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特許拒絶査定不服審判

2022-019173

端末

審判番号
2022-019173
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-571783外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年11月29日
審決日
2023年10月18日
公報発行日
2024年04月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G09F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-571783「端末」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 1月 2日国際公開、WO2020/001356、令和 3年10月28日国内公表、特表2021-529345〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 15項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、令和元年6月20日を国際出願日とする外国語特許出願であって(パリ条約による優先権主張2018年(平成30年)6月27日(以下「優先日」という。)、中国)、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。

令和3年 1月 8日 :翻訳文、手続補正書の提出
同年12月14日付け:拒絶理由通知書
令和4年 3月22日 :意見書の提出

同年 7月28日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)

(同年 8月 2日 :原査定の謄本の送達)

同年11月29日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 本願発明

本願の請求項1に係る発明は、令和4年11月29日に提出された手続補正書により補正された請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1の記載は次のとおりである。

以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という。

「【請求項1】
第1パートと、第2パートと、少なくとも2本の第1反転バンドと、少なくとも1本の第2反転バンドとを含む端末であって、
前記第1反転バンドの第1端は、前記第1パートのスクリーンの長手方向の第1側辺に接続され、前記第1反転バンドの第2端は、前記第2パートのスクリーンの長手方向の第2側辺に接続され、
前記第1反転バンドと間隔をあけて設けられた前記第2反転バンドの第1端は、前記第2パートのスクリーンの長手方向の第1側辺に接続され、前記第2反転バンドの第2端は、前記第1パートのスクリーンの長手方向の第2側辺に接続され、
前記端末が平らに展開された状態では、前記第1パートのスクリーンと第2パートのスクリーンとが同一平面に位置し、前記第1反転バンドが前記第1パート又は第2パートの外面に貼着され、前記第2反転バンドが前記第2パート又は第1パートの外面に貼着され、
ここで、前記外面は、前記第1パート又は第2パートにおける、対応するスクリーンに対向して設けられ、対応するスクリーンの長手方向の第1側辺と第2側辺とを接続する面であり、
前記第1パート及び第2パートの外面は、弧状面である、端末。」

第3 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由のうち、本願発明についての理由(進歩性)の概要は、次のとおりである。

理由2(進歩性の欠如)

本願発明は、本願の優先日前に発行された下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

記

1.欧州特許出願公開第1659764号明細書

2.米国特許出願公開第2014/0238876号明細書(周知技術を示す文献)

なお、本願発明は、原査定時の特許請求の範囲(翻訳文により願書に添付して提出したとみなされる特許請求の範囲)の請求項5に対応するものである。

第4 各引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定

1 引用文献1に記載された事項と引用発明の認定

(1) 引用文献1の記載事項

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原査定において引用された引用文献1(欧州特許出願公開第1659764号明細書)には、以下の記載がある。下線は合議体が付し、括弧内に示す日本語訳は合議体において作成した。以下同様である。

なお、ドイツ語のウムラウトが付いたa、o、uとエスツェットは、それぞれae、oe、ue、ssと表記した。

ア 段落[0001]~[0002]

「[0001] Heutige Mobiltelefoneund andere Geraete der Informations-oder Kommunikationstechnik, wie z.B. so genannte Notebooks oder so genannte Personal Digital Assistants (PDAs) weisen haeufig Formen auf, bei denen zwei oder mehr Gehaeuseteile durch einen oder mehrere Klappmechanismen miteinander verbunden sind. Diese Gehaeuseanordnungen erfreuen sich am Markt zunehmender Beliebtheit und es besteht daher ein Beduerfnis, die Mechanismen mit dem Ziel verbesserter Bedienbarkeit technisch weiterzuentwickeln.」

(今日の携帯電話及びいわゆるノートブック又はいわゆるパーソナルデジタルアシスタント(PDA)などのその他の情報・通信技術のデバイスは、2又はそれ以上のハウジング部分が一つ又は複数の折り畳み機構によって相互に接続されている形態を有することが多い。これらのハウジング構成は市場で人気が増しているため、操作性を向上させるために機構を技術的に更に発展させる必要がある。)

「[0002] Gemaess der vorliegenden Erfindung weist ein Geraet der Informations- oder Kommunikationstechnik mindestens 2 Gehaeuseteile (G1, G2) auf, die ueber ein System von Baendern (B1, B2, B3) derart miteinander mechanisch verbunden sind, dass durch eine Veraenderung der raeumlichen Ausrichtung der Gehaeuseteile relativ zueinander und in Abhaengigkeit von der jeweiligen momentanen Ausrichtung jeweils unterschiedliche Oberflaechen (S1, S2, S3, S4) der Gehaeuseteile von aussen zugaenglich oder sichtbar werden, wogegen andere Oberflaechen derselben Gehaeuseteile sich gegenseitig verdecken.」

(本発明によれば、情報・通信技術のデバイスは、少なくとも二つのハウジング部分(G1、G2)を有し、これらのハウジング部分は、バンド(B1、B2、B3)のシステムを介して互いに機械的に接続され、ハウジング部分の互いに対する空間的な配置を変化させ、それぞれの時点の配置に依存して、ハウジング部分の異なる表面(S1、S2、S3、S4)を外側からアクセス又は視認することができ、他方でハウジング部分の他の表面は互いに隠れている。)

イ 段落[0008]~[0009]

