商標取消審判
2022-300755
ラビタ、ラビータ、ビタ、ビータ
- 審判番号
- 2022-300755
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2012-078887
- 登録番号
- 5595150
- 請求日
- 2022年08月16日
- 審決日
- 2023年12月25日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ユーグレナ
- 【請求人代理人】秋山 敦
- 【被請求人】株式会社 ウィル
- 【被請求人代理人】東 和博
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 旦 克昌
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T132 .1 -Y (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第3号、商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5595150号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5595150号商標(以下「本件商標」という)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成24年9月28日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同25年6月28日に設定登録され、令和5年2月9日に存続期間の更新登録がなされて、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年8月31日である。
なお、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年(2019年)8月31日ないし令和4年(2022年)8月30日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定役務中、第35類「香料・薫料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、第35類「香料・薫料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対して要旨、次のとおり弁駁した。
(1)乙第2~6号証について
ア 要証期間における使用がないこと
被請求人の答弁書における主張によれば、乙第2号証は令和4年11月16日、乙第3~6号証は令和4年11月10日に撮影された店舗の外観及び内面の写真であり、要証期間における本件商標の使用を証明するものではない。
なお、被請求人は、店舗の外観及び内面に表示されたロゴは、2021年3月19日の臨時休業後も、店舗の再開に備え、そのままの状態で保持してあり、特に店舗の外観に表示されるロゴは現在もアーケードを通る一般消費者に対する屋外の看板広告としてその機能を十分に発揮しているなどと主張するが、「現在」が乙第2~6号証の写真撮影日又は答弁書提出日の令和4年11月25日であるとすれば、「現在」は要証期間外であるから、要証期間において本件商標を使用していた事実を証明するものでないことは明らかである。
イ 請求に係る指定役務への使用がないこと
乙第2~6号証は、上記のとおり、被請求人店舗の休業後、すなわち営業していない期間の写真であるから、被請求人が被請求人店舗で何らの役務を提供していないことは明らかである。特に、乙第4~6号証には、店舗内が示されているが、販売する商品が一切陳列されていない様子がうかがえる。このように、乙第2~6号証は、請求に係る指定役務について本件商標が使用されていたことを証明するものではない。
(2)乙第7号証について
ア 要証期間における使用がないこと
乙第7号証は、ロコミサイトの被請求人店舗の紹介ページであり、左上部分に「2022/11/04 12:31」と記載があることから、2022年11月4日当時の当該紹介ページの内容を示すものに過ぎず、要証期間における本件商標の使用を証明するものではない。
なお、乙第7号証には「公開日:2013/08/19最終更新日:2022/01/11」と記載されているが、ウェブページの内容は書き換え可能であり、需要者・一般消費者が要証期間中に当該紹介ページを閲覧したなどの第三者が関与したことを証明する証拠が存在しないことから、上記日付けの記載のみをもって、乙第7号証の内容が要証期間中に当該ロコミサイトに記載されていたことが証明されるものではない。
イ 請求に係る指定役務への使用がないこと
乙第7号証には、被請求人店舗の店舗情報に、「オーガニックエッセンシャルオイル」「フラワーエッセンス」と記載されている。しかし、被請求人店舗で販売している具体的な商品を示す記載が一切なく、乙第7号証に接した需要者・一般消費者が被請求人店舗でどのような商品を取り扱っているのかを認識することができないのであるから、宣伝広告機能を発揮しているとはいえないから、請求に係る指定役務についての本件商標の広告的使用が証明されているとはいえない。
ウ 証拠の信用性について
ウェブページの内容は書き換え可能であり、第三者が当該紹介ページに関与したことを示す証拠もないことから、この証拠が真正に作成されたものか確認できない。
