商標取消審判
2022-301066
コッカクファッション、コッカク
- 審判番号
- 2022-301066
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2017-021794外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 5968594
- 請求日
- 2022年12月08日
- 審決日
- 2024年04月30日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 分類
- T131 .1 -Z (W254145)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 識別力・商標の種類(本文から自動判定・参考)
- 標準文字
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項、商標法第50条第2項、商標法第50条、商標法第50条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5968594号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5968594号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5968594号商標(以下「本件商標」という。)は、「骨格ファッション」の文字を標準文字で表してなり、平成29年2月9日に登録出願、第25類「被服,履物,ベルト,バンド,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,資格試験の実施及び資格の認定・資格の付与,電子出版物の提供,書籍の制作,電子出版物の制作,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」及び第45類「ファッション情報の提供,ファッションに関する指導・助言又は相談,衣服の貸与,装身具の貸与」を指定商品及び指定役務として、同年8月4日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、令和4年12月28日になされたものであるから、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年12月28日から令和4年12月27日までの期間(以下「要証期間」という。)である。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書において、本件商標は、その指定商品及び指定役務(以下「本件審判請求に係る指定商品及び指定役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張し、証拠方法として甲第1号証を提出した。
なお、請求人は、令和5年3月7日付け審判答弁書(以下「答弁書」という。)に対し、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)を提出した。
以下、証拠の表記にあたっては、乙第1号証を「乙1」のように省略して記載する場合があり、枝番号の全てを表示する場合は、枝番号を省略する。
1 答弁の理由
(1)商標権者について
商標権者は、顧客の職業やライフスタイルにふさわしい服装、ヘアースタイル、メイクアップ、カラーコーディネート、表情、姿勢など、トータル的にコンサルティングをするイメージコンサルタントとして活動をしている者であり、骨格診断に基づく独自のファッション診断手法「骨格ファッション」を確立し、セミナーや研修の講師、プライベートレッスン、イベントの実施・出演のほか、自らプロデュースする被服及び身飾品の販売とそれらの商品の販売に際して被服や身飾品の選択や着こなしなどのファッションに関する助言や指導を行っている。
なお、商標権者は、要証期間当時、「BIL」の屋号で活動していた(乙1)。
(2)本件商標の使用
本件商標は、商標権者が確立した独自のファッション診断手法の名称であるとともに、自らプロデュースする被服及び身飾品に関する名称であって、商標権者の活動を総合的に表すブランド名である。
商標権者は2017年9月頃から本件商標の使用を開始し、要証期間においては、名刺、テキスト、ショップカード、インスタグラムの投稿記事、百貨店の出店における掲示物等において「骨格ファッション」(使用商標)を使用している(乙2の1、乙3、乙9の3ないし8)。
そして、本件商標は「骨格ファッション」を標準文字で表してなるものであるから、使用商標と本件商標とは、その構成文字に相応して同一の称呼が生じる社会通念上同一の商標である。
(3)使用商品の販売及び使用役務の提供
ア 名刺
