審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標取消審判

2022-301054

バードリペル

審判番号
2022-301054
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2013-036642
登録番号
5621689
請求日
2022年12月05日
審決日
2025年07月01日
公報発行日
2025年09月26日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】エビオス 株式会社
  • 【請求人代理人】北川 修平
  • 【被請求人】株式会社 テイソートヨカ
  • 【被請求人代理人】井上 敬也
  • 【被請求人代理人】長谷 久生
  • 【被請求人代理人】松波 祥文
審判長/審判官
  • 審判長 高橋 幸志
  • 審判官 清川 恵子
  • 審判官 白鳥 幹周
分類
T132 .1 -Z (W05)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5621689号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第5621689号商標の指定商品中、第5類「はえ取り紙,防虫紙」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5621689号商標(以下「本件商標」という。)は、「バードリペル」の文字を横書きしてなり、平成25年5月16日に登録出願、「はえ取り紙,防虫紙」を含む第5類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同年10月11日に設定登録がなされたものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年12月20日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間(2019年(令和元年)12月20日~2022年(令和4年)12月19日)を以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その請求の理由及び答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。 以下、証拠の表記に当たっては、「甲(乙)第〇号証」を「甲(乙)〇」のように記載する。 1 請求の理由 本件商標に関する商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品中、第5類「はえ取り紙,防虫紙」(以下「請求に係る指定商品」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 弁駁の理由 (1)乙1及び乙2について 乙1及び乙2には、本件商標の記載が全く存しない。これらは本件商標の使用の事実を証する証拠でないことが明らかである。 (2)乙3について ア 乙3(以下「本件カタログ」という場合がある。)には、3頁の「ノラバト飛来防止施工」との項において、「弊社では、独自に開発した忌避剤(バードリペル(R))(審決注:(R)は〇の中に「R」を表す。以下同じ。)を使用した施工や各種防鳥資材を用いた対策を行います」との記載がある。 しかしながら、かかる記載における「バードリペル」との文字列(以下、忌避剤における「バードリペル」を「使用商標」という場合がある。)は、「忌避剤」すなわち「薬剤」(第5類。類似群コード:01B01、以下同じ。)との商品について使用されているものにすぎず、請求に係る指定商品について使用されているものでないことが明らかである。 また、乙3には、4頁の「有害生物防除関連資材の販売」との項において、「昆虫の誘引を防ぐ防虫フィルム」との記載がある。 しかしながら、そもそも、同項において本件商標の記載は全く存しないから、本件商標の使用の事実を何ら証するものではない。 イ 以上より、乙3は、本件商標を請求に係る指定商品に使用した事実を証する証拠でないことが明らかである。 (3)乙4について ア 乙4は、1頁(表紙)において「ノラバト飛来防止施工に関して」との全体にわたる表題を付し、2頁において「ノラバト飛来防止施工の目的」との見出しを付し、その上で、6頁から9頁において、「忌避剤工法(忌避剤・テイソーバードリペル)」(6頁)、「忌避剤:バードリペル工法」(7頁)、「テイソーバードリペル工法実施例」(8頁、9頁)と記載するなど、その全体にわたり、「施工」「工法」について「バードリペル」の文字を用いている。すなわち、乙4の上記部分からは、「建設工事」(第37類。類似群コード:37A01、以下同じ。)又は「有害動物の防除(農業・水産養殖業・園芸又は林業に関するものを除く。)」(第37類・類似群コード:37H02、以下同じ。)との役務についての「バードリペル」の文字の使用の事実が認められるにとどまり、請求に係る指定商品についての使用の事実は何ら証明されない。 イ また、乙4の10頁には「忌避剤」の見出しの下に、「テイソー・バードリペル主成分:ポリブデン」との記載があり、かつ、「テイソー・バードリペル」と記載されたラベルが貼られた金属容器の画像が掲載されているが、かかる記載における使用商標は、「忌避剤」すなわち「薬剤」の商品について使用されているものにすぎず、請求に係る指定商品について使用されているものでないことが明らかである。 ウ なお、乙4の10頁には、「忌避ウレタン」との見出し、及び「ウレタンに薬剤を合浸させる」との記載があるが、同頁における使用商標は、専ら、上記「忌避ウレタン」の見出しとは黒枠で明確に区分された「忌避剤」の見出しの下に、「忌避剤」についてのみ使用されているものであって(画像上も、「テイソー・バードリペル」と記載されたラベルは、忌避剤の入った金属容器にのみ貼付されており、ウレタンには貼付されていない。)、同文字列が「ウレタン」について使用されているとは認められない。 また、仮に同頁において、使用商標が「ウレタン」について使用されていると仮定しても、かかる使用は「プラスチック基礎製品」(第17類。類似群コード:34A01)について使用されているものにすぎず、請求に係る指定商品(「はえ取り紙,防虫紙」。すなわち、素材は「紙」である。)について使用されているものでないことが明らかである(なお、同頁の画像に写っている「ウレタン」は、化学原料としてのウレタンではなく、ウレタンフォームであることが明らかであるから、「化学品」(第1類。類似群コード:01A01)ではなく「プラスチック基礎製品」についての使用と見るべきである)。 エ 以上より、乙4は、本件商標を請求に係る指定商品に使用した事実を証する証拠でないことが明らかである。 (4)乙5について ア 乙5(両面チラシ)(以下「本件チラシ」という場合がある。)の表面には、「人と自然に優しいノラバト飛来防止忌避剤テイソートヨカ・バードリペル(R)」、「弊社が独自に開発したノラバト飛来防止忌避剤」、「テイソートヨカ・バードリペルは、安全な粘着物質に加え、天然由来の忌避成分を配合することでより高い忌避効果を発揮します。・・・ノラバト忌避防止剤です」、「テイソートヨカ・バードリペルに含まれる有機溶剤は、他のハト忌避剤・・・に比べ、人体に悪影響を及ぼしにくいものを使用しています」などとの記載があるが、これらの記載における使用商標は、いずれも、「忌避剤」すなわち「薬剤」との商品について使用されているものにすぎず、請求に係る指定商品について使用されているものでないことは明らかである。 イ また、乙5の表面には、「(テイソートヨカ・バードリペルエ法)」との記載があり、その下部に「1.」「2.」「3.」として同工法の説明がなされているが、かかる記載からは、使用商標について、「建設工事」又は「有害動物の防除(農業・水産養殖業・園芸又は林業に関するものを除く。)」との役務についての使用の事実が認められるにとどまり、請求に係る指定商品についての使用の事実は何ら証明されない。 ウ 以上より、乙5は、本件商標を請求に係る指定商品に使用した事実を証する証拠でないことが明らかである。 (5)乙6及び乙7について 被請求人が、乙6及び乙7において述べる主張は、実質的には、請求に係る指定商品と類似する商品について本件商標を使用すれば足りる旨を述べるものであって、かかる主張が失当であることは明らかである。 