(3)乙第8~12号証について
ア 要証期間における使用がないこと
乙第8~12号証は、被請求人店舗自身が発信した公式インスタグラムのページを示すものである。乙第8~11号証は、左上部分に「2022/11/10」と記載があり、乙12号証は、左上部分に「2022/11/04」と記載があり、それぞれ2022年11月10日、及び2022年11月4日当時の当該ページの内容を示すものに過ぎない。よって、乙第8~12号証は、要証期間における本件商標の使用を証明するものではない。
なお、乙第8~11号証には、投稿日と思われる日付けとして、2019年9月~10月の日付けが記載され、乙12号証には2021年3月19日の日付けが記載されているが、インスタグラムの内容は書き換え可能であり、需要者・一般消費者が要証期間中に当該紹介ページを閲覧したなどの第三者が関与したことを証明する証拠が存在しないことから、投稿日の日付けの記載のみをもって、乙第8~12号証の内容が要証期間中に記載されていたことが証明されるものではない。
イ 請求に係る指定役務への使用がないこと
乙第8~11号証には、被請求人店舗で販売する商品と被請求人が主張する商品の画像が示されている。しかし、これらの写真には、本件商標が写っておらず、インスタグラムの本文内に「LaVita」の欧文字、「ラビタ」の片仮名が表示されているに過ぎない。なお、ロゴは認識できない程度の表示である。この「LaVita」または「ラビタ」の表示と、請求にかかる指定役務の関係が不明であり、自他役務を識別できる態様で使用されているとは言えない。よって、これらインスタグラムの記載が請求に係る指定役務への使用の証拠にはならない。
ウ 証拠の信用性について
インスタグラムの内容は公開後に書き換え可能であること、及び乙第8~12号証は被請求人店舗自身のインスタグラムのページであって第三者が関与したことを示す証拠もないことから、これらの証拠が真正に作成されたものか確認できない。
(4)乙第13~19号証について
乙第13~19号証は、日付けの記載がなく、いつ製作され、または使用されたものか不明であり、要証期間における本件商標の使用を証明するものではない。
(5)乙第20~25号証について
ア 要証期間における使用がないこと
乙第20号証及び乙第23号証は、レシートの上部に「2019年07月31日(水)」と記載されており、すなわち要証期間外の日付けが記載されている。よって、乙第20号証及び乙第23号証は、要証期間における本件商標の使用を証明するものではない。
乙第21号証、第22号証、第24号証及び第25号証はそれぞれ、レシートの上部に「2019年08月31日(土)」または「2019年09月30日(月)」という、要証期間内の日付けが印字されている。しかし、これらのレシートは、被請求人自身が作成した被請求人店舗のレシートであり、レジスターの日付けの変更が行えないともいえず、真正に作成されたものか確認できない。よって、乙第21号証、第22号証、第24号証及び第25号証に記載された日付けが証拠になるとは認められないから、要証期間における本件商標の使用を証明するものとはいえない。
イ 本件商標の使用がないこと
被請求人は、乙第20~22号証は、被請求人店舗の商品の月末在庫管理レシートを示しており、乙第8~11号証とあわせて店舗内で商品を販売していた証拠となる旨、主張する。また、乙第23~25号証は、被請求人店舗で販売された商品の月別売上精算レシートを示しており、毎月一定額の売上が継続していた旨主張する。
しかし、乙第20~25号証は、被請求人自身が使用する在庫管理及び売上精算用のレシートであり、需要者・一般消費者の目に触れるものではなく、本件商標が使用されていた証拠とはならない。
このように、乙第20~25号証は、本件商標の使用を証明するものとはいえない。
ウ 証拠の信用性について
乙第20~25号証のレシートは、いずれも被請求人自身が作成した被請求人店舗のレシートであり、第三者が関与したことを示す他の証拠もないことから、これらの証拠が真正に作成されたものか確認できない。
また、レシートの上端部にテープのようなものが貼付されているように見受けられ、レシートの一部の文字やロゴの記載がそのテープらしきもので隠れていて認識できない。
さらに、ロゴが付されているように見える部分は、レシート自体に印字されたロゴではなく、上記のテープのようなものに印字されたロゴのようであり、レシートが印字された日付けとテープが貼付された日付けが同一であることの確認ができない。
このように、乙第20~25号証が真正に作成された証拠であるか確認できない。
(6)乙第26~27号証について
乙第26~27号証には、本件商標が確認できない。また、乙第27号証には日付けの記載もない。よって、乙第26~27号証が何を証明する証拠であるのか不明であり、本件商標の使用を証明するものではない。
(7)まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠と主張するものによっては、被請求人が、要証期間に日本国内において、請求に係る指定役務について、本件商標を使用した事実が明らかになっていない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、令和4年11月25日付け答弁書及び同5年7月12日付け審尋に対する同年9月15日付け審判事件回答書で、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第42号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 被請求人について
