特許拒絶査定不服審判
2022-019943
チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器
- 審判番号
- 2022-019943
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-130928外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年12月08日
- 審決日
- 2025年04月24日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-WZ (B65D) / P18 .537-WZ (B65D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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特願2018-130928号「チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器」拒絶査定不服審判事件〔令和2年1月16日出願公開、特開2020-7018〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年7月10日の出願であって、その手続の経緯の概略は次のとおりである。
令和4年 5月12日付け:拒絶理由通知書
令和4年 7月14日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年10月 4日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(令和4年10月 7日 :原査定の謄本の送達)
令和4年12月 8日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和5年 4月 5日 :上申書の提出
令和6年 9月18日付け:拒絶理由通知書
令和6年11月12日 :意見書、手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和6年11月12日提出の手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
内筒部と、前記内筒部の径方向外側に位置する外筒部と、前記内筒部の径方向内側に位置する環状アンダーカットとを有するキャップが装着されるチューブ容器において、
胴部チューブと、
前記胴部チューブの一端に接合される頭部部材であって、前記内筒部が螺着されるねじ部を有する口部と、口部下方に設けられた肩部とを有する頭部部材とを備え、
前記口部に対して、径方向内側から前記環状アンダーカットが嵌合し、
前記頭部部材の前記肩部の表面に、前記チューブ容器が変形した際に、前記キャップの前記外筒部に接触することにより、前記肩部の変形を抑える肩部変形抑止部が設けられ、
前記肩部変形抑止部の高さは、0.4mm以上1.0mm以下であり、
前記肩部変形抑止部は、凹部であり、
前記肩部の裏面のうち、前記肩部変形抑止部が設けられた領域の裏面及び前記肩部変形抑止部の周囲の領域の裏面は、前記肩部の他の領域の裏面から内側に向けて突出している、チューブ容器。」
第3 当審拒絶理由の概要
令和6年9月18日付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は、次のとおりのものである。
拒絶理由1(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
本願発明が解決しようとする課題は、「チューブ容器が加圧された際においても、口部の変形を抑制することができ、内容物の漏れを抑制することが可能な、チューブ容器およびキャップ付きチューブ容器を提供すること」であると認められるところ、当該課題を解決するための構成として、チューブ容器が変形した際に、キャップの外筒部に接触する肩部変形抑止部が設けられていると解されるが、請求項1には、「前記肩部の変形を抑える肩部変形抑止部」との記載があるものの、キャップとの関係については特定されておらず、請求項1に記載の肩部変形抑止部がキャップとの接触により「肩部の変形を抑える」という機能が発揮されるとは認められない。
そうすると、請求項1で特定されている構成では、上記課題を解決できると認識できる範囲のものであるとはいえない。
拒絶理由2(進歩性)この出願の請求項1~7に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.独国特許出願公開第10200154号明細書
2.特開2013-82484号公報(周知技術を示す文献)
第4 当審の判断
当審は、以下に示すとおり、令和6年11月12日提出の手続補正書による補正及び意見書の内容を考慮しても、上記第3に記載した当審拒絶理由のうち、拒絶理由2(進歩性)は解消していないと判断する。
<引用文献等一覧>
1.独国特許出願公開第10200154号明細書
2.特開2013-82484号公報(周知技術を示す文献)
3.特開平8-282691号公報(周知技術を示す文献、拒絶査定で引用された引用文献3)
1 引用文献
(1) 引用文献1について
ア 引用文献1に記載された事項
