2022-018157
集積された受動部品を有する接合構造物
- 審判番号
- 2022-018157
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-535838外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年11月11日
- 審決日
- 2023年12月20日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 分類
- P18 .121-Z (H01G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
1 手続の経緯
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本願は、2017年12月28日(パリ条約による優先権主張2016年12月29日 米国、2017年6月12日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の概略は以下のとおりである。
2 本願発明
本願の請求項1ないし22に係る発明は、令和4年3月4日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし22に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】マイクロ電子デバイスであって、第1の非堆積絶縁基板と、第1の表面と前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するキャパシタであって、前記キャパシタの前記第1の表面が前記第1の非堆積絶縁基板に機械的に結合され、前記第1の表面が少なくとも1つの端子を有し、前記第2の表面が少なくとも1つの端子を有する、キャパシタと、第2の絶縁基板であって、前記キャパシタが前記第1の非堆積絶縁基板と前記第2の絶縁基板との間に配設されるように、前記キャパシタの前記第2の表面が前記第2の絶縁基板に機械的に結合された、第2の絶縁基板と、第1の接着材及び第2の接着材を備える絶縁要素であって、前記第1の非堆積絶縁基板と前記第2の絶縁基板との間に配設された絶縁要素と、前記キャパシタの第1の端子に電気的に接続するように前記第1の非堆積絶縁基板及び前記絶縁要素の一部を貫いて延在する第1の相互接続部と、を備え、前記キャパシタの前記第1の表面が、前記第1の接着材によって前記第1の非堆積絶縁基板に機械的に結合され、前記キャパシタの前記第2の表面が、前記第2の接着材によって前記第2の絶縁基板に機械的に結合されており、前記第1の非堆積絶縁基板及び前記第1の接着材は異なる材料で形成され、前記第2の絶縁基板及び前記第2の接着材は異なる材料で形成されている、マイクロ電子デバイス。」
3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由のうち、請求項1に係る拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
理由1.(新規性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された次の引用文献1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
理由2.(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された次の引用文献1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」というものである。
記
<引用文献等一覧>
1.国際公開第2012/005236号
4 引用文献の記載及び引用発明
(1)上記引用文献1(国際公開第2012/005236号)には、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した。)。
「[0022](第1の実施の形態)「積層配線基板の構成」先ず、本発明を適用した積層配線基板の構造を、図1を参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の積層配線基板の断面図である。本発明の第1の実施の形態の積層配線基板は、第1基板1と、第2基板2と、これら第1基板1と第2基板2間に内蔵される高さの異なる複数個の電子部品3(3A、3B、3C)と、これら電子部品3を埋め込む絶縁性埋め込み部材4と、を主たる構成としている。なお、電子部品3は、複数個でなく1個であってもよい。・・・(中略)・・・。[0026] 電子部品3は、抵抗やコンデンサ等の受動部品と、ICやダイオード或いはトランジスタ等の能動部品とからなる。ここで定義する電子部品3は、受動部品と能動部品の両方を含む概念である。本発明の第1の実施の形態では、電子部品として高さの異なる抵抗3Aと、コンデンサ3Bと、ICチップ3Cを使用した。これら電子部品3は、ICチップ3C、抵抗3A、コンデンサ3Bの順で高さが高くなるものとする。