被請求人(旧:株式会社アンダーレ)(以下「被請求人」という。)は、2005年に創業し、2011年6月に鹿児島県鹿児島市東千石町13番14号にオーガニックアロマセレクトショップ「LaVita」(以下、「店舗」という。)をオープンさせ、同店舗内に化粧品、せっけん、香料などの商品を品揃えし、それらの商品の小売を継続的に行ってきた(乙7~11)。同店舗は新型コロナウイルスの影響により2021年3月19日から当面の間臨時休業するに至ったが(乙12)、その間広告宣伝活動を行いつつそれらの商品の小売を継続的に行い、あわせて顧客に対する便益の提供を行ってきた。
2 本件使用の事実
被請求人は、要証期間に、同店舗において、本件商標(乙1)を、請求に係る指定役務「第35類香料・薫料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、継続して使用した事実がある。以下、その事実について説明する。
(1)乙第2~4号証は、店舗の外観に表示された店舗名のロゴを示している。このロゴは、欧文字の「La Vita」を図案化・装飾化したもので、最後の「a」の文字のはねの後に3枚の葉っぱが描かれるなど、非常に目を引きやすく特徴あるデザインロゴとなっており、本件商標の主たる要部をなすものである。店舗名を表すロゴは、店舗の入ロシャッターの正面に大きく目立つように描かれ(乙2~3)、また、店舗の2階正面窓にも大きく目立つように描かれている(乙2、乙4)。同店舗は、南九州一の繁華街・天文館のアーケード内にあり(乙2(下))、広告的効果の非常に高い場所に面している。
アーケード内を通る一般消費者は、店舗の入ロシャッターに大きく目立つように描かれたロゴ及び直下の文字列「AROMATIQUEorganics」と、店舗2階の窓に大きく描かれたロゴ及び直上の文字列「オーガニックアロマショップ」の各表示から、同店舗によって提供される役務(香料・薫料の小売、ひいては同小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供)を容易に認識するから、宣伝広告機能を十分に発揮する。
(2)乙第5号証は、店舗の正面入ロドアに描かれた店舗名のロゴであり、ロゴの直下の文字列「AROMATIQUEorganics」をも認めるから、店舗を訪れる客は、これら表示から、店舗によって提供される役務(香料・薫料の小売等役務)を直ちに認識する。このため、宣伝広告機能を十分に発揮する。
(3)乙第6号証は、店舗の正面入ロドアの裏面の中央上部に表示されたロゴであり、横書きのカタカナ文字「ラビタ」が表示されている。店舗を訪れた客は、店舗内から出る際に正面のロゴとカタカナ文字「ラビタ」を容易に認めることができるため、これらの表示は、宣伝広告機能を十分に発揮する。
(4)この結果、乙第2号証ないし乙第6号証は、いずれも、本件商標の広告的使用(商標法第2条第3項第8号)に該当する。
なお、乙第3~6号証の写真は令和4年11月10日(乙第2号証は令和4年11月16日)に撮影したものであるが、店舗の外親及び内面に表示された上記のロゴ等は、2022年3月19日の臨時休業後も、そのままの状態で保持してあり、特に店舗の外観に表示されるロゴは店舗名のロゴとして現在もアーケードを通る一般消費者に対する屋外の看板広告としてその機能を十分に発揮している。
(5)乙第7号証は、店舗・施設に関する全国的なロコミ・ランキングサイト「エキテン」に掲載されている上記店舗の紹介広告ページである。2013年8月19日に公開され、2022年1月11日が最終更新日となっている。同ページには、店舗名の「LaVita天文館店」とともに呼び名の「ラビタテンモンカンテン」及び、店舗の取扱商品として「オーガニックエッセンシャルオイル」「フラワーエッセンス」(香料)が表示されている。インターネットを通じて当該広告ページに接する消費者は、これらの表示から、同店舗における役務を容易に認識し、宣伝広告機能を十分に発揮おり、本件商標の広告的使用に該当する。
(6)乙第8~11号証は、2019年9月~10月にかけて同店舗が情報発信した公式インスタグラムの商品紹介ページであり、現在も閲覧可能である。
2019年9月9日に公開された画像(乙8)によると、フェイスウォッシュ(化粧水)とシャワージェル(液体せっけん)の後方に芳蒸留水(香料)が陳列されている。2019年9月12日に公開された画像(乙9)には、各種の精油(香料)が陳列されている。
また、2019年9月22日に公開された画像(乙10)には、各種のエッセンシャルオイル(香料)が陳列されている。
これらのページには、店舗名の「LaVita」とともにその呼び名である「ラビタ」が表示されている。これらの表示は、請求に係る役務について、本件商標の広告的使用に該当する。
(7)乙第13及び乙第14号証は、被請求人(旧:株式会社アンダーレ)がオープン当初から使用している店舗のチラシである。同チラシの表(乙13)には、本件登録商標の主たる要部であるロゴ「(ロゴ)」の表示とともに、取扱商品として「フレグランス商品」(香料商品)が表示されている。当該チラシに接する一般消費者は、これらの表示から、同店舗における役務を認識し、広告宣伝機能を十分に発揮している。よって、上記表示は、本件登録の広告的使用に該当する。
