特許拒絶査定不服審判
2022-019587
ガスボンベのガスの残量管理システム
- 審判番号
- 2022-019587
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-095253
- 請求日
- 2022年12月02日
- 審決日
- 2023年07月12日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】美浜株式会社
- 【請求人代理人】好宮 幹夫
- 【請求人代理人】小林 俊弘
- 【請求人代理人】大塚 徹
- 審判長/審判官
- 審判長 渡邊 聡
- 審判官 梶尾 誠哉
- 審判官 中野 浩昌
- 分類
- P18 .121-Z (G06Q) / P18 .575-Z (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018- 95253「ガスボンベのガスの残量管理システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年11月21日出願公開、特開2019-200636〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年5月17日の出願であって、令和4年2月28日付けの拒絶理由の通知に対し、同年4月20日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、同年8月29日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年12月2日に審判請求がされると同時に手続補正がされたものである。
第2 令和4年12月2日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年12月2日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1) 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1についての補正を含むものであり、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである(以下、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明を「本件補正発明」という。)。
「 ユーザーが使用するガスボンベのガスの残量管理システムであって、
前記ユーザー側に在る1つ以上のガスボンベのガス残量を自動で測定するセンサと、
該センサにより測定されたガス残量データを自動で発信する通信機と、
該通信機から発信された前記ガス残量データを通信回線を介して自動で受信する管理コンピュータ装置を有しており、
該管理コンピュータ装置は、前記ガスボンベのガスの販売者側に在り、前記受信されたガス残量データに基づいて、前記ユーザー側に在る前記ガスボンベのガス残量状況を自動で判定して前記販売者に自動で表示するものであり、
前記センサによる前記ガス残量の測定と、前記通信機による前記ガス残量データの発信と、前記管理コンピュータ装置による前記ガス残量状況の判定および表示は、常時または所定時間ごとのものであり、
前記管理コンピュータ装置は、判定部と警告部を有しており、
前記判定部は、前記ガス残量データから所定量を基準にして前記ガス残量状況を判定するものであり、
前記警告部は、前記判定部によりガスの残量切れと判定された場合に、前記販売者への前記ガス残量状況の表示として、アラーム発生、モニター表示、点灯のいずれか1つ以上により警告を発するものであり、
前記ガス残量データと前記センサにおいて、前記ガス残量データはガス重量であり、前記センサはロードセルを有しており、該ロードセルで測定された前記ガスボンベ全体の重量から前記ガスボンベの容器自体の重量を差し引いて前記ガス重量を測定するものであることを特徴とするガスボンベのガスの残量管理システム。」
(2) 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明
本件補正前の令和4年4月20日の手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである(下線部は、本件補正により削除された箇所を示す。)。
「 ユーザーが使用するガスボンベのガスの残量管理システムであって、
前記ユーザー側に在る1つ以上のガスボンベのガス残量を自動で測定するセンサと、
該センサにより測定されたガス残量データを自動で発信する通信機と、
該通信機から発信された前記ガス残量データを通信回線を介して自動で受信する管理コンピュータ装置を有しており、
該管理コンピュータ装置は、前記ガスボンベのガスの販売者側に在り、前記受信されたガス残量データに基づいて、前記ユーザー側に在る前記ガスボンベのガス残量状況を自動で判定して前記販売者に自動で表示するものであり、
前記センサによる前記ガス残量の測定と、前記通信機による前記ガス残量データの発信と、前記管理コンピュータ装置による前記ガス残量状況の判定および表示は、常時または所定時間ごとのものであり、
前記管理コンピュータ装置は、判定部と警告部を有しており、
前記判定部は、前記ガス残量データから所定量を基準にして前記ガス残量状況を判定するものであり、
