2022-300376
メッシュ
- 審判番号
- 2022-300376
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2010-066116外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 5408325
- 請求日
- 2022年04月21日
- 審決日
- 2023年09月26日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】カード システムズ リミテッド
- 【請求人代理人】鈴木 礼至
- 【被請求人】ビッグローブ 株式会社
- 【被請求人代理人】宮崎 昭夫
- 【被請求人代理人】緒方 雅昭
- 【被請求人代理人】中里 浩一
- 【被請求人代理人】中里 卓夫
- 【被請求人代理人】三嶋 景治
- 【被請求人代理人】川崎 仁
- 分類
- T132 .1 -Y (X09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 識別力・商標の種類(本文から自動判定・参考)
- 文字(標準文字の明示なし)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第3号、商標法第2条第3号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 18項目
第1 本件商標
本件登録第5408325号商標(以下「本件商標」という。)は、上段に「MESH」の欧文字、下段に「メッシュ」の片仮名を二段に書してなり、平成22年8月23日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同23年4月22日に設定登録され、その後、令和3年4月13日に存続期間の更新登録がされたものである。
なお、本件審判請求の登録日は、令和4年5月16日である。
また、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和元年(2019年)5月16日ないし令和4年(2022年)5月15日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
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請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、本件商標の登録は、その指定商品中、第9類「プロジェクター及びその部品,電気通信機械器具,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品」(以下「取消請求商品」という。)について、これを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
請求人が本件商標の使用の有無を調査したところ、本件商標は、取消請求商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても、使用されていないことが明らかになった。
また、商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれにも、本件商標を取消請求商品について、継続して3年以上日本国内において使用していないことについて、正当な理由を発見しなかった。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。
2 なお、請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
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被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証(枝番号を含む。)を提出した(なお、枝番号がある乙号証をまとめて引用する場合、枝番号を省略して、「乙第2号証」又は「乙2」などという場合がある。)。
1 商標使用権者について
被請求人ビッグローブ株式会社自身は、要証期間に日本国内において本件商標を取消請求商品について使用していない。
しかし、被請求人は、平成27年4月17日付けでソニー株式会社との間において本件商標について通常使用権設定契約により通常使用権を設定し(乙1)、同29年12月26日付けで締結した「覚書」(乙2の1)に基づき以後更新を重ね現在に至っている(乙2の2、乙2の3)。