(8)乙第15号証は、店舗内でスタッフが胸ポケットに挿して接客を行うために用いる札である。同札には、本件登録商標の主たる要部であるロゴが表示され、店舗を訪れる客に対し、店舗のスタッフであることがすぐ分るようになっている。当該札にロゴを表示する行為は、本件商標の使用(商標法第2条第3項第3号)に該当する。
(9)乙第16号証は、店舗内で購入した商品を入れる紙製の手提げバッグである。当該バッグの側面に本件商標の主たる要部であるロゴが表示されており、当該表示は、商標法第2条第3項第3号の「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為」に該当する。
(10)乙第17~19号証は、被請求人(旧:株式会社アンダーレ)が、広告宣伝用に制作した封筒、リーフレット、ポストカードである。それぞれの制作物には、本件登録商標の主たる要部であるロゴが表示され、本件商標の使用(商標法第2条第3項第8号)に該当する。
(11)乙第20~22号証は、2019年7月から2019年9月における、店舗で在庫管理用に使用された各月の月末在庫管理レシートである。
同レシートの縦列に「アカマツ・ヨーロッパ」ないし「ジュニパー」の印字があるが、これらはすべて香料を示しており、当該印字により、これらの商品について店舗が継続して在庫管理していることが分る。乙第8~11号証とあわせて、店舗内でこれらの商品を販売していた証拠となる。
なお、店舗で用いるレジスターから印字出力される顧客用のレシートには、レジスターの構造上、乙第20~22号証のレシートに印字される店舗ロゴと「御来店ありがとうございます・・・ラビタ鹿児島で検索★」の文字が同じように印字されるようになっている。
(12)乙第23~25号証は、上記期間の各月に店舗で販売された商品の月別売上清算レシートである。当該売上清算レシートは、同店舗において、毎月一定額の売上が継続してあったことが分かる。
(13)乙第26~27号証は、株式会社アンダーレが株式会社FM鹿児島に対し店舗紹介のCMを申し込み、株式会社FM鹿児島が、2019年10月に計13回20秒間のCMを放送した事実を示しており、ラジオを通じても店舗の広告宣伝活動を行っていたことが分かる。
(14)上記のとおり、被請求人は、要証期間に、本件商標を、請求に係る指定役務について継続して使用した事実がある。
3 審尋に対する回答
(1)被請求人が乙第2~6号証に写る店舗で営業を行っていたことについて
ア 乙第28号証は、要証期間における株式会社アンダーレと取引先との間の取引書類の写しである。乙第28-1及び28-2号証の取引書類には、住所(鹿児島県鹿児島市東千石町13-14)、会社名(株式会社アンダーレ)、店舗名(La Vita天文館店)と記載されている。乙第28-3及び乙28-4号証並びに第28-6号証の宛先が、(株)ラクーンコマース、株式会社ラクーンコマースとなっているのは、株式会社アンダーレが株式会社ラクーンコマースの「スーパーデリバリーサービス」を利用したからである。
イ 株式会社アンダーレは、要証期間に、「フェイス&ボディシート」(せっけん類)(乙28-1)、「バスソルト」(化粧品)(乙28-2)、「エッセンシャルリキッドマルセイユソープ」(せっけん類)、「ハンドクリーム」(化粧品)(以上、乙28-3)、「アロマオイル」(香料)(乙28-5)、「ペーパーソープ」(せっけん類)(乙28-6)をそれぞれ上記住所の店舗(LaVita天文館)に仕入れており、被請求人が要証期間に乙第2~6号証に写る店舗(建物の名称(will-1108ビル)も写真と一致する)で営業を行っていたこと、すなわち、化粧品・せっけん類・香料の小売の業務を行っていたことは明らかである。
ウ 乙第2~6号証の写真に写っている店舗建物の所有者は株式会社ウィルであり(乙29)、株式会社アンダーレは、要証期間、毎月100,000円(消費税込)の賃料を株式会社ウィルに支払っている(乙30)。賃料は、株式会社ウィルと株式会社ステージ・インフィニティ(株式会社アンダーレの旧社名)との間で締結された建物賃貸借契約(乙31)に基づいており、社名変更(乙32)後は株式会社アンダーレが賃料を株式会社ウィルに支払った。
エ 以上の証拠は、株式会社アンダーレが、乙第2~6号証の写真に写る店舗の場所で、要証期間に営業を行っていたことを証明している。
(2)乙第26及び27号証について
ア 乙第26号証の放送確認書は、株式会社エフエム鹿児島が、広告主について、宛先を依頼元である「株式会社アンダーレ」とすべきところを、紹介店舗名「LaVita天文館店」のカタカナ表記の略称(「ラビタ」)を記載したものであり、実際の宛先は、依頼元である株式会社アンダーレである。
イ 乙33号証は、広告代理店の株式会社総広から株式会社アンダーレに提案された2019年の販促企画書(2018年12月~2019年11月放送分)であり、乙第34号証は、株式会社総広から株式会社アンダーレに発行されたエフエム鹿児島年間企画の請求書である。乙第26号証の放送確認書は同年間企画に基づき2019年10月に放送された分である。
ウ 乙第35号証は、エフエム鹿児島から株式会社アンダーレに提供された番組「あさCafe!」内放送CM(取扱い商品紹介編)の音声(原本:CDR)を複製したものである。乙第35号証には、乙第27号証に含まれる「ラビタ天文館店」の紹介文(読み上げ原稿)をほぼそのまま再現する音声が収録されている。