引用文献1には、次の記載がある。なお、括弧内に当審作成の日本語翻訳を示す。また、下線は本願発明と特に関連する点について当審で付したものである。以下、同様である。
「
[図:0001423832000001.jpg]
」(2欄20行~33行)
(図1および図2は、全体的に符号1で示したチューブまたはチューブパッケージを示しており、図示した実施形態では、プラスチック製のチューブ本体2と、同様にプラスチック製、好ましくは透明プラスチック製のカバーまたはキャップ3とからなっている。チューブ本体2は、少なくともまだ充填されていない状態では円筒状またはほぼ円筒状に形成されており、図1に示されているものでは、下端部に円錐台状の肩部4を備え、チューブニップル5内の分配開口6に連通している。チューブニップル5には、例えばねじ込み又は他の適当な方法でキャップ3若しくは閉鎖エレメント7が固定されている。)
「
[図:0001423832000002.jpg]
」(2欄44行~55行)
(閉鎖エレメント7はカップ状に形成されており、詳しくは、キャップ3の軸線を有し、かつチューブ本体2に固定された場合には、チューブ本体2の軸線TAを同心的に取り囲んでいて底部10に連続している、比較的大きな直径を備えた外側の円筒状の壁部9を備えている。底部10には、内側にもう一つの環状壁部11が形成されており、この環状壁部は、キャップ3の軸線と同軸状に配置されており、キャップ3は、公知のように、ニップル5上に螺合又は他の適当な方法で固定されている。)
「
[図:0001423832000003.jpg]
」(2欄56行~66行)
(図1に示すように、チューブ本体2は、肩部4に、チューブ本体2の外側に向かって開いた、チューブ軸TAを同心状に囲む環状溝12を備え、チューブ本体2にキャップ3が固定されたときに、底部分10から離れた外側壁部分9の自由縁13が延びている。溝12は、壁部9が縁部13の領域でその高さの小さな部分にわたって正確に適合するように、またはほぼ正確に適合して収容されるように形成されているが、少なくとも溝12の底部は縁部13の傾斜に適合されている。)
「
[図:0001423832000004.jpg]
」(3欄11行~18行)
(溝12と、この溝に係合する縁領域13とによって、管体2に、下方に向かって流れる水等が、ニップル5に固定された閉鎖部材3の内部に流入することができないようにすることができる。したがって、光学的に妨害し、特に非衛生的な水および液体残渣の蓄積、ならびにこれによって生じる可能性のある細菌およびカビの生成は、効果的に防止される。)
「
[図:0001423832000005.jpg]
」(図1)
「
[図:0001423832000006.jpg]
」(図2)
イ 引用文献1に記載されていると認められる技術的事項
上記アの記載事項から、引用文献1には、以下の技術的事項が記載されていると認められる。
(ア)キャップ3は、環状壁部11と、環状壁部11の外形方向に位置する円筒状の壁部9とを有すること。([0013]、図1)
(イ)チューブ1には、チューブ本体2の円筒部分と、円筒部分の一端に設けられる部分であって、環状壁部11が螺合で固定されるチューブニップル5と、チューブニップル5と円筒部分との間に設けられた肩部4とを有する部分とを備えていること。([0012]、[0013]、図1)
(ウ)肩部4の表面に、環状溝12が設けられていること。([0014])
(エ)図1からみて、環状溝12は、凹部であり、肩部4の裏面のうち、環状溝12が設けられた領域の裏面及び環状溝12の周囲の領域の裏面は、肩部4の他の領域の裏面から内側に向けて突出していること。(図1)
(オ)環状溝12は、チューブ軸TAを同心状に囲むように設けられていること。([0014]、図2)
(カ)キャップ3の円筒状の壁部9は、環状溝12に収容されていること。([0014]、図1)
(キ)キャップ3の縁部13が環状溝12に係合されていることにより、水密性が確保されること。([0017])
ウ 引用発明の認定
上記ア、イ(ア)~(キ)の技術的事項より、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「環状壁部11と、環状壁部11の外形方向に位置する円筒状の壁部9とを有するキャップ3が装着されるチューブ1において、
チューブ本体2の円筒部分と、
円筒部分の一端に設けられる部分であって、環状壁部11が螺合で固定されるチューブニップル5と、チューブニップル5と円筒部分との間に設けられた肩部4とを有する部分とを備え、
肩部4の表面に、環状溝12が設けられ、
環状溝12は、凹部であり、
肩部4の裏面のうち、環状溝12が設けられた領域の裏面及び環状溝12の周囲の領域の裏面は、肩部4の他の領域の裏面から内側に向けて突出していて、
環状溝12は、チューブ軸TAを同心状に囲むように設けられており、
キャップ3の円筒状の壁部9は、環状溝12に収容されている、
チューブ1。」
(2)引用文献2に基づく周知技術について
ア 引用文献2に記載された事項
引用文献2には、次の記載がある。
「図1(a)(b)は、この発明に係る実施例1を示す図面である。1はチューブ容器であり、チューブ容器1は、胴部2がアルミ箔と合成樹脂層から成るラミネートシート又は押出し合成樹脂で造られている。実施例1は、胴部2の上端と肩部3の下端とが溶着されている。」(段落【0012】)
