特許拒絶査定不服審判
2022-019813
提供装置、提供方法及び提供プログラム
- 審判番号
- 2022-019813
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-002983
- 請求日
- 2022年12月06日
- 審決日
- 2023年06月19日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ヤフー株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 渡邊 聡
- 審判官 鹿野 博嗣
- 審判官 相崎 裕恒
- 分類
- P18 .121-Z (G06Q) / P18 .572-Z (G06Q) / P18 .575-Z (G06Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019- 2983「提供装置、提供方法及び提供プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月31日出願公開、特開2019-192213〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 経緯
1.手続
本願は、平成30年4月19日に出願した特願2018-080884号の一部を平成31年1月10日に新たな特許出願としたものであって、手続の概要は以下のとおりである。
拒絶理由通知 :令和4年 3月30日(起案日)
意見書・手続補正書 :令和4年 6月 6日
拒絶査定 :令和4年 8月26日(起案日)
拒絶査定不服審判請求・手続補正 :令和4年12月 6日
前置報告書 :令和5年 1月12日
上申書 :令和5年 3月20日
2.原査定
原審での拒絶査定の理由は、概略、以下のとおりである。
本願の請求項1-10に係る発明(令和4年6月6日にされた手続補正による)は、下記引用文献に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
記
引用文献1:特許第6276443号公報
引用文献2:特許第6134042号公報
第2 補正却下の決定
令和4年12月6日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)について次のとおり決定する。
《結論》 令和4年12月6日にされた手続補正を却下する。
《理由》
1.本件補正の内容
本件補正は、本件補正前の請求項1の記載を本件補正後の請求項1の記載とする以下のとおりの補正事項を含むものである。
(本件補正前)
【請求項1】
所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合に係る情報を取得する取得部と、
前記一の販売元が販売する商品に関するコンテンツをユーザへ提供する優先度を、前記販促割合に基づいて決定する決定部と、
を備えたことを特徴とする提供装置。
(本件補正後)
【請求項1】(下線は補正箇所。)
所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合に係る情報を取得する取得部と、
前記一の販売元が販売する商品に関するコンテンツをユーザへ提供する優先度を、前記販促割合に基づいて決定する決定部と、
所定の販促に係る、販促割合の設定対象を、所定のタイミングで前記一の販売元に通知する通知部と、
を備えたことを特徴とする提供装置。
2.補正の目的について
(2-1)補正の範囲
本件補正は、願書に最初に添付した明細書の段落【0086】の記載に基づくものであり、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてする補正であるから、特許法第17条の2第3項に違反するものではなく、また、同第4項に違反するものでもない。
(2-2)補正の目的
上記補正事項は、本件補正前の請求項1に記載された装置発明の発明特定事項をなす各構成とは別に、「所定の販促に係る、販促割合の設定対象を、所定のタイミングで前記一の販売元に通知する通知部」をさらに付加する補正であり、本件補正前の特定事項には、「所定の販促に係る、販促割合の設定対象を、所定のタイミングで前記一の販売元に通知する通知部」に関する特定事項はないから、上記補正事項は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項を限定するものではない。
よって、上記補正事項は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものではない。
また、上記補正事項は、特許法第17条の2第5項第1号に掲げる「請求項の削除」、同第3号に掲げる「誤記の訂正」、同第4号に掲げる「明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る)」のいずれの事項を目的とするものにも該当しないことは明らかである。
したがって、補正後の請求項1についての補正は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しない。
3.独立特許要件について
本件補正後の請求項1についての補正は、上記2.で検討したように、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しないが、本件補正前の請求項1の特定事項に、上記「所定の販促に係る、販促割合の設定対象を、所定のタイミングで前記一の販売元に通知する通知部」をさらに付加する補正が、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものであると仮定して、以下検討する。
補正の目的が、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものである場合、補正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けるものでなければならない(特許法第17条の2第6項)から、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、補正後発明という。)の独立特許要件について検討する。
(1)補正後発明
本件補正後の請求項1に係る発明(以下「補正後発明」という。)は、以下のとおりである。(再掲)
【請求項1】(下線は補正箇所。)
所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合に係る情報を取得する取得部と、
前記一の販売元が販売する商品に関するコンテンツをユーザへ提供する優先度を、前記販促割合に基づいて決定する決定部と、
所定の販促に係る、販促割合の設定対象を、所定のタイミングで前記一の販売元に通知する通知部と、
を備えたことを特徴とする提供装置。
(2)各引用文献の記載・引用発明
ア 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特許第6276443号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。
【0011】
(実施形態)