なお、ソニー株式会社は、令和3年4月1日付けでソニーグループ株式会社(以下「ソニーグループ社」という。)に商号変更をしており(以下、商号変更前のソニー株式会社を「旧ソニー社」という。)、ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社は、同日付けで、ソニーエレクトロニクス株式会社、ソニーメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社(審決注:「ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社」の誤記と認める。)及びソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社を吸収合併するとともに、ソニー株式会社へと商号変更(以下、商号変更後のソニー株式会社を「新ソニー社」という。)をしている(乙3)。
ソニーグループ社は、同社が有していた電子ブロック及び無線電子タグを主体とする事業を含むエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション事業に関する権利義務を令和3年4月1日付けで新ソニー社へ会社分割の形式で承継させている(乙3)。
したがって、令和3年3月31日までは、旧ソニー社が本件商標の通常使用権者であり、同年4月1日以降は本件商標の通常使用権を承継した新ソニー社が通常使用権者として本件商標についての正当な使用権者である(以下、「旧ソニー社」及び「新ソニー社」を合わせて「ソニー社」という)。
また、ソニーマーケティング株式会社(以下「ソニーマーケティング社」という。)は、新ソニー社の100%子会社であり、かつ新ソニー社の製品の国内における販売会社である同社の行為は、実質的には新ソニー社の行為と同視し得る(乙3)。
以下において、被請求人は、通常使用権者であるソニー社及びソニーマーケティング社の本件商標の使用事実につき証拠を挙げて説明する。
2 ソニー社による本件商標の使用事実
ソニー社は、要証期間に、日本国内において、商品の宣伝及び販売を目的として「MESH」の欧文字からなる商標を付して自社及び関連会社のホームページにおいて表示することにより、当該商標を使用(商標法第2条第3項第3号又は同項第8号)している(乙4)。
(1)本件商標の使用時期及び使用事実
2020年8月7日から2022年1月30日にかけて、ソニー社が同社ホームページにおいて、使用許諾を受けた本件商標を付して同社の製品である電子応用機械器具の宣伝及び販売をしていたことを示すものである(乙4の1~乙4の8)。
乙第4号証の1ないし乙第4号証の4及び乙第4号証の6は、非営利団体のインターネットアーカイブ(Internet Archive)が運営するウェイバックマシーンにより取得したアーカイブ資料である。
ウェイバックマシーンとは、国立国会図書館インターネット資料収集保存事業にも記載されているとおり、インターネットアーカイブ(Internet Archive)が保存しているウェブサイトを閲覧できるサービスであり、収集、保存された日付ごとに過去のウェブサイトを閲覧することが可能となっているサイトである(乙5。以下、「アーカイブ」というときにはウェイバックマシーンにより取得されたものをいう。)。
すなわち、乙第4号証の2ないし乙第4号証の4及び乙第4号証の6のURL表示中に示された数字は当該年月日時分秒に収集、取得されたことを示すものである。この日付を表す数字の左端から8桁の数字は年月日を表している。例えば、乙第4号証の2につき、「20201111」は、2020年11月11日に当該ウェブサイトが収集、保存されたことを表し、当該日付には該当するウェブページがインターネット上に存在していたことを示すものである。
乙第4号証の1は、ソニー社のウェブページ中の製品ページがウェイバックマシーンによって保存された日付を年月日別の一覧をカレンダー形式で表示したものについて、2020年のものを示したものである。
乙第4号証の2は、上記製品ページについてのトップページ及び「商品カテゴリー一覧」が存在し、「商品カテゴリー一覧」中に、「新しいライフスタイル」の記載が存在し、ウェイバックマシーンによって2020年11月11日に収集、保存されたことを示すものである。
乙4号証の3は、上記「新しいライフスタイル」中で、「MESH」を付した具体的な商品の広告、宣伝をしていること示すものであって、かつ同ページが2020年11月28日及び同月10日に存在し、ウェイバックマシーンによって収集、保存された具体的な日付を示している。