「
[図:0001423832000007.jpg]
」(図1(b))
イ 周知技術
上記アにより、以下の技術的事項は周知技術(以下「周知技術1」という。)であると認める。
[周知技術1]
「チューブ容器の技術分野において、胴部チューブの一端に頭部部材が接合されること。」
(3)引用文献3に基づく周知技術について
ア 引用文献3に記載された事項
引用文献3には、次の記載がある。
「ヒンジキャップ6は、上方に突出した注出口7aを有する天板7の一端にヒンジ片8を介在させて小蓋13を連結したもので、小蓋13は頂板9の周縁に周壁14を垂設してなる。頂板9は容器の外径より若干小径ではあるが広い面積を有し、倒立可能なようにほぼ平坦に形成されている。頂板9の下面には注出口7aを内外から密封するための短筒9aと栓筒9bとが設けられている。天板7の下方には容器の口部に装着するための装着筒10と、口部の内周に嵌入されるインナーリング11と、装着筒10の外側に位置する外筒12とが設けられている。装着筒10の下端には口部5の環状リング5aに係合するアンダーカット部10aが形成されている。そして外筒12の下端面は容器の肩部の形状に沿った傾斜面12aと、容器の係止凸部4に対向する水平面12bとが形成されている(図2参照)。」(段落【0011】)
「
[図:0001423832000008.jpg]
」(【図1】)
イ 周知技術
上記アにより、以下の技術的事項は周知技術(以下「周知技術2」という。)であると認める。
[周知技術2]
「装着筒と、前記装着筒の径方向外側に位置する外筒と、前記装着筒の径方向内側に位置するインナーリングとを有するヒンジキャップが装着されるチューブ容器において、
チューブ容器の口部に対して、径方向内側から前記インナーリングを嵌合させること。」
2 本願発明について
(1)対比
本願発明と引用発明を対比すると、以下のとおりとなる。
引用発明の「環状壁部11」及び「円筒状の壁部9」は、本願発明の「内筒部」及び「外筒部」に相当する。
そして、引用発明の「環状壁部11と、環状壁部11の外形方向に位置する円筒状の壁部9とを有するキャップ3」は、本願発明の「内筒部と、前記内筒部の径方向外側に位置する外筒部と、前記内筒部の径方向内側に位置する環状アンダーカットとを有するキャップ」と、「内筒部と、前記内筒部の径方向外側に位置する外筒部とを有するキャップ」という限りで一致する。
引用発明の「チューブ1」が本願発明の「チューブ容器」に相当し、以下同様に、「チューブ本体2の円筒部分」が「胴部チューブ」に、「環状壁部11が螺合で固定されるチューブニップル5」が「前記内筒部が螺着されるねじ部を有する口部」に、「チューブニップル5と円筒部分との間に設けられた肩部4」が「口部下方に設けられた肩部」に相当する。
また、引用発明の「円筒部分の一端に設けられる部分」は、本願発明の「前記胴部チューブの一端に接合される頭部部材」と、「前記胴部チューブの一端に設けられる頭部部材」という限りにおいて一致する。
そして、引用発明の「肩部4の表面に、環状溝12が設けられ、環状溝12は、凹部であ」ることは、本願発明の「前記肩部の表面に、前記チューブ容器が変形した際に、前記キャップの前記外筒部に接触することにより、前記肩部の変形を抑える肩部変形抑止部が設けられ、」「前記肩部変形抑止部は、凹部であ」ることと、「前記肩部の表面に、凹部が設けられ」る限りにおいて一致する。
さらに、引用発明の「環状溝12は、凹部であり、肩部4の裏面のうち、環状溝12が設けられた領域の裏面及び環状溝12の周囲の領域の裏面は、肩部4の他の領域の裏面から内側に向けて突出してい」ることは、本願発明の「前記肩部変形抑止部は、凹部であり、前記肩部の裏面のうち、前記肩部変形抑止部が設けられた領域の裏面及び前記肩部変形抑止部の周囲の領域の裏面は、前記肩部の他の領域の裏面から内側に向けて突出している」ことと、「前記肩部の裏面のうち、前記凹部が設けられた領域の裏面及び前記凹部の周囲の領域の裏面は、前記肩部の他の領域の裏面から内側に向けて突出している」限りにおいて一致する。
以上のことから、本願発明と引用発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「内筒部と、前記内筒部の径方向外側に位置する外筒部とを有するキャップが装着されるチューブ容器において、
胴部チューブと、
前記胴部チューブの一端に設けられる頭部部材であって、前記内筒部が螺着されるねじ部を有する口部と、口部下方に設けられた肩部とを有する頭部部材とを備え、
前記頭部部材の前記肩部の表面に、凹部が設けられ、
前記肩部の裏面のうち、前記凹部が設けられた領域の裏面及び前記凹部の周囲の領域の裏面は、前記肩部の他の領域の裏面から内側に向けて突出している、チューブ容器。」
[相違点1]
チューブ容器の頭部部材に関して、本願発明においては胴部チューブの一端に接合されているのに対し、引用発明においてはチューブ本体2の円筒部分の一端に設けられているものの、接合されているか否か不明である点。
[相違点2]
本願発明のキャップは「前記内筒部の径方向内側に位置する環状アンダーカット」を有しており、当該環状アンダーカットは「前記口部に対して、径方向内側から」「嵌合」するのに対し、引用発明のキャップ3は環状アンダーカットに対応する部分を有していない点。