[0027] 抵抗3Aは、抵抗本体12の両側に設けた電極13を第1基板1の導電物8に接続させている。コンデンサ3Bは、コンデンサ本体14の両側に設けた電極15を第1基板1の導電物8に接続させている。ICチップ3Cは、ウエハ状IC16の表面に形成された電極パッド17と、この電極パッド17上に形成された導体回路18と、この導体回路18にコンタクトホール19を形成する絶縁層20を有して構成されている。このICチップ3Cは、導体回路(実際には導体回路18のランド部)18を第1基板1の導電物8に接続させている。また、抵抗3A、コンデンサ3B及びICチップ3Cは、第1基板1の接着層9によって接合されている。[0028] 特に本発明の第1の実施の形態では、受動部品である抵抗3Aの電極13及び同じく受動部品であるコンデンサ3Bの電極15は、何れも1電極あたり2以上の導電物8を介して導体回路6と電気的に導通されて接続されている。具体的には、図2の抵抗3Aを例にとって説明する。抵抗本体12の両側に設けたそれぞれの電極13には、第1基板に形成された、1電極あたり2つの導電物8,8が接触するようになっている。図示は省略するが、コンデンサ3Bの電極15にも1電極あたり2つの導電物8,8が接触するようになっている。これに対して、本発明の第1の実施の形態では、ICチップ3Cの導体回路18には、1導体回路18あたり1つの導電物8を接触させている。なお、必要に応じて、ICチップ3Cの導体回路18に、1導体回路18あたり2以上の導電物8,8を接触させることもできる。」
「[0038] 「積層配線基板の製造方法」次に、上述した積層配線基板の製造方法について、図5~図9を参照しながら説明する。図5はビアホール形成工程及び基板形成工程を示し、図6はICチップ形成工程を示し、図7は仮保持工程を示し、図8は埋め込み部材形成工程を示し、図9は貼り合わせ工程を示す。[0039] 先ず、第1基板1及び第2基板2を形成する基板形成工程を行う。先ず、図5(a)の工程では、例えばポリイミド樹脂フィルムからなるフレキシブルな絶縁層5の一方の面(上面)に銅箔製の配線材料層6Aが設けられた片面銅張板(CCL:Copper Clad Laminate)を用意する。絶縁層5及び配線材料層6Aには、それぞれ厚さ20μm(ポリイミド樹脂フィルム)及び12μm(銅箔)のものを使用した。[0040] また、そのCCLは、銅箔にポリイミドワニスを塗布してワニスを硬化させた、いわゆるキャスティング法により作製したもの、或いは、ポリイミドフィルム上にめっきシード層をスパッタし、電解銅めっきを成長させたもの、他にも圧延や電解銅箔とポリイミドフィルムとを貼り合わせたものなどを使用することができる。絶縁層5は、ポリイミド樹脂に代えて、液晶ポリマーなどのプラスチックフィルムを使用することもできる。続きを表示(全11行)・・・(中略)・・・。[0042] 図5(c)の工程では、絶縁層5の導体回路6とは反対側となる他方の面(下面)に接着層9及び樹脂フィルムFを順次重ねて加熱圧着により貼り合わせる。接着層9には、素材厚さ25μmのエポキシ系熱硬化性樹脂フィルム接着材を使用した。また、樹脂フィルムFには、厚さ25μmのポリイミド樹脂フィルムを使用した。その加熱圧着は、真空ラミネータを用い、減圧下の雰囲気中にて、上述した接着材の硬化温度以下の温度で、0.3MPaの圧力によるプレスを行った。・・・(中略)・・・。[0045] 次に、図5(d)のビアホール形成工程では、絶縁層5、接着層9及び樹脂フィルムFを下面側から貫通するようにYAGレ-ザで穿孔することによって、直径100μmのビアホール7を複数(図中では6箇所に2つずつ)形成する。ビアホール7は、電子部品の1電極あたり2つ(或いは2つ以上)設けるように形成する。その後、穴開け加工時に発生したスミアを除去するために、CF4及びO2混合ガスによるプラズマデスミア処理を施す。・・・(中略)・・・。[0048] そして、図5(e)の工程では、ビアホール7に、スクリーン印刷法により導電性ペースト8Aをそれぞれの空間を埋め尽くすまで充填する。導電性ペースト8Aは、ニッケル、銀、銅から選択される少なくとも1種類の低電気抵抗の金属粒子と、錫、ビスマス、インジウム、鉛から選択される少なくとも1種類の低融点金属粒子とを含み、エポキシ樹脂を主成分とするバインダ成分を混合したペーストで構成される。導電性ペースト8Aは、接着層9の硬化温度程度の低温で、上述した金属粒子がその粒子同士で拡散接合できたり、電子部品3と拡散接合できたりして合金化し易い金属組成を用いることにより、バルクの金属やめっきによる層間接続と同等の接続信頼性を確保できる。なお、導電性ペースト8Aは、熱伝導性にも優れているので、発生熱を外部へ熱伝導並びに放散させる効果を得ることもできる。[0049] その後、樹脂フィルムFを剥離する。その結果、印刷充填した導電性ペースト8Aの先端(下面)の部分は、剥離した樹脂フィルムFの厚さ寸法分の高さをもって接着層9の下面側に突出した状態で露出される。このように、樹脂フィルムFは、その厚さを適宜選定することによって後に導電物8となる導電性ペースト8Aの突出高さを調整する。以上の工程を経ることにより、電子部品の1電極あたり2つ以上の導電性ペースト8Aを有した第1基板1が形成される。」