〔1.情報提供処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報提供処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報提供処理の一例を示す図である。実施形態に係る情報提供装置1は、商品またはサービス(以下、併せて「商品」とする)の価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合を仮想的に増加させて商品の表示順位が変動する場合に、商品を扱うストアに対して販促割合の上乗せを提案する。
【0012】
なお、ここでいう販促割合とは、商品が販売された際に、例えば電子商取引サービスを提供するサービス提供者に対して提供される販売促進費であって、商品の販売価格からひかれる販売促進費の、販売価格に対する割合である。このような販売促進費は、サービス提供者の利益になりうる費用である。なお、サービス提供者は、商品を販売するために広告の表示やセール、クーポンの提供等、商品の販売を促進するための任意の行為に販売促進費を用いてもよい。また、サービス提供者は、販売促進費の全額を用いて、販売促進を行う必要はなく、一部のみを用いてもよく、全てを用いずともよい。また、販売促進費は、例えば電子商取引サービスにおける電子商店街(例えばショップサイト)における出品費用として用いられてもよい。すなわち、本願明細書での「販売促進費」とは、商品の販売を促進するために用いる費用のみならず、電子商店街における様々なサービスの提供に対して用いられる費用をも含む概念である。
【0013】
また、表示順位とは、購買ユーザU1(以下、単にユーザU1と記載する)によって所定の検索クエリが指定された際に、ユーザ端末100の画面に表示される検索結果画面の表示の順序を指し、図1に示す「商品スコア」および「販促割合」に基づいて決定される。商品スコアは、検索キーワードと商品のコンテンツデータとの一致度を示す情報であるが、かかる点については、図6で後述する。
【0014】
表示順位が高い程、商品が表示される位置が検索結果画面の先頭位置に近づき、結果、ユーザU1に閲覧させる可能性が高くなる。また、検索結果画面が複数ページ存在する場合には、表示順位が所定順位までは1ページ目(トップ画面)に表示され、所定順位より下位の商品は、順位に応じて2ページ目以降に表示される。つまり、表示順位は、商品を扱うストアにとって商品の売上を左右する重要な項目となっている。
【0018】
具体的には、情報提供装置1は、まず、ストアXの管理者M1が所有する販売元端末10からストアXが販売する商品の販促割合を取得する(ステップS11)。また、図示しないが、情報提供装置1は、ストアXが扱う他の商品や、ストアX以外のストアからも商品の販促割合を取得する。また、販促割合以外にも、商品のコンテンツデータ等を取得するが、かかる点については図4を用いて後述する。
【0019】
つづいて、情報提供装置1は、取得した販促割合に基づいて所定の検索クエリにおける商品の表示順位を決定する(ステップS12)。具体的には、情報提供装置1は、商品スコアおよび販促割合の合計である指標値が高い程、表示順位をより上位に設定する。例えば、図1には、検索クエリ「ワイン」における商品の表示順位を示す。図1に示すように、情報提供装置1は、「商品スコア」、「販促割合」、「上乗分」に基づいて指標値を算出するが、かかる指標値の算出方法については、図6を用いて後述する。
【0020】
また、ステップS12において用いられる検索クエリは、例えばユーザU1が過去に頻繁に使用した検索キーワードや、直近に使用した検索キーワードを用いることができる。また、検索クエリは、例えば商品の属するカテゴリを用いてもよい。
【0021】
つづいて、実施形態に係る情報提供装置1は、決定した表示順位に基づき、販促割合に所定の追加割合を上乗せすることで表示順位が上位に変動するか否かを判定する(ステップS13)。
【0022】
具体的には、情報提供装置1は、対象となる商品の指標値に追加割合の上乗分を加算する。なお、ステップS13において判定の対象となる商品は、例えば2ページ目の上位に表示される商品、つまり「順位」が4位の商品である。図1に示す例では、ストアXが扱うワインXを対象とする。なお、対象となる商品は、これに限らず、例えば1ページ目に表示される最上位(1位)以外の商品でもよい。つまり、図1の例では、「順位」が2位および3位の商品であってもよい。なお、対象となる商品の選択方法については、図7を用いて後述する。
【0023】
つづいて、実施形態に係る情報提供装置1は、商品の表示順位が上位に変動すると判定した場合に、商品を扱うストアに対して追加割合の上乗せを提案する(ステップS14)。
【0024】
例えば、図1に示すように、情報提供装置1は、まず、追加割合3%を上乗せすることで、ワインXの表示順位が4位から3位に変動するとともに、ページ順位が2ページ目から1ページ目(トップ画面)に変動すると判定する。そして、情報提供装置1は、ストアXに対してワインXの追加割合3%の上乗せを提案する。
【0029】
〔2.情報提供システムSの構成〕
次に、図2を用いて、上記の情報提供装置1を含む情報提供システムSについて説明する。図2は、実施形態に係る情報提供システムSの構成を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報提供システムSには、情報提供装置1と、複数台の販売元端末10-1,10-2と、複数台のユーザ端末100-1,100-2とが含まれる。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、以下では、複数台の販売元端末10-1,10-2および複数台のユーザ端末100-1,100-2を、特に区別なく説明する場合、販売元端末10およびユーザ端末100と記載する。
【0030】
情報提供装置1は、商品に関する商品情報をユーザU1に提供し、ユーザU1から商品の購入を受け付けるサーバ装置である。例えば、情報提供装置1は、所定のウェブサイト(ECサイト)を介して、商品情報の提供や、商品購入の受付等を行う。つまり、情報提供装置1は、ショッピングサーバに対応する装置である。
【0031】
ユーザ端末100は、ユーザによって利用される端末装置である。ユーザ端末100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant) 等により実現される。ユーザ端末100は、例えば、ユーザU1の指示に従って、情報提供装置1にアクセスすることで、情報提供装置1から受け付けた所定のウェブページを表示する。
【0032】
販売元端末10は、販売元であるストアXの管理者M1によって利用される情報処理装置である。販売元端末10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。
【0033】
販売元端末10は、例えば、ストアXの管理者M1の指示に従って、商品に関する商品情報を送信することで、電子商取引サービスにおいて販売する商品を追加したり、販促割合の設定を行ったりする。
【0034】
〔3.情報提供装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る情報提供装置1の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報提供装置1の構成例を示す図である。図3に示すように、情報提供装置1は、制御部2と、記憶部3と、通信部4とを有する。なお、情報提供装置1は、情報提供装置1の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0035】
