特許拒絶査定不服審判
2022-020610
電算機室用空調システム
- 審判番号
- 2022-020610
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-144728
- 請求日
- 2022年12月20日
- 審決日
- 2023年09月11日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ダイキン工業株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
- 審判長/審判官
- 審判長 間中 耕治
- 審判官 水野 治彦
- 審判官 槙原 進
- 分類
- P18 .121-Z (F24F) / P18 .575-Z (F24F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-144728「電算機室用空調システム」拒絶査定不服審判事件〔令和4年3月10日出願公開、特開2022-39608〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年8月28日の出願であって、令和4年5月25日付けで拒絶の理由が通知され、令和4年8月1日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和4年9月6日付けで拒絶査定がされ、これに対し、令和4年12月20日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和4年12月20日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の結論]
令和4年12月20日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1.本件補正について
(1)本件補正前の令和4年8月1日の手続補正により補正された特許請求の範囲の記載は、次のとおりである。
「【請求項1】
電算機室(R1)の空気調和を行う電算機室用空調システム(100)であって、
第1室外機(3a)と第1室内機(2a)とを有する第1空調機(1a)と、
第2室外機(3b)と第2室内機(2b)とを有し、前記第1空調機とは冷媒系統が異なる第2空調機(1b)と、
を備え、
前記第1空調機は、前記第1室内機に設けられた第1圧縮機(11a、12a)および第1ファン(20a)と、前記第1室外機(3a)に設けられた第1受液器(35a)と、を有し、
前記第2空調機は、前記第2室内機に設けられた第2圧縮機(11b、12b)と、前記第2室外機(3b)に設けられた第2受液器(35b)と、を有し、
前記第1室内機と前記第2室内機は、同一の前記電算機室(R1)を対象とした空気調和を行い、
前記第2空調機で冷媒が漏洩したことに関する漏洩条件を満たした場合に、前記第2圧縮機の運転が停止し、前記第1圧縮機と第1ファンは運転状態となる、
電算機室用空調システム。
【請求項2】
前記第2空調機は、前記第2室内機に設けられた第2ファン(20b)を有しており、
前記漏洩条件を満たした場合に、前記第2ファンが運転状態となる、
請求項1に記載の電算機室用空調システム。
【請求項3】
前記漏洩条件を満たした場合に、前記第2ファンの風量が増大する、
請求項2に記載の電算機室用空調システム。
【請求項4】
前記漏洩条件を満たした場合に、前記第2空調機は、前記第2空調機が有する冷媒を前記第2受液器に回収する運転を行った後に、前記第2圧縮機の運転を停止する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電算機室用空調システム。
【請求項5】
前記第1圧縮機が停止している状態で前記漏洩条件を満たした場合には、前記第1圧縮機が駆動開始する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の電算機室用空調システム。
【請求項6】
電算機室(R1)の空気調和を行う電算機室用空調システム(100)であって、
第1室外機(3a)と第1室内機(2a)とを有する第1空調機(1a)と、
第2室外機(3b)と第2室内機(2b)とを有し、前記第1空調機とは冷媒系統が異なる第2空調機(1b)と、
を備え、
前記第1空調機は、前記第1室内機に設けられた第1圧縮機(11a、12a)および第1ファン(20a)と、前記第1室外機(3a)に設けられた第1受液器(35a)と、を有し、
前記第2空調機は、前記第2室内機に設けられた第2圧縮機(11b、12b)および第2ファン(20b)と、前記第2室外機(3b)に設けられた第2受液器(35b)と、を有し、
前記第1室内機と前記第2室内機は、同一の前記電算機室(R1)を対象とした空気調和を行い、
前記第1空調機で冷媒が漏洩したことに関する第1漏洩条件を満たした場合には、前記第1圧縮機の運転が停止し、前記第2圧縮機と第2ファンは運転状態となり、
前記第2空調機で冷媒が漏洩したことに関する第2漏洩条件を満たした場合には、前記第2圧縮機の運転が停止し、前記第1圧縮機と第1ファンは運転状態となる、
電算機室用空調システム。」
(2)そして、本件補正により、特許請求の範囲の記載は、以下のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「【請求項1】
電算機室(R1)の空気調和を行う電算機室用空調システム(100)であって、
第1室外機(3a)と第1室内機(2a)とを有する第1空調機(1a)と、
第2室外機(3b)と第2室内機(2b)とを有し、前記第1空調機とは冷媒系統が異なる第2空調機(1b)と、
を備え、
前記第1空調機は、前記第1室内機に設けられた第1圧縮機(11a、12a)および第1ファン(20a)と、前記第1室外機(3a)に設けられた第1受液器(35a)と、を有し、
前記第2空調機は、前記第2室内機に設けられた第2圧縮機(11b、12b)および第2ファン(20b)と、前記第2室外機(3b)に設けられた第2受液器(35b)と、を有し、
前記第1室内機と前記第2室内機は、同一の前記電算機室(R1)を対象とした空気調和を行い、
前記第2空調機で冷媒が漏洩したことに関する漏洩条件を満たした場合に、前記第2空調機は、前記第2空調機が有する冷媒を前記第2受液器に回収する運転を行った後に、前記第2圧縮機の運転を停止し、前記漏洩条件を満たした場合に前記第2ファンは運転状態となり前記第2空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続し、前記漏洩条件を満たした場合に前記第1圧縮機と前記第1ファンは運転状態となる、
電算機室用空調システム。
【請求項2】
前記漏洩条件を満たした場合に、前記第2ファンの風量が増大する、
請求項1に記載の電算機室用空調システム。
【請求項3】
前記第1圧縮機が停止している状態で前記漏洩条件を満たした場合には、前記第1圧縮機が駆動開始する、
請求項1または2に記載の電算機室用空調システム。
【請求項4】
電算機室(R1)の空気調和を行う電算機室用空調システム(100)であって、
第1室外機(3a)と第1室内機(2a)とを有する第1空調機(1a)と、
第2室外機(3b)と第2室内機(2b)とを有し、前記第1空調機とは冷媒系統が異なる第2空調機(1b)と、
を備え、
前記第1空調機は、前記第1室内機に設けられた第1圧縮機(11a、12a)および第1ファン(20a)と、前記第1室外機(3a)に設けられた第1受液器(35a)と、を有し、
前記第2空調機は、前記第2室内機に設けられた第2圧縮機(11b、12b)および第2ファン(20b)と、前記第2室外機(3b)に設けられた第2受液器(35b)と、を有し、
前記第1室内機と前記第2室内機は、同一の前記電算機室(R1)を対象とした空気調和を行い、
前記第1空調機で冷媒が漏洩したことに関する第1漏洩条件を満たした場合には、前記第1空調機は、前記第1空調機が有する冷媒を前記第1受液器に回収する運転を行った後に、前記第1圧縮機の運転を停止し、前記第1漏洩条件を満たした場合に前記第1ファンは運転状態となり前記第1空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続し、前記第1漏洩条件を満たした場合に前記第2圧縮機と前記第2ファンは運転状態となり、
前記第2空調機で冷媒が漏洩したことに関する第2漏洩条件を満たした場合には、前記第2空調機は、前記第2空調機が有する冷媒を前記第2受液器に回収する運転を行った後に、前記第2圧縮機の運転を停止し、前記第2漏洩条件を満たした場合に前記第2ファンは運転状態となり前記第2空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続し、前記第2漏洩条件を満たした場合に前記第1圧縮機と前記第1ファンは運転状態となる、
電算機室用空調システム。」
2.補正の適否
本件補正は、願書に最初に添付した明細書の段落【0078】、【0087】並びに特許請求の範囲の請求項2及び請求項4の記載を根拠とした補正であるから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たすものである。
また、本件補正より補正された請求項4は、補正前の請求項6に記載された発明を特定するために必要な事項である「第1空調機で冷媒が漏洩したことに関する第1漏洩条件を満たした場合」について、「前記第1空調機は、前記第1空調機が有する冷媒を前記第1受液器に回収する運転を行った後に、前記第1圧縮機の運転を停止」すること、「前記第1ファンは運転状態となり前記第1空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続」すること及び「前記第2圧縮機と前記第2ファンは運転状態とな」ることとの限定を付加し、同様に「第2空調機で冷媒が漏洩したことに関する第2漏洩条件を満たした場合」について、「前記第2空調機は、前記第2空調機が有する冷媒を前記第2受液器に回収する運転を行った後に、前記第2圧縮機の運転を停止」すること、「前記第2ファンは運転状態となり前記第2空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続」すること及び「前記第1圧縮機と前記第1ファンは運転状態とな」ることとの限定を付加するものであって、補正前の請求項6に記載された発明と補正後の請求項4に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項4に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が、同法同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について検討する。
ア 本件補正発明
本件補正発明は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項4に記載された事項により特定される、上記1.(2)の【請求項4】のとおりのものである。
なお、本件補正発明は、その記載から本願明細書の段落【0087】に記載される実施形態も含むものと解した。
イ 引用文献
(ア) 引用文献1
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった引用文献である国際公開第2017/002214号(以下、「引用文献1」という。)には、「冷凍サイクルシステム」に関して、次の記載事項及び図示事項がある(下線は当審が付したものである。以下同様。)。
あ「[0006] この発明に係る冷凍サイクルシステムは、室内に設置され、冷媒を循環させる冷凍サイクル装置の一部分を構成する、複数台の室内機と、室内に設置され、冷媒の漏洩を検出する、複数台の冷媒漏洩検出装置と、複数台の冷媒漏洩検出装置の検出結果を取得して、冷凍サイクル装置を制御する、制御装置と、を備え、制御装置は、冷媒漏洩検出装置が冷媒の漏洩を検出したときに、冷媒の漏洩を検出した冷媒漏洩検出装置に最も近い室内機の送風の風量を強めるものである。
[0007] この発明によれば、冷媒が漏洩したときに、漏洩した冷媒の濃度が、局所的に高くなることを抑制する冷凍サイクルシステムを得ることができる。」
い「[0010]実施の形態1.
