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商標取消審判

2022-300837

メイコー、メイコーショーカイ

審判番号
2022-300837
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願1992-320083
登録番号
3301824
請求日
2022年09月15日
審決日
2024年05月21日
公報発行日
2024年08月30日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】マイコ マシーネンバウ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
  • 【請求人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
  • 【請求人代理人】森田 拓
  • 【請求人代理人】松永 章吾
  • 【請求人代理人】前川 純一
  • 【請求人代理人】山崎 和香子
  • 【請求人代理人】前川 砂織
  • 【請求人代理人】大倉 桂子
  • 【請求人代理人】岡野 真未子
  • 【被請求人】株式会社 明光商会
審判長/審判官
  • 審判長 鈴木 雅也
  • 審判官 大山 健
  • 審判官 山田 啓之
分類
T132 .1 -Z (038)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第3301824号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第3301824号商標の指定役務中、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し」について、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第3301824号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「株式会社」「明光商会」の文字の左側に、丸と2本の曲線を四角枠内に配置した図形と「MEIKO」の文字を配置してなり、平成4年12月3日に登録出願、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、同9年5月9日に設定登録されたものであり、同18年11月21日及び同29年7月11日に存続期間の更新登録がなされたものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年10月5日であり、本件審判において商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年(2019年)10月5日ないし同4年(2022年)10月4日である(以下「要証期間」という。)。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のとおり主張し、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定役務中、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し」(以下「取消請求役務」ということがある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取消請求役務について取り消されるべきである。 2 答弁に対する弁駁 請求人は、被請求人が提出した令和4年11月25日付け答弁書に対し、同5年1月23日付け弁駁書を提出し、要旨以下のとおり主張した。 (1)答弁に対する反論 ア 第38類の役務(電気通信サービス)について 標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定の類別表及び類似商品・役務審査基準において、第38類の役務は「電気通信サービス」であると明記され、「電気通信役務(電気通信サービス)」は、当該サービスを提供する事業者が回線等を用意し、需要者がその回線等を通じて通信することを可能にする役務をいい、換言すれば、通信のインフラを提供する役務を意味しているというべきである。 イ 被請求人が本件商標を取消請求役務に使用しているか、上述の「電気通信役務(電気通信サービス)」の内容を踏まえて反論する。 (ア)「移動体電話による通信」、「電子計算機端末による通信」 被請求人は、被請求人の製品である「ボイスコール」(VC)が、利用者が携帯電話などの端末を利用することにより、ボイスコールが設置されている場所以外の場所から窓口の混雑状況や順番をメールで知らせたり、事前にオンライン予約をする機能を有していることから、本件商標を「移動体電話による通信」、「電子計算機端末による通信」に使用していると主張する。 しかし、請求人自身が「これらのWEB機能はボイスコールに埋め込まれているルーターに差し込まれたLTE SIMがLTE回線を経由して通信することによって提供されるものである」と述べているところ、かかる通信に必要なインターネット回線は被請求人ではなく株式会社インターリンクによって提供されているものである(乙6)。 よって、被請求人が本件商標を「移動体電話による通信」、「電子計算機端末による通信」に使用しているとはいえない。 (イ)「電子計算機端末による通信」 被請求人は、スタッフ操作用端末(PDA端末)を利用した呼出し等の通信が「電子計算機端末による通信」に該当すると主張する。 しかし、「電子計算機端末による通信」サービスとは、例えばインターネット回線の提供のように電子計算機端末による通信のインフラを提供する役務をいうのであって、ボイスコールを使用している企業その他の組織の従業員がスタッフ操作用端末(PDA端末)を利用して呼出し等の通信を行うことは、「電子計算機端末による通信」には該当しない。 (ウ)「無線呼出し」 被請求人は、スタッフ操作用端末(PDA端末)を利用した呼出し等の通信が「無線呼出し」に該当すると主張する。 しかし、「無線呼出し」とは、例えばポケットベルの呼出しサービスのようなものをいい、無線呼出しに必要な無線通信インフラの提供を伴うものであるから、ボイスコールを使用している企業その他の組織の従業員がスタッフ操作用端末(PDA端末)を利用して呼出し等の通信を行うことは、「無線呼出し」には該当しない。 (エ)「電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」 被請求人は、ボイスコールについて販売のみならず貸与も行っていること、又は株式会社インターリンクによって提供されたインターネット回線の料金を上乗せした金額を顧客に対して請求していることを根拠として、本件商標を「電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」に使用していると主張する。 しかし、被請求人の説明及び提出された証拠方法(乙1~乙5)によれば、ボイスコールは、企業や役所、病院といった窓口業務を行う組織において、窓口の混雑状況を確認したり、順番が廻ってきたときに顧客を呼び出したり、ウェブ上で予約を行う等の機能を有する窓口案内システムである。 請求人が調査したところ、被請求人のボイスコールとほぼ同様の商品と考えられる「複数の受付窓口へ来た依頼者へ受付順の番号カードを発行する番号カード発行機,窓口受付順の順番を表示する順番表示機,窓口において待機する者を呼出処理するための呼び出し機」が第9類の指定商品(類似群コード 09D01,11C01)として登録されていた事実がある(甲2)。 そうすると、上記のような機能を持つボイスコールは、「電話機・ファクシミリ」に該当しない。 また、「その他の通信機器」についても、「通信機器」とは電気通信役務に関連するものと解釈するのが妥当であるから、「通信機器の貸与」とは、電気通信を行うための機器の貸与、すなわち電話機やスマートフォンの貸与、メッセージ送信用通信機器の貸与、モデムの貸与を指すのであり、ボイスコールの貸与が「その他の通信機器の貸与」に該当しないのは明らかである。 さらに、株式会社インターリンクによって提供されたインターネット回線の料金を上乗せした金額を顧客に対して請求していることが「電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」に該当しないことも明らかであり、被請求人が株式会社インターネットリンクからインターネット回線の提供を受けていることは、被請求人自身が通信インフラの提供を行っていないことに他ならない。 ウ 小括 (ア)「電気通信役務(電気通信サービス)」は、当該サービスを提供する事業者が回線等を用意し、需要者がその回線等を通じて通信することを可能にする役務をいうが、被請求人の提出した証拠方法(乙1~乙8)からは、被請求人が通信のインフラを提供している事実は見当たらない。 (イ)万一、被請求人の製造、販売に係るボイスコールにおけるスタッフ操作用端末(PDA端末)を利用した呼出し等の通信が「電子計算機端末による通信」又は「無線呼出し」に該当するとすれば、当該サービスの提供主体は被請求人ではなくスタッフ用端末を操作しているボイスコールの利用者の従業員ということになる。 (ウ)企業や役所、病院といった窓口業務を行う組織において、窓口の混雑状況を確認したり、順番が廻ってきたときに当該顧客を呼び出したり、又はウェブ上で予約を行う等の機能を有する窓口案内システムであるボイスコールは、「電話機・ファクシミリその他の通信機器」のいずれにも該当しないから、ボイスコールを貸与する場合があったとしても、「電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」には該当しない。 (エ)結局、被請求人が本件商標を使用しているのは、第9類の「事務用機器」(類似群コード 09D01)又は「電子応用機械器具」(類似群コード 11C011)の範ちゅうに属する商品であって、第38類「移動体電話による通信」、「電子計算機端末による通信」、「電話による通信」、「無線呼出し」、「電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」ではない。 (2)まとめ 以上、被請求人及び使用権者が取消請求役務について、本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる商標を、要証期間に、日本国内において使用していた事実は存在しないので、本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由及び弁駁に対する回答を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第12号証を提出した。 