前記警告部は、前記判定部によりガスの残量切れと判定された場合に、前記販売者への前記ガス残量状況の表示として、アラーム発生、モニター表示、点灯のいずれか1つ以上により警告を発するものであり、
前記ガス残量データと前記センサにおいて、
(i)前記ガス残量データはガス重量であり、前記センサはロードセルを有しており、該ロードセルで測定された前記ガスボンベ全体の重量から前記ガスボンベの容器自体の重量を差し引いて前記ガス重量を測定するもの、
(ii)前記ガス残量データは液化ガス体積であり、前記センサは距離測定センサを有しており、該距離測定センサで測定された前記ガスボンベの蓋から内部に充填された液化ガスの液面までの距離から、前記液化ガス体積を測定するもの、
のいずれか1つ以上であることを特徴とするガスボンベのガスの残量管理システム。」
2 補正の適否
上記1のとおり、補正前の請求項1に記載された発明に係る本件補正は、発明を特定するために必要な事項である「ガス残量データ」及び「センサ」の構成について、選択肢として記載されていた「(i)」及び「(ii)」の2つのうち、「(ii)」を削除し、「(i)」に限定するものであって、択一的記載の要素を削除する補正であるから、特許法17条の2第3項に違反するものではなく、また、同4項に違反するものでもない。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載された発明(本件補正発明)の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。
そうすると、補正前の請求項1に記載された発明に係る本件補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正発明が同条6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2) 引用文献の記載、引用発明等
ア 引用文献1
(ア) 引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由に引用された文献であって、本願の出願日前に公開された特許第6263299号公報(以下、「引用文献1」という。)には、次の記載がある(下線加筆。以下同じ。)。
「【背景技術】
【0002】
LPGは、ボンベやシリンダなどのガス容器に装填されてユーザーの軒先などに配送される。ユーザーに設置されるガス容器はガス消費量に応じて通常、供給系および予備系を含めて複数本が設置される。ガス容器はガス切れ前の段階で配送業者により交換することが行われている。・・・」
「【0016】
〔一実施の形態〕
図1は一実施の形態に係るガス容器交換システムを示している。図1に示す構成は一例であり、係る構成に本発明が限定されるものではない。
このガス容器交換システム2には図1に示すように、ユーザー側のガスメータ4の計測部6およびデータ取得部8が備えられ、管理センターまたは中継局などに設置されるガス容器交換装置10側に処理部12、記憶部14および情報提示部16が備えられる。
ガスメータ4はガス容器18とガス機器20を接続するガス供給路22に設置されている。ガス容器18には供給系と予備系の二系統のたとえば、ガス容器18-1と、ガス容器18-2が含まれる。ガス容器18-1は通常のガス供給用であり、ガス容器18-2がガス切れ対策用である。つまり、ガス容器18-1側にガス切れが生じたとき、切換器24がガスの供給元をガス容器18-1から予備系のガス容器18-2に切り換え、ガス容器18-2からガス機器20にガス供給を行う。ガス機器20にはガス器具や給湯機器など、複数のガス機器20-1、20-2が含まれる。
【0017】
計測部6は、ガス容器18からガス機器20に流れるガスGを計測し、検針値を含む検針データSを出力する。この検針データSにはガス容器18のガス使用量またはガス残量の何れを用いてもよい。計測部6の検針値はガス流量を表し、ガス残量はガス容器18内のガス残量を表す。ガス容器18の全量を「100」とし、検針値がたとえば、初期検針値=40から「42」に変化したとき、ガス残量が「100」から「98」に変化する状況となる。
このガス残量は、式(1) で表すことができる。
ガス残量=容器全量-(検針値-初期検針値) ・・・(1)
式(1) から、
ガス残量=100-(42-40)=98 ・・・(2)
となる。
検針データSにはガス容器18からガス機器20に流れるガスの流量の検針値、ロードサーベイやガスメータ4の出力パルス、検針値と同様にガス使用やガス残量を表すデータ、ガス使用量やガス残量を表す容器内圧力の何れを用いてもよいし、2以上が組み合わされてもよい。以下、説明を容易にするため、検針データSを用いて説明する。
データ取得部8は計測部6から検針データSを取得し、通信部26-1に出力する。データ取得部8はたとえば、コンピュータで構成される。データ取得部8および通信部26-1はガスメータ4と別構成とし、計測部6に無線または有線で接続してよいが、ガスメータ4の筐体内に内蔵し、ガスメータ4と一体構成でもよい。
このデータ取得部8および通信部26-1のデータ処理にはa.容器交換タイミングまたは検針タイミングによる検針データSの取得、b.検針データSの送出、c.通信部26-1による検針データSの送信などの処理が含まれる。容器交換タイミングは、ガス容器交換時の検針タイミングを表す。