[冷凍サイクルシステム]
図1は、この発明の実施の形態1に係る冷凍サイクルシステムの構成の一例を説明する図である。図1に記載の冷凍サイクルシステム100は、例えば、倉庫50の内部の室内の冷却を行うユニットクーラーに適用されるものであり、複数の冷凍サイクル装置1と、複数の冷凍サイクル装置1の制御を行う制御装置30とを備えている。なお、冷凍サイクルシステム100は、部屋の内部の室内の空調を行う空気調和システムに適用することもできる。図1において、熱源機2と室内機4とを接続する実線は、冷媒配管を模式的に記載したものであり、熱源機2と室内機4とを接続する破線および熱源機2と制御装置30とを接続する破線は、通信線を模式的に記載したものである。
[0011][冷凍サイクル装置]
冷凍サイクル装置1は、冷媒を循環させるものであり、熱源機2と室内機4とが冷媒配管で接続されている。また、熱源機2と室内機4とは通信線で接続されており、熱源機2の制御部(図示を省略)と室内機4の制御部(図示を省略)とが通信を行いながら、冷凍サイクル装置1の制御が行われる。なお、冷凍サイクル装置1に適用される冷媒は、例えばR32またはR1234yfを含むものであるが、他の種類の冷媒であってもよい。また、図1に記載の冷凍サイクルシステム100は、第1冷凍サイクル装置1-1、第2冷凍サイクル装置1-2、第3冷凍サイクル装置1-3、および第4冷凍サイクル装置1-4の、4台の冷凍サイクル装置1を含んでいるが、冷凍サイクルシステム100は、1台以上の冷凍サイクル装置1を含んでいればよい。
[0012] 第1冷凍サイクル装置1-1は、第1熱源機2-1と、第1熱源機2-1に並列に接続された第1室内機4-1Aおよび第2室内機4-1Bと、を含んでいる。第2冷凍サイクル装置1-2は、第2熱源機2-2と、第2熱源機2-2に並列に接続された第3室内機4-2Aおよび第4室内機4-2Bと、を含んでいる。第3冷凍サイクル装置1-3は、第3熱源機2-3と、第3熱源機2-3に接続された第5室内機4-3と、を含んでいる。第4冷凍サイクル装置1-4は、第4熱源機2-4と、第4熱源機2-4に接続された第6室内機4-4と、を含んでいる。なお、複数の冷凍サイクル装置1のそれぞれは、1台以上の室内機4を含んでいればよく、例えば3台以上の室内機4を含んでいてもよい。
[0013] この実施の形態の例に係る室内機4のそれぞれは、その内部に、冷媒の漏洩を検出する冷媒漏洩検出装置8を収容している。すなわち、第1室内機4-1Aは、第1冷媒漏洩検出装置8-1Aを備えており、第2室内機4-1Bは、第2冷媒漏洩検出装置8-1Bを備えており、第3室内機4-2Aは、第3冷媒漏洩検出装置8-2Aを備えており、第4室内機4-2Bは、第4冷媒漏洩検出装置8-2Bを備えており、第5室内機4-3は、第5冷媒漏洩検出装置8-3を備えており、第6室内機4-4は、第6冷媒漏洩検出装置8-4を備えている。なお、冷媒漏洩検出装置8は、室内機4のそれぞれの近傍に設置されていてもよい。冷媒漏洩検出装置8が、室内機4の内部に収容され、または室内機4の近傍に設置されることによって、倉庫50の内部の室内で冷媒が漏洩したときに、冷媒の漏洩を早期に検出することができる。なお、冷媒漏洩検出装置8が室内機4に近づけて設置される場合には、例えば、冷媒漏洩検出装置8は、室内機4と別体で構成され、室内機4または制御装置30と通信線で接続される。冷媒漏洩検出装置8は、例えば、冷媒が漏洩するおそれがある、冷媒配管のフレア接続部等に近づけて配設されるとよい。
[0014] 図2は、図1に記載の冷凍サイクル装置の構成の一例を説明する図である。なお、以下では、この実施の形態の理解を容易にするために、図2を用いて、第1冷凍サイクル装置1-1についてのみの説明を行い、第2冷凍サイクル装置1-2、第3冷凍サイクル装置1-3、および第4冷凍サイクル装置1-4については、第1冷凍サイクル装置1-1と同様の構成であるため、説明を省略する。なお、以下では、第1冷凍サイクル装置1-1を冷凍サイクル装置1として説明を行い、第1熱源機2-1を熱源機2として説明を行い、第1圧縮機20-1を圧縮機20として説明を行い、第1熱源側熱交換器22-1を熱源側熱交換器22として説明を行い、第1室内機4-1Aおよび第2室内機4-1Bを室内機4として説明を行い、第1ファン5-1Aおよび第2ファン5-1Bをファン5として説明を行い、第1風向き制御部6-1Aおよび第2風向き制御部6-1Bを風向き制御部6として説明を行い、第1冷媒漏洩検出装置8-1Aおよび第2冷媒漏洩検出装置8-1Bを冷媒漏洩検出装置8として説明を行い、第1利用側熱交換器40-1Aおよび第2利用側熱交換器40-1Bを利用側熱交換器40として説明を行い、第1膨脹装置42-1Aおよび第2膨脹装置42-1Bを膨脹装置42として説明を行い、第1開閉装置44-1Aおよび第2開閉装置44-1Bを開閉装置44として説明を行う場合もある。」
う「[0015] 図2に記載の熱源機2は、例えば倉庫50の外部の屋外に設置されるものであり、圧縮機20と熱源側熱交換器22とを有している。圧縮機20は、冷媒を吸入し圧縮して高温高圧の状態で吐出するものである。圧縮機20は、例えば、容量制御可能なインバータ圧縮機であるが、一定速タイプのものであってもよい。熱源側熱交換器22は、例えば冷媒を空気と熱交換させるものである。例えば、熱源側熱交換器22の近傍には、熱源側熱交換器22への送風を行う送風ファン(図示を省略)が設置されている。
[0016] 室内機4は、倉庫50の内部の室内に設置されるものであり、利用側熱交換器40と膨脹装置42と開閉装置44とを有している。膨脹装置42は、冷媒を膨脹させるものであり、例えば、開度を調整できるLEV(リニア電子膨張弁)であるが、開度を調整できないキャピラリーチューブ等であってもよい。開閉装置44は、利用側熱交換器40への冷媒の流入を制御するものであり、例えば開閉弁で構成されている。利用側熱交換器40は、冷媒を空気と熱交換させるものである。利用側熱交換器40の近傍には、利用側熱交換器40への送風を行うファン5が設置されている。ファン5は、回転数を制御することによって、送風の風量を調整することができる。ファン5が動作することによって、室内機4の周囲の倉庫50の内部の空気が、室内機4の内部に取り込まれる。室内機4の内部に取り込まれた空気は、利用側熱交換器40で熱交換され、室内機4の外部の倉庫50の内部に吹き出される。また、室内機4は、室内機4から吹き出される空気の送風の向きを制御する風向き制御部6を有している。風向き制御部6は、例えば、複数の板状部材で形成されたルーバーを含んで構成されている。」
え「[0020][冷凍サイクルシステムの動作]
図4は、図1に記載の冷凍サイクルシステムの動作の一例を説明する図である。図4のステップS02にて、冷凍サイクルシステム100は、通常運転を実施している。ステップS04にて、冷媒の漏洩が検出されないときは、ステップS02に戻り、通常運転が継続される。
[0021] ステップS04にて、冷媒の漏洩が検出されると、ステップS06に進み、冷媒が漏洩している旨が報知される。例えば、冷媒の漏洩が検出されると、図3に記載の報知部36が、音または光によって報知を行い、表示部33が、冷媒の漏洩箇所を表示する。制御装置30は、例えば、冷媒の漏洩を検出した冷媒漏洩検出装置8の位置座標を用いて、冷媒の漏洩箇所を推測し、推測した冷媒の漏洩箇所を表示部33に表示させる。この実施の形態の例では、冷媒漏洩検出装置8が室内機4に組み込まれているため、冷媒の漏洩を検出した冷媒漏洩検出装置8を備えた室内機4の設置位置が表示部33に表示される。表示部33に冷媒の漏洩箇所が表示されることによって、報知を受けた使用者が、冷媒が漏洩している箇所を容易に特定して、メンテナンス等を行うことができる。なお、ステップS06で開始された冷媒漏洩の報知は、以下のステップS10で報知が解除されるまで継続される。
[0022][冷媒攪拌運転]
ステップS06にて、冷媒漏洩の報知が行われた後に、ステップS08にて、冷凍サイクルシステム100の冷媒攪拌運転が実行される。例えば、図1に記載の例において、第2室内機4-1Bから冷媒が漏洩すると、第2室内機4-1Bの最も近くに配設された第2冷媒漏洩検出装置8-1Bが、冷媒の漏洩を検出する。制御装置30は、第2冷媒漏洩検出装置8-1Bから冷媒が漏洩している旨の検出結果を取得して、冷媒の漏洩を検出した第2冷媒漏洩検出装置8-1Bに最も近い第2室内機4-1Bの送風の風量を強める。例えば、第2室内機4-1Bは、図2に記載の第2ファン5-1Bの回転数を高くすることで、送風の風量を強めることができる。第2室内機4-1Bの送風の風量を強めることによって、冷媒が漏洩している第2室内機4-1Bの周囲の空気が攪拌されるため、漏洩した冷媒の濃度が局所的に高くなることが抑制される。
[0023] なお、ステップS08の冷媒攪拌運転時に、制御装置30は、冷媒の漏洩を検出した第2冷媒漏洩検出装置8-1Bに最も近い第2室内機4-1Bの第2開閉装置44-1Bを閉状態に設定するとよい。第2開閉装置44-1Bを閉状態とすることによって、第2室内機4-1Bへの冷媒の流入が止まるため、第2室内機4-1Bからの冷媒の漏洩が抑制される。その結果、漏洩した冷媒の濃度が、局所的に高くなることが抑制される。