(3-1.通信部4)
通信部4は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部4は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば情報提供システムSに含まれる販売元端末10やユーザ端末100等の間で情報の送受信を行う。
【0036】
(3-2.記憶部3)
記憶部3は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図3に示すように、実施形態に係る記憶部3は、商品情報31と、ストア情報32とを記憶する。
【0037】
(3-2-1.商品情報31)
実施形態に係る商品情報31は、商品に関する各種情報を含んだ情報である。図4は、実施形態に係る商品情報31の一例を示す図である。図4に示すように、商品情報31には、「ストア」、「商品ID」、「商品名」、「価格」、「販促割合」、「コンテンツデータ」、「キーワード」といった項目が含まれる。
【0038】
「ストア」は、対応する商品の販売元であるストアを示す。なお、「ストア」には、ストアID等の販売元であるストアを識別するための識別情報が含まれてもよい。「商品ID」は、商品を識別するための識別情報を示す。
【0039】
「商品名」は、商品の具体的は名称等を示す。「価格」は、対応する商品の売値(円)を示す。「販促割合」は、商品の販売価格に対する販売促進費の割合を示す。なお、販売促進費は、商品が購入された場合に、その商品のストアから情報提供装置1の管理者に支払われる対価であり、販売価格に販促割合を乗算することで算出される。なお、「販促割合」は、必ずしも設定される必要はなく、かかる場合は、「0%」と入力される。
【0040】
「コンテンツデータ」は、商品コンテンツを構成するデータであり、図4に示すように、対応する商品の「画像」、「見出し」、「詳細文」である。例えば、「見出し」や「詳細文」は、テキストデータである。また、「コンテンツデータ」に含まれるデータは、これらに限定されず、例えば、音声データが含まれてもよい。
【0041】
「キーワード」は、検索クエリに対応する商品を絞り込むための条件情報であり、ストアにより、例えば、商品を特徴付ける単語が設定される。また、「キーワード」として、商品が属するカテゴリ(商品種別)が設定されてもよい。かかる場合、情報提供装置1が、カテゴリを提示することにより、ストアにカテゴリを選択させてもよい。
【0042】
例えば、図4では、「ストアA」によって識別される出品者が、商品ID「GD1」によって識別される商品であって、商品名「ワインA」の商品を、販売価格「4,500円」で出品している例を示す。また、「ストアA」によって識別される出品者が、商品GD1に対して販促割合「15%」と、キーワード「ワイン」とを設定するとともに、商品GD1の商品コンテンツとして表示される画像「aaa」、見出し「厳選!」、詳細文「極上赤ワイン3本セット・・・」を入稿している例を示す。
【0043】
なお、図4では、画像を概念的な記号で示しているが、実際には、商品の撮像画像データ等が入稿される。また、図示しないが、商品情報31は、コンテンツデータによって構成される商品コンテンツが選択(例えば、クリック)された場合に、遷移させる遷移先のコンテンツへのリンク情報(例えば、URL:Uniform Resource Locator)を含んでもよい。
【0044】
(3-2-2.ストア情報32)
実施形態に係るストア情報32は、販売元であるストアに関する情報を含む。図5は、実施形態に係るストア情報32の一例を示す図である。図5に示すように、ストア情報32には、「ストア」、「商品数(個)」、「売上(万円)」、「実績履歴」といった項目が含まれる。
【0045】
「ストア」は、対応する商品の販売元であるストアを示す。「商品数(個)」は、ストアが販売する全商品の数を示す。「売上(万円)」は、ストアの売上を示す。「実績履歴」は、過去の追加割合の上乗せ実績を示す情報(実績履歴情報の一例)であり、「受入回数」、「受入率」、「平均追加割合」といった項目を含む。「受入回数」は、情報提供装置1の提案を受け入れた数を示す。すなわち、「受入回数」は、ストアが追加割合の上乗せを実行した回数を示す。
【0046】
「受入率」は、情報提供装置1の提案回数に対する「受入回数」の割合を示す。「平均追加割合」は、「受入回数」において上乗せされた追加割合の平均値を示す。
【0047】
例えば、図5に示す例において、ストアAは、現在100個の商品を販売しており、売上が1,000万円であることを示す。また、ストアAは、30回の追加割合を上乗せしたことを示し、情報提供装置1の提案回数に対して34%の確率で追加割合を上乗せしていることを示す。また、ストアAは、30回の上乗せにおける追加割合の平均値が4%であることを示す。なお、ストア情報32は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報が含まれてよい。
【0048】
図3の説明に戻って、制御部2は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報提供プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部2は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0049】
図3に示すように、制御部2は、決定部21と、判定部22と、提案部23と、受付部24と、実績判定部25と、通知部26とを有し、以下に説明する情報提供処理の機能や作用を実現または実行する。
【0050】
(3-3.決定部21)
決定部21は、種々の情報に基づいて、種々の情報を決定する。例えば、決定部21は、商品の価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合に基づいて所定の検索クエリにおける商品の表示順位を決定する。ここで、図6を用いて、決定部21による表示順位の決定処理について説明する。
【0051】
図6は、実施形態に係る表示順位の決定処理の一例を示す図である。図6では、ユーザU1が過去に送信した検索クエリ「ワイン」におけるワインXの表示順位を決定する処理を示す。
【0052】
決定部21は、検索クエリ「ワイン」に基づいて商品スコアを算出し、算出した商品スコアおよび販促割合に基づいて表示順位の基準となる指標値を算出する。具体的には、図6に示すように、決定部21は、「情報種別」に含まれる商品スコア情報および販促情報を合計した値を指標値として算出する。
【0053】
より具体的には、商品スコア情報は、商品スコアに関する情報であり、各「パラメータ」における「パラメータ値」を含んだ情報である。決定部21は、商品情報31(図4参照)を参照し、「商品名一致度」におけるパラメータ値「A1」、「見出し一致度」におけるパラメータ値「A2」、「詳細文一致度」におけるパラメータ値「A3」を算出する。
【0054】
例えば、決定部21は、検索クエリと商品の詳細を示すテキスト情報とのキーワードの一致度をパラメータ値「A1」,「A2」,「A3」として算出する。テキスト情報とは、商品情報31に含まれる文字列を示す情報である。
【0055】
