商標取消審判
2022-301022
レー、アアルエイワイ
- 審判番号
- 2022-301022
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2017-159518
- 登録番号
- 6193316
- 請求日
- 2022年11月22日
- 審決日
- 2024年08月20日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】株式会社 WRAY
- 【請求人代理人】辻田 朋子
- 【請求人代理人】下田 一徳
- 【請求人代理人】樋口 頼子
- 【請求人代理人】中川 慶太
- 【被請求人】レイ グループ リミテッド
- 【被請求人代理人】安達 友和
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 大森 友子
- 審判官 板谷 玲子
- 分類
- T131 .1 -Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6193316号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6193316号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6193316号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成29年12月4日に登録出願、第3類「化粧品,毛穴引き締め用美顔パック,パック用化粧料,皮膚の手入れ用化粧品,化粧用クリーム,香水類,ボディーローション,メイクアップ用化粧品,美顔用パック(化粧品)」を指定商品として、令和元年11月1日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年12月5日である。
なお、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年(2019年)12月5日ないし同4年(2022年)12月4日である(以下「要証期間」という場合がある。)
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第5号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品(以下「請求に係る指定商品」という。)について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)通常使用権の証明について
被請求人は「エターナル合同会社」が本件商標権者のライセンシーである旨を、例えば、「使用契約書」等により証明する必要がある。
しかしながら、被請求人の提出した「授権証」(乙4)の内容は「日本における販売総代理権」の授権に過ぎず、ライセンシーに関する証明は一切なされていない。
また、当該授権証の権利者は「レイグループ限定」「レイグループ限定テッド」との記載しかなく、本件商標権者によるものであるとの根拠にはならない。
さらに、国税庁法人番号公表サイトの写し(甲3)によると、「エターナル合同会社」は7件存在しており、当該授権証には「エターナル合同会社」との表記のみで住所の記載がないから、当該「エターナル合同会社」が、被請求人の日本国販売代理店であるとすることはできない。
したがって、「エターナル合同会社」が本件商標権者のライセンシーである証明が不十分であることから、通常使用権者が登録商標を使用していることの根拠にはなりえない。
(2)本件商標の使用について
本件商標権者の乙第1号証における、「RAY」の文字のみを使用する行為は、本件商標である図形と文字からなる結合商標についての使用とはいえない。
したがって、本件商標権者による本件商標の使用の証明が不十分であることから、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが登録商標を使用していることの根拠にはなりえない。
(3)乙第1号証について
エターナル合同会社宛の請求書の写し(乙1)から、当該写しに係る請求書の発行日が要証期間内としても、当該請求書に対応する注文書や納品書等の取引書類、実際に入金されたかどうか確認できる証拠の提出がないから、当該請求書が、本件商標権者による、要証期間の、請求に係る指定商品についての本件商標の使用をしているとの根拠にはなりえない。
(4)乙第2号証について
Yahoo!ショッピングのストア担当者向けの「Yahoo!ストアクリエイターPro」(甲4)によれば、Yahoo!ショッピングで掲載される商品の画像、商品名、詳細等は、後から変更できる。そして、商品画像をアップロードすると、[ストアアカウント_商品コード_i_更新日時]のルールで商品画像URLが生成される。
「FForward」における商品ページの写し(乙2)における商品画像のURLは、その構成中に「20221213123218」の数字があることから(甲5)2022年12月13日12時32分18秒にアップロードされたものといえる。
加えて、当該商品ページの写しのレビューの内容も不自然なものばかりである。商品はフェイスパックであるはずが「身体」に使用していたり、商品説明には「日焼けした後の肌を整えるのに最適」との記載があるにも関わらず、「日焼け止め」として使用されているコメントがある点で、明らかに不自然である。
以上より、エターナル株式会社が商標権者のライセンシーである旨の証明がなされたとしても、乙第2号証の有効性に疑義があるといわざるを得ない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
1 本件商標は、本件商標権者により、請求に係る指定商品中の「化粧品,毛穴引き締め用美顔パック,パック用化粧料,皮膚の手入れ用化粧品,美顔用パック(化粧品)」について、要証期間に日本国内で継続的に使用されていた。
2 本件商標権者から日本国販売代理店のエターナル合同会社に宛てた請求書(乙1)に表示されている「RAY GROUP LIMITED」(「香港妝蕾集團有限公司」(審決注:「妝」及び「團」の文字は簡体字、以下同じ。))は本件商標権者の名称に一致し、記載されている住所(英文)は本件商標権者の住所に一致する。
また、当該請求書の発行日「2021年9月24日」によって、要証期間内に本件商標権者から「エターナル株式会社」に商品名称「RAY FACIAL MASK」等を販売したことが確認できる。
商品名称のうち「RAY」は本件商標を指すものであるが、「FACIAL MASK」とあることから、ここで販売した商品は、請求に係る指定商品中の「化粧品,毛穴引き締め用美顔パック,パック用化粧料,皮膚の手入れ用化粧品,美顔用パック(化粧品)」に該当する。