[0024] また、ステップS08の冷媒攪拌運転時に、制御装置30は、冷媒の漏洩を検出した第2冷媒漏洩検出装置8-1Bに最も近い第2室内機4-1Bが接続された第1冷凍サイクル装置1-1の全ての室内機4の開閉装置44を閉状態に設定することもできる。図2に記載の第1開閉装置44-1Aと第2開閉装置44-1Bとを閉状態とすることで、第1冷凍サイクル装置1-1の第1圧縮機20-1の低圧側の圧力が低下して、第1圧縮機20-1の低圧カットが働き、第1圧縮機20-1が停止する。第1圧縮機20-1が停止し、且つ第1冷凍サイクル装置1-1の低圧側の圧力が低下しているため、第2室内機4-1Bからの冷媒の漏洩がさらに確実に抑制される。その結果、漏洩した冷媒の濃度が、局所的に高くなることが抑制される。なお、圧縮機20の低圧カットが行われる低圧カット値は、大気圧以上の値であり且つ大気圧に近づけた値とするとよい。低圧カット値を大気圧以上且つ大気圧に近づけた値とすることで、冷媒の漏洩が抑制され、且つ冷凍サイクル装置1の冷媒配管等に空気が混入するおそれが抑制される。
[0025] また、ステップS08の冷媒攪拌運転時に、制御装置30は、冷媒の漏洩を検出した第2冷媒漏洩検出装置8-1Bに最も近い第2室内機4-1B以外の室内機4のうちの、少なくとも1台の室内機4の送風の向きを、第2室内機4-1Bに向けるとよい。冷媒が漏洩している第2冷媒漏洩検出装置8-1B以外の室内機4が、第2室内機4-1Bに向けて送風を行うことによって、漏洩した冷媒がさらに攪拌されるため、漏洩した冷媒の濃度が局所的に高くなることがさらに抑制される。なお、冷媒が漏洩している第2室内機4-1Bに向けて送風を行う、第2室内機4-1B以外の室内機4は、第2室内機4-1Bが接続された第1冷凍サイクル装置1-1以外の冷凍サイクル装置1に接続された室内機4が選択されるとよい。冷媒が循環していない室内機4が空調を行う領域に、冷媒が循環している室内機4が送風を行うことによって、倉庫50の内部の温度が局所的に変化することが抑制される。
[0026] また、ステップS08の冷媒攪拌運転時に、制御装置30は、冷媒の漏洩を検出した第2冷媒漏洩検出装置8-1Bに最も近い第2室内機4-1Bが接続された第1冷凍サイクル装置1-1以外の冷凍サイクル装置1の負荷を強めるとよい。冷媒が漏洩している第1冷凍サイクル装置1-1以外の冷凍サイクル装置1の負荷を強めることによって、倉庫50の内部の温度が変動することが抑制される。冷凍サイクル装置1の負荷は、例えば圧縮機20の回転数を高くすることで強められる。
[0027] 図4に記載のステップS10にて、冷媒漏洩の報知が解除されると、ステップS02に戻り、冷凍サイクルシステム100の通常運転が再開される。なお、冷媒漏洩の報知の解除は、例えば、報知部36または表示部33からの報知を受けた使用者が、制御装置30の入力部34、または図示を省略してあるリセットスイッチ等への入力を行うことによって実行される。上記のように、冷媒漏洩の報知が解除されない限りは、冷媒攪拌運転が実行され続けるため、漏洩した冷媒の濃度が局所的に高くなることが抑制される。さらに、冷媒漏洩の報知が解除されない限りは、冷媒が漏洩した旨が報知され続けるため、冷凍サイクルシステム100に異常が発生したことを、使用者に確実に認知させることができる。」
お「図1
[図:0001404502000001.jpg]
」
か「図2
[図:0001404502000002.jpg]
」
き「図4
[図:0001404502000003.jpg]
」
く 「い」における段落[0010]の記載事項及び「お」における図1の図示事項からみて、図1における第1冷凍サイクル装置1-1と第2冷凍サイクル装置1-2とは、両者に共通する冷媒配管を備えるものではなく、両者は互いに冷媒系統が異なる冷凍サイクル装置といえる。
け 「う」の[0016]の記載事項及び「か」における図2の図示事項からみて、第2ファン5-1Bは、第1冷凍サイクル装置1-1の第1室内機4-1Bに設けられているといえる。また、「い」における段落[0014]の記載事項からみて、第2冷凍サイクル装置1-2の第3室内機4-2Aもファンを備えているといえる。
こ 「え」の段落[0022]及び[0027]の記載事項から、「第2室内機4-1Bから冷媒が漏洩すると、第2室内機4-1Bの最も近くに配設された第2冷媒漏洩検出器8-1Bが、冷媒の漏洩を検出」し、「冷媒の漏洩を検出した第2冷媒漏洩検出装置8-1Bに最も近い第2室内機4-1Bの送風の風量を強める」冷媒攪拌運転は、冷媒漏洩の報知が解除されない限り実行され続けるものといえる。
さ 「い」の段落[0014]には、「以下では、この実施の形態の理解を容易にするために、図2を用いて、第1冷凍サイクル装置1-1についてのみ説明を行い、第2冷凍サイクル装置1-2、・・・については、第1冷凍サイクル装置1-1と同様の構成であるため、説明を省略する。」と記載されており、「い」の段落[0012]及び[0013]の記載事項並びに図1の図示事項、「え」の段落[0022]の「例えば、図1の記載において、第2室内機4-1Bから冷媒が漏洩すると・・・」との記載から、「え」の段落[0022]ないし[0027]に記載される[冷媒攪拌運転]は、第2室内機4-1B以外の室内機から冷媒が漏洩した場合においてもなされると認められる。
してみると、引用文献1の第1冷凍サイクル装置1-1と同様に、第2冷凍サイクル装置1-2においても、第3室内機4-2Aから冷媒が漏洩したことを第3冷媒検出装置8-2Aが検出すると、制御装置30により、第3室内機4-2Aの送風の風量を強め、第3室内機4-2Aが接続された第2冷凍サイクル1-2のすべての室内機の開閉装置を閉状態とすることで第2冷凍サイクル1-2の圧縮機が停止し、第3室内機4-2Aが接続された第2冷凍サイクル1-2以外の冷凍サイクルに接続された室内機の送風の向きを第3室内機4-2Aに向け、第3室内機4-2Aが接続された第2冷凍サイクル1-2以外の冷凍サイクルの負荷を、例えば圧縮機の回転数を高くすることで強める制御がなされると認められる。
これら記載事項、図示事項及び認定事項を総合し、整理すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。
「 室内の空調を行う空気調和システムであって、
第1熱源機2-1と第2室内機4-1Bとを有する第1冷凍サイクル1-1と、
第2熱源機2-2と第3室内機4-2Aとを有し、前記第1冷凍サイクル1-1とは冷媒系統が異なる第2冷凍サイクル装置1-2と、
を備え、
前記第1冷凍サイクル1-1は、前記第2室内機4-1Bに設けられた第2ファン5-1B、を有し、
前記第2冷凍サイクル1-2は、前記第3室内機4-2Aに設けられたファン、を有し、
前記空気調和システムは第1冷凍サイクル装置1-1、及び第2冷凍サイクル装置1-2を含み、
前記第2室内機4-1Bから冷媒が漏洩し、第2冷媒漏洩検出装置8-1Bが冷媒の漏洩を検出した場合には、前記第1冷凍サイクル1-1の第1圧縮機20-1が停止し、前記第2室内機4-1Bから冷媒が漏洩し、第2冷媒漏洩検出装置8-1Bが冷媒の漏洩を検出した場合に、前記第2室内機4-1Bに設けられた第2ファン5-1Bは送風の風量を強め、前記第2室内機4-1Bから冷媒が漏洩し、第2冷媒漏洩検出装置8-1Bが冷媒の漏洩を検出した場合に、前記第1冷凍サイクル1-1以外の冷凍サイクルに接続された室内機が送風を行い、第1冷凍サイクル1-1以外の冷凍サイクルの圧縮機の回転数を高くすることで負荷を強め、
前記第3室内機4-2Aから冷媒が漏洩し、第3冷媒漏洩検出装置8-2Aが冷媒の漏洩を検出した場合には、前記第2冷凍サイクル1-2の圧縮機が停止し、第3室内機4-2Aから冷媒が漏洩し、第3冷媒漏洩検出装置8-2Aが冷媒の漏洩を検出した場合に、前記第3室内機4-2Aに設けられたファンは送風の風量を強め、前記第3室内機4-2Aから冷媒が漏洩し、第3冷媒漏洩検出装置8-2Aが冷媒の漏洩を検出した場合に、前記第2冷凍サイクル1-2以外の冷凍サイクルに接続された室内機が送風を行い、第2冷凍サイクル1-2以外の冷凍サイクルの圧縮機の回転数を高くすることで負荷を強める、
空気調和システム。」
(イ) 引用文献2
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった引用文献である特開2008-75974号公報(以下、「引用文献2」という。)には、「空調ユニット、および空気調和装置の室外ユニット」に関して次の記載事項及び図示事項がある。
あ「【0035】
<空気調和装置1全体の構成>
空気調和装置1は、図1に示すように2系統の冷媒回路を有しており、電算機室の空調に用いられる冷房専用の空気調和装置である。
【0036】
空気調和装置1は、図1に示すように、2系統のほぼ同一の冷媒回路から成り、屋外に配置された室外機2と電算機室に配置された室内機3とを備えている。
【0037】
室外機2は、屋外において、各冷媒回路を循環するフルオロカーボンガス等の冷媒ガスと内部に吸い込んだ外気(空気)との間で熱交換を行なって冷媒ガスを冷却して液化する。(なお、室外機2については後段にて詳述する。)
【0038】
室内機3は、各冷媒回路において、圧縮機11と、膨張弁15と、蒸発器16と、冷媒ガス配管30と、冷媒液配管35と、ファン17とを、それぞれ備えており、室外機2において熱交換を行った冷媒液の気化熱を利用して電算機室内の空気を所定の設定室温に保持する。」