図6の例では、決定部21は、検索クエリの文字列である「ワイン」と、商品情報31の「商品名」の文字列である「ワインX」との一致度をキーワードの一致度として算出、すなわちパラメータ値「A1」として算出する。
【0056】
また、決定部21は、検索クエリの文字列である「ワイン」と、商品情報31の「見出し」の文字列である「厳選!」との一致度をパラメータ値「A2」として算出する。
【0057】
また、決定部21は、検索クエリの文字列である「ワイン」と、商品情報31の「詳細文」の文字列である「極上赤ワイン3本セット・・・」との一致度をパラメータ値「A3」として算出する。
【0058】
なお、各パラメータ値「A1」,「A2」,「A3」は、算出された一致度をそのまま商品スコアの算出に用いてもよいが、例えばパラメータ値「A1」,「A2」,「A3」それぞれに所定の重み値を付与することとしてもよい。
【0059】
決定部21は、各ストアが扱う各商品についても、同様に、パラメータ値「A1」,「A2」,「A3」を算出するとともに、販促割合を加えた指標値を算出する。
【0060】
また、決定部21は、算出した指標値に基づいてワインXの表示順位を決定するとともに、表示順位に基づいて検索クエリによって表示されるページ順位を決定する。具体的には、決定部21は、検索結果画面の1ページ当たりに表示可能な商品数の情報を取得し、かかる表示順位を表示可能な商品数で除することでページ順位を算出する。
【0061】
なお、検索結果画面の1ページ当たりに表示可能な商品数は、例えば予め定められた数としてもよく、あるいは、ユーザU1がユーザ端末100の画面設定により設定した数を取得することとしてもよい。
【0062】
(3-4.判定部22)
判定部22は、決定部21によって決定された表示順位に基づき、販促割合に所定の追加割合を上乗せすることで表示順位が上位に変動するか否かを判定する。ここで、図7を用いて、判定部22の処理内容について説明する。
【0063】
図7は、実施形態に係る判定部22の処理内容の一例を示す図である。図7では、判定部22による判定の対象としてストアXのワインXを選択した場合の判定部22の処理内容を示す。
【0064】
なお、判定の対象の選択は、例えば、ページ順位を示す「ページ」が上位に変動する可能性のある商品の中から選択する。つまり、図7の例では、「ページ」が2ページ目以降であり、「順位」が4位以下の商品を対象とする。
【0065】
また、判定の対象の選択は、「ページ」が1ページ目である商品のうち最上位以外の商品を対象としてもよいが、かかる点については、図9を用いて後述する。また、判定の対象の選択は、1つの商品に限らず複数の商品を対象としてもよいが、かかる点については、図10を用いて後述する。
【0066】
例えば、判定部22は、商品の販促割合に追加割合を上乗せすることでページ順位が上位に変動するか否かを判定する。例えば、判定部22は、ページ順位が最上位、つまり1ページ目に変動するか否かを判定する。具体的には、図7に示すように、判定部22は、まず、変動後の順位である上位の商品を決定するとともに、決定した上位の商品と対象となる商品との販促割合の差分を算出する。
【0067】
図7に示す例では、判定部22は、上位の商品として「順位」が3位の商品名「ワインV」を決定し、「ワインV」の販促割合「11%」から「ワインX」の販促割合「9%」を減算し、差分「2%」を算出する。
【0068】
つづいて、判定部22は、算出した差分が所定の閾値未満であるか否かを判定する。判定部22は、算出した差分が所定の閾値未満であると判定した場合、算出した差分よりも多い値であり、かつ、上記の閾値以下となる値を追加割合の上乗分として決定するとともに、決定した上乗分を加味した指標値を算出することで、表示順位を決定する。
【0069】
例えば、判定部22は、ストアによって指定された値を所定の閾値としてもよく、あるいは、ストア情報32の「平均追加割合(%)」(図5参照)を所定の閾値としてもよい。つまり、閾値は、ストアが許容可能な値であればよい。
【0070】
図7に示す例において、差分「2%」が所定の閾値未満であったとする。判定部22は、差分「2%」よりも多く、閾値以下の値として、例えば、追加割合の上乗分を「3%」と決定するとともに、商品名「ワインX」における指標値に上乗分「3%」を加算する。
【0071】
これにより、商品名「ワインX」の指標値が「17」となり、「順位」が商品名「ワインV」を抜いて3位に上昇するとともに、「順位」の上昇に伴って、「ページ」も2ページ目から1ページ目に変動する。
【0072】
そして、判定部22は、追加割合の上乗分「3%」によって「ワインX」の表示順位が上位に変動する旨の判定結果を、提案部23に通知することで、「ワインX」を扱う「ストアX」に対して追加割合の上乗分「3%」の提案が可能となる。
【0073】
なお、判定部22は、ページ順位である「順位」が最上位(すなわち、1ページ目)よりも1つ後のページ順位(すなわち、2ページ目)である商品が最上位に変動するか否かを判定したが、これに限定されない。つまり、判定部22は、2つ以上後のページ順位(すなわち、3ページ目以降)である商品が最上位に変動するか否かを判定してもよい。
【0074】
また、判定部22は、差分「2%」よりも多く、閾値以下の値として「3%」を追加割合の上乗分として決定したが、追加割合は整数に限らず、「2.1%」のように、小数であってもよい。
【0075】
(3-5.提案部23)
図3に戻って、提案部23は、判定部22によって上位に変動すると判定された場合に、商品を扱うストアに対して追加割合の上乗せを提案する。具体的には、提案部23は、判定部22によって算出された追加割合の上乗分「3%」(図7参照)を提案する。
【0076】
また、提案部23は、例えば、追加割合の上乗分をある程度の範囲で提案することとしてもよい。具体的には、提案部23は、「3%以上であり5%未満」のように提案することとしてもよい。
【0099】
〔6.処理手順〕
次に、図10を用いて、実施形態に係る情報提供装置1が実行する提案処理の手順について説明する。図10は、実施形態に係る情報提供装置1が実行する提案処理の手順を示すフローチャートである。
【0100】
図10に示すように、まず、情報提供装置1の決定部21は、商品の販売価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合をストアから取得する(ステップS101)。決定部21は、取得した販促割合に基づいて所定の検索クエリにおける商品の表示順位を決定する(ステップS102)。
【0101】
つづいて、判定部22は、決定部21によって決定された表示順位に基づき、販促割合に所定の追加割合を上乗せすることで表示順位が上位に変動するか否かを判定する(ステップS103)。
【0102】
つづいて、提案部23は、判定部22によって表示順位が上位に変動すると判定された場合(ステップS103;Yes)、複数の商品が上位に変動するか否かを判定する(ステップS104)。
【0103】
つづいて、提案部23は、複数の商品が上位に変動すると判定された場合(ステップS104;Yes)、複数の商品すべてが上位に変動する追加割合を決定する(ステップS105)。
【0104】
つづいて、提案部23は、商品を扱うストアに対して決定した追加割合の上乗せを提案し(ステップS106)、処理を終了する。
【0105】
一方、ステップS103において、提案部23は、判定部22によって上位に変動しないと判定された場合(ステップS103;No)、処理をステップS102に戻す。
