商標拒絶査定不服審判
2022-017410
ニャーロ
- 審判番号
- 2022-017410
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-137989
- 請求日
- 2022年10月31日
- 審決日
- 2023年10月25日
- 公報発行日
- 2024年01月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ジェックス株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .261-Z (W21) / T18 .262-Z (W21) / T18 .263-Z (W21) / T18 .264-Z (W21)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-137989拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「ニャーロ」の文字を標準文字で表してなり、第21類「愛玩動物用自動給水器,愛玩動物用給水器,愛玩動物用自動給餌器,愛玩動物用給餌用皿,愛玩動物用ケージ」を指定商品として、令和3年11月5日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年6月6日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月14日に意見書が提出され、本願の指定商品は、同日受付の手続補正書により、第21類「愛玩動物用自動給水器」(以下「原審補正商品」という。)に補正されたが、同年8月1日付けで拒絶査定され、これに対し、同年10月31日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6548771号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、第18類「ペット用被服類」、第20類「犬小屋,小鳥用巣箱,ペット用ベッド,ペット用遊び小屋」、第21類「ペット用食器,ペット用ブラシ,小鳥かご,小鳥用水盤,ペット用給餌用ボウル」、第24類「ペット用毛布」、第28類「ペット用おもちゃ」及び第31類「猫用寝わら」(以下、これらをまとめて「引用類似商品」という。)を含む第3類、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第28類、第30類ないし第32類、第35類、第38類、第41類及び第42類に属する商品及び役務(別掲2)を指定商品及び指定役務として、令和3年9月30日に登録出願、同4年4月25日に設定登録されたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標と引用商標は観念において比較することができないとしても、本願商標と引用商標の構成中「ニャーロ」の片仮名とは外観において酷似し、「ニャーロ」の称呼を共通にする類似の商標であって、原審補正商品と引用商標に係る指定商品とは、類似の商品であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、上記第1のとおり、「ニャーロ」の文字を標準文字で表してなるから、その構成文字に相応して「ニャーロ」の称呼が生じるものである。
また、「ニャーロ」の文字は、一般の辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定商品との関係において、商品の品質等を表示する等、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているという特別な事情はない。
したがって、本願商標は、「ニャーロ」の文字に相応して「ニャーロ」の称呼が生じ、これよりは、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲1のとおり、上段に、「ニャーロ」の片仮名と、その右横に、動物の足跡と思しき黒色の図形内に欧文字「N」を白抜きで表したもの(以下「足跡図形」という。)を配し、「ニャーロ」の片仮名の下に、灰色の座った状態の猫と思しき画像(以下「猫様画像」という。)を配してなるところ、「ニャーロ」の片仮名、足跡図形及び猫様画像は重なることなく配置されており、これらを分離して観察することが、取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえず、それぞれが、視覚的に分離して把握されるものである。
そして、引用商標の構成中の「ニャーロ」の片仮名は、上段に位置し、かつ、太字で大きく顕著に表されていることから、視覚的に、看者の注意を強く引く部分であるといえる。
また、「ニャーロ」の片仮名は、引用商標に係る指定商品との関係において、商品の品質等を表示する等、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているという特別な事情はない。
さらに、引用商標の構成中の足跡図形は、構成中の「N」の欧文字から「エヌ」の称呼が生じるものの、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないため、特定の観念は生じないものであり、猫様画像は、猫をモチーフとした画像であると想定し得るとしても、猫様画像が、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないため、これよりは、特定の称呼及び観念は生じないものである。
そうすると、引用商標は、これを構成する「ニャーロ」の片仮名、足跡図形及び猫様画像のそれぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではなく、各構成要素それぞれが、自他商品の識別標識としての機能を有するものであるとしても、引用商標は、本願商標との類否を判断するに当たって、引用商標の構成中、上段に、太字で大きく顕著に表されている「ニャーロ」の片仮名が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえるから、これを引用商標の要部として抽出し、この部分のみを本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、引用商標は、その構成中の「ニャーロ」の片仮名に相応して「ニャーロ」の称呼が生じ、これよりは、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標を比較すると、両商標は、構成全体を見た場合、外観において相違するが、本願商標の「ニャーロ」の片仮名と引用商標の要部である「ニャーロ」の片仮名は、文字の大きさ、書体が相違するとしても、いずれも「ニャーロ」の片仮名よりなるから、外観上、類似するものである。
また、本願商標から生じる「ニャーロ」の称呼と、引用商標の要部である「ニャーロ」の片仮名に相応して生じる「ニャーロ」の称呼は同一である。
そうすると、本願商標と引用商標は、いずれも特定の観念が生じないため、観念において比較し得ないものの、外観において類似し、称呼を同一にする相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願の指定商品と引用商標に係る指定商品との類否について
商標法第4条第1項第11号に規定する指定商品の類否とは、商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にある場合には、たとえ、商品自体が互いに誤認混同を生ずるおそれがないものであっても、商標法第4条第1項第11号にいう「類似の商品」に当たると解するのが相当である(最高裁昭和33年(オ)第1104号、同36年6月27日第三小法廷判決参照)。
そうすると、原審補正商品と引用類似商品とは、いずれも、愛玩動物用の商品であって、いわゆるペットショップと称される愛玩動物用品を取り扱う店において販売され、その需要者は一般消費者であるから、これらは、販売部門、用途、需要者の範囲を同じくするものであり、類似の商品と判断するのが相当であり、これらの商品に同一又は類似の商標が使用された場合には、同一営業主の販売に係る商品であると誤認されるおそれがある関係にあるといえる。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、原審補正商品は、引用類似商品と類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、審判請求書において、本願商標と引用商標は、外観上で明確に区別することができ、引用商標が極めて明確な観念を有することから、観念においても明確に区別することが可能であるから、両商標が、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、両商標は相紛れるおそれのない非類似の商標である旨主張する。
しかしながら、上記1(2)のとおり、引用商標は、これを構成する「ニャーロ」の片仮名、足跡図形及び猫様画像のそれぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものではなく、各構成要素それぞれが、自他商品の識別標識としての機能を有するものであるとしても、引用商標は、本願商標との類否を判断するに当たって、引用商標の構成中、上段に、太字で大きく顕著に表されている「ニャーロ」の片仮名が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえるから、これを引用商標の要部として抽出し、この部分のみを本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
(2)請求人は、原審補正商品は、引用商標の第21類の指定商品表示と極めて近似する表現の指定商品はない旨主張する。
しかしながら、上記1(4)のとおり、原審補正商品と引用類似商品とは、販売部門、用途、需要者の範囲を同じくするものであるから、これらは、類似の商品と判断するのが相当である。
(3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他の請求人の主張も、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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