い「【0043】
レシーバタンク(冷媒機器)13は、上流側の凝縮器20において液化した冷媒を一時的に蓄えて、上流側から供給される冷媒液の中に混入しているガス状態の冷媒を分離して下流側の冷媒液配管33に冷媒液のみを供給する。これにより、下流側の冷媒液配管33に供給される冷媒液に冷媒ガスが混入することを防止することができる。」
う「【0049】
<室外機2の構成>
室外機2は、図2~図5に示すように、ケーシング40と、2つのファン28と、冷媒機器として、2つのガス側閉鎖弁12と、2つのレシーバタンク13と、2つの液側閉鎖弁14と、凝縮器20と、冷媒ガス配管32と、冷媒液配管33と、スイッチボックス(冷媒機器)27と、を備えている箱形の室外機である。」
え「【図1】
[図:0001404502000004.jpg]
」
これら記載事項及び図示事項を総合し、整理すると、引用文献2には、以下の事項(以下、「引用文献2の記載事項」という。)が記載されている。
「電算機室の空調に用いられる空気調和装置が、2系統の冷媒回路から成り、屋外に配置された室外機2と電算機室に配置された室内機3とを備え、室内機3は、圧縮機11とファン17とをそれぞれ備え、室外機2は、液化した冷媒を一時的に蓄えるレシーバタンク13をそれぞれ備えること。」
(ウ) 引用文献3
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった引用文献である特開2018-9769号公報(以下、「引用文献3」という。)には、「冷凍システム」に関して、次の記載事項及び図示事項がある。
あ「【0063】
<構成>
図6は、本発明の第2実施形態にかかる冷凍システム1の概略構成図である。冷凍システム1は、大型の冷蔵倉庫や冷凍倉庫のような1つの空調対象空間Sに対して設けられた複数(ここでは、3つ)の利用ユニット3a、3b、3cを有している。また、利用ユニット3a、3b、3cは、図2に示すように、空調対象空間Sの上部に配置されている。尚、利用ユニットの数は、3つに限定されるものではなく、2つ以上であればよい。また、利用ユニット3a、3b、3cは、空調対象空間Sの上方に配置されていてもよい。
【0064】
また、ここでは、冷凍システム1は、各利用ユニット3a、3b、3cに対応して設けられた複数(ここでは、3つ)の熱源ユニット2a、2b、2cを有している。また、熱源ユニット2a、2b、2cは、図6に示すように、空調対象空間S外に配置されている。各熱源ユニット2a、2b、2cは、対応する利用ユニット3a、3b、3cに接続されることによって冷媒が循環する冷媒回路10a、10b、10cを構成している。ここでは、利用ユニット3aは、液冷媒連絡管4a及びガス冷媒連絡管5aを介して熱源ユニット2aに接続されることによって冷媒回路10aを構成している。利用ユニット3bは、液冷媒連絡管4b及びガス冷媒連絡管5bを介して熱源ユニット2bに接続されることによって冷媒回路10bを構成している。利用ユニット3cは、液冷媒連絡管4c及びガス冷媒連絡管5cを介して熱源ユニット2cに接続されることによって冷媒回路10cを構成している。すなわち、ここでは、上記のように、利用ユニット3a、3b、3cごとに冷媒回路10a、10b、10cが設けられている。冷媒回路10a、10b、10cには、冷媒が充填されており、ここでは、可燃性の冷媒の1つであるR32が使用されている。尚、冷媒回路10a、10b、10cに充填される冷媒は、R32に限定されるものではなく、プロパン等の他の可燃性の冷媒であってもよい。」
い「【0087】
次に、制御部8は、ステップST3において、検知待機制御中の利用ユニット3a、3b、3cに対応する冷媒の状態量に基づいて冷媒の漏洩を検知する。ここでは、検知待機制御中の利用ユニット3a、3b、3cに対応する冷媒の状態量が、利用ユニット3a、3b、3cが構成する冷媒回路10a、10b、10cがガス欠状態であることを示す場合に、冷媒の漏洩を検知したものとする。ここで、冷媒が漏洩している利用ユニットにおいては、冷媒の漏洩によって検知待機制御中に冷媒回路の低圧部における冷媒の圧力が低下してガス欠状態になる。そこで、ここでは、各熱源ユニット2a、2b、2cの圧力センサ23a、23b、23cによって検知される冷媒の圧力Psを検知待機制御中の利用ユニット3a、3b、3cに対応する冷媒の状態量とし、冷媒の状態量としての冷媒の圧力Psが、ガス欠状態を示す冷媒漏洩判定圧力Psm以下に達している場合に、冷媒の漏洩を検知したものとしている。このように、ここでは、検知待機制御中の利用ユニット3a、3b、3cに対応する冷媒の状態量に基づいて、冷媒が漏洩している利用ユニットを確実に特定しているのである。尚、ここでは、冷媒の漏洩を検知するための冷媒の状態量として、圧力センサ23a、23b、23cによって検知される冷媒の圧力Psを採用しているが、これに限定されるものではない。そして、制御部8は、冷媒の漏洩が検知された利用ユニットに対しては、その使用を中止させるために、以下に説明するステップST14の処理を行う。また、冷媒の漏洩が検知されなかった利用ユニットに対しては、その運転を継続させるために、以下に説明するステップST5の処理を行う。」
う「【0090】
<変形例1>
冷媒が漏洩した利用ユニットには、上記の冷媒の漏洩が検知された場合の動作におけるステップST14の処理によって使用が中止された後においても、利用側熱交換器や冷媒管等に冷媒がいくらか存在していることがある。このため、ステップST14の処理によって使用を中止した後に、中止対象の利用ユニットから空調対象空間Sへ冷媒が漏洩するおそれがある。
【0091】
そこで、ここでは、ステップST3の処理によって冷媒の漏洩が検知された利用ユニットが存在している場合に、ステップST14の処理を行う際に、図9に示すステップST7の処理を行うようにしている。具体的には、ステップST7では、ステップST14の冷媒の漏洩が検知された利用ユニットの使用を中止させる際に、中止対象の利用ユニットに接続されている熱源ユニットに冷媒を回収させる冷媒回収制御を行うようにしている。例えば、中止対象の利用ユニットが利用ユニット3aである場合には、ステップST14に先だって、熱源側膨張弁13aを閉止した状態で圧縮機11aを一時的に運転して利用ユニット3aに存在する冷媒を熱源ユニット2aに回収するのである。そして、ステップST7の冷媒回収制御の後に、ステップST14の処理(圧縮機11aの運転を停止)を行うのである。尚、ステップST7を含む冷凍システム1の動作も、冷凍システム1の構成機器を制御する制御部8によって行われる。
【0092】
このように、ここでは、冷媒の漏洩が検知された利用ユニットの使用を中止させる際に、上記の冷媒回収制御を行うようにしているため、中止対象の利用ユニットに存在する冷媒量を減らすことができ、これにより、中止対象の利用ユニットから空調対象空間Sに漏洩する冷媒量をさらに減らすことができる。」
え「【図8】
[図:0001404502000005.jpg]
」
お「【図9】
[図:0001404502000006.jpg]
」
これら記載事項及び図示事項を総合し、整理すると、引用文献3には、以下の事項(以下、「引用文献3の記載事項」という。)が記載されている。
「各熱源ユニット2a、2b、2cと対応する利用ユニット3a、3b、3cに接続されることによって冷媒が循環する冷媒回路10a、10b、10cを有する冷凍システム1において、漏洩が検知された利用ユニットの使用を中止させる際に、中止対象の利用ユニットに接続されている熱源ユニットに冷媒を回収させる冷媒回収制御を行って存在する冷媒を回収し、冷媒回収制御の後に圧縮機11aの運転を停止すること。」
(エ) 文献4
当審において周知例として新たに例示する、本願の出願前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった文献である特開2002-228281号公報(以下、「文献4」という。)には、「空気調和機」に関して、次の記載事項がある。
あ「【0006】そこで、本発明は、上述の点に考慮して、室内機の設置された部屋に冷媒の漏れが生じると室内機内の冷媒を安全に室外機へ回収することの出来る空気調和機を提供することを目的とする。」
い「【0021】室外機2は、室外に設置され以下に述べる機器が収納されている。圧縮機7と、圧縮機7の吸込側に設けられたアキュムレータ6と、冷房/暖房運転切り替え時に冷媒の流れを反転させる四方切換弁8と、室外熱交換器9と、減圧装置としての室外膨張弁10(電動弁)と、液冷媒を蓄えるレシーバタンク18と冷媒の流れを止める開閉弁20と圧力検知器22とが冷媒配管4を介し図1のように接続されている。この室外膨張弁10は、暖房運転時に空調負荷に応じて開度が調整され、しぼり弁として機能する。室外熱交換器9には、この室外熱交換器9へ向かって送風する室外送風ファン9Fが隣接して配置されている。」
う「【0033】冷房運転中にガス検知器25が冷媒の漏れを検知すると、室内機3の警報装置(図示せず)が警報を発する。
