2022-019128
情報処理方法および端末
- 審判番号
- 2022-019128
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-515017外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年11月28日
- 審決日
- 2023年05月09日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】維沃移動通信有限公司
- 【請求人代理人】あいわ弁理士法人
- 分類
- P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 18項目
第1 手続の経緯
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本願は、2019年7月26日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2018年9月19日(以下、「優先日」という。) 中国)を国際出願日とする出願であって、令和4年4月12日付けで拒絶理由通知がされ、令和4年7月15日に意見書が提出されると同時に手続補正がされたが、令和4年7月25日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、令和4年11月28日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。
第2 原査定の概要
原査定(令和4年7月25日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
・請求項 1-3、6-8
・引用文献等 1
・請求項 4、9
・引用文献等 1、2
・請求項 5、10
・引用文献等 1、3
・請求項 11
・引用文献等 1-3
引 用 文 献 等 一 覧
1.特開2018-073210号公報
2.特開2015-132965号公報
3.特開2011-007703号公報
第3 本願発明
本願の請求項1ないし7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は、令和4年11月28日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりのものである。
「【請求項1】第1画面および第2画面を備える端末に適用する1つの情報処理方法であって、前記第1画面および第2画面にそれぞれアプリケーションの動作インターフェースが表示された場合において、ターゲットイベントを受信した後、ターゲット画面に前記ターゲットイベントを指示するためのフローティングウィジェットを表示することと、フローティングウィジェットに対する入力を受信することと、続きを表示(全41行)前記フローティングウィジェットに対する入力に応答して、前記ターゲットイベントを処理することと、を含み、ここで、前記フローティングウィジェットは、フローティングウィンドウ、又は、フローティングボールであり、前記ターゲット画面は、前記第1画面または前記第2画面であり、前記フローティングウィジェットに対する入力に応答して、前記ターゲットイベントを処理することは、前記フローティングウィジェットに対する入力が第1入力である場合において、前記ターゲットイベントに該当するアプリケーションがバックグラウンドで動作するように制御することと、フローティングウィジェットに対する入力が第2入力である場合において、前記ターゲット画面に前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することと、を含み、前記第1画面および第2画面にそれぞれ異なるアプリケーションの動作インターフェースが表示された場合において、前記ターゲット画面に前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することは、アプリケーションのホワイトリストを取得することと、前記第1画面および前記第2画面において動作しているアプリケーションの中では、前記アプリケーションのホワイトリストに属していないアプリケーションが存在するかどうかを検出することと、存在する場合において、前記アプリケーションのホワイトリストに属していないアプリケーションに該当する画面に、前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することと、を含むことを特徴とする情報処理方法。【請求項2】フローティングウィジェットに対する入力が第2入力である場合、前記ターゲット画面に前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することは、フローティングウィジェットに対する入力が第2入力である場合において、第2入力と第1ターゲット入力が一致すれば、前記第1画面に前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することと、第2入力と第2ターゲット入力が一致すれば、前記第2画面に前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。【請求項3】前記フローティングウィジェットは、前記第1画面を指示するために使用する第1マークと、第2画面を指示するために使用する第2マークと、を含み、前記第1ターゲット入力は、前記第1マークに対する入力、前記第2ターゲット入力は、前記第2マークに対する入力である、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理方法。