「[0008] Figuren 1, 2, 3 und 4 Seitenansichten eines Ausfuehrungsbeispiels der Erfindung in verschiedenen Phasen der Klappbewegung in schematischer Weise;」

(図1、図2、図3及び図4は、折り畳み動作の異なる段階における本発明の一実施形態の側面図である。)

「[0009] Figuren 5, 6 und 7.schematisch dargestellte Ansichten eines Ausfuehrungsbeispiels der Erfindung in verschiedenen Phasen der Klappbewegung von oben bzw. unten gesehen.」

(図5、図6及び図7は、折り畳み動作の異なる段階における、上から見た、又は下から見た本発明の例示的な実施形態の概略図である。)

ウ 段落[0010]~[0013]、FIG 1、FIG 5~FIG 7、FIG 9

「[0010] In diesem Ausfuehrungsbeispiel der vorliegenden Erfindung besteht das geraet aus zwei Gehaeuseteilen G1 und G2 die miteinander ueber eine System aus drei Baendern B1, B2 und B3 verbunden sind. In einer in Figur 1 gezeigten raeumlichen Ausrichtung der Gehaeuseteile verlaufen die Baender B1 und B3 parallel zu einander und durch einen Zwischenraum, der Platz fuer das Band B2 bietet, voneinander getrennt vom linken Ende des Gehaeuseteils G1 ueber die Oberflaeche S1 ueber das rechte Ende des Gehaeuseteils G1 bis zum rechten Ende des Gehaeuseteils G2. Das Band B2 verlaeuft in dieser Phase des Klappvorgangs (bzw. Stellung des Klappmechanismus) vom linken Ende des Gehaeuseteils G2 ueber die Oberflaeche S4 ueber das rechte Ende des Gehaeuseteils G2 bis zum rechten Ende des Gehaeuseteils G1. Dabei verlaufen alle drei Baender zueinander parallel ueber die Oberflaechen S1 und S4 und kreuzen sich in der dritten Raumdimension am rechten Ende beider Gehaeuseteile.」

(本発明のこの実施例においては、デバイスは、三つのバンドB1、B2及びB3のシステムを介して互いに接続された二つのハウジング部分G1及びG2から構成されている。図1に示されるハウジング部分の空間的配置においては、バンドB1とB3は互いに平行に延び、ハウジング部分G1の左端から表面S1を通り、ハウジング部分G1の右端を経てハウジング部分G2の右端までの、バンドB2のためのスペースを提供するギャップによって互いに分離されている。折り畳みプロセスのこの段階(又は折り畳み機構の位置)においては、バンドB2は、ハウジング部分G2の左端から表面S4を通り、ハウジング部分G2の右端を経てハウジング部分G1の右端まで延びる。この場合、全ての三本のバンドは、互いに平行に表面S1及びS4を横切って延び、二つのハウジング部分の右端で三次元空間において交差する。)

「
[図:0001408558000001.jpg]
」

「[0011] In dieser in Figur 5 gezeigten Stellung verdecken die Baender B1 und B3 die oberen bzw. unteren Teile der Oberflaeche S1 des Gehaeuseteils G1, wogegen das Band B2 den mittleren Teil der Oberflaeche S4 des Gehaeuseteils G2 verdeckt. Auf den unverdeckten oberen bzw. unteren Oberflaechenteilen der Oberflaeche S4 ist in unserem Beispiel eine kleine monochrome LCD-Anzeige (LD) angebracht, die besonders zur Anzeige von kuerzeren Texten oder Statusmeldungen des Geraetes geeignet ist bzw. ein Tastenblock (KP), z.B. ein Ziffernblock zur Eingabe von Rufnummern, Befehlen und eventuell auch Kurznachrichten. Auf dem mittleren Oberflaechenteil der Oberflaeche S1 des Gehaeuseteils G1 ist in unserem Beispiel eine Freiflaeche (IP) vorgesehen, die vom Hersteller z.B. zur Anbringung von Schmuckflaechen oder Verzierungen aber auch zur Anbringung weiterer Kontrollelemente, Tasten, Anzeigen, Kameras, Mikrofonen oder aehnlichem verwendet werden kann.」

(図5に示すこの位置においては、バンドB1及びB3は、ハウジング部分G1の表面S1の上側部分及び下側部分を覆うのに対し、バンドB2は、ハウジング部分G2の表面S4の中央部分を覆う。この例では、表面S4の覆われていない上側又は下側の表面部分には、デバイスの短いテキスト又はステータスメッセージを表示するのに特に適している小型のモノクロLCDディスプレー(LD)、又は、例えば電話番号、コマンド及び場合によってはショートメッセージを入力するための数字ブロック(KP)が取り付けられている。この例では、ハウジング部分G1の表面S1の中央表面部分に、製造業者によって例えば装飾面又は装飾を取り付けるために使用することができ、さらに別の制御要素、キー、表示装置、カメラ、マイクロホン等を取り付けるために使用することができるフリーエリア(IP)が設けられている。)

「[0012] Durch eine Drehung beider Gehaeuseteile G1 bzw. G2 gegeneinander um 90 Grad wird das Geraet in eine gestreckte Anordnung ueberfuehrt, in der die Gehaeuseoberflaechen S1 und S4 nicht mehr - wie zuvor in der Ausgangsposition - in entgegen gesetzte Richtung weisen, sondern in die gleiche Richtung (hier nach rechts). Ebenso weisen die Oberflaechen S2 und S3 nun in die gleiche Richtung, naemlich nach links, wogegen sie sich vorher gegenseitig verdeckten.」