エ なお、株式会社アンダーレは、2019年11月以降も、複数月にわたり、エフエム鹿児島によるラジオCMを行っている(乙36)。
(3)乙第37号証について
ア 乙第37-1号証は、天文館の公式ホームページ(https://tenmo n k an.info/tenten-birthday-festiva1-2020/)に過去のイベントとして掲載されている「テンテン誕生祭2020」のチラシであり、乙第37-2号証は同イベントにおける商品券利用可能店舗のリストである。
イ 「テンテン誕生祭2020」は要証期間中の2020年10月10日から11日の2日間開催され、商品券が当たるレシート抽選会が行われた(乙37-1)。乙第37-2号証には、天文館にぎわい通り商店街において、緑色の1,000円の商品券が利用できる店舗として、株式会社アンダーレが運営する店舗「LaVita」((13)LaVita)が、店舗の地図(天文館にぎわい通り商店街の13番)とともに掲載されている。
ウ 上記チラシは、天文館に所属する3つの商店街で購入したレシートで抽選により緑色の1000円の商品券が当たると、(13)の店舗、すなわち、株式会社アンダーレが運営する店舗「LaVita」にて商品券を利用し、買い物をすることが出来た事実を示している。
エ 以上の証拠は、株式会社アンダーレが要証期間に鹿児島市東千石町13番14号の店舗(乙第2~6号証)にて営業を行っていたことを証明している。
(4)乙第38号証について
ア 乙第38-1号証は、店舗の正面入ロドアのロゴシート(乙5の写真に写る白字のロゴシート)について、乙第38-2号証は、店舗の正面入ロドアのロゴシート(乙5~6の写真に写る葉っぱのデザインをしたロゴシート)についての、納品書及び請求書の写しである。株式会社鹿児島新生社印刷は前者のロゴシートを平成23年12月28日に、後者のロゴシートを平成24年9月20日に株式会社アンダーレに納品し、店舗の正面入ロドアに施工した。
イ 乙第38-3号証は、店舗2階正面窓のロゴシート(乙2及び乙4の写真に写る店舗2階正面窓のLaVitaのロゴシート)についての納品書及び請求書の写しである。株式会社鹿児島新生社印刷は同ロゴシートを平成27年7月18日に株式会社アンダーレに納品し、店舗2階正面窓に施工した。
ウ 店舗の正面入ロドアのロゴシート及び店舗2階正面窓のロゴシートは、施工後、乙第2~4号証の写真に写るシャッターのロゴを含め、乙第2~6号証の写真の撮影時に至るまでいずれも撤去した事実がない。一例を挙げれば、シャッターに施工されたロゴの劣化状況を見れば、要証期間直後から撮影日(令和4年11月10日)の間に施工されたものでないことが一目瞭然である。以上の証拠は、要証期間、本件商標が使用されたことを裏付けている。
(5)乙39号証について
ア 乙第39-1~39-6号証は、乙第13~19号証に対応する株式会社鹿児島新生社印刷の納品書である。株式会社鹿児島新生社印刷は、平成23年12月28日から平成28年12月22日にかけて、店舗案内チラシ(乙第13~14号証)3000枚、店舗スタッフ着用札(乙第15号証)2枚、店舗使用紙バッグ(乙第16号証)用ロゴスタンプ1点、長4サイズの封筒(乙第17号証)1000枚、葉形のリーフレット(乙第18号証)5000枚、ポストカード(乙第19号証)5000枚を、それぞれ株式会社アンダーレに納品した(乙39-1~39-6)。
イ 納品された店舗案内チラシ、封筒、リーフレット、ポストカードは店舗が取り扱う商品の宣伝広告のため、納品された店舗スタッフ着用札とロゴスタンプは便益の提供のため、店舗の臨時休業2021年3月19日)の直前まで、配布、使用されてきた。
ウ 乙第13~19号証は、要証期間中である店舗の臨時休業(2021年3月19日)時に店舗に保管されていた店舗案内チラシ、店舗使用紙バッグ、封筒、リーフレット、ポストカードの残り(在庫)から、また、使用済の店舗スタッフ着用札について、それぞれ提出したものである。
エ 以上の証拠及び時系列を含む事実関係は、要証期間に本件商標が使用されたことを裏付けている。
(6)乙第40号証について
乙第40号証は、要証期間の2019年12月に広告用に配布された翌年のカレンダーの在庫の一部(2020年4月と2020年5月)である。カレンダーの下部にロゴが記載されており、配布によって要証期間に本件商標が使用されたことを示している。
(7)乙第41号証及び乙第42号証について
請求人の弁駁書において、乙第20~25号証について、レシートの上部に印字されたロゴの印字や文字がテープに隠れて認識できないとの主張があったことから、乙第41-1~41-3号証、乙第42-1~42-4号証を新たに提出する。乙第42-2~42-4号証は、乙第23~25号証に対応する。各号証からは、ロゴの輪郭をはっきりと認識することができる。
(8)請求人の弁駁書に対する意見について
ア 乙第2~6号証について
上記(4)において詳しく説明したように、被請求人は、乙第2~6号証について要証期間に本件商標を使用した事実がある。また、この事実に他の証拠(乙第7~8号証、乙第11号証、乙28-1~28-6号証)を照らし合わせると、乙第2~6号証は、請求に係る指定役務「第35類 化粧品・せっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、要証期間に本件商標が使用されたことの証明になることが明らかである。
よって、要証期間における本件商標の使用がない、請求に係る指定役務への使用がないとの請求人の主張は、いずれも失当である。