【請求項4】第1画面および第2画面を備える端末であって、前記第1画面および第2画面にそれぞれアプリケーションの動作インターフェースが表示された場合において、ターゲットイベントを受信した後、ターゲット画面に前記ターゲットイベントを指示するためのフローティングウィジェットを表示することに使用する表示モジュールと、フローティングウィジェットに対する入力を受信することに使用する受信モジュールと、フローティングウィジェットに対する入力に応答して、前記ターゲットイベントを処理することに使用する処理モジュールと、を含み、ここで、前記フローティングウィジェットは、フローティングウィンドウ、又は、フローティングボールであり、前記ターゲット画面は、前記第1画面または前記第2画面であり、前記処理モジュールは、前記フローティングウィジェットに対する入力が第1入力である場合において、前記ターゲットイベントに該当するアプリケーションがバックグラウンドで動作するように制御することに使用する制御サブモジュールと、前記フローティングウィジェットに対する入力が第2入力である場合において、前記ターゲット画面に前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することに使用する表示サブモジュールと、を備え、前記第1画面および第2画面にそれぞれ異なるアプリケーションの動作インターフェースが表示された場合において、前記表示サブモジュールは、アプリケーションのホワイトリストを取得することに使用する取得ユニットと、前記第1画面および前記第2画面において動作しているアプリケーションの中では、前記アプリケーションのホワイトリストに属していないアプリケーションが存在するかどうかを検出することに使用する検出ユニットと、前記検出ユニットから検出した結果、存在する場合において、前記アプリケーションのホワイトリストに属していないアプリケーションに該当する画面に、前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することとに使用する第3の表示ユニットと、を備えることを特徴とする端末。【請求項5】前記表示サブモジュールは、前記フローティングウィジェットに対する入力が第2入力である場合において、第2入力と第1ターゲット入力が一致すれば、前記第1画面に前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することに使用する第1の表示ユニットと、第2入力と第2ターゲット入力が一致すれば、前記第2画面に前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することに使用する第2の表示ユニットと、を備えることを特徴とする請求項4に記載の端末。【請求項6】前記フローティングウィジェットは、前記第1画面を指示するために使用する第1マークと、第2画面を指示するために使用する第2マークと、を含み、前記第1ターゲット入力は、前記第1マークに対する入力、前記第2ターゲット入力は、前記第2マークに対する入力である、ことを特徴とする請求項5に記載の端末。【請求項7】コンピュータプログラムが保存されており、プロセッサから前記コンピュータプログラムを実行すると、請求項1~3のいずれか1項の情報処理方法のステップが実行される、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。」
第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1記載事項
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原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審により付与。以下同じ。)
A「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、大型の液晶画面やデュアルディスプレイを搭載する移動体端末では、ユーザがタッチパネル上でタッチ操作できる範囲が広くなり、ユーザの操作性がよくない。
【0005】
例えば、画面が大きくなると、画面の端に表示されるアイコン等を片手で操作することが難しく、両手に持ち替えるなどの煩わしい操作が発生する。また、読書するために、本のように移動体端末を把持すると、指が画面に触れてしまい、意図しない操作が発生する。
【0006】
一つの側面では、ユーザの操作性を向上させることができる電子機器、表示装置および操作制御プログラムを提供することを目的とする。」
B「【実施例1】
【0011】
[電子機器の説明]
図1は、実施例1にかかる電子機器1を説明する図である。この電子機器1は、スマートフォンやタブレット端末などの電子機器であり、電話機能、メール機能、各種アプリケーションの実行機能などを有する移動体端末の一例である。
【0012】
図1に示す電子機器1は、アイコンなどの情報を表示し、ユーザのタッチ操作を受け付ける画面が折り曲げられるように構成される電子機器である。具体的には、電子機器1は、第一の筐体2Aと、第一の筐体2Aと開閉可能に連結された第二の筐体2Bと、第一の筐体2Aおよび第二の筐体2Bのそれぞれの主面上に跨って配置されると共に、第一の筐体2Aおよび第二の筐体2Bの開閉状態に応じて折り曲げるフレキシブルディスプレイ3から構成される表示装置2を有する。
【0013】
ここで、フレキシブルディスプレイ3は、静電容量方式や電磁誘導方式などのタッチパネルを含み、タッチパネルを介して各種ユーザ操作を受け付けて、アプリケーションなどを実行する。また、フレキシブルディスプレイ3は、画面領域3Aと画面領域3Bとを含むディスプレイであり、ヒンジ1Aによって折り曲げられるように構成される。また、フレキシブルディスプレイ3は、画面領域3Aと画面領域3Bとを1つの領域として各種情報を表示したり、画面領域3Aと画面領域3Bとに領域を分割して、領域それぞれに対して各種情報を分割で表示したりする。」