なお、そもそも、上記(1)ないし(4)並びに下記(6)及び(7)で具体的に述べたところから明らかなとおり、被請求人は、請求に係る指定商品と類似する商品についてすら本件商標を使用した事実を立証していないから、被請求人の上記主張は、本件との関係では議論する実益がない。 (6)乙8について ア 乙8(「証明願」及び「証明書」)の添付資料は本件カタログ(乙3)及び本件チラシ(乙5)と同一であり、これらの添付資料が、本件商標を請求に係る指定商品に使用した事実を証する証拠でないことは、既に、上記(2)及び(4)において詳述したとおりである。 イ 乙8(「証明願」及び「証明書」)の1枚目(本文)は、本件審判が申し立てられたことを本件商標権者が知った後の令和5年3月30日になって、本件商標権者が、自らの主張に沿った内容を記載して「証明願」及び「証明書」(署名押印部分を除く。)の全てに渡る文案を作成した上、「証明書」にかかる署名押印のみを取引先に行わせて完成させた文書であって、実質的には本件商標権者の一方的な言い分を記した主張書面に等しく、独立した証拠価値は皆無である。 なお、仮に乙8の「そして、はえ、害虫取り対策として、スポンジ、織布、和紙等の保湿紙を資材とし、防虫紙対策として、防ダニ、ナメクジ資材としても和紙等の保湿紙を資材(※原文ママ)すべく御説明を申上げた事等、数々の有害生物管理対策を御提供申し上げました事」との記載が真実と認められると仮定しても、同記載において、かかる「御説明」及び「御提供」に際して本件商標権者が「バードリペル」の語を用いたことは全く述べられていないから、結局、同記載は、本件商標を請求に係る指定商品に使用した事実を証する証拠とはいえないものである。 (7)乙9及び乙10について 被請求人が、乙9及び乙10において述べる主張によれば、これらの証拠(「テーソー・バードリペルX」又は「テイソーバードリペルX」との記載がある。)は、本件商標権者が使用商標を付して忌避剤を販売した際の取引書類であるとすれば、これらの証拠における使用商標は、「忌避剤」すなわち「薬剤」との商品について使用されているものにすぎず、請求に係る指定商品について使用されているものでないことが明らかである。 (8)結論 以上より、被請求人が、本件商標を請求に係る指定商品に使用した事実を証明できていないことは明らかである。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を、審判事件答弁書及び令和7年4月24日付け回答書において、要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙1ないし乙13を提出した。 1 答弁の理由 本件商標権者の事業活動は、有害鳥獣、害虫、微生物の防御及び消毒等の施工並びに環境機器の販売が主な活動である(乙2)。 (1)本件商標権者の三つ折総合カタログ(乙3、本件カタログ、最終頁最下段右側に2017年4月に2000部印刷したことを示す印刷確認マークが記載されている。)では、有害生物管理の事業活動を公開している。表表紙を第1頁として、右方向に順に続く第4頁の中程には、有害生物防除関連資材の販売とのタイトルがあり、昆虫の誘因を防ぐ防虫フィルムを販売していることが説明されている。 広辞苑によれば、フィルムとは「薄皮、薄膜、写真感光材料の一つ、可撓性の薄いプラスチック支持体上に感光層を設けたもの、写真フィルム、ポジ。」と説明されている。すなわち、これらのフィルムを有害生物防除資材として、有害生物防除を効能とする有害生物忌避剤を組み合わせた商品が、販売されていたことを示している。 (2)顧客からの要請に対応する事業内容の範囲内や作業及び有害生物管理に必要な資材提供等として、「ノラバト飛来防止施工に関して」というパワーポイント資料が用意されている(乙4)。 2枚目には、ノラバト飛来防止施工の目的がタイトルされており、ノラバトによる環境衛生問題や製品に対する問題を改善する為に、各種対策を用いて実施している。そのうち、ダニ等の昆虫類の発生問題への対応を提供している。すなわち、請求に係る指定商品は、はえ取り紙、防虫紙は文言としては紙を資材として忌避剤を組み合わせた「はえ取り紙」や「防虫紙」という効能や用途を目的とする商品対策の必要性を説明している。 