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特許拒絶査定不服審判

2022-017723

製品の供給装置及び製品のストックを記録する方法

審判番号
2022-017723
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-567778外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年11月04日
審決日
2024年09月02日
公報発行日
2025年02月28日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A47F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-567778「製品の供給装置及び製品のストックを記録する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 8月30日国際公開、WO2018/153852、令和 2年 3月26日国内公表、特表2020-508833〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 13項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、2018年(平成30年)2月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2017年(平成29年)2月27日 ドイツ(DE))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和元年 9月19日 :翻訳文の提出
令和3年11月17日付け:拒絶理由通知書
令和4年 2月17日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 6月29日付け:拒絶査定
令和4年11月 4日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和6年 1月17日付け:拒絶理由通知書
令和6年 4月17日 :意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明

本願の請求項1及び7に係る発明(以下、それぞれ、「本願発明1」及び「本願発明7」という。)は、特許請求の範囲の請求項1及び7に記載された事項により特定される次のとおりのものであると認められる。

・本願発明1

「【請求項1】
製品(10)を供給するための装置(1)に関し、
複数の製品(10)を貯蔵するためのコンパートメント(2)を備え、そのコンパートメント上の1つまたは複数の製品(10)が除去領域(11)から除去され、コンパートメント(2)は固定点である後部壁(14)を備え、
除去領域(11)の反対側では、バネによって予め張力が掛けられたスライダ(4、12)が1つの製品(10)に対して位置し、スライダ(4、12)は製品(10)が除去されるとき供給方向に動かされ、
続きを表示(全11行)
製品のストックを記録するためのセンサが提供され、該製品のストックを記録するためのセンサは、スライダ(4、12)上に配置され、スライダ(4、12)と共に移動可能であり、
スライダ(4、12)上に動きセンサ(36)が配置されており、該動きセンサ(36)により、スライダ(4、12)が動くときに、スライダ(4、12)の動きが検出されて、製品のストックを記録する少なくとも1回の測定が実行される装置(1)において、
スライダ(4、12)上に回路基板(30、56、64)が設けられ、該回路基板は動きセンサ(36)及び製品のストックを記録するためのセンサを備え、
該回路基板(30、56、64)上に電子機器(31)が配備され、該電子機器(31)は前記製品のストックを記録するためのセンサに接続され、
製品のストックを記録するためのセンサは、後部壁(14)により反射される波ビームを放出する光学センサ(33)であり、
該光学センサ(33)は距離測定を実行して、後部壁(14)により反射された波ビームが再び光学センサ(33)に達するまでの時間を測定することにより、後部壁(14)に対するスライダ(4、12)の位置が検出されて、除去領域とスライダとの間に前後に配置された製品の長さが計算され、
コンパートメント内にまだ残っている製品の数も、製品の厚さの関数として決定される装置。」

・本願発明7

「【請求項7】
複数の製品(10)を有し、固定点である後部壁(14)を有するコンパートメント(2)における製品のストックを記録する方法であって、
除去領域(11)から製品(10)を引き出すステップと、
バネによって予め張力を掛けられ、その上に動きセンサ(36)と、後部壁(14)により反射される波ビームを放出する光学センサ(33)とを有するスライダ(4、12、12‘)によって、コンパートメント(2)に残っている他の製品(10)をシフトするステップと、
動きセンサ(36)によってスライドの動きを検出するステップと、
動きセンサ(36)の信号によって、製品のストックを記録するために光学センサ(33)の測定をトリガーするステップと、
光学センサ(33)が後部壁(14)により反射される波ビームが再び光学センサ(33)に達するまでの時間を測定することにより、後部壁(14)に対するスライダ(4、12)の位置の検出が実行されるステップを備え、
後部壁(14)に対するスライダ(4、12)の位置の検出により、除去領域(11)とスライダの間に前後に配置された製品の長さが計算され、コンパートメント内にまだ残っている製品の数も、製品の厚さの関数として決定される、方法。」

第3 当審で通知した拒絶の理由

本願の請求項1及び7は、令和6年4月17日に提出された手続補正書による手続補正により、この補正前の請求項1及び11を補正したものである。そして、当審がこの請求項1及び11に対し、令和6年1月17日付けで通知した拒絶の理由は、概略、次のとおりである。

この出願の請求項1及び11に係る発明は、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び下記の引用文献2に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

・引用文献1:米国特許出願公開第2011/0055103号明細書
・引用文献2:米国特許出願公開第2014/0008382号明細書

第4 引用文献

1 引用文献1

(1)引用文献1に記載された事項

上記拒絶の理由で引用した引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与した。以下同様。)。

ア 「[0003] The present invention relates to shelving and product display and a system for aiding in determining the inventory on the shelf in a retail store.」

(当審訳:[0003] 本発明は、棚および製品ディスプレイ、ならびに小売店における棚上の在庫の決定を支援するためのシステムに関する。)

イ 「[0005] A major cost in the operation of retail stores relates to inventory management, which includes the tracking and storing of inventory. A significant portion of this cost relates to product inventory management in the selling area of the store. A considerable portion of this inventory management cost is the periodic counting of product on the store shelves. This counting is necessary to determine the amount of product on the shelf and to help ensure the shelves are fully stocked.
[0006] Historically, the counting of inventory on store shelves was done manually and the results were recorded on paper. More recently, however, inventory has been counted manually with the use of a small hand-held computer that can be configured to transmit the entered data to a central computer that compiles data and can be programmed to make decisions regarding the purchase of products for restocking the shelves. These recent advances have helped reduce the cost of inventory management but counting inventory still requires significant manual labor. It would be beneficial to reduce the amount of manual labor required to count the inventory.」

(当審訳:[0005] 小売店の運営における主要なコストは、在庫の追跡及び保管を含む在庫管理に関連する。このコストの大部分は、店舗の売り場における製品在庫管理に関連する。この在庫管理コストのかなりの部分は、店舗棚上の製品の定期的な計数である。この計数は、棚上の製品の量を決定し、棚が完全にストックされることを確実にするために必要である。

[0006] 歴史的には、店舗棚上の在庫の計数は手動で行われ、結果は紙に記録された。

しかし、より最近では、データを編集する中央コンピュータに入力されたデータを送信するように構成することができ、棚に補充するための製品の購入に関する決定を行うようにプログラムすることができる小型のハンドヘルドコンピュータを使用して、在庫が手動でカウントされている。これらの最近の進歩は、在庫管理のコストを低減するのに役立ったが、在庫をカウントすることは依然としてかなりの手作業を必要とする。在庫を数えるのに必要な手作業の量を減らすことは有益であろう。)

ウ 「[0007] Another significant cost relating to inventory management is product theft. Certain items are relatively small but represent a high value to potential thieves who can either resell the items or use them for other illegitimate purposes, as in the case of certain pharmaceutical products. The losses generated by such thefts have a negative impact on the profitability of the retail stores.」

(当審訳:[0007] 在庫管理に関する別の重要なコストは、製品の盗難である。特定の商品は比較的小さいが、特定の医薬品の場合のように、その商品を再販売するか、または他の違法な目的のためにそれらを使用することができる潜在的な泥棒にとって高い価値を示す。このような窃盗によって生じる損失は、小売店の収益性に悪影響を及ぼす。)

エ 「[0056] FIG. 2a depicts a schematic of an embodiment of the sensor assembly 30. A printed circuit board (“PCB”) 35 is configured to support a sensor 50, the sensor 50 being compatible with the chosen type of indicia strip 21. A controller 55 is mounted to the PCB 35 and is configured to control the sensor 50 and transmit signals regarding the position of the pusher 25 via an antenna 65. The controller 55 can be configured to actuate the sensor 50 based on an input from the timing device 70. The timing device 70 can include, but is not limited to, a low power interval timer or a real time clock and is configured to provide information relating to the passage of time.」

(当審訳:[0056] 図2aは、センサアセンブリ30の一実施形態の概略図を示す。プリント回路基板(“PCB”)35はセンサ50を支持するように構成され、センサ50は選択されたタイプの証印ストリップ21と互換性がある。コントローラ55は、PCB35に取り付けられ、センサ50を制御し、アンテナ65を介してプッシャ25の位置に関する信号を送信するように構成される。コントローラ55は、タイミングデバイス70からの入力に基づいてセンサ50を作動させるように構成することができる。タイミングデバイス70は、限定はしないが、低電力間隔タイマまたはリアルタイムクロックを含むことができ、時間の経過に関する情報を提供するように構成される。)

オ 「[0072] In an alternative embodiment, the sensor 50 continuously monitors the indicia strip 21. When a product is removed from the shelf, the pusher 25 will move and the sensor 50 can scan a new representation on the indicia strip 21 corresponding to the new position of the pusher 25. The controller 55 can then send a transmission including the new position of the pusher 25 to the store computer 90 (i.e. the controller 55 can send a new pusher code). In this alternative embodiment, the store computer 90 can monitor the amount of product on the shelf in real time.」