乙第4号証の4は、「MESH」を付した商品一覧中、商品「MESHアドバンテストセット(7タグ) MESH100B7A」(審決注:「MESHアドバンスセット」の誤記と認める。以下同様。)の広告、宣伝をしていることを示すものであって、かつ2022年1月30日に同ページが存在し、ウェイバックマシーンによって収集、保存されたことを示している。
乙第4号証の5は、ソニー社の商品販売サイト「ソニーストア」において、上記商品「MESHアドバンテストセット(7タグ) MESH100B7A」が販売され、消費者が希望に応じて購入できることを示すものであって、かつ同ウェブページが2020年9月28日に存在し、ウェイバックマシーンによって収集、保存されたことを示している。
乙第4号証の6は、ソニー社の商品カタログダウンロードサイト「プログラミング教育」において、2020年8月7日時点で本件商標を付した商品のカタログが掲載され、希望する者がいれば、同サイトよりダウンロードできる状態にあったことを示すものである。
乙第4号証の7は、上記商品カタログダウンロードサイトにおいて配布されていたカタログ「つくれる、学べる、楽しめる アイデアを形にできるIoTブロック MESH【TM】 meshprj.com」(審決注:【TM】は「TM」の文字が上方に小さく表記されていることを示す。以下同様。)であり、2020年8月7日時点で配布されていたことを示している。
乙第4号証の8の1ないし乙第4号証の8の3も、商品カタログである。乙第4号証の8の1及び乙第4号証の8の2のカタログの奥付の日付には、「2021.6 カタログ記載内容2021年6月現在」との記載があること、乙第4号証の8の3のカタログの奥付の日付に「記載内容2021年6月現在」との記載があるところ、同様の記載のある乙第4号証の7が2020年8月7日時点で配布されていたことにより、ソニー社は少なくとも2021年6月から乙第4号証の8の1ないし乙第4号証の8の3についてもカタログ申込があった場合には配布が可能となっていたのであり、2022年7月6日現在の同サイトではいずれもがダウンロード可能となっている(乙4の9)。カタログダウンロードサイトに掲載された時期は不明であるが、乙第4号証の7などと合わせて考えると、少なくとも2020年8月7日以降に追加配布され、その後も継続して配布されて現在に至っていることを示している。
乙第4号証の1ないし乙第4号証の6のアーカイブについて、少なくとも2020年8月7日から2022年1月30日にかけて各証拠がウェブ上に存在したものであり、ソニー社が本件商標を、電子応用機械器具である自社商品の宣伝(商標法第2条第3項第8号)及び販売(商標法第2条第3号第2号)のために使用したことを示している。
(2)本件商標と使用商標の同一性について
本件商標は、上段に欧文字「MESH」を配し、下段に片仮名「メッシュ」と配した商標であるところ、片仮名は欧文字の読みを特定したものと無理なく理解できることから、本件商標の欧文字と片仮名は、「MESH」の称呼及び「MESH(網の目、かみ合い)」の観念を共通にする。
これに対して、通常使用権者であるソニー社が乙第4号証において使用している標章は、ウェブページに配置した欧文字「MESH(メッシュ)」、及び商品ごとに、欧文字「MESH」、型番号及び品番号を記号ハイフンで結合したもの(例えば「MESH-100B7A」、「MESH-100MD」)である。また、乙第6号証においては、ウェブページにおいて「MESH」と表示し、かつそれぞれの商品ごとに乙第4号証と同様な表示方法を採用している。
欧文字「MESH」、型番号及び品番号を記号ハイフンで結合したものは、ハイフン、型番号及び品番号部分には自他商品を識別する機能がないのであるから、自他商品識別機能を有する部分は「MESH」部分である。
これらのことより、ソニー社が使用している標章は、本件商標の欧文字部分とそのつづりを共通にするものであり、本件商標が二段併記等の構成からなる場合であって、上段及び下段等の各部が観念を同一とするときの、一方の使用であるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(3)本件商標を付した商品