C 「【0027】[機能構成]図6は、実施例1にかかる電子機器1の機能構成を示す機能ブロック図である。図6に示すように、電子機器1は、領域情報DB10、角度測定部11、状態制御部12、アイコン制御部13を有する。なお、領域情報DB10は、メモリなどの記憶装置に記憶される。角度測定部11、状態制御部12、アイコン制御部13は、プロセッサなどが有する電子回路の一例やプロセッサが実行するプロセスの一例である。【0028】領域情報DB10は、折り曲がる領域、言い換えると、折り曲げられる領域に関する領域情報とそれ以外の平面領域に関する領域情報を記憶するデータベースである。例えば、領域情報DB10は、各領域情報について、領域を特定する4点の座標「X軸の座標、Y軸の座標」を記憶する。【0029】ここで、フレキシブルディスプレイ3上における折り曲がる領域について説明する。図7は、折り曲がる領域を説明する図である。図7の(a)、(b)、(c)は、電子機器1を閉状態から開状態へ遷移させた例を示している。折り曲がる領域5は、図7の(a)に示すように、電子機器1が閉状態のときに、フレキシブルディスプレイ3の画面領域3Aと画面領域3Bとが接触せずに最も離れる領域を指す。【0030】つまり、折り曲がる領域5は、図7の(c)に示すように、文庫本のような用途で電子機器1を使用するために、ユーザが電子機器1を把持するときに、親指などが接触する領域である。この領域は、フレキシブルディスプレイ3のサイズ等によって任意に変更することができる。」
D 「【0038】アイコン制御部13は、検出部14とアイコン配置部15と操作実行部16とを有し、折り曲がる領域5へのタッチ操作が無効状態であるときに、メール受信や着信などのイベント発生時に、各種処理を実行する処理部である。なお、折り曲がる領域5へのタッチ操作が有効状態であるときは、一般的なタッチパネルを用いたタッチ操作と同一であるので、詳細な説明は省略する。」
E 「【0051】[イベント発生処理]図9は、実施例1にかかるイベント発生時の処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すように、検出部14がイベント発生を検出すると(S201:Yes)、アイコン配置部15は、折り曲がる領域5が無効状態か否かを判定する(S202)。ここで、折り曲がる領域5が無効状態ではなく有効状態と判定された場合(S202:No)、一般的な処理と同様、タッチパネルの所定領域にアイコンが表示される(S203)。【0052】続きを表示(全15行)一方、アイコン配置部15は、折り曲がる領域5が無効状態であると判定した場合(S202:Yes)、折り曲がる領域5にタッチ操作可能な領域を設定し、設定した当該領域にイベントが発生したアプリケーションのアイコンを表示する(S204)。【0053】そして、操作実行部16は、表示されたアイコンに対して、一定時間以内にタッチ操作等の操作を検出しない場合(S205:No)、アイコンの表示を終了する(S206)。【0054】一方、操作実行部16は、表示されたアイコンに対して、一定時間以内にタッチ操作等の操作を検出した場合(S205:Yes)、操作実行部16は、折り曲がる領域5へのタッチ操作を一定時間有効にし、操作手法がタッチ操作か否かを判定する(S207)。【0055】ここで、操作実行部16は、操作手法がタッチ操作である場合(S207:Yes)、把持する手が右手か左手かを特定し(S208)、把持する手と反対側の画面領域に、該当するアプリケーションの実行画面を表示する(S209)。【0056】一方、操作実行部16は、操作手法がタッチ操作ではなくフリック操作である場合(S207:No)、フリック操作によってスライドされた方向が折り曲がる領域5の外か否かを判定する(S210)。【0057】そして、操作実行部16は、スライドされた方向が折り曲がる領域5の外か否かを判定し、折り曲がる領域5の外までスライドされた場合(S210:Yes)、スライド方向の画面領域に、該当するアプリケーションの実行画面を表示する(S211)。一方、操作実行部16は、スライドされた方向が折り曲がる領域5内である場合(S210:No)、アイコンの表示を終了する(S212)。」
F 「【0058】[具体例]次に、イベント発生時に、折り曲がる領域5に表示されるアイコンの具体例および当該アイコンへの操作による画面遷移の具体例を説明する。【0059】続きを表示(全13行)図10は、イベント発生時の画面遷移の具体例を説明する図である。図10に示すように、電子機器1は、読書アプリケーションなどを実行して小説などを表示している状態で、アプリケーションのイベント発生を検出すると、折り曲がる領域5に、該当アプリケーションのアイコンを表示する(S1)。【0060】その後、電子機器1は、表示したアイコンへのタッチ操作を検出しない場合は、アイコンの表示を終了する(S2)。同様に、電子機器1は、フリック操作によって、表示したアイコンが折り曲がる領域5内にスライドされた場合も(S3)、アイコンの表示を終了する(S4)。なお、ここでは、スライド方向の一例として、手とは反対方向にスライドされた場合を図示したが、手と同じ方向にスライドされた場合も同様に処理することができる。【0061】図11は、イベント発生時のタッチ操作による画面表示の具体例を説明する図である。図11に示すように、電子機器1は、読書アプリケーションなどを実行して小説などを表示している状態で、折り曲がる領域5にアイコンを表示する。【0062】この状態で、電子機器1は、アイコンがフリック操作によって画面領域3Bにスライドされた場合(S10)、画面領域3Bに、アプリケーションの実行画面6を表示する(S11)。【0063】一方、電子機器1は、折り曲がる領域5に表示されるアイコンへのタッチ操作を検出すると(S12)、電子機器1を把持する手が右手であることから、右手と反対側の画面領域3Aに、アプリケーションの実行画面6を表示する(S13)。この状態で、電子機器1は、フリック操作によって、画面領域3Aに表示されるアプリケーションの実行画面6が画面領域3Bにスライドされた場合(S14)、操作実行部16によって、アプリケーションの実行画面6を画面領域3Aから画面領域3Bへ移動させる(S15)。つまり、電子機器1は、アプリケーションの実行画面6の表示を、画面領域3Aではなく画面領域3Bに表示する。」