1 答弁の理由 (1)概要 被請求人は、本件商標について、本件商標の指定役務中、第38類「移動体電話による通信」、「電子計算機端末による通信」、「電話による通信」、「無線呼出し」、「電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」について、継続して3年以上日本国内において使用している。 (2)本件商標の使用の事実-被請求人の製品であるボイスコールについて、被請求人のカタログ、チラシ又はウェブサイトにおいて、本件商標が長年使用されていること 以下で述べるとおり、被請求人の製品であるボイスコール(VC)について、被請求人のカタログ、チラシ又はウェブサイトにおいて、本件商標が長年使用されている。なお、ボイスコールとは、役所や病院などの窓口などに設置する機械であり、当該窓口を利用する顧客に対して発券し、当該顧客に対して呼び出すべく、発券番号を読み上げるなどの機能を有する機械である。 例えば、ボイスコールに関する被請求人のカタログ(乙1)の裏表紙の下部左側において、本件商標は使用されている。 また、ボイスコールの導入事例を紹介する被請求人のカタログ(乙2)の裏表紙の下部左側においても、本件商標は使用されている。 さらに、被請求人の「地方自治情報化推進フェア2022」という名の展示会を案内するチラシ(乙3)においても、当該展示会に出品する製品としてボイスコールを紹介しているところ(裏面中央部)、裏面の下部左側において、本件商標は使用されている。 それらに加えて、被請求人のウェブサイトにおいても、ボイスコールの機能を動画にて紹介しているところ、当該動画においても、本件商標が使用されている(乙4、乙5)。すなわち、「MSボイスコール:渡り機能」と題する動画の30秒以降の部分、及び「MSボイスコール:マルチリンガル(多言語)機能」と題する動画の45秒以降の部分である。 このように、被請求人は、その製品であるボイスコールについて、被請求人のカタログ、チラシ又はウェブサイトにおいて、本件商標を長年使用している。 なお、ボイスコールは、本件商標の指定役務である第38類「移動体電話による通信」、「電子計算機端末による通信」、「電話による通信」、「無線呼出し」及び「電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」において使用されるものである。以下、詳述する。 (3)第38類「移動体電話による通信」及び「電話による通信」について ボイスコールは、利用者が携帯電話などの端末を利用することにより、ボイスコールが設置されている場所以外の場所から、窓口の混雑情報を確認し、順番が近づいてきたことをメールで知らせ、事前にオンライン予約をするというWEB機能を有している(乙1)。 これらWEB機能は、ボイスコールに埋め込まれているルーターに差し込まれたインターネット(LTE SIM)が、LTE回線を経由して通信することによって提供されるものである(乙6)。 LTEはLong Term Evolutionの略称であり、携帯電話やスマートフォン用の通信規格であるので、LTE回線を用いたWEB機能の提供は、「移動体電話による通信」及び「電話による通信」に当たる。 (4)第38類「電子計算機端末による通信」について ボイスコールは、顧客に対する呼出し、保留及び再呼出しという機能をスタッフ用操作端末(PDA端末)により行っている(乙1)。 スタッフ用操作端末(PDA端末)は電子計算機端末そのものであり、それを用いた呼出し、保留及び再呼出しといった通信は、「電子計算機端末による通信」に当たる。 (5)第38類「無線呼出し」について ボイスコールにより構築されるシステムにおいては、無線LANも用いられており、無線LANアクセスポイントからPOE-HUBを通じて、呼出用ディスプレイや呼出用個別表示機と繋がっており、顧客に対する呼出し、保留及び再呼出しを行っている(乙1)。すなわち、ボイスコールが、スタッフ用操作端末(PDA端末)及び無線LANを用いることで、無線により呼出し、保留及び再呼出しを行っている点は「無線呼出し」に当たる。 なお、ボイスコールの前バージョンの一つであるボイスコールPROという被請求人の製品は、「無線呼出し」の機能を有しているところ、被請求人は当該製品に本件商標のステッカーを貼っていた(乙8)。 (6)第38類「電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」について 被請求人の製品であるボイスコールについて、売買のみならず、リース会社経由でリースも行われており、「電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」が行われ、被請求人自身が、顧客に対してボイスコールを貸与(すなわち「電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」)をすることも行われている(乙7)。 また、上述のとおり、ボイスコールは、ボイスコールに埋め込まれているルーターに差し込まれたSIMが、LTE回線を経由して通信することで、WEB機能を提供する機械であり、被請求人は、SIMによる通信を利用したサービスの利用料を負担している(乙6)。そして、被請求人は、顧客に対して当該利用料を上乗せした金額をサービス料として費用請求している。このような経済的実体に照らすと、被請求人は、「電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を顧客に対して提供している。 