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商標取消審判

2022-301118

キュアレ、キュア

審判番号
2022-301118
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2018-017239
登録番号
6102927
請求日
2022年12月26日
審決日
2025年07月03日
公報発行日
2025年09月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】松下 弘美
  • 【被請求人】株式会社キュアレ
  • 【被請求人代理人】小林 義美
審判長/審判官
  • 審判長 高橋 幸志
  • 審判官 清川 恵子
  • 審判官 白鳥 幹周
分類
T132 .1 -Y (W03)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6102927号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6102927号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成30年2月13日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香水,香料」並びに第5類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年11月30日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和5年(2023年)1月18日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、令和2年(2020年)1月18日から令和5年(2023年)1月17日までの期間(以下「要証期間」という。)である。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香水,香料」(第3類全指定商品、以下「請求に係る商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証(以下、証拠の記載にあたっては、「甲(乙)第1号証」を「甲(乙)1」のように省略して記載する。)を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品中、請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 商標権者が、(1)要証期間に日本国内において(2)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが(3)登録商標(本件商標)を(4)指定商品又は指定役務について使用をしていることについて以下検討する。 (1)「要証期間に日本国内において」について 乙3の日付(2019年7月16日)は、要証期間にないため、乙2の証拠は要証期間の使用証拠ではない。 また、乙10の公開日付(2019年10月7日)及び乙11(2019年12月18日)の使用証拠も要証期間外のものである。 (2)「商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが」について 被請求人は、株式会社クワトロハート(以下「クワトロハート社」という場合がある。)から株式会社キュアレ(以下「キュアレ社」という場合がある。)に社名変更を行ったと主張しているが、当該事実を明らかにする証拠の提出はなく、形式的に本件取消審判の請求日(令和4年12月26日)以後に、登録名義人の表示の変更を審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)提出前(同5年5月23日)に行ったものであって、商標権者であるクワトロハート社とキュアレ社との関係は依然として不明確であり、商標権者自身が本件商標を使用していたかについて明らかではない。 (3)「登録商標(本件商標)を」について 被請求人は、本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む、以下同じ。)の使用をしている旨を主張しているが、本件商標と同一の態様で使用している証拠はない。 本件商標の小文字箇所を大文字で表し、称呼を「キュアレ」とする商標(以下「被請求人商標1」という。)の態様は、「CURE:RE CONCEPT」(乙2、乙4の各2頁)、「CURE:RE 1DAY METHOD」(乙2の3頁)、「CURE:RE channel」(乙10~乙13)、「CURE:RE(キュアレ)」(乙10の2頁)などは、本件商標とは別の構成を含む標章群であり、これらは本件商標とは社会通念上同一と認められるものとはいえない。 また、上段に略楕円形のロゴを配し、「R」の一部をデザイン化し、「E」を「三」のように大きく崩した態様からなるもの(以下「被請求人商標2」という。)は、本件商標と外観を同一視することもできず、「キュアレ」という称呼が生ずるともいえない。