乙4の10枚目には、使用薬剤と使用資材の説明があり、忌避剤を有効ならしめる資材として、忌避ウレタンが提供されている。薬剤を建造物に直接塗布せず、ウレタンに薬剤を含侵させる為、どの様な形状にも対応できると説明されている。 さらに、その11枚目には、各種防鳥資材は、ノラバトの飛来場所の形状に合わせて、資材を選択し設置する工法を提供する、と説明がある。資材とは、広辞苑によれば、「ある物を作るもととなる材料例えば建築資材」と書かれている。さらに、その21枚目には、「まとめ」として、ノラバト飛来防止施工は、様々な工法の特性を生かし、状況によっては組み合わせて対策の提案をする。 (3)本件チラシ(乙5)の上段の説明文には、本件商標権者が開発した「ノラバト飛来防止忌避剤は、安全な粘着物質に加え、天然由来の忌避成分を配合することでより高い忌避効果を発揮する」旨記載されている。 このノラバト飛来防止忌避剤、テイソートヨカ・バードリペルと本件商標を付した本件チラシの表面上方左側には、「粘着剤による物理的効果と相乗効果を発揮する」、そのすぐ右側には、「安全な粘着物質」というタイトルにて、粘着トラップやセロハンテープ等に使われている成分なので、人にも環境にも安全との説明がある。 広辞苑には、セロハンテープとは、「セロテープが商標名であり、セロハンで出来た接着テープであり、セロハンとは透明な薄いフィルム状のもので、包装材料等に用いる。もと商品名。セロハン紙。」と説明されている。 つまりは「紙」という資材の商品性の解釈が記載されており、すなわち、目的の商品性の用途として「フィルム」という表現も「紙」とは限りなく近い資材の商品性を表しているから、本件のはえ取り紙、防虫紙との紙を資材とする指定商品の類似商品として、本件商標の使用の定義に包含されると解釈する。 乙5の下方には、「ノラバトによる主な被害」と題して、汚染、悪臭、病原菌の伝播と共に、二次的に発生する衛生害虫(ダニ・ハエ)被害の対策についての重要性を指摘している。 (4)ア 「はえ取り紙」には類似群コード「19B30」(乙6)が付与されている。特許情報プラットフォームの商品・役務名検索により、類似群コード「19B30」を検索すると、第5類には15件の類似商品が発見される。それらは、はえ取り用粘着剤、はえ取り紙、害虫とり粘着ロープやテープ、厨房専用ハエ取りロール、はえ取りシート、虫取り粘着紙、害虫とり粘着紙、害虫とり粘着板等が類似商品として判断される。 つまりは、「はえ取り紙」とされた指定商品であっても、上記のような商品等に対しては、本件商標の使用商品との関係においては、取引社会に於ける社会常識という社会的妥当性の観点からの商品性として、本件商標の使用に包含されるものである。 紙自体に害虫忌避効果が存在するのではなく、忌避剤を有効ならしめる為の資材としての役目であるから、斯様な類似商品が適切に観察されることになる。 イ 「防虫紙」には類似群コード「25A01」(乙7)が付与されている。特許情報プラットフォームの商品・役務名検索により、類似群コード「25A01」を検索すると、第5類には7件の類似商品が発見される。それらの中には、防ダニ紙、ナメクジ用防虫紙、防虫紙、防かび剤を配合した防虫紙、二酸化珪素を混入又は含侵した防虫紙等が類似商品として判断される。そして、この類似群コードの「防虫紙」には、「mothproofpaper,mothproofing paper」との国際基準の類似商品名が示されており、防虫紙も前記はえ取り紙の商品性の論理と共通する。 広辞苑の参考によれば「mothy」とは蛾の被害により衣類が被害を受けることを防止する資材として防虫化学物質を含んだ紙資材と説明されており、すなわち、有害烏獣、害虫、微生物の防御を目的とする有害生物管理ができる技術的機能性から商品性を観察すると、薬品に対する保湿性に優れた和紙等も適切な効果を発揮する商品と考えられる。主役は薬品効果への期待であるから、薬品との組み合わせ資材という観点からの資材はフィルムであってもセロハンという実質的に、紙であっても、請求に係る指定商品の「防虫紙」の社会的妥当性の判断に基づく資材との組み合わせ商品の概念に包含される。