「[0069] 「積層配線基板の構成」本発明の第2の実施の形態に係る積層配線基板は、図10に示すように、第1基板21と、第2基板31と、これら第1基板21及び第2基板31間に内蔵される電子部品60と、電子部品60を埋め込む埋め込み部材41とを備える。[0070] 第1基板21は、絶縁層22の上面に導体回路24が形成されると共に下面に接着層23が形成されている。絶縁層23及び接着層23を貫通して導体回路24の一部を露出させた複数のビアホール内に導電物(ビア)25がそれぞれ形成されている。[0071] 電子部品60としては、例えばコンデンサや抵抗等の受動部品や、IC等の能動部品が使用可能であり、150μm程度の厚さを有する。電子部品60は、本体61と、本体61の両側に配置された電極62,63とを有する。電子部品60は、各導電物25に電極62,63を接続させて導体回路24と電気的に接続される。電子部品60の電極62,63は、1電極62,63あたり2以上の導電物25を介して導体回路24と導通している。[0072] 第2基板31は、第1基板21の接着層23と対向させて電子部品60と埋め込み部材41を挟み込むように積層される接着層33と、接着層33の下面に配置された絶縁層32と、絶縁層32の下面に配置された導体回路34と、絶縁層32及び接着層33を貫通して導体回路34の一部を露出させた複数のビアホール内にそれぞれ形成された導電物35を有する。[0073] 埋め込み部材41は、電子部品60を埋め込むように電子部品60の周囲に配置されている。埋め込み部材41は、電子部品60を収容する開口部51,52を有する絶縁層42,46と、絶縁層42,46の間に配置された接着層43とを備える積層構造である。絶縁層42の上面には、導電物25と接続した導体回路44が配置されている。絶縁層42及び接着層43を貫通して導体回路44の一部を露出させた複数のビアホール内に導電物45がそれぞれ形成されている。一方、絶縁層46の下面には導電物35と電気的に接続した導体回路48が配置されている。絶縁層46を貫通して導体回路48の一部を露出させた複数のビアホール内及び絶縁層46の上面には、導電物45と接続した導体回路(めっきビア)47が配置されている。[0074] 絶縁層22,32,42,46としてはポリイミド樹脂フィルム等が使用可能である。絶縁層22,32,42の厚さは20~25μm程度であり、絶縁層46の厚さは50μm程度である。接着層23,33,43としてはエポキシ系熱硬化性樹脂等が使用可能であり、25μm程度の厚さを有する。導体回路24,34,44,47,48の材料としては銅(Cu)等が使用可能である。導電物25,35,45としてはニッケル、銀、銅から選択される少なくとも1種類の低電気抵抗の金属粒子と、錫、ビスマス、インジウム、鉛から選択される少なくとも1種類の低融点金属粒子とを含み、エポキシ樹脂を主成分とするバインダ成分を混合した導電性ペーストが使用可能である。」
(当審注:段落[0070]の「絶縁層23」は「絶縁層22」の誤記と認める。)
「[0078]「積層配線基板の製造方法」次に、本発明の第2の実施の形態に係る積層配線基板の製造方法の一例を、図11を参照して説明する。[0079] 図11に示すように電子部品60及び基材21,31,41a,41bを用意する。基材(第1基板)21は、絶縁層22と、絶縁層22の下面に配置された接着層23と、絶縁層22の上面に配置された導体回路24と、絶縁層22及び接着層23を貫通するビアホールに充填され、導体回路24と電気的に接続した導電性ペースト25Aとを備える。基材(第2基板)31は、絶縁層32と、絶縁層32の上面に配置された接着層33と、絶縁層32の下面に配置された導体回路34と、絶縁層32及び接着層33を貫通するビアホールに充填され、導体回路34と電気的に接続した導電性ペースト35Aとを備える。基材21,31は、図5に示した第1基板1を形成する工程と同様に形成することが可能である。[0080] 基材(第1の埋め込み部材)41aは、絶縁層42と、絶縁層42の下面に配置された接着層43と、絶縁層42の上面に配置された導体回路44と、絶縁層42及び接着層43を貫通するビアホールに充填され、導体回路44に電気的に接続した導電性ペースト45Aとを備える。基材41aの形成工程は、図5に示した第1基板1を形成する工程とほぼ同様であり、レーザ加工やエッチング等により電子部品60を収容するための開口部51が設けられる点が異なる。[0081] 基材(第2の埋め込み部材)41bは、絶縁層46と、絶縁層46の上面及び絶縁層46を貫通するビアホール内に配置された導体回路47と、絶縁層46の下面に配置された導体回路48とを備える両面板である。基材41bは、例えば絶縁層46の下面に積層した銅箔をエッチング等によりパターニングして導体回路48を形成し、レーザ加工やエッチング等により開口部52及びビアホールを設け、めっき等によりビアホール内及び絶縁層46の上面に導体回路(ビア)47を形成することより作製することができる。[0082] そして、図11に示すように、電子部品60を基材41a,41bの開口部51,52に収容されるように配置して、基材21,41a,41b,31を一括して積層する。この積層体に対して、真空キュアプレス機を用いて、減圧雰囲気中で積層方向に加熱圧着することにより、図10に示した積層配線基板を完成させる。図11に示した各基材21,41a,31の接着層23,43,33は、加熱圧着することで電子部品60の周囲に隙間なく密着するとともに、互いに密着して界面が無くなる。また、導電性ペースト25A,35A,45Aは、硬化すると同時に合金化された導電物25,35,45となる。」