3 エターナル合同会社が運営している(乙3)、YAHOO!JAPANショッピングサイトのショップ名「FForward」のサイト(乙2)には、当該サイトで販売する商品「RAY Silver Facial Mask」の商品のパッケージが掲載されており、本件商標と同一の標章がパッケージに印刷されている。
かつ、このパッケージには「FacialMask」と印字されており、この商品が請求に係る指定商品中の「化粧品,毛穴引き締め用美顔パック,パック用化粧料,皮膚の手入れ用化粧品,美顔用パック(化粧品)」に該当する。
そして、当該ショッピングサイトの、商品のレビューにおいて2020年のものが複数存在するため、要証期間中にこの商品が販売されていたことが分かる。
4 「エターナル合同会社」が本件商標権者の日本国販売代理店であることを示す授権証(乙4)からは、要証期間である2021年7月1日に、本件商標権者がエターナル合同会社に当該商品について日本国内における販売総代理権を授権したことが確認できる。
第4 審尋及び被請求人の回答
1 審尋
審判長は、令和6年2月8日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人が商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実を証明したものとは認めることができない旨の合議体の暫定的見解に対する回答を求めた。
2 被請求人の回答
被請求人は、上記1の審尋に対し何らの応答もしていない。
第5 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる
(1)本件商標権者は、2021年9月24日付けでエターナル合同会社宛に請求書を発行しており、当該請求書には「商品名称」として、「RAY GOLD FACIAL MASK」、「RAY FACIAL MASK」、「RAY ROSE FACIAL MASK」等の記載がある(乙1)。
(2)YAHOO!JAPANショッピングサイトにおけるショップ名を「FForword」とするサイトの写し(乙2)には本件商標と同一(社会通念上同一ものを含む、以下同じ。)の標章が付された商品の写真が掲載されており、「美容大国タイのフェイシャルマスク ≪美容大国タイ≫カタツムリ フェイスマスク 10枚セット RAY Silver Facial Mask[並行輸入]」の見出しの下、「価格情報」、「商品情報」及び「この商品のレビュー」の掲載があるところ、当該レビューには2020年10月11日付けのレビューとして「・・・今までの日焼け止めとは全く別物・・・」、2020年9月1日のレビューとして「・・・顔はほぼほぼ焼けて無い感じです。」、2020年11月15日のレビューとして「サラサラして伸びも良く、日用として使い勝手が良い。・・・」、2020年9月6日付けのレビューとして「・・・これは、日焼けしないです。」の記載がある。
また、「商品カテゴリ」として「・FForward>化粧品 ・コスメ、美容、ヘアケア>日焼け止め」の表示がある。
そして、当該サイトの写しの印刷日は2023年2月16日であり、当該サイトはエターナル合同会社により作成されたものと認められる(乙3)。
(3)「授権証」の表題の書証(乙4)には、2021年7月1日ないし2022年6月30日に、「エターナル合同会社・・・に対し、RAY妝蕾商品の日本国における全ての販路の唯一の販売総代理権を授権する。」旨が記載されている(乙4)。
2 判断
被請求人は、本件商標権者及び通常使用権者であるエターナル合同会社が、要証期間に本件商標を請求に係る商品に含まれる「化粧品,毛穴引き締め用美顔パック,パック用化粧料,皮膚の手入れ用化粧品,美顔用パック(化粧品)」に使用していた旨主張するのでこれについて検討する。
(1)本件商標権者による使用について
本件商標権者はエターナル合同会社宛に請求書を発行しており、当該請求書には、商品名として「RAY GOLD FACIAL MASK」、「RAY FACIAL MASK」、「RAY ROSE FACIAL MASK」の記載があるものの、当該請求書のみでは、これらの商品がエターナル合同会社に販売(日本国に輸出)されたものと認めることはできない。
また、当該納品書に記載されている「RAY」の文字は、図形の有無等により本件商標と社会通念上同一のものとは認められない。
したがって、本件商標権者は要証期間に本件商標を使用したものとは認められない。
(2)エターナル合同会社による使用について
YAHOO!JAPANショッピングサイトにおけるショップ名を「FForward」とするサイトでは「美容大国タイのフェイシャルマスク ≪美容大国タイ≫カタツムリ フェイスマスク 10枚セット RAY Silver Facial Mask[並行輸入]」とする商品が販売されていることがうかがえ、当該商品はその「フェイスマスク」及び「Facial Mask」の文字から「フェイスマスク」(化粧水や美容液を染み込ませたシートを顔に乗せることで保湿を行うスキンケア用品。職権調査:https://lululun.com/labo/good-for/)であるところ、当該ページのレビューに係る商品はその内容より日焼け止めと認められるものであって、日焼け止めは、フェイスマスクとは別異の商品であるから、当該レビューの日付の前後に当該フェイスマスクが販売されていたものと認めることはできない。
また、当該サイトには「商品カテゴリ」として「日焼け止め」の記載があるが、当該日焼け止めに本件商標が付されていることを証する証拠は提出されていない。
そして、当該ショッピングサイトの印刷日は要証期間外である。
したがって、エターナル合同会社は要証期間に本件商標を使用したとは認められない。
(3)使用権者について
「授権証」の表題の書証(乙4)には、「エターナル合同会社・・・に対し、RAY妝蕾商品の日本国における全ての販路の唯一の販売総代理権を授権する」の記載はあるが、本件商標に係る使用権については何らの記載がない。
そうすると「RAY妝蕾」が本件商標権者であるとしても、エターナル合同会社が本件商標の通常使用権者と認めることはできない。
(4)小括
上記のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に本件商標権者又は被請求人が通常使用権者と主張するエターナル合同会社が本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標を使用したことを証明したものとは認められない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていることを証明したものということはできない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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