商標権者の名刺において、氏名の右横に「骨格ファッション」が表示されており(乙2の1)、同名刺は2020年1月頃に商標権者の依頼によりデザインされたものであり(乙2の2)、その後印刷され、要証期間中に取引先に配布されている。
商標権者はデザイン依頼のメールにおいて「R骨格ファッション」(「R」は○付き文字である。)の表示を希望していたが、文字の大きさ及びスペースの関係上、結果的に「R」(「R」は○付き文字である。)が省略されている(乙2の2)。
なお、商標権者の氏名の上に記載されている「ANNUAL RINGS365」は商標権者がプロデュースするジュエリーブランドの名称である。
イ テキスト
骨格診断に基づく独自のファッション診断手法を顧客やセミナー受講者に教授する際に使用するテキストの表紙に「骨格ファッション」が表示されている(乙3)。また、表紙の右下に商標権者の屋号「BIL」(以下「BIL社」という。)を表すロゴが記載されている。
ウ 顧客に対するファッションに関する知識の教授及びキャミソールの販売(ファッションに関する指導及び助言を含む)
商標権者は、要証期間において、テキスト「骨格ファッション」(乙3)を使用して、顧客に対しファッションに関する知識の教授を実施している(乙4の1及び乙4の4)。
そして、商標権者は、同顧客に対し、要証期間にファッションに関する指導及び助言を行った上で、独自のファッション診断手法「骨格ファッション」に基づきプロデュースしたキャミソール(ノースリーブ)を販売している(乙4の1ないし3、乙4の5)。
エ 雑誌の企画におけるファッションに関する知識の教授
商標権者は、要証期間において、雑誌「poroco」の企画において、テキスト「骨格ファッション」(乙3)を使用して、読者に対しファッションに関する知識の教授を実施している(乙5)。
オ イベントの開催(ファッションに関する知識の教授及びファッションに関する指導・助言を含む)
要証期間中は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためのイベント開催制限により、商標権者はイベント活動をすることができなかったが、イベント開催制限がなされる前は、ファッションに関する知識の教授及びファッションに関する指導・助言を内容とするイベントを定期的に実施していた(乙6、乙7)。
また、商標権者は、要証期間中にイベントの出演依頼を受けており(乙8の1)、同イベントの告知内容に関して、「骨格ファッション」の使用についてイベント担当者とメールで連絡をとっている(乙8の2)。なお、同イベントは2023年3月に実施される予定である(乙8の3)。
カ 百貨店におけるファッションに関する指導及び助言
商標権者は、要証期間において、自らがプロデュースする指輪等のジュエリーを有名百貨店で販売しており、その販売に際し独自のファッション診断手法「骨格ファッション」に基づくファッションに関する助言及び指導を行っている(乙9)。
ショップカード、プレスリリース、店頭の掲示物には「骨格ファッション」が表示されている(乙9の3、乙9の4、乙9の6及び乙9の7)。また、インスタグラム投稿記事のハッシュタグとして「骨格ファッション」が表示されている(乙9の5)。さらに、百貨店が投稿するインスタグラム広告文に関するメール中に「骨格ファッション」が表示されている(乙9の8)。
そして、商標権者より商品を購入した顧客のウェブサイト記事及びインスタグラム投稿記事において、商標権者らのアドバイスに基づき商品を購入した旨がコメントとして記載されており、「骨格ファッション」が表示されているショップカードの写真が掲載されていることからも(乙9の12及び乙9の13)、商標権者が「骨格ファッション」を使用してファッションに関する指導及び助言を実施していたことがわかる。
(4)結論
以上のとおり、本件商標は、要証期間に日本国内において商標権者により本件審判請求に係る指定商品及び指定役務について使用されている。
第4 当審の判断
1 被請求人の立証責任
商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。
すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、(1)要証期間に、(2)日本国内において、(3)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、(4)本件審判請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての、(5)本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。
2 被請求人が提出した乙各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(1)乙第1号証は、令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書B第一表の写しであり、「住所」の欄に商標権者と同一の住所の記載、「屋号」に「BIL」の記載、「氏名」に商標権者と同じ氏名の記載がある。