(当審訳:[0072] 別の実施形態では、センサ50は証印ストリップ21を連続的に監視する。

製品が棚から取り出されると、プッシャ25は移動し、センサ50は、プッシャ25の新しい位置に対応する証印ストリップ21上の新しい表示を走査することができる。次いで、コントローラ55は、プッシャ25の新しい位置を含む送信をストアコンピュータ90に送信することができる(すなわち、コントローラ55は、新しいプッシャコードを送信することができる)。この代替実施形態では、店舗コンピュータ90は、棚上の製品の量をリアルタイムで監視することができる。)

カ 「[0116] A system for determining the location of the pusher with an indicia strip and sensor has been described. Numerous additional methods exist for measuring the distance between the front or rear of a shelf and the pusher or the final product in a facing of products. Based on this distance, and understanding the dimension of the products in the facing, a simple calculation can be performed to determine the number of products in the facing. This calculation can be performed by a microprocessor, store computer, controller or some other processing device which has received the information regarding the distance between the shelf front and the last product in a facing. Moreover, the pusher assembly has been described to include a spring. However, some other biasing method, such as gravity or magnetism, would also work to move the pusher and the product forward.」

(当審訳:[0116] 証印ストリップおよびセンサを用いてプッシャの位置を決定するためのシステムが説明された。棚の前部または後部とプッシャまたは製品の外装内の最終製品との間の距離を測定するための多数の追加の方法が存在する。この距離に基づいて、かつ面内の製品の寸法を理解して、面内の製品の数を決定するために簡単な計算を行うことができる。この計算は、棚前部と面材の最後の製品との間の距離に関する情報を受け取ったマイクロプロセッサ、ストアコンピュータ、コントローラ又は何らかの他の処理装置によって実行することができる。さらに、プッシャアセンブリは、ばねを含むように記載されている。しかし、重力または磁気などの他の付勢方法もまた、プッシャおよび製品を前方に移動させるように働く。)

キ 「[0117] In an embodiment of the present invention, as illustrated in FIG. 9, the use of transmitted light or other signal, such as a radio frequency signal, that is passed between a position near the back of the facing of products and a stationary position can be used to measure the distance between the front of the shelf and the pusher. In one embodiment, a transmitter 700 or 702 is incorporated into a pusher 725. The transmitter generates a light or other signal that can be transmitted on command, periodically or continuously. A light emitting diode (LED), radio frequency or ultrasonic generator or other signal generation device can be used to generate the light or signal.

[0118] A corresponding receiver is incorporated into a location that is stationary in relation to the pusher 725. The receiver 712 can be incorporated into a front rail or another location at or near the front of the shelf, a receiver 730 can be incorporated into a rear rail or other location at or near the rear of the shelf, it also can be incorporated into the floor of the shelf, the track of the pusher, the roof of the shelf or the divider wall. The receiver detects the signal that is sent from the transmitter. For example, a LED may radiate light having a particular intensity. A phototransistor acting as a receiver detects the light signals being emitted from the LED. The sensitivity of the phototransistor and the intensity of the LED may be adjusted by the microprocessor in order to adjust the overall sensitivity of the optical components. In an embodiment, the adjustment can be done remotely. Thus, the transmitter can communicate in a wireless fashion with the receiver through RF, IR or other known means such as magnetic fields, electrical fields, sound waves and the like.

[0119] The transmitter and receiver may be in communication with a controller that tracks the time of sending and receiving. This data can be provided to a processing device such as a microprocessor or a store computer, thus in this embodiment the pusher code would include the time interval between sending and receiving. Information regarding the time at which the signal was sent and the time at which it was received may be utilized by a processing device to determine the time between the transmission and the receipt of the signal. Based on this length of time, the processing device can calculate the distance between the transmitter and the receiver. Knowing the dimensions of the shelf, the pusher system and the components thereof, this distance can then be translated into the distance between the front side 6 of the shelf and the face of the pusher 25(当審注:「pusher 25」は、「pusher 725」の誤記) that is biased against the back of the facing of products. Such a translation is well known and within the knowledge of one of ordinary skill. If the relevant dimension of the products in the facing is known, the processing device can then calculate the number of products in the facing based on the known dimension of the products.

(当審訳:[0117] 本発明の一実施形態では、図9に示すように、製品の表面の後部付近の位置と静止位置との間を通過する透過光または無線周波数信号などの他の信号を使用して、棚の前部とプッシャとの間の距離を測定することができる。一実施形態では、送信機700または702は、プッシャ725に組み込まれる。送信機は、コマンドに応じて周期的または連続的に送信され得る光または他の信号を生成する。発光ダイオード(LED)、高周波又は超音波発生器又は他の信号生成装置を使用することができる。

[0118] 対応する受信機は、プッシャ725に対して静止した位置に組み込まれる。受信機712は、棚の前部またはその付近の前部レールまたは別の位置に組み込むことができ、受信機730は、棚の背面またはその付近の後部レールまたは他の位置に組み込むことができ、また、棚の床、プッシャのトラック、棚の屋根または仕切り壁に組み込むことができる。受信機は、送信機から送信された信号を検出する。例えば、LEDは、特定の強度を有する光を放射することができる。受信機として作用するフォトトランジスタは、LEDから放射される光信号を検出する。フォトトランジスタの感度およびLEDの強度は、光学構成要素の全体的な感度を調整するために、マイクロプロセッサによって調整され得る。一実施形態では、調整は遠隔で行うことができる。したがって、送信機は、RF、IR、または磁界、電界、音波などの他の既知の手段を介して受信機と無線方式で通信することができる。

[0119] 送信機および受信機は、送信および受信の時間を追跡するコントローラと通信しことができる。このデータは、マイクロプロセッサまたはストアコンピュータなどの処理デバイスに提供することができ、したがって、この実施形態では、プッシャコードは、送信と受信との間の時間間隔を含む。信号が送信された時間およびそれが受信された時間に関する情報は、信号の送信と受信との間の時間を決定するために処理デバイスによって利用され得る。この時間の長さに基づいて、処理デバイスは、送信機と受信機との間の距離を計算することができる。棚、プッシャシステムおよびその構成要素の寸法が分かれば、この距離は、棚の前面6と、製品の表面の背面に対して付勢されるプッシャ725の面との間の距離に変換することができる。このような変換は周知であり、当業者の知識の範囲内である。外装内の製品の関連する寸法が既知である場合、処理装置は、製品の既知の寸法に基づいて外装内の製品の数を計算することができる。)

ク 「[0120] In an alternative embodiment, the transmitter and the receiver switch locations. The transmitter can be placed at or near the front or the rear of the shelf or other relatively stationary position and the receiver can be placed on or near the pusher. In an alternative embodiment, the transmitter and the receiver can be incorporated into the same device which merely bounces a signal off a stationary position. For example, a reflector can be placed on the pusher and a transmitter/receiver using a laser, or some other light source, can determine the distance between the reflector and the transmitter/receiver based on the time of travel. Examples of possible transmitter/receivers include, but are not limited to, optical displacement measurement sensors and reflective laser sensors. As can be appreciated, if a transmitter and a receiver are used to determine distance, it is preferable that the location of either the part that is stationary be located near the front side or the rear side of the shelf so as to make the distance calculation simpler and to avoid problems with symmetric distances on both sides of the stationary unit mounted to the shelf. For example, mounting a transmitter halfway between the front and rear of the shelf would make determining the location of the pusher more complicated because there would be two possible locations for a given distance.
[0121] In an embodiment, depicted in FIG. 9, a transmitter (700, 702) is incorporated into a pusher 725. The transmitter is a light emitting diode and is located at any location on the pusher 725 that allows the transmitter to function. The transmitter can be located at the top of the pusher 725 at 700 or at the base of the pusher 725 at 702 or at other locations on the pusher 725.」

(当審訳:[0120] 代替実施形態では、送信機および受信機は位置を切り替える。送信機は、棚または他の比較的静止した位置の前部または後部に、またはその付近に配置することができ、受信機は、プッシャの上または付近に配置することができる。代替実施形態では、送信機および受信機は、静止位置から信号を跳ね返すだけの同じデバイスに組み込むことができる。例えば、反射器をプッシャ上に配置することができ、レーザまたは何らかの他の光源を使用する送信機/受信機は、移動時間に基づいて反射器と送信機/受信機との間の距離を決定することができる。可能な送信機/受信機の例は、光学変位測定センサおよび反射レーザセンサを含むが、これらに限定されない。理解され得るように、送信機および受信機が距離を決定するために使用される場合、静止している部分のいずれかの位置は、距離計算をより簡単にし、棚に取り付けられた静止ユニットの両側の対称的な距離に伴う問題を回避するように、棚の前側または後側の近くに位置することが好ましい。例えば、棚の前部と後部との間の中間に送信機を取り付けることは、所与の距離に対して2つの可能な位置があるため、プッシャの位置を決定することをより複雑にする。

[0121] 図9に示される実施形態では、送信機(700、702)はプッシャ725に組み込まれる。

送信機は発光ダイオードであり、送信機が機能することを可能にするプッシャ725上の任意の位置に配置される。送信機は、700としてプッシャ725の上部に、また702としてプッシャ725の基部に、またはプッシャ725上の他の場所に位置することができる。)