乙第4号証の3ないし乙第4号証の8に掲載された本件商標が付された商品は、電子応用機械器具である。すなわち、当該商品は、7種類のワイヤレスブロックといわれる機器とそれらを結合して作用させるためのアプリケーションから構成されているところ、各ブロックには、ボタン機能、照明機能、ブロック自体の動きの感知機能、人の動きの感知機能、照度測定機能、温度・湿度感知機能、コネクターに市販のモーターを繋ぐ、他のセンサーと繋ぐ機能がそれぞれ割り当てられている(乙4の3)。そして、各ブロックは、それぞれで感知、測定したデータを無線によって専用アプリに無線により伝達するようになっており、また専用アプリから無線による指令を受けて、感知、測定等の開始、中断をすることができ、さらに専用アプリを介して各ブロックを組み合わせてシステムとしてのデジタル工作機械を作成することが可能になるよう電子的結合、制御機能を有している。したがって、各ブロックは電子の作用を応用し、電子の作用を機械器具の本質的な要素としている電子応用機械器具であるといえる。通信機能を有していることから、電気通信機械器具にも該当する。
3 ソニーマーケティング社による使用事実
ソニー社の100%子会社であるソニーマーケティング社は、要証期間に、日本国内において、商品の宣伝及び販売を行うに際して、「MESH」の欧文字からなる商標を付して自社が運営するホームページにおいて表示することにより、当該商標を使用(商標法第2条第3項第2号、同項第8号)している。
(1)本件商標の使用時期
ア ソニーマーケティング社は、本件商品の機能や使用方法、使用実例等を説明するに当たり、本件商標を少なくとも2020年9月15日から2021年10月5日にかけて、同社が運営するウェブページ上において、電子応用機械器具の広告、宣伝のために使用している(乙6)。
乙第6号証の1は、ソニーマーケティング社の運営するウェブページがウェイバックマシーンによって2020年に保存された年月日別の一覧を、カレンダー形式で表示したものである。
乙第6号証の2は、上記ウェブページのトップページが2021年10月5日に存在し、本件商標を使用して商品の広告、宣伝が行われていたことを示すものであり、かつ同日にウェイバックマシーンによって収集、保存されたことを示すものである。
乙第6号証の3は、「MESHとは」として、商品の名称について本件商標を使用して商品の概要の説明を行い、商品の広告、宣伝が行われていたことを示すものであり、同ページが2020年11月1日に存在し、同日にウェイバックマシーンによって収集、保存されたことを示すものである。
乙第6号証の4は、「製品情報」として、本件商標を付した商品及びアプリの広告、宣伝をしたページが2020年10月27日に存在し、同日にウェイバックマシーンによって収集、保存されたことを示すものである。
乙第6号証の5は、上記「製品情報」中、動きを検知する機能を有する商品(「MOVE MESH-100AC」)について説明するとともに、「MESHアプリ」として、商品の専用アプリの広告、宣伝をしたページが2020年9月15日に存在し、同日にウェイバックマシーンによって収集、保存されたことを示すものであり、かつ本件商標を使用して商品の広告、宣伝が行われていたことである。
乙第6号証は、少なくとも2020年9月15日から2021年10月5日にかけて各証拠がウェブ上に存在したものであり、ソニーマーケティング社が本件商標を電子応用機械器具及び電子計算機用プログラムである自社商品の宣伝のために使用(商標法第2条第3項第8号)したことを示している。
イ また、ソニーマーケティング社は、本件商標を使用し、「MESH公式ブログ」というウェブページにおいて、本件商標を付した商品の広告、宣伝を行っている(乙7)。
乙第7号証の1は、ソニーマーケティング社のウェブページ中の製品ページが、ウェイバックマシーンによって2022年に保存された年月日別の一覧を、カレンダー形式で表示したものである。
乙第7号証の2は、上記「MESH公式ブログ」というウェブページのトップ画面を示したものであり、ブログ記事を「カテゴリー」として分類をしている。
乙第7号証の3は、上記ウェブページにおいて、そのカテゴリーの中から「活用事例」を選択したウェブページの画面を示したものである。
乙第7号証の4は、「小学生」や「中高生」というカテゴリーにおいて、「実践例」として、小学校や中学校で本件商標を使用した商品が、実際の教材として小学校や中学校で使用されていることを紹介し、商品の広告、宣伝を行っていたことを示している。加えて、上記小学校等において、商品が実際の授業において活用されていることを紹介することにより、小学校等に商品が「引き渡」されていること(商標法第2条第3項第2号)も示している。そして当該ウェブページは2021年6月22日に存在し、ウェイバックマシーンによって収集、取得されたものである。
乙第7号証の5は、本件商標を付した商品が教材として使用できることを、記事掲載の日付2020年12月25日とともに紹介している。これは本件商標を付した商品の広告、宣伝といえる。なお、本ページが取得された日付は2021年5月5日である。