「図2[図:0001410754000001.jpg]」
「図5[図:0001410754000002.jpg]」
「図10[図:0001410754000003.jpg]」
「図11[図:0001410754000004.jpg]」
(2)引用文献1の上記記載によれば、次の事項が記載されている。
ア 段落[0069]によれば、引用文献1には、第2の実施の形態に係る「積層配線基板」が記載されている。
イ 段落[0070]によれば、「積層配線基板」は、上面に導体回路24が形成されると共に下面に接着層23が形成される絶縁層22を備える。
ウ 段落[0070]によれば、「積層配線基板」は、絶縁層22及び接着層23を貫通して導体回路24の一部を露出させた複数のビアホール内に形成された導電物(ビア)25を備える。
エ 段落[0071]によれば、「積層配線基板」は、コンデンサであり、厚みが150μm程度の電子部品60を備える。
そして、第2の実施形態の積層基板の断面図である図10によれば、電子部品60は、高さ方向に対向する接着層23側の面(以下、「第1の面」という。)と接着層33側の面(以下、「第2の面」という。)の2つの面とを有することが見て取れる。
ここで、段落[0071]には、「電子部品60は、本体61と、本体61の両側に配置された電極62,63とを有する。電子部品60は、各導電物25に電極62,63を接続させて導体回路24と電気的に接続される。電子部品60の電極62,63は、1電極62,63あたり2以上の導電物25を介して導体回路24と導通している。」と記載され、図10によれば、導電物25が電子部品60の「第1の面」に接続していることが見て取れるから、電子部品60の「第1の面」上には電極62、63が形成され、該電極62、63にそれぞれ導電物25が接続されていることは当然のことである。
してみると、引用文献1の「積層配線基板」は、コンデンサであり、厚みが150μm程度の電子部品60であって、高さ方向に対向する第1の面と第2の面とを有し、第1の面上に形成された電極62、63にはそれぞれ導電物25が接続され、導電物25を介して導体回路24と導通する電子部品60が記載されているといえる。
オ 段落[0072]によれば、「積層配線基板」は、接着層23と対向させて電子部品60と埋め込み部材41を挟み込むように積層される接着層33の下面に配置された絶縁層32を備える。
カ 段落[0073]によれば、「埋め込み部材41」は、電子部品60を埋め込むように電子部品60の周囲に配置され、電子部品60を収容する開口部51,52を有する絶縁層42,46と、絶縁層42,46の間に配置された接着層43とを備える積層構造である。
キ 段落[0074]によれば、絶縁層22,32,42,46はポリイミド樹脂フィルムが使用され、絶縁層22,32,42の厚さは20~25μm程度であり、絶縁層46の厚さは50μm程度であり、接着層23,33,43はエポキシ系熱硬化性樹脂が使用され、25μm程度の厚さを有する。
ケ 段落[0078]ないし[0081]によれば、引用文献1に記載された第2の実施の形態に係る積層配線基板の製造する際に、下面に接着層23が配置された絶縁層22と、上面に接着層33が配置された絶縁層32と、下面に接着層43が配置され、電子部品60を収容するための開口部51が設けられた絶縁層42と、開口部52を設けた絶縁層46が用意される。
コ 段落[0082]の記載及び上記ケも踏まえれば、積層配線基板は、電子部品60を絶縁層42、絶縁層46の開口部51、52に収容されるように配置して、絶縁層22、絶縁層42、絶縁層46、絶縁層32を一括して積層し、真空キュアプレス機を用いて、減圧雰囲気中で積層方向に加熱圧着することにより完成される。
サ 段落[0082]によれば、接着層23,43,33は、加熱圧着することで電子部品60の周囲に隙間なく密着するとともに、互いに密着して界面が無くなる。