【0106】
一方、ステップS104において、提案部23は、複数の商品が上位に変動しない、つまり1つの商品のみが上位に変動する場合(ステップS104;No)、1つの商品に対する追加割合を決定し(ステップS107)、処理をステップS106へ移行する。
[図:0001401475000001.jpg]
以上の引用文献1の記載によれば、以下のことがいえる。
(ア)上記【0034】、【0049】の記載によれば、引用文献1の「情報提供装置1」は、「制御部2」を有し、「制御部2」は、「決定部21」と、「判定部22」と、「提案部23」とを有する、「情報提供装置1」である。
(イ)上記【0033】の記載によれば、「販売元端末10」は、「ストアX」の「指示に従って」、「電子商取引サービスにおいて販売する商品」を「追加」したり、「販促割合の設定」を行う。
また、上記【0018】、【0100】の記載によれば、「情報提供装置1」の「決定部21」は、「ストアX」から、「ストアXが販売する商品」の「販促割合」を「取得」する。
これらの記載によれば、「決定部21」は、「ストアX」から、「ストアX」が「電子商取引サービスにおいて販売する商品」に対して「設定」した「販促割合」を「取得」する。
(ウ)上記【0022】の記載によれば、「ストアX」は「ワインX」を扱っている。
また、上記【0052】、【0060】の記載によれば、「決定部21」は、「検索クエリ「ワイン」に基づいて商品スコアを算出し、算出した商品スコアおよび販促割合に基づいて表示順位の基準となる指標値を算出」し、「算出した指標値に基づいてワインXの表示順位を決定するとともに、表示順位に基づいて検索クエリによって表示されるページ順位を決定する」。
これらの記載によれば、「決定部21」は、「検索クエリ「ワイン」に基づいて商品スコアを算出し、算出した商品スコアおよび販促割合に基づいて表示順位の基準となる指標値を算出」し、「算出した指標値に基づいて」、「ストアX」が「扱う」「ワインXの表示順位を決定するとともに、表示順位に基づいて検索クエリによって表示されるページ順位を決定する」。
(エ)上記【0062】の記載によれば、「判定部22」は、「決定部21によって決定された表示順位に基づき、販促割合に所定の追加割合を上乗せすることで表示順位が上位に変動するか否かを判定する」。
(オ)上記【0075】の記載によれば、「提案部23」は、「判定部22によって上位に変動すると判定された場合に、商品を扱うストアに対して追加割合の上乗せを提案する」。
(カ)まとめ(引用発明)
以上(ア)から(オ)をまとめると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
制御部2を有し、制御部2は、決定部21と、判定部22と、提案部23とを有する、情報提供装置1であって、
決定部21は、ストアXから、ストアXが電子商取引サービスにおいて販売する商品に対して設定した販促割合を取得し、
前記決定部21は、検索クエリ「ワイン」に基づいて商品スコアを算出し、算出した商品スコアおよび販促割合に基づいて表示順位の基準となる指標値を算出し、算出した指標値に基づいて、ストアXが扱うワインXの表示順位を決定するとともに、表示順位に基づいて検索クエリによって表示されるページ順位を決定し、
判定部22は、決定部21によって決定された表示順位に基づき、販促割合に所定の追加割合を上乗せすることで表示順位が上位に変動するか否かを判定し、
提案部23は、判定部22によって上位に変動すると判定された場合に、商品を扱うストアに対して追加割合の上乗せを提案する、
情報提供装置1。
イ 引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特許第6134042号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。
【0021】
販売元装置20は、販売元であるストアXの管理者M1によって利用される情報処理装置である。例えば、ストアXの管理者M1は、販売元装置20を用いて、電子商取引サービスにおいて販売する商品を追加したり、販促割合の設定を行ったりする。また、販売元装置20は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。図1及び図2は、販売元装置20がノート型PCである場合を示す。
【0066】
〔2.提供装置の構成〕
次に、図3を用いて、実施形態に係る提供装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る提供装置の構成例を示す図である。図3に示すように、提供装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、提供装置100は、提供装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0094】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、変更部132と、抽出部133と、決定部134と、提供部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0095】
(取得部131)
例えば、取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、商品情報記憶部121や索引情報記憶部122やユーザ情報記憶部123や販売元情報記憶部124から各種情報を取得する。また、取得部131は、各種情報を外部の情報処理装置から取得してもよい。
【0096】
例えば、取得部131は、商品に対応付けられ商品価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合であって、ユーザに関する情報に基づいて変動する販促割合に関する情報を取得する。図1の例では、取得部131は、商品情報記憶部121から各商品に対応付けられた販促割合に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、販売元情報記憶部124からストアXの管理者M1が利用する販売元装置20からストアXの商品についてオプションの設定を行うことを示す情報を取得する。例えば、取得部131は、販売元装置20からストアXが販売する全商品について販促割合「5%」を対応付けることを示す情報を取得する。」
・・・
【0100】
また、例えば、取得部131は、一の商品に複数のユーザ属性ごとに対応付けられた複数の販促割合に関する情報を取得してもよい。例えば、取得部131は、一の商品に複数のユーザ属性ごとに対応付けられた複数の販促割合に関する情報を取得し、商品情報記憶部121A(図12参照)に格納してもよい。この点についての詳細は後述する。
【0148】
図12に示す商品情報記憶部121Aは、項目「販促割合」に「ターゲット」と「割合」の2つの項目が含まれる点において、図4に示す商品情報記憶部121と相違する。
【0149】
図12に示す商品情報記憶部121Aにおいては、ストアXが販売する日本酒Aには、複数のターゲット(ユーザ属性)の各々について販促割合が対応付けられている。例えば、日本酒Aには、ターゲット「A地域男性」については、割合「5%」が対応づけられる。また、例えば、日本酒Aには、ターゲット「B地域男性」については、割合「7.5%」が対応づけられる。この場合、提供装置100は、コンテンツの配信対象となるユーザがA地域男性である場合、販促割合「5%」に基づいて、優先表示やオプション課金を行う。また、提供装置100は、コンテンツの配信対象となるユーザがB地域男性である場合、販促割合「7.5%」に基づいて、優先表示やオプション課金を行う。