【0034】次に、室外膨張弁10と室内膨張弁12とが開放され、開閉弁20が閉じられ、圧縮機7と室外熱交換器9へ送風する送風ファン9Fが強制的に運転させる。これにより、室内機3と室内外を連結する冷媒配管内の冷媒は、主に室外機2内のレシーバタンク18と室外熱交換器9に回収される。」
え「【0037】圧縮機7と送風ファン9Fと警報装置は、空気調和機1の管理者が冷媒の漏れた部屋を確認してから運転を停止する。」
お「【0041】また開閉弁20の下流に圧力検知器22を設け、圧力検知器22が所定の圧力(1乃至0.5kg/cm2G)を検知すると、圧縮機のポンプダウン運転を停止するようにすれば冷媒回路への空気の侵入を防ぎ、修理の手間を削減することができる。」
これら記載事項及び図示事項を総合し、整理すると、文献4には、以下の事項(以下、「文献4の記載事項」という。)が記載されている。
「ガス検知器25が冷媒の漏れをすると、圧縮機7を強制的に運転させ、冷媒をレシーバタンク18に回収し、圧力検知機が所定の圧力を検知すると圧縮機のポンプダウン運転を停止すること。」
(オ) 文献5
当審において周知例として新たに例示する、本願の出願前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった文献である特開2015-209979号公報(以下、「文献5」という。)には、「空気調和装置」に関して、次の記載事項及び図示事項がある。
あ「【0002】
従来より、空気調和装置において冷媒の漏洩が生じた場合には、冷媒回路外への冷媒の漏洩を抑えるために、冷媒を一箇所に集める回収運転が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2002-228281号公報)に記載の空気調和機では、室内機が設置されている部屋において冷媒の漏洩を検知した場合に、冷媒回路における四路切換弁の接続状態を冷房運転状態としつつ、レシーバの下流に設けられた開閉弁を閉じることで、レシーバ内に液冷媒を溜めて、冷媒を回収することが提案されている。」
い「【0037】
(3)室外ユニット10
室外ユニット10は、圧縮機11、逆止弁11a、四路切換弁12、室外熱交換器13、室外ファン14、室外ファンモータ14a、第1室外膨張弁16、第2室外膨張弁15、レシーバ18、インジェクション部17、アキュームレータ19、吐出温度センサ51a、吐出圧力センサ51b、吸入温度センサ52a、吸入圧力センサ52b、室外熱交温度センサ53、外気温度センサ54、漏洩検知センサ55を有している。
【0038】
圧縮機11は、周波数制御が可能な圧縮機であり、運転容量が可変である。逆止弁11aは、圧縮機11の吐出側であって、四路切換弁12との間に設けられており、圧縮機11から四路切換弁12に向かう冷媒流れのみを許容する。四路切換弁12は、4つの接続ポートを有しており、そのうちの2つずつを互いに接続する。この四路切換弁12は、この接続状態を切り換えることで、圧縮機11から吐出された冷媒を室外熱交換器13側に導く冷房運転状態と、圧縮機11から吐出された冷媒を室内ユニット60の室内熱交換器62や第2室内熱交換器66に導く暖房運転状態と、を切り換えることができる。室外熱交換器13は、冷媒の放熱器もしくは蒸発器として機能することが可能な熱交換器であって、例えば、複数の伝熱フィンと伝熱管によって構成されている。室外ファン14は、室外ファンモータ14aが駆動することによって回転し、室外熱交換器13に向かう空気流れを生じさせる。第1室外膨張弁16は、レシーバ18よりも室内ユニット60の液側に設けられており、通過する冷媒の減圧程度を調節することができる。第2室外膨張弁15は、室外熱交換器13の液側とレシーバ18の間に設けられており、通過する冷媒の減圧程度を調節することができる。室外レシーバ18は、第1室外膨張弁16と第2室外膨張弁15の間に設けられた冷媒容器であり、冷媒回路3における余剰冷媒を調節することができる。インジェクション部17は、インジェクション回路17aと、インジェクション開閉弁17bと、キャピラリーチューブ17cと、を有している。インジェクション回路17aは、レシーバ18のガス領域部分(上方部分)から延び出して、四路切換弁12と圧縮機11の吸入側との間(本実施形態では四路切換弁12とアキュームレータ19の間)に接続されている。インジェクション開閉弁17bは、インジェクション回路17aの途中に設けられており、冷媒の通過を許容する状態と許容しない状態とを切り換えることができる。キャピラリーチューブ17cは、インジェクション開閉弁17bと、四路切換弁12と圧縮機11の吸入側(アキュームレータ19)の間の接続部分と、の間に設けられており、通過する冷媒の圧力を減圧させる。」
う「【0061】
(7)冷媒漏洩時の処理フローチャート
図3に、冷媒漏洩時の処理フローチャートを示す。
【0062】
本実施形態の冷凍装置100では、室外ユニット10において冷媒が漏洩し、以下に述べる冷媒回収運転を行う場合を例に挙げて説明する。
【0063】
まず、制御部7は、ステップS11において、漏洩検知センサ55において、冷媒の漏洩を検知したか否かを判断する。ここで、冷媒の漏洩を検知した場合には、ステップS12に移行する。
【0064】
ステップ12では、制御部7は、図示しないコントローラの液晶ディスプレイ等の表示部に対して、冷媒が漏洩している旨を表示出力させ、ステップS13に移行する。
【0065】
ステップS13では、制御部7は、四路切換弁12の接続状態が冷房運転状態であるか暖房運転状態であるかを判断する。ここで、冷房運転状態であればステップS14に移行し、暖房運転状態であればステップS17に移行する。
【0066】
ステップS14では、制御部7は、四路切換弁12の接続状態を冷房運転状態に維持したままで、レシーバ18の下流側に位置している第1室外膨張弁16を全閉状態とし、インジェクション開閉弁17b開けて、第2室外膨張弁15は全開状態を維持したままで、圧縮機11を駆動させ、ステップS15に移行する。ここで、第1室内ファンモータ63aおよび第2室内ファンモータ67aについては、第1室内熱交換器62や第2室内熱交換器66に存在していた冷媒を蒸発させるために、冷房運転時の動作を継続させる。なお、特に限定されないが、凝縮速度を上げる観点から、室外ファンモータ14aの出力を最大に制御することが好ましい。
【0067】
これにより、室外熱交換器13において凝縮して液化した冷媒は、第1室外膨張弁16が閉じられているため室内ユニット60側に流れていくことができず、レシーバ18内に集められる。さらに、インジェクション開閉弁17bが開けられていることで、レシーバ18内のガス冷媒が圧縮機11の吸入側に引き抜かれていくため、室外熱交換器13を通過した冷媒をレシーバ18に流し込みやすくなっている。
【0068】
ステップS15では、制御部7は、圧縮機11の吸入圧力(吸入圧力センサ52bの検知圧力)が所定の圧力以下になっているか否かを判断する。ここで、所定の圧力以下になっている場合には、冷媒の回収が終了したとしてステップS16に移行する。所定の圧力以下になっていない場合には、ステップS15を継続させる。
【0069】
ステップS16では、制御部7は、インジェクション開閉弁17bを閉じた後に第2室外膨張弁15を閉じて、その後に圧縮機11を停止させる。」
え「【図3】
[図:0001404502000007.jpg]
」
これら記載事項及び図示事項を総合し、整理すると、文献5には、以下の事項(以下、「文献5の記載事項」という。)が記載されている。
「漏洩検知センサ55において冷媒の漏洩を検知した場合、冷媒をレシーバ18に回収した後に圧縮機11を停止すること。」
ウ 引用発明1との対比
本件補正発明と引用発明1とを対比する。
後者の「室内」と前者の「電算機室」とは、その機能、構成及び技術的意義からみて「室」という限りで一致する。また、後者の「空調」は、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「空気調和」に相当する。そうすると、後者の「空気調和システム」と前者の「電算機室用空調システム」とは「室用空調システム」という限りで一致する。
後者の「第1熱源機2-1」は、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「第1室外機」に相当する。同様に、「第2室内機4-1B」は「第1室内機」に、「第1冷凍サイクル1-1」は「第1空調機」に、「第2熱源機2-2」は「第2室外機」に、「第3室内機4-2A」は「第2室内機」に、「第2冷凍サイクル装置1-2」は「第2空調機」に、「第2ファン5-1B」は「第1ファン」に、「ファン」は「第2ファン」にそれぞれ相当する。
後者の「冷凍サイクルシステムは第1冷凍サイクル装置1-1、及び第2冷凍サイクル装置1-2を含み」は、1つの室内を第1冷凍サイクル装置1-1、及び第2冷凍サイクル装置1-2を含む空気調和システムにより空調するものであるから、前者の「前記第1室内機と前記第2室内機は、同一の前記電算機室を対象とした空気調和を行い」とは、「前記第1室内機と前記第2室内機は、同一の前記室を対象とした空気調和を行い」という限りで一致する。