これより、商標権者は「BIL」の欧文字よりなる商標(以下「使用商標1」という。)を屋号として使用していたことが推認でき、令和3年は要証期間である。
(2)乙第2号証の1は、商標権者の名刺の表面と裏面のデータと推認し得るものであり、当該名刺は、「Managing director Mayumi Watanabe」の記載の横に「ANNUAL RINGS 365」の記載がある面と「ANNUAL RINGS365 代表 渡部 真弓」の記載の横に「イメージコンサルタント」、「骨格ファッションスタイリスト」の文字よりなる商標(以下「使用商標2」という。)、「カラースタイリスト」及びE-mailアドレスの記載がある面とから構成される。
乙第2号証の2は、2020年1月27日付けのE-mailの写しと推認し得るものであり、タイトルとして「修正データ2」の記載、「吉住弘之 2020年1月27日」の記載、「To 自分」の記載、メールの本文中に「渡辺様」の記載がある。
これより、乙第2号証の1の名刺データが実際に印刷されたことや乙第2号証の2の「渡辺」氏が商標権者と同一人物であることは確認できないが、当該名刺が印刷されたと仮定すると、商標権者の名刺に使用商標2が付されていることは推認できるが、通常、名刺は自己の紹介のために使用するものにすぎず、当該名刺からは、本件商標がいかなる商品又は役務に使用されたものであるか不明であり、かつ、当該名刺を取引書類であると仮定したとしても、当該名刺の作成部数や頒布先、頒布日時等は不明である。
(3)乙第3号証は、被請求人がファッションに関する知識の教授の際に使用するテキストであると主張するものであり、本号証の1葉目に「骨格ファッション」の文字よりなる商標(以下「使用商標3」という。別掲1。)の記載、「魅せるプロが伝える新しい洋服学 似合わなかったお洋服のなぜが明らかに」の記載、略楕円の枠内に「B」の欧文字と「BIL」の欧文字とを2段に配した構成よりなる商標(以下「使用商標4」という。別掲2。)の記載がある。
これより、乙第3号証の作成者、作成日、使用目的、使用された年月日、使用者、印刷部数、頒布先等何ら確認することができず、知識の教授はもとより、いかなる商品又は役務に本件商標が使用されたのか不明である。
また、商標権者により知識の教授等が行われたことを裏付ける証拠もない。
(4)乙第4号証の1は、令和5年3月5日に関麻記子氏が作成した陳述書であり、当該陳述書の中央上部に「陳述書」の記載及び「令和5年3月5日」の記載があり、同氏の住所及び署名捺印がされており、当該陳述書において、同氏は、同2年7月頃、商標権者より、テキスト「骨格ファッション」を使用したファッションに関する知識の教授を受け、同月11日にその代金を商標権者の銀行口座に振り込んだこと、同年10月頃に商標権者がプロデュースしたキャミソールを購入し、同月24日にその代金を商標権者の銀行口座に振り込んだことを陳述している。
乙第4号証の2は、商標権者が令和2年10月頃に販売したものと同型のキャミソールと被請求人が主張する写真の写しである。
乙第4号証の3は、PRINKの久保由美子氏(以下「PRINK社」という。)が作成した納品書であり、当該納品書の中央上部に「納品書」の記載、その右下に「2017年3月1日」の記載、その左下に「BIL 御中」及び「オリジナル製品として」の記載、その右側に「PRINK 久保由美子」及び住所、電話番号、FAXの記載、「品名・品番」として「ノースリーブ 白」、「ノースリーブ 茶」、「ノースリーブ 紺」、「長袖ブラウス 赤」、「長袖ブラウス 青」及び「長袖ブラウス キャメル」の記載がある。
乙第4号証の4は、預金通帳の写しであり、「2-07-11 90087 送金 104,500」の記載がある。
乙第4号証の5は、預金通帳の写しであり、「年月日」として「2-10-24」、「取扱店」として「90591」、「お預かり金額」として「送金 14,850」の記載がある。
上記陳述書からは、商標権者によるファッションに関する知識の教授が行われたとする場所、日時等の詳細や使用されたとするテキストが乙第3号証と同一であるのかも不明であり、その陳述を裏付ける証拠の提出はないため、商標権者が本件商標を知識の教授に使用した事実を確認できない。
また、預金通帳の写し(乙4の4及び乙4の5)に記載の令和2年7月11日及び同年10月24日は、いずれも要証期間であるが、当該預金通帳が商標権者のものであるか不明であり、誰からの振り込みであるのかも不明である。さらに、PRINK社からBIL社に被服の納品があったとする2017年3月1日は要証期間外であり、当該被服に本件商標が付された事実やそれらの譲渡等の事実も不明である。