乙第7号証は、少なくとも2021年5月5日ないし同年6月22日にかけてウェブ上に存在したものであり、これら各行為は、ソニーマーケティング社が本件商標を商品の引渡し(商標法第2条第3項第2号)、広告、宣伝に使用していたこと(商標法第2条第3項第8号)を示している。
さらに、同社は2021年6月3日付けで、株式会社PRTIMESが運営するプレスリリース、ニュースリリース配信サービスである「PRTIMES」(乙8)において、同日付けで「IoTブロック「MESH(TM)」のChromeOS(TM)対応を開始 ブラウザ版・アプリ版の提供で、「MESH」の対応端末を拡充」と題して、商標「MESH」が付された電子応用機械器具がパーソナルコンピュータChromebook(TM)で利用可能となる「ブラウザ版MESHアプリ」の提供を開始したと広告している(乙9)。
これは、ソニーマーケティング社が本件商標を付した電子計算機用プログラムに関する広告を電磁的方法により提供する行為であり、本件商標の使用といえる(商標法第2条第3項第8号)。
(2)本件商標と使用商標の同一性について
上記各ウェブページにおいて使用されている商標は、本件商標の欧文字とそのつづりを共通にするものであり、本件商標が二段併記の構成からなる場合であって、上段及び下段の各部が観念を同一とするときの一方の使用であるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(3)本件商標を付した商品
上記各ウェブページで表示された商品は、電子応用機械器具又は通信機械器具である。
さらに、上記専用アプリは、各ブロックからのデータを受け付け、各ブロックヘ動作指令を出し、さらに各ブロックを組み合わせてシステムとして連結するために使用されるものであって、各種OSやブラウザアプリに対応するアプリケーションソフトウェアであるから、電子計算機用プログラムであることは明らかである。
4 第三者による本件商標の使用の事実を示す紹介記事
(1)新興出版社啓林館株式会社のホームページ
新興出版社啓林館株式会社のホームページ(乙10の1)の2021年8月1日付けアーカイブ中、「Let’s Programing! 理科プログラミング体験を通した学び」において、「MESH」という商標とともに、商品が教材として使用される例が掲載されている(乙10の2)。
また、ダウンロードができる教科書の内容解説資料「デジタルパンフレット わくわく理科3~6のご紹介」(乙10の1)中にも「MESH」という商標とともに、商品が教材として使用される例が掲載されている(乙10の3)。
(2)大日本図書株式会社のホームページ
大日本図書株式会社のホームページ(乙10の4)の2021年1月24日付けアーカイブ中、「プログラミングスイッチ MESH【TM】用」として本件商標とともに、商品が教材として使用される例が掲載されている。
(3)ウェブサイト「クラウドWatch」
株式会社インプレスが運営するウェブサイト「クラウドWatch」において、2021年6月3日付けで、「ソニーマーケティングのIoTブロック「MESH」、ブラウザ版を提供しChromebookでの利用に対応」と題する記事において、「MESH」を使用した商品が紹介されている(乙11)。
(4)ニュースサイト「電子版 日刊工業新聞」
株式会社日刊工業新聞社が運営するニュースサイト「電子版 日刊工業新聞」中、企業リリースにおいて、2020年6月23日付けで「IoTブロック「MESH(TM)」の対応端末を拡張する「MESHブリッジ」提供開始」と題する記事において、本件商標「MESH」を使用した商品が紹介されており(乙12)、当該記事において、ソニービジネスソリューション株式会社が本件商標を使用した商品の提供を開始すると記載されているが、同社は、2010年1月19日に設立された旧ソニー社の100%子会社であるから(乙13の1)、同社の行為はソニー社の行為と同視し得るものである(なお、同社は2021年4月1日付けでソニーマーケティング社に吸収されている(乙13の2)。)。
(5)「ICT教育ニュース」
株式会社アウトソーシングテクノロジーが運営する「ICT教育ニュース」において、2020年9月10日付けの「福岡市教委、市内の全公立小学校でプログラミング教育にIoTブロック「MESH」採用」と題する記事にて、ソニービジネスソリューション株式会社が同月9日、福岡市教育委員会に本件商標「MESH」を使用したIoTブロックが採用されたと発表した(乙14)。