(3)上記(2)によれば、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「積層配線基板であって上面に導体回路24が形成されると共に下面に接着層23が形成される絶縁層22と、絶縁層22及び接着層23を貫通して導体回路24の一部を露出させた複数のビアホール内に形成された導電物25と、コンデンサであり、厚みが150μm程度の電子部品60であって、高さ方向に対向する第1の面と第2の面とを有し、第1の面上に形成された電極62、63にそれぞれ導電物25が接続され、導電物25を介して導体回路24と導通する電子部品60と、接着層23と対向させて電子部品60と埋め込み部材41を挟み込むように積層される接着層33の下面に配置された絶縁層32と、を備え、埋め込み部材41は、電子部品60を埋め込むように電子部品60の周囲に配置され、電子部品60を収容する開口部51,52を有する絶縁層42,46と、絶縁層42,46の間に配置された接着層43とを備える積層構造であり、絶縁層22,32,42,46はポリイミド樹脂フィルムが使用され、絶縁層22,32,42の厚さは20~25μm程度であり、絶縁層46の厚さは50μm程度であり、接着層23,33,43はエポキシ系熱硬化性樹脂が使用され、25μm程度の厚さを有し、積層配線基板は、下面に接着層23が配置された絶縁層22と、上面に接着層33が配置された絶縁層32と、下面に接着層43が配置され、電子部品60を収容するための開口部51が設けられた絶縁層42と、開口部52を設けた絶縁層46が用意され、電子部品60を絶縁層42、絶縁層46の開口部51、52に収容されるように配置して、絶縁層22、絶縁層42、絶縁層46、絶縁層32を一括して積層し、真空キュアプレス機を用いて、減圧雰囲気中で積層方向に加熱圧着することにより完成され、接着層23,43,33は、加熱圧着することで電子部品60の周囲に隙間なく密着するとともに、互いに密着して界面が無くなる、積層配線基板。」
5 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「絶縁層22」は、「ポリイミド樹脂フィルムが使用され」るから可撓性を有する絶縁性の基板といえ、本願発明の「第1の非堆積絶縁基板」とは、「第1の絶縁基板」である点で一致する。
ただし、第1の絶縁基板に関し、本願発明は「非堆積」絶縁基板であるのに対し、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
イ 引用発明の「高さ方向に対向する第1の面と第2の面とを有」する「コンデンサであ」る「電子部品60」は、本願発明1の「第1の表面と前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するキャパシタ」に相当する。
また、引用発明において、「電子部品60」は「第1の面上に形成された電極62、63にそれぞれ導電物25が接続され」、「導電物25」は「絶縁層22及び接着層23を貫通して導体回路24の一部を露出させた複数のビアホール内に形成された」ものであるから、「下面に接着層23が形成される絶縁層22」は「電子部品60」の「第1の面」側に配置されることは明らかである。さらに、「接着層23」「は、加熱圧着することで電子部品60の周囲に隙間なく密着する」のであるから、電子部品60の第1の面に接着層23を介して絶縁層22が接着されるといえる。
したがって、上記アも踏まえれば、引用発明における「コンデンサであ」る「電子部品60であって、高さ方向に対向する第1の面と第2の面とを有し」、電子部品60の第1の面に接着層23を介して絶縁層22が接着され、「第1の面上に」「電極62、63」が形成された「電子部品60」と本願発明とは、「第1の表面と前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するキャパシタであって、前記キャパシタの前記第1の表面が前記第1の絶縁基板に機械的に結合され、前記第1の表面が少なくとも1つの端子を有する、キャパシタ」である点で一致する。
ただし、第1の絶縁基板に関し、本願発明は「非堆積」絶縁基板であるのに対し、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
また、キャパシタに関し、本願発明は「第2の表面が少なくとも1つの端子を有」するのに対し、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
ウ 引用発明の「絶縁層32」は「ポリイミド樹脂フィルムが使用され」るから、可撓性を有する絶縁性の基板といえ、本願発明の「第2の絶縁基板」に相当する。
ここで、上記イで述べたように、引用発明において、「下面に接着層23が形成される絶縁層22」は「電子部品60」の「第1の面」側に配置されるところ、「接着層33」は「接着層23と対向させて電子部品60」「を挟み込むように積層される」から、「接着層33の下面に配置された絶縁層32」は、「電子部品60」の「第1の面」と「高さ方向に対向する」「第2の面」側に配置されるといえ、さらに、「接着層33」「は、加熱圧着することで電子部品60の周囲に隙間なく密着する」のであるから、電子部品60の第2の面に接着層33により絶縁層32が接着されるといえる。