防虫とは、広辞苑によれば、虫が侵入して被服、書物等についたりするのを防ぐことと説明されている。 (5)要証期間において、乙1~乙5に示す本件商標権者と有害鳥獣、害虫、微生物の防御及び消毒等の施工並びに環境機器の販売行為について、取引関係の顧客である、株式会社アサヒファシリティズからの証明書を提出する(乙8)。 本件商標権者とこの顧客とは、継続的な取引が続いており、乙3と乙5とは、当然に取引契約の当事者として認識しているので、結果的には、本件要証期間内に、乙1ないし乙5に示す事業活動の取引があると共に本件商標権者の有害生物管理事業の継続活動に対し、本件商標の広告的利用を証言している。 取引市場における信義誠実の原則の上から、有害生物管理の施工取引の技術的対策内容の打合せやあらゆる薬品と資材との組み合わせの発想は、特許法における特許要件の進歩性の判断基準と同様に、商標法における指定商品の類似性については、社会的妥当性の論理から類似性を判断すべきである。 (6)本件商標権者は、取引市場において、本件商標を広告的利用をしているから、請求に係る指定商品「はえ取り紙,防虫紙」がたとえ紙であっても、前記のように、フィルムであったり、セロハンテープやロープとの資材商品性が異なっても、類似性のある商品に、本件商標を使用しているので、商標法上の使用行為(商標法第2条第3項第8号)として認められるべきである。 (7)要証期間内において、本件商標権者が本件商標を付して、有害生物防除資材として、有害生物防除を効能する有害生物忌避剤を販売した時の取引書類を示す。乙9は、顧客である有限会社たかはし工営に対して、2022年6月22日に有害生物防除資材として、有害生物忌避剤であるバードリペルを納入した納品及び請求書である。 乙10は、顧客である株式会社ノービルに対して、2022年6月15日に有害生物防除資材として、有害生物忌避剤であるバードリペルを納入した納品及び請求書である。 (8)本件商標権者は、本件商標の請求に係る指定商品に関しては、前記類似群コードに基づく説明のように、商品の文字である紙にこだわること無く、「はえ取り紙」にはフィルム、セロハンテープやロープ、シートであっても、和紙であっても、類似商品に対する資材採用については社会常識という社会的妥当性の観点から、本件商標を使用する請求に係る指定商品には妥当性のある類似商品を採用すべく広告的利用を示唆している。「防虫紙」に関しても、同じく妥当性のある類似商品を採用すべく広告的使用を提案しているから、類似商品への本件商標の使用と認められるべきである。 2 回答書の主張 (1)乙3について 本件カタログ(乙3)の記載内容は、本件商標権者のホームページに同じ内容が掲載されている(乙11)。なお、本件商標権者のホームページの上記内容が、要証期間に掲載されていたことを証明するために、本件商標権者のホームページ担当者の宜誓書を乙12として提出する。 また、「忌避剤」である「バードリペル」は、ポリブテンを主成分とするものであり(乙4)、粘性を有するものであるから、「ノラバト」のみならず「はえ、その他の虫」の捕獲、忌避にも効能を有することは明白である。 上記したように、要証期間に、本件商標権者によって、本件商標が、はえ、その他の虫の捕獲、忌避にも有効な「忌避剤」に使用されていたことに疑いの余地はない。 (2)使用商品について 「ムヒ」で著名な株式会社池田模範堂のホームページ(乙13)には、「虫除け剤(忌避剤・虫除けスプレーなど)とは」との項目の中で、「虫除け剤(忌避剤)とは、吸血害虫を接近・侵入させないようにするためのアイテムです。・・・一見すると、虫除け剤はどれも同じにみえるかもしれませんが、有効成分やその濃度によって効果を発揮する吸血害虫の種類や効果の持続時間が異なります。・・・剤形は、スプレータイプ、ミストタイプ、シートタイプなど様々な形態のものがあります。」と記載されており、「忌避剤」が”害虫等を接近・侵入させないようにするためのアイテム”の総称であることが示されている。 さらに、オンライン通信販売で著名なAmazonやモノタロウのWEBサイトで「忌避剤」と検索すると、各種の害虫や動物を近寄らせないための薬剤、スプレー、電気機器等が表示される。 