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特許拒絶査定不服審判

2022-016504

冷蔵庫

審判番号
2022-016504
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-127561外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年10月14日
審決日
2023年04月17日
公報発行日
2023年07月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (F25D) / P18 .121-Z (F25D) / P18 .851-Z (F25D) / P18 .856-Z (F25D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-127561「冷蔵庫」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 1月16日出願公開、特開2020- 8190〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年7月4日の出願であって、令和3年12月21日付けで拒絶の理由が通知され、令和4年3月4日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、同年7月22日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、同年10月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 令和4年10月14日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和4年10月14日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 (1)本件補正後の特許請求の範囲 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。) 「【請求項1】 外箱と内箱の間に断熱材を配置して構成された冷蔵庫本体を備えた冷蔵庫であって、 前記冷蔵庫本体を上下方向に分割した左右方向に沿う断面形状を当該冷蔵庫本体の上下方向に見て、前記冷蔵庫本体の後壁部の背面側に設けられた凹状の基板収納部と、 前記基板収納部内に収容された電子基板と、 を備え、 前記基板収納部と同じ高さにおいて前記冷蔵庫本体の後壁部内に設けられている部品は、前記基板収納部の最前面から左右方向に離れた位置に配置されている冷蔵庫。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和4年3月4日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。 「【請求項1】 外箱と内箱の間に断熱材を配置して構成された冷蔵庫本体を備えた冷蔵庫であって、 前記冷蔵庫本体を上下方向に分割した左右方向に沿う断面形状を当該冷蔵庫本体の上下方向に見て、前記冷蔵庫本体の後壁部に冷蔵庫の前方に向けて突出するように設けられた凸形状部と、 前記凸形状部の背面側に設けられた凹状の基板収納部と、 前記基板収納部内に収容された電子基板と を備えた冷蔵庫。」 2 補正の適否について 本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「前記冷蔵庫本体の後壁部に冷蔵庫の前方に向けて突出するように設けられた凸形状部」を削除する補正を含むものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものではなく、特許法第17条の2第5項各号のいずれを目的とするものでもない。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項に規定する要件に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 3 独立特許要件について 上記のとおり、本件補正は却下すべきものであるが、仮に、本件補正が特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許法第17条の2第5項第2号に規定する要件を満たすものとした場合、本件補正後の請求項1に記載された発明(上記1(1)参照。以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、予備的に以下に検討する。 (1)引用例1 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された特開2002-90030号公報には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審にて付したものである。また「・・・」は記載の省略を意味する。)。 ア 「【0022】 【発明が解決しようとする課題】前記のような冷蔵庫では、図9において、冷蔵庫1の上方にある制御回路を含む電気回路58と、電装部品である冷蔵庫1の下方にある圧縮機20、切替弁(不図示)、凝縮器用送風機(不図示)、除霜ヒータ62、送風機22、冷凍室用温度センサ(不図示)等とは、非常に遠い位置関係となり、前記電気回路58と前記各々の電装部品とを電気的に接続する配線(例えば:リード線)の太い束は冷蔵庫1後方の外箱2aと内箱2bの間の上から下までの多くの領域を貫き、前記配線の束の長さはかなり長くなり、その組立作業性は非常に悪く、手間のかかるものであるばかりでなく、外箱2aと内箱2bの隙間に充填される断熱材2cの断熱性の低下をまねき、しかも、前記断熱材2cがウレタン等の発泡断熱材であるときは、前記配線の束の引き回し状態によっては、発泡断熱材の回り方が悪く、ボイド(ガス空間)等の発泡不良の発生の可能性も増すという課題がある。」 イ 「【0043】図1は本発明の冷蔵庫を示す側面断面図、図2は図1の冷蔵庫の正面図、図3は本発明の冷蔵庫の冷凍サイクルを示す図、図4は本発明の冷蔵庫の部材を示す拡大図、図5は本発明の冷蔵庫の他の部材を示す拡大図、図6は野菜室12付近から下の配線状態の図、図7は回路収納部から機械室に通じる連通路の図、図8は機械室やその周辺の上から見た図である。 ・・・ 【0045】図1および図2において、冷蔵庫1は外面を覆う外箱2aの内側に内箱2bが配され、外箱2aと内箱2bとの隙間には発泡ウレタン等の断熱材2cが充填されている。冷蔵庫1の内部は上から冷蔵室11、野菜室12、冷凍室13の順に区分けされている。」 ウ 「【0073】そして、冷却器25に通じる冷気通路27は、断熱層である内箱2bや断熱材2cを介して、電気回路58を収納する回路収納部の収納ボックス58aや電装カバー58bの上下方向で上方に位置しており、前後方向で冷気通路27と回路収納部が重ならず、これもまた、野菜室12のスペースの利用効率を向上させることとなる。 ・・・ 【0078】また、収納ボックス58aの上部を前記内箱2bの傾斜面同様に後方に行く程高くなる傾斜面で、前記内箱2bの傾斜面とその周辺の断熱材2cと収納ボックス58aの傾斜面をもつ上部とからなる断熱層を必要厚さに保った傾斜面とすると、断熱効率を損なわずに収納ボックス58a等からなる回路収納部内の容積を大きくでき、電気回路58の収納がしやすくなり、電気回路58の大きさに適度にあわせることにより、回路収納部を小さくでき、その周辺の内箱2bの庫内側への突出し量が減り、これもまた、断熱効率を損なわずに、スペースの利用効率を向上させることとなる。」 エ 「 [図:0001399195000001.jpg] 」 オ 上記イの記載から、図1は、本発明の冷蔵庫を示す側面断面図であり、図1には、冷蔵庫の後壁部に冷蔵庫の前方に向けて突出するように設けられた凸形状部と、凸形状部の背面側に設けられた収納ボックス58aが示されている。 また、上記ウの記載には、電気回路58が収納ボックス58aに収納されていることが記載されている。 よって、冷蔵庫の側面断面図から見て、冷蔵庫の断熱材2cの後壁部に冷蔵庫の前方に向けて突出するように設けられた凸形状部と、凸形状部の背面側に設けられた収納ボックス58aと、収納ボックス58aに収納された電気回路58とを備えていることが把握できる。 上記ア~オの事項を総合すると、引用例1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明1」という。)。 「外箱2aと内箱2bとの隙間に断熱材2cを配置して構成された冷蔵庫であって、 冷蔵庫の側面断面図から見て、冷蔵庫の断熱材2cの後壁部に冷蔵庫の前方に向けて突出するように設けられた凸形状部と、 凸形状部の背面側に設けられた収納ボックス58aと、 収納ボックス58aに収納された電気回路58と を備えた冷蔵庫。」 (2)引用例3 原査定の拒絶の理由に引用文献3として引用された特開2002-81856号公報には、図面とともに以下の事項が記載されている。 ア 「【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。図1~図3には第1の実施例の冷蔵庫を示すもので、図1は冷蔵庫の扉を外した状態の正面を示す説明図、図2は冷蔵庫の縦断面図、図3は冷蔵庫の野菜室部分を水平に切断した状態を示す断面図、図4は冷媒回路図である。 