したがって、本件商標と社会通念上同一と認められるものとはいえない。 (4)指定商品又は指定役務に使用していることについて 乙2、乙4及び乙6に示された商品「せっけん類(シャンプー)」及び「香料」に付された被請求人商標2は、上述のとおり、本件商標と社会通念上同一と認められないために、本件商標を上記商品について使用しているとはいえない。 被請求人商標1は、インターネットを利用した動画の提供といった本件商標の指定商品とは無関係に使用されているものであり、動画中に付されている商標及び商品自体に付されている商標はいずれも被請求人商標2であり、本件商標を請求に係る商品について使用しているとはいえない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、結論掲記の審決を求め、答弁書、審尋に対する回答書及び上申書により、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙1ないし乙31を提出した。 1 答弁の理由 商標権者(被請求人)は、要証期間に日本国内において、その請求に係る商品中「せっけん類,香料」について、本件商標を使用している。 (1)商標権者について 本件商標の設定登録時の商標権者であるクワトロハート社は、本件商標を同社商品の展開ブランドとして使用しつつ、本件審判の請求登録日前にキュアレ社ヘと社名変更を行っている(乙1)。 (2)商標の使用の事実 商標権者は、本件商標が掲載されたタブロイドを全国の治療院・美容室・エステティックサロン・美容系ディーラーほか約1000事業者(以下「取引先販売店」という。)に対して頒布している。このタブロイドは、創刊号から第4版(vol4)まで作成頒布されている。この事実について、詳細に説明する。 ア 乙2、乙4、乙6及び乙8のタブロイド(以下これらをまとめていうときは「本件タブロイド」という。)は、商標権者が取引先販売店に頒布したものである。 (ア)被請求人商標 本件タブロイド(乙2の2頁、3頁、裏表紙、乙4、乙6及び乙8の各2頁、裏表紙)に表示された「CURE:RE」の商標(被請求人商標1)は、本件商標の小文字の書体箇所を大文字で表してなり、称呼を「キュアレ」とするものである。よって、被請求人商標1は、ローマ字の小文字を大文字に変更を加えた同一の文字構成からなり、称呼を同一とする商標であり、本件商標と社会通念上同一と認められるものである。 また、本件タブロイドの表紙、裏表紙、写真の商品に表示された商標は、本件商標の小文字の書体箇所を大文字で表すとともに文字の一部をアレンジし、称呼を「キュアレ」とする商標(被請求人商標2)である。よって、被請求人商標2は、ローマ字の小文字を大文字に変更を加えるとともにアレンジされているが、「キュアレ」と称呼が同一視でき、他の観念も生じないことから、本件商標と社会通念上同一と認められる。 (イ)商標権者が使用する商品 商標権者が使用する商品は、請求に係る商品中、第3類「せっけん類,香料」に該当するものである。 まず、「せっけん類」については、本件タブロイドの9頁の最下段に「アロマオイル配合のシャンプーで、コシのあるふんわり髪に。AROMA SHAMPOO」との記載及びその記載の左側には、シャンプー容器に被請求人商標2が付された写真が表記されていることから、商品「せっけん類」の使用である。 次に、「香料」については、a 本件タブロイドの9頁の上段に「体と心を緩めてくれる、ストレスフリーアロマ、ORGANIC AROMA」との記載及びその記載の左側には、被請求人商標2が付されたアロマ容器の写真が表記されている。b aの記載の下に「敏感な肌を、優しいテクスチャと香りで保湿、ORGANIC BALM」との記載及びその記載の左側には、被請求人商標2が付されたアロマ容器の写真が表記されている。c bの記載の下に「アロマの香りで筋肉をゆるめる」「塗るだけ整体、AROMA STICK」との記載及びその記載の左側には、被請求人商標2が付されたアロマ容器の写真が表記されている。以上aないしcは、商品「香料」の使用である。 (ウ)使用時期 本件タブロイドには、作成され頒布された使用時期の表記が無いため、外部業者であるCLUTCHWERKS、合同会社クラッチワークスに本件タブロイドを作製依頼した証拠となる取引伝票(乙3、乙5、乙7、乙9)により、使用時期を証明する。 乙3は、「キュアレ商品タブロイド 御見積書」とするものであり、CLUTCHWERKSからクワトロハート社宛てに発行され、左上箇所に「Date:2019/7/16」と記載されている。 乙5は、「タブロイドvol.2 御見積書」とするものであり、CLUTCHWERKSからクワトロハート社宛てに発行され、左上箇所に「Date:2020/2/18」と記載されている。 乙7は、「請求書」「品目 タブロイド印刷費」とするものであり、合同会社クラッチワークスからクワトロハート社宛てに発行され、右上箇所に「請求日:2021/05/31」と記載されている。 乙9は、「請求書」「品目 CURE:REタブロイドvol.04」とするものであり、合同会社クラッチワークスからキュアレ社宛てに発行され、右上箇所に「請求日:2022/11/30」と記載されている。 