ケ 「[0122] A receiver is located at a position that is fixed in relation to the movement of the pusher 725. The receiver may be a phototransistor and can be located on the front of the shelf 705, such as receiver 710 or on a front rail 708 connected to the front of the shelf, such as receiver 712. The receiver can further be located on the floor of the shelf at any number of positions as represented by 714, on the floor of the pusher track at 716 or at a location above the shelf 705 such as on another shelf (not shown) mounted above the shelf 705. The receiver can be located on the divider wall at 720 or 722 or other location on the divider wall. The receiver also can be located near the rear side 707 at 730 or at 732. Preferably, the receiver will be mounted near the either front side 706 or the rear side 707 so as to make distance calculation simpler.
[0123] The receiver and the transmitter can also switch locations. The pusher can incorporate a receiver, and a transmitter can be incorporated at any of the locations 710-732 as well as in any other location that is fixed in relation to the movement of the pusher. Preferably, however, the location of the transmitter will be near either the front side 706 or the rear side 707 so as to make calculation of distance simpler.
[0124] In an embodiment, the transmitter is located at 700 and the receiver is located at 710. When the pusher moves backward or forward on the shelf, the transmitter 700, mounted on the pusher 725, moves with the pusher 725. When the pusher 725 is located near the back of the shelf, a signal will take a certain amount of time to travel from the transmitter 700 to the receiver 710. When the pusher 725 is located closer to the front of the shelf, a signal will take less time to travel from the transmitter 700 to the receiver 710. Data regarding the transmission and receipt of the signal (i.e. the pusher code) is sent to a microprocessor or other processing device. The processing device determines the amount of time it takes the signal to travel from the transmitter to the receiver. Knowing the signal travel speed, the processing device determines the distance between the transmitter and the receiver.」

(当審訳:[0122] 受信機は、プッシャ725の移動に対して固定された位置に配置される。受信機は、フォトトランジスタであってもよく、受信機710のように棚705の前部に、または受信機712のように棚の前部に接続された前部レール708に配置することができる。受信機はさらに、714によって表されるような任意の数の位置で棚の床に、716に示すプッシャトラックの床に、または棚705の上方に取り付けられた別の棚(図示せず)上などの棚705の上方の場所に配置することができる。受信機は、仕切り壁上の720または722または他の位置に配置することができる。

受信機はまた、730または732において背面707の近くに位置することができる。好ましくは、受信機は、距離計算をより簡単にするために、前面706または背面707のいずれかの近くに取り付けられる。

[0123] 受信機および送信機はまた、ロケーションを切り替えることができる。プッシャは、受信機を組み込むことができ、送信機は、位置710~732のいずれか、ならびにプッシャの移動に関して固定された任意の他の位置に組み込むことができる。しかしながら、好ましくは、送信器の位置は、距離の計算をより簡単にするように、前面706又は背面707のいずれかの近くにある。

[0124] 一実施形態では、送信機は700に位置し、受信機は710に位置する。プッシャが棚上を前後に移動すると、プッシャ725に取り付けられた送信機700がプッシャ725と共に移動する。プッシャ725が棚の後部付近に配置されている場合、信号は送信機700から受信機710まで移動するのにある程度の時間がかかる。プッシャ725が棚の前部のより近くに配置されると、信号が送信機700から受信機710に移動するのにかかる時間が短くなる。信号の送信および受信に関するデータ(すなわち、プッシャコード)は、マイクロプロセッサまたは他の処理デバイスに送られる。処理装置は、信号が送信器から受信器移動するのにかかる時間量を決定する。信号移動速度を知ることにより、処理装置は送信機と受信機との間の距離を決定する。)

コ 「[0125] With an understanding of the location of the transmitter in relation to the products and an understanding of the location of the receiver in relation to the front or back of the shelf, the processing device will be able to determine the distance between the pusher and the front of the shelf. Using the dimension of the products, the processing device can then determine the number of products in the facing. The light emitting diode or other transmitter can be set to function periodically, continuously or on command from a remote location.」

(当審訳:[0125] 製品に対する送信機の位置を理解し、棚の前部又は後部に対する受信機の位置を理解することにより、処理デバイスは、プッシャと棚の前部との間の距離を決定することができる。次いで、製品の寸法を使用して、処理デバイスは、棚面内の製品の数を決定することができる。発光ダイオードまたは他の送信機は、周期的に、連続的に、または遠隔位置からのコマンドに基づいて機能するように設定することができる。)

サ 「[0126] Alternatively, the processing device may control both the LED and phototransistor. The processing device may record a time T1 in which the microprocessor issues a command to generate a pulse from the LED and a time T2 in which the light signal is detected by the phototransistor. Both of these times T1 and T2 may be stored in memory and used to determine the number of product in the facing, using the above described relationships.」

(当審訳:[0126] あるいは、処理装置は、LEDとフォトトランジスタの両方を制御してもよい。処理装置は、マイクロプロセッサがLEDからパルスを生成するコマンドを発行する時間T1と、光信号がフォトトランジスタによって検出される時間T2とを記録することができる。これらの時間T1およびT2の両方は、メモリに記憶され得、そして上記の関係を使用して、表面材における製品の数を決定するために使用され得る。)

シ 引用文献1には、FIG.9(図9)として、次の図が記載されている。

[図:0001418470000001.jpg]

ス 引用文献1の段落[0117]ないし[0126]及び図9に記載されている装置は、棚にある製品の個数を求めるものであり(上記コの[0125])、この棚にある製品は、小売店の店舗棚上にあるものが想定されており(上記イの[0005])、一般に小売店の棚にある製品は、顧客に供給するものであるから、引用文献1には、製品を供給するための装置が記載されている。

セ この装置は、棚面内の製品の数を求めるものである(上記コの[0125])から、棚705には複数の製品が貯蔵されているといえる。また、引用文献1には、段落[0117]ないし[0126]及び図9に記載されている装置とは別の装置であるが、棚上から製品が取り出されることが記載(上記オの[0072])されており、このことは、段落[0117]ないし[0126]及び図9に記載されている装置においても同様である理解できる。また、引用文献1には、付勢されたプッシャにより棚の製品を前方に移動させることも記載されており(上記カの[0116])、これは、前方から製品が取り出されると、取り出された製品の後ろにある製品を前方に移動させることと理解でき、また顧客により取り出される製品は、1つの場合もあれば、複数の場合もあることは、明らかである。さらに、引用文献1の段落[0117]ないし[0126]及び図9に記載されている装置の棚705は、プッシャ725の動きに対して固定された位置である背面707を備えている(上記ケの[0122])。したがって、引用文献1には、複数の製品が貯蔵されている棚705を備え、その棚上の1つまたは複数の製品が前方から取り出され、棚705は、固定された位置である背面707を備えていることが記載されている。

ソ 引用文献1には、製品の背面に対して付勢されたプッシャ725を備えることが記載(上記キの[0119])されており、また、付勢されたプッシャ725により製品は前方に移動されること(上記カの[0116])を考慮すると、棚の後方側では、付勢されたプッシャ725が1つの製品に対して位置し、プッシャ725は製品が除去されるとき前方に動かされると理解できる。

タ 引用文献1には、送信機700と受信機730が組み込まれることが記載されている(上記キの[0117]及び[0118])。さらに、引用文献1には、この送信機700から信号が送信された時間と受信機730で受信された時間に基づいて、送信機700と受信機730の間の距離が計算され、この距離より製品の数が計算されることが記載(上記キの[0119])されているから、引用文献1には、製品の数を計算するための送信機700と受信機730が組み込まれることが記載されている。そして、この製品の数を計算するための送信機700と受信機730のうちの送信機700は、プッシャ725に組み込まれ、プッシャ725と共に移動可能であり(上記キの[0117])、受信機730は、棚の背面に組み込まれている(上記キの[0118])。

チ 引用文献1には、送信機が周期的に、連続的に、または遠隔位置からのコマンドに基づいて機能することが記載(上記コの[0125])されている。そして、送信機が機能したときに送信機700と受信機730を用いた製品の数を計算するための距離の測定が実行される(上記コの[0125])といえるから、引用文献1の段落[0117]ないし[0126]及び図9に記載されている装置は、周期的に、連続的に、または遠隔位置からのコマンドに基づいて、製品の数の計算が実行されるといえる。

ツ 引用文献1に記載されている送信機700及び受信機730から信号の送信及び受信に関するデータがマイクロプロセッサまたは他の処理デバイスに送られる(上記ケの[0124])ことから、引用文献1の段落[0117]ないし[0126]及び図9に記載されている装置は、マイクロプロセッサまたは他の処理デバイスが備えられ、このマイクロプロセッサまたは他の処理デバイスは、製品の数を計算するための送信機700と受信機730に接続されているといえる。

テ 製品の数を計算するための送信機700と受信機730のうちの送信機700は、発光ダイオードであり、この発光ダイオードで発光した光を棚の背面付近に組み込まれた受信機730で受信することから、光は、棚の背面707に向けて放射されるといえる。

(2)引用発明1及び2

上記(1)より、引用文献1には、次の装置に関する発明(以下、「引用発明1」という。)及び方法に関する発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