してみると、上記アも踏まえれば、引用発明における「絶縁層22」の「下面に」「形成される」「接着層23と対向させて電子部品60」「を挟み込むように積層される接着層33の下面に配置され」、電子部品60の第2の面に接着層33を介して接着される絶縁層32と本願発明とは、「第2の絶縁基板であって、前記キャパシタが前記第1の絶縁基板と前記第2の絶縁基板との間に配設されるように、前記キャパシタの前記第2の表面が前記第2の絶縁基板に機械的に結合された、第2の絶縁基板」である点で一致する。
ただし、第1の絶縁基板に関し、本願発明は「非堆積」絶縁基板であるのに対し、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
エ 引用発明の「接着層23」及び「接着層33」は、本願発明の「第1の接着材」及び「第2の接着材」に相当する。
そして、引用発明において、「絶縁層22」の「下面に接着層23が形成され」、「接着層23と対向させて電子部品60と埋め込み部材41を挟み込むように積層される接着層33の下面に」「絶縁層32」が「配置され」るから、「接着層23」及び「接着層33」が「絶縁層22」と「絶縁層32」との間に位置することは明らかであり、また、「接着層23」と「接着層33」が「挟み込む」「埋め込み部材41」に備えられる「接着層43」も、「絶縁層22」と「絶縁層32」との間に位置するといえる。
さらに、引用発明の「接着層23,33,43はエポキシ系熱硬化性樹脂が使用され」、「加熱圧着することで電子部品60の周囲に隙間なく密着するとともに、互いに密着して界面が無くなる」ことから、「接着層23,33,43」は、一つの絶縁部材であるといえる。
してみると、上記アも踏まえれば、引用発明における「絶縁層22」と「絶縁層32」との間に配置され、「接着層23,33,43」からなる絶縁部材と本願発明とは、「第1の接着材及び第2の接着材を備える絶縁要素であって、前記第1の絶縁基板と前記第2の絶縁基板との間に配設された絶縁要素」である点で一致する。
ただし、第1の絶縁基板に関し、本願発明は「非堆積」絶縁基板であるのに対し、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
オ 引用発明の「コンデンサであ」る「電子部品60」の「第1の面上に形成された電極62、63」は、本願発明の「キャパシタの第1の端子」に相当する。
そして、引用発明の「導電物25」は、「第1の面上に形成された電極62、63にそれぞれ」「接続され」、「絶縁層22及び接着層23を貫通して」「形成された」ものであるから、引用発明と本願発明とは、「前記キャパシタの第1の端子に電気的に接続するように前記第1の絶縁基板及び前記絶縁要素の一部を貫いて延在する第1の相互接続部」である点で一致する。
ただし、第1の絶縁基板に関し、本願発明は「非堆積」絶縁基板であるのに対し、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
カ 上記アないしウで述べた点も踏まえれば、引用発明において、「電子部品60」の「第1の面」に「接着層23」を介して「絶縁層22」が接着され、「電子部品60」の「第2の面」に「接着層33」を介して「絶縁層32」が接着されることと本願発明とは、「前記キャパシタの前記第1の表面が、前記第1の接着材によって前記第1の絶縁基板に機械的に結合され、前記キャパシタの前記第2の表面が、前記第2の接着材によって前記第2の絶縁基板に機械的に結合され」る点で一致する。
ただし、第1の絶縁基板に関し、本願発明は「非堆積」絶縁基板であるのに対し、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
キ 引用発明の「絶縁層22,32」「はポリイミド樹脂フィルムが使用され」、「接着層23,33」「はエポキシ系熱硬化性樹脂が使用され」るところ、「ポリイミド樹脂フィルム」と「エポキシ系熱硬化性樹脂」は異なる材料であることは明らかである。
してみると、上記アも踏まえれば、引用発明における、「絶縁層22」は「ポリイミド樹脂フィルム」が使用され、「接着層23」は「エポキシ系熱硬化性樹脂」が使用されること、及び、「絶縁層32」は「ポリイミド樹脂フィルム」が使用され、「接着層33」は「エポキシ系熱硬化性樹脂」が使用されることと本願発明とは、「前記第1の絶縁基板及び前記第1の接着材は異なる材料で形成され、前記第2の絶縁基板及び前記第2の接着材は異なる材料で形成されている」点で一致する。
ただし、第1の絶縁基板に関し、本願発明は「非堆積」絶縁基板であるのに対し、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
ク 引用発明の「積層配線基板」は「電子部品60」を内蔵するものであるから、電子デバイスといえる。
また、引用発明の「電子部品60」は「厚みが150μm程度」であり、「絶縁層22,32,42の厚さは20~25μm程度であり、絶縁層46の厚さは50μm程度であり、接着層23,33,43は」「25μm程度の厚さを有し」ていることから、引用発明の「積層配線基板」の厚みもμmのサイズであることは明らかである。
してみれば、引用発明の「積層配線基板」は、本願発明の「マイクロ電子デバイス」に相当する。
ケ よって、本願発明と引用発明とは、