後者の「第2室内機4-1Bから冷媒が漏洩し、第2冷媒漏洩検出装置8-1Bが冷媒の漏洩を検出した場合」は、第2室内機4-1Bを有する第1冷凍サイクル装置1-1で冷媒が漏洩したことに関する条件を満たした場合といえるから、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「前記第1空調機で冷媒が漏洩したことに関する第1漏洩条件を満たした場合」及び「前記第1漏洩条件を満たした場合」に相当する。
また、後者の「第1冷凍サイクル装置1-1の第1圧縮機20-1が停止」することと、前者の「前記第1空調機が有する冷媒を前記第1受液器に回収する運転を行った後に、前記第1圧縮機の運転を停止」することとは「前記第1空調機の第1圧縮機の運転を停止」することという限りで一致する。
そして、後者の「前記第2室内機4-1Bに設けられた第2ファン5-1Bは送風の風量を強め」ることは、第2ファン5-1Bの送風を強める運転状態とするであり、さらに冷媒漏洩の報知が解除されない限りは実行される続けるものであるから、前者の「前記第1ファンは運転状態となり前記第1空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続」することに相当する。
さらに、後者の「第1冷凍サイクル1-1以外の冷凍サイクルに接続された室内機が送風を行い、第1冷凍サイクル1-1以外の冷凍サイクルの圧縮機の回転数を高くすることで負荷を強め」ることは、第1冷凍サイクル1-1以外の冷凍サイクルである第2冷凍サイクル1-2において、第3室内機4-2Aファンについて送風を行うような運転状態とし、圧縮機の回転数を高くする運転状態とするものであるから、前者の「第2圧縮機と前記第2ファンは運転状態となり」に相当する。
そうすると、後者の「第2室内機4-1Bから冷媒が漏洩し、第2冷媒漏洩検出装置8-1Bが冷媒の漏洩を検出した場合には、前記第1冷凍サイクル1-1は、第1冷凍サイクル装置1-1の第1圧縮機20-1が停止し、前記第2室内機4-1Bから冷媒が漏洩し、第2冷媒漏洩検出装置8-1Bが冷媒の漏洩を検出した場合に、前記第2室内機4-1Bに設けられた第2ファン5-1Bは送風の風量を強め、前記第2室内機4-1Bから冷媒が漏洩し、第2冷媒漏洩検出装置8-1Bが冷媒の漏洩を検出した場合に第1冷凍サイクル1-1以外の冷凍サイクルに接続された室内機が送風を行い、第1冷凍サイクル1-1以外の冷凍サイクルの圧縮機の回転数を高くすることで負荷を強め」ることと、前者の「前記第1空調機で冷媒が漏洩したことに関する第1漏洩条件を満たした場合には、前記第1空調機は、前記第1空調機が有する冷媒を前記第1受液器に回収する運転を行った後に、前記第1圧縮機の運転を停止し、前記第1漏洩条件を満たした場合に前記第1ファンは運転状態となり前記第1空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続し、前記第1漏洩条件を満たした場合に前記第2圧縮機と前記第2ファンは運転状態とな」ることとは、「前記第1空調機で冷媒が漏洩したことに関する第1漏洩条件を満たした場合には、前記第1空調機は、前記第1空調機の第1圧縮機の運転を停止し、前記第1漏洩条件を満たした場合に前記第1ファンは運転状態となり前記第1空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続し、前記第1漏洩条件を満たした場合に前記第2圧縮機と前記第2ファンは運転状態とな」ることという限りで一致する。
後者の「第3室内機4-2Aから冷媒が漏洩し、第3冷媒漏洩検出装置8-2Aが冷媒の漏洩を検出した場合」は、第3室内機4-2Aを有する第2冷凍サイクル装置1-2で冷媒が漏洩したことに関する条件を満たした場合といえるから、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「前記第2空調機で冷媒が漏洩したことに関する第2漏洩条件を満たした場合」及び「前記第2漏洩条件を満たした場合」に相当する。
また、後者の「第2冷凍サイクル装置1-2の圧縮機が停止」することと、前者の「前記第2空調機が有する冷媒を前記第2受液器に回収する運転を行った後に、前記第2圧縮機の運転を停止」することとは「前記第2空調機の第2圧縮機の運転を停止」することという限りで一致する。
そして、後者の「前記第3室内機4-2Aに設けられたファンは送風の風量を強め」ることは、ファンの送風を強める運転状態とするであり、さらに冷媒漏洩の報知が解除されない限りは実行される続けるものであるから、前者の「前記第2ファンは運転状態となり前記第2空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続」することに相当する。
さらに、後者の「第2冷凍サイクル1-2以外の冷凍サイクルに接続された室内機が送風を行い、第2冷凍サイクル1-2以外の冷凍サイクルの圧縮機の回転数を高くすることで負荷を強め」ることは、第2冷凍サイクル1-2以外の冷凍サイクルである第1冷凍サイクル1-1において、第2室内機4-1Bのファンについて送風を行うような運転状態とし、圧縮機の回転数を高くする運転状態とするものであるから、前者の「第1圧縮機と前記第1ファンは運転状態となり」に相当する。
そうすると、後者の「第3室内機4-2Aから冷媒が漏洩し、第3冷媒漏洩検出装置8-2Aが冷媒の漏洩を検出した場合には、前記第1冷凍サイクル1-2は、第2冷凍サイクル装置1-2の圧縮機が停止し、前記第3室内機4-2Aから冷媒が漏洩し、第3冷媒漏洩検出装置8-2Aが冷媒の漏洩を検出した場合に、前記第3室内機4-2Aに設けられたファンは送風の風量を強め、前記第3室内機4-2Aから冷媒が漏洩し、第3冷媒漏洩検出装置8-2Aが冷媒の漏洩を検出した場合に第2冷凍サイクル1-2以外の冷凍サイクルに接続された室内機が送風を行い、第2冷凍サイクル1-2以外の冷凍サイクルの圧縮機の回転数を高くすることで負荷を強め」ることと、前者の「前記第2空調機で冷媒が漏洩したことに関する第2漏洩条件を満たした場合には、前記第2空調機は、前記第2空調機が有する冷媒を前記第2受液器に回収する運転を行った後に、前記第2圧縮機の運転を停止し、前記第2漏洩条件を満たした場合に前記第2ファンは運転状態となり前記第2空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続し、前記第2漏洩条件を満たした場合に前記第1圧縮機と前記第1ファンは運転状態とな」ることとは、「前記第2空調機で冷媒が漏洩したことに関する第2漏洩条件を満たした場合には、前記第2空調機は、前記第1空調機の第2圧縮機の運転を停止し、前記第2漏洩条件を満たした場合に前記第2ファンは運転状態となり前記第2空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続し、前記第2漏洩条件を満たした場合に前記第1圧縮機と前記第1ファンは運転状態とな」ることという限りで一致する。
したがって、両者は
「室の空気調和を行う室用空調システムであって、
第1室外機と第1室内機とを有する第1空調機と、
第2室外機と第2室内機とを有し、前記第1空調機とは冷媒系統が異なる第2空調機と、
を備え、
前記第1空調機は、前記第1室内機に設けられた第1ファンと、を有し、
前記第2空調機は、前記第2室内機に設けられた第2ファンと、を有し、
前記第1室内機と前記第2室内機は、同一の前記室を対象とした空気調和を行い、
前記第1空調機で冷媒が漏洩したことに関する第1漏洩条件を満たした場合には、前記第1空調機は、前記第1空調機の第1圧縮機の運転を停止し、前記第1漏洩条件を満たした場合に前記第1ファンは運転状態となり前記第1空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続し、前記第1漏洩条件を満たした場合に第2圧縮機と前記第2ファンは運転状態となり、
前記第2空調機で冷媒が漏洩したことに関する第2漏洩条件を満たした場合には、前記第2空調機は、前記第2空調機の前記第2圧縮機の運転を停止し、前記第2漏洩条件を満たした場合に前記第2ファンは運転状態となり前記第2空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続し、前記第2漏洩条件を満たした場合に前記第1圧縮機と前記第1ファンは運転状態となる、
室用空調システム。」
である点で一致し、次の点で相違する。
[相違点1]
空気調和を行う室に関して、本件補正発明は、「電算機室の空気調和を行う電算機室用空調システム」であるのに対して、引用発明1は、「室内の空気調和を行う空気調和システム」である点。
[相違点2]
本件補正発明は、「前記第1空調機は、第1室内機に設けられた第1圧縮機(11a、12a)」と、「前記第2空調機は、第2室内機に設けられた第2圧縮機(11b、12b)」とを有するのに対して、引用発明1は、第1冷凍サイクル1-1の第2室内機4-1B及び第2冷凍サイクル1-2の第3室内機4-2Aに圧縮機を備えていない点。
[相違点3]
本件補正発明は、「前記第1空調機」は、「前記第1室外機(3a)に設けられた第1受液器(35a)」と有し、「前記第2空調機」は、「前記第2室外機(3b)に設けられた第2受液器(35b)」とを有するのに対して、引用発明1は、第1冷凍サイクル1-1及び第2冷凍サイクル1-2の第1熱源機2-1及び第2熱源機2-2がそれぞれ受液器を備えるか不明である点。