・引用発明1

「製品を供給するための装置に関し、
複数の製品が貯蔵されている棚705を備え、その棚上の1つまたは複数の製品が前方から取り出され、棚705は固定された位置である背面707を備え、
棚の後方側では、付勢されたプッシャ725が1つの製品に対して位置し、プッシャ725は製品が除去されるとき前方に動かされ、
製品の数を計算するための送信機700と受信機730が組み込まれ、該製品の数を計算するための送信機700と受信機730のうちの送信機700は、プッシャ725に組み込まれ、プッシャ725と共に移動可能であり、受信機730は、棚の背面707に組み込まれ、
周期的に、連続的に、または遠隔位置からのコマンドに基づいて、製品の数を計算するための距離の測定が実行される装置において、
プッシャ725上に製品の数を計算するための送信機700と受信機730のうちの送信機700が備えられ、
マイクロプロセッサまたは他の処理デバイスを備え、該マイクロプロセッサまたは他の処理デバイスは前記製品の数を計算するための送信機700と受信機730に接続され、
製品の数を計算するための送信機700と受信機730のうちの送信機700は、背面707に向けて光を放出する発光ダイオードであり、
該発光ダイオードと受信機730は、距離を測定するために背面707に向けて放出した光が受信機730で受信された時間に基づいて、送信機700と受信機730の間の距離が計算され、棚の前方とプッシャ725との間に配置された製品の長さが計算され、
棚の製品の数を製品の既知の寸法に基づいて決定される装置。」

・引用発明2

「複数の製品を有し、固定された位置である背面707を有する棚705にある製品の数の計算を実行する方法であって、
棚705の前方から製品を取り出す段階と、
付勢され、その上に背面707に向けて光を放射する発光ダイオードを有するプッシャ725によって、棚705にある製品を前方に移動する段階と、
周期的に、連続的に、または遠隔位置からのコマンドに基づいて、発光ダイオードを機能させる段階と、
発光ダイオードが放射した光が背面707の近くに位置する受信機730に達するまでの時間により、背面707からプッシャ725までの距離の算出が実行される段階を備え、
背面707からプッシャ725までの距離の算出により、棚の前方とプッシャ725との間に配置された製品の長さが計算され、棚の製品の数を製品の既知の寸法に基づいて決定される、方法。」

2 引用文献2

上記拒絶の理由で引用した引用文献2には、次の事項が記載されている。

(1)「[0002] Various embodiments of the present invention relate generally to inventory and theft prevention technology, and more particularly, relate to an item pusher apparatus with channel-based displacement detection and associated methods.」

(当審訳:[0002] 本発明の様々な実施形態は、一般に在庫および盗難防止技術に関し、より詳細には、チャネルベースの変位検出を有する物品プッシャ装置および関連する方法に関する。)

(2)「[0003] As one might expect, retail product sales are detrimentally impacted by the products simply being unavailable to customers on the sales floor. In some instances, replacement stock may be as nearby as a stock room. However, store personnel may be unaware of out-of-stock conditions on the sales floor, and therefore shelves or other product displays can remain empty for extended periods of time and potential sales can be lost.」

(当審訳:[0003] 予想されるように、小売製品の販売は、売り場にいる顧客が製品を入手できないことによって悪影響を受ける。いくつかの例では、補充ストックは、ストックルームの近くに置かれてもよい。しかしながら、店員は、売り場における在庫切れ状態に気付かない場合があり、したがって、棚または他の製品ディスプレイは、長期間空のままである可能性があり、潜在的な販売が失われる可能性がある。)

(3)「[0020] Various example embodiments of the present invention may operate, and/or may be configured, to detect and respond to sales and theft activity associated with the use of an item pusher device. FIG. 1 illustrates an example item pusher 100 that may be used in combination with various example embodiments. While the item pusher 100 illustrates one type of item pusher device, one of skill in the art would appreciate that the various example embodiments of the present invention may be used in combination with a variety of item pusher-type devices.]
(当審訳:[0020] 本発明の様々な例示的な実施形態は、物品プッシャ装置の使用に関連する販売及び盗難行為を検出し、それに応答するように動作することができ、及び/又はそのように構成することができる。図1は、様々な例示的実施形態と組み合わせて使用され得る、例示的アイテムプッシャ100を図示する。アイテムプッシャ100は、1つのタイプのアイテムプッシャデバイスを図示するが、当業者は、本発明の種々の例示的実施形態が、種々のアイテムプッシャタイプデバイスと組み合わせて使用され得ることを理解する。)
(4)「[0022] To perform these and other functions item pushers, such as the item pusher device 100, may include a pushing member 110, a force exertion device (e.g., constant three spring, a spiral spring 120, or the like), a slide 130, and a stopping member 140 (e.g., a faceplate). Alternatively, some item pushers may use slide-less designs. The pushing member 110 may be a component of a movable shuttle 150 which may comprise the component or components that move along a defined movement path relative to the stopping member 140. The stopping member 140 may be any type of hardware (e.g., plastic, metal, etc.) that is fixed in place to counter the force being applied by the pushing member 110 and thereby stop motion of the items stocked in the item pusher 100 and motion of the pushing member 110. In this example apparatus, the shuttle 150 includes the pushing member 110 and the three exertion device (e.g., the spiral spring 120). As depicted in FIG. 1, the force exertion device―in this case the spiral spring 120―exerts a force on the shuttle 150 in the direction of the faceplate 140 because one end of the spiral spring is affixed to the slide 130 adjacent to the stopping member 140. It is contemplated that this force may be generated in a number of ways through, for example, the additional or alternative use of coil springs that either push or pull the shuttle 150 towards the stopping member 140. Further, in some example embodiments, the shuttle 150 may move along a declined plane towards the stopping member 140, and therefore gravity may generate or contribute to the three generated towards the stopping member 140. In this instance, the force exertion device may simply be the weight of the shuttle 150 which merely operates as a follower behind the stocked items and urges the items forward as a result of its weight. The force that is applied to the shuttle 150 would also be applied to an item that is placed in between the pushing member 110 and the stopping member 140. Therefore, the force provided by the shuttle 150, assuming a sufficient magnitude, would urge or push the item towards the stopping member 140 until the item rests against the stopping member 140.」
(当審訳:[0022] これらおよび他の機能を実行するために、アイテムプッシャデバイス100等のアイテムプッシャは、押動部材110と、力付与デバイス(例えば、コンスタントスリースプリング、渦巻きばね120等)と、スライド130と、停止部材140(例えば、面板)とを含んでもよい。あるいは、いくつかのアイテムプッシャは、スライドレス設計を使用してもよい。押圧部材110は、停止部材140に対して画定された移動経路に沿って移動する1つ又は複数の構成要素を含み得る可動シャトル150の構成要素であってもよい。停止部材140は、押し部材110によって加えられる力に対抗し、それによって物品プッシャ100内にストックされた物品の動き及び押し部材110の動きを停止させるように定位置に固定された任意の種類のハードウェア(例えば、プラスチック、金属など)であってもよい。この例示的な装置では、シャトル150は、押圧部材110及び3つの作用デバイス(例えば、渦巻きばね120)を含む。図1に示されるように、力付与装置、この場合は渦巻ばね120は、渦巻ばねの一端が停止部材140に隣接してスライド130に固定されているので、面板140の方向にシャトル150に力を付与する。この力は、例えば、シャトル150を停止部材140に向かって押すかまたは引くかのいずれかであるコイルばねの追加的または代替的な使用を通して、いくつかの方法で生成され得ることが企図される。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、シャトル150は、停止部材140に向かって傾斜した平面に沿って移動することができ、したがって、重力は、停止部材140に向かって生成される3つを生成するか、またはそれに寄与することができる。この例では、力付与装置は単にシャトル150の重量であってもよく、これは単にストックされたアイテムの後ろで従動子として動作し、その重量の結果としてアイテムを前方に付勢する。シャトル150に加えられる力は、押圧部材110と停止部材140との間に配置された物品にも加えられる。したがって、シャトル150によって提供される力は、十分な大きさを仮定すると、アイテムが停止部材140に対して静止するまで、アイテムを停止部材140に向かって付勢または押圧する。)
(5)「[0025] FIG. 2 illustrates an example embodiment of the present invention in the form of an item pusher 205 having a monitoring device 200. The item pusher 205 may include the components described with respect to item pusher 100, which may operate in the same or similar fashion, however, with the addition of the monitoring device 200. The monitoring, device 200 may be configured to monitor a state of a sensor 210 to determine a position of the shuttle 150 relative to the stopping member 140 along a defined movement path for the shuttle 150. As depicted in FIG. 2, the item pusher device 205 is stocked with items 250a, 250b, and 250c, which have been moved to the front of the item pusher device 500 by the force applied on the items by the pusher member 110 (as described with respect to FIG. 1). Because the items stocked in the item pusher 205 have the same dimensions, the monitoring device 200 can determine a number of items currently stocked in the item pusher using the item width 760 and the measured shuttle displacement distance 750. The monitoring device 201) may use the following relationship to determine the number of items currently stocked in the item pusher 205:
(Shuttle Displacement Distance)/(Item Width)=No. of Items in the Item Pusher」
(当審訳:[0025] 図2は、監視装置200を有する物品プッシャ205の形態の本発明の例示的な実施形態を示す。アイテムプッシャ205は、アイテムプッシャ100に関して説明した構成要素を含むことができ、これらの構成要素は、同じ又は同様の仕方で動作することができるが、監視装置200が追加される。監視装置200は、センサ210の状態を監視して、シャトル150の画定された移動経路に沿った停止部材140に対するシャトル150の位置を決定するように構成されてもよい。図2に示されるように、物品プッシャ装置205は、(図1に関して説明されたように)プッシャ部材110によって物品に印加される力によって物品プッシャ装置500の前方に移動された物品250a、250b、および250cをストックする。アイテムプッシャ205にストックされたアイテムは同じ寸法を有するので、監視デバイス200は、アイテム幅760および測定されたシャトル変位距離750を使用して、アイテムプッシャに現在ストックされているアイテムの数を決定することができる。監視デバイス201は、以下の関係を使用して、アイテムプッシャ205内に現在ストックされているアイテムの数を決定することができる。
(シャトル移動距離)/(アイテム幅)=アイテムプッシャ内のアイテム数」
(6)「[0033] The monitoring device 200 may also be powered by a battery 330 or the monitoring device 200 may be powered via a connection to a wired power source (e.g., mains powered). In some example embodiments, the operation of the monitoring device 200 may be controlled to minimize the power utilization and prolong battery life. Additionally, the monitoring device may include a mounting fastener 340 that is configured to permit the monitoring device 200 to be installed on, for example, the shuttle 150 or elsewhere on the item pusher 205.
[0034] The sensor 210 may be a device that responds to movement of the shuttle 150 by providing an output that indicates a position of the shuttle 150. According to some example embodiments, the sensor 210 may include a potentiometer with a member that is actuated and thereby changes resistance at the output of the potentiometer as the shuttle 150 is moved along a defined movement path. According to some example embodiments, the sensor 210 may include any type of device that provides a variable electrical output (e.g., voltage, current, etc.) having a value that bears a relationship to a physical position of, for example, a sensor pin. The processing circuitry 300 may be configured to receive the output signal of the sensor 210 (e.g., the output of the potentiometer) and translate the output signal into a shuttle displacement distance or a representation of the shuttle displacement distance for analysis or reporting.
[0035] FIG. 4s illustrates an example circuit diagram of the sensor 210, which may be driven and analyzed by the processing circuitry 300 to determine a position of the shuttle 150. In this regard, the processing circuitry 300 may drive the Vout node 410 by applying a voltage at a given level (e.g., 3 volts). As illustrated, the voltage at Vout is also applied across the potentiometer 430 and, due to movement of the shuttle 150, the resistance―and therefore the voltage―at the potentiometer output 435 may change in relation to the movement of the shuttle to provide an indication of the position of the shuttle 150. The example sensor circuit of FIG. 4a also includes a resistor 440 and a capacitor 450, which are included to facilitate detection of an output signal at the Vpot node 420. The Vpot node 420 may be electrically connected to the processing circuitry 300, and the processing circuitry 300 may be configured to, via the shuttle displacement analyzer module 350, analyze the signal at the node 420 and generate as representation of the position of the shuttle 150 based on the signal (e.g., the voltage level of the signal).
[0036] FIG. 4b illustrates example voltage waveforms that may be present on nodes 410 and 420. According to some example embodiments, rather than continuously applying a voltage to the Vout node 410, the processing circuitry 300―via the shuttle displacement analyzer module 350―may be configured to reduce battery consumption by applying to voltage to the potentiometer 430 when a sample of the signal at the Vpot node 420 is to be taken. An example scenario is provided in FIG. 4b. At 455, both Vout and Vpot are in a low state since no voltage is being applied by the processing circuitry 300. At 460, the processing circuitry 300 applies a voltage to Vout, which in turn, causes the voltage in Vpot to increase. After a threshold waiting period, the signal at Vpot may be at a stable level and a sample may be taken at 470 to determine a signal level 490, which is indicative of the position of the shuttle 150. Subsequent to taking the sample, the processing circuitry 300, via the shuttle displacement analyzer module 350, may be configured to remove the voltage to the potentiometer 430 at 480 to conserve battery life until the next sampling event. Sampling events may be performed at a regular interval or in response to a trigger, such as for example, actuation of a motion detection switch (e.g., jiggle switch, motion sensitive/actuated switch, motion or tilt sensor, a mercury switch, a gravity switch, as vibration switch, or the like). The output of the motion detection switch may indicate that movement of the shuttle has occurred. A motion detection switch may be any type of device that detects movement to jostling.」