2 弁駁に対する回答 被請求人は、合議体の暫定的な見解及び弁駁に対して、令和6年2月9日付けで回答書を提出し、要旨以下のとおり主張した。 (1)被請求人において、要証期間において、「移動体電話による通信、電子計算機端末による通信、電話による通信、無線呼出し」に属する役務を提供していたこと 被請求人は、要証期間において、本件商標の指定役務中、第38類「移動体電話による通信」、「電子計算機端末による通信」、「電話による通信」及び「無線呼出し」について、継続して3年以上日本国内において使用している。 請求人は、被請求人が株式会社インターリンクによる回線を利用していることで本件商標を「移動体電話による通信」及び「電子計算機端末による通信」に使用しているとはいえない旨を主張している。 この点について、被請求人は確かに株式会社インターリンクが提供する回線を利用しているものの、答弁書に記載のとおり被請求人の製品であるボイスコール(VC)は当該回線の利用を含めた一連の機能及びサービスを顧客に対して提供するものであり、顧客は本件商標によりサービスを識別し、回線の利用を含めて被請求人に発注している。 本件商標を視認する顧客からすれば回線の提供者は被請求人と認識されており、提供された回線の不具合についても被請求人が一義的には責任を負う。 請求人が弁駁書に記載するとおり、「電気通信サービス」が「事業者が回線等を用意し、需要者がその回線等を通じて通信することを可能にする役務」であるならば、被請求人が提供しているサービスは、顧客から上述のとおり認識されており、本件商標により他社のサービスと識別されている。 被請求人は、このような役務を提供している証拠として、被請求人の内部資料(乙9、乙10)を提出する。 (2)要証期間に、本件商標が使用されていたことを裏付ける証拠の提出 被請求人が再度確認したところ、要証期間である2019年及び2022年におけるCOMPANY PROFILE(会社案内)のカタログのデータが発見されたので、当該データを証拠として提出する(乙11、乙12)。 乙第11号証は、2枚目右側の頁において、被請求人の製品たるシュレッダーの歴史が記載されているところ、その最上部が「‘19」と2019年を表している。また、6枚目右側の頁において被請求人の沿革が記載されているところ、その最下部が「2019」と2019年を表しており、表紙部分に60周年の記念ロゴが入っている点からも創業した1959年から60年後である2019年における被請求人の資料であることは明らかである。そして、乙第11号証において、ボイスコールが紹介されており(5枚目左側の頁)、かつ、本件商標も使用されている(1枚目右側の頁の中央部分、6枚目左側の頁の「事業体制」の下。)。 また、乙第12号証は、2枚目右側の頁にて被請求人の沿革が記載されているところ、その最下部が「2021」の「10月」と2021年10月の出来事が記載されており、それ以降、すなわち2022年における資料である。 そして、乙第12号証において、ボイスコールが紹介されており(2枚目左側の頁)、かつ、本件商標も使用されている(1枚目右側の頁の中央部分)。 このように、被請求人は、要証期間においても、その製品であるボイスコールについて、被請求人のカタログ、チラシ又はウェブサイトにおいて、本件商標を長年使用している。 (3)弁駁書7頁で言及されている指定商品はボイスコールとは異なる商品であること、及びボイスコールにおいては操作機である携帯電話機を貸与していること 請求人は、弁駁書において、製品の使用用途をもって「被請求人のボイスコールとほぼ同様の商品と考えられる」製品を挙げ、当該製品が第9類を指定商品として登録されていることにより、ボイスコールが「電話機・ファクシミリ」に該当しない旨主張しているが、当該製品は、ボイスコールと「ほぼ同様の商品」ではなく、別の構成からなる商品である。 ボイスコールは操作機としてPDA端末を使用しているが、当該端末は被請求人のカタログにおける写真のとおり、携帯電話そのものである(乙1の9頁)。被請求人は携帯電話を操作機として顧客に貸し出しており、正に、「電話機・ファクシミリ」の貸与を行っている(乙7)。 第4 当審の判断 1 事実認定 被請求人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。 (1)「MSボイスコール」について ア 会社案内の出力物(乙11、乙12) 乙第11号証は、被請求人の会社案内の出力物であり、その1葉目の右側に、別掲2のとおり、「株式会社」「明光商会」の文字の左側に、丸と2本の曲線を四角枠内に配置した図形と「MEIKO」の文字を配置してなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されているとともに、その下に、「COMPANY PROFILE」の記載、及び「60/YEARS|SINCE/1959」の表示がある。そして、その5葉目の左側に、「受付・窓口」の表題下、「MSボイスコール」、「スタッフと来訪者のコミュニケーションを円滑に/窓口環境を充実させる革新的な「MSボイスコール」」、「・・・この窓口のセキュリティ問題を解決しながら、業務効率をアップさせるのが、MSボイスコールです。窓口に来たお客様に番号カードを発券し、受付順に表示しながら、番号でお呼び出しをする・・・名前ではなく、番号でお呼びすることで、お客様のプライバシーを守り、同姓のお客様の取り違えなどのミスも防ぐことができます。」などの記載がある。