(両方のハウジング部分G1とG2を互いに対して90°回転させることによってデバイスは伸長配置に移行し、ハウジング表面S1及びS4は、初期位置におけるように、互いに反対方向に向いているのではなく、同じ方向(ここでは右方向)を向く。同様に、表面S2及びS3は、以前は互いに覆っていたが、現在は同じ方向、すなわち左に向く。)

「[0013] Bringt der Hersteller des Geraetes auf der Freiflaeche IP der Oberflaeche S1 z.B. eine Kamera an, dann koennte das vorzugsweise grosse, hoch aufloesende, helle und farbige Display (GD) auf der Oberflaeche S3 in dieser Position als Monitor dieser Kamera dienen. Ebenso koennte dieser Monitor aber auch auf der Freiflaeche IP der Oberflaeche S2 angebracht sein.」

(例えば、デバイスの製造者が表面S1のフリーエリアIPにカメラを設置する場合、表面S3上の好ましくは大きく、高解像度の明るいカラーディスプレー(GD)は、この位置において、このカメラのモニターとして機能することができる。同様に、このモニターはまた、表面S2のフリーエリアIPに取り付けられてもよい。)

「
[図:0001408558000002.jpg]
」
「
[図:0001408558000003.jpg]
」

(2) 引用文献1の記載から認定した事項

ア 引用文献1の段落[0010]、FIG 1、FIG 6の記載から、次の事項が見て取れる(以下「認定事項1」という。)。

[認定事項1]

ハウジング部分G1及びG2の左端及び右端は、表面S2のフリーエリアIPの長手方向及び表面S3の明るいカラーディスプレー(GD)の長手方向に対応すること。

イ 前記アも踏まえると、引用文献1のFIG 1~FIG 9の記載から、次の事項が見て取れる(以下「認定事項2」という。)。

[認定事項2]

ハウジング部分G1は、互いに対向する平面である表面S1の平面部分及び表面S2の平面部分と、ハウジング部分G1の左端部分及び右端部分で表面S1の平面部分と表面S2の平面部分を結ぶ断面円弧状の二つの曲面部分を有しており、

ハウジング部分G2は、互いに対向する平面である表面S3の平面部分及び表面S4の平面部分と、ハウジング部分G2の左端部分及び右端部分で表面S3の平面部分と表面S4の平面部分を結ぶ断面円弧状の二つの曲面部分を有していること。

ウ 引用文献1の段落[0010]、[0012]、FIG 1、FIG.9の記載から、次の事項が見て取れる(以下「認定事項3」という。)。

[認定事項3]

ハウジング部分G1及びG2が平らに展開された状態では、表面S2の平面部分と表面S3の平面部分が同一平面に位置しており、また、表面S1の平面部分と表面S4の平面部分が同一平面に位置しており、当該平らに展開された状態において、バンドB1、B2及びB3は、ハウジング部分G1の表面S1の平面部分又はハウジング部分G2の表面S4の平面部分に接していること。

(3) 引用発明の認定

前記(1)において摘記した事項及び前記(2)において認定した事項から、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

[引用発明]

「 携帯電話その他の情報・通信技術のデバイスであって、([0001])
二つのハウジング部分(G1、G2)を有し、これらのハウジング部分は、バンド(B1、B2、B3)のシステムを介して互いに機械的に接続され、ハウジング部分の互いに対する空間的な配置を変化させ、それぞれの時点の配置に依存して、ハウジング部分の異なる表面(S1、S2、S3、S4)を外側からアクセス又は視認することができ、他方でハウジング部分の他の表面は互いに隠れており、([0002])
バンドB1とB3は互いに平行に延び、ハウジング部分G1の左端から表面S1を通り、ハウジング部分G1の右端を経てハウジング部分G2の右端までの、バンドB2のためのスペースを提供するギャップによって互いに分離されており、
バンドB2は、ハウジング部分G2の左端から表面S4を通り、ハウジング部分G2の右端を経てハウジング部分G1の右端まで延びており、([0010])
続きを表示(全12行)
表面S3上の明るいカラーディスプレー(GD)は、カメラのモニターとして機能することができ、このモニターはまた、表面S2のフリーエリアIPに取り付けられており、([0013])
ハウジング部分G1及びG2の左端及び右端は、表面S2のフリーエリアIPの長手方向及び表面S3の明るいカラーディスプレー(GD)の長手方向に対応し、(認定事項1)
ハウジング部分G1は、互いに対向する平面である表面S1の平面部分及び表面S2の平面部分と、ハウジング部分G1の左端部分及び右端部分で表面S1の平面部分と表面S2の平面部分を結ぶ断面円弧状の二つの曲面部分を有しており、
ハウジング部分G2は、互いに対向する平面である表面S3の平面部分及び表面S4の平面部分と、ハウジング部分G2の左端部分及び右端部分で表面S3の平面部分と表面S4の平面部分を結ぶ断面円弧状の二つの曲面部分を有しており、(認定事項2)
ハウジング部分G1及びG2が平らに展開された状態では、表面S2の平面部分と表面S3の平面部分が同一平面に位置しており、また、表面S1の平面部分と表面S4の平面部分が同一平面に位置しており、当該平らに展開された状態において、バンドB1、B2及びB3は、ハウジング部分G1の表面S1の平面部分又はハウジング部分G2の表面S4の平面部分に接しており、(認定事項3)
ハウジング部分G1の表面S1の中央表面部分に、別の制御要素、キー、表示装置を取り付けるために使用することができるフリーエリア(IP)が設けられており、([0011])
表面S4のバンドB2に覆われていない上側又は下側の表面部分には、デバイスの短いテキスト又はステータスメッセージを表示するのに特に適している小型のモノクロLCDディスプレー(LD)、又は、例えば電話番号、コマンド及び場合によってはショートメッセージを入力するための数字ブロック(KP)が取り付けられている、([0011])
デバイス。」