【0018】
処理部12は、通信部26-1と通信部26-2のデータ通信を通して検針タイミングによる検針データSの取得からガス容器18の交換日の特定までの処理を行う。処理部12は管理サーバーなど、コンピュータで構成される。この処理部12のデータ処理にはd.検針タイミングでの検針データSの受信、e.検針データSの記憶、f.トレンドデータTDの作成、g.検針タイミングやガス容器18の交換タイミングの決定および記憶、h.ガス容器18の交換日の決定および提示などが含まれる。
このように、ガス容器交換システム2のデータ処理には以下の処理が含まれる。
【0019】
a.検針データSの取得:
データ取得部8がガス容器交換タイミングCHまたは検針タイミングSTで検針データSを取得する。
b.検針データSの送出
データ取得部8はガス容器交換タイミングCHまたは検針タイミングSTで検針データSを通信部26-1に送出する。
c.検針データSの送信
検針データSは、通信部26-1から管理センター側の通信部26-2に送信する。この場合、通信部26-1から通信部26-2に検針データSを受け取る処理としてもよい。このデータ送受は、有線または無線の何れでもよい。
【0020】
d.検針データSの受信:
通信部26-2は、通信部26-1から送信された検針データSを受信し、この検針データSを処理部12に提供する。
e.検針データSの記憶:
処理部12は、データ取得部8から取得した検針データSを記憶部14に格納する。
f.トレンドデータTDの作成:
処理部12は取得した検針データSを用いてガス容器18のガス使用またはガス残量のトレンドを表すトレンドデータTDを作成する。このトレンドデータTDには検針データSの検針タイミング、検針間隔が含まれる、次回の検針タイミングやガス容器18の交換タイミングの割り出しに用いられる。
【0021】
g.検針タイミング、ガス容器18の交換タイミングの決定および記憶:
処理部12はトレンドデータTDからトレンドを把握し、検針データSの検針タイミング、ガス容器18のガス切れを割り出し、次回以降の検針タイミングSTやガス容器18の交換タイミングCHを決定し、記憶部14に記憶させる。
h.ガス容器18の交換日の決定および提示:
トレンドデータTDから把握されたトレンドからガス切れが予測される場合、つまり、処理部12がガス容器18の交換タイミングを出力する場合、ガス容器18の交換情報として、情報提示部16によりガス容器18の交換日の提示を行う。この情報提示は配送者に認識させることができればよく、画面上の画像情報、プリンタから出力される印刷媒体、通信端末の画面表示など、何れの形態でもよい。
【0022】
<検針データの処理手順>
図2は一実施の形態に係る検針データの処理手順を示している。処理部12は検針データを取得する契機としてたとえば、ガス容器18の交換タイミングCHかまたは検針タイミングSTかを判断する(S101)。検針データSの交換タイミングは、ガス容器交換による第1検針日のタイミングを表し、検針タイミングSTはトレンドデータTDから作成されたタイミングデータである。交換タイミングCHまたは検針タイミングSTでなければ(S101のNO)、これらの何れかが到来するまで待機状態となる。
交換タイミングCHまたは検針タイミングSTであれば(S101のYES)、計測部6から検針データSを取得し(S102)、これを契機として容器交換情報を提示する時期かを判断する(S103)。
【0023】
容器交換情報を提示する時期が到来していなければ(S103のNO)、処理部12は計測部6から取得した検針データSを記憶部14に格納し、または記憶部14にある検針データSの更新を行う(S104)。
処理部12は、取得した検針データSによりトレンドデータTDを作成する(S105)。このトレンドデータTDはユーザーによるガス容器18のガス使用の傾向を示し、具体的にはガス容器18の交換時点から次の交換時点までのガス流量またはガス残量の推移を表す。
処理部12はトレンドデータTDから次回以降の検針タイミングSTを決定し(S106)、S101に戻り、S101、S102の処理を行う。
検針タイミングSTの取得(S102)の後、容器交換情報を提示する時期が到来していれば(S103のYES)、ガス容器18の交換情報を提示し(S107)、この処理を終了する。
【0024】
<一実施の形態の効果>
一実施の形態によれば、次の効果が得られる。
(1) ガスメータ4の計測部6に接続された処理部12により、連続または不連続に計測部6から取得した一定期間の検針データSを用いてガス使用量の使用形態、増減変化、傾向などのトレンドを表すトレンドデータTDを作成することができる。つまり、ガスメータ4側でガス使用量のトレンド情報が得られる。
(2) トレンドデータTDからガス使用量またはガス残量のトレンドを把握することができる。
【0025】
(3) トレンドデータTDから割り出されたトレンドに応じて次回以降の検針タイミングSTを生成することができる。
(4) トレンドデータTDからガス残量の推定精度が高められ、ガス切れやガス交換時点の予測精度が高められ、ガス容器の交換回数を削減してガス用容器交換の効率を高めることができる。
(5) ガス残量の少ないガス容器を交換でき、配送者の負担を低減できる。