してみれば、「忌避剤」という言葉が、単に、各種の害虫や動物を近寄らせないための薬剤のみを指し示すものではなく、薬剤、スプレー、電気機器等を含んだ包括概念であり、少なくとも近年の需要者にとっては、「はえ取り紙」や「防虫紙」も「忌避剤」の一形態であることに疑いの余地はない。 加えて、「はえ取り紙」や「防虫紙」は、技術の進化に伴って、近年では、あまり使用されなくなった陳腐化した商品であり、各種の薬剤、スプレー、電気機器等が、それらの商品の代替として使用されるようになってきている。 そのような背景を考慮すれば、「はえ取り紙」や「防虫紙」を言葉通りの商品のみに限定し、技術の進化に伴うそれらの商品の代替品と異なる商品であると解釈するのは、商標法が目的(第1条)とする産業の発達を阻害するものであって、きわめて不合理である。 それゆえ、本件商標権者による「忌避剤」についての使用商標の使用は、「忌避剤」の下位概念である「はえ取り紙」および「防虫紙」についての使用と、社会通念上同義であるものと思料する。 (3)結論 上記の如く、本件商標権者が請求に係る指定商品について本件商標を使用していないとする請求人の主張は、明らかに失当である。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。 (1)乙3について ア 乙3は、本件商標権者の三つ折り総合カタログ(本件カタログ)で、本件カタログは、「テイソートヨカ Corporate profile」という標題のもので、その中面(裏表紙の裏)の一番下段に「ノラバト飛来防止施工」の見出しの下に、「弊社では、独自で開発した忌避剤(バードリペル(R))を使用した施工や各種防鳥資材を用いた対策を行います。」の記載がある。 イ 中面(巻込み面の裏)の中段に「有害生物防除関連資材の販売」の見出しの下、「補虫用トラップや昆虫の誘引を防ぐ防虫フィルムやランプ等の防虫資機材、衛生資機材、清掃用機器等を販売しています。」との記載があるが、この項目に使用商標の掲載はない。 ウ 本件カタログの裏表紙には、本件商標権者名及び住所等の記載、また、「TTS2017.04.2000」の記載があり、当該表示は2017年4月に2000部印刷したことを示している(被請求人主張)。 (2)乙4について 乙4は、被請求人が顧客への説明をするための資料と主張する「ノラバト飛来防止施工に関して」と題する資料(以下「説明資料」という。)であるところ、6頁目には、「各種対策方法」として「1 忌避剤工法(忌避剤:テイソーバードリペル)」との記載があり、7頁目には、「忌避剤:バードリペル工法 天然由来忌避成分が含まれた安全な忌避剤・・・主成分であるポリブデンによる粘性にてノラバトの飛来や営巣を忌避する」「デメリット 薬剤である為、効果の持続に期限がある。(保証1年間)」との記載がある。10頁には、「使用薬剤及び使用資材」の標題の下、「忌避ウレタン」として横長長方形の商品写真が掲載され、その右横に「忌避剤」として、「テイソー・バードリペル」のラベルが付された一斗缶の写真(以下「使用商品」という。)が掲載され、「テイソー・バードリペル 主成分:ボリブデン」との記載がある。 (3)乙5について 乙5は、「人と自然に優しいノラバト飛来防止忌避剤 テイソートヨカ・バードリペル(R)」を標題としたチラシ(本件チラシ)であるが、「弊社が独自に開発したノラバト飛来防止忌避剤」との記載、「(テイソートヨカ・バードリペル工法)」として「施工面にウレタンを貼付し、その上に忌避剤を滴下してウレタンに含浸させ」た施工の写真を掲載している。本件チラシ裏面には本件商標権者名及び住所の記載がある。 (4)乙11及び乙12について 乙11は本件商標権者のホームページの写しであり、本件カタログ(乙3)に記載の「独自で開発した忌避剤(バードリペル(R))を使用した施工や各種防鳥資材を用い」た対策を行う旨の内容と同様の内容が掲載されている。そして、当該内容が本件商標権者のホームページに要証期間に掲載されていたことを証明するために、本件商標権者のホームページ担当者がメンテナンスの担当を開始した令和4年7月21日から当該内容がアップロードされていたことを宜誓する宣誓書を提出している(乙12)。 (5)乙9及び乙10について ア 乙9は、本件商標権者から有限会社たかはし工営あての2022年6月22日の「納品、請求書(控)」であり、品名として「テーソー・バードリペルX」の記載がある。 