスムージーについて紹介をしている。
検索日:2023年7月7日
公開日:2020年2月3日、同年3月5日、同年2月5日、2019年9月9日
(イ)使用商標
使用商標は、上記ア(ア)で説明したとおりの「被請求人商標1」と「被請求人商標2」で本件商標である。
(ウ)本件商標権者が使用する商品(乙21~乙24)
本件商標権者が使用する商品は、スクリーンショット1枚目にある「リセットスムージー」の栄養補助食品のサプリメントである。スクリーンショット2枚目には、「リセットスムージー」の詳細・ご注文はCURE:RE(キュアレ)の公式サイトから!」の被請求人商標1の表記と、その商品の写真が表記されていることから「サプリメント」の使用である。
(エ)使用時期
You Tube7ないし10は、本件商標権者がアップし、それぞれ上記(ア)の公開日に公開されて以降、現時点でも閲覧可能である。この公開日は、YouTube7ないし10の詳細ボタンをクリックすると表示される。
(オ)使用場所
You Tube7ないし10は、日本国内で作製され放映された動画である。
(カ)使用者
You Tube7ないし10は、本件商標権者によりアップロードされたもので、また、動画の人物は本件商標権者のスタッフである。
したがって、本件商標は、日本国内において、要証期間に本件商標権者により使用されている。
エ 乙25において、本件商標権者によりアップロードされたものであり、本件商標権者のスタッフにより、自社商品のスムージーについて同様なYouTube動画で紹介している他のURL、公開日のみをさらに示す。いずれのYouTube動画においても、それぞれの公開日から検索日(2023年7月7日)まで閲覧可能であり、本件商標は、日本国内において、要証期間に本件商標権者により使用されている。
2 審尋に対応する回答
(1)クワトロハート社及び本件商標権者(キュアレ社)の関係について
クワトロハート社の会社法人等番号は、乙29に記載のとおり「0110-01-067537」であるところ、本件商標権者(キュアレ社)の会社法人番号は、乙30に記載のとおり同じであり、同一の会社である。
乙29は、キュアレ社に商号変更を行う前のクワトロハート社の令和3年8月11日に取得した履歴事項全部証明書で、乙30は、キュアレ社へと商号変更を行った後の同年11月24日に取得した履歴事項全部証明書である。
よって、商号変更時期は、令和3(2021)年8月11日以後、同年11月24日前である。
これにより、タブロイドVol3(乙6)は、商号変更前のクワトロハート社が発刊し、その請求書(乙7)は令和3(2021)年5月31日付け同社宛で、タブロイドVol4(乙8)は、商号変更後のキュアレ社が発刊し、その請求書(乙9)は同4(2022)年11月30日付け同社宛であり、商号変更時期とタブロイド・取引書類日付において齟齬がない。
また、キュアレ食事ケアシリーズ(乙11)の請求書(乙12)は、同3(2021)年2月28日付けで商号変更前のクワトロハート社宛で、請求書(乙13)は、同4(2022)年6月30付け商号変更後のキュアレ社宛であり、商号変更時期と取引書類日付において齟齬がない。
なお、本商号変更については、商標登録原簿において既に変更済である(乙1)。これにより、クワトロハート社及び本件商標権者(キュアレ社)の関係は明らかである。
(2)「RE:SET SMOOTHIE」について
「RE:SET SMOOTHIE」とする商品(以下「使用商品」という。)がサプリメントではないとの見解については受け入れられないので、以下説明する。
サプリメントの法律的な定義はなく、一般的には「栄養補助食品」と理解されていて、乙32、乙33であるラベルに「栄養補助食品」と明記されている。J-PlatPatの「商品役務検索」の商品・役務名に「栄養補助食品」の用語を入れて検索すると、商品「人用栄養補助食品」で、サプリメントと同じ区分「第5類」、類似群コード「32F15」とある。
さらに、使用商品の成分が表示された新たな証拠(乙32、乙33)には、原材料名が明記されており、また、キュアレ食事ケアシリーズ(乙11)の使用商品の説明頁にも成分表示が明記されている。
このように、使用商品は、大麦若葉を主成分とする粉末の他にイヌリン(食物繊維)、クロレラ粉末、ビタミンB2等の栄養補助成分が含まれている。また、J-PlatPatの「商品役務検索」で「大麦若葉」「イヌリン」「クロレラ」の用語を入れて検索すると、サプリメントと同じ区分「第5類」、類似群コード「32F15」とある。
以上のことから、使用商品は、区分「第5類」類似群コード「32F15」に属することが明らかで、同じ区分「第5類」類似群コード「32F15」にサプリメントが含まれていることから、使用商品がサプリメントであることが確認できる。