(当審訳:[0033] 監視デバイス200はまた、バッテリ330によって電力供給され得るか、または監視デバイス200は、有線電源(たとえば、商用電源)への接続を介して電力供給され得る。いくつかの例示的な実施形態では、監視装置200の動作を制御して、電力利用を最小限に抑え、バッテリ寿命を延ばすことができる。加えて、監視装置は、監視装置200が、例えば、シャトル150またはアイテムプッシャ205上の他の場所に設置されることを可能にするように構成される、搭載締結具340を含んでもよい。

[0034] センサ210は、シャトル150の位置を示す出力を提供することによってシャトル150の移動に応答するデバイスであってもよい。いくつかの例示的な実施形態によれば、センサ210は、作動され、それによってシャトル150が画定された移動経路に沿って移動されるときにポテンショメータの出力における抵抗を変化させる部材を有するポテンショメータを含むことができる。いくつかの例示的な実施形態によれば、センサ210は、例えばセンサピンの物理的位置との関係を有する値を有する可変電気出力(例えば、電圧、電流など)を提供する任意のタイプのデバイスを含むことができる。処理回路300は、センサ210の出力信号(例えば、電位差計の出力)を受信し、分析または報告のために出力信号をシャトル変位距離またはシャトル変位距離の表現に変換するように構成されてもよい。

[0035] 図4は、シャトル150の位置を決定するために処理回路300によって駆動及び分析され得るセンサ210の例示的な回路図を示す。この点に関して、処理回路300は、所与のレベル(例えば、3ボルト)の電圧を印加することによってVoutノード410を駆動することができる。図示されるように、Voutにおける電圧はまた、電位差計430にわたって印加され、シャトル150の移動に起因して、抵抗、したがって、電位差計出力435における電圧は、シャトルの移動に関連して変化し、シャトル150の位置の指示を提供し得る。図4aの例示的なセンサ回路はまた、Vpotノード420における出力信号の検出を容易にするために含まれる抵抗器440およびキャパシタ450を含む。Vpotノード420は、処理回路300に電気的に接続されてもよく、処理回路300は、シャトル変位分析器モジュール350を介して、ノード420における信号を分析し、信号(例えば、信号の電圧レベル)に基づいてシャトル150の位置の表現を生成するように構成されてもよい。

[0036]図4bは、ノード410および420上に存在し得る例示的な電圧波形を示す。いくつかの例示的な実施形態によれば、Voutノード410に電圧を連続的に印加するのではなく、処理回路300は、シャトル変位分析器モジュール350を介して、Vpotノード420における信号のサンプルが取得されるべきときに電位差計430に電圧を印加することによってバッテリ消費を低減するように構成され得る。例示的なシナリオを図4bに提供する。455において、処理回路300によって電圧が印加されていないので、VoutおよびVpotの両方はロー状態にある。460において、処理回路300は、Voutに電圧を印加し、これにより、Vpotの電圧が上昇する。閾値待機期間の後、Vpotにおける信号は安定したレベルにあり得、470において、シャトル150の位置を示す信号レベル490を決定するためにサンプルが取られ得る。サンプルを採取した後、処理回路300は、シャトル変位分析器モジュール350を介して、480において電位差計430への電圧を除去し、次のサンプリングイベントまでバッテリ寿命を節約するように構成されてもよい。サンプリング事象は、規則的な間隔で、または、例えば、動き検出スイッチ(例えば、ジグルスイッチ、動き感知/作動スイッチ、動きまたは傾斜センサ、水銀スイッチ、重力スイッチ、振動スイッチなど)の作動などのトリガに応答して実行され得る。動き検出スイッチの出力は、シャトルの動きが生じたことを示すことができる。動き検出スイッチは、押し合う動きを検出する任意のタイプのデバイスとすることができる。)

(7)引用文献2には、FIG.1ないし4a,4b(図1ないし4a、4b)として、次の図が記載されている。

[図:0001418470000002.jpg]

[図:0001418470000003.jpg]

第5 本願発明1の容易性について

(1)対比、一致点及び相違点

本願発明1と引用発明1とを対比する。

引用発明1において、「複数の製品が貯蔵されている棚705」は、複数の製品を貯蔵するための棚705であるから、引用発明1の「棚705」は、本願発明1の「コンパートメント(2)」に相当し、引用発明1の「複数の製品が貯蔵されている棚705」は、本願発明1の「複数の製品(10)を貯蔵するためのコンパートメント(2)」に相当する。また、引用発明1の「1つまたは複数の製品が前方から取り出され」ることは、本願発明1の「1つまたは複数の製品(10)が除去領域(11)から除去され」ることに相当し、引用発明1の「固定された位置」及び「背面707」は、それぞれ、本願発明1の「固定点」、「後部壁(14)」に相当する。そうすると、引用発明1の「複数の製品が貯蔵されている棚705を備え、その棚上の1つまたは複数の製品が前方から取り出され、棚705は固定された位置である背面707を備え」ることは、本願発明1の「複数の製品(10)を貯蔵するためのコンパートメント(2)を備え、そのコンパートメント上の1つまたは複数の製品(10)が除去領域(11)から除去され、コンパートメント(2)は固定点である後部壁(14)を備え」ることに相当する。