(6) 図2に示すように、容器交換時期の提示を検針データSの格納や更新に先行させれば、容器交換時期の提示が早められるとともに、容器交換時期が到来している際の無用なデータ格納や更新を省略することができる。」
「【実施例1】
【0026】
<ガス容器交換システム2>
図3は実施例1に係るガス容器交換システム2を示している。図3において、図1と共通部分には同一符号を付してある。・・・
【0029】
・・・
情報提示部16には表示部40、プリンタ42、情報通信端末44が含まれる。表示部40にはたとえば、LCD(Liquid Crystal Display)が備えられ、ガス容器交換日などの情報提示が行われる。・・・
【0031】
<ガス容器交換の処理手順1>
図5は、ガス容器交換から次回のガス容器交換に至る処理手順1を示している。
この処理手順では、片切れ(たとえば、先行使用のガス容器18-1のガス切れ)、両切れ(たとえば、先行使用のガス容器18-1のガス切れから予備系のガス容器18-2のガス切れ)の何れも想定し得る。
この処理手順において、tn:検針データSの取得日時、n:検針データSの取得回数、N:検針データSの取得回数のしきい値、T、T’:検針間隔、K:トレンドから予測するガス容器18-1、18-2の片切れないし両切れの日時、L:ガス容器18-1、18-2のガス残量のしきい値である。
この処理手順ではたとえば、ガス容器18を交換し(S301)、この直後、n←1とする(S302)。時点tnに第n検針データSnの取得を実行する(S303)。
【0032】
検針データSの取得回数nがしきい値N以上(n≧N)であるかを判断する(S304)。n≧Nでなければ(S304のNO)、t(n+1)←tn+T(たとえば、T=24時間)、n←(n+1)にインクリメントし(S305)、S303~S304の処理を継続する。
n≧Nであれば(S304のYES)、検針データS1、S2・・・Snからトレンドを把握し、このトレンドからKを算出する(S306)。
t(n+1)←tn+T’、n←(n+1)に更新する(S307)。なお、更新したtnの日時は必ずKより前になる。検針間隔T’はたとえば、式(3) で示すように、
T’=(K-tn)/2 ・・・(3)
から求め設定してよい。
【0033】
時点tnに第n検針データSnを取得する(S308)。この検針データSnが表すガス残量について、ガス残量のしきい値Lと比較し、ガス残量のしきい値L以下(Sn≦L)であるかを判断する(S309)。
Sn≦Lでなければ(S309のNO)、S306~S309の処理を継続し、検針データSの取得、トレンドの把握を繰り返す。
ガス残量がしきい値L以下(Sn≦L)に到達すれば(S309のYES)、ガス容器18の交換情報を提示し(S310)、この処理を終了する。
【0034】
なお、この処理手順において、検針タイミングSTは、検針間隔Tを指定して定期的に実施してもよいが、これに限定されず、具体的な検針日時を設定して検針日時毎の検針タイミングを設定してもよい。・・・」
[図:0001401472000001.jpg]
a 上記【0016】及び【図1】によれば、ガス容器交換システム2は、ガス容器18、ガスメータ4の計測部6及びデータ取得部8がユーザー側に、処理部12、記憶部14及び情報提示部16がガス容器交換装置10側に備えられるものである。
また、ガスメータ4は、ガス容器18とガス機器20を接続するガス供給路22に設置されるものである。
b 上記【0017】によれば、計測部6は、ガス容器18からガス機器20に流れるガスGを計測してガス残量を求め、求められたガス容器18内のガス残量を含む検針データSを出力するものである。
c また、上記【0017】及び【0019】によれば、データ取得部8は、ガス容器交換タイミングCHまたは検針タイミングSTで、計測部6から検針データSを取得して通信部26-1に送出するものであり、上記【0019】の記載によれば、通信部26-1は、検針データSを管理センター側の通信部26-2に送信するものである。
d 上記【0018】によれば、処理部12は、管理サーバーなどコンピュータで構成されるものであって、通信部26-1と通信部26-2のデータ通信を通して検針タイミングによる検針データSの取得からガス容器18の交換日の特定までの処理を行うものである。
e 上記【0020】、【0021】及び【0029】によれば、処理部12は、具体的には、取得した検針データSを用いてガス容器18のガス残量のトレンドを表すトレンドデータTDを作成し、トレンドデータTDからトレンドを把握し、検針データSの検針タイミング、ガス容器18のガス切れを割り出し、次回以降の検針タイミングSTやガス容器18の交換タイミングCHを決定するものであり、トレンドデータTDから把握されたトレンドからガス切れを予測し、ガス容器18の交換タイミングを出力する場合、ガス容器18の交換情報として、情報提示部16の表示部40によりガス容器18の交換日の提示を行って、配送者に認識させるものである。
f 上記【0026】、【0031】及び【0033】によれば、ガス容器交換システム2における、ガス容器交換から次回のガス容器交換に至る処理手順は、ガス容器18を交換した後、時点tnに第n検針データSnを取得し、この検針データSnが表すガス残量について、ガス残量のしきい値Lと比較し、ガス残量のしきい値L以下(Sn≦L)であるかを判断し、ガス残量がしきい値L以下(Sn≦L)に到達すれば、ガス容器18の交換情報を提示するものである。