2 引用文献3~5の記載事項及び周知のデザイン形状の認定

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(1) 引用文献3の記載事項

当審において新たに引用する引用文献3(米国特許出願公開第2008/0137271号明細書)には、以下の記載がある。

「[0028] In this embodiment the device is a multifunctional device comprising two primary functions or applications; a mobile telephone function and a camera function. Each form factor configuration is adapted to enable a user easier or more user friendly user interface for each primary function. In this exemplary embodiment the first configuration shown in FIGS. 1-2 is for friendly user interface with the mobile telephone function, and the second configuration shown in FIGS. 3-4 is for friendly user interface with the camera function. In alternate embodiments any suitable multiple functions could be provided, such as a mobile telephone and a gaming device, or a camera and a gaming device, or a mobile telephone and a music player similar to an IPOD for example. In alternate embodiments more than two primary functions could be provided, and more than two configurations (one for each function) could be provided.」

(この実施形態では、デバイスは、二つの主要な機能又はアプリケーション、すなわち、携帯電話機能及びカメラ機能を備える多機能デバイスである。各フォームファクター構成は、各主要機能に対して、ユーザーがより容易又はよりユーザーフレンドリーなユーザーインタフェースを可能にするように適合される。この例示的な実施形態では、図1-2に示す第1の構成は、携帯電話機能とのフレンドリーなユーザーインターフェースのためのものであり、図3-4に示す第2の構成は、カメラ機能とフレンドリーなユーザーインターフェースのためのものである。代替実施形態では、例えば、携帯電話及びゲーム機、又はカメラ及びゲーム機、又は携帯電話及びIPODと同様の音楽プレーヤーなど、任意の適切な複数の機能を提供することができる。代替的な実施形態では、2を超える主要機能を提供することができ、2を超える構成(各機能に対して一つ)を提供することができる。)

「[0029] The first housing section 12 generally comprises a first housing member 18, an electronic display 20, a user input comprising a keypad 22, a camera 24 and electronic circuitry 26. The electronic circuitry 26 is operably coupled to the electronic display 20, the keypad 22, and the camera 24 and can comprise conventional mobile telephone and digital camera components including, for example, a transceiver, an antenna, a memory, a controller or processor, etc. In this embodiment the first housing section 12 has a general semi-column shape. However, in alternate embodiments any suitable shape could be provided including square or rectangular block shapes for example.」

(第1のハウジングセクション12は、概して、第1のハウジング部材18と、電子ディスプレー20と、キーパッド22を備えるユーザー入力部と、カメラ24と、電子回路26とを備える。電子回路26は、電子ディスプレー20、キーパッド22及びカメラ24に動作可能に結合され、例えば、送受信機、アンテナ、メモリ、コントローラー又はプロセッサー等を含む、従来の携帯電話及びデジタルカメラ構成要素を備えることができる。この実施形態では、第1のハウジングセクション12は、略半円柱形状を有する。しかしながら、代替実施形態では、例えば正方形又は長方形のブロック形状を含む任意の適切な形状を提供することができる。)

「[0030] Referring particularly to FIG. 5, the display 20, the keypad 22 and the lens of the camera 24 are located at a major exterior side 13 of the first housing section 12; which is curved in this embodiment. The lens of the camera 24 is located in a middle section 72 of the first housing section 12. The display 20 is located in a top section 74 of the first housing section 12. The keypad 22 is located in a bottom section 76 of the first housing section 12. The keypad 22 and input device 23 allow a user to input telephone numbers and alphanumeric letters as is known in the mobile telephone art. The display 20 functions as a conventional mobile telephone display.」

(特に図5を参照すると、ディスプレー20、キーパッド22及びカメラ24のレンズは、この実施形態では湾曲している第1のハウジング部12の主外面13に配置されている。カメラ24のレンズは、第1のハウジング部12の中央部72に位置する。ディスプレー20は、第1のハウジング部12の上部74に位置する。キーパッド22は、第1ハウジング部12の底部76に配置される。キーパッド22及び入力装置23は、移動電話技術において知られているように、ユーザーが電話番号及び英数字を入力することを可能にする。ディスプレー20は、従来の携帯電話ディスプレーとして機能する。)

