審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標拒絶査定不服審判

2023-008847

セキュアスカイテクノロジー、セキュアスカイ、セキュア、スカイ、エスケイワイ、テクノロジー、エスエステイ

審判番号
2023-008847
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2022-093748
請求日
2023年05月30日
審決日
2024年10月16日
公報発行日
2024年12月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社セキュアスカイ・テクノロジー
  • 【請求人代理人】Authense弁理士法人
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 杉本 克治
  • 審判官 青野 紀子
分類
T18 .261-Z (W0942) / T18 .262-Z (W0942) / T18 .263-Z (W0942)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法6条1項商標法6条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第6条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2022-93748拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類及び第42類に属する願書に記載されたとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和4年8月1日に商標登録出願されたものである。 本願は、令和4年12月12日付けで拒絶理由の通知がされ、同5年1月24日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年3月17日付けで拒絶査定がされたもので、これに対して、同年5月30日に拒絶査定不服審判の請求がされ、同日に手続補正書が提出されたものである。 そして、本願の指定商品及び指定役務については、原審及び当審における上記手続補正書にて、第9類及び第42類に属する別掲2のとおりの商品及び役務に補正された。 第2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定において、要旨以下1及び2のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。 1 本願の指定商品及び指定役務は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない商品及び役務を包含し、かつ、政令で定める商品及び役務の区分に従って指定したものと認められない商品及び役務を包含している。 したがって、本願は、商標法第6条第1項及び同条第2項の要件を具備しない。 2 本願商標は、次の(1)ないし(4)の商標と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (1)登録第1047769号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:別掲3のとおり 登録出願日:昭和44年12月3日 設定登録日:昭和48年12月17日 書換登録日:平成16年4月14日 最新更新登録日:令和5年11月20日 指定商品:「おもちゃ,人形」を含む第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 (2)登録第5238639号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:別掲4のとおり 登録出願日:平成19年6月26日 設定登録日:平成21年6月12日 最新更新登録日:令和元年6月25日 指定役務:「印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務 (3)登録第5706885号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:SST(標準文字) 登録出願日:平成25年6月24日 設定登録日:平成26年10月3日 指定商品:第9類「タイプフェースデザイン及び装飾的デザインを生成するためのコンピュータソフトウェア,コンピュータ用の文字・記号のタイプフェース・フォント・タイプフォント・タイプデザインの電子データを記憶させた記録媒体」及び第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 (4)登録第5937051号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:SST(標準文字) 登録出願日:平成28年10月4日 設定登録日:平成29年3月31日 指定役務:別掲5のとおりの役務を含む第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務 なお、引用商標1ないし引用商標4の商標権は、いずれも現に有効に存続しているものであり、引用商標1ないし引用商標4をまとめていう場合には、以下「引用商標」という。 第3 当審の判断 1 商標法第6条第1項及び同条第2項について 本願に係る指定商品及び指定役務中、第9類「コンピュータ及びインターネット上で稼働するパッケージソフトウェア」は、上記第1の手続補正書において、何ら補正されていないものであるから、いまだその内容及び範囲を明確に指定したものとはいえない。 