その後、本件タブロイドは印刷され、それぞれ次号の発刊まで頒布されている。 (エ)使用場所 本件タブロイドは、日本国内で作製され頒布されたものである。 (オ)使用者 乙2、乙4及び乙6のタブロイドの裏表紙にはクワトロハート社、乙8のタブロイドはキュアレ社の会社名が表記されており、商標権者が本件商標の使用者である。 イ 商標権者は、本件商標を付した自己の商品をウェブサイトのYouTube(以下、単に「YouTube」という。)にアップロードして不特定多数の需要者に対して紹介を行っている。 (ア)乙10ないし乙13(YouTube1~4)において、商標権者のスタッフにより、自社商品である香料(アロマ)及びシャンプーについて紹介をしている。 検索日:2023年7月7日、同年6月30日 公開日:2019年10月7日、同年12月18日、2022年2月21日、同月24日 (イ)使用している商標 使用している商標は、上記ア(ア)で説明したとおりの「被請求人商標1」と「被請求人商標2」で本件商標である。 (ウ)商標権者が使用する商品(乙10~乙13) 乙10及び乙11における商標権者が使用する商品は、スクリーンショット2枚目に「オーガニックアロマの詳細・ご注文はCURE:RE(キュアレ)の公式サイトから!」の被請求人商標1の表記と、被請求人商標2とその商品の写真が表記されていることから「香料」の使用である。 乙12及び乙13における商標権者が使用する商品は、スクリーンショット2枚目に「アロマシャンプーの詳細・ご注文はCURE:RE(キュアレ)の公式サイトから!」と被請求人商標1の表記、被請求人商標2とその商品の写真が表記されていることから「せっけん類」の使用である。 (エ)使用時期 YouTube1ないし4は、商標権者がアップし、それぞれ上記(ア)の公開日に公開されて以降、現時点でも閲覧可能である。この公開日は、YouTube1ないし4の詳細ボタンをクリックすると表示される。 (オ)使用場所 YouTube1ないし4は、日本国内で作製され放映された動画である。 (カ)使用者 YouTube1ないし4は、商標権者によりアップロードされたもので、また、動画の人物は商標権者のスタッフである。 したがって、本件商標は、日本国内において、要証期間に商標権者により使用されている。 2 審尋に対応する回答(上申書の内容も含む。) (1)クワトロハート社及び商標権者(キュアレ社)の関係について クワトロハート社の会社法人等番号は、乙16に記載のとおり「0110-01-067537」であるところ、商標権者(キュアレ社)の会社法人等番号は、乙17に記載のとおり同じであり、実質的に同一の会社である。 乙16は、キュアレ社に商号変更を行う前のクワトロハート社の令和3年8月11日に取得した履歴事項全部証明書で、乙17は、キュアレ社へと商号変更を行った後の同年11月24日に取得した履歴事項全部証明書である。 よって、商号変更時期は、令和3(2021)年8月11日以後、同年11月24日前である。 これにより、タブロイドVol3(乙6)は、商号変更前のクワトロハート社が発刊し、その請求書(乙7)は2021年(令和3年)5月31日付け同社宛で、タブロイドVol4(乙8)は、商号変更後のキュアレ社が発刊し、その請求書(乙9)は2022年(令和4年)11月30日付け同社宛であり、商号変更時期とタブロイド・取引書類日付において齟齬がない。 (2)商標権者が、タブロイド(乙4、乙6、乙8)を頒布したことについて 乙18において、左側から「発送日」欄が要証期間内である「2021-3-29」には、「商品名欄」に「キュアレタブロイドvol2【50部】」「2021-6-23」「2021-10-6」には、「商品名欄」に「キュアレタブロイドvol3【50部】」の配布内容を、そして「配送先郵便番号、配送先住所」、配送業者は佐川急便である。なお、乙18の表は、個人情報であるとされる配送先の名称・電話番号・住所の番地ビル名は表に含めていない。 (3)使用している商標について ア 被請求人商標2は、「CU」の文字に続く「R」は一部の縦線がなく、「E」は縦線のない文字デザインとなっており、当該文字の中央上部には矢印で楕円を表したような図形も配されているが、本件商標の小文字の書体箇所を大文字で表すとともに文字の一部をアレンジし、称呼を「キュアレ」とするもののみであって、上段に略楕円形のロゴを結合とする商標ではない。すなわち、このような使用は、実際の取引態様に応じて、しばしば行われることで、被請求人商標2に接する需要者は、その構成中、外観上見やすく、かつ、キュアレと称呼しやすい「CURE:RE」の文字部分に強く印象づけられるというのが相当で、当該文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。 イ タブロイド(乙6)の2ページ上方に記載の「CURE:RE CONCEPT」は、「CONCEPT」の文字部分は「構想、発想」などを意味する英語として親しまれているから、「商品の構想、発想」ほどの意味合いを容易に理解させるものであり、web上などで商品「コンセプト」として広く使用されているものである。