イ 乙10は、本件商標権者から株式会社ノービルあての2022年6月15日の「納品、請求書(控)」であり、品名として「防鳥用忌避剤 テイソーバードリペルX」の記載がある。 2 上記1(1)ないし(5)及び被請求人の主張からは次のとおり判断できる。 (1)使用商品について 本件カタログ、説明資料及び本件チラシによれば、「忌避剤(バードリペル(R))」、「忌避剤:テイソーバードリペル)」、「ノラバト飛来防止忌避剤 テイソートヨカ・バードリペル(R)」の記載があり、使用商品は「忌避剤」であるといえる。 そして、「忌避剤」は、広辞苑(第7版)によれば、「害虫など有害動物が匂いや味を嫌って作物・人畜などに近寄らないようにするために用いる薬剤。ナフタレン・樟脳(しょうのう)もその一種。」と説明されているとおり、薬剤の範ちゅうに属する商品であると解するのが相当である。 そうすると、使用商品は第5類「はえ取り紙,防虫紙」とはいえないことから、被請求人が、本件審判の請求に係る指定商品(第5類「はえ取り紙,防虫紙」)について、使用商標を使用したことを証明したということはできない。 なお、被請求人は、「はえ取り紙」「防虫紙」について、紙自体に害虫忌避効果が存在するのではなく、フィルムであったり、セロハンテープやロープとの資材が異なっても、類似性のある商品に本件商標を使用している旨、また、株式会社池田模範堂のホームページを挙げて「忌避剤」が“害虫等を接近侵入させないようにするためのアイテム”の総称であり、「はえ取り紙」や「防虫紙」も「忌避剤」の一形態である旨主張しているが、説明資料の使用商品の写真は一斗缶に入った薬剤であり、その薬剤を滴下して忌避ウレタンに含浸させて使用するとしても、忌避ウレタンは忌避剤を使用する際の資材にすぎず、使用商品が薬剤を忌避ウレタンに含浸させた一商品ということもできない。したがって、使用商品はあくまでも薬剤というべきである。そして、忌避効果を有する商品に様々な商品があるとしても、被請求人から提出の証拠によれば、使用商標に係る使用商品はすべて「忌避剤」と説明されており、忌避剤が薬剤であることは上記辞書に記載のとおりであるから、被請求人の主張は採用できない。 (2)使用者、使用時期及び使用行為について ア 被請求人は、令和4年7月21日から使用商標を本件商標権者のホームページに掲載している旨主張しているが、令和4年7月21日については、本件商標権者の社員の宣誓にすぎず、当該日にちが客観的な証拠に基づくものとは認められないから、本件商標権者が要証期間内に商標法第2条第3項第8号に規定する、請求に係る指定商品に関する「広告・・・を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」を行ったことを証明したものとは認められない。 イ 本件商標権者が、2022年6月22日と同月15日に有限会社たかはし工営と株式会社ノーブルに対し、納品及び請求した旨の取引書類を提出しているが、「納品、請求書(控)」の記載されている商品が使用商標を付した使用商品であるのかを確認することはできない。さらに、販売の事実を裏付けるには、注文伝票〈発注書〉、受領書及び領収書等の一連の取引書類が必要であるところ、被請求人から提出された取引書類は「納品、請求書(控)」のみである。したがって、仮に、使用商標が本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用であるとしても、上記取引書類が、商標法第2条第3項第2項に規定する「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡・・・する行為」を証明したものとは認められない。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用した事実を証明したものと認めることはできない。 また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-301054

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存