また、本願に係る指定商品及び指定役務中、第42類「コンピュータデータ、個人、金融又は財務の情報の安全確保のため、及びデータ及び情報への不正アクセスの検知のためのコンピュータ及び技術に関する助言」について、例えば「コンピュータの修理に関する助言」が第37類、「コンピュータの製造に関する助言」が第40類、「コンピュータの設計に関する助言」が第42類のように、「コンピュータ」の何に関する助言かによって、政令で定める商品及び役務の区分が異なるため、「コンピュータ」の何に関する助言かが不明な当該役務は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められず、かつ、政令で定める商品及び役務の区分に従って、第42類の役務を指定したものと認めることもできない。 したがって、本願は、商標法第6条第1項及び同条第2項の要件を具備しない。 2 商標法第4条第1項第11号について (1)本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、「SST」の欧文字(以下「本願上段文字部分」という。)と、「Secure Sky Technology」の欧文字(以下「本願下段文字部分」という。)を、2段に書してなるところ、本願上段文字部分については、当該文字の中央やや下寄りの位置に橙色の横長円弧状図形を重なるように配し、当該文字に円弧状図形を重ねた部分の下部を青色で、また、それらの上部のうち、1文字目の「S」と3文字目の「T」の文字は黒色、2文字目の「S」の文字は、円弧状図形と同じ橙色で表し、また、下段の文字は上段の文字の幅に合わせて、小さな文字で表してなるものである。 そして、本願商標を構成する本願上段文字部分と本願下段文字部分とは、重なることなく配置されていることからすると、それぞれが、視覚上、分離して把握されるものである。 また、「SST」の文字については、「超音速輸送機[旅客機]」の意味を有する文字(語)((「新英和中辞典」株式会社研究社)の「SST」の項に「(略)supersonic transport.」の記載、及び「supersonic transport」の項に「超音速輸送機[旅客機]《略 SST》」の記載がある。)として辞書に掲載されているものの、我が国においてその意味が広く一般に知られている語とは認められず、また、本願の指定商品及び指定役務の分野において、当該意味合いやその他の特定の意味合いを有する語として知られているとの事情も見いだせない。 さらに、下段の「Secure Sky Technology」の文字については、「Secure」が「安全な」、「Sky」が「空」、「Technology」が「科学技術」の意味(前掲書)を有するとしても、「Secure Sky Technology」の構成文字全体としては、辞書に掲載はなく、直ちに特定の意味合いを理解させるとはいい難いものである。 そして、たとえ、本願上段文字部分が、本願下段文字部分の構成中「Secure」、「Sky」及び「Technology」の各語の頭文字である「S」、「S」及び「T」を結合したものと認識される場合があるとしても、「SST」の欧文字は、特定の意味合いを想起させる語でなく、「Secure Sky Technology」の文字も特定の意味合いを想起させるものではないことから、本願上段文字部分と本願下段文字部分との間に、観念的な関連性は見いだせない。 そうすると、本願商標は、その構成全体をもって、まとまりある具体的な意味合いを認識させるものではなく、他に、本願商標を構成する、本願上段文字部分と本願下段文字部分とを、常に一体のものとして把握しなければならない特段の事情も見いだせないことからすると、本願商標の構成中、本願上段文字部分と本願下段文字部分とは、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められない。 してみると、本願下段文字部分に比べて、色彩を有した太字で大きく顕著に表されている本願上段文字部分を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 したがって、本願商標は、構成文字全体より生じる「エスエスティーセキュアスカイテクノロジー」の称呼のほか、その要部である「SST」の欧文字に相応して「エスエスティー」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について ア 引用商標1について 引用商標1は、別掲3のとおり、「エスエスティー」の片仮名と「SST」の欧文字とを2段に書してなるところ、上段の「エスエスティー」の片仮名は下段の「SST」の欧文字の読みを特定したものと容易に認識されるものである。 また、引用商標1の構成中、「エスエスティー」の片仮名は、一般的な辞書等に載録された成語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているというような事情も見いだせず、また、「SST」の欧文字は、上記(1)のとおり、特定の意味合いを想起させる語として知られているというような事情も見いだせないものである。 したがって、引用商標1は、「エスエスティー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標2について 引用商標2は、別掲4のとおり、「SST」の欧文字と、「Sky Shop Town」の欧文字を2段に書し、上段に配した縦長にデザインされた「SST」の文字の中央右側に、先頭を右上方に向けた飛行機を模した影状図形と、当該図形に向かって、上段文字の左下部から各文字に重なるように伸ばした直線から構成されるものである。 そして、「SST」の文字については、縦長にデザイン化されて書されているが、いまだ欧文字の「SST」の特徴を有してなり、「SST」の文字を表したものと容易に認識されるものである。 また、本願商標を構成する「SST」の文字部分と「Sky Shop Town」の文字部分とは、重なることなく配置されていることからすると、それぞれが、視覚上、分離して把握されるものである。 さらに、「SST」の文字部分については、上記(1)のとおり、一般に知られている語とは認められず、特定の意味合いを有する語として知られているとの事情も見いだせない。 