したがって、「CONCEPT」の文字部分は自他商品の識別標識としての機能を有しない又は極めて弱いものであるから、「CURE:RE」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有する要部といえる。してみれば、上記の商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるべきである。 ウ 「CURE:REカスタマーサポート」については、「CURE:RE」と「カスタマーサポート」の文字からなるところ、「カスタマーサポート」は商品の顧客からの問い合わせに対応する部署を示すものであって、これらの文字自体では識別標識としての機能を果たし得ないから、自他商品を識別する商標としての「CURE:RE」の文字からなる本件商標の本質的機能は損なわれていないというべきである。タブロイド(乙6)に表示された上記文字の使用は、本件商標と同一性を有するものと判断するのが相当で、指定商品「香料」「せっけん類」に使用していたものといえる。 (4)商品写真(乙19~乙22)と取引送付(乙18)について ア 乙19の商品の裏面のラベルには、「品名 エッセンシャル」「材料 レモンティートゥリー、ローズマリー、….」「内容量 5ml」の記載、「発売元」としてクワトロハート社などの記載がある。 乙20の商品(AROMA SHAMPOO)の裏面のラベルには、「NET:300mL」の記載、「発売元」としてクワトロハート社などの記載がある。 乙21の商品の裏面のラベルには、「オーガニックバーム」「[内容量] 40mL」の記載、「発売元」としてクワトロハート社などの記載がある。 乙22の商品の裏面のラベルには、「販売名 アロマスティック」「内容量 7.5ml」の記載、「発売元」として商標権者(キュアレ社)などの記載がある。 イ これら商品の販売された証拠として、要証期間内に本件商品について、取引送付があったことを証する証拠(乙18)において、発送日2021/03/29、商品名アロマスティック(7.5ml)、配送先 埼玉県さいたま市宛て、同日に、埼玉県越谷市にも配送業者佐川急便により配送されている。また、発送日2021/03/29、商品名キュアレオーガニックバーム(40ml)、配送先 埼玉県さいたま市宛て、同日に埼玉県越谷市にも佐川急便により配送されている。 (5)YouTubeについて ア 「株式会社キュアレ」でweb検索すると、公式サイトのホームページのトップ画面が表示される(乙23、スクリーンショット1頁)。そのトップ画面のまま一番下までスクロールすると、「株式会社キュアレ」と、住所などの企業情報が掲載されている(スクリーンショット2頁)。 次に、トップ画面のバー「商品一覧」をクリックすると、そのリンク先で、商標権者が取り扱う商品が表示される画面に遷移する(スクリーンショット3頁)。 そして、「ストレスケアシリーズ 商品一覧」の画像の内、例えば、「ORGANIC BALM」をクリックすると、商品購入画面に遷移し(スクリーンショット4頁)、この画面には、過去に公開したYouTubeが見られるようになっているから、YouTubeチャンネルを運営しているのは商標権者であることが明らかである。 イ 乙10及び乙11の動画内で「CURE:RE(キュアレ)の」が二行目に、「公式サイトから!」が三行目に示されているが、「公式サイトから!」の文字部分は、webページの販売サイトにおいて、一般に広く用いられるものである。そうすると、「CURE:RE」の文字部分を除いたその他の文字部分は、香料の商品「オーガニックアロマ」との関係において自他商品の識別標識としての機能を有しないから、「CURE:RE」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有する要部といえるものであり、本件商標の欧文字部分のつづり及び「:」の記号を共通にし、書体のみに変更を加えたものであるから、社会通念上同一の商標と認められるべきである。 (6)「CURE:RE STRESS CARE SERIES」について(乙24、乙29、以下これらをまとめて「本件パンフレット」という場合がある。) ア 本件パンフレットは、その表紙に、楕円形のような図形と図案化された標章及びその下に小さく「LIFE & BODY CARE PARTNER」の文字を表し、その下にスペースを設けて、「CURE:RE」の文字と、その横に当該文字よりも小さな文字で「STRESS CARE SERIES」の文字を一連に横書きし、さらに、その下に「キュアレ ストレスケアシリーズ」の文字を表した、三つ折りのパンフレットである。三つ折りの裏表紙にあたる黒地の紙面には、商標権者(キュアレ社、乙24)、クワトロハート社(乙29)の名称及び住所の記載があり、中面には「STORY」の上に、表紙と同様に、「CURE:RE」の文字と、その横に当該文字よりも小さな文字で「ORGANIC AROMA」と商品写真、「5ml」と商品価格の記載があり、その右横(折り畳み中央頁)上に「キュアレ ストレスケアシリーズでは、キュアレ オーガニックアロマを使用したケアアイテムをご用意しています。」