(5)乙第5号証の1は、「poroco」のウェブサイトであり、表題を「gran poroco」とする雑誌の表紙が掲載されており、当該雑誌の表紙には、「話題の骨格診断&カラー診断で変身!」の記載、「2022 WINTER」の記載がある。
乙第5号証の2の1葉目及び2葉目は、雑誌の記事の写しであり、1葉目には、「話題の骨格診断&カラー診断で変身!」の記載があり、2葉目には、「渡部姉妹 渡部真弓さん・明美さん ともに札幌市生まれの姉妹。‘11年7月にBIL(ビル)を設立し、カラー×骨格×個人×職業からブラッシュアップしながら、主に政治家・経営者・著名人・コメンテーターなどのイメージコンサルティングを担当。・・・現在は、アクセサリーブランド「annualrings365」のプロデュースも手がけている。」の記載がある。
乙第5号証の3は、発注書の写しであり、当該発注書の中央上部に「発注書」の記載、その右下に「発注日:2022年1月1日」の記載、その左下に「BIL 様」の記載、「案件名 商品名 内容」として「S2021-245-4 ポロコ2022年2月号 広告特集mimi4/グラン・ポロコ ポロコ2月号 特集広告制作原価(その他) ヘアメイク・スタイリング」の記載、最下部に「株式会社えんれいしゃ コンテンツ事業局」の記載がある。
上記から、株式会社えんれいしゃからBIL社に対し、2022年1月1日に、雑誌グラン・ポロコ2月号に関する発注があったことが推認でき、2022年1月1日は要証期間である。
しかしながら、当該雑誌の写しには、商標権者が記載されているが、本件商標の使用の事実を確認することはできない。
(6)乙第6号証の1は、被請求人が本件商標をファッションに関する知識の教授及びイベントの開催等において使用したと主張するものであるが、本号証の1の1葉目の写真は不鮮明であり、文字を視認することはできず、2葉目は何らかの催し物の写真と推認し得るものの、当該催し物の詳細を当該写真からうかがい知ることはできず、商標権者及び本件商標の表示もない。
乙第6号証の2ないし乙第6号証の4は、請求書であり、乙第6号証の2の請求書の右上部に「BIL」の記載、その下に「請求日 2018/10/5」の記載、その下に「会社名 BIL 代表 渡部 真弓」の記載、左上部に「(株)アインホールディングス」の記載、「9月30日イベント出演料」の記載があり、乙第6号証の3の請求書の右上部に「BIL」の記載、その下に「請求日 2019/4/1」の記載、その下に「会社名 BIL 代表 渡部 真弓」の記載、左上部に「(株)アインホールディングス 御中」の記載、「3月30日イベント出演料」の記載があり、乙第6号証の4の請求書の右上部に「BIL」の記載、その下に「請求日 2019/9/20」の記載、その下に「会社名 BIL 代表 渡部 真弓」の記載、左上部に「(株)アインホールディングス 御中」の記載、「9月8日イベント出演料」の記載がある。
上記より、BIL社が(株)アインホールディングスに対し、2018年10月5日、2019年4月1日及び2019年9月20日に、イベント出演料を請求したことが推認できるが、いずれも要証期間外である。
また、乙第6号証の1の写真と乙第6号証の2ないし乙第6号証の4との関連性は不明であり、乙第6号証の2ないし乙第6号証の4に記載のイベントの詳細及び本件商標の使用の事実を確認することはできない。
(7)乙第7号証の1は、被請求人が本件商標をファッションに関する知識の教授及びイベントの開催等において使用したと主張するものであり、本号証の1葉目の写真には、「イベントのご案内」の下に「イメージコンサルタント 渡部姉妹トークショー」と題して「4月7日(日) 午前11時から(約2時間程度) 心の通うイメージコンサルタントとして札幌を中心に活躍中の渡部姉妹によるトークショーを開催します。」の記載がある。
乙第7号証の2は請求書であり、請求書の右上部に「BIL」の記載、その下に「請求日 2019/4/10」の記載、その下に「会社名 BIL 代表 渡部 真弓」の記載、左上部に「(株)札幌丸井三越 御中」の記載、「4月7日イベント出演料」の記載がある。
乙第7号証の2より、商標権者が(株)札幌丸井三越に対し、2019年4月7日に開催されたイベント出演料を同月10日に請求したことが推認できるが、いずれも要証期間外である。
また、乙第7号証の1に記載の「渡部姉妹」が商標権者と同一人物であるのか不明であるが、仮に、同一人物であると認めたとしても、当該イベントがいかなる商品又は役務であるのか不明であり、かつ、本件商標の使用の事実も確認することができない。
(8)乙第8号証の1は、被請求人が要証期間にイベントの出演依頼を受けていたと主張するE-mailの写しであり、当該メールの写しには、「札幌丸井三越 多田です」の表題の下、「2022/9/18」の記載、「真弓 様、明美 様」の記載がある。
乙第8号証の2は、被請求人がイベントの開催に関して「骨格ファッション」の使用について担当者と連絡していたと主張するE-mailの写しであり、当該メールの写しには、「tada_kyoko@」の記載、「watanabeshimai@」の記載、「Re:ベアミネラル×渡部姉妹 イベント…」の記載、「2023年1月13日」の記載がある。