[相違点4]
冷媒が漏洩した場合の第1空調機及び第2空調機の運転に関して、本件補正発明は、「前記第1空調機で冷媒が漏洩したことに関する第1漏洩条件を満たした場合には、前記第1空調機は、前記第1空調機が有する冷媒を前記第1受液器に回収する運転を行った後に、前記第1圧縮機の運転を停止」し、「前記第2空調機で冷媒が漏洩したことに関する第2漏洩条件を満たした場合には、前記第2空調機は、前記第2空調機が有する冷媒を前記第2受液器に回収する運転を行った後に、前記第2圧縮機の運転を停止」するのに対し、引用発明1は、の冷媒が漏洩した場合に、冷媒を受液器に回収する運転を行った後に、圧縮機の運転を停止するものではない点。
エ 判断
上記相違点1~3について検討する。
引用文献2の記載事項は、「電算機室の空調に用いられる空気調和装置が、2系統の冷媒回路から成り、屋外に配置された室外機2と電算機室に配置された室内機3とを備え、室内機3は、圧縮機11とファン17とをそれぞれ備え、室外機2は、液化した冷媒を一時的に蓄えるレシーバタンク13をそれぞれ備えること。」を開示するものである。
そして、引用発明1の空気調和システムと引用文献2の記載事項は、ともに室内の空気調和を複数の室内機によって行うものである点で共通する作用・機能を有するから、両者を組み合わせる動機付けが存在する。また、引用発明1の室内として電算機室が採用できないとする格別な事情はなく、さらに、引用発明1の第1冷凍サイクル1-1の第2室内機4-1B及び第1熱源機2-1並びに第2冷凍サイクル1-2の第3室内機4-2A及び第2熱源機2-2において、引用文献2の記載事項が開示する圧縮機11を備えた室内機3、レシーバタンク13を備えた室外機2を採用できないとする格別な事情もない。
そうすると、引用発明1の「室内」、「第1室内機」、「第2室内機」、「第1熱源機」及び「第2熱源機」において、引用文献2の記載事項を採用して上記相違点1~3に係る本件補正発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
上記相違点4について検討する。
引用文献3の記載事項は、「冷媒が漏洩した場合に、冷媒を回収させる冷媒回収制御を行った後に、圧縮機の運転を停止すること。」を開示するものといえる。
ここで、文献4の記載事項及び文献5の記載事項からみて、空調装置の技術分野において、「空調機で冷媒が漏洩した場合に、当該空調機が有する冷媒を室外機が備えるレシーバタンクに回収する運転を行った後に、圧縮機の運転を停止すること。」は、周知の事項といえるものであり、空調装置の室外機にレシーバタンクを設けることが例示するまでもなく慣用的技術手段であることを勘案すると、引用文献3の記載事項における冷媒回収制御についても、室外機のレシーバタンクに冷媒を回収するものであるということができる。
さらに、引用文献3の記載事項及び文献4、5に例示される周知技術は、空調装置に係る技術である点で引用発明1と共通し、冷媒が漏洩を最小限にするための技術である点でも引用発明1と共通するから、引用発明1に引用文献3の記載事項及び周知技術を適用する動機付けが存在する。してみると、引用発明1において、圧縮機を停止する際の制御として、引用文献3の記載事項及び周知技術を採用することに、格別な困難性があるともいえない。
そうすると、引用発明1において、圧縮機を停止する際の制御として、引用文献3の記載事項及び周知技術を採用することにより相違点4に係る本件補正発明の発明特定事項とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
また、本件補正発明は、全体としてみても、引用発明1、引用文献2の記載事項及び引用文献3の記載事項並びに周知技術から予測し得ない格別な効果を奏するものではない。
したがって、本件補正発明は、引用発明1、引用文献2の記載事項及び引用文献3の記載事項並びに周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3.審判請求人の主張について
審判請求人は、審判請求書において以下のとおり主張している。
「(相違点4について)
本願発明1では、第2空調機から冷媒が漏洩した場合に、第2空調機が有する冷媒を第2受液器に回収する運転が行われるため、第2空調機の漏洩箇所を負圧にして、第2空調機からのさらなる冷媒の漏洩が抑制される。そして、第2空調機が有する冷媒は、電算機室から離れた室外の第2受液器に回収されることで、電算機室での冷媒の燃焼等を避けることができる。しかも、第2空調機から冷媒が漏洩した場合には、第1空調機の第1ファンだけでなく第2空調機の第2ファンも運転状態となることで、電算機室の温度上昇を抑制しつつ、漏洩冷媒を拡散させて局所的な高濃度箇所の発生を防ぐことができ、特に、第2空調機において冷媒が回収されている間も回収を終えた後も第2ファンの運転状態を継続させるため、電算機室の温度上昇を抑制効果および漏洩冷媒の拡散効果をより高めることが可能になっている。さらに、第2空調機での冷媒回収時に第2ファンが運転状態を維持するので、第2空調機の冷媒の蒸発が促され、第2受液器への回収を早めて漏洩量を抑制させることも可能となる。さらに、第2圧縮機は第2室内機に設けられているため、第2圧縮機の吸入側から漏洩箇所までの距離が短いため、冷媒回収時に漏洩箇所の周囲を迅速に負圧にさせることができ、冷媒の更なる洩が抑制される。
これに対して、引用文献1に記載の発明では、冷媒が漏洩した空調機において冷媒の循環を停止させるため、上述の本願発明1の効果が得られない。
なお、引用文献1においても、第2室内機4-1Bから冷媒が漏洩した場合に、漏洩を検出した検出装置に最も近い第2室内機4-1Bの送風の風量を強めることは記載されているものの(段落0022)、漏洩が生じたもの以外のファンを制御することについては開示も示唆もない。このため、漏洩が生じたもの以外のファンも用いて温度上昇の抑制や漏洩冷媒の拡散効果をより高めることについてはなんら動機付けられない。
また、拒絶査定においては、冷媒が漏洩した空調機の冷媒を回収させる運転について、引用文献3の記載を根拠として容易に想到されるとの判断がなされているものの、引用文献3では、圧縮機は熱源ユニットに設けられているため、空調対象空間Sからは遠く離れている。したがって、引用文献3においても、引用文献1と同様に、漏洩箇所と圧縮機との距離が長い。したがって、引用文献1に係る発明において、仮に引用文献3を参考として冷媒を回収させる運転を行うことにしたとしても、空調対象空間Sで冷媒が漏洩した場合において漏洩箇所と圧縮機との距離が長く、漏洩箇所を迅速に負圧にすることが困難であり、その間にも冷媒の漏洩が進んでしまう。したがって、引用文献1と引用文献3の両方を考慮したとしても、本願相違点4に係る構成およびその効果は得られない。
さらに、冷媒を回収させる運転が行われている間も冷媒が漏洩した空調機のファンを駆動させ続けることで、回収を迅速化させつつ漏洩冷媒を拡散させ続けることについては、いずれの引用文献においても開示も示唆もなされていない。
以上より、相違点4に係る構成を得ることは容易ではない。
(相違点1について)
引用文献1では、明細書全体を通じて、圧縮機を熱源機に設ける例のみ開示しており、室内機に設けることはなんら想定されていない。ここで、引用文献2には、圧縮機を室内機に設けることが記載されているものの、圧縮機を熱源機に設けることだけを開示し、圧縮機を室内機に設けることはなんら想定していない引用文献1において、圧縮機を室内機に設けるように変更することは困難である。
そして、引用文献1に記載の発明は、冷媒が漏洩した場合の冷凍サイクルシステムの動作に関するものであるところ、引用文献2では冷媒が漏洩した場合についてはなんら記載が無く、示唆すらなされていない。したがって、引用文献2の記載を引用文献1に記載の発明に適用することは、なんら動機づけられない。
また、本願発明1は、第2圧縮機は第2室内機に設けられているという相違点1に係る構成を備えることで、電算機室において第2空調機から冷媒が漏洩したとしても、当該漏洩箇所の周囲から第2圧縮機までの距離が短いために当該漏洩箇所を迅速に負圧にさせやすく、第2空調機からの冷媒の漏洩を抑制させやすい、という有利な効果を奏するものである。
(相違点2について)
引用文献1では、圧縮機は熱源機に設けることしか記載されておらず、室内機に設けることはなんら想定されていない。また、引用文献3においても、受液器に関する記載はない。また、引用文献2においては、室外機に設けられたレシーバタンク13の記載があるものの(段落0049)、ガス状態の冷媒を分離して冷媒液のみを下流側に供給するために用いることのみが記載されており(段落0043)、冷媒漏洩時の冷媒回収先としては開示されておらず、冷媒が漏洩した際の処理はなんら記載も示唆もない。このため、冷媒が漏洩した場合の冷凍サイクルシステムの動作に関する引用文献1に記載の発明に対して、冷媒漏洩に関する記載の無い引用文献2の構成を適用することは、なんら動機づけられない。
これに対して、本願発明1は、電算機室において第2空調機から冷媒が漏洩したとしても、当該漏洩箇所の周囲の冷媒を第2圧縮機によって素早く第2室外機に送ることで、電算機室内での冷媒漏洩を抑制させつつ、第2室外機に設けられた第2受液器において保持させることにより、冷媒を電算機室から十分に隔離させることが可能になり、電算機室での漏洩冷媒の燃焼を確実に抑制できるという有利な効果を奏している。」