引用発明1の「棚の後方側」は、本願発明1の「除去領域(11)の反対側」に相当し、引用発明1の「付勢された」ことは、本願発明1の「予め張力が掛けられた」ことに相当する。さらに、引用発明1の「プッシャ725」は、本願発明1の「スライダ(4、12)」に相当し、引用発明1の「製品が除去されるとき前方に動かされ」ることは、本願発明1の「製品(10)が除去されるとき供給方向に動かされ」ることに相当する。そうすると、引用発明1の「棚の後方側では、付勢されたプッシャ725が1つの製品に対して位置し、プッシャ725は製品が除去されるとき前方に動かされ」ることは、本願発明1の「除去領域(11)の反対側では」、「予め張力が掛けられたスライダ(4、12)が1つの製品(10)に対して位置し、スライダ(4、12)は製品(10)が除去されるとき供給方向に動かされ」ることに相当する。

引用発明1において、「製品の数を計算する」ことは、計算した製品の数を記録するために計算するものと解されるから、引用発明1の「製品の数を計算する」ことは、本願発明1の「製品のストックを記録する」ことに相当する。また、引用発明1の「送信機700と受信機730」は、本願発明1の「センサ」に相当し、引用発明1の「送信機700と受信機730が組み込まれ」ることは、本願発明1の「センサが提供され」ることに相当する。さらに、引用発明1の「該製品の数を計算するための送信機700と受信機730のうちの送信機700は、プッシャ725に組み込まれ、プッシャ725と共に移動可能であ」ることは、本願発明1の「該製品のストックを記録するためのセンサは、スライダ(4、12)上に配置され、スライダ(4、12)と共に移動可能であ」ることと、製品のストックを記録するためのセンサの少なくとも一部は、スライダ上に配置され、スライダと共に移動可能である限りで一致する。

引用発明1において、「製品の数を計算するための距離の測定が実行される」ことは、本願発明1において、「製品のストックを記録する少なくとも1回の測定が実行される」ことに相当する。

引用発明1の「プッシャ725上に製品の数を計算するための送信機700と受信機730のうちの送信機700が備えられ」ることは、本願発明1の「スライダ(4、12)上に回路基板(30、56、64)が設けられ、該回路基板は動きセンサ(36)及び製品のストックを記録するためのセンサを備え」られることと、スライダに製品のストックを記録するためのセンサの少なくとも一部を備える限りで一致する。

引用発明1の「マイクロプロセッサまたは他の処理デバイス」は、本願発明1の「電子機器(31)」に相当する。そうすると、引用発明1の「マイクロプロセッサまたは他の処理デバイスを備え、該マイクロプロセッサまたは他の処理デバイスは前記製品の数を計算するための送信機700と受信機730に接続され」ることは、本願発明1の「電子機器(31)が配備され、該電子機器(31)は前記製品のストックを記録するためのセンサに接続され」ることに相当する。

引用発明1において、「製品の数を計算するための送信機700と受信機730のうちの送信機700は、背面707に向けて光を放出する発光ダイオードであ」ることは、本願発明1の「製品のストックを記録するためのセンサは、後部壁(14)により反射される波ビームを放出する光学センサ(33)であ」ることと、製品のストックを記録するためのセンサは、後部壁へ波ビームを放出する光学センサである限りで一致する。

引用発明1の「該発光ダイオードと受信機730は、距離を測定するために背面707に向けて放出した光が受信機730で受信された時間に基づいて、送信機700と受信機730の間の距離が計算され、棚の前方とプッシャ725との間に配置された製品の長さが計算され」ることは、本願発明1の「該光学センサ(33)は距離測定を実行して、後部壁(14)により反射された波ビームが再び光学センサ(33)に達するまでの時間を測定することにより、後部壁(14)に対するスライダ(4、12)の位置が検出されて、除去領域とスライダとの間に前後に配置された製品の長さが計算され」ることと、光学センサは距離測定を実行して、後部壁と光学センサの間を波ビームが移動するのに要する時間に関連した時間を測定することにより、後部壁に対するスライダの位置が検出されて、除去領域とスライダとの間に前後に配置された製品の長さが計算される限りで一致する。

引用発明1の「棚の製品の数を製品の既知の寸法に基づいて決定される」ことは、本願発明1の「コンパートメント内にまだ残っている製品の数も、製品の厚さの関数として決定される」ことに相当する。

以上のことから、本願発明1と引用発明1とは、次の一致点及び相違点1ないし4を有する。

・一致点

「製品を供給するための装置に関し、
複数の製品を貯蔵するためのコンパートメントを備え、そのコンパートメント上の1つまたは複数の製品が除去領域から除去され、コンパートメントは固定点である後部壁を備え、
除去領域の反対側では、予め張力が掛けられたスライダが1つの製品に対して位置し、スライダは製品が除去されるとき供給方向に動かされ、
製品のストックを記録するためのセンサが提供され、製品のストックを記録するためのセンサの少なくとも一部は、スライダ上に配置され、スライダと共に移動可能であり、
製品のストックを記録する少なくとも1回の測定が実行される装置において、
スライダに製品のストックを記録するためのセンサの少なくとも一部を備え、
電子機器が配備され、該電子機器は前記製品のストックを記録するためのセンサに接続され、
製品のストックを記録するためのセンサは、後部壁へ波ビームを放出する光学センサであり、
該光学センサは距離測定を実行して、後部壁と光学センサの間を波ビームが移動するのに要する時間に関連した時間を測定することにより、後部壁に対するスライダの位置が検出されて、除去領域とスライダとの間に前後に配置された製品の長さが計算され、
コンパートメント内にまだ残っている製品の数も、製品の厚さの関数として決定される装置。」

・相違点1

本願発明1は、スライダ(4、12)が「バネによって」予め張力が掛けられているのに対し、引用発明1は、プッシャ725が「付勢されて」いるものの、この付勢が何によるものか特定されていない点。

・相違点2

本願発明1は、「スライダ(4、12)上に動きセンサ(36)が配置されており、該動きセンサ(36)により、スライダ(4、12)が動くときに、スライダ(4、12)の動きが検出されて」、製品のストックを記録する少なくとも1回の測定が実行されるのに対し、引用発明1は、「周期的に、連続的に、または遠隔位置からのコマンドに基づいて」、製品の数を計算するための距離の測定が実行される点。

・相違点3

製品のストックを記録するためのセンサの少なくとも一部は、スライダ上に配置され、スライダと共に移動可能であること、製品のストックを記録するためのセンサは、後部壁へ波ビームを放出する光学センサであること、及び光学センサは距離測定を実行して、後部壁と光学センサの間を波ビームが移動するのに要する時間に関連した時間を測定することにより、後部壁に対するスライダの位置が検出されて、除去領域とスライダとの間に前後に配置された製品の長さが計算されることに関し、本願発明1は、「該製品のストックを記録するためのセンサは、スライダ(4、12)上に配置され、スライダ(4、12)と共に移動可能であり」、光学センサ(33)は、「後部壁(14)により反射される波ビームを放出」し、「該光学センサ(33)は距離測定を実行して、後部壁(14)により反射された波ビームが再び光学センサ(33)に達するまでの時間を測定することにより、後部壁(14)に対するスライダ(4、12)の位置が検出され」るのに対し、引用発明1は、「該製品の数を計算するための送信機700と受信機730のうちの送信機700は、プッシャ725に組み込まれ、プッシャ725と共に移動可能であり」、「受信機730は、棚の背面707に組み込まれ」、発光ダイオードは、「背面707に向けて光を放出」し、「該発光ダイオードと受信機730は、距離を測定するために背面707に向けて放出した光が受信機730で受信された時間に基づいて、送信機700と受信機730の間の距離が計算され」る点。

・相違点4

本願発明1は、「スライダ(4、12)上に回路基板(30、56、64)が設けられ、該回路基板は動きセンサ(36)及び製品のストックを記録するためのセンサを備え」、「該回路基板(30、56、64)上に電子機器(31)が配備され」るのに対し、引用発明1は、「プッシャ725上に製品の数を計算するための送信機700と受信機730のうちの送信機700が備えられ」ているものの送信機700については、プッシャ725のどこに備えられるのか不明であり、また受信機730はプッシャ725に備えられるものではなく、また、引用発明1は、「マイクロプロセッサまたは他の処理デバイスを備え」ているものの、これらの配備される箇所が不明な点。

(2)判断

相違点1ないし4について検討する。

ア 相違点1について

プッシャ725を付勢する手段としてバネを用いることは、引用発明1とは別の実施形態であるが、引用文献1(上記第4・1(1)カに示す[0116]参照)に記載され、また、引用文献2(上記第4・2(4)に示す[0022]参照)にも記載されているように周知技術である。