【0150】
また、図12に示す商品情報記憶部121Aにおいては、ストアXが販売するワインXには、複数のターゲット(ユーザ属性)の各々について販促割合が対応付けられている。例えば、ワインXには、ターゲット「20代女性」については、割合「7.5%」が対応づけられる。また、例えば、ワインXには、ターゲット「30代女性」については、割合「5%」が対応づけられる。この場合、提供装置100は、コンテンツの配信対象となるユーザが20代女性である場合、販促割合「7.5%」に基づいて、優先表示やオプション課金を行う。また、提供装置100は、コンテンツの配信対象となるユーザが30代女性である場合、販促割合「5%」に基づいて、優先表示やオプション課金を行う。
【0151】
このように、提供装置100は、商品ごとに複数のターゲット各々について個別に販促割合を設定可能にすることにより、ユーザに応じて適切にサービスの提供を可能にすることができる。なお、提供装置100は、ストアXから上述のような商品について複数のターゲットごとの販促割合の設定に関する情報を取得してもよい。
[図:0001401475000002.jpg]
[図:0001401475000003.jpg]
以上の記載によれば、引用文献2には、「商品に対応付けられ商品価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合であって、ユーザに関する情報に基づいて変動する販促割合に関する情報として、一の商品に複数のユーザ属性ごとに対応付けられた複数の販促割合に関する情報を取得し、取得した販促割合に基づいて優先表示やオプション課金を行う提供装置100」の技術事項が記載されている。
ウ 引用文献3の記載事項
当審において新たに引用する特表2008-535094号公報(以下、「引用文献3」という。)には、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。
【0032】
“視聴セグメント”は、広告が提供されている時間、場所、対象物、及び対象者のうち一つ以上によって定義できる。故に、視聴セグメントは、位置情報、時間情報、ユーザ装置(クライアント装置)情報、及びユーザ情報のうち一つ以上によって定義できる。用語“視聴セグメント”は、離散的又は定量的な大きさ(例えば、半径0~5マイル以内、半径5~10マイル以内、半径10マイル外)を用いて視聴グループを定義することを示すことができるが、視聴セグメントは、(セグメント数が増加する時、セグメントを、連続に近づく値によって定義できるように)連続的値によって定義できる。従って、“視聴セグメント”を使用して、各種広告提供パラメータ(各種提供時間、各種クライアント装置の位置、各種エンドユーザ特性、各種クライアント装置特性等)を有する各種広告の提供を区別することができる。上記から分かる通り、一部の視聴セグメントは、ルール及び/又はパラメータ(例えば、米国内提供広告対米国外提供広告、平日提供広告対週末提供広告等)、又はファンクション及び/又はパラメータ(例えば、パラメータ_a/(クライアント装置までの距離))によって定義できる。また、一部の視聴セグメントを前もって知ることができ、他の一部(それらは通常、ファンクションによって定義される)を必要に応じて(例えば、実質的に広告を提供する時に)決定できることが分かる。
【0032】
“オファー”は、広告のインプレッション毎の最大付け値(恐らく値引き対象)、広告の選択毎の最大付け値、広告のコンバージョン毎の最大付け値、インプレッション毎の付け値、広告の選択毎の付け値、及び広告毎の付け値を含むがこれらに限定されない。
【0049】
視聴セグメント選択/決定動作315を広告主が使用して、(例えば、ターゲティング及び/又は調整オファーに使用すべき)視聴セグメントを指定することができる。当該動作315を使用して、広告主が選択可能な提案として視聴セグメントを自動的に決定することができる。例えば、広告視聴ターゲティング選択動作315は、ユーザ行為フィードバック動作320が追跡したパフォーマンス情報を用いて決定された提案された視聴セグメントのリストを広告主に提供することができる。広告主は、提案されたリストから一つ以上の視聴セグメントを選択することができる。代替として、又は追加として、視聴セグメントは、視聴セグメントの広告主指定特徴を有することによって手動で定義できるため、ユーザ情報(例えば、言語、人口統計、給料、仕事、国籍、先祖、年齢、性別等)、ユーザ装置の位置(例えば、ジップコード、IPアドレス、町、都市国家、地域、国等)、エンドユーザ装置情報(例えば、携帯電話、PDA、ノートパソコン、個人パソコン、接続速度、プロセッサ速度、通信速度、ディスプレイサイズ、ディスプレイ解像度等)、時間情報(例えば、時刻、曜日、月、季節等)等のうち一つ以上に基づき特別に定義された視聴セグメントを生成することができる。
【0055】
時間情報は、時間範囲、1日の範囲、及び日付又は日付範囲のうち一つ以上を含むことができる。故に、例えば、ピザ店は、夕食時及びフットボールシーズンの間の土曜日にその広告をターゲットにすることができる。花の配送事業では、母の日、バレンタインデイ、及びこれらの日前にその広告をターゲットにすることができる。
【0060】
ブロック520を参照すると、広告主が視聴セグメント選択/決定動作315を使用して(位置情報、時間情報、クライアント装置情報、ユーザ情報等のうち少なくとも一つ以上に基づき)視聴セグメントを定義又は選択できたことを思い出させる。例えば、広告主は、広告主が視聴セグメントを選択できる提案リストを提供されることがある。代替として、又は追加として、広告主は、視聴セグメントを定義又は指定することができる。代替として、又は追加として、視聴セグメントは、広告主の入力なしで(自動化されたアルゴリズム又は予め定義されたセグメントを用いて)広告提供システムによって定義できる。
[図:0001401475000004.jpg]
以上の記載によれば、引用文献3には、「広告主はターゲティング及び/又は調整オファーに使用される視聴セグメントを選択できる提案リストを提供され、視聴セグメントは、広告が提供されている時間、場所、対象物、及び対象者のうち一つ以上によって定義でき、一部を前もって知ることができ、他の一部を必要に応じて(例えば、実質的に広告を提供する時に)決定できるものであり、例えば、ピザ店は、夕食時及びフットボールシーズンの間の土曜日にその広告をターゲットにすることができ、花の配送事業では、母の日、バレンタインデイ、及びこれらの日前にその広告をターゲットにすることができる」技術事項が記載されている。
(3)対比
補正後発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「ストアX」は、電子商取引サービスにおいて商品を販売するから、補正後発明の「所定の電子商取引における一の販売元」に相当する。また、引用発明の「ストアXが電子商取引サービスにおいて販売する商品」は、補正後発明の「所定の対象」に相当し、引用発明の「ストアXが扱うワインX」は、補正後発明の「一の販売元が販売する商品」に相当する。そして、引用発明の「ストアXが扱うワインX」は、「検索クエリによって表示される」から、引用発明の「検索クエリによって表示される」「ストアXが扱うワインX」は、補正後発明の「一の販売元が販売する商品に関するコンテンツ」に相当する。