G 「【図1】[図:0001398179000001.jpg]」
H 「【図7】[図:0001398179000002.jpg]」
I 「【図9】[図:0001398179000003.jpg]」
J 「【図10】[図:0001398179000004.jpg]」
K 「【図11】[図:0001398179000005.jpg]」
(2)引用発明
A 上記(1)Bの段落【0011】には、電子機器1は、移動体端末であることが、また、段落【0013】には、フレキシブルディスプレイ3は、タッチパネルを含み、画面領域3Aと画面領域3Bとを含むディスプレイであって、折り曲げられるように構成され、画面領域3Aと画面領域3Bとを1つの領域として各種情報を表示したり、画面領域3Aと画面領域3Bとに領域を分割して、領域それぞれに対して各種情報を分割で表示したりすることができるものであることが、さらに、上記(1)Bの段落【0012】によれば、電子機器1、フレキシブルディスプレイ3から構成される表示装置2を有するものであることが記載されている。
してみると、引用文献1には、タッチパネルを含む、画面領域3Aと画面領域3Bとを含むディスプレイであって、折り曲げられるように構成され、画面領域3Aと画面領域3Bとを1つの領域として各種情報を表示したり、画面領域3Aと画面領域3Bとに領域を分割して、領域それぞれに対して各種情報を分割で表示したりすることができるフレキシブルディスプレイ3から構成される表示装置2を有する移動体端末である電子機器1、が記載されているといえる。
B 上記(1)E及び図9(上記(1)I)には、電子機器1における、イベント発生時の処理方法、が記載されている。また、上記(1)Dによれば、イベント発生時は、メール受信や着信などであることが記載されている。
してみると、引用文献1には、電子機器1における、メール受信や着信などのイベント発生時の処理方法、が記載されているといえる。
C そして、上記(1)E及び図9(上記(1)I)にはイベント発生時の処理方法として、
検出部14がイベント発生を検出すると(S201:Yes)、アイコン配置部15は、折り曲がる領域5が無効状態か否かを判定し(S202)、折り曲がる領域5が無効状態ではなく有効状態と判定された場合(S202:No)、一般的な処理と同様、タッチパネルの所定領域にアイコンが表示し(S203)、
一方、アイコン配置部15は、折り曲がる領域5が無効状態であると判定した場合(S202:Yes)、折り曲がる領域5にタッチ操作可能な領域を設定し、設定した当該領域にイベントが発生したアプリケーションのアイコンを表示し(S204)、
操作実行部16は、表示されたアイコンに対して、一定時間以内にタッチ操作等の操作を検出した場合(S205:Yes)、操作実行部16は、折り曲がる領域5へのタッチ操作を一定時間有効にし、操作手法がタッチ操作か否かを判定し(S207)、
操作実行部16は、操作手法がタッチ操作である場合(S207:Yes)、把持する手が右手か左手かを特定し(S208)、把持する手と反対側の画面領域に、該当するアプリケーションの実行画面を表示し(S209)、
一方、操作実行部16は、操作手法がタッチ操作ではなくフリック操作である場合(S207:No)、フリック操作によってスライドされた方向が折り曲がる領域5の外か否かを判定し(S210)、
操作実行部16は、スライドされた方向が折り曲がる領域5の外か否かを判定し、折り曲がる領域5の外までスライドされた場合(S210:Yes)、スライド方向の画面領域に、該当するアプリケーションの実行画面を表示し(S211)、一方、操作実行部16は、スライドされた方向が折り曲がる領域5内である場合(S210:No)、アイコンの表示を終了する(S212)、ことが記載されている。
また、上記(1)Cの段落【0028】ないし【0030】、図7(上記(1)H)には、折り曲がる領域5は、画面領域3Aと画面領域3Bの両方の領域を含む境界部分であって電子機器1を把持する時に親指が接触する領域である、ことが記載されているといえる。
さらに、上記(1)F、図10及び図11(上記(1)J及びK)には、イベント発生時の処理の具体例として、イベント発生時には、電子機器1のフレキシブルディスプレイ3の画面領域3Aと画面領域3Bは、読書アプリケーションなどを実行して小説などを表示している状態である、ことが記載されている。
D 上記AないしCの記載内容からすると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる
「タッチパネルを含む、画面領域3Aと画面領域3Bとを含むディスプレイであって、折り曲げられるように構成され、画面領域3Aと画面領域3Bとを1つの領域として各種情報を表示したり、画面領域3Aと画面領域3Bとに領域を分割して、領域それぞれに対して各種情報を分割で表示したりすることができるフレキシブルディスプレイ3から構成される表示装置2を有する移動体端末である電子機器1における、例えば、読書アプリケーションなどを実行して小説などを画面領域3Aと画面領域3Bに表示している状態で、メール受信や着信などのイベント発生時の処理方法であって、検出部14がイベント発生を検出すると(S201:Yes)、アイコン配置部15は、画面領域3Aと画面領域3Bの両方の領域を含む境界部分であって電子機器1を把持する時に親指が接触する折り曲がる領域5が無効状態か否かを判定し(S202)、折り曲がる領域5が無効状態ではなく有効状態と判定された場合(S202:No)、一般的な処理と同様、タッチパネルの所定領域にアイコンが表示し(S203)、一方、アイコン配置部15は、折り曲がる領域5が無効状態であると判定した場合(S202:Yes)、折り曲がる領域5にタッチ操作可能な領域を設定し、設定した当該領域にイベントが発生したアプリケーションのアイコンを表示し(S204)、操作実行部16は、表示されたアイコンに対して、一定時間以内にタッチ操作等の操作を検出した場合(S205:Yes)、操作実行部16は、折り曲がる領域5へのタッチ操作を一定時間有効にし、操作手法がタッチ操作か否かを判定し(S207)、操作実行部16は、操作手法がタッチ操作である場合(S207:Yes)、把持する手が右手か左手かを特定し(S208)、把持する手と反対側の画面領域に、該当するアプリケーションの実行画面を表示し(S209)、一方、操作実行部16は、操作手法がタッチ操作ではなくフリック操作である場合(S207:No)、フリック操作によってスライドされた方向が折り曲がる領域5の外か否かを判定し(S210)、操作実行部16は、スライドされた方向が折り曲がる領域5の外か否かを判定し、折り曲がる領域5の外までスライドされた場合(S210:Yes)、スライド方向の画面領域に、該当するアプリケーションの実行画面を表示し(S211)、一方、操作実行部16は、スライドされた方向が折り曲がる領域5内である場合(S210:No)、アイコンの表示を終了する(S212)、イベント発生時の処理方法。」
2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、次の事項が記載されている。
A 「【0029】[折り畳み式電子機器]図1は、2つのタッチスクリーンを搭載する電子機器の一例としてのスマートフォン100の平面図である。本発明の適用においては、一方がタッチスクリーンで他方が表示だけが可能なディスプレイとすることもできる。電子機器が搭載するディスプレイまたはタッチスクリーンの数は、少なくとも1つがタッチスクリーンであれば特に限定しない。」
B 「【0056】つぎに、本実施の形態にかかるアプリケーションの起動方法の他の例を説明する。図4は、ガイド画像250、270を利用したアプリケーションの起動方法の一例を説明するための図である。以下においては図3(A)に示す起動アイコン203に対するタッチ操作を例にして説明する。図4(A)の例では、起動アイコン203にタッチ操作をすると表示システム500はその周囲に補助画像251~261で構成されたガイド画像250を表示する。このときのタッチ操作は、続いて行われるジェスチャ操作の開始に相当する。補助画像251~261は周囲の起動アイコンにオーバーレイ(重畳)または半透明で表示され、まとまりのある一連のタッチ操作が終了すると消滅する。【0057】表示システム500は補助画像251~261を表示する段階では、アプリケーション画像またはプロパティ・ウィンドウの表示は行わないが、タッチ操作に続いて行われるジェスチャ操作を識別して対応するさまざまな処理を行う。補助画像251~261は、起動アイコン203に対する操作をユーザが認識するための情報または認識を補助する情報を含む。図4では情報を文字で表示する例を示しているが、補助画像251~261は、図形、写真、記号、または文字などの画像で構成することができる。【0058】起動アイコン203の左側および右側に表示する補助画像255、257は、起動アイコン203からみたタッチスクリーン200、300の相対的な位置に対するジェスチャ操作の方向を暗示する情報を表示する。起動アイコン203の上側に表示する補助画像251は、タッチスクリーン200、300の両方への表示を暗示する情報を表示する。起動アイコン203の下側に表示する補助画像253は、プロパティ・ウィンドウの表示を暗示する情報を表示する。」
C 「【図1】[図:0001398179000006.jpg]」
D 「【図4】[図:0001398179000007.jpg]」
3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、次の事項が記載されている。
A 「【0018】図2に示されるように、携帯電話機1Aは、2つの筐体11,12を有している。2つの筐体11,12は、互いの相対位置をオープン状態(開状態)とクローズ状態(閉状態)との間で変位可能にする機構によって連結されている。図2には、一方の筐体(例えば筐体12)を他方の筐体(例えば筐体11)に対してスライド移動させたオープン状態の携帯電話機1Aが示され、図3には、クローズ状態の携帯電話機1Aが示されている。【0019】また、筐体11,12には、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示部15,16がそれぞれ設けられている。これにより、携帯電話機1Aのオープン状態では、ユーザ(使用者)は、筐体11,12に設けられた表示部15,16をそれぞれ視認することが可能になる。一方、携帯電話機1Aのクローズ状態では、第2表示部16は筐体11によって隠されるので、ユーザは、第2表示部16を視認することができなくなる。」