そこで、上記主張について検討する。
(1) (相違点1について)について
2.エの相違点1~3の判断において述べたとおり、引用発明1と引用文献2の記載事項とは、作用・機能が共通するものであるから両者を組み合わせる動機付けが存在する。そして、引用発明1の空気調和システムを採用できない「室」についての特段の特定はなく、さらに、空気調和システムで採用される冷凍サイクル装置についても格段の特定はない。そうすると、引用発明1の空気調和システムを採用する「室」として、引用文献2の記載事項に開示する「電算機室」とすることに格別困難といえる事情はなく、そして、引用文献2の記載事項が開示する圧縮機11を備えた室内機3は、電算機室の空調に用いられるものなのであるから、室で用いる第2室内機及び第3室内機として、引用文献2の記載事項のものが採用できないとする格別な事情もない。
したがって、上記(相違点1について)に係る審判請求人の主張は当を得ない。
(2) (相違点2について)について
「引用文献1では、圧縮機は熱源機に設けることしか記載されておらず、室内機に設けることはなんら想定されていない。」との主張は、(1)で述べたとおり当を得ない主張である。
また、2.エの相違点4の判断において述べたとおり、空調装置の技術分野において、「空調機で冷媒が漏洩した場合に、当該空調機が有する冷媒を室外機が備えるレシーバタンクに回収する運転を行った後に、圧縮機の運転を停止すること。」は周知の事項といえるものである。
そして、引用発明1において、周知の事項を前提に、第1熱源機2-1及び第1熱源機2-2として、引用文献2の記載事項に開示されるレシーバタンクを備えた室外機を採用することについても、(1)と同様に動機付けが存在する以上、当業者であれば容易に想到し得たことである。
したがって、(相違点2について)に係る審判請求人の主張は当を得ない。
(3) (相違点4について)について
引用発明1における「前記第2室内機4-1Bから冷媒が漏洩し、第2冷媒漏洩検出装置8-1Bが冷媒の漏洩を検出した場合には、前記第1冷凍サイクル1-1の第1圧縮機20-1が停止し、前記第2室内機4-1Bから冷媒が漏洩し、第2冷媒漏洩検出装置8-1Bが冷媒の漏洩を検出した場合に、前記第2室内機4-1Bに設けられた第2ファン5-1Bは送風の風量を強め」るとの事項及び「前記第3室内機4-2Aから冷媒が漏洩し、第3冷媒漏洩検出装置8-2Aが冷媒の漏洩を検出した場合には、前記第2冷凍サイクル1-2の圧縮機が停止し、前記第3室内機4-2Aから冷媒が漏洩し、第3冷媒漏洩検出装置8-2Aが冷媒の漏洩を検出した場合に、前記第3室内機4-2Aに設けられたファンは送風の風量を強め」るとの事項は、引用文献1の[0022]、[0024]及び[0027]の記載事項(「2.イ(ア)」の「え」及び「こ」を参照。)を踏まえれば、「圧縮機が停止するまでの間も冷媒が漏洩した空調機のファンを駆動させ続けることで漏洩冷媒を拡散させ続ける」ものであり、これにより冷媒が漏洩している第2室内機4-1Bの周囲の空気が攪拌されるものである。
ここで、引用発明1に引用文献3の記載事項を採用したものは、「冷媒を回収させる運転が行われている間」すなわち圧縮機が停止するまでの間も、「冷媒が漏洩した空調機のファンを駆動させ続ける」ものであり、さらに冷媒の回収が迅速化されることも当業者であれば理解しうることである。
そうすると、引用発明1において、引用文献3の記載事項を採用したものが「冷媒を回収させる運転が行われている間も冷媒が漏洩した空調機のファンを駆動させ続けることで、回収を迅速化させつつ漏洩冷媒を拡散させ続けること」を奏するものなることは、当業者であれば予測し得たことである。
そして、引用発明1が「漏洩が生じたもの以外のファンを制御する」ものであることは、2.ウで述べたとおりである(必要であれば引用文献1の段落[0025](「2.イ(ア)え」を参照。)。
また、2.エの相違点4の判断において述べたとおり、空調装置の技術分野において、「空調機で冷媒が漏洩した場合に、当該空調機が有する冷媒を室外機が備えるレシーバタンクに回収する運転を行った後に、圧縮機の運転を停止すること。」は周知技術である。そして、文献4の段落【0021】(「2.イ(エ)い」を参照。)の記載事項及び文献5の段落【0037】及び【0038】(「2.イ(オ)い」を参照。)の記載事項からみて、当該周知技術は室外機に圧縮機を置いた空調機でも機能するものであり、室内機に圧縮機を置くことにより奏するものとはいえない。
したがって、(相違点4について)に係る審判請求人の主張は当を得ない。
よって、審判請求書における審判請求人の主張は当を得ない。
4.むすび
上記2.のとおり、本件補正は特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に反するものであるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1.本願発明
令和4年12月20日にされた手続補正は上記の通り却下されたので、本願の請求項1ないし請求項6に係る発明は、令和4年8月1日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし請求項6に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項6に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項6に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「電算機室(R1)の空気調和を行う電算機室用空調システム(100)であって、
第1室外機(3a)と第1室内機(2a)とを有する第1空調機(1a)と、
第2室外機(3b)と第2室内機(2b)とを有し、前記第1空調機とは冷媒系統が異なる第2空調機(1b)と、
を備え、
前記第1空調機は、前記第1室内機に設けられた第1圧縮機(11a、12a)および第1ファン(20a)と、前記第1室外機(3a)に設けられた第1受液器(35a)と、を有し、
前記第2空調機は、前記第2室内機に設けられた第2圧縮機(11b、12b)および第2ファン(20b)と、前記第2室外機(3b)に設けられた第2受液器(35b)と、を有し、
前記第1室内機と前記第2室内機は、同一の前記電算機室(R1)を対象とした空気調和を行い、
前記第1空調機で冷媒が漏洩したことに関する第1漏洩条件を満たした場合には、前記第1圧縮機の運転が停止し、前記第2圧縮機と第2ファンは運転状態となり、
前記第2空調機で冷媒が漏洩したことに関する第2漏洩条件を満たした場合には、前記第2圧縮機の運転が停止し、前記第1圧縮機と第1ファンは運転状態となる、
電算機室用空調システム。」
2.原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、本願の請求項6に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献に記載された発明に基いて、その出願前に発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:国際公開第2017/002214号
引用文献2:特開2008-75974号公報
引用文献3:特開2018-9769号公報
3.引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1ないし引用文献3及びその記載事項は、前記第2[理由]2.イ(ア)ないし(ウ)に記載したとおりである。
4.対比・判断
本願発明は、前記第2[理由]2.で検討した本件補正発明から、「第1空調機で冷媒が漏洩したことに関する第1漏洩条件を満たした場合」についての「前記第1空調機は、前記第1空調機が有する冷媒を前記第1受液器に回収する運転を行った後に、前記第1圧縮機の運転を停止」すること、「前記第1ファンは運転状態となり前記第1空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続」すること及び「前記第2圧縮機と前記第2ファンは運転状態とな」ることとの限定、並びに「第2空調機で冷媒が漏洩したことに関する第2漏洩条件を満たした場合」についての「前記第2空調機は、前記第2空調機が有する冷媒を前記第2受液器に回収する運転を行った後に、前記第2圧縮機の運転を停止」すること「前記第2ファンは運転状態となり前記第2空調機の運転を停止させた後も運転状態を継続」すること及び「前記第1圧縮機と前記第1ファンは運転状態とな」ることとの限定を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]2.エに記載したとおり、引用発明1、引用文献2の記載事項及び引用文献3の記載事項並びに周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明1、引用文献2の記載事項及び引用文献3の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-020610