「[0031] In this embodiment the second housing section 14 generally comprises a second housing member 28, a display 30, a user input section 32, electronic circuitry 34 and a battery 36. The second housing section 14 has a general semi-column shape. However, in alternate embodiments any suitable shape could be provided including square or rectangular block shaped for example. Referring particularly to FIG. 5, the display 30 and the user input or control 32 are located at a major exterior side 15 of the second housing section 14; which is curved in this embodiment. The user control 32 is located in a top section 94 of the second housing section 14. The display 30 is located in a bottom section 96 of the second housing section 14. The display 30 forms a display for the camera function of the device 10. The user input section 32 has user control and menu buttons for the camera function of the device 10.」

(この実施形態では、第2のハウジング部14は、一般に、第2のハウジング部材28と、ディスプレー30と、ユーザー入力部32と、電子回路34と、バッテリー36と備える。第2ハウジング部14は、略半円柱状である。しかしながら、代替の実施形態では、例えば正方形又は長方形のブロック形状を含む任意の適切な形状を提供することができる。特に図5を参照すると、ディスプレー30及びユーザー入力又は制御部32は、第2のハウジング部14の主外面15に配置され、この実施形態では湾曲している。ユーザー制御部32は、第2のハウジング部14の上部94に位置する。ディスプレー30は、第2ハウジング部14の底部96に位置する。ディスプレー30は、装置10のカメラ機能のためのディスプレーを形成する。ユーザー入力部32は、装置10のカメラ機能のためのユーザー制御及びメニューボタンを有する。)

「
[図:0001408558000004.jpg]
」

(2) 引用文献4の記載事項

当審において新たに引用する引用文献4(特開2005-102149号公報)には、以下の記載がある。

「【0022】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態によるペン型携帯用電話機の外観構成例を示す図である。図1において、1は筒状の筐体、1aは筒状の筐体1の先端側に設けられ、使用者が本体を持つためのグリップ部、1bは先端に筆記部材17を取り付けたペン先部である。2はオンフックやオフフック、リダイヤルなどの操作に使用されるダイヤル状のスイッチ部、3は着信電話番号や発信電話番号などの電話用の情報を表示するための表示部、4は通話音声を出力する放音部(以下スピーカー部という)、5は使用者の音声を入力するマイク部、9は電話番号などの数字や着信者名などの文字列、記号の入力に使用する操作キーを一列に配置したキーボード部である。
【0023】
図1に示すように、本実施形態のペン型携帯用電話機は、筒状の筐体1と、筒状の筐体1の先端に設けたグリップ部1aと、グリップ部1aよりも更に先端に設けた先細り形状のペン先部1bとによってペン型の筐体を構成している。また、筒状の筐体1の他端にはダイヤル状のスイッチ部2が取り付けられている。なお、本実施形態では、グリップ部1a及びペン先部1bは筒状の筐体1と一体となっているが、別体であっても良い。」
「
[図:0001408558000005.jpg]
」

(3) 引用文献5の記載事項

当審において新たに引用する引用文献5(特表2014-534456号公報)には、以下の記載がある。

「【0025】
図4は、動作中のポータブル電子装置200の斜視図を示す。このラップアラウンドディスプレイが、アイコン、データ、画像、動画などの表示のために使用することができる利用可能ディスプレイ領域を、いかに実質的に増大させるかということに留意されたい。例えば、図4に示すように、ディスプレイ401の幅にわたる、最大5つのアプリケーションアイコンを提示することができる。マイクロホン402及びスピーカ404により、ポータブル電子装置200は、スマートフォンなどのポータブル個人用通信装置として機能することが可能となる。更には、物理ボタンの仮想化により、拡張された機能性が可能となる。例えば、ボリュームコントロール406を、物理ボタンとして構成される場合とほぼ同じ位置に配置することができるが、しかしながら、この構成では、実際のボリューム設定を随時視認することができる(+のインジケータと-のインジケータとの間の円によって示される)。更には、このボリュームインジケータの上に指を保持することによって、装置の左側面の全体にわたってボリュームコントロールを拡大する動作を、起動させることが可能である。このことにより、ユーザは、ポータブル電子装置200のボリュームに、微調整を行うことが可能となる。この調整コントロールが解放されると、コントロールは、その元のサイズに戻ることができる。保持スイッチは、物理ボタンに割り当てられる場合が多い、別の一般的機能である。この保持ボタンの代わりに、側面の一方に沿ったマルチタッチジェスチャーが、保持機能をロック及びロック解除する方法として、代わりに機能することが可能である。ポータブル電子装置200に良好に適合し得る更なる機構には、カメラ408のような、様々な画像キャプチャ装置が含まれる。ポータブル電子装置200は、いずれの方向でもビジュアルコンテンツを提示することができるため、ポータブル電子装置200が、エンドユーザの現在位置を判定できることが重要である点に、留意すべきである。この方式で、カメラ408のいずれかが、定期的に画像をキャプチャすることができ、基本的な顔認識ソフトウェアを使用して、1つ以上のカメラ408を使用することにより、その周囲の空間内でのエンドユーザの顔の移動を追跡することができるため、エンドユーザの全般的な方向、及びエンドユーザの視野を判定し、それに応じて、ディスプレイ401によるビジュアルコンテンツの提示を調整することが可能である。」
「【図4】
[図:0001408558000006.jpg]
」
「【0026】
図5A、5B、及び5Cは、説明される実施形態を製造することができる、様々な更なる代表的なフォームファクタを例示する。例えば図5Aは、矩形形状の筐体502を含む実施形態500を示す。図5Aの丸みを帯びた角部により、エンドユーザの指は、その装置の角部の周囲で、オブジェクトを移動させることが可能となる点に留意すべきである。更に別の実施形態では、透明筐体502を、外部フレーム504の追加によって強化することができる。外部フレーム504は、角部506に支持を提供して、ポータブル電子装置500に、付加的な支持を提供することができる。図5Bは、円筒形状の筐体512を含む、実施形態510を示す。この場合には、エンドユーザの視野内で、ユーザインターフェースの正しい方向づけが維持されるように、加速度計などの方位センサ及び顔追跡を
使用することができる。図5Cでは、筐体520は、可変的サイズの断面を有する、テーパー形状を有し得る。この実施形態では、AMOLEDディスプレイアセンブリ104を、非矩形形状に製造することができ、それによって、筐体520の内部表面に、ディスプレイが適合することを可能にする。」
「【図5B】
[図:0001408558000007.jpg]
」