「マイクロ電子デバイスであって、第1の絶縁基板と、第1の表面と前記第1の表面と反対側の第2の表面とを有するキャパシタであって、前記キャパシタの前記第1の表面が前記第1の絶縁基板に機械的に結合され、前記第1の表面が少なくとも1つの端子を有する、キャパシタと、第2の絶縁基板であって、前記キャパシタが前記第1の絶縁基板と前記第2の絶縁基板との間に配設されるように、前記キャパシタの前記第2の表面が前記第2の絶縁基板に機械的に結合された、第2の絶縁基板と、第1の接着材及び第2の接着材を備える絶縁要素であって、前記第1の絶縁基板と前記第2の絶縁基板との間に配設された絶縁要素と、前記キャパシタの第1の端子に電気的に接続するように前記第1の絶縁基板及び前記絶縁要素の一部を貫いて延在する第1の相互接続部と、を備え、前記キャパシタの前記第1の表面が、前記第1の接着材によって前記第1の絶縁基板に機械的に結合され、前記キャパシタの前記第2の表面が、前記第2の接着材によって前記第2の絶縁基板に機械的に結合されており、前記第1の絶縁基板及び前記第1の接着材は異なる材料で形成され、前記第2の絶縁基板及び前記第2の接着材は異なる材料で形成されている、マイクロ電子デバイス。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
(相違点1)
第1の絶縁基板に関し、本願発明は「非堆積」絶縁基板であるのに対し、引用発明はその旨特定されていない点。
(相違点2)
キャパシタに関し、本願発明は「第2の表面が少なくとも1つの端子を有」するのに対し、引用発明はその旨特定されていない点。
6 相違点に対する判断
(1)相違点1について
ア 本願発明の「第1の非堆積絶縁基板」に関し、本願明細書の段落【0086】に「・・・。図10A~図10Gの部品3は、複数の基板(基板270a、270bなど)を、例えば、1つ以上の接着材によって及び/又は成形コンパウンドによって、1つ以上のキャパシタに結合することができる積層構造物を備えることができる。例示された実施形態では、基板270a、270bは、堆積プロセスを使用して堆積されることなく、キャパシタ220に積層又は被着される材料又は層を備えてもよい。」と記載され(下線は、当審が付与。)、同段落【0094】、【0097】、【0099】にも同様な記載が見られることから、「非堆積絶縁基板」とは、「堆積プロセスを使用して堆積されることなく、キャパシタに積層又は被着される層」を含むものと解される。
イ そして、引用発明おける「接着層23」と「接着層33」は「対向」して「電子部品60と埋め込み部材41を挟み込む」ものであり、また、引用発明の「積層配線基板は、下面に接着層23が配置された絶縁層22と、上面に接着層33が配置された絶縁層32と、下面に接着層43が配置され、電子部品60を収容するための開口部51が設けられた絶縁層42と、開口部52を設けた絶縁層46が用意され、電子部品60を絶縁層42、絶縁層46の開口部51、52に収容されるように配置して、絶縁層22、絶縁層42、絶縁層46、絶縁層32を一括して積層し、真空キュアプレス機を用いて、減圧雰囲気中で積層方向に加熱圧着することにより完成され、接着層23,43,33は、加熱圧着することで電子部品60の周囲に隙間なく密着する」ことから、引用発明は、予め用意された「絶縁層22」の「下面に」「形成され」た「接着層23」を「電子部品60」と対向させて、「加熱圧着することで電子部品60」「に隙間なく密着」させるものである。
してみると、該「絶縁層22」は、予め用意された層であり、電子部品60に積層される層である。
ウ そして、引用文献1の段落[0079] には「基材21,31は、図5に示した第1基板1を形成する工程と同様に形成することが可能である。」と記載されているところ、同引用文献1の段落[0039]、[0042]、[0045]、[0048]及び[0049]によれば、第1基板1は、先ず、ポリイミド樹脂フィルムからなるフレキシブルな絶縁層5の一方の面(上面)に銅箔製の配線材料層6Aが設けられた片面銅張板(CCL:Copper Clad Laminate)を用意し、絶縁層5の他方の面(下面)に接着層9及び樹脂フィルムFを順次重ねて加熱圧着により貼り合わせ、次に、絶縁層5、接着層9及び樹脂フィルムFを貫通するビアホール7に、導電性ペースト8Aを充填し、その後、樹脂フィルムFを剥離することにより形成される。そして、同段落[0040]には、CCLは、銅箔にポリイミドワニスを塗布してワニスを硬化させた、いわゆるキャスティング法により作製したもの、或いは、ポリイミドフィルム上にめっきシード層をスパッタし、電解銅めっきを成長させたもの、他にも圧延や電解銅箔とポリイミドフィルムとを貼り合わせたものなどを使用することができることが記載されている。
してみると、引用文献1には、「第1基板1」を構成する「絶縁層5」に対応する引用発明の「絶縁層22」として、銅箔にポリイミドワニスを塗布してワニスを硬化させたキャスティング法により作製したものを使用するか、又は、既に製造された既製のポリイミドフィルムを使用することが示唆されているといえる。