乙第8号証の3は、丸井今井札幌本店のウェブサイトであり、被請求人が要証期間に出演依頼を受けたイベントが2023年3月に開催される予定であることを主張するものであり、本号証の4葉目に「〈ベアミネラル〉×渡部姉妹 春のメイクアドバイス 3月25日(土)」の記載、「所要時間:約40分 定員:12名さま」の記載、「心の通うイメージコンサルタントとして札幌を拠点に活躍中の渡部姉妹。7つの資格を活かしたスキルで春のメイクアドバイスと共にあなたの素敵探しをお手伝いいたします。」の記載がある。
上記のいずれの証拠にも、商標権者の記載はないところ、乙第8号証の1に記載の「真弓様」、乙第8号証の2に記載の「watanabeshimai@」及び乙第8号証の3に記載の「渡部姉妹」の記載から、仮に、これらが商標権者を指し示すものであると認めたとしても、2022年9月18日(乙8の1)は要証期間であるが、2023年1月13日及び2023年3月25日は要証期間外であり、また、上記いずれの証拠からも、本件商標の使用の事実を確認することはできない。
(9)乙第9号証の1及び乙第9号証の2は、被請求人が本件商標をファッション情報の提供、ファッションに関する指導・助言又は相談等において使用していたと主張する、「百貨店における「ANNUAL RINGS 365」の出店実績」と題した書面の写し及びMeta Platforms,Inc.が運営するソーシャルネットワーキングサイト「Instagram」(以下「インスタグラム」という。)の写しであり、いずれの出店も要証期間であるが、商標権者の記載はなく、本件商標の使用の事実を確認することができない。
乙第9号証の3は、被請求人がショップカードの写しと主張するものであり、「ANNUAL RINGS 365」の記載、「販売店舗では、骨格ファッション、パーソナルカラーの資格を持つイメージコンサルタントが、ジュエリー選びのお手伝いをいたします。」の記載がある。当該カードに記載の販売期間はいずれも要証期間であるが、商標権者の記載はなく、誰が配布したのか、その目的は何か等不明であり、当該カードに「骨格ファッション」の文字が使用されているとしても、これが、いかなる商品又は役務に使用されたものなのか不明である。
乙第9号証の4は、百貨店の出店に関するプレスリリースの写しであり、「2020年1月14日」の記載、「販売店舗には、骨格ファッション、パーソナルカラー診断の資格を持つイメージコンサルタントが、ジュエリー選びのお手伝い致します。」の記載、「【本件に関するお問い合わせ先】」として「ANNUAL RINGS365 渡部 真弓」の記載がある。2020年1月14日は要証期間であるが、当該プレスリリースに「骨格ファッション」の文字が使用されているとしても、これが、いかなる商品又は役務に使用されたものなのか不明である。
乙第9号証の5は、インスタグラムの写しであり、「#骨格ファッション」の記載がある。当該インスタグラムの投稿は、いずれも要証期間であるが、商標権者の記載はなく、「#骨格ファッション」の記載からは、本件商標がいかなる商品又は役務に使用されたものなのか不明である。
乙第9号証の6及び乙第9号証の7は、被請求人が百貨店に出店した際の掲示物の写真及び陳列状況を示す写真と主張するものであり、乙第9号証の6には、「ご来店くださったみなさまへ」と題して「骨格ファッション、パーソナルカラー診断の資格をもつイメージコンサルタントがおります。」の記載、「ANNUAL RINGS 365」の記載がある。乙第9号証の6及び乙第9号証の7は要証期間であるが、これらの証拠に商標権者の記載はなく、当該掲示物(乙9の6)に「骨格ファッション」の文字が使用されているとしても、これが、いかなる商品又は役務に使用されたものなのか不明である。
乙第9号証の8は、「【博多阪急】7月イベントWEB広告について」と題したE-mailの写しであり、「2022年6月28日」の記載、差出人として「山本伊織」の記載、宛先として「自分,岡部知世,田中千章」の記載、「3 広告の文章校正をお願いいたします。→話題のジュエリーブランド「ANNUAL RINGS365」が博多阪急に登場!イメージコンサルタントであるデザイナー自ら骨格ファッションやパーソナルカラーをもとに、お似合いのリングをお選びします!」の記載がある。2022年6月28日は要証期間であるが、当該メールに商標権者の記載はなく、メールの本文に「骨格ファッション」の文字が使用されているとしても、これが、いかなる商品又は役務に使用されたものなのか不明である。