(4) 周知の形状デザインの認定

前記(1)から(3)に摘記した引用文献3から引用文献5の記載に例示されるように、次の事項は、本願の優先日前において、当業者にとって周知の形状デザインであったと認められる(以下「周知の形状デザイン」という。)。

[周知の形状デザイン]

「携帯電話等の電子デバイスにおいて、表示部、操作面等を断面弧状の凸曲面形状とするもの。」

第5 本願発明と引用発明の対比

1 対比分析

本願発明と引用発明を対比する。

(1) 引用発明の「デバイス」は「携帯電話その他の情報・通信技術のデバイス」であるから、「端末」であるといえる。

したがって、「端末」の発明である本願発明と「デバイス」の発明である引用発明は、「端末」の発明である点において一致する。

(2)ア 引用発明の「デバイス」は、「二つのハウジング部分(G1、G2)を有し、これらのハウジング部分は、バンド(B1、B2、B3)のシステムを介して互いに機械的に接続され」、「ハウジング部分の互いに対する空間的な配置を変化させ、それぞれの時点の配置に依存して、ハウジング部分の異なる表面(S1、S2、S3、S4)を外側からアクセス又は視認することができ、他方でハウジング部分の他の表面は互いに隠れて」いるようにしている。

イ ここで、引用発明の「ハウジング部分G1」及び「ハウジング部分G2」は、それぞれ本願発明の「第1パート」及び「第2パート」に相当する。

ウ(ア) また、引用発明の「デバイス」は、バンド(B1、B2、B3)により、「ハウジング部分の互いに対する空間的な配置を変化させ、それぞれの時点の配置に依存して、ハウジング部分の異なる表面(S1、S2、S3、S4)を外側からアクセス又は視認することができ、他方でハウジング部分の他の表面は互いに隠れて」いるようにしていることから、「デバイス」を「折り畳み」だけでなく「反転」させることも可能としていると認められる。

(イ) したがって、引用発明の「バンドB1、B3」及び「バンドB2」は、それぞれ本願発明の「2本の第1反転バンド」及び「1本の第2反転バンド」に相当する。

エ 前記ア~ウ及び前記(1)の検討結果も踏まえると、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。

「第1パートと、第2パートと、少なくとも2本の第1反転バンドと、少なくとも1本の第2反転バンドとを含む端末」である点。

(3)ア(ア) 引用発明においては、「表面S3上の明るいカラーディスプレー(GD)は、カメラのモニターとして機能することができ、このモニターはまた、表面S2のフリーエリアIPに取り付けられて」いる。

(イ)a ここで、前記(ア)に示したとおり、ハウジング部分G1の表面S2は、モニターが取付けられているフリーエリアIPを有するから、前記(2)イを踏まえると、本願発明の「第1パートのスクリーン」に相当する。

b 同様に、ハウジング部分G2の表面S3は、明るいカラーディスプレー(GD)が存在するから、本願発明の「第2パートのスクリーン」に相当する。

(ウ)a さらに、引用発明において、「ハウジング部分G1及びG2の左端及び右端は、表面S2のフリーエリアIPの長手方向及び表面S3の明るいカラーディスプレー(GD)の長手方向に対応し」ている。

したがって、前記(イ)を踏まえると、引用発明の「ハウジング部G1」の「左端」及び「右端」は、それぞれ、本願発明の「第1パートのスクリーンの長手方向の第1側辺」及び「第1パートのスクリーンの長手方向の第2側辺」に相当する。

b また、同様に、引用発明の「ハウジング部G2」の「左端」及び「右端」は、それぞれ、本願発明の「第2パートのスクリーンの長手方向の第1側辺」及び「第2パートのスクリーンの長手方向の第2側辺」に相当する。

イ(ア) 引用発明において、「バンドB1とB3は互いに平行に延び、ハウジング部分G1の左端から表面S1を通り、ハウジング部分G1の右端を経てハウジング部分G2の右端までの、バンドB2のためのスペースを提供するギャップによって互いに分離されて」いる。

(イ) したがって、前記アを踏まえると、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。

「前記第1反転バンドの第1端は、前記第1パートのスクリーンの長手方向の第1側辺に接続され、前記第1反転バンドの第2端は、前記第2パートのスクリーンの長手方向の第2側辺に接続され」ている点。