そして、引用発明1において、プッシャ725を付勢する具体的手段は当業者が適宜設定し得たことであるから、当該手段としてバネを適用し、相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を得ることは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 相違点2について

引用発明1において、棚の製品の数を計算するために要する電力を低電力とすることは当業者にとって自明な課題であり、引用文献1にもそのための回路を低電力なものとすることが示唆されている(上記第4・1(1)エに示す[0056]参照)。また、プッシャ725が静止している間は、製品の数が変わらず、製品の数が変わるのはプッシャ725が動いたときだけであることは、引用文献1に接した当業者にとって自明な事項である。

そして、引用文献2には、押圧部材110の位置を検出して製品の在庫数を監視する装置において、動き検出スイッチの作動をトリガとしてセンサのサンプリングを行うこと、それにより装置の低電力化を図ることが記載(上記第4・2(6)に示す[0036]参照)されており、低電力化を図るために、これを引用発明1に適用し、プッシャ725の動きが検出できるようにプッシャ725に動きセンサを設け、動きセンサによりプッシャ725の動きが検出されたとき、製品の数を計算するための測定が実行されるようにし、本願発明1の上記相違点2に係る発明特定事項を得ることは当業者が容易になし得た事項である。

ウ 相違点3について

引用文献1には、送信機700と受信機730について、「代替実施形態では、送信機および受信機は、静止位置から信号を跳ね返すだけの同じデバイスに組み込むことができる」(上記第4・1(1)クに示す[0120]参照)ことが記載されている。すなわち、引用発明1は、プッシャ725に送信機700を組み込み、受信機730を固定された位置である背面707の近辺に組み込んだものであるが、引用文献1には、これら送信機と受信機に関し、同じデバイスに組み込み、静止位置から信号を跳ね返し、すなわち、反射された信号を用いることも記載されている。そして、引用発明1において、この記載により送信機700と受信機730とを同じデバイスに組み込むことは、背面707に送信機700と受信機730を組み込み、プッシャ725で反射した信号を用いるか、プッシャ725に送信機700と受信機730を組み込み、背面707で反射する信号を用いるかのいずれかとなり、このいずれであっても、背面707に対するプッシャ725の位置(距離)が測定できることは、本願の優先日前において、移動するものに光学的な送信機と受信機を設け、対象物までの距離を計測することが周知技術(周知例として、特開平11-344335号公報(特に【0009】、図1参照。)、特開2011-27598号公報(特に【0023】、【0024】、図1、2参照。)、特開2016-49231号公報(特に【0019】、【0022】、【0032】、【0033】、図1ないし3参照)がある。)であることを考慮すれば、当業者にとって、自明であるから、引用文献1に記載された上記記載は、送信機700と受信機730を背面に組み込む場合とプッシャ725に組み込む場合の両者を示唆しているといえる。そして、前者の場合には、送信機700は、プッシャ725で反射される信号を放出し、送信機700と受信機730は、距離測定を実行して、プッシャ725により反射された信号が受信機730に達するまでの時間を測定することにより、背面707に対するプッシャ725の位置が検出されることとなり、後者の場合には、送信機700は、背面707で反射される信号を放出し、送信機700と受信機730は、距離測定を実行して、背面707により反射された信号が受信機730に達するまでの時間を測定することにより、背面707に対するプッシャ725の位置が検出されることとなる。

そうすると、引用文献1には、送信機700と受信機730とを背面707に組み込むことと共に、送信機700と受信機730とをプッシャ725に組み込むことも示唆されているといえ、この示唆にしたがい、引用発明において、送信機700と受信機730とをプッシャ725に組み込み、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項を得ることは、当業者が容易に想到し得た事項である。

エ 相違点4について

本願の優先日前において、センサやコントローラをプリント回路基板に実装することは、周知かつ慣用技術であって、引用文献1にも、引用発明1とは別の実施形態であるものの、このことが記載(上記第4・1(1)エに示す[0056]参照。)されている。そうすると、引用発明1において、送信機700と受信機730をプリント回路基板に配備すると共に、これら送信機700と受信機730と接続されているマイクロプロセッサまたは他の処理デバイスもこのプリント回路基板に配備することにより、上記相違点4に係る本願発明1の発明特定事項を得ることは当業者が容易になし得た事項である。

オ 効果等について

一致点、及び相違点1ないし4に係る本願発明1の発明特定事項を一体にみても、本願発明1の奏する効果は、引用発明1、引用文献2に記載された事項及び周知技術から、当業者が予測したものであり、格別なものとはいえない。

カ 請求人の意見について

審判請求人は、引用文献1の段落[0120]の「…stationary position.」に続く「For example …the time of travel/」の記載(当審注:上記第4・1(1)クの[0120]参照)から「送信機及び/受信機(すなわち、距離測定用の光学センサ)は、プッシャ(スライダ)上に配置されるのではなく、その代わりに、反射器がプッシャ(スライダ)上に配置される。つまり、当業者がこの記載を読めば、プッシャ上に送信機/受信機、すなわち光学センサが配置されるのではなく、送信機/受信機は静止位置に配置されることが判る。送信機/受信機、すなわち光学センサがプッシャ(スライダ)に配置されなければ、前記の明細書[0004]に記載された、「電源への複雑な配線は不要である」との技術的効果は達成されない。」(令和6年4月17日提出の意見書の3.(2)(ア)参照)旨主張する。

そして、引用文献1には、請求人の主張のとおり、「For example, a reflector can be placed on the pusher and a transmitter/receiver using a laser, or some other light source, can determine the distance between the reflector and the transmitter/receiver based on the time of travel.」(当審訳:例えば、反射器をプッシャ上に配置することができ、レーザまたは何らかの他の光源を使用する送信機/受信機は、移動時間に基づいて反射器と送信機/受信機との間の距離を決定することができる。)と記載されている。しかし、この記載は、「In an alternative embodiment, the transmitter and the receiver can be incorporated into the same device which merely bounces a signal off a stationary position.」(当審訳:代替実施形態では、送信機および受信機は、静止位置から信号を跳ね返すだけの同じデバイスに組み込むことができる。)という記載をうけて、「For example」と記載されているように、送信機と受信機を同じデバイスに組み込んだものの1つの例示として示されているものであり、送信機と受信機を配置する位置について、静止位置に限定する意図をもって記載されたものとは解されない。そして、引用文献1に接した当業者にとって、送信機と受信機をプッシャ725に配置することが容易であるのは、上記ウに示すとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。

第6 本願発明7の容易性について

(1)対比、一致点及び相違点

本願発明7と引用発明2とを対比する。

引用発明2の「固定された位置」、「背面707」は、それぞれ、本願発明7の「固定点」、「後部壁(14)」に相当する。また、引用発明2の「棚705」は、本願発明7の「コンパートメント(2)」に相当し、引用発明2の「棚705にある製品の数の計算を実行する」ことは、計算した製品の数を記録するために計算するものと解されるから、引用発明2の「棚705にある製品の数の計算を実行する」ことは、本願発明7の「コンパートメント(2)における製品のストックを記録する」ことに相当する。そうすると、引用発明2の「複数の製品を有し、固定された位置である背面707を有する棚705にある製品の数の計算を実行する方法」は、本願発明7の「複数の製品(10)を有し、固定点である後部壁(14)を有するコンパートメント(2)における製品のストックを記録する方法」に相当する。

引用発明2の「棚705の前方」は、本願発明7の「除去領域(11)」に相当し、引用発明2の「製品を取り出す段階」は、本願発明7の「製品(10)を引き出すステップ」に相当する。

引用発明2の「プッシャ725」は、本願発明7の「スライダ(4、12、12‘)」に相当し、引用発明2において、プッシャ725が「付勢され」ることは、本願発明7において、スライダ(4、12、12‘)が「予め張力を掛けられ」ることに相当する。引用発明2の「背面707に向けて光を放射する」ことは、本願発明7の「後部壁(14)により反射される波ビームを放出する」ことと、後部壁にむけて波ビームを放出する限りで一致する。また、引用発明2の「発光ダイオード」は、本願発明7の「光学センサ(33)」と、光学センサの発光部である限りで一致するから、引用発明2の「付勢され、その上に背面707に向けて光を放射する発光ダイオードを有するプッシャ725」と本願発明7の「予め張力を掛けられ、その上に」「後部壁(14)により反射される波ビームを放出する光学センサ(33)とを有するスライダ(4、12、12‘)」とは、予め張力を掛けられ、その上に後部壁にむけて波ビームを放出する光学センサ(33)の発光部を有するスライダである限りで一致する。さらに、引用発明2の「棚705にある製品を前方に移動する段階」は、本願発明7の「コンパートメント(2)に残っている他の製品(10)をシフトするステップ」に相当する。

引用発明7において、「発光ダイオードを機能させる」ことにより、距離の算出が行われ、それにより製品の数が決定され、その結果が記録されると解されるから、引用発明7の「発光ダイオードを機能させる段階」は、本願発明7の「製品のストックを記録するために光学センサ(33)の測定をトリガーするステップ」に相当する。