【0012】図1において、この冷蔵庫は、断熱箱体1を仕切ることにより、上から順に、冷蔵室(第1の冷蔵室)31、野菜室(第2の冷蔵室)32、製氷室33(第1の冷凍室)、切替室34、冷凍室(第2の冷凍室)35を配置している。また、冷蔵室31には食品を載せる棚70を複数備えている。」 イ 「【0020】冷蔵庫の機能を制御する主要制御基板(制御基板)41は、野菜室32の後方であり、かつ、断熱材の外側に収納され、制御基板カバー43で覆われている。 ・・・ 【0023】このように構成された冷蔵庫においては、一番上部の冷蔵室31の有効な収納空間を前部がわに確保してこの冷蔵室(第1の冷蔵室)31の上部の使い勝手を向上させている。また、主要制御基板41を野菜室(第2の冷蔵室)の後方の断熱材外方に収納したので、冷凍室35の後方の空間をこの主要制御基板41の収納空間の無い分やや小さくでき、冷凍室35の奥行きの寸法を確保でき、冷凍室35の容量も確保することができる。しかも、野菜室32の後方の空間もそれほど大きな空間を必要とせず、野菜室32の奥行き寸法が小さくならず、奥行き寸法を確保できる。このため、冷凍室35の使い勝手と野菜室32の使い勝手を損なうこともない。」 ウ 「【0025】本実施例においては、冷蔵用蒸発器10と機械室101の間に主要制御基板収納部42があるので、除霜水排水管13と冷蔵用蒸発器10の冷媒配管14は主要制御基板収納部42を迂回して機械室101に導かれなければならない。この際に、主要制御基板収納部42と野菜室32との間に除霜水排水管13や冷媒配管14が配置されると、これら両管のための断熱を確保する目的で断熱が厚くなり庫内容積を減少させる要因となる。これを解決する目的で、図3に示す第1の実施例の通りに、除霜水排水管13と冷媒配管14とを基板収納部42の側方に通す。 ・・・ 【0027】この図5に示すような第2実施例のものでは、冷蔵用蒸発器の除霜水排水管13と、冷蔵用蒸発器からの冷媒配管14を離して配置できるので、除霜水排水管が冷媒配管で冷却されにくく、除霜水が凍って管内を閉塞するような恐れをなくすことができるものである。」 エ 「【図2】 [図:0001399195000002.jpg] 【図3】 [図:0001399195000003.jpg] 」 オ 上記アの記載から、図3は冷蔵庫の野菜室部分を水平に切断した状態を示す断面図であり、 図3には、断熱箱体1の後壁部の背面側に設けられた凹状の主要制御基板収納部42と、主要制御基板収納部42内に収容された主要制御基板41が示されている。 よって、冷蔵庫を水平に切断した状態を示す断面図から見て、断熱箱体1の後壁部の背面側に設けられた凹状の主要制御基板収納部42と、主要制御基板収納部42内に収容された主要制御基板41を備えていることが把握できる。 カ また、図2には、除霜水排水管13と主要制御基板収納部42が高さ方向に重複して配置されていることが示されており、図2、3を併せ見ると、主要制御基板収納部42と同じ高さにおいて断熱箱体1の後壁部内に設けられている除霜水排水管13と、冷媒配管14は、主要制御基板収納部42の最前面から左右方向に離れた位置に配置されていることが把握できる。 上記ア~カの事項を総合すると、引用例3には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明3」という。)。 「断熱箱体1を備えた冷蔵庫であって、 冷蔵庫を水平に切断した状態を示す断面図から見て、断熱箱体1の後壁部の背面側に設けられた凹状の主要制御基板収納部42と、 主要制御基板収納部42内に収容された主要制御基板41と、 を備え、 主要制御基板収納部42と同じ高さにおいて断熱箱体1の後壁部内に設けられている除霜水排水管13と、冷媒配管14は、主要制御基板収納部42の最前面から左右方向に離れた位置に配置されている冷蔵庫。」 (3)対比・判断 本願補正発明と引用発明3とを対比する。 ア 引用例3の段落【0012】には、「この冷蔵庫は、断熱箱体1を仕切ることにより、上から順に、冷蔵室(第1の冷蔵室)31、野菜室(第2の冷蔵室)32、製氷室33(第1の冷凍室)、切替室34、冷凍室(第2の冷凍室)35を配置している。」と記載されているから、断熱箱体1は、冷蔵庫本体を構成するものといえる。そして、断熱箱体1が外箱と内箱との間に断熱材を配置した構造であることは、冷蔵庫の構成として技術常識といえるものである。 よって、引用発明の「断熱箱体1」は、本願補正発明の「外箱と内箱の間に断熱材を配置して構成された冷蔵庫本体」に相当する。 イ 引用発明3の「冷蔵庫を水平に切断した状態を示す断面図から見」たものは、本願補正発明の「前記冷蔵庫本体を上下方向に分割した左右方向に沿う断面形状を当該冷蔵庫本体の上下方向に見」たものに相当する。 