(イ) 引用発明
上記(ア)によれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
ガス容器18、ガスメータ4の計測部6及びデータ取得部8がユーザー側に、処理部12、記憶部14及び情報提示部16がガス容器交換装置10側に備えられるガス容器交換システム2において、
ガスメータ4は、ガス容器18とガス機器20を接続するガス供給路22に設置され、
計測部6は、ガス容器18からガス機器20に流れるガスGを計測してガス残量を求め、求められたガス容器18内のガス残量を含む検針データSを出力し、
データ取得部8は、ガス容器交換タイミングCHまたは検針タイミングSTで、計測部6から検針データSを取得して通信部26-1に送出し、通信部26-1は、検針データSを管理センター側の通信部26-2に送信し、
処理部12は、管理サーバーなどコンピュータで構成されるものであって、通信部26-1と通信部26-2のデータ通信を通して検針タイミングによる検針データSの取得からガス容器18の交換日の特定までの処理を行うものであり、
処理部12は、具体的には、取得した検針データSを用いてガス容器18のガス残量のトレンドを表すトレンドデータTDを作成し、トレンドデータTDからトレンドを把握し、検針データSの検針タイミング、ガス容器18のガス切れを割り出し、次回以降の検針タイミングSTやガス容器18の交換タイミングCHを決定するものであり、トレンドデータTDから把握されたトレンドからガス切れを予測し、ガス容器18の交換タイミングを出力する場合、ガス容器18の交換情報として、情報提示部16の表示部40によりガス容器18の交換日の提示を行って、配送者に認識させるものであり、
ガス容器交換から次回のガス容器交換に至る処理手順は、ガス容器18を交換した後、時点tnに第n検針データSnを取得し、この検針データSnが表すガス残量について、ガス残量のしきい値Lと比較し、ガス残量のしきい値L以下(Sn≦L)であるかを判断し、ガス残量がしきい値L以下(Sn≦L)に到達すれば、ガス容器18の交換情報を提示するものである、
ガス容器交換システム2。
イ 引用文献2
(ア) 引用文献2の記載
原査定において、周知例として引用された文献であって、本願の出願日前に公開された特開2000-291895号公報(以下、「引用文献2」という。)には、次の記載がある。
「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルク容器内残液量管理システムに関し、詳しくは、バルク容器に残量管理装置を設けて、液化石油ガス(LPガス)の残液量や消費量を表示するバルク容器内残液量管理システムに関するものである。」
「【0016】図1において、バルク容器1は、台12上に設置されており、この台12とバルク容器1の間には重量センサ13が取り付けられ、この重量センサ13によりバルク容器1の重量(中身のLPガスも含む)を検出するようになっている。
【0017】重量センサ13としては、歪みセンサあるいは静電容量センサ、差動トランス等のロードセルが好適に使用されるが、重量に比例して信号を出力するセンサであれば種類は限定されない。
【0018】バルク容器1の上部には、ガス取出弁7、均圧弁6、安全弁5が一体に組み込まれた弁機構(以下、マルチバルブと称す)14と、液取入弁4、液取出弁8が設けられ、かつ、マルチバルブ14の上部には、前記重量センサ13からの信号を受けて信号処理及び表示を行う残量管理装置15が取り付けられている。」
[図:0001401472000002.jpg]
(イ) 引用文献2記載事項
上記(ア)によれば、引用文献2には、次の事項(以下、「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。
[引用文献2記載事項]
台12とバルク容器1の間に、ロードセルを使用した重量センサ13を取り付け、この重量センサ13によりバルク容器1の重量(中身のLPガスも含む)を検出し、検出した重量によって残量管理を行う残量管理装置15。
ウ 引用文献3
(ア) 引用文献3の記載
当審において、周知技術を示す文献として提示する、本願の出願日前に公開された特開平4-4399号公報(以下、「引用文献3」という。)には、次の記載がある。
「 この種の充填装置は第2図に示すように、ボンベ1を計量する計量器2の載台3には、充填バルブ4を引っ掛ける保持部5が設けられており、ボンベ1を載台3に載置する前の状態において前記充填バルブ4ならびに充填ホース6の荷重がむだ目成分として消去した計重値が出力されるように構成されている。そしてボンベ1を載台3に載置したときの計重値W1と既知のボンベ重量Wtから残ガス量WZを、
WZ=(W1-Wt)
の計算で求め、計重値が(Wt+Wb)になったことを検出したときにガス供給ライン7に介装されたバルブ〔図示せず〕を閉塞して、前記充填ホース6を介して充填バルブ4からの充填を終了するように構成されている。」(1頁)
[図:0001401472000003.jpg]
(イ) 引用文献3記載事項
上記(ア)によれば、引用文献3には、次の事項(以下、「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。