なお、使用商品の賞味期限は約3年とされているから、乙32の賞味期限欄の「2023.8」から3年差し引いた「2020.8」に製造され、それ以降、市場に販売されている。また、乙33の賞味期限欄の「2025.10」から3年差し引いた「2022.10」に製造され、それ以降、市場に販売されているから、ともに要証期間内である。
このように使用商品は、要証期間前から現時点に至るまで、商品の表側には本件商標の使用と裏側には栄養補助製品・成分表示の表記がなされている。また、YouTubeでの「リセットスムージー」とする商品についても、区分「第5類」、類似群コード「32F15」に属することが明らかである。
(3)使用商品の使用証明について
本件商標権者は、使用商品に標章を付する行為から商標法第2条第3項第1号に、使用商品の譲渡行為から同項第2号に、使用商品の広告的使用から、同項第8号に、それぞれ該当する行為を行っている。
今般、特に、同項第8号での広告的使用行為に該当するタブロイド、食事ケアシリーズパンフレットの頒布時期、頒布方法、頒布先を証する新たな証拠について、乙34を提出する。乙34の表において、左側から「発送日」欄が要証期間内であること、「商品名欄」にタブロイドや食事ケアシリーズパンフレットの配布内容、そして、「配送先郵便番号、配送先住所」、配送業者は佐川急便である。なお、乙34の表は、個人情報であるとされる配送先の名称・電話番号・住所の番地ビル名は表に含めていない。
(4)弁駁書における商標使用の請求人の主張について
上記第3の1(2)ア(ア)のとおり、タブロイド(乙2)の2頁、3頁、裏表紙に表示された「CURE:RE」(被請求人商標1)は、本件商標の小文字の書体箇所を大文字で表してなり、称呼を「キュアレ」とする商標であるから、ローマ字の小文字を大文字に変更を加えた同一の文字構成からなり、両者からは同一の称呼が生じ、自他商品識別標識として機能し本件商標と社会通念上同一と認められる。
また、指定商品との関係で使用されていないと主張しているが、上記のとおり、使用商品は、区分「第5類」、類似群コード「32F15」に属することが明らかであり、指定商品との関係で使用されている。
さらに、「CURE:RE MEALS CARE SERIES」の被請求人商標1の文字サイズは、それに続く「MEALS CARE SERIES」の文字サイズよりも大きく明確に分けて、出所表示、自他識別標識を発揮できる商標であるとの認識ができるようにしている。
また、被請求人商標2は、本件商標の小文字の書体箇所を大文字で表すとともに文字の一部をアレンジし、称呼を「キュアレ」とする商標のみであって、上段の略楕円形のロゴと、下段の「LIFE&BODYCARE PARTNER」を結合する商標ではない。すなわち、このような使用は、実際の取引態様に応じて、しばしば行われることで、上段と下段を除いた被請求人商標2は、他の構成要素と切り離されて独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
第5 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出した証拠によれば、以下のとおりである。
(1)クワトロハート社及び本件商標権者(キュアレ社)の関係について
本件商標の登録査定時の商標権者であったクワトロハート社の会社法人等番号は、「0110-01-067537」(乙29)であるところ、当該番号は、本件商標権者(キュアレ社)の会社法人等番号と同一である(乙30)。
令和3年8月11日取得の乙29によれば、当該会社法人等番号における商号は株式会社クワトロハートであり、同年11月24日に取得した乙30によれば、商号は株式会社キュアレである。
なお、本件商標の登録原簿における「登録名義人の表示の変更」は、同5年5月23日に受付けられたものであって、クワトロハート社からキュアレ社と変更されたものである(乙1)。
(2)キュアレ食事ケアシリーズのパンフレット(乙11、「本件パンフレット」)について