よって、引用発明3の「冷蔵庫を水平に切断した状態を示す断面図から見て、断熱箱体1の後壁部の背面側に凹状の主要制御基板収納部42」は、本願補正発明の「前記冷蔵庫本体を上下方向に分割した左右方向に沿う断面形状を当該冷蔵庫本体の上下方向に見て、前記冷蔵庫本体の後壁部の背面側に設けられた凹状の基板収納部」に相当する。 ウ 引用発明3の「主要制御基板収納部42内に収容された主要制御基板41」は、本願補正発明の「前記基板収納部内に収容された電子基板」に相当する。 エ 引用発明3の「除霜水排水管13と、冷媒配管14」は、本願補正発明の「部品」に相当する。 よって、引用発明3の「主要制御基板収納部42と同じ高さにおいて断熱箱体1の後壁部内に設けられている除霜水排水管13と、冷媒配管14は、主要制御基板収納部42の最前面から左右方向に離れた位置に配置されている」点は、本願補正発明の「前記基板収納部と同じ高さにおいて前記冷蔵庫本体の後壁部内に設けられている部品は、前記基板収納部の最前面から左右方向に離れた位置に配置されている」点に相当する。 したがって、本願補正発明と引用発明3とは、 「外箱と内箱の間に断熱材を配置して構成された冷蔵庫本体を備えた冷蔵庫であって、 前記冷蔵庫本体を上下方向に分割した左右方向に沿う断面形状を当該冷蔵庫本体の上下方向に見て、前記冷蔵庫本体の後壁部の背面側に設けられた凹状の基板収納部と、 前記基板収納部内に収容された電子基板と、 を備え、 前記基板収納部と同じ高さにおいて前記冷蔵庫本体の後壁部内に設けられている部品は、前記基板収納部の最前面から左右方向に離れた位置に配置されている冷蔵庫。」 である点で一致し、相違点はない。 よって、本願補正発明は、引用発明3である。 (4)明確性について 本件補正後の請求項1は、「前記基板収納部と同じ高さにおいて前記冷蔵庫本体の後壁部内に設けられている部品」を備えることを発明特定事項とするものである。 当該発明特定事項における「前記基板収納部と同じ高さ」について検討すると、本件補正後の請求項1における「基板収納部」とは、「前記冷蔵庫本体を上下方向に分割した左右方向に沿う断面形状を当該冷蔵庫本体の上下方向に見て、前記冷蔵庫本体の後壁部の背面側に設けられた凹状」のものであって、基板収納部内に「電気基板」が収容されることが特定されているのみであり、なにをもって「基板収納部」の「高さ」とするのかを特定する記載はない。 そこで、発明の詳細な説明を参酌すると、段落【0011】~【0030】において、「基板収納部26」の「左右方向」、「前後方向」、「上端部」及び「下端部」、「厚み寸法」が特定されているが、いずれの方向の位置をもって「高さ」とするのかを特定する記載はない。 してみると、本件補正後の請求項1の「前記基板収納部と同じ高さ」とは、基板収納部に対していずれの方向において「同じ高さ」とするのか、発明の詳細な説明の記載を参酌しても、複数の解釈が可能であって、第三者が不測の不利益を被るおそれがある程度に不明確であるといわざるを得ない。 (5)まとめ 以上のように、本願補正発明は、引用発明3であるから、特許法第29条第1項第3号に該当するから、特許出願の際独立して特許を受けることができない。また、本願の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 むすび したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項各号に規定するいずれの要件にも違反するから、同法159条第1項の規定において準用する同法53条第1項の規定により却下すべきものである。 また、仮に本件補正が同法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正であったとしても、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~8に係る発明は、令和4年3月4日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~8に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記「第2[理由]1(2)」に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、次の理由を含むものである。 (進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物1、2又は3に記載された発明並びに刊行物5、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開2002-90030号公報 2.実願昭50-160171号(実開昭52-72960号)のマイクロフィルム 3.