の記載がある。そして、その下部に「キュアレ オーガニックバーム CURE:RE ORGANIC BALM」、その商品写真・商品説明と「40ml」及び商品価格、その下には、「キュアレ アロマスティック CURE:RE AROMA STICK」とその商品写真・商品説明と「7.5ml」及び商品価格、さらに、その下には「キュアレ アロマシャンプー CURE:RE AROMA SHAMPOO」とその商品写真・商品説明と「300ml」及び商品価格の記載がある。 本件パンフレットは出所表示(社名と住所)が異なる以外は全く同一の内容記載となっており、クワトロハート社の時期に本件パンフレットは存在していた。 イ 本件パンフレットは、乙18を含む乙25の発送履歴リストのとおり、日本各地宛てに11件の配送が抽出された。 ウ 2020年1月18日付けのキュアレ代理店卸事業の担当者から代理店へのSNSチャット(乙28)で、本件パンフレットのpdfファイルが2020年1月18日にアップロードされた旨の記載があり、本件パンフレットは要証期間内の2020年1月18日には存在していたことが分かる。また、2020年1月21日付けのクワトロハート社のキュアレ制作依頼担当者とTF(TAKE FRONTIER社)とのSNSチャット(乙30)で、TF(TAKE FRONTIER社)は、本件パンフレットについて、お届けは「(2020年)1月27日(月)を予定」との回答をしており、納品に関しSNSチャットで行っている。 エ 本件パンフレットに掲載された本件商標を使用しているとする商品について、商品の裏面のラベル(乙19~乙22)には、クワトロハート社(乙19~乙21)及び商標権者(キュアレ社、乙22)の住所の記載、商品の原材料名表示、内容量の記載があることから、本件パンフレットに掲載されている商品とそれぞれの商品の裏面ラベルの商品は同一視できるものである。 そして、これらの商品は、本件審判の請求に係る商品中、「せっけん類,香料」に含まれる商品である。 オ 本件パンフレットには、「CURE:RE」と「CURE:RE STRESS CARE SERIES」の文字を一連にゴシック体様の文字で横書きしたものよりなるところ、「STRESS CARE SERIES」の文字部分の「STRESS」と「CARE SERIES」が、「ストレス」 「緩和」「シリーズ(連続性を持つ一連のもの)」などを意味する英語としてそれぞれ広く親しまれている語であって、当該文字全体よりは「ストレスをケアするシリーズ」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。そして、ストレスを緩和する香料やせっけん類を取り扱う業界においては、香りが心身に影響を及ぼし、ストレスを緩和するものを「ストレスケア」と称して一般に使用されている。 また、「SERIES(シリーズ)」の文字は上記のとおり、連続性を持つ一連のものを意味する語であって、一連の商品群等を指称する際に一般に広く用いられている。 そうすると、「ストレスケアシリーズ」の欧文字表示である「STRESS CARE SERIES」の文字部分は、ストレスケアの商品との関係においては、ケアをすることができる一連の商品群であること、すなわち商品の用途、効能を表す文字であり、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、有するとしても極めて弱いものである。 したがって、上記「CURE:RE STRESS CARE SERIES」は、その構成中「CURE:RE」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有する要部といえるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。 さらに、「CURE:RE AROMA SHAMPOO」、「CURE:RE ORGANIC BALM」等のうち「CURE:RE」(以下「被請求人商標3」という。)は、「CURE:RE」と「ORGANIC AROMA SHAMPOO」「ORGANIC BALM」との間にスペースがあり分離されていること、「CURE:RE」の文字が「AROMA SHAMPOO」「ORGANIC BALM」の文字よりも大きいこと、かつ、「AROMA SHAMPOO」が指定商品「せっけん類」との関係、「ORGANIC BALM」が指定商品「香料」との関係よりすれば、自他商品識別力を有しないものであるから、自他商品識別力を有するのは「CURE:RE」の文字部分である。したがって、本件パンフレットの被請求人商標3は、本件商標の使用と認められるべきである。 そして、商標権者は本件パンフレットを頒布することによって上記商品について、被請求人商標3を表示して広告を行ったものといえ、当該広告は日本語で記載され、頒布先も日本国内であるから、日本国内での使用であること明らかである。 そして、商標権者による上記行為は、商標法第2条第3項第8号の「商品に関する広告に標章を付して頒布する行為」に該当するものである。 第5 当審の判断 1 被請求人の主張及び提出した証拠によれば、以下のとおりである。 (1)クワトロハート社及び商標権者(キュアレ社)の関係について ア 本件商標の登録査定時の商標権者であったクワトロハート社の会社法人等番号は、「0110-01-067537」(乙16)であるところ、当該番号は、商標権者(キュアレ社)の会社法人等番号と同一である(乙17)。 令和3年8月11日取得の乙16によれば、当該会社法人等番号における商号は株式会社クワトロハートであり、同年11月24日に取得した乙17によれば、商号は株式会社キュアレである。 イ なお、本件商標の登録原簿における「登録名義人の表示の変更」は、同5年5月23日に受付けられたものであって、クワトロハート社からキュアレ社と変更されたものである(乙1)。 (2)キュアレストレスケアシリーズのパンフレット(乙24、乙29(本件パンフレット))について ア 本件パンフレットは、その表紙に、上から楕円形のような図形と図案化された標章(被請求人商標2)を配し、その下に小さく「LIFE & BODY CARE PARTNER」の文字を表し、その下にスペースを設けて、「CURE:RE」の文字と、その横に当該文字よりもやや小さな文字で「STRESS CARE SERIES」の文字を一連に横書きし、さらに、その下に「キュアレストレスケアシリーズ」の文字を表した、三つ折りのパンフレットである。三つ折りの裏表紙にあたる黒地の紙面には、キュアレ社(乙24)、クワトロハート社(乙29)の名称及び住所の記載がある。中面には「キュアレ オーガニックバーム CURE:RE ORGANIC BALM」(以下「CURE:RE ORGANIC BALM」を「使用商標」という。)、「成分:ヒマワリ種子油、ホホバ種子油・・・」、「40ml」と商品価格(以下「キュアレ オーガニックバーム」とする商品を「使用商品」という。)等の商品に関する記載及び商品のパッケージ写真が掲載されている。 イ 担当者のSNSチャットについて(乙28、乙30) (ア)キュアレ代理店卸事業の担当者から代理店宛てのメール(乙28、被請求人主張)によれば、本件パンフレットは、2020年1月18日に電子データとしてアップロードされている。 (イ)本件パンフレットの納期について、クワトロハート社の担当者からTF(TAKE FRONTIER社)とのSNSチャットにおいて、2020年1月27日を予定している旨の記載がある。 (3)商品の裏面ラベル(乙21)について 乙21の商品の裏面のラベルには、「キュアレ」「オーガニックバーム<化粧用油>」、「[内容量]40mL」、「[全成分]ヒマワリ種子油、ホホバ種子油・・・」、「発売元:株式会社クワトロハート」の記載がある。 (4)本件パンフレットの頒布(乙25)について 5段目に「発送日 2020-09-15」「商品名 ストレスケアシリーズパンフレット【100部】」「都道府県 宮城県」「配送業者 佐川急便」の記載、8段目に「発送日 2020-06-18」「商品名 ストレスケアシリーズパンフレット【100部】」「都道府県 神奈川県」「配送業者 佐川急便」の記載がある。 2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用商品について 被請求人が、本件商標を使用したと主張する使用商品の一つは、上記1(2)アの本件パンフレットに掲載された「オーガニックバーム」「ORGANIC BALM」とするものであるところ、上記1(3)の商品パッケージの裏面のラベルには、「オーガニックバーム<化粧用油>」、商品の成分、内容量の記載があり、これらの記載は、本件パンフレットの「オーガニックバーム」の記載と一致することから、本件パンフレットに掲載されている使用商品と乙21の裏面ラベルの商品は同一視できるものである。 そして、上記1(3)のとおり、使用商品と認められる商品パッケージの裏面ラベルには「化粧用油」との記載があることから、使用商品は、本件審判の請求に係る指定商品中、「化粧品」に含まれる商品といえる。 (2)使用商標について 本件商標は、別掲1のとおり「Cure:re」の文字及び記号よりなるところ、当該文字よりは特定の観念を生じないものである。 一方、使用商標は、「キュアレ オーガニックバーム」の片仮名表記の横に欧文字で「CURE:RE ORGANIC BALM」の文字を横書きしたものであり、構成中の「CURE:RE」の文字部分は、辞書に掲載のない造語であるところ、「ORGANIC BALM」の文字は、それぞれ「有機体(物)の、有機の」(研究社 新英和中辞典(第7版))、「香油、バルム、芳香のある軟膏」(英辞郎ontheWEB https://eow.alc.co.jp/search?q=balm)を意味する語として親しまれたものであるから、「ORGANIC BALM」の文字部分は、「有機の香油又は有機の芳香のある軟膏」くらいの意味合いを容易に理解させるものである。 そして、「ORGANIC BALM」(オーガニックバーム)の文字は、本件商標の第3類の指定商品中「化粧品」を取り扱う業界においては、髪やリップ等の保湿のための「有機栽培で育てられた植物由来の原料を配合したバーム」といった商品を表すものとして使用されている。