本件パンフレットは、その表紙に、楕円形のような図形と図案化された標章及びその下に小さく「LIFE&BODY CARE PARTNER」の文字を表し、その下にスペースを設けて、「CURE:RE」の文字と、その横に当該文字よりも小さな文字で「MEALS CARE SERIES」の文字を一連に横書きし、さらに、その下に「キュアレ食事ケアシリーズ」の文字を表した、三つ折りのパンフレットである。三つ折りの裏表紙にあたる黒地の紙面には、本件商標権者(キュアレ社)の名称及び住所の記載があり、中面には「あなたに合わせて選べるケアドリンク」の横に、表紙と同様に、「CURE:RE」の文字と、その横に当該文字よりも小さな文字で「MEALS CARE SERIES」(以下「CURE:RE MEALS CARE SERIES」を「使用商標」という。別掲4)の記載があり、その下に、「リセットスムージー」「RE:SET SMOOTHIES」の記載及びその商品(使用商品)のパッケージ写真が掲載され、その写真の下には、その商品の「成分」「イヌリン(食物繊維)・・・国産大麦若葉粉末・・等」の記載、「180g 5,400円(税込)」の記載がある。
(3)請求書(乙13、乙14)について
乙13及び乙14は、請求者をTAKEFRONTIER社とする、本件商標権者(キュアレ社)宛ての2022年6月30日及び同年7月31日発行の「TAKEFRONTIERご請求書」とするものであり、「ご請求明細」の「サービス名」には、「食事ケアパンフレット印刷費用として」と記載されている。
(4)商品の裏面ラベル(乙33)について
乙33の商品の裏面のラベルには、「キュアレ リセットスムージー :キウイ味 栄養補助食品」「名称 野菜発酵エキス含有食品」「原材料名 イヌリン(食物繊維)・・・大麦若葉粉末、・・・」「内容量 180g」の記載、「販売者」として本件商標権者(キュアレ社)及び住所の記載、そして「お召し上がり方」として「栄養補助食品として・・・」の記載がある。
(5)本件パンフレットの頒布(乙34)について
一段目に「発送日 2023-01-11」「商品名 食事ケアシリーズパンフレット【100部セット】」「配送先都道府県 静岡県」「配送業者 佐川急便」の記載、上から4段目に「発送日2022-11-14」「商品名 食事ケアシリーズパンフレット【100部セット】」「配送先都道府県 愛知県」「配送業者 佐川急便」の記載、5段目に「発送日 2022-09-02」「商品名 食事ケアシリーズパンフレット【100部セット】」「配送先都道府県 長野県」「配送業者 佐川急便」の記載がある。
2 前記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商品について
被請求人が、本件商標を使用したと主張する使用商品は、上記1(2)の本件パンフレットに掲載された「リセットスムージー」「RE:SET SMOOTHIES」とするものであるところ、上記1(4)の商品パッケージの裏面のラベルには、「キュアレ」「リセットスムージー」の記載、本件商標権者及び住所の記載、商品の原材料名表示、「内容量180g」の記載があり、これらの記載は、本件パンフレットの「リセットスムージー」との記載と一致することから、本件パンフレットに掲載されている使用商品と乙33の裏面ラベルの商品は同一視できるものである。
そして、上記1(4)のとおり、使用商品と認められる商品パッケージの裏面ラベルには「栄養補助食品」との記載があることから、使用商品は、本件審判の請求に係る指定商品中、「サプリメント」に含まれる商品といえる。
(2)使用商標について
本件商標は、別掲1のとおり「Cure:re」の文字及び記号よりなるところ、当該文字よりは特定の観念を生じないものである。
一方、使用商標は、別掲4のとおり「CURE:RE」と「MEALS CARE SERIES」の文字を一連にゴシック体様の文字で横書きしたものよりなるところ、「CURE:RE」の文字部分は、辞書に掲載のない造語であり、「MEALS CARE SERIES」の文字部分より大きく表示されている。一方、「MEALS CARE SERIES」の文字部分は、「MEALS」「CARE」「SERIES」が、「食事」「注意、ケア」「シリーズ(連続性を持つ一連のもの)」などを意味する英語としてそれぞれ広く親しまれている語であって、当該文字全体よりは「食事ケアをするシリーズ」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。そして、栄養補助食品等を取り扱う業界においては、食事の面から、不足する栄養素等を補完する栄養補助食品やサプリメントを取り入れて食事内容に注意していくことなどを「食事ケア」と称して一般に使用されている。
また、「SERIES(シリーズ)」の文字は上記のとおり、連続性を持つ一連のものを意味する語であって、一連の商品群等を指称する際に一般に広く用いられている。
そうすると、「食事ケアシリーズ」の欧文字表示である「MEALS CARE SERIES」の文字部分は、栄養補助食品等の商品との関係においては、食事ケアをすることができる一連の商品群であること、すなわち商品の用途、効能を表す文字であり、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、有するとしても極めて弱いものである。