イ 乙第7号証について
乙第7号証は、日本最大級をうたう店舗・施設情報サイトであり、登録を申し込むと、審査を経て店舗情報が公開日とともに公開され、店舗情報に更新があると更新日とともに更新後の店舗情報が公開されるようになっている。
請求人は、乙第7号証について、あたかも要証期間外にウェブページの内容を書き換えできたかのように主張しているが、最終更新日は要証期間中の2022年1月11日である。被請求人が書き換えを依頼した事実はなく、また、公開日及び最終更新日は勝手に書き換えできるものではない。乙第7号証には、取扱商品としてはっきりと「オーガニックエッセンシャルオイル」と表示されている。他の証拠(乙9、乙10、乙28)と照らし合わせれば、乙第7号証から本件商標の使用は明らかである。請求人は乙7号証の信用性をおとしめるような主張を行っているが、乙第7号証は真正に作成されたものである。
よって、乙第7号証について、要証期間における本件商標の使用がない、請求に係る指定役務への使用がないとの請求人の主張は、根拠がなくいずれも失当である。
ウ 乙第8~12号証について
請求人は、乙第8~12号証の公式インスタグラムについて、投稿後にあたかも内容を書き換えできたかのように主張しているが、被請求人が投稿後に内容を書き換えた事実はなく、また、公式インスタグラムの仕様によれば、投稿後の画像や写真は編集することができない。投稿日は勝手に書き換えできない。
乙第9号証及び乙第10号証には、投稿者のプロフィール名(aromati quelavita/ラビタ)とともに、説明文に「アロマショップLavitaです」、店舗内の陳列を示す画像に「精油」(香料)(乙9)、「エッセンシャルオイル」(香料)(乙10)が同時に掲載されている。
「lavita」と「ラビタ」の使用、「ラビタ」と「Lavita」の使用は、いずれも本件商標と社会通念上同一の使用にあたるから、被請求人の公式インスタグラムによる使用は、いずれも本件商標の使用にあたる。
乙第8~12号証は、本件商標が請求に係る指定商品について使用されている事実を示す証拠に他ならない。請求人は乙第8~12号証についても信用性をおとしめるような主張を行っているが、これらは真正に作成されたものである。
以上により、乙8~12号証について、要証期間における本件商標の使用がない、請求に係る指定役務への使用がないとの請求人の主張は、根拠がなくいずれも失当である。
エ 乙第13~19号証について
乙第13~19号証は、上記(5)において詳しく説明したように、要証期間前に納品された事実、納品数量を明らかにしている(乙39)。一部(店舗スタッフ着用札、スタンプ)を除けば、1000枚から5000枚の数量の販促品が納品されており、販促品の数量の規模からいっても、納品後、店舗の臨時休業(2021年3月19日)の直前まで配布されていたことは明らかである。
よって、要証期間における使用がないとの請求人の主張は失当である。
オ 乙第20~25号証について
乙第20~25号証は、要証期間前から要証期間にかけて継続的に店舗内で営業を行っていた事実を示す証拠として提出したものである。請求人は、乙第21、22、24及び25号証について、あたかも日付を変更できたかのように主張するが、そのような事実はない。レジスターは、レジスターに登録されている取引データから、各種の集計レポートを出力日とともに印字出力できる機能を一般に持っており、乙第21、22、24及び25号証のレシートは、出力日(2019年8月31日、2019年9月30日)における仕入先別月末在庫情報、部門別月末売上情報を、レジスターから印字出力したものであり、各レシートに印字された日付及び時刻は、出力時点のものである。請求人は、乙第20~25号証について、真正に作成していないかのごとく主張するが、これらは真正に作成されたものである。
また、一般に物販用のレジスターは、レシートに店舗名・住所・電話番号などを印字できる仕様とされており、証拠を挙げるまでもなく、どこの店舗でも購入者用のレシートには店舗名と連絡先が印字されている。購入者が商品の購入店舗を確認できるようにするためである。乙第20~25号証のレシートは、レシートの上部に記載の住所の店舗に設置されたレジスターから出力されたものであり、同一のレジスターからは、同店舗の商品の購入者用に印字出力されるレシートにも同一の表示(店名としてのLaVitaのロゴ・住所・電話番号)が上部に印字されることが容易に推認される。乙第20~25号証は、そのような購入者向けのレシートの存在を強く裏付ける証拠となるものである。
さらに、新たに提出した乙第41及び42号証(乙第20~25号証に対応する)によれば、各号証からロゴの輪郭をはっきりと認識することができる。
以上により、要証期間における使用がない、本件商標の使用がないとの請求人の主張は失当である。
カ 乙第26~27号証について
乙第26~27号証は、要証期間において、被請求人が店舗の広告宣伝活動を積極的に行っていた事実(令和元年9月から11月までの計69回、店舗名(「ラビ夕天文館店」)とともに取扱商品を紹介するラジオCMが放送された)を示すものとして提出したものである。要証期間に本件商標と社会通念上同一の商標(「ラビタ」)が繰り返し称呼される結果、本件商標の広告的機能が十分に発揮されており、商標の本質が商標の機能にあることに鑑みれば、要証期間に請求に係る指定役務について本件商標が実質的に使用されていたと言える。