また、6葉目の左側にも使用商標が表示され、その下に、「会社情報」として、「商号 株式会社明光商会」及び「事業内容 ●シュレッダー、パウチ、ボイスコールその他の事務用機器及び付属品の製造販売/●保守、修理、回収、リサイクル業務/●ソリューションサービスの企画、提案並びに販売代理店業」など記載されている。さらに、その6葉目の右側には、「沿革」の表題下、1987年1月に「MSボイスコール(音声付受付順番表示システム)」が発売されたことが示されている。 同じく、乙第12号証は、被請求人の会社案内の出力物であり、その1葉目の右側に、使用商標が表示されているとともに、その下に、「COMPANY PROFILE」の記載がある。また、2葉目の左側に、「事業内容」の表題下、「MSシュレッダー・MS UV-Cシステム・MSボイスコールを中心に、お客様のご要望にお応えする製品を開発・提供しています。」の記載とともに「MSボイスコール/受付・窓口の顧客満足度向上と効率的なオペレーションを実現する受付順番案内システム」の記載がある。さらに、2葉目の右側に、「沿革」の表題下、1987年1月に「MSボイスコール(受付順番表示システム)」が発売されたことが示され、その下に、「会社情報」として、「商号 株式会社明光商会」及び「事業内容 ●シュレッダー、MS UV-Cシステム、ボイスコール、パウチその他の事務用機器及び付属品の製造販売/●保守、修理、回収、リサイクル業務/●ソリューションサービスの企画、提案並びに販売代理店業」などと記載されている。 イ ボイスコール設置イメージ及び配線イメージを示す図面(乙9) 乙第9号証は、ボイスコールの設置イメージ及び配線イメージを示す図面であるところ、その2葉目の配線イメージを示す図面には、「電源」、「発券機」、「リモート用機材」、「バックヤードPC(発券アラートPC)」、「表示PC」、「操作端末」及び「個別表示器」が「POEハブ」に接続されていることが図示されているとともに、「表示PC」がさらに同軸ケーブル及びHDMIケーブルで「表示モニター」に接続されていること、並びに「操作端末」は無線で「POEハブ」に接続されていることが図示されている。また、「操作端末」は携帯電話と思われる態様で図示されている。 他方、乙第9号証には、図面の作成日を確認できるような記載は見当たらない。 (2)請求書(乙6) 乙第6号証は、2022年9月16日付けで、株式会社インターリンクが被請求人に宛てて発行した請求書であり、株式会社インターリンクの押印がある。そして、その1葉目には、「No.」「ご請求項目」「摘要」「単価」「数量」「小計」を項目とする表に、「No. 1」「ご請求項目 インターリンクLTE SIM(30GBまで高速プラン)」「摘要 2022年10月分」「単価 ¥6,800」「数量 20件」「小計 ¥136,000」の記載、及び消費税を含めた合計が「¥149,600」であることを示す記載がある。また、2葉目及び3葉目に、請求の内訳が記載されている。 (3)その他の証拠 「MSボイスコールNEOver.2カタログ」(乙1)、「MSボイスコールNEO導入事例のご紹介」と題するチラシ(乙2)、「地方自治情報化推進フェア2022」と題する展示会の案内チラシ(乙3)、被請求人のウェブサイトの出力物(乙4、乙5)及び「MSVOICECALLPRO」に貼り付けられたラベルの画像(乙8)にも、使用商標(別掲2)の表示や、「MSボイスコールNEOVer.2」(乙1)、「MSボイスコールNEO」(乙2、乙3)、「MSボイスコールQUICK」(乙3)、「MSボイスコール」(乙4、乙5)及び「MSVOICECALLPRO」(乙8)などの記載はあるものの、いずれも要証期間の日付は見当たらないとともに、被請求人が取消請求役務を提供していることを示すような記載や表示は確認できない。 また、令和3年2月ないし同年3月の確定申告に際し、被請求人が福津市にボイスコールを賃貸したことを示すとされる「賃貸借契約書」(乙7)にも、被請求人が取消請求役務に属する役務を提供したことを示すような記載は見当たらない。 さらに、乙第10号証は、「MSボイスコールNEOシリーズ 2024年2月部材明細書」と題する書面であるが、要証期間外の証拠である。 (4)上記(1)ないし(3)の証拠方法から以下の事項が理解できる。 ア 被請求人は、1987年1月にMSボイスコールの製造販売を開始し、要証期間においてもMSボイスコールの製造販売していたこと、及び要証期間である2019年頃、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付した被請求人の会社案内にMSボイスコールを掲載し宣伝したことは推認できる(乙11、乙12)。 イ 被請求人が製造販売するMSボイスコールは、窓口に来た来訪者に番号カードを発券し、受付順に表示しながら、番号で来訪者を呼び出す製品(「事務用機器」)である(乙11、乙12)。そして、MSボイスコールにおいて、表示PCが同軸ケーブル及びHDMIケーブル(有線)で表示モニターに接続されており、携帯電話と思われる操作端末が無線でPOEハブに接続されていること(乙9)は推認できる。 2 判断 上記1によれば、以下のとおり判断できる。 