商標取消審判
2022-300206
プライム
- 審判番号
- 2022-300206
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2006-102156
- 登録番号
- 5072247
- 請求日
- 2022年03月07日
- 審決日
- 2023年07月12日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】青木 孝博
- 【被請求人】住友三井オートサービス 株式会社
- 【被請求人代理人】中田 和博
- 【被請求人代理人】青木 博通
- 【被請求人代理人】青島 恵美
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大森 友子
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- T132 .1 -Z (Y39)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5072247号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5072247号商標の指定役務中、第39類「貨物のこん包,貨物の積卸し,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,荷役機械器具の貸与」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5072247号商標(以下「本件商標」という。)は、「プライム」の文字を標準文字で表してなり、平成18年11月2日に登録出願され、「貨物のこん包,貨物の積卸し,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,荷役機械器具の貸与」を含む第39類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同19年8月24日に設定登録され、同29年5月9日に存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和4年3月22日であり、その請求の登録前3年以内の平成31年3月22日から令和4年3月21日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出している。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、第39類「貨物のこん包,貨物の積卸し,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,荷役機械器具の貸与」(以下「請求に係る指定役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人である本件商標権者は、その事業の一つとして、自動車ないし車両のリースサービスに従事し、本件商標は、自動車ないし車両のリースサービスに関連して使用されているものと考えられる。
(2)本件商標権者から橋本総業株式会社(以下「橋本総業」という。)に対してリースされた物件、すなわちフォークリフト(以下「本件物件」という。)は、荷役運搬を用途とする車両(貨物を輸送するための車)であって、その運転に際して必要となる資格は、道路運送車両法施行規則別表第一の規定に従い、大型特殊自動車又は小型特殊自動車のいずれに該当するかによって決され、フォークリフトに課される税金も前記別表第一に規定する大型特殊自動車又は小型特殊自動車のいずれに該当するかによって異なる。さらに、公道走行に際して所定の運転免許が必要となり、仮に本件物件による公道走行が想定されていないとしても、それにより、荷役運搬用の車両としての本件物件の特性、性質が変更され、専ら荷役機械器具に分類されると考えるべき合理的理由は見出せない。特許情報プラットフォーム(独立行政法人工業所有権情報・研修館)の「商品・役務名検索」によると「フォークリフトトラック」及び「フォークリフトカー」は第12類に属すべき商品とされており、「フォークリフトトラックの貸与」は自動車(車)の貸与と同じ類似群コードが付与されている。してみれば、本件物件の貸与が「荷役機械器具の貸与」に該当しないことは明らかである。
第3 被請求人の主張
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番号を含む。)を提出している。
1 被請求人である本件商標権者の主たる業務は、各種自動車・車両等のリースであり(乙1)、本件商標権者は、新リース会計基準に対応した自動車及びその他の車両等を対象としたリースを開発し、平成20年4月1日より、「プライム」の商標の下で当該リースの提供を開始した(乙2~乙4)。当該リースは、本件商標権者が購入し所有する自動車及びその他車両等を顧客に貸与するというものであり、フォークリフトも当該リースの対象に含まれる。
2 本件商標権者は、平成30年1月24日に、顧客である橋本総業の担当者と商談を行い、その際「カーリースプラン”プライム”のご提案」の資料(乙4)を配布し、提示した上で、当該カーリースプラン「プライム」の対象となる車両には「フォークリフト」が含まれる旨の説明を行った。当該資料には、本件商標と社会通念上同一の商標「プライム」が付されている。その後、橋本総業からの要請に従い、同日付で見積書(乙5)を発行し、同年2月9日に本件商標権者は、橋本総業から当該フォークリフトリース(以下「本件リース」という。)に関する申込書(乙5)を受領し、同日両者間で本件リースの契約を締結した(乙6)。本件リースに関する見積書兼申込書(乙5)には、本件商標と社会通念上同一の商標「プライム」が付されている。本件リース契約は、フォークリフトの引き渡し日である平成30年5月18日から60ヶ月であり、要証期間を含む現在に至るまで有効な契約として存続している。
3 本件商標権者は、橋本総業の担当者が代わる度に新担当者と打ち合わせを行い、本件リースの説明を行っており、令和元年7月1日にも同様の打ち合わせを行い、資料(乙4)を配布、提示した上で、当該資料記載のサービスはフォークリフトも対象である旨、本件商標権者が商標「プライム」の下で提供してきた本件リースの詳細について説明を行った。
