商標拒絶査定不服審判
2022-020485
エアストリームワン、ストリームワン、エアストリーム、ストリーム
- 審判番号
- 2022-020485
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-012400
- 請求日
- 2022年12月16日
- 審決日
- 2024年04月23日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ワールドコネクション
- 【請求人代理人】小川 清
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 藤村 浩二
- 分類
- T18 .261-Z (W12) / T18 .262-Z (W12) / T18 .263-Z (W12)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第56条第1項、特許法第169条第3項、商標法第44条第1項、特許法第135条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-12400拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
請求の趣旨中、「審判請求費用は出願人に返却する」との請求は、却下する。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年2月3日に出願されたものであり、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年7月7日付け:拒絶理由通知書
令和4年8月18日 :意見書の提出
令和4年9月6日付け:拒絶査定
令和4年12月16日:審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第12類「キャンピングカー,キャンピングトレーラー」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4011868号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成5年8月10日に登録出願、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、同9年6月13日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 商標の類否
(ア)引用商標
引用商標は、別掲2のとおり、「AIRSTREAM」の欧文字を横書きしてなるものである。
そして、原審で示した別掲3の証拠によれば、米国のソア・インダストリーズ社は、キャンピングトレーラーのメーカーであること、同社のキャンピングトレーラーのブランドは「エアストリーム(Airstream)」であること、当該ブランドのキャンピングトレーラーは、丸みを帯びたアルミニウムボディが特徴的であり、米国の若者を中心に人気があり、インスタ映え効果があるといわれていること、我が国のキャンプ場において、当該ブランドのキャンピングトレーラーがトレーラーハウスとして設置されているところがあること、これらのことが本願商標の出願の日前に発行されたものも含め、ウェブサイト及び新聞記事において紹介されていることが認められる。
そうすると、「エアストリーム」又は「Airstream」の文字からなる商標は、米国のソア・インダストリーズ社の業務に係るキャンピングトレーラーを表示するものとして当該商品の需要者の間に広く認識されているものと判断するのが相当である。
このことは、別掲4に示すウェブサイトにおいて、「エアストリーム(Airstream)」のブランドのキャンピングトレーラーが紹介されていることからも裏付けられる。
以上よりすれば、「AIRSTREAM」の文字からなる引用商標は、需要者に対して当該キャンピングトレーラーを認識させるものであるから、当該文字に相応して「エアストリーム」の称呼を生じ、「キャンピングトレーラーのブランド名」の観念を生じるものである。
(イ)本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、「エアストリームワン」の片仮名を横書きしてなるものであるところ、その構成文字及び意味合いからして、「エア」(空気)、「ストリーム」(流れ)及び「ワン」(1つ)の文字(語)を結合させたものと容易に認識されるものである。
そして、上記(ア)のとおり、「エアストリーム」又は「Airstream」の文字からなる商標は、米国のソア・インダストリーズ社の業務に係るキャンピングトレーラーを表示するものとして当該商品の需要者の間にも広く認識されているものと認められるところ、本願商標は、その構成中に「エアストリーム」の文字を明らかに含むものである。
また、本願商標は、「エア」、「ストリーム」及び「ワン」の文字(語)を結合させたものと容易に認識されるものであるところ、「エアストリーム」の文字からなる商標は、米国のソア・インダストリーズ社の業務に係るキャンピングトレーラーを表示するものとして当該商品の需要者の間に広く認識されていることから、本願商標の構成中「エアストリーム」の文字部分は、当該ブランドを表す一体のものとして、認識、把握されるものといえる一方、これと「ワン」の文字の間に意味上の繋がりは見当たらず、他に両者を一体のものとして、認識、把握しなければならない特段の事情は見いだせない。
そうすると、本願商標は、その構成中「エアストリーム」の文字部分と「ワン」の文字部分とが、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとは認められない。
また、本願商標の構成中「エアストリーム」の文字部分が、米国のソア・インダストリーズ社の業務に係るキャンピングトレーラーを表示するものとして当該商品の需要者の間に広く認識されていることから、本願商標に接する取引者、需要者に対して、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえる。
してみると、本願商標は、その構成中「エアストリーム」の文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標からは、その要部の文字に相応して、「エアストリーム」の称呼を生じ、「キャンピングトレーラーのブランド名」の観念を生じるものである。
(ウ)本願商標と引用商標の類否
本願商標と引用商標は、それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成からなるところ、外観において比較すると、全体の構成において異なるとともに、本願商標の要部と引用商標との比較においても異なるものの、両者は欧文字と当該欧文字の読みに相当する片仮名の関係にあって、いずれも特徴的な書体やデザインで表されたものではないところ、このような文字商標同士の比較においては、文字種が異なることによる外観の差異が記憶に残りにくく、強い印象を与えるものではないことを考慮すると、片仮名と欧文字の文字種の相違による外観の差異は、本願商標及び引用商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、その商品の出所が別異のものであると認識させるほど強い印象を与えるものではない。
また、称呼及び観念においては、本願商標の要部と引用商標からは、いずれも「エアストリーム」の称呼及び「キャンピングトレーラーのブランド名」の観念を生じる。
そうすると、本願商標と引用商標は、称呼及び観念を同一にするものといえ、外観における差異についても、強い印象を与えるものではないことから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
イ 本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否
本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
ウ 小括
上記ア及びイによれば、本願商標は、引用商標と類似の商標であって、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標中の「エアストリーム」部分が、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとは思われず、また、「ワン」部分も識別標識としての称呼、観念を生じさせることから、本願商標を「エアストリーム」部分と「ワン」部分に分離し、「エアストリーム」部分のみを他人の商標と類否判断することは許されない旨主張している。
しかしながら、上記(1)ア(ア)のとおり、「エアストリーム」の文字からなる商標は、米国のソア・インダストリーズ社の業務に係るキャンピングトレーラーを表示するものとして当該商品の需要者の間に広く認識されているものであり、また、上記(1)ア(イ)のとおり、本願商標は、その構成中「エアストリーム」の文字部分と「ワン」の文字部分とが、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとは認められず、かつ、「エアストリーム」の文字部分が、本願商標に接する取引者、需要者に対して、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえることからすれば、本願商標は、その構成中「エアストリーム」の文字部分を要部として抽出し、この部分のみを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、その請求人の主張は採用できない。
イ 請求人は、本願商標に係る審査の手続に関して種々の主張をしているところではあるが、当該手続は法令に基づいて行われており、原査定を取り消すべき事情は見当たらず、また、上記(1)の判断を左右する事情も見当たらない。
したがって、その請求人の主張は採用できない。
(3)請求人の「審判請求費用は出願人に返却する」との請求について
商標法第56条第1項で読み替えて準用する特許法第169条第3項において、商標法第44条第1項の審判、すなわち、拒絶査定不服審判に関する費用は、請求人の負担とする旨定められているから、請求人による、審判請求費用は出願人に返却する旨の請求は、実定法上の根拠を欠く不適法な請求である。
したがって、請求人による上記請求は、不適法な審判の請求であって、その補正をすることができないものであるから、商標法第56条第1項で準用する特許法第135条の規定により、却下すべきものである。
(4)まとめ
上記(1)のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
また、上記(3)のとおり、「審判請求費用は出願人に返却する」との請求は、却下する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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