(4)ア 引用発明において、「バンドB2は、ハウジング部分G2の左端から表面S4を通り、ハウジング部分G2の右端を経てハウジング部分G1の右端まで延びて」いる。

イ したがって、前記アを踏まえると、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。

「前記第2反転バンドの第1端は、前記第2パートのスクリーンの長手方向の第1側辺に接続され、前記第2反転バンドの第2端は、前記第1パートのスクリーンの長手方向の第2側辺に接続され」ている点。

(5)ア 引用発明においては、「ハウジング部分G1は、互いに対向する平面である表面S1の平面部分及び表面S2の平面部分と、ハウジング部分G1の左端部分及び右端部分で表面S1の平面部分と表面S2の平面部分を結ぶ断面円弧状の二つの曲面部分を有しており、」、「ハウジング部分G2は、互いに対向する平面である表面S3の平面部分及び表面S4の平面部分と、ハウジング部分G2の左端部分及び右端部分で表面S3の平面部分と表面S4の平面部分を結ぶ断面円弧状の二つの曲面部分を有しており」、「ハウジング部分G1及びG2が平らに展開された状態では、表面S2の平面部分と表面S3の表面部分が同一平面に位置しており、また、表面S1の平面部分と表面S4の平面部分が同一平面に位置しており、当該平らに展開された状態において、バンドB1、B2及びB3は、ハウジング部分G1の表面S1の平面部分又はハウジング部分G2の表面S4の平面部分に接して」いる。

イ したがって、前記アを踏まえると、引用発明の「表面S1」と「表面S4」は、それぞれフリーエリアIPが設けられた「表面S2」と明るいカラーディスプレー(GD)が設けられた「表面S3」と対向している。

また、引用発明の「表面S1」と「表面S4」は、それぞれ「ハウジング部分G1」と「ハウジング部分G2」の左端及び右端を接続する表面であることは明らかである。

したがって、引用発明の「表面S1」及び「表面S4」は、それぞれ本願発明の「第1パートの外面」及び「第2パートの外面」に相当する。

ウ 前記アを踏まえると、表面S2のフリーエリアIPと表面S3の明るいカラーディスプレー(GD)が同一平面に位置することは明らかである。

エ(ア) また、引用発明において、「バンドB1とB3は互いに平行に延び、ハウジング部分G1の左端から表面S1を通り、ハウジング部分G1の右端を経てハウジング部分G2の右端までの、バンドB2のためのスペースを提供するギャップによって互いに分離されており」、「バンドB2は、ハウジング部分G2の左端から表面S4を通り、ハウジング部分G2の右端を経てハウジング部分G1の右端まで延びて」いることから、前記アを踏まえると、「バンドB1」及び「バンドB3」は「表面S1」に接し、「バンドB2」は「表面S4」に接すると認められる。

(イ) ここで、本願発明の「貼着」は、本願の明細書の段落【0033】に、「第1パート1及び第2パート2は、いずれも反転自在であり、反転時に、反転バンドが各パートの外観面に密着される(前記第1反転バンド3は、前記第1パート1又は第2パート2の外面に貼着し、前記第2反転バンド4は、前記第2パート2又は第1パート1の外面に貼着する)。」とあるように、日本語の本来の意味である接着剤等により貼り着けることを意味するものでなく、単に「密着する」ことを意味し、引用発明の「接し」ている状態と同等程度の意味であると認められる。

オ したがって、前記アからエを踏まえると、本願発明と引用発明は、次の点において一致する。

「前記端末が平らに展開された状態では、前記第1パートのスクリーンと第2パートのスクリーンとが同一平面に位置し、前記第1反転バンドが前記第1パート又は第2パートの外面に貼着され、前記第2反転バンドが前記第2パート又は第1パートの外面に貼着され、
ここで、前記外面は、前記第1パート又は第2パートにおける、対応するスクリーンに対向して設けられ、対応するスクリーンの長手方向の第1側辺と第2側辺とを接続する面であ[る]」点。

2 一致点及び相違点の認定

前記1の対比分析の検討結果をまとめると、本願発明と引用発明は、次の(1)の一致点において一致し、後記(2)の相違点において相違する。

(1) 一致点

「 第1パートと、第2パートと、少なくとも2本の第1反転バンドと、少なくとも1本の第2反転バンドとを含む端末であって、
前記第1反転バンドの第1端は、前記第1パートのスクリーンの長手方向の第1側辺に接続され、前記第1反転バンドの第2端は、前記第2パートのスクリーンの長手方向の第2側辺に接続され、
前記第2反転バンドの第1端は、前記第2パートのスクリーンの長手方向の第1側辺に接続され、前記第2反転バンドの第2端は、前記第1パートのスクリーンの長手方向の第2側辺に接続され、
前記端末が平らに展開された状態では、前記第1パートのスクリーンと第2パートのスクリーンとが同一平面に位置し、前記第1反転バンドが前記第1パート又は第2パートの外面に貼着され、前記第2反転バンドが前記第2パート又は第1パートの外面に貼着され、
ここで、前記外面は、前記第1パート又は第2パートにおける、対応するスクリーンに対向して設けられ、対応するスクリーンの長手方向の第1側辺と第2側辺とを接続する面である、
端末」である点。

(2) 相違点

ア 相違点1

「第2反転バンド」が、

本願発明においては、「第1反転バンドと間隔をあけて設けられた」ものであるのに対し、

引用発明においては、「第2反転バンド」に相当する「バンドB2」が「第1反転バンド」に相当する「バンドB1」及び「バンドB3」と間隔をあけて設けられたものかどうか明らかでない点。