B 「【0042】ステップSP13では、第2表示部16の表示内容を表示変更可能か否かが判断される。表示変更可能か否かの判断(表示変更可否判断)は、ROM110Cに記憶された表示変更可否データHDに基づいて行うことができる。表示変更可否データHDは、例えば、図7に示されるようなデータテーブルとして記憶されていてもよい。図7に示される表示変更可否データHDでは、アプリケーションソフトウェアAP1,AP3,AP4,AP6に関する情報が第2表示部16に表示されている場合に、表示変更「可」と設定され、アプリケーションソフトウェアAP2,AP5に関する情報が第2表示部16に表示されている場合に、表示変更「不可」と設定されている。【0043】当該ステップSP13で、第2表示部16の表示変更が不可であると判定された場合は、目的地までの案内動作を行うことなくステップSP14の通常処理が実行される。一方、第2表示部16の表示変更が可能であると判定された場合は、動作工程は、ステップSP15に移行される。【0044】ステップSP15では、表示制御部113によって、第2表示部16の表示内容が変更され、第2表示部16に選択された画像(選択画像)が表示される。図8に示されるように、例えば、選択画像として画像SG6が選択された場合は、第2表示部16には画像SG6が拡大されて表示される。」
C 「【図2】[図:0001398179000008.jpg]」
D 「【図7】[図:0001398179000009.jpg]」
第5 対比・判断
1 本願発明1について対比
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「フレキシブルディスプレイ3」の「画面領域3A」、「画面領域3B」は、各々、本願発明1の「第1画面」、「第2画面」に相当する。
また、引用発明の「電子機器1」は、「移動体端末」であって、「フレキシブルディスプレイ3」を有するものであるから、本願発明1の「第1画面および第2画面を備える端末」に相当する。
そして、引用発明の「イベント発生時の処理方法」は、「移動体端末である電子機器1における」ものであるから、本願発明1の「第1画面および第2画面を備える端末に適用する1つの情報処理方法」に相当する。
イ 引用発明の「イベント」は、「メール受信や着信など」である。ここで、本願発明1の「ターゲットイベント」に関して、本願の段落【0017】には「本実施形態において、前記ターゲットイベントは、着信、アラーム通知、ビデオ通話、低電力通知、またはカレンダー通知などの突発的なイベントとすることができる。」と記載されている。してみると、引用発明の「イベント」は、本願発明1の「ターゲットイベント」に相当する。
引用発明は「検出部14がイベント発生を検出すると(S201:Yes)、アイコン配置部15は、折り曲がる領域5が無効状態か否かを判定し(S202)」、「アイコン配置部15は、折り曲がる領域5が無効状態であると判定した場合(S202:Yes)、折り曲がる領域5にタッチ操作可能な領域を設定し、設定した当該領域にイベントが発生したアプリケーションのアイコンを表示(S204)し」、「アイコン」が「フリック操作」され「折り曲がる領域5の外までスライドされた場合(S210:Yes)、スライド方向の画面領域に、該当するアプリケーションの実行画面を表示し(S211)、一方、操作実行部16は、スライドされた方向が折り曲がる領域5内である場合(S210:No)、アイコンの表示を終了する(S212)」ものであるから、引用発明の「アイコン」は、イベントを指示するためのシンボルといえる。
また、引用発明の「イベント発生」の時は、「例えば、読書アプリケーションなどを実行して小説などを画面領域3Aと画面領域3Bに表示している状態」であるが、引用発明の「画面領域3Aと画面領域3B」は「それぞれに対して各種情報を分割で表示したりすることができる」ものであるから、「イベント発生」時には、「画面領域3Aと画面領域3B」のそれぞれに異なる「アプリケーション」の動作インターフェースが表示されていることも含まれるものと認められる。
してみると、引用発明の「アイコン」と、本願発明1の「前記ターゲットイベントを指示するためのフローティングウィジェット」、及び「前記フローティングウィジェットは、フローティングウィンドウ、又は、フローティングボールであ」ることとは、後記の点で相違するものの、「前記ターゲットイベントを指示するためのシンボル」の点では共通する。
そして、引用発明の「検出部14がイベント発生を検出すると(S201:Yes)、アイコン配置部15は、折り曲がる領域5が無効状態か否かを判定し(S202)」、「アイコン配置部15は、折り曲がる領域5が無効状態であると判定した場合(S202:Yes)、折り曲がる領域5にタッチ操作可能な領域を設定し、設定した当該領域にイベントが発生したアプリケーションのアイコンを表示(S204)」することと、本願発明1の「前記第1画面および第2画面にそれぞれアプリケーションの動作インターフェースが表示された場合において、ターゲットイベントを受信した後、ターゲット画面に前記ターゲットイベントを指示するためのフローティングウィジェットを表示すること」及び「前記ターゲット画面は、前記第1画面または前記第2画面であ」ることとは、後記の点で相違するものの、「前記第1画面および第2画面にそれぞれアプリケーションの動作インターフェースが表示された場合において、ターゲットイベントを受信した後、画面に前記ターゲットイベントを指示するためのシンボルを表示すること」の点では共通する。