5 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求商品について本件商標を使用しているものであるから、本件商標は維持されるべきものである。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、次のことが認められる。
(1)「MESH」と称する商品のカタログ(乙4の7)
乙第4号証の7は、ソニーマーケティング社により、2021年6月現在の内容として作成された「MESH」に関する小学校向けカタログであるところ、その2葉目に、「MESH【TM】」の標題の下、「MESHは学習指導要領に対応したツールです/(MESHは小学校段階のプログラミングに関する学習活動の分類Aに対応しています)」、「「創造力」「思考力」が身につくツール」、「MESH(メッシュ)は「Make、Experience、SHare」の略。・・・MESHなら、プログラミング言語を知らなくても、やりたいことをプログラミングで直感的に、簡単に組み立てることができます。」、「プログラミングとものづくりを通して普遍的な力が身につくツール--それがMESHです。」、「MESHは以下の3つから構成されています」、「シンプルでコンパクトな「MESHブロック」」、「選んでつなげる、直感操作の「MESHアプリ」」及び「MESHアプリ上で使える「ソフトウェアブロック」」の記載がある。さらに、3葉目には、「「MESH」を使ってできること」として、「1 センサーで状態を感知したり、電気部品を動かせる」、「2 簡単なプログラミングで「しくみ」がつくれる」及び「3 身近なものと組み合わせて、アイデアを具現化・共有できる」の記載があり、2葉目及び3葉目に、「MESHブロック一覧」のタイトルの下、「ボタン」、「LED」、「動き」、「人感」、「明るさ」、「温度・湿度」、「GPIO」の7種類の「MESHブロック」がそれぞれの画像とともに掲載されている。加えて、6葉目には、「MESHアプリは、iOS・・・を搭載した端末で無料でお使いいただけます。・・・」の記載があり、8葉目には、「MESH【TM】ラインアップ」のタイトルの下、3種類のMESHブロックの画像とともに「MESHスターターセット/希望小売価格 15,258円(税込)」の記載、7種類のMESHブロックの画像とともに「MESHアドバンスセット/希望小売価格 38,683円(税込)」の記載、及び個別のMESHブロックについても、それぞれの画像とともに希望小売価格の記載がある。
(2)商品「MESH」の広告、販売について
ア ソニーストアのウェブサイト(乙4の3)
乙第4号証の3の4葉目ないし6葉目は、ソニー社が運営するソニーストアのウェブサイトの2020年11月10日付けアーカイブであるところ、その4葉目から5葉目には、「MESH(メッシュ) 新しいライフスタイル(ソニーストア)」のタイトル下、7種類のMESHブロックの画像とともに「MESHアドバンスセット(7タグ)/MESH-100B7A/・・・/ソニーストアで購入すると/35,167円+税」の記載、3種類のMESHブロックの画像とともに「MESHスターターセット(3タグ)/MESH-100B3A/・・・/ソニーストアで購入すると/13,871円+税」の記載がある。さらに、個別の「MESHブロック」(MESH-100GP等)及び「MESH用充電クレードル」(MESH-100CCR)についても、それぞれ画像とともに希望小売価格が記載されている。
イ ソニー社のウェブサイト(カタログダウンロード用ウェブページ)(乙4の6、乙4の9)
乙第4号証の6は、ソニー社のウェブサイトにおけるカタログのダウンロード用ウェブページであって、2020年8月7日付けアーカイブであるところ、その4葉目には、「プログラミング教育」の項に、「MESH」のカタログが掲載されている。
乙第4号証の9は、ソニー社のウェブサイトにおけるカタログのダウンロード用ウェブページであって、2022年7月6日に出力されたものであるところ、その6葉目には、「IoTブロック MESH」の項に、「MESH」のカタログが掲載されている。
(3)その他の証拠について
被請求人は、ソニー社が令和3年(2021年)4月1日に商号変更を行っていること、ソニーマーケティング社がソニー社の100%子会社であること(乙3)、及び平成27年4月17日付けで商標権者とソニー社との間において本件商標の通常使用権を許諾する契約をし、以後も更新し、同契約が継続していたこと(乙1、乙2)を示す証拠をそれぞれ提出した。
(4)上記(1)ないし(3)から、以下の事実を認めることができる。