したがって、引用発明の「絶縁層22」として、既に製造された既製のポリイミドフィルムを使用する、即ち、非堆積絶縁基板を使用することは当業者が適宜なし得たことである。
(2)相違点2について
ア 第2の実施の形態の積層配線基板を構成する電子部品60に関し、段落[0071]には、「電子部品60としては、例えばコンデンサや抵抗等の受動部品・・・が使用可能であり、・・・・、本体61と、本体61の両側に配置された電極62,63とを有する。電子部品60は、各導電物25に電極62,63を接続させて導体回路24と電気的に接続される。電子部品60の電極62,63は、1電極62,63あたり2以上の導電物25を介して導体回路24と導通している。」と記載され、図10によれば、電子部品60の側面に形成された電極62、63は導電物25と電子部品60の上面で接続していることが見て取れるから、電子部品60の側面のみならず上面にも電極62、63が形成されていることは明らかである。
イ ここで、上面、側面に電極を形成するために、一般的な製造工程を経たコンデンサには、前記各面のみならず、両端面及び下面にも電極が形成されることは技術常識である(例えば、特開2013-254935号公報の段落【0020】ないし【0023】、【0030】、【0031】、【0038】、【0040】、図1ないし図4、特開2010-123865号公報の段落【0028】、【0030】、【0054】ないし【0060】、【0067】、図1、図3、特開2015-23120号公報の段落【0019】、【0029】、【0036】、【0040】、【0032】ないし【0034】、図1、図2、図5、特開2007-5788号公報の段落【0002】ないし【0006】、図1、図2、特開2014-93524号公報の段落【0044】、【0052】、【0074】、図1、図2、図4、国際公開第2016/170894号の段落[0018]ないし[0026]、図1、図2を各参照)から、上面、側面に電極62、63が形成された電子部品60においても、その下面に電極62、63が形成されていると解するのが自然である。さらに、引用発明において、「電子部品60」の下面、即ち「第2の面」に電極を形成しない格別な事情はない。
してみると、引用発明の「電子部品60」は「第2の面」にも「電極62、63」が形成されているものと認められ、相違点2は実質的な相違ではない。
ウ 仮に、相違点2が実質的な相違であるとしても、上記技術常識も踏まえれば、引用発明の「電子部品60」として、上面及び下面に電極が形成された電子部品を採用することは、当業者であれば当然想定し得たことであり、格別な困難性は認められない。
エ なお、上記引用文献1の段落[0072]、図10には、第2の実施形態の積層配線基板を構成する絶縁層32の下面に導体回路34を配置することが記載され、また、同段落[0003]、[0024]には、積層配線基板の裏面側に配線パターンを形成することも示唆されているところ、コンデンサが内蔵された積層基板において、積層基板の裏面側の配線パターンとコンデンサの下面に形成された電極とをビアを介して電気的に接続することも周知技術(上記「イ」で挙げた特開2010-123865号公報の段落【0068】、図3、特開2015-23120号公報の図5、特開2014-93524号公報の段落【0078】、図5、国際公開第2016/170894号の[0042]ないし[0045]、図6-2を参照。)であるから、引用発明においても、コンデンサの下面に電極を形成し、当該電極と積層配線基板の裏面側に形成された配線パターンとを導電物を介して電気的に接続することは当業者が必要に応じて適宜なし得ることに過ぎない。
(3)審判請求人の主張について
審判請求人は、令和4年12月21日提出の手続補正書(方式)において、引用文献1には、電極62,63の上側表面は、電極として機能することが示されておりますが、引用文献1には、電極62,63の下側表面が電極を含むことは、開示も示唆もされていない旨主張する。(5頁下から6ないし4行)
しかしながら、上記6(2)イで述べたように、一般的な製造工程を経たコンデンサには、その上面、側面のみならず、両端面及び下面にも電極が形成されることは普通に知られていることであり、さらに、引用発明において、「電子部品60」の下面、即ち「第2の面」に電極を形成しない格別な事情はないことからすれば、引用発明の「電子部品60」は「第2の面」にも「電極62、63」が形成されているものと認められる。
また、仮に、引用発明の「電子部品60」は「第2の面」に「電極62、63」が形成されていないとしても、上記6(2)ウで述べたように、引用発明の「電子部品60」として、上面及び下面に電極が形成された電子部品を採用することは、当業者であれば当然想定し得たことに過ぎない。
よって、審判請求人の主張は採用できない
7 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について検討するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-018157