[引用文献3記載事項]
計量器2の載台3にボンベ1を載置したときの計重値W1と、既知のボンベ重量Wtから、残ガス量WZを、WZ=(W1-Wt)の計算で求めること。
エ 引用文献4
(ア) 引用文献4の記載
当審において、周知技術を示す文献として提示する、本願の出願日前に公開された実用新案登録第2511392号公報(以下、「引用文献4」という。)には、次の記載がある。
「 [実施例]
以下、第2図及び第3図を用いて本考案の一実施例を説明する。
第2図は家庭に設定されたプロパンガスの残量・変化量を計測して監視センターへ通報する端末装置のシステム回路図を示す。
同図において、21はガスボンベ、22はガスボンベ21の重量を検出するロードセル、23はロードセル22の出力を増幅する増幅器、24は増幅器23の出力を量子化するA/D変換器、25は量子化データをシステムへ取込むI/Oポート、26はシステム制御プログラムと監視センターダイヤルデータと端末コードと残量警報コードと変化量警報コードを格納したROM、27はボンベ重量(Wb)を警報を発生させるべき残重量閾値(Ws)及び変化量閾値(ΔVs)と通報インターバル等の所要管理データを格納した管理ROM、28は2回分のガス重量データ格納エリアを有した管理RAM、29は通信制御部(CCE)、30は変復調部(MODEM)、31は宅内電話回線に接続されている網制御部、32はCPU、33はCPU32の内蔵タイマーを示し、前記の25~31の各ユニット等はCPU32のバスラインに対して図示するように接続されている。
・・・
次に、本装置によるガス残量・変化量・警報コードの通報手順を第3図のフローチャートを参照しながら説明する。
・・・
ここでは、ΔTo時間が経過する度にA/D変換器24からI/Oポート25を介して重量データ(Xi)が取込まれる[ステップ(2)(3)(4)]。そして、このXiはボンベ重量とガス重量の加算重量データに相当するため、その検出値からROM27のボンベ重量(Wb)を減算したWi(=Xi-Wb)が求められ、そのWiがRAM28の今回の検出重量書込みエリアへ書込まれる[ステップ(5)]。・・・」
【第2図】
[図:0001401472000004.jpg]
【第3図】
[図:0001401472000005.jpg]
(イ) 引用文献4記載事項
上記(ア)によれば、引用文献4には、次の事項(以下、「引用文献4記載事項」という。)が記載されている。
[引用文献4記載事項]
家庭に設定されたプロパンガスの残量・変化量を計測して監視センターへ通報する端末装置のシステムにおいて、
該システムは、ガスボンベ21、はガスボンベ21の重量を検出するロードセル22、ロードセル22の出力を増幅する増幅器23、増幅器23の出力を量子化するA/D変換器24、量子化データをシステムへ取込むI/Oポート25などからなり、
ΔTo時間が経過する度にA/D変換器24からI/Oポート25を介して重量データ(Xi)が取込まれ、このXiはボンベ重量とガス重量の加算重量データに相当するため、その検出値からROM27のボンベ重量(Wb)を減算したWi(=Xi-Wb)が求められ、そのWiがRAM28の今回の検出重量書込みエリアへ書込まれる、
システム。
(3) 対比
本件補正発明と、引用発明とを対比する。
ア 引用発明は、「ガス容器18」が「ユーザー側」に備えられているところ、「ガス容器18」は「ガスボンベ」ということができる。また、引用発明の「ガス容器交換システム2」は、「取得した検針データSを用いてガス容器18のガス残量のトレンドを表すトレンドデータTDを作成し、トレンドデータTDからトレンドを把握し、検針データSの検針タイミング、ガス容器18のガス切れ」を割り出すものであって、ガスの残量を管理しているといえるから、「ガスの残量管理システム」ということができる。
そうすると、引用発明の「ユーザー側」に備えられている「ガス容器18」の「ガス残量のトレンドを表すトレンドデータTDを作成し、トレンドデータTDからトレンドを把握し、検針データSの検針タイミング、ガス容器18のガス切れを割り出」す「ガス容器交換システム2」は、後述の[相違点]を除き、本件補正発明の「ユーザーが使用するガスボンベのガスの残量管理システム」に相当する。
イ 引用発明の「ガスメータ4」の「計測部6」は、「ガス容器18からガス機器20に流れるガスGを計測してガス残量を求め、求められたガス容器18内のガス残量を含む検針データSを出力」しているところ、「ガス容器18」は「ユーザー側」に備えられており、「ガスメータ4」の「計測部6」は、自動で「ガスGを計測してガス残量を求め、求められたガス容器18内のガス残量を含む検針データSを出力」しているといえる(なお、引用発明の「ガス容器交換システム2」は、「ガス容器18からガス機器20に流れるガスGを計測してガス残量を求め、求められたガス容器18内のガス残量を含む検針データSを出力」しているから、「計測部6」の処理は手動ではなく、自動で行われていると理解することができる。また、引用発明において、「計測部6」以外の「通信部26-1」、「通信部26-2」及び「処理部12」における処理も、手動ではなく、自動で行われていると理解することができる。)。
そうすると、引用発明の「ガス容器18からガス機器20に流れるガスGを計測してガス残量を求め、求められたガス容器18内のガス残量を含む検針データSを出力」する「ガスメータ4」の「計測部6」は、本件補正発明の「前記ユーザー側に在る1つ以上のガスボンベのガス残量を自動で測定するセンサ」に相当する。