ウ 引用発明は、「表示されたアイコンに対して、一定時間以内にタッチ操作等の操作を検出した場合(S205:Yes)、操作実行部16は、折り曲がる領域5へのタッチ操作を一定時間有効にし、操作手法がタッチ操作か否かを判定し(S207)」、「操作実行部16は、操作手法がタッチ操作ではなくフリック操作である場合(S207:No)、フリック操作によってスライドされた方向が折り曲がる領域5の外か否かを判定し(S210)、操作実行部16は、スライドされた方向が折り曲がる領域5の外か否かを判定し、折り曲がる領域5の外までスライドされた場合(S210:Yes)、スライド方向の画面領域に、該当するアプリケーションの実行画面を表示し(S211)、一方、操作実行部16は、スライドされた方向が折り曲がる領域5内である場合(S210:No)、アイコンの表示を終了する(S212)」ものである。
してみると、引用発明は、アイコンに対するフリック操作を受信して、イベントに対する処理として、フリック操作のスライドされた方向が折り曲がる領域5内である場合には、アイコンの表示を終了し、フリック操作のスライドされた方向が折り曲がる領域5の外である場合には、スライド方向の画面領域に、該当するアプリケーションの実行画面を表示するものといえる。
また、「アイコンの表示を終了」しても、イベントのアプリケーション自体はバックグランドで動作させることは常套手段である。
したがって、引用発明の「フリック操作」、「フリック操作のスライドされた方向が折り曲がる領域5内である場合」の操作、「フリック操作のスライドされた方向が折り曲がる領域5の外である場合」の操作、「アプリケーションの実行画面」は、各々、本願発明1の「フローティングウィジェットに対する入力」、「第1入力」、「第2入力」、「前記ターゲットイベントのユーザインターフェース」に相当する。
そして、引用発明の「表示されたアイコンに対して、一定時間以内にタッチ操作等の操作を検出した場合(S205:Yes)、操作実行部16は、折り曲がる領域5へのタッチ操作を一定時間有効にし、操作手法がタッチ操作か否かを判定し(S207)」、「操作実行部16は、操作手法がタッチ操作ではなくフリック操作である場合(S207:No)、フリック操作によってスライドされた方向が折り曲がる領域5の外か否かを判定し(S210)、操作実行部16は、スライドされた方向が折り曲がる領域5の外か否かを判定し、折り曲がる領域5の外までスライドされた場合(S210:Yes)、スライド方向の画面領域に、該当するアプリケーションの実行画面を表示し(S211)、一方、操作実行部16は、スライドされた方向が折り曲がる領域5内である場合(S210:No)、アイコンの表示を終了する(S212)」ことと、
本願発明1の「フローティングウィジェットに対する入力を受信することと、前記フローティングウィジェットに対する入力に応答して、前記ターゲットイベントを処理することと、を含み」、
「前記フローティングウィジェットに対する入力に応答して、前記ターゲットイベントを処理することは、前記フローティングウィジェットに対する入力が第1入力である場合において、前記ターゲットイベントに該当するアプリケーションがバックグラウンドで動作するように制御することと、フローティングウィジェットに対する入力が第2入力である場合において、前記ターゲット画面に前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することと、を含み、前記第1画面および第2画面にそれぞれ異なるアプリケーションの動作インターフェースが表示された場合において、前記ターゲット画面に前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することは、アプリケーションのホワイトリストを取得することと、前記第1画面および前記第2画面において動作しているアプリケーションの中では、前記アプリケーションのホワイトリストに属していないアプリケーションが存在するかどうかを検出することと、存在する場合において、前記アプリケーションのホワイトリストに属していないアプリケーションに該当する画面に、前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することと、を含む」こととは、後記の点で相違するものの、
「シンボルに対する入力を受信することと、前記シンボルに対する入力に応答して、前記ターゲットイベントを処理することと、を含み、前記シンボルに対する入力に応答して、前記ターゲットイベントを処理することは、前記シンボルに対する入力が第1入力である場合において、前記ターゲットイベントに該当するアプリケーションがバックグラウンドで動作するように制御することと、シンボルに対する入力が第2入力である場合において、前記第1画面または第2画面に前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することと、を含」むことの点では共通する。
したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
〈一致点〉
「第1画面および第2画面を備える端末に適用する1つの情報処理方法であって、前記第1画面および第2画面にそれぞれアプリケーションの動作インターフェースが表示された場合において、ターゲットイベントを受信した後、画面に前記ターゲットイベントを指示するためのシンボルを表示することと、シンボルに対する入力を受信することと、前記シンボルに対する入力に応答して、前記ターゲットイベントを処理することと、を含み、前記シンボルに対する入力に応答して、前記ターゲットイベントを処理することは、前記シンボルに対する入力が第1入力である場合において、前記ターゲットイベントに該当するアプリケーションがバックグラウンドで動作するように制御することと、シンボルに対する入力が第2入力である場合において、前記第1画面または第2画面に前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することと、を含む、情報処理方法。」