乙第9号証の9ないし乙第9号証の11は、取引高に関する書類の写しであり、乙第9号証の9の左上部に商標権者の住所及び「ANNUAL RINGS365(渡部真弓)様」の記載、その右下に「株式会社 札幌丸井三越」の記載、「上記金額を20年12月10日に振込お支払致しますのでご通知申し上げます。」の記載があり、乙第9号証の10の左上部に商標権者の住所及び「ANNUAL RINGS365(渡部真弓)様」の記載、その右下に「株式会社 仙台三越」の記載、「上記金額を22年04月08日に振込お支払致しますのでご通知申し上げます。」の記載があり、乙第9号証の11の左上部に商標権者の住所及び「ANNUAL RINGS365(渡部真弓)様」の記載、その右下に「株式会社 ジェイアール西日本伊勢丹」の記載、「上記金額を22年07月29日に振込お支払致しますのでご通知申し上げます。」の記載がある。
なお、2020年12月10日、2022年4月8日及び同年7月29日は要証期間であるが、これらの取引高の書面から、本件商標が使用された事実を確認することはできない。
乙第9号証の12は、ウェブサイトの写しであり、「2021年12月8日」の記載、「イメージコンサルタントのジュエリーブランド【ANNUAL RINGS 365】」の記載がある。2021年12月8日は要証期間であるが、商標権者及び本件商標の記載はない。
乙第9号証の13は、乙第9号証の3と同様のカードを背景に撮影されたインスタグラムの写しであり、投稿日は2022年6月15日である。2022年6月15日は要証期間であるが、商標権者の記載はなく、「骨格ファッション」の文字が使用されているとしても、これが、いかなる商品又は役務に使用されたものなのか不明である。
3 判断
(1)使用商標について
本件商標は、「骨格ファッション」の文字を標準文字で表してなるものである。
使用商標1は、「BIL」の欧文字を横書きしてなるものであるから、本件商標と使用商標1とは明らかに相違するものであり、使用商標1は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められない。
使用商標2は、「骨格ファッションスタイリスト」の文字からなるものであるから、本件商標と使用商標2とは「スタイリスト」の文字の有無において明らかに相違するものであり、使用商標2は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められない。
使用商標3は、「骨格ファッション」の文字を横書きしてなるものであるから、本件商標と使用商標3とは、外観において類似し、「コッカクファッション」の称呼を共通にする社会通念上同一の商標と判断するのが相当である。
使用商標4は、別掲2のとおりの構成からなるものであるから、本件商標と使用商標4とは明らかに相違するものであり、使用商標4は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められない。
(2)使用行為について
被請求人は、商標権者がファッションに関する知識の教授を提供する際に使用するテキストとして、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標3を商標権者が使用している旨主張するが、それを裏付ける客観的な証拠の提出がなく、被請求人の主張を認めることはできない。また、被請求人が提出した証拠は、いずれも、商標法第2条第3項各号に掲げるいずれの使用行為による使用を証明しているのかも不明である。
(3)小括
上記(1)及び(2)のとおり、本件商標と使用商標3は、社会通念上同一の商標であるとしても、使用商標3がいかなる商品又は役務に使用されていたのかについて確認することができず、商標法第2条第3項各号について使用行為を行ったことが確認できない。
また、使用商標1、使用商標2及び使用商標4は、本件商標と社会通念上同一の商標とはいえず、これらの商標が、いかなる商品及び役務に使用されていたかについて確認することができず、商標法第2条第3項各号について使用行為を行ったことが確認できない。
その他、被請求人の提出した証拠を参照しても、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、要証期間に、日本国内において、本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)を本件審判請求に係る指定商品及び指定役務について使用したことを認めるに足る証拠は見いだせない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人の提出に係る証拠によっては、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判請求に係る指定商品及び指定役務についての本件商標(本件商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていることを被請求人が証明したとはいえない。
また、被請求人は、当該使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-301066