被請求人の提出した証拠方法から、被請求人が製造販売する「MSボイスコール」は、窓口に来た来訪者に番号カードを発券し、受付順に表示しながら、番号で来訪者を呼び出す製品(「事務用機器」)であるところ、当該製品は、表示PCが同軸ケーブル及びHDMIケーブルで表示モニターに接続されている有線での接続、及び携帯電話と思われる操作端末が無線でPOEハブに接続されている無線での接続を含むものであることが推認できる(乙9)としても、この有線及び無線の配線は、システムとして取引される製品の部分を構成するものというべきであって、需要者は、当該製品を、「電源」、「発券機」、「リモート用機材」、「バックヤードPC(発券アラートPC)」、「表示PC」、「表示モニター」、「操作端末」、「個別表示器」及び「POEハブ」などが互いに接続されて取引される一つの商品として認識するものである(以下、被請求人が製造販売する「MSボイスコール」を「使用商品」という。)。 そうすると、被請求人が、要証期間である2019年頃、同人の会社案内(乙11、乙12)に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付して、商取引の目的たり得べき商品として「MSボイスコール」を掲載し宣伝したことは推認できるとしても、この会社案内によって、他人のために行う労務又は便益であって、独立して商取引の目的たり得べき役務について宣伝したものということはできない。 したがって、被請求人の提出に係る証拠により、同人が、本件商標を、取消請求役務(第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し」)について使用した事実を認めることはできない。 なお、被請求人は、使用商品は、利用者が携帯電話などの端末を利用することにより、使用商品が設置されている場所以外の場所から、窓口の混雑情報を確認し、順番が近づいてきたことをメールで知らせ、事前にオンライン予約をするというWEB機能を有しており(乙1)、これらWEB機能は、ボイスコールに埋め込まれているルーターに差し込まれたインターネット(LTE SIM)が、LTE回線を経由して通信することによって提供されるものである旨(上記第3の1(3))、及び被請求人は確かに株式会社インターリンクが提供する回線を利用しているものの、使用商品は当該回線の利用を含めた一連の機能及びサービスを顧客に対して提供するものであり、顧客は本件商標によりサービスを識別し、回線の利用を含めて被請求人に発注している旨(上記第3の2(1))を主張しているが、使用商品が(株式会社インターリンクが提供する)回線の利用を含むとしても、上述のとおり、被請求人は、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を使用して、顧客に商品を提供しているのであって、役務を提供しているわけではないから、被請求人の主張は採用できない。 よって、被請求人である商標権者が、要証期間において、本件商標を、取消請求役務について、商標法第2条第3項各号に該当する使用行為を行ったことを認めることはできないから、被請求人が本件商標の使用を証明したものと認めることはできない。 3 まとめ 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定役務について、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることはできない。 また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定役務について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定役務中、請求に係る指定役務(第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し」)について、取り消すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-300837

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  • 2023-300220取消審判 / 2023-09-04 / 請求成立(取消)インターメディアジャパン、インターメディア
    共通の審決分類: 1・038
  • 2020-300216取消審判 / 2020-06-26 / 請求成立(取消)ポコ
    共通の審決分類: 1・038
同じ・似た商標の審決13件(メイコー、メイコーショーカイ)
  • 2026-300127取消審判 / 2026-06-09 / 請求成立(取消)タイコー
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  • 2025-300503取消審判 / 2025-11-05 / 請求成立(取消)タイコー
    似た商標: タイコー(メイコー との近さ 0.75)
  • 2023-300729取消審判 / 2024-03-21 / 請求成立(取消)メイリー
    似た商標: メイリー(メイコー との近さ 0.75)
  • 2022-301021取消審判 / 2023-05-24 / 請求成立(取消)メイデイ、メイデー、メーデー
    似た商標: メイデー(メイコー との近さ 0.75)
  • 2021-300670取消審判 / 2022-03-15 / 請求成立(取消)ブイエアイコー、ブイエアウエイハーン、ブイエア、エア、エイアイアアル、イコー、ウ…
    似た商標: イコー(メイコー との近さ 0.75)

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