イ 補正後発明の「所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合に係る情報」は、一の販売元が販売する商品に係る「販促割合」そのもののみならず、これと異なる情報を含み得るところ、引用発明の「ストアXが電子商取引サービスにおいて販売する商品に対して設定した販促割合」は、「販促割合と異なる情報」を含まないものの、販促割合を含む情報であり、このことから、補正後発明の「所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合に係る情報」と、「所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合」を含む情報である点で共通するといえる。
よって、引用発明の「決定部21」における、「ストアXから、ストアXが電子商取引サービスにおいて販売する商品に対して設定した販促割合を取得する」手段は、補正後発明の「所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合に係る情報を取得する取得部」と、「所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合を含む情報を取得する」「取得部」という点で共通する。
ウ 引用発明の「検索クエリによって表示される」「ストアXが扱うワインX」の「表示順位」は、ユーザから「ワイン」という検索クエリを取得した時に、ユーザへ「ストアXが扱うワインX」を検索結果として提供した時の「表示順位」であるから、補正後発明の「一の販売元が販売する商品に関するコンテンツをユーザへ提供する優先度」に相当する。
また、引用発明の「表示順位」は、「指標値に基づいて」「決定」され、「指標値」は、表示されるコンテンツの商品の「商品スコアおよび販促割合」に基づいて「算出」されることから、引用発明の「検索クエリによって表示される」「ストアXが扱うワインX」の「表示順位」を、「指標値に基づいて」「決定」することは、補正後発明の「前記一の販売元が販売する商品に関するコンテンツをユーザへ提供する優先度を、前記販促割合に基づいて決定する」ことに相当する。
以上より、引用発明の「決定部21」における、「検索クエリによって表示される」「ストアXが扱うワインX」の「表示順位」を、「指標値に基づいて」「決定」する手段は、補正後発明の「前記一の販売元が販売する商品に関するコンテンツをユーザへ提供する優先度を、前記販促割合に基づいて決定する」「決定部」に相当する。
エ 引用発明の「商品を扱うストア」は、補正後発明の「前記一の販売元」に相当し、引用発明の「商品を扱うストア」に対して「提案する」ことは、補正後発明の「前記一の販売元に通知する」ことに相当する。
よって、引用発明の「判定部22によって上位に変動すると判定された場合に、商品を扱うストアに対して追加割合の上乗せを提案する」「提案部23」は、「追加割合の上乗せ」は、販促割合に対する追加割合の上乗せであり、「追加割合の上乗せ」を「提案する」ことは、販促割合について通知することであるといえるから、補正後発明の「所定の販促に係る、販促割合の設定対象を、所定のタイミングで前記一の販売元に通知する通知部」と、「販促割合について、前記一の販売元に通知する通知部」という点で共通する。
オ 引用発明の「情報提供装置1」は、「制御部2を有し、制御部2は、決定部21と、判定部22と、提案部23とを有する」から、補正後発明の「提供装置」に相当する。
カ まとめ(一致点・相違点)
以上まとめると、補正後発明と引用発明とは、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。
(一致点)
所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合を含む情報を取得する取得部と、
前記一の販売元が販売する商品に関するコンテンツをユーザへ提供する優先度を、前記販促割合に基づいて決定する決定部と、
販促割合について、前記一の販売元に通知する通知部と、
を備えたことを特徴とする提供装置。
(相違点)
相違点1
「取得部」が「取得」する情報が、補正後発明は、「所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合に係る情報」であるのに対して、引用発明は、「所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合」である点。
相違点2
「通知部」が「販促割合について、前記一の販売元に通知する」処理について、補正後発明は、「所定の販促に係る、販促割合の設定対象を、所定のタイミング」で通知するのに対して、引用発明は、「所定の販促に係る、販促割合の設定対象を、所定のタイミング」で通知するものではなく、追加割合の上乗せを提案するものである点。
(4)判断
以下、相違点について検討する。
ア 相違点1について
引用文献2には、「商品に対応付けられ商品価格に対する販売促進費の割合を示す販促割合であって、ユーザに関する情報に基づいて変動する販促割合に関する情報として、一の商品に複数のユーザ属性ごとに対応付けられた複数の販促割合に関する情報を取得し、取得した販促割合に基づいて優先表示やオプション課金を行う提供装置100」の技術事項が記載されており、ここで取得される「一の商品に複数のユーザ属性ごとに対応付けられた複数の販促割合に関する情報」は、所定の電子商取引における一の販売元が販売する商品の「販促割合」を「ユーザに関する情報」に基づいて「変動」させるものであることから、補正後発明の、「所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合に係る情報」に相当する情報であるといえる。
そして、引用発明と引用文献2に記載された技術事項は、ストアXが販売するワインXに対して付与した販促割合に基づいて、ストアXが販売するワインXの表示順位を決定する提供装置という点で共通するから、引用発明に、引用文献2に記載された技術事項を適用して、「所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合を含む情報」として、「所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合に係る情報」である「一の商品に複数のユーザ属性ごとに対応付けられた複数の販促割合に関する情報」をも「取得する」ようにして、上記相違点1に係る構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
イ 相違点2について
引用文献3には、「広告主はターゲティング及び/又は調整オファーに使用される視聴セグメントを選択できる提案リストを提供され、視聴セグメントは、広告が提供されている時間、場所、対象物、及び対象者のうち一つ以上によって定義でき、一部を前もって知ることができ、他の一部を必要に応じて(例えば、実質的に広告を提供する時に)決定できるものであり、例えば、ピザ店は、夕食時及びフットボールシーズンの間の土曜日にその広告をターゲットにすることができ、花の配送事業では、母の日、バレンタインデイ、及びこれらの日前にその広告をターゲットにすることができる」との技術事項が記載されている。