ウ 引用発明の「通信部26-1」は、「検針データSを管理センター側の通信部26-2に送信」しているから、本件補正発明の「該センサにより測定されたガス残量データを自動で発信する通信機」に相当する。
エ 引用発明の「処理部12」は「管理サーバーなどコンピュータで構成されるもの」であるから、本件補正発明の「管理コンピュータ装置」に相当する。また、引用発明の「処理部12」は「通信部26-1と通信部26-2のデータ通信を通して検針タイミングによる検針データS」を取得するものである。
そうすると、引用発明の「通信部26-1と通信部26-2のデータ通信を通して検針タイミングによる検針データS」を取得する「処理部12」は、本件補正発明の「該通信機から発信された前記ガス残量データを通信回線を介して自動で受信する管理コンピュータ装置」に相当する。
オ 引用発明の「処理部12」は「ガス容器18の交換情報として、情報提示部16の表示部40によりガス容器18の交換日の提示を行って、配送者に認識させるものである」から「ガス容器18」のガスの販売者側にあるといえる。また、引用発明の「処理部12」は「取得した検針データSを用いてガス容器18のガス残量のトレンドを表すトレンドデータTDを作成」し、「トレンドデータTDから把握されたトレンドからガス切れを予測」し、「ガス容器18の交換情報として、情報提示部16の表示部40によりガス容器18の交換日の提示を行って、配送者に認識させるもの」である。
そして、引用発明の「取得した検針データSを用いてガス容器18のガス残量のトレンドを表すトレンドデータTD」から「把握されたトレンドからガス切れを予測」することは、「ガス残量を含む検針データS」に基づくものであるから、本件補正発明の「受信されたガス残量データに基づいて」、「ガスボンベのガス残量状況を自動で判定」することに含まれる。また、引用発明において「配送者に認識させる」ために「情報提示部16の表示部40によりガス容器18の交換日の提示」を行うことは、本件補正発明の「販売者に自動で表示する」ことにほかならない。
そうすると、引用発明の「取得した検針データSを用いてガス容器18のガス残量のトレンドを表すトレンドデータTDを作成」し、「トレンドデータTDから把握されたトレンドからガス切れを予測」し、「ガス容器18の交換情報として、情報提示部16の表示部40によりガス容器18の交換日の提示を行って、配送者に認識させるもの」である「処理部12」は、本件補正発明の「前記ガスボンベのガスの販売者側に在り、前記受信されたガス残量データに基づいて、前記ユーザー側に在る前記ガスボンベのガス残量状況を自動で判定して前記販売者に自動で表示する」「管理コンピュータ装置」に相当する。
カ 引用発明の「処理部12」は「ガス容器18を交換した後、時点tnに第n検針データSnを取得し、この検針データSnが表すガス残量について、ガス残量のしきい値Lと比較し、ガス残量のしきい値L以下(Sn≦L)であるかを判断」しているから、当該判断を行う手段は、本件補正発明の「前記ガス残量データから所定量を基準にして前記ガス残量状況を判定する」「判定部」に相当する。
キ 引用発明の「処理部12」は「ガス残量がしきい値L以下(Sn≦L)に到達すれば、ガス容器18の交換情報を提示する」ものであるところ、「情報提示部16の表示部40」に提示する「ガス容器18の交換情報」は、ガス残量がしきい値以下であるときに提示されるから、「モニター」に表示される「警告」といい得るものである。
そうすると、引用発明の「ガス残量がしきい値L以下(Sn≦L)に到達すれば、ガス容器18の交換情報」を「情報提示部16の表示部40」に提示する手段は、本件補正発明の「前記判定部によりガスの残量切れと判定された場合に、前記販売者への前記ガス残量状況の表示として、アラーム発生、モニター表示、点灯のいずれか1つ以上により警告を発する」「警告部」のうち、「前記判定部によりガスの残量切れと判定された場合に、前記販売者への前記ガス残量状況の表示として、モニター表示により警告を発する」「警告部」に相当する。
以上によれば、本件補正発明と引用発明とは、次の一致点及び相違点を有する。
[一致点]
ユーザーが使用するガスボンベのガスの残量管理システムであって、
前記ユーザー側に在る1つ以上のガスボンベのガス残量を自動で測定するセンサと、
該センサにより測定されたガス残量データを自動で発信する通信機と、
該通信機から発信された前記ガス残量データを通信回線を介して自動で受信する管理コンピュータ装置を有しており、
該管理コンピュータ装置は、前記ガスボンベのガスの販売者側に在り、前記受信されたガス残量データに基づいて、前記ユーザー側に在る前記ガスボンベのガス残量状況を自動で判定して前記販売者に自動で表示するものであり、
前記管理コンピュータ装置は、判定部と警告部を有しており、
前記判定部は、前記ガス残量データから所定量を基準にして前記ガス残量状況を判定するものであり、
前記警告部は、前記判定部によりガスの残量切れと判定された場合に、前記販売者への前記ガス残量状況の表示として、モニター表示により警告を発するものであるガスボンベのガスの残量管理システム。
[相違点]
[相違点1]