イ 相違点2

前記第1パート及び第2パートの外面が、

本願発明においては、「弧状面」であるのに対し、

引用発明においては、「表面S1」(「前記第1パート」の外面に相当する。)及び「表面S4」(「前記第2パート」の外面に相当する。)は、断面円弧状の面と平面部からなる点。

第6 判断

1 相違点について

(1) 相違点1について

引用発明において、「バンドB2」が「バンドB1」及び「バンドB3」と間隔をあけて設けられたものかどうかについて明らかではないが、仮に「バンドB2」と「バンドB1」及び「バンドB3」との間に間隔がない場合には、両者が接触し又は摩擦によってスムーズに装置の折り畳み等を行うことが困難となることは、当業者ならずとも一般人でさえ容易に察しが付くことであり、両者の間に間隔が設けられているようにすべきことは、極めて自明の事項である。

したがって、相違点1に係る構成は、実質的な相違点でなく、少なくとも、当業者には極めて自明の設計事項にすぎない。

(2) 相違点2について

ア 相違点2は、外面の形状の相違であり、意匠という意味でのデザインの相違にすぎないから、設計事項にすぎない。

イ(ア) なお、相違点2は、次に示すとおり、当業者が容易に想到し得たものでもある。

(イ)a すなわち、引用発明においては、「ハウジング部分G1の表面S1の中央表面部分」の「フリーエリア(IP)」に、「別の制御要素、キー」等を取り付けること、「表面S4のバンドB2に覆われていない上側又は下側の表面部分」には、「電話番号」を「入力するための数字ブロック(KP)」を設けることの記載がある。

b ここで、「携帯電話等の電子デバイスにおいて、表示部、操作面等を断面弧状の凸曲面形状とするもの」は、本願の優先日前において周知の形状デザインである(前記「周知の形状デザイン」を参照)。

c したがって、「携帯電話その他の情報・通信技術のデバイス」の発明である引用発明において、断面が円弧状の凸面形状となるように、本願発明の第1パート及び第2パートの外面に相当する表面S1及び表面S4に上記周知の形状デザインを採用し、相違点2に係る発明特定事項を備えるようにすることは、当業者が適宜選択できる設計事項にすぎない。

(3) 総合評価

前記(1)及び(2)において検討したとおり、前記相違点1及び相違点2は、いずれも格別のものではない。

また、本願発明の奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測困難で、かつ、格別顕著な効果を認めることができない。

したがって、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

2 請求人の主張について

(1) 請求人の主張の内容

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審判請求書において、請求人は、概略次の主張をしている。

ア 本願発明の「前記第1パート及び第2パートの外面は、弧状面である」構成について引用文献1には記載も示唆もない。

イ 本願発明は、当該構成を備えることによって、以下の効果がある。

二つのパートが展開された場合に、二つのパートのスクリーンは一つの平面状の大スクリーンに接合されることができるに加え、端末の弧状外面をサポートとして、複数のユーザに利用されやすくなること。

二つのパートが完全に折り畳まれると、緊密に係着して一つの円柱状が形成されることにより、手軽に持ち歩きできるだけでなく、二つのスクリーンは向かうように重なることで、確実に保護されること。

折り畳みや反転の状態がいずれも一体化の外観を有しており、外側へ突出する余分な形状がなく、従来技術のような、折り畳み端末の精緻性が劣り、生産コストが高く、機器全体の厚さが大きく、折り畳みや反転の形態が単一であるということもないという効果を奏することが可能となること。

(2) 請求人の主張に対する当審の判断

折りたたみ中(クリックで表示)

ア 前記アの主張について

前記1(2)アにおいて検討したとおり、デザインだけの相違であり、そもそも実質的な相違点ではない。

また、前記1(2)イにおいて検討したとおり、「前記第1パート及び第2パートの外面は、弧状面である」構成とすることは、引用発明において前記周知の形状デザインを踏まえて当業者が適宜選択し得る設計事項にすぎない。

したがって、請求人の主張アを根拠として進歩性を認めることはできない。

イ 前記イの主張について

(ア) 請求人の前記イの主張はいずれも本願の明細書に記載された効果ではなく、参酌することはできない。

また、当該構成のものとして、当業者が予測困難であり、かつ、格別顕著な効果であるとも認められない。

したがって、請求人の主張イを根拠として進歩性を認めることはできない。

(イ)a なお、「前記第1パート及び第2パートの外面は、弧状面である」構成を採用することによる効果の主張としては、本願の明細書の段落【0018】及び【0019】を参酌すると、次のものが考えられる。

「パートの反転、及び反転バンドとパートとの密着をより一層容易に行うことができ、使用上の安全性を保証することができる」こと。

b しかし、引用発明においても、「バンドB1、B2及びB3は、ハウジング部分G1の表面S1の平面部分又はハウジング部分G2の表面S4の平面部分に接しており」、「ハウジング部分G1、G2」は、「断面弧状の曲面部分」を有しており、上記効果を奏するものであると認められるから、当該効果は、相違点2に基づく固有の効果であるとは認められない。

ウ まとめ

前記ア及びイのとおり、請求人の主張はいずれも採用することはできない。

第7 むすび

以上のとおりであるから、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-019173

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