したがって、使用商標は、その構成中「CURE:RE」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有する要部といえるものであり、当該「CURE:RE」は、本件商標の欧文字部分のつづり及び「:」の記号を共通にし、一部構成文字における大文字と小文字の差異や、書体に差異を有するものの、書体のみに変更を加えたものであるから、社会通念上同一の商標と認められる。
してみれば、当該文字に商品の用途や効能を説明する文字を付加した使用商標も本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(3)使用者について
前記1(1)によれば、本件商標の権利者は令和5年5月23日に、クワトロハート社からキュアレ社に登録名義人の変更がおこなわれたものであるところ、前記1(3)の請求書は、変更前の2022年(同4年)6月30日及び同年7月31日のキュアレ社宛ての請求書であり、当該請求書はその請求日において、本件商標権者宛ての請求とはいえない。
しかしながら、クワトロハート社とキュアレ社は会社法人等番号が同じであり、当該法人番号における同3年11月24日付けの履歴事項全部証明書における商号が「株式会社キュアレ」とあることから、少なくとも同日までには、クワトロハート社からキュアレ社への商号変更が行われたものと推認できる。
そうすると、当該請求書の日付において、本件商標の権利者は実質的にはキュアレ社というべきである。
そして、前記1(2)によれば、本件パンフレットには、キュアレ社の名称及び住所が記載されているところ、本件パンフレットの制作日においても、当該キュアレ社は実質的に本件商標権者であると推認できる。
また、本件パンフレットの発送データは本件商標権者(被請求人)より提供されたものであるところ、当該発送データの発送日である2023年(同5年)1月11日、2022年(同4年)11月14日及び同年9月2日においても、本件商標権者は実質的にはキュアレ社である。
そうすると、使用商標が掲載されている本件パンフレットを頒布したのは、その頒布日において実質的な本件商標権者であるキュアレ社であると認められるから、使用商標の使用者は、本件商標権者であるとして差し支えない。
(4)使用時期について
前記1(3)のとおり、本件商標権者は、2022年6月30日及び同年7月31日発行の請求書において、TAKEFRONTIER社から本件パンフレットの代金を請求されたのであるから、本件パンフレットは、遅くとも同日までには、本件商標権者に納品されていたと推認することができる。
また、前記1(5)のとおり、本件パンフレットは、2023年1月11日、2022年11月14日及び同年9月2日に、静岡県、愛知県及び長野県に、佐川急便を配送業者として発送されているから、当該発送日は、本件パンフレットの納品日後であり、本件パンフレットの作成及び納品に不合理な点は見当たらない。
そうすると、本件パンフレットは、2023年(同5年)1月11日、2022年(同4年)11月14日及び同年9月2日に頒布されたものと推認することができ、当該日付は要証期間内である。
(5)使用行為及び使用場所について
使用商標は、使用商品に係る本件パンフレットに付されていたといえる。
そうすると、本件商標権者は、本件パンフレットを頒布することによって、使用商品について、使用商標を表示して広告を行ったものと推認して差し支えない。
また、当該広告は日本語で記載され、その頒布先も日本国内であるから、その使用は日本国内であること明らかである。
(6)小括
上記(1)ないし(5)によれば、本件商標権者は、要証期間内に、日本国内において、請求に係る商品の範ちゅうに含まれる商品に関する広告を内容とする情報が掲載された本件パンフレットに、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示して頒布していたと認められる。
そして、本件商標権者による上記行為は、商標法第2条第3項第8号の「商品に関する広告に標章を付して頒布する行為」に該当するものである。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者がその請求に係る商品について本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したといえる。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-301119