よって、本件商標の使用がないとの請求人の主張は失当である。
(9)まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠と主張によれば、要証期間に本件商標権者によって請求に係る指定役務について本件商標を使用した事実について明らかにされており、また、請求人による弁駁書の主張にはなんら理由がない。よって、本件商標は、請求に係る指定役務について、その登録が維持されるべきである。
第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、次のとおりである。
ア 被請求人は、2005年に創業し、2011年6月に鹿児島県鹿児島市東千石町13番14号にオーガニックアロマセレクトショップ「LaVita」をオープンさせた(被請求人主張)。
イ 上記アの店舗には、店舗入口のドア、店舗のシャッターの正面及び2階正面窓にも大きく目立つように「LaVita」(末尾の「a」に葉様の図形を有してなる。)の文字が使用(以下「使用商標」という。)されている(乙2)。
店舗の入ロシャッターのロゴには、「AROMATIQUEorganics」と、2階正面窓のロゴには、「オーガニックアロマ セレクトショップ」の記載がみられる(乙2~乙4)。
ウ 店舗・施設に関する全国的なロコミ・ランキングサイト「エキテン」には、営業中の店舗の写真、店舗名の「LaVita天文館店」の表示及び、店舗情報として「オーガニックエッセンシャルオイルを始め、・・・その他フレグランス商品や雑貨などを取り扱っております」との記載があり、公開日として2013年8月19日の日付、最終更新日として2022年1月11日との記載がある(乙7)。
エ 2019年9月~10月にかけて被請求人の店舗が情報発信した公式インスタグラムとされる画面の写しでは、「ラビタ」及び使用商標の記載があり、2019年9月12日に公開されたとされる画像(乙9)には、「レモン」「マンダリン」「グローブ」「バジル」などの香りの種類、同年9月22日に公開されたとされる画像(乙10)には、「Essential Oil」「精油 はかり売りしています」と掲示された棚に小瓶にはいった商品が陳列された状態の写真があり、記事には、「#精油や#キャリアオイル・・・商品などなどお買い忘れないですか?」の記載がある。
また、これらのページには、店舗名の「LaVita」及び店舗の入ロシャッターのロゴに併記された「AROMATIQUE」から通じる「aromatiquelavita」の記載と、店舗名の呼び名である「ラビタ」の記載がみられる(乙8~乙11)。
オ 株式会社アンダーレと取引先との間の取引書類とされる納品書)には、店舗住所、会社名(株式会社アンダーレ)、店舗名(La Vita天文館店)と記載されており、その日付欄には、「19.10.23」の記載がある。当該書類には、上記の他、「ハーブコーディアル ローズヒップ ビューティ」(香料)の商品記載がある(乙28-1)。
カ 「LaVita天文館店」の店舗名が記載された取引書類(乙28-5)には、「デイリーアロマオイル30ml」の記載及び「「検品済印 03.2.17 責任者押印」があり、店舗宛てに上記商品を仕入れていること(納品されていること)がうかがえる。
キ 「令和3年度 土地・家屋課税明細書」とされる書類には、納税義務者名を「株式会社ウィル」、所在町名地番を「鹿児島県鹿児島市東千石町13番14号」とする、地目を宅地とする土地及び用途を店舗兼事務所とする家屋の存在がうかがえる(乙29)。
ク 株式会社アンダーレを口座名義人とする南日本銀行の通帳の記録によれば、令和3年10月8日付け、同年11月10日付け及び同年12月10付けで、送金先を株式会社ウィルとする各回10万円の金額の送金があった(乙30)。
ケ 株式会社ウィルを貸出人、被請求人の前身である法人とされる「株式会社ステージ・インフィニティ」を借家人とする、平成23年5月1日付けの建物賃貸契約書の存在がうかがわれ、同契約書第3条によれば、その賃料は100,000円とされている(乙31)。
コ 「現在事項全部証明書」の記載事項によれば、被請求人(株式会社アンダーレ)は、平成24年6月16日付けで、株式会社ステージ・インフィニティから商号変更を行い、その旨が、同年7月2日付けで登記されたことがうかがえる(乙32)。
(2)上記(1)からすれば、以下の事実が認められる。
ア 上記、(1)ア及びイによれば、鹿児島県鹿児島市東千石町13番14号にあるとされる店舗の入ロシャッターの正面及び2階正面窓には、本件商標の欧文字部分と、社会通念上同一視することが許される「LaVita」文字が、使用されていることが認められる。
イ 上記(1)ウによれば、被請求人の店舗情報を掲載したウェブサイトには、営業中の店舗の写真を掲載し、その店舗名を「LaVita天文館店」とし、また、店舗情報として「オーガニックエッセンシャルオイルを始め、・・・その他フレグランス商品や雑貨などを取り扱っております」との記載があり、これらの情報が、公開日として2013年8月19日付けで公開され、その内容が2022年1月11日に最終更新されたことがうかがえる(乙7)。
ウ 上記(1)エによれば、被請求人の店舗が情報発信した公式インスタグラムとされる画面の写しには、使用商標及び店舗の入ロシャッターのロゴに併記された「AROMATIQUE」から通じる「aromatiquelavita」との記載と、店舗名の呼び名である「ラビタ」及び使用商標の記載があり、要証期間である2019年9月12日時点で、当該店舗内において、アロマ(香料)の陳列された状態にあったことがうかがえる。