引用発明2の「受信機730」は、本願発明7の「光学センサ(33)」と光学センサの受光部である限りで一致するから、引用発明2の「発光ダイオードが放射した光が背面707の近くに位置する受信機730に達するまでの時間」と本願発明7の「光学センサ(33)が後部壁(14)により反射される波ビームが再び光学センサ(33)に達するまでの時間」は、波ビームが光学センサの発光部から光学センサの受光部に達するまでの時間である限りで一致する。また、引用発明2の「背面707からプッシャ725までの距離の算出が実行される段階」は、本願発明7の「後部壁(14)に対するスライダ(4、12)の位置の検出が実行されるステップ」に相当する。そうすると、引用発明2の「発光ダイオードが放射した光が背面707の近くに位置する受信機730に達するまでの時間により、背面707からプッシャ725までの距離の算出が実行される段階」と本願発明7の「光学センサ(33)が後部壁(14)により反射される波ビームが再び光学センサ(33)に達するまでの時間を測定することにより、後部壁(14)に対するスライダ(4、12)の位置の検出が実行されるステップ」は、波ビームが光学センサの発光部から光学センサの受光部に達するまでの時間を測定することにより、後部壁に対するスライダの位置の検出が実行されるステップである限りで一致する。

引用発明2の「背面707からプッシャ725までの距離の算出」は、本願発明7の「後部壁(14)に対するスライダ(4、12)の位置の検出」に相当し、引用発明2の「棚の前方とプッシャ725との間に配置された製品の長さが計算され」ることは、本願発明7の「除去領域(11)とスライダの間に前後に配置された製品の長さが計算され」ることに相当し、引用発明2の「棚の製品の数を製品の既知の寸法に基づいて決定される」ことは、本願発明7の「コンパートメント内にまだ残っている製品の数も、製品の厚さの関数として決定される」ことに相当する。

以上のことから、本願発明7と引用発明2とは、次の一致点及び相違点を有する。

・一致点

「複数の製品を有し、固定点である後部壁を有するコンパートメントにおける製品のストックを記録する方法であって、
除去領域から製品を引き出すステップと、
予め張力を掛けられ、その上に後部壁により反射される波ビームを放出する光学センサの発光部を有するスライダによって、コンパートメントに残っている他の製品をシフトするステップと、
製品のストックを記録するために光学センサの測定をトリガーするステップと、
波ビームが光学センサの発光部から光学センサの受光部に達するまでの時間を測定することにより、後部壁に対するスライダの位置の検出が実行されるステップを備え、
後部壁に対するスライダの位置の検出により、除去領域とスライダの間に前後に配置された製品の長さが計算され、コンパートメント内にまだ残っている製品の数も、製品の厚さの関数として決定される、方法。」

・相違点5

本願発明7は、「バネによって」スライダに予め張力が掛けられるのに対し、引用発明2は、何によりプッシャ725が付勢されるのか特定されていない点。

・相違点6

本願発明7は、スライダに関し、「その上に動きセンサ(36)」を有し、この「動きセンサ(36)の信号によって、製品のストックを記録するために光学センサ(33)の測定をトリガーする」のに対し、引用発明2は、プッシャ725は、動きセンサを有しておらず、「周期的に、連続的に、または遠隔位置からのコマンドに基づいて、発光ダイオードを機能させる」点。

・相違点7

波ビームが光学センサの発光部から光学センサの受光部に達するまでの時間を測定することにより、後部壁に対するスライダの位置の検出が実行されることに関し、本願発明7は、スライダが「後部壁(14)により反射される波ビームを放出する光学センサ(33)」を有し、「光学センサ(33)が後部壁(14)により反射される波ビームが再び光学センサ(33)に達するまでの時間を測定することにより、後部壁(14)に対するスライダ(4、12)の位置の検出が実行される」のに対し、引用発明2は、プッシャ725が「背面707に向けて光を放射する発光ダイオードを有」し、「発光ダイオードが放射した光が背面707の近くに位置する受信機730に達するまでの時間により、背面707からプッシャ725までの距離の算出が実行される」点。

(2)判断

相違点5ないし7について検討する。

ア 相違点5について

プッシャ725を付勢する手段としてバネを用いることは、引用発明2とは別の実施形態であるが、引用文献1(上記第4・1(1)カに示す[0116]参照)に記載され、また、引用文献2(上記第4・2(4)に示す[0022]参照)にも記載されているように周知技術である。

そして、引用発明2において、プッシャ725を付勢する具体的手段は当業者が適宜設定し得たことであるから、当該手段としてバネを適用し、相違点5に係る本願発明7の発明特定事項を得ることは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 相違点6について

引用発明2において、棚の製品の数を計算するために要する電力を低電力とすることは当業者にとって自明な課題であり、引用文献1にもそのための回路を低電力なものとすることが示唆されている(上記第4・1(1)エに示す[0056]参照)。また、プッシャ725が静止している間は、製品の数が変わらず、製品の数が変わるのはプッシャ725が動いたときだけであることは、引用文献1に接した当業者にとって自明な事項である。

そして、引用文献2には、押圧部材110の位置を検出して製品の在庫数を監視する装置において、動き検出スイッチの作動をトリガとしてセンサのサンプリングを行うこと、それにより装置の低電力化を図ることが記載(上記第4・2(6)に示す[0036]参照)されており、低電力化を図るために、これを引用発明2に適用し、プッシャ725の動きが検出できるようにプッシャ725に動きセンサを設け、動きセンサによりプッシャ725の動きが検出されたとき、製品の数を計算するための測定が実行されるようにし、本願発明7の上記相違点6に係る発明特定事項を得ることは当業者が容易になし得た事項である。

ウ 相違点7について

引用文献1には、送信機700と受信機730について、「代替実施形態では、送信機および受信機は、静止位置から信号を跳ね返すだけの同じデバイスに組み込むことができる」(上記第4・1(1)クに示す[0120]参照)ことが記載されている。すなわち、引用発明2は、プッシャ725が発光ダイオードを有し、この発光ダイオードが放射した光を背面707の近くに位置する受信機730が受光することにより、受光までの時間を測定するものであるが、引用文献1には、これら発光ダイオードである送信機と受信機に関し、これらを同じデバイスに組み込み、静止位置から信号を跳ね返し、すなわち、反射された信号を用いることも記載されている。そして、引用発明2において、発光ダイオードと受信機730を同じデバイス、すなわち、受信機730が位置する背面707の近くか、発光ダイオードを有するプッシャ725上のいずれに組み込んだとしても、「発光ダイオードが放射した光が背面707の近くに位置する受信機730に達するまでの時間」が発光ダイオードが放射した光が背面707あるいはプッシャ725により反射し受信機730に達するまでの時間となって、検出される時間が2倍になるだけであり、これにより、「背面707からプッシャ725までの距離の算出が実行」できることに変わりはなく、また、移動するものに光学的な送信機と受信機を設け、対象物までの距離を計測することが周知技術(周知例として、特開平11-344335号公報(特に【0009】、図1参照。)、特開2011-27598号公報(特に【0023】、【0024】、図1、2参照。)、特開2016-49231号公報(特に【0019】、【0022】、【0032】、【0033】、図1ないし3参照)がある。)であり、移動するものに距離測定を行うための光学的な送信機と受信機を設けることに阻害要因といえるものがないことを考慮すれば、引用発明2において、受信機730を発光ダイオードを有しているプッシャ725に組み込み、背面707により反射される光がこのプッシャ725に組み込まれた受信機730に達するまでの時間を測定することにより、プッシャ725と背面707の間の距離を算出するようにし、上記相違点7に係る本願発明7の発明特定事項を得ることは当業者が容易になし得た事項である。

エ 効果等について

一致点、及び相違点5ないし7に係る本願発明7の発明特定事項を一体にみても、本願発明7の奏する効果は、引用発明2、引用文献2に記載された事項及び周知技術から、当業者が予測したものであり、格別なものとはいえない。

オ 請求人の意見について

当審は、令和6年1月17日付けの拒絶理由通知書において、令和6年4月17日に提出された手続補正書により補正される前の請求項11(補正後の請求項7に対応する)に対し、引用文献1に記載された発明との相違点として、相違点4(本審決の相違点5に対応する。)、相違点5(本審決の相違点7に対応する。)、相違点6(本審決の相違点6に対応する。)を認定した上で、この補正前の請求項11に係る発明が引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるという拒絶理由を通知した(上記第3参照。)が、令和6年4月17日提出の意見書において、請求人は、これらの相違点の判断を含め補正前の請求項11に対しては、何ら主張をしていない。これは、本願発明7についての特許法第29条第2項の該当性について(進歩性)の意見は、本願発明1についての意見と同様であるため、意見書におけるその記載を省略したものと解されるが、本願発明1に対する請求人の意見が採用できないのは、上記第5(2)カに示すとおりであり、本願発明7についても本願発明1と同様の意見を主張するものであったとしても、この意見は採用することができない。

第7 結論

以上のとおり、本願発明1及び7は、引用発明1、2、引用文献2に記載された事項、及び周知技術に基いて、当業者が本願の優先日前において容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-017723

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