本件補正発明は、「前記センサによる前記ガス残量の測定と、前記通信機による前記ガス残量データの発信と、前記管理コンピュータ装置による前記ガス残量状況の判定および表示は、常時または所定時間ごとのもの」であるのに対し、引用発明は、「ガス残量の測定」、「ガス残量データの発信」及び「ガス残量状況の判定および表示」は行っているものの、「常時または所定時間ごとのもの」であるとは特定されていない点。
[相違点2]
本件補正発明では、「ガス残量データ」が「ガス重量」であるから、「センサ」は「ロードセル」を有しており、「該ロードセルで測定された前記ガスボンベ全体の重量から前記ガスボンベの容器自体の重量を差し引いて前記ガス重量を測定するものである」のに対し、引用発明では、「センサ」(計測部6)で「ガスGを計測」してガス残量を求めているから、「ガス残量データ」は「ガス重量」ではなく、「センサ」も「ロードセル」を有しておらず、「該ロードセルで測定された前記ガスボンベ全体の重量から前記ガスボンベの容器自体の重量を差し引いて前記ガス重量を測定するもの」でもない点。
(4)判断
上記相違点についてそれぞれ検討する。
ア 相違点1について
引用発明では、「ガス容器18からガス機器20に流れるガスGを計測し、ガス容器18内のガス残量を表す検針値を含む検針データSを出力」しているから、「ガス残量の測定」は、「常時」行われているということができる。そうすると、「ガス残量データの発信」及び「ガス残量状況の判定および表示」も、「常時」行われているということができるから、相違点1は、実質的な相違点ではない。
なお、引用文献1には、「なお、この処理手順において、検針タイミングSTは、検針間隔Tを指定して定期的に実施してもよいが、これに限定されず、具体的な検針日時を設定して検針日時毎の検針タイミングを設定してもよい。」(【0034】)と記載されているから、当該記載に基づき、引用発明において、「検針タイミングST」を「検針間隔Tを指定して定期的に実施」、すなわち、「所定時間ごと」に「ガス残量の測定」が行われるように構成し、「ガス残量データの発信」及び「ガス残量状況の判定および表示」も「所定時間ごと」とすることは、当業者であれば容易に想到し得るものである。
したがって、相違点1に係る構成は、本件補正発明と引用発明との実質的な相違点ではない。あるいは、引用発明において、相違点1に係る構成を採用することは、当業者であれば容易に想到し得るものである。
イ 相違点2について
上記(2)イ(イ)の「引用文献2記載事項」、上記(2)ウ(イ)の「引用文献3記載事項」及び上記(2)エ(イ)の「引用文献4記載事項」によれば、ロードセルや計量器等の重量センサを使用することにより、ガスを含むガスボンベ全体の重量から、ガスボンベの容器の重量を差し引いて、ガスの重量を測定することは、本願の出願時において、周知技術であったと認められる。
そうすると、引用発明において、上記周知技術を適用し、「センサ」(計測部6)で「ガスGを計測してガス残量を求め」る代わりに、「ロードセル」を使用した重量センサで、ガスを含む「ガス容器18」の重量を検出し、「ガス容器18」の重量を差し引いて、ガス残量である「ガス重量」を求めるように構成することに格別の困難性はない。
したがって、引用発明において、相違点2の構成を採用することは、当業者であれば容易に想到し得るものである。
ウ 小括
以上のとおり、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
3 補正の却下の決定のむすび
以上によれば、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
したがって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明の認定
令和4年12月2日にされた手続補正(本件補正)は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の1(2)に記載したとおりのものである。
2 原査定における拒絶の理由
本願発明についての原査定の拒絶の理由は、概略、本願の出願日前に日本国内において頒布された上記引用文献1、特開2006-183685号公報及び上記引用文献2を含む文献に記載された周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである(なお、特開2006-183685号公報は、択一的記載の要素である「(ii)」に対応する引用文献である。)。
3 引用文献の記載、引用発明等
原査定の理由で引用された引用文献1、2の記載及び引用発明並びに当審において周知技術を示す文献として提示した引用文献3、4の記載は、上記第2の2(2)のとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、上記第2の2によれば、本件補正発明に、択一的記載の要素である「(ii)」を付加するものである。
そうすると、本願発明において、択一的記載の要素である「(i)」を選択した発明は、本件補正発明と同じであるところ、本件補正発明が、上記第2の2のとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである以上、本願発明も、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-019587