商標権者は、平成27年4月17日付けでソニー社との間で本件商標についての通常使用権を設定する契約を締結し、当該契約はその後も更新されている(乙1、乙2)。
ソニー社の100%子会社であるソニーマーケティング社は、「MESH」の文字からなる商標(以下「使用商標1」という。)を表示して、「MESHブロック」、「MESHアプリ」及びMESHアプリ上で使える「ソフトウェアブロック」などで構成される「プログラミングツール」(以下「使用商品」という。)を掲載したカタログを2021年6月に作成した(乙4の7)。
そして、ソニー社のウェブサイト内のカタログのダウンロード用ウェブページにおいて、2020年8月7日及び2022年7月6日に「MESH」のカタログが掲載された(乙4の6、乙4の9)ことからすれば、上記ウェブページには「MESH」のカタログが、その間継続して掲載されていたと判断するのが相当であって、上記2021年6月作成のカタログも2021年6月以降ソニー社のウェブサイト(カタログダウンロード用ウェブページ)に掲載されていたと推認できる。
また、2020年11月頃、ソニー社が運営するソニーストアのウェブサイト(乙4の3)において、「MESH(メッシュ)」の文字からなる商標(以下「使用商標2」という。)を表示して、商品の画像、説明及び価格とともに「MESHブロック」等を掲載した。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「MESH」の欧文字を上段に、「メッシュ」の片仮名を下段に二段に書してなるものであるところ、構成中の「メッシュ」の文字は、「MESH」の読みを片仮名で表したものと理解され、「メッシュ」及び「MESH」の文字からは「網の目」の観念を生じる(広辞苑 第七版 岩波書店)。
他方、使用商標1は「MESH」の文字からなり、使用商標2は「MESH(メッシュ)」の文字からなるものであって、いずれも「メッシュ」の称呼を生じ、「網の目」の観念を生じるものである(前掲書)。
そうすると、本件商標と使用商標1及び使用商標2とは、いずれも「メッシュ」の称呼を生じ、「網の目」の観念を生じるものであるから、使用商標1及び使用商標2は、本件商標と社会通念上同一の商標(書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標)と認められる。
(2)使用商品について
使用商品は、「MESHブロック」、「MESHアプリ」及びMESHアプリ上で使える「ソフトウェアブロック」などで構成される「プログラミングツール」であって、コンピュータプログラムを作成するためのものであるから、本件審判に係る指定商品中の第9類「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属する商品といえる。
(3)使用者、使用時期及び使用行為について
商標権者から本件商標について通常使用権の設定を受けたソニー社は、以後も継続してその契約を更新しているといえるから、同社は要証期間において本件商標の通常使用権者といえる。
そして、通常使用権者であるソニー社の100%子会社であるソニーマーケティング社は、2021年6月に使用商標1を付した使用商品のカタログ(広告)を作成し、これを同時期にソニー社のウェブサイト(カタログダウンロード用ウェブページ)に掲載した。また、2020年11月頃、ソニー社が運営するウェブサイト(ソニーストア)において、使用商標2を表示して、商品の画像、説明及び価格とともに使用商品を掲載した。
そうすると、本件商標の通常使用権者は、要証期間である2021年6月及び2020年11月頃に使用商品に関する広告を内容とする情報に使用商標を付してインターネット(電磁的方法)により提供したものといえる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)からすれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間に、日本国内において取消請求商品に含まれる使用商品に関する広告を内容とする情報に本件商標と社会通念上同一の商標を付して、電磁的方法により提供した(商標法第2条第3項第8号に該当。)と認められる。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標の通常使用権者が本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしたことを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-300376