(参考:https://kanatta-library.jp/post-20521/ 、https://lipscosme.com/articles/5485 、https://more-nature.com/1787) そうとすれば、使用商標の構成中の「ORGANIC BALM」の文字部分は、商品の品質を表示するものといえるから、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、有するとしても極めて弱いものである。 したがって、使用商標は、その構成中「CURE:RE」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を有する要部といえるものであり、当該「CURE:RE」は、本件商標と一部構成文字における大文字と小文字の差異はあるが、欧文字部分のつづり及び「:」の記号を共通にし、一般に用いられる書体における変更を加えたにすぎないものであるから、社会通念上同一の商標と認められる。 (3)使用者及び使用時期についてについて 上記1(1)によれば、本件商標の権利者は令和5年5月23日に、クワトロハート社からキュアレ社に登録名義人の変更がおこなわれたものである(乙1)。 しかしながら、上記1(1)によれば、クワトロハート社とキュアレ社は会社法人等番号が同じであり、当該法人等番号における令和3年11月24日付けの履歴事項全部証明書における商号が「株式会社キュアレ」とあることから、少なくとも同日までには、クワトロハート社からキュアレ社への商号変更が行われたものと推認できる。 そして、本件審判の要証期間は上記第1のとおり、令和2年(2020年)1月18日から令和5年(2023年)1月17日までであるから、実質的には、要証期間内において同3年(2021年)11月24日以前はクワトロハート社が商標権者であって、それ以降はキュアレ社が商標権者であることが推認される。 そこで検討するに、上記1(2)イのとおり、クワトロハート社の担当者のSNSチャットによれば、本件パンフレットについては、2020年1月18日に電子データとしてアップロードされ、同月27日に納品されていたと推認できるから、本件パンフレットのうち、乙29のパンフレットは、遅くとも2020年1月27日以降、クワトロハート社が商標権者であった時期に存在していたと推認できる。 そして、上記1(2)によれば、乙29のパンフレットには、クワトロハート社の名称及び住所が記載されており、乙29のパンフレットの納品された日において、実質的な商標権者はクワトロハート社であったから、乙29のパンフレットは、商標権者であるクワトロハート社に係るパンフレットということができる。 また、本件パンフレットの発送データ(乙25)は被請求人より提供されたものであるところ、当該発送データの発送日である2020年9月15日及び同年6月18日においても、実質的な商標権者はクワトロハート社であるから、上記発送日に送付されたのは、乙29のパンフレットと推認される。 そうすると、使用商標が掲載されている乙29のパンフレットを頒布したのは、その頒布日において実質的な商標権者であるクワトロハート社であると認められるから、使用商標の使用者は、商標権者であるとして差し支えない。 また、乙29のパンフレットの発送日は、乙29のパンフレットの納品日後であり、乙29のパンフレットの作成、納品及び発送日について不合理な点は見当たらない。 そうすると、乙29のパンフレットは、2020年(令和3年)9月15日及び同年6月18日に頒布されたものと推認することができ、当該日付は要証期間内である。 (4)使用行為及び使用場所について 使用商標は、使用商品に係る乙29のパンフレットに付されていたといえる。 そうすると、商標権者は、乙29のパンフレットを頒布することによって、使用商品について、使用商標を表示して広告を行ったものと推認して差し支えない。 また、当該広告は日本語で記載され、その頒布先も日本国内であるから、その使用は日本国内であること明らかである。 (5)小括 上記(1)ないし(4)によれば、商標権者は、要証期間内に、日本国内において、請求に係る商品の範ちゅうに含まれる商品(化粧品)に関する広告を内容とする情報が掲載された乙29のパンフレットに、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示して頒布していたと認められる。 そして、商標権者による上記行為は、商標法第2条第3項第8号の「商品に関する広告に標章を付して頒布する行為」に該当するものである。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者がその請求に係る商品について本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したといえる。 したがって、本件商標の登録は、その請求に係る商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-301118

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