4 「フォークリフト」は、荷の積み下ろしの目的で使用される機械器具であり、「荷役機械器具」に該当する。「フォークリフトの貸与」に「荷役機械器具の貸与」と同じ類似群コードが付与されている(乙8)ことからも、「フォークリフト」が「荷役機械器具」に含まれると判断されていることは明白である。本件リースの対象であるフォークリフトは本件商標権者が購入し所有権を有しており、本件リースは、本件商標権者が所有権を有するフォークリフトを橋本総業に使用させ、橋本総業はこれに対して賃料を支払うことを内容とするものであり、「荷役機械器具の貸与」に該当する。
第4 審尋及び被請求人の回答
1 審判長は、令和5年2月16日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、本件商標権者が商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実を証明したものとは認めることができない旨の合議体の暫定的見解を示すとともに、請求人提出の弁駁書に対する回答を求めた。
2 被請求人は、上記1の審尋に対し何らの応答もしていない。
第5 当審の判断
1 本件商標の請求に係る指定役務の使用について
被請求人は、本件商標(社会通念上同一のものを含む。以下同じ。)を「フォークリフトの貸与」に使用し、当該役務が請求に係る指定役務中の「荷役機械器具の貸与」の範ちゅうの役務である旨主張するので、これについて検討する。
(1)被請求人の主張及び両当事者が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 本件商標権者は、昭和56年に設立され、各種自動車・車両のリース・割賦販売等を事業内容とする株式会社であり(乙1)、平成20年4月より、同月に導入された新リース会計基準に対応して本来的に解約不能であるリース取引に一定の解約可能期間を設けるリース商品を「プライム」の名称を用いて提供している(乙2、乙3)。
イ 本件商標権者は、2018年1月24日に、橋本総業に対し、備考欄に「プライム(契約不能期間46ヶ月)」の記載のある、コマツ社製のフォークリフト(以下「本件リース物件」という。)のリース契約(以下「本件リース契約」という。)の見積書(乙5)を示し、同年2月9日に同社との間で本件リース契約を締結した(乙6の1)。本件リース契約のリース期間は、2018年5月18日から2023年5月17日までの60ヶ月である(乙5、乙6の1、乙7)。
ウ 上記イの契約に先立って、本件商標権者は、橋本総業に対し、表紙に「カーリースプラン”プライム”のご提案」とのタイトル及び本件商標権者の名称が記載された資料(乙4)を提示及び配布し、また、2019年7月1日に橋本総業における担当者の変更に伴い、変更後の担当者に対して、同資料を提示及び配布した旨主張している。
同資料はそのタイトルから「カーリースプラン」に係る資料であり、また、同資料では、カーリースプランの対象となるリース物件について「車両」という用語が用いられている。
なお、同資料には、本件リース物件や本件リース物件のリース契約を示す記載はなく、「フォークリフト」の用語も見当たらない。
エ 大和物流株式会社のウェブサイトには、「フォークリフトとは」の見出しの下、「フォークリフトとは、車体の前部に荷役用のツメ(フォーク)を備えた荷役運搬車両のこといいます。」の記載があり(甲8)、また、道路運送車両施行規則別表第一(第2条関係)には「自動車の種別」の項の「大型特殊自動車」に「一 次に掲げる自動車であつて、小型特殊自動車以外のもの」の「イ」として「フォーク・リフト」の表示があり、「小型特殊自動車」に「一 前項第一号イに掲げる自動車であつて、自動車の大きさが下欄に該当するもののうち最高速度十五キロメートル毎時以下のもの」の記載がある(甲15)。
(2)上記(1)において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
ア 「フォークリフトの貸与」について
本件リース契約に係る見積書及び契約書の記載より、2018年2月9日に、本件商標権者は橋本総業との間で「フォークリフトの貸与」に係る契約を結んだものといえる。
しかしながら、「フォークリフト」は、荷役運搬車両であって公道を走行可能なものであり、道路運送車両法上も「大型特殊自動車」又は「小型特殊自動車」に属するものである。また、商標法施行規則の別表においても、「フォークリフト」を示す「フォークリフトカー」は、第12類の「四 自動車並びにその部品及び付属品」下の「(一)自動車」の下に記載されており、「フォークリフト」が荷役トラックの一種である「フォークリフトカー」と異なるものを意味するとはいえない。
以上を踏まえれば、「フォークリフト」は、「荷役機械器具」の範ちゅうの商品ではなく「自動車」の範ちゅうの商品であり、「フォークリフトの貸与」は請求に係る指定役務に含まれる「荷役機械器具の貸与」の範ちゅうの役務ではなく、請求に係る指定役務とされていない「自動車の貸与」の範ちゅうの役務と認められる。
よって、「フォークリフトの貸与」は、請求に係る指定役務の範ちゅうのものではない。
したがって、2019年7月1日に本件商標権者が、橋本総業の担当者に対して「カーリースプラン”プライム”のご提案」とのタイトルの資料を提示及び配布し、当該資料が「フォークリフトの貸与」に関するものであるとしても、本件商標権者は、請求に係る指定役務に含まれる役務について、本件商標を使用したものとは認められない。
イ その他、被請求人は、請求に係る指定役務についての本件商標の使用を証する証拠を提出していない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠からは、本件商標権者が「フォークリフトの貸与」を行っていたことは認められるが、当該役務は、請求に係る指定役務の範ちゅうのものではない。よって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについて本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていることを証明したとはいえない。
また、本件商標を請求に係る指定役務について使用していないことについて正当な理由があるものとも認められない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定役務中、請求に係る指定役務について、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-300206