特開2002-81856号公報 5.特開2005-351507号公報 3 引用例 引用例1及びその記載事項は、前記「第2[理由]3(1)」に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明と引用発明1とを対比する。 ア 引用発明1の「冷蔵庫」が冷蔵庫本体を備える冷蔵庫であることは、明らかである。 よって、引用発明1の「外箱2aと内箱2bとの隙間に断熱材2cを配置して構成された冷蔵庫」は、本願発明の「外箱と内箱の間に断熱材を配置して構成された冷蔵庫本体を備えた冷蔵庫」に相当する。 イ 引用発明1の「凸形状部」と、本願発明の「凸形状部」は、「凸形状部」を見る冷蔵庫の断面が、上下方向に沿う側面断面図と、左右方向に沿う断面とで異なるものである。 よって、引用発明1の「冷蔵庫の側面断面図から見て、冷蔵庫の断熱材2cの後壁部に冷蔵庫の前方に向けて突出するように設けられた凸形状部」と、本願発明の「前記冷蔵庫本体を上下方向に分割した左右方向に沿う断面形状を当該冷蔵庫本体の上下方向に見て、前記冷蔵庫本体の後壁部に冷蔵庫の前方に向けて突出するように設けられた凸形状部」とは、「前記冷蔵庫本体の後壁部に冷蔵庫の前方に向けて突出するように設けられた凸形状部」という限りにおいて一致する。 ウ 引用発明1の「凸形状部の背面側に設けられた収納ボックス58a」、「収納ボックス58aに収納された電気回路58」は、それぞれ、本願発明の「前記凸形状部の背面側に設けられた凹状の基板収納部」、「前記基板収納部内に収容された電子基板」に相当する。 したがって、本願発明と引用発明1とは、 「外箱と内箱の間に断熱材を配置して構成された冷蔵庫本体を備えた冷蔵庫であって、 前記冷蔵庫本体の後壁部に冷蔵庫の前方に向けて突出するように設けられた凸形状部と、 前記凸形状部の背面側に設けられた凹状の基板収納部と、 前記基板収納部内に収容された電子基板と を備えた冷蔵庫。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点] 「前記冷蔵庫本体の後壁部に冷蔵庫の前方に向けて突出するように設けられた凸形状部」に関して、本願発明は、「前記冷蔵庫本体を上下方向に分割した左右方向に沿う断面形状を当該冷蔵庫本体の上下方向に見」たものであるのに対し、引用発明1は、「冷蔵庫の側面断面図から見」たものであり、左右方向に沿う断面形状を当該冷蔵庫本体の上下方向に見て凸形状部を備えるかどうか不明である点。 上記相違点について検討する。 引用発明1は、冷蔵庫の断面は異なるものの、図1等を参照すれば、冷蔵庫の後方の外観を良好にすると共に、冷蔵庫本体の後面からの出っ張りを極力小さくするという、本願発明と同様の作用効果を奏するものであることが分かる。 そして、その作用効果は、冷蔵庫の断面が上下方向の断面であっても左右方向の断面であっても格別な違いがあるものではないから、冷蔵庫本体の後壁部に設ける凸形状部をどの方向の断面で見たものとするかは、冷蔵庫内のスペースを考慮して当業者が適宜決めることができるものである。 一方、冷蔵庫を左右方向に沿う断面形状を冷蔵庫本体の上下方向から見て、冷蔵庫本体の後壁部の後方に冷蔵庫を機能させるための部品を配置するとともに、後壁部から冷蔵庫の前方に向けて突出するように凸形状部を設けることは、周知の技術である(例えば、拒絶査定時に周知例として例示した引用文献5(特開2005-351507号公報)の段落【0043】、図1、2、及び当審が周知例として例示する特開2003-106734号公報の図7等を参照のこと。)。 そして、引用発明1と周知の技術とは、ともに冷蔵庫本体の後壁部の後方に冷蔵庫を機能させるための部品を配置した冷蔵庫である点で共通するものである。また、引用発明1の冷蔵庫の断熱材2cにおいて、周知の技術に示すような後壁部の左右方向の断面に凸形状部を形成することができないとする特段の事情もない。 したがって、上記周知の技術を勘案すれば、引用発明1において、冷蔵庫を左右方向に沿う断面形状を冷蔵庫本体の上下方向から見て、冷蔵庫の前方に向けて突出するような凸形状部を設けることは、当業者が容易に想到し得たことである。 よって、本願発明は、引用発明1及び周知の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 5 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項に該当し、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-016504

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