エ 上記(1)オ及びカによれば、要証期間に被請求人が、請求に係る指定役務において取り扱う商品(香料の範ちゅうに属する商品)を店舗宛てに、仕入れて納品を受けたことが、納品書等の取引書類によりうかがえる。
オ 上記(1)キないしケによれば、現在の商標権者である「株式会社ウィル」が、少なくとも、令和3年当時には、所有していることが確認できる不動産物件について、被請求人の前身の法人である「株式会社ステージ・インフィニティ」が、平成23年5月に建物賃貸契約を結び、その後、少なくとも、令和3年10月ないし同年12月においては、その後身の法人である「株式会社アンダーレ」が定期的に、建物貸主である「株式会社ウィル」の口座宛に前記建物賃貸契約書中の月額賃料と同額の10万円を月単位で送金した事実がうかがえる。
2 判断
(1)使用者について
本件の要証期間における商標権者は「株式会社アンダーレ」であるから、本件の使用者は、当時の商標権者自身による使用と認められる(以下「使用者」という。)。
(2)使用商標について
本件商標は、別掲のとおり「ラビタ」の片仮名及び「La Vita」の欧文字(末尾「a」に葉様の図形を有してなる。)を上下二段に表してなるところ、その構成中上段の片仮名は、下段の欧文字の読みを特定したものと容易に認識されるものであるから、店舗入口のドア又は店舗のシャッター等(以下「店舗の外観」という。)に表されたロゴの構成中、目立つように大きく表された使用商標は、そのつづりや書体、末尾の葉様の図形を有する構成態様において、同一視できるものであり、本件商標とは、社会通念上同一のものと認められる。
(3)使用役務について
要証期間における、使用者の主な業務は、本件商標と同一視できる商標を看板等として掲示した店舗の外観及び当該建物の賃貸契約の状況、並びに、小売事業に供する商品の仕入れ取引事情を示す書類に記載され納品されたとする商品の種類からすれば、顧客にその商品購入等にあたっての便宜を図ることを目的としたものといえるものであって、小売等役務を構成するサービス活動の一つとして使用されているとみるべきである。
してみれば、使用者の取扱いに係る役務は、「香料・薫料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「使用役務」という。)といえるものであり、使用役務は、本件審判の請求に係る役務である「香料・薫料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に含まれる役務である。
(4)使用及び使用時期について
使用者は、少なくとも要証期間中に賃借している店舗において、店舗看板として需要者の目に触れる状態にある店舗の外観に本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付している。また、使用者は、使用役務の取り扱う商品(香料の範ちゅうに属する商品)の仕入れを行い、これを店内に陳列したことが、使用者の店舗情報等が掲載されたウェブサイトや公式インスタグラムの記載内容等から推認できるものであり、当該ウェブサイトの最終更新日とされる令和4年(2022年)1月11日は要証期間内であることから、使用者は、当該店舗において、使用商標を使用役務について使用していたと認められるものである。
また、その使用地域は、店舗の所在地等から日本国内であることは明らかである。
(5)小括
以上よりすれば、本件商標権者は、要証期間内に店舗看板に使用役務を内容とする広告に使用商標を付して展示する行為を行ったものであり、当該行為は、商標法第2条第3項第8号の「役務に関する広告に標章を付して展示する行為」に該当するものである。
3 被請求人の主張について
乙2~6は店舗の外観及び内面の写真であり、その撮影は要証期間外かつ休業後のものであり、乙7のウェブページは、その最終更新日が要証期間内だとしても、かかる内容が要証期間中の内容であるとはいえず、また、店舗情報に、「オーガニックエッセンシャルオイル」「フラワーエッセンス」と記載されているが、具体的な商品を示す記載が一切なく、これに接した需要者・一般消費者が被請求人店舗でどのような商品を取り扱っているのかを認識することができないことから宣伝広告機能を発揮しているとはいえず、また、請求に係る指定役務についての本件商標の広告的使用が証明されておらず、さらには、これらのウェブページの内容は書き換え可能であり、証拠が真正なものか確認できないと主張する。
しかしながら、乙7に記載されている店舗の住所は、被請求人が要証期間に建物賃貸契約を結んでいた建物の住所と一致しており、また、かかる店舗宛てとする請求に係る指定役務において提供される商品の取引書類によって、その仕入れ等がうかがえるものである。また、乙2~6の写真の撮影が、要証期間後の時期であるとするならば、現在休業中であるとされる店舗に新たにその外観を備えたというには合理性を欠き、むしろ、休業以前の要証期間においての状況が残されているとみるのが妥当であるから、請求人の主張は採用することができない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が本件審判の請求に係る指定役務について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-300755