ここで、引用文献3の「視聴セグメント」は、広告の提供に利用されることから、「販促に係る」ものであり、「ピザ店」や「花の配送事業」を行う事業者である広告主が「ターゲティング及び/又は調整オファーに使用される」ものとして選択できることから、「所定の販促」に係る「販促割合」についての「販促の設定対象」である。そして、この「視聴セグメント」は、「夕食時及びフットボールシーズンの間の土曜日」や「母の日、バレンタインデイ、及びこれらの日前」に「ピザ店」や「花の配送事業」を行う事業者である広告主に対して、必要に応じて、例えば実質的に広告を提供する時に決定できるように、提供され得ることから、「所定のタイミング」で広告主となる事業者である「販売元」に通知されるものといえる。よって、これらの引用文献3の記載は、所定の販促に係る販促割合の設定対象を所定のタイミングで広告主となる「一の販売元」に通知する旨を示すものといえる。
そして、引用発明と引用文献3に記載された技術事項は、販促に係る販促割合について一の販売元に通知する点で共通するから、引用発明に、引用文献3に記載された技術事項を適用して、引用発明の「通知部」が「販促割合について、前記一の販売元に通知する」処理を、所定の販促に係る販促割合の設定対象を所定のタイミングで通知するものとして、上記相違点2に係る構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
ウ 請求人の主張
請求人は、審判請求書の請求の理由において、上記相違点2について
「補正後の請求項1に記載の発明は、「所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合に係る情報を取得する取得部と、前記一の販売元が販売する商品に関するコンテンツをユーザへ提供する優先度を、前記販促割合に基づいて決定する決定部と、所定の販促に係る、販促割合の設定対象を、所定のタイミングで前記一の販売元に通知する通知部と、を備えたことを特徴とする提供装置。」であることを特徴とします。
本願発明では、所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合に係る情報を取得し、当該一の販売元が販売する商品に関するコンテンツをユーザへ提供する優先度を販促割合に基づいて決定し、所定の販促に係る、販促割合の設定対象を、所定のタイミングで当該一の販売元に通知します。これにより、販促割合の設定を促進させるためのコンテンツの提供をすることができます。
一方、引用文献2において、各商品のターゲットとするユーザ属性ごとに対応付けられた販促割合に基づいて、優先表示を行うことは記載されていますが(引用文献2:[0065]等)、所定の販促について、販促割合の設定対象を、所定のタイミングで当該一の販売元に通知する「通知部」については記載されていません。また、引用文献1では、「追加割合を上乗せしたことで、商品の売上金額や売上個数、ユーザU1のインターネット上における購買に関する行動が上昇した旨をストアXの管理者M1へ通知する」旨は記載されていますが(引用文献1:[0082])、例えば、所定のイベントに関するユーザ属性について、その発生時期の数週間前に通知する等、販促割合の設定対象として推奨するユーザ属性等についての販売元の端末装置への通知に係る「通知部」については記載されていません([0086]等)。」
と主張している。
しかし、上記(4)イに記載したように、引用発明に、引用文献3に記載された技術事項を適用して、上記相違点2に係る構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
エ 効果について
そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、補正後発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2~3に記載された技術事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
オ したがって、補正後発明は、引用発明及び引用文献2~3に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4.まとめ
以上のとおり、本件補正後の請求項1についての補正は、特許法第17条の2第5項各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しないから、同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
また、仮に、本件補正後の請求項1についての補正が、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するものであったとしても、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する
第3 本願発明について
1.本願発明
令和4年12月6日にされた手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし請求項10に係る発明は、令和4年6月6日にされた手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし請求項10に記載されたとおりのものであるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前掲「第2 1.」の(本件補正前)【請求項1】に記載された事項により特定されるものである。
2.各引用文献の記載・引用発明
各引用文献の記載及び引用発明は、上記第2 3.(2)に記載したとおりである。
3.対比
本願発明と引用発明とを対比する。
本願発明は、前掲「第2 1.」の補正後発明から、「所定の販促に係る、販促割合の設定対象を、所定のタイミングで前記一の販売元に通知する通知部」との構成を削除したものである。
よって、本願発明と引用発明とを対比すると、本願発明と引用発明は、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。
(一致点)
所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合を含む情報を取得する取得部と、
前記一の販売元が販売する商品に関するコンテンツをユーザへ提供する優先度を、前記販促割合に基づいて決定する決定部と、
を備えたことを特徴とする提供装置。
(相違点)
「取得部」が「取得」する情報が、本願発明は、「所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合に係る情報」であるのに対して、引用発明は、「所定の電子商取引における一の販売元が所定の対象に対して付与した販促割合」である点。
4.相違点の判断
上記3.の相違点は、上記第2 3.(3)の相違点1と同じである。
そして、上記第2 3.(4)アに記載したように、引用発明に、引用文献2に記載された技術事項を適用して、上記相違点に係る構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
また、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-019813