〈相違点1〉
本願発明では、ターゲットイベントを指示を表示する「画面」が、「ターゲット画面」であって、「前記ターゲット画面は、前記第1画面または前記第2画面であ」るのに対して、引用発明では、「フレキシブルディスプレイ3」の「折り曲がる領域5」であって、「画面領域3Aと画面領域3B」の両方を含むものである点。
〈相違点2〉
「シンボル」が、本願発明では、「フローティングウィジェット」であって、「前記フローティングウィジェットは、フローティングウィンドウ、又は、フローティングボールであ」るのに対して、引用発明では、「アイコン」であって、そのようなものではない点。
〈相違点3〉
本願発明では、「前記第1画面および第2画面にそれぞれ異なるアプリケーションの動作インターフェースが表示された場合において、前記ターゲット画面に前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することは、
アプリケーションのホワイトリストを取得することと、
前記第1画面および前記第2画面において動作しているアプリケーションの中では、前記アプリケーションのホワイトリストに属していないアプリケーションが存在するかどうかを検出することと、
存在する場合において、前記アプリケーションのホワイトリストに属していないアプリケーションに該当する画面に、前記ターゲットイベントのユーザインターフェースを表示することと、を含む」ものであるのに対して、
引用発明では、その旨の特定がされていない点。
(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、相違点1、3について検討する。
相違点1について
引用発明は、引用文献1の段落【0004】~【0006】に記載されるように、2画面端末では画面が大きく、画面の端に表示されるアイコン等を片手で操作することが難しく、両手に持ち替えるなどの煩わしい操作が発生するなど操作性が悪かったことの改善を課題とするものと認められる。そして、該課題を解決するために「画面領域3Aと画面領域3Bの両方の領域を含む境界部分であって電子機器1を把持する時に親指が接触する折り曲がる領域5」にアイコンを表示することで操作性を良くしたものであり、この折り曲がる領域5を画面領域3Aまたは画面領域3Bに変更してしまうと、把持している親指から遠くなり操作性が損なわれてしまうものと認められる。してみると、引用発明において、折り曲がる領域5を画面領域3Aまたは画面領域3Bに変更する理由が存在しない。
相違点3について
引用文献3には、2画面端末の一方の画面に対して突発的なイベントのための表示が生じた場合であっても、この一方の画面に特定のアプリケーションが表示されている際には、突発的なイベントの表示を行わせない特定のアプリケーションを規定したリスト(ホワイトリスト)が記載されている。
しかしながら、引用文献3のものは、2画面端末のそれぞれの画面において表示されているアプリケーションの各々について、突発的なイベントのための表示を禁止するものであるか否かを判断し、表示を禁止しないアプリケーケーションが表示されている画面に突発的なイベントのための表示を行うものではなく、また、そのようにすることについては、引用文献2にも記載されておらず、本願の優先日前において周知技術であったともいえない。
よって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、及び引用文献2及び3に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本願発明2及び3について
本願発明2及び3は、本願発明1を更に限定したものであるので、同様に、当業者であっても引用発明、及び引用文献2及び3に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本願発明4について
本願発明4は、本願発明1の「情報処理方法」を、「端末」へと単にカテゴリのみを変更したものに過ぎないことから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、及び引用文献2及び3に記載された技術に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
4 本願発明5及び6について
本願発明5及び6は、本願発明4を更に限定したものであるので、同様に、当業者であっても引用発明、及び引用文献2及び3に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
5 本願発明7について
本願発明7は、本願発明1ないし3の「情報処理方法」のステップが実行されるコンピュータプログラムが保存されている記憶媒体の発明へカテゴリのみを変更したものに過ぎないことから、本願発明1ないし3と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、及び引用文献2及び3に記載された技術に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。
第6 原査定について
<特許法29条2項について>
審判請求時の補正により、本願発明は上記第3に示したとおりのものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用発明(上記「第4 1」の引用文献1に記載された発明)、及び引用文献2及び3に記載された技術に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-019128