[相違点3]
本願発明では、「前記頭部部材の前記肩部の表面に、前記チューブ容器が変形した際に、前記キャップの前記外筒部に接触することにより、前記肩部の変形を抑える肩部変形抑止部が設けられ、前記肩部変形抑止部の高さは、0.4mm以上1.0mm以下であり、前記肩部変形抑止部は、凹部であり」とされているのに対し、引用発明では、「環状溝12」として「凹部」を有しているが、その高さは不明であり、また、キャップ3の円筒状の壁部9が「環状溝12」に収容されているものの、チューブ1が変形した際に、「環状溝12」がキャップ3の円筒状の壁部9に接触することにより、肩部4の変形を抑えるか否か、すなわち肩部変形抑止部といえるか不明である点。
(2)判断
相違点1について検討する。
上記1(2)イで周知技術1として示したとおり、「チューブ容器の技術分野において、胴部チューブの一端に頭部部材が接合されること。」は周知である。
そして、チューブ容器を一体的に製造するか、別々に製造して接合するかなどは、容器が求められる性能や容器の製造方法に応じて適宜設計できることに照らせば、引用発明に前記周知技術1を適用して、相違点1に係る本願発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。
相違点2について検討する。
上記1(3)イで周知技術2を請求項1の用語で表現すると、「内筒部(装着筒)と、前記内筒部の径方向外側に位置する外筒部(外筒)と、前記内筒部の径方向内側に位置する環状アンダーカット(インナーリング)とを有するキャップ(ヒンジキャップ)が装着されるチューブ容器において、チューブ容器の口部に対して、径方向内側から前記環状アンダーカットを嵌合させること。」である。
ここで、チューブ容器にキャップを装着する際、できる限り両者の隙間をなくし、チューブ容器の内部に、水等が侵入しないようにすることは、容器の技術分野で内在する自明の課題であるから、当該課題を解決すべく、引用発明に前記周知技術2を適用して、相違点2に係る本願発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。
相違点3について検討する。
引用発明において、環状溝12には、キャップ3の円筒状の壁部9が収容されていることから、肩部4が変形しようとする際に、環状溝12はキャップ3と接触することは構造上明らかである。そして、環状溝12とキャップ3が接触すれば、その干渉により肩部4の変形が抑止されることも明らかである。すなわち、引用発明の「環状溝12」は、その機能、構造から、本願発明の「前記チューブ容器が変形した際に、前記キャップの前記外筒部に接触することにより、前記肩部の変形を抑える肩部変形抑止部」に相当すると認められる。
そして、上記1(1)イ(キ)からみて、引用発明のキャップ3の縁部13が環状溝12に係合されていることにより水密性を確保することから、凹部は十分な高さで形成するものであるとともに、製造の容易性等を考慮すれば、その高さを過度に大きくすべきではないといえる。そのような事情を鑑み、数値範囲を最適化又は好適化することは、当業者の通常の創作能力の発揮にすぎない。
したがって、引用発明の環状溝12について、高さを「0.4mm以上1.0mm以下」とすることは、当業者であれば適宜なし得た設計的事項である。
(3)効果の予測性
本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術1、2の奏する作用効果から予測される範囲のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
(4)請求人の主張について
審判請求人は、令和6年11月12日提出の意見書の2頁下から11行~下から2行において、以下の点を主張している。
「しかしながら、引用文献1には、チューブニップル5に対して、径方向内側から環状アンダーカットが嵌合することについての記載は無く、そのようなことを示唆する旨の記載も無い。
これに対して本願発明によれば、「頭部部材が、内筒部が螺着されるねじ部を有するとともに、径方向内側から環状アンダーカットが嵌合する口部と、口部下方に設けられた肩部とを有すること」(上述した本願発明の特徴(a))、及び「頭部部材の肩部の表面に、チューブ容器が変形した際に、キャップの外筒部に接触することにより、肩部の変形を抑える肩部変形抑止部が設けられていること」(上述した本願発明の特徴(b))を特徴としており、この点で両者の構成は相違する。」
しかし、この点は、相違点2、3で判断したとおりである。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。
(5)小括
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術1、2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第5 むすび
上記の通り、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術1、2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-019943