加えて、下段の「Sky Shop Town」の文字については、「Sky」が「空」、「Shop」が「商店」、「Town」が「町」の意味(前掲書)を有するとしても、「Sky Shop Town」の構成文字全体としては、辞書に掲載はなく、直ちに特定の意味合いを理解させるとはいい難いものである。 そして、たとえ、上段の「SST」の文字が、下段の構成中の「Sky」、「Shop」及び「Town」の各語の頭文字である「S」、「S」及び「T」を結合したものと認識される場合があるとしても、「SST」の欧文字は、特定の意味合いを想起させる語でなく、「Sky Shop Town」の文字も特定の意味合いを想起させる語でないことから、上段文字と下段文字との間に、観念的な関連性は見いだせない。 そうすると、引用商標2は、その構成全体をもって、まとまりある具体的な意味合いを認識させるものではなく、他に、引用商標2を構成する、「SST」と「Sky Shop Town」とを常に一体のものとして把握しなければならない特段の事情も見いだせないことからすると、引用商標2の構成中、「SST」の文字部分と「Sky Shop Town」の文字部分とは、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められない。 してみると、下段文字と比べて、太字で縦長に大きく顕著に表されている上段文字を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 したがって、引用商標2は、構成文字全体より生じる「エスエスティースカイショップタウン」の称呼のほか、その要部である「SST」の欧文字に相応して「エスエスティー」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。 ウ 引用商標3及び引用商標4について 引用商標3及び引用商標4は、上記第2の2(3)及び(4)のとおり、「SST」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、上記(1)のとおり、当該文字は一般に知られている語とは認められず、特定の意味合いを有する語として知られているとの事情も見いだせない。 したがって、引用商標3及び引用商標4は、「エスエスティー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)本願商標と引用商標との類否について ア 外観について 本願商標と引用商標の類否を検討するに、両商標は、それぞれ別掲1、別掲3、別掲4並びに上記第2の2(3)及び(4)のとおりの構成からなるところ、外観において、「Secure Sky Technology」の文字の有無の差異等、その全体の外観を異にするとしても、本願商標の要部である「SST」の欧文字と、引用商標2の要部である「SST」の欧文字並びに引用商標1、引用商標3及び引用商標4との比較においては、両者とも、つづりを共通にするから、両商標は、外観上、近似した印象を与えるものである。 イ 称呼について 本願商標及び引用商標からは、いずれも「エスエスティー」の称呼を生じるものであるから、両商標は、「エスエスティー」の称呼を共通にするものである。 ウ 観念について 本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないから、両商標は、観念において比較することができないものである。 エ 小括 以上によれば、本願商標と引用商標とは、観念においては比較することができないものであるとしても、外観上近似した印象を与えるものであって、称呼を共通にするものであるから、その外観及び称呼において、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察すれば、両商標は、商品又は役務の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。 (4)本願の指定商品及び指定役務と、引用商標の指定商品及び指定役務の類否について ア 本願の指定商品及び指定役務中、第9類「家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM」は、引用商標1の指定商品中、第28類「おもちゃ,人形」と類似する商品である。 イ 本願の指定商品及び指定役務中、第9類「コンピュータ及びネットワークセキュリティに関しコンピュータの利用者に情報を提供し教育するためのコンピュータソフトウエア及び電子出版物,電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスクに記録した電子出版物,その他の電子出版物」は、引用商標2の指定役務中、第35類「印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に類似する商品である。 ウ 本願の指定商品及び指定役務中、第9類「記録された又はダウンロード可能なコンピュータソフトウェアプラットフォーム,記録済み又はダウンロード可能なコンピュータのスクリーンセーバー用のソフトウェア,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータ操作用プログラム(記憶されたもの),コンピュータハードウエア,コンピュータウイルスや不正侵入などの脅威からコンピュータネットワークを保護するためのセキュリティ機能を統合管理するコンピュータハードウエア,コンピュータソフトウエア,コンピュータユーティリティソフトウエア,ファイアウォール用コンピュータソフトウエア,コンピュータのデータセキュリティ用コンピュータソフトウェアその他のコンピュータソフトウェア,コンピュータの附属品,機密情報漏洩防止用コンピュータソフトウェア,コンピュータ及びネットワークセキュリティに関しコンピュータの利用者に情報を提供し教育するためのコンピュータソフトウエア及び電子出版物,規制コンプライアンスを監視・報告・実行するためのコンピュータソフトウエア,データのバックアップ及び回復のためのコンピュータソフトウエア,データの秘密性を保護し強化するためのコンピュータハードウエア及びコンピュータソフトウエア,データ・コンピュータ・コンピュータソフトウエア・コンピュータネットワークの完全な状態を保護又は回復するためのコンピュータハードウエア及びコンピュータソフトウエア,データの有効性及びコンピュータのインフラストラクチャーを保護又は回復するためのコンピュータハードウエア及びコンピュータソフトウエア,コンピュータ用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスクその他の記録媒体,コンピュータプログラム,コンピュータソフトウエア(記憶させたもの),コンピュータ及びインターネット上で稼働するパッケージソフトウェア,認証機能を備えたコンピュータプログラム,コンピュータプログラムを記憶させた記録媒体,通信ネットワークを通じてダウンロード可能なコンピュータプログラム」は、引用商標3の指定商品中、第9類「タイプフェースデザイン及び装飾的デザインを生成するためのコンピュータソフトウェア,コンピュータ用の文字・記号のタイプフェース・フォント・タイプフォント・タイプデザインの電子データを記憶させた記録媒体」と同一又は類似の商品である。 エ 本願の指定商品及び指定役務中、別掲2に掲げる第42類の役務は、引用商標4の指定役務中、別掲5に掲げる第42類の役務と同一又は類似の役務である。 (5)まとめ 以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願商標は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務について使用するものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 請求人の主張について (1)請求人は、本願商標の構成中、下段部分の「Secure Sky Technology」の文字が、出願人の略称の英語表記であり、「空=インターネット」の安全を守るための技術を持つ会社であることを示しており、また、上段部分の「SST」が、下段部分の頭文字を表した語であるから、上段及び下段とは観念上もつながりがあり、その構成全体をもって、一つの商標である旨主張する。 しかしながら、上記2(1)のとおり、当該下段部分が、上記のような意味合いを有する語として一般に知られているわけではなく、また、「SST」の文字も下段部分の頭文字を表した語として知られているといったような事情もなく、本願商標における上段文字と下段文字との間に観念的な関連性は見いだせない。 むしろ、視覚上、下段文字と比べて、色彩を有し、太字で大きく顕著に表されている上段文字を要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。 (2)請求人は、現代のネット社会では、電話による注文よりもインターネットによる注文の方が圧倒的に多いため、外観の差異が重要視されるべきである旨主張する。 しかしながら、「インターネットを中心とする「視覚」に訴える情報媒体が普及することによって、広告・商品表示等において、図形の持つ情報伝達力が重要性を増しているということができるが、そうであるからといって、文字の持つ情報伝達力が重要であることには変わりはない」(知的財産高等裁判所平成18年(行ケ)第10280号同年12月20日判決)。 そして、「商標の類否観察は、現実の取引に鑑み、両商標を時と所を異にして観察する離隔的観察の方法によって行うべきである」(東京高等裁判所平成15年(行ケ)第414号同16年3月11日判決)ところ、本願商標及び引用商標はいずれも特定の観念を生じないものであるから、両商標の離隔的観察においては、外観及び称呼を記憶し、これらを頼りに出所を識別するというべきであり、外観のみが重要視されるというべき特段の事情は見いだせない。 そうすると、上記2(3)のとおり、本願商標と引用商標とは、観念においては比較することができないとしても、外観上近似した印象を与えるものであって、称呼を共通にするものであるから、両商標は、類似の商標と判断するのが相当である。 (3)請求人は、本願商標と引用商標における使用の実情並びに提供する商品及びサービスの違いからも、本願商標は引用商標との間で出所の混同が生じるおそれはなく、非類似である旨主張する。 しかしながら、「商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品及び指定役務全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、単に該商標が現在使用されている商品及び役務についてのみの特殊的、限定的なそれを指すものではない(最高裁判所昭和47年(行ツ)第33号同49年4月25日判決)。 そして、請求人の主張に係る取引の実情は、本願商標及び引用商標における現在の使用を挙げるにとどまるものであって、両商標の類否の判断に当たり考慮すべき一般的、恒常的な取引の実情とはいえない。 (4)請求人は、称呼の同一を凌駕する外観・観念の違いにより非類似であると判断された過去の審決例や併存登録例を挙げ、本願商標も引用商標と非類似とされるべき旨主張する。 しかしながら、それらの審決例及び併存登録例は、本願商標とは、その構成態様及び指定商品又は指定役務等が異なることから、事案を異にするものであり、かつ、具体的事案の判断においては、過去の審決例等に拘束されることなく判断されるべきであるから、これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。 (5)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。